JPH1144601A - 圧力センサおよびこの圧力センサを用いた圧力計 - Google Patents

圧力センサおよびこの圧力センサを用いた圧力計

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JPH1144601A
JPH1144601A JP20401597A JP20401597A JPH1144601A JP H1144601 A JPH1144601 A JP H1144601A JP 20401597 A JP20401597 A JP 20401597A JP 20401597 A JP20401597 A JP 20401597A JP H1144601 A JPH1144601 A JP H1144601A
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JP
Japan
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pressure
temperature
atmospheric pressure
substrate
heating wire
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Application number
JP20401597A
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English (en)
Inventor
Takashi Hosoi
隆志 細居
Nariaki Kuriyama
斉昭 栗山
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型でも広範囲な圧力域の計測が可能な圧力
センサを得るるとともに、この圧力センサを用いること
により広範囲な圧力域の計測を正確に行うことができる
圧力計を得る。 【解決手段】 圧力センサ10は、基板11、発熱ヒー
トワイヤ12および温度検出センサ13によって構成さ
れている。発熱ヒートワイヤ12は、基板11に取り付
けられた発熱ヒートワイヤ支持部材12aにより基板1
1から離れた位置で支持され、温度検出センサ13は、
基板11に取り付けられた温度検出センサ支持部材13
aにより発熱ヒートワイヤ12の上方で基板11から離
れた位置で支持されており、発熱ヒートワイヤ12の発
熱により加熱されて対流する雰囲気中の気体の温度を検
出するようになっている。なお、発熱ヒートワイヤ12
および温度検出センサ13は、くぼみ部11b上に位置
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空域から加圧域
までの圧力を検出することができる圧力センサおよびこ
の圧力センサを用いた圧力計に関する。
【0002】
【従来の技術】真空蒸着装置内等の真空度を計測するの
に適した小型の圧力計としては、ピラニー真空計が知ら
れている。ピラニー真空計は、ガスの熱伝導率が圧力
(真空度)によって変化することを利用してその圧力を
測るものであり、気体を熱する熱線(ヒートワイヤ)の
温度の変化を圧力として検出するようになっている。こ
のように構成されたピラニー真空計においては、正確に
計測できる圧力の範囲が10〜0.1Torrと限られてい
る。
【0003】従って、通常これ以外の真空域における真
空度を計測する場合には、他の構成の圧力計を用いるこ
ととしている。例えば、図5(A)に示すように、10
Torr以上の真空度が低い領域(圧力が高い領域)の計測
を行うのに適した圧力計としては、ダイヤフラム式圧力
計がある。
【0004】ダイヤフラム式圧力計は、気密容器の中央
に金属薄膜の可動ダイヤフラム電極を設け、さらに中央
固定電極と外周固定電極とがそれぞれ可動ダイヤフラム
電極に対向して設けられている。そして、中央固定電極
と可動ダイヤフラム電極との間の静電容量と、外周固定
電極と可動ダイヤフラム電極との間の静電容量との差を
交流ブリッジ回路によって検出することにより、圧力の
検出を行うものである。このため、1つのダイヤフラム
では広い範囲の圧力の計測を行うことができない。
【0005】そこで、小型でもピラニー真空計とダイヤ
フラム式圧力計との計測範囲を合わせ持つ圧力計とし
て、特開平6−109568号公報において開示されて
いるような真空計(真空センサ)がある。
【0006】この真空センサは、絶対圧力の値を静電容
量の値の変化から検出するように構成されており、具体
的には、内部の空間を隔てて対向する一対の導電性薄膜
からなるダイヤフラム電極をそれらの周縁を基板に固定
して配置することにより形成されている。そして、導電
性薄膜の面積がそれぞれ異なる複数組のダイヤフラム電
極を、各ダイヤフラム電極の間の空間を相互に連通させ
て高真空に封止した状態で基板に電気的に絶縁させて連
接している。このように構成された真空計においては、
導電性薄膜の面積の大きなダイヤフラム電極により、真
空度の高い領域の測定を行うことができ、導電性薄膜の
面積の小さなダイヤフラム電極によって真空度の低い領
域の測定を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された真空計においては、広範囲な領域の測定
を行うことができるが、その構造が複雑であるため、製
作が困難であるとともに、小型化することが困難である
という問題があった。
【0008】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、小型でも広範囲な圧力域の計測が可能な
圧力センサを提供するとともに、この圧力センサを用い
ることにより広範囲な圧力域の計測を正確に行うことが
できる圧力計を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明に係る圧力センサは、基板、電熱線および、
温度検出手段によって構成されている。電熱線は、基板
に取り付けられた電熱線支持部材により基板から離れた
位置で支持されている。また、温度検出手段は、基板に
取り付けられた温度検出手段支持部材により電熱線の上
方で基板から離れた位置で支持されており、電熱線の発
熱により加熱されて対流する雰囲気中の気体の温度を検
出するようになっている。
【0010】このように構成された圧力センサにおいて
は、雰囲気中の気体の種類に応じて雰囲気圧と電熱線の
温度の変化との関係を予め求めておけば、電熱線の温度
の変化から雰囲気圧を計測することができる。また、雰
囲気中の気体の種類に応じて雰囲気圧と電熱線によって
加熱された気体の温度との関係を予め求めておけば、温
度検出手段によって検出した気体の温度から雰囲気圧を
計測することができる。
【0011】なお、この圧力センサにおいては、基板に
おける電熱線の発熱の影響を受けない位置において雰囲
気温度を検出する補正温度検出手段を設けることが好ま
しい。このように構成された圧力センサによれば、雰囲
気温度が変化することにより計測した雰囲気圧に誤差が
生じるおそれがある場合にも、補正温度検出手段によっ
て検出した検出温度に基づいて雰囲気圧を補正すること
が可能となる。
【0012】また、上記の目的達成のため、本発明に係
る圧力計は、上記の圧力センサを用いて構成され、さら
には、第一圧力算出手段と第二圧力算出手段とからなる
2つの圧力算出手段が設けられている。第一圧力算出手
段は、雰囲気中の気体の種類に応じて予め求められてい
る雰囲気圧と電熱線の温度の変化との関係に基づいて、
電熱線の温度の変化から雰囲気圧を計測するように構成
されている。また、第二圧力算出手段は、雰囲気中の気
体の種類に応じて予め求められている雰囲気圧と電熱線
によって加熱された気体の温度との関係に基づいて、温
度検出手段によって検出した気体の温度から雰囲気圧を
計測するように構成されている。
【0013】このように構成された圧力計によれば、電
熱線の温度の変化から雰囲気圧を計測するのに適した圧
力域である比較的真空度の高い圧力域においても正確な
雰囲気圧の計測を行うことができるとともに、温度検出
手段によって検出した気体の温度から雰囲気圧を計測す
るのに適した圧力域である比較的真空度の低い圧力域か
ら加圧域にかけての圧力域においても正確な雰囲気圧の
計測を行うことができる。
【0014】なお、上記の圧力計においては、補正温度
検出手段を設けた圧力センサを用いることが好ましく、
この補正温度検出手段によって検出した検出温度に基づ
いて計測された雰囲気圧を補正する補正手段を設けるこ
とが好ましい。このように構成された圧力計によれば、
雰囲気温度が変化することにより計測した雰囲気圧に誤
差が有る場合でも、補正温度検出手段によって検出した
検出温度に基づいて雰囲気圧を補正することができる。
【0015】また、上記の圧力計においては、電熱線の
温度の変化から第一圧力算出手段によって算出された雰
囲気圧を計測値として用いるか、温度検出手段によって
検出した気体の温度から第二圧力算出手段によって算出
された雰囲気圧を計測値として用いるかの選択を行う選
択手段を設けることが好ましい。そして、算出された雰
囲気圧が予め定められた基準圧以下のときは第一圧力算
出手段によって算出された雰囲気圧を選択し、算出され
た雰囲気圧が基準圧より高いときは第二圧力算出手段に
よって算出された雰囲気圧を選択する。
【0016】このように構成された圧力計によれば、電
熱線の温度の変化から雰囲気圧を計測する場合には、真
空度が低くなると正確な検出を行うことができくなる
が、比較的真空度が高い圧力域では正確な雰囲気圧の計
測を行うことができる。また、温度検出手段によって検
出した気体の温度から雰囲気圧を計測する場合には、真
空度が高くなると正確な検出を行うことができなくなる
が、比較的真空度が低い圧力域から加圧域にかけては正
確な雰囲気圧の計測を行うことができる。
【0017】このため、電熱線の温度の変化から雰囲気
圧を計測した場合および、温度検出手段によって検出し
た気体の温度から雰囲気圧を計測した場合のいずれの場
合においても比較的正確に雰囲気圧の計測を行うことが
できる雰囲気圧を基準圧として定めておけば、算出され
た雰囲気圧が予め定められた基準圧以下のときは第一圧
力算出手段によって算出された雰囲気圧を用い、算出さ
れた雰囲気圧が基準圧より高いときは第二圧力算出手段
によって算出された雰囲気圧を用いれば、常に正確な雰
囲気圧の計測を行うことができる。
【0018】さらに上記の圧力センサおよび圧力計にお
いては、圧力センサに設けられた電熱線を、白金、タン
グステン、モリブデンのいずれかによって形成すること
が好ましい。このような材質によって電熱線を形成すれ
ば、高温でも形態が安定しているため変形することがな
く、常に正確な計測を行うことができる。また、圧力セ
ンサの基板は珪素かガラスを用いることが好ましい。珪
素やガラスは加工性が良いため、小型でも正確な圧力計
測を行うことができる圧力センサを安価に得ることがで
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る圧力センサおよびこの圧力センサを用いて構成された
圧力計について説明する。まず、図1および図2を参照
して圧力センサ10について説明する。圧力センサ10
は、基板11と、発熱ヒートワイヤ(電熱線)12と、
温度検出センサ(温度検出手段)13とから構成されて
いる。基板11は、矩形状に形成されており、その中央
部には表面11a側から凹状に形成されたくぼみ部11
bが形成されている。
【0020】発熱ヒートワイヤ12および温度検出セン
サ13は、くぼみ部11bの周囲から内側に伸びて形成
された発熱ヒートワイヤ支持部材12aおよび温度検出
センサ支持部材13aによって支持され、くぼみ部11
b上に位置して(基板11に接触することなく、基板1
1から離れて)基板11に支持されている。
【0021】基板11の表面11aには、温度検出セン
サ13とは別に構成された補正温度検出センサ(補正温
度検出手段)14が、発熱ヒートワイヤ12の発熱の影
響を受けない位置である発熱ヒートワイヤ12の下方に
配設されている。補正温度検出センサ14は、雰囲気の
温度を検出することにより、雰囲気温度変化により生じ
る計測誤差の補正を行うことができるようになってい
る。なお、温度検出センサ13および補正温度検出セン
サ14は、温度によって電気抵抗が変化する抵抗体を用
いた温度検出センサ(熱電対)によって形成されてい
る。
【0022】上記の圧力センサ10においては、基板1
1が珪素(Si)の板材によって、幅Wが2mm、高さ
Hが2mm、奥行Dが0.5mmに形成されている。ま
た、発熱ヒートワイヤ12は、白金(Pt)によって形
成されている。なお、発熱ヒートワイヤ12と温度検出
センサ13との間隔Lは、0.25〜0.5mmとなるよ
うに取り付けられる。
【0023】このように構成された圧力センサ10は、
図3に示すような圧力計1に用いられる。この圧力計1
においては、圧力センサ10はコントローラ20に繋が
れており、このコントローラ20によって各センサ1
2,13,14からの検出信号が処理されて雰囲気圧が
算出され、出力手段30において雰囲気圧として表示し
たり、電気信号として出力したりされる。
【0024】コントローラ20には、発熱ヒートワイヤ
用算出回路(第一圧力算出手段)22と、温度検出セン
サ用算出回路(第二圧力算出手段)23と、補正温度検
出センサ用算出回路(補正手段)24とが設けられてい
る。発熱ヒートワイヤ12からの信号は発熱ヒートワイ
ヤ用算出回路22に送信され、温度検出センサ13から
の検出信号は温度検出センサ用算出回路23に送信さ
れ、補正温度検出センサ14からの検出信号は補正温度
検出センサ用算出回路24に送信される。
【0025】発熱ヒートワイヤ用算出回路22は、雰囲
気中の気体の種類に応じて予め求められている雰囲気圧
と発熱ヒートワイヤ12の温度の変化との関係に基づい
て、発熱ヒートワイヤ12の温度の変化から雰囲気圧を
算出する。
【0026】具体的には、発熱ヒートワイヤ12に発熱
ヒートワイヤ用算出回路22から通電され、発熱ヒート
ワイヤ12が加熱される。ここで、雰囲気中の気体の圧
力(ガス圧)が変化すると、気体の分子が発熱ヒートワ
イヤ12から熱を奪う量が変化するので、発熱ヒートワ
イヤ12の温度を一定温度保つための電力が発熱ヒート
ワイヤ用算出回路22にフィードバックされる。そし
て、フィードバックされたフィードバック量に基づいて
発熱ヒートワイヤ用算出回路22が雰囲気圧を算出す
る。すなわち、前記のピラニー真空計による圧力検出と
同原理によって雰囲気圧の計測を行う。
【0027】なお、雰囲気温度が変化すると雰囲気中の
気体の分子が発熱ヒートワイヤ12から熱を奪う量が変
化するので、発熱ヒートワイヤ用算出回路22によって
算出された雰囲気圧は、補正温度検出センサ用算出回路
24によって算出された補正圧力に基づいて補正された
後に、出力装置30に出力される。また、雰囲気中の気
体の種類が変化しても発熱ヒートワイヤ12から熱を奪
う量が変化するため、切替手段(図示せず)を予め切り
替えておくことによって気体の種類に応じた補正を行
う。
【0028】温度検出センサ用算出回路23は、雰囲気
中の気体の種類に応じて予め求められている雰囲気圧と
発熱ヒートワイヤ12によって加熱された気体の温度と
の関係に基づいて、温度センサ13によって検出した気
体の温度から雰囲気圧を算出する。
【0029】なお、雰囲気温度が変化すると雰囲気圧と
発熱ヒートワイヤ12によって加熱された気体の温度と
の関係が変化するので、温度検出センサ用算出回路23
によって算出された雰囲気圧は、補正温度検出センサ用
算出回路24によって算出された補正圧力に基づいて補
正された後に、出力装置30に出力される。また、この
場合にも雰囲気中の気体の種類が変化した場合、雰囲気
圧と気体の温度との関係が変化するため、切替手段(図
示せず)を予め切り替えることによって気体の種類に応
じた補正を行う。
【0030】ここで、図4を参照して発熱ヒートワイヤ
12のみを用いた場合と、温度検出センサ13を併せ用
いた場合の圧力検出域について説明する。まず、発熱ヒ
ートワイヤ12のみを用いた圧力検出領域について説明
する。前記のように発熱ヒートワイヤ12を用いた圧力
検出の原理はピラニー真空計の圧力検出の原理と同一で
あるため、その圧力検出領域はピラニー真空計による圧
力検出領域と同一である。
【0031】例えば、白金製の発熱ヒートワイヤ12に
数mAの電流を流し、1Torrの真空度において約200
°Cとなるように加熱すると、図4においてHWで示す
ように10〜0.1Torrの真空度の範囲においては発熱
ヒートワイヤ12の温度が±100°C程度変化するた
め、この範囲の真空度を精度よく検出することができ
る。従って、10〜0.1Torrの真空度の範囲において
は、発熱ヒートワイヤ12を用いて雰囲気圧の計測を行
う。
【0032】しかしながら、圧力が10Torr以上になる
と、圧力の変化に対する発熱ヒートワイヤ12の温度変
化が少ないため正確な圧力検出を行うことができない。
このため、10Torr以上の雰囲気圧の計測は温度検出セ
ンサ13を併せ用いて行う。
【0033】温度検出センサ13は、発熱ヒートワイヤ
12の上方に位置して配設されている。このため、発熱
ヒートワイヤ12を加熱すると、この加熱によって生じ
る雰囲気中の気体の対流により温度検出センサ13の回
りを取り囲む気体が熱せられ、温度検出センサ13によ
る検出温度が高くなる。ここで、対流する気体の温度上
昇は圧力が高いほど大きくなる。
【0034】例えば、前記と同様に発熱ヒートワイヤ1
2を1Torrの真空度において約200°Cとなるように
加熱した場合、図4にSで示すように1Torr前後の真空
度においては圧力が変化しても温度検出センサ13の温
度は約30°Cを維持して、あまり変化しない。しかし
ながら、圧力が10Torr以上になると圧力の上昇に伴っ
て温度検出センサ13の温度も上昇し、約7600Torr
では温度検出センサ13の温度が約80°Cとなり変化
量が大きくなるため、この範囲の圧力の変化を精度よく
検出することができる。
【0035】従って、10Torr以上の圧力域において
は、発熱ヒートワイヤ12を併せ用いて雰囲気圧の計測
を行うことにより、真空度のみならず加圧域(大気圧以
上の圧力)における雰囲気圧の計測を行うことができ
る。
【0036】このようにして、発熱ヒートワイヤ用算出
回路22および、温度検出センサ用算出回路23によっ
て算出された雰囲気圧は、コントローラ20内の選択回
路25によっていずれか一方に選択されて出力装置30
に出力される。すなわち、前記のように10〜0.1Tor
rの真空度の範囲においては発熱ヒートワイヤ用算出回
路22によって算出された雰囲気圧の方が精度がよく、
10Torrより高い圧力域においては温度検出センサ用算
出回路23によって算出された雰囲気圧の方が精度がよ
い。
【0037】従って、上記の圧力センサ1においては、
10Torrを基準圧と定め、算出された雰囲気圧が10To
rr以下のヒートワイヤ温度検出域である場合には、発熱
ヒートワイヤ用算出回路22によって算出された雰囲気
圧を選択して出力装置30に出力し、算出された雰囲気
圧が10Torrより大きい対流温度検出域である場合に
は、温度検出センサ用算出回路23によって算出された
雰囲気圧を選択して出力装置30に出力する。
【0038】このように構成された圧力センサ10によ
れば、図1および図2に示すように基板11を垂直に設
置することにより、温度検出センサ12が発熱ヒートワ
イヤ13の真上に位置し、基板11の表面11a側とく
ぼみ部11bとにおいてスムーズな対流が生じる。この
ため、図5および図6(B)に示すように、約0.1Tor
rの真空域から7600Torr以上の加圧域にかけて、精
度よく雰囲気圧の計測を行うことができる。
【0039】また、圧力センサ10において用いられる
基板11や、発熱ヒートワイヤ12、温度検出センサ1
3および補正温度検出センサ14の製作は、ICやLS
Iにおける基板の製作に用いられる、いわゆる半導体マ
イクロマシン技術を用いて容易に行うことができる。従
って、高い精度で大量に生産することができるため、小
型でも高精度の圧力センサを安価に製作することができ
る。
【0040】なお、上記の検出センサ10においては、
温度検出センサ12、発熱ヒートワイヤ13および補正
温度検出センサ14等が露出して形成されているが、外
力による各センサ12等の損傷を防止するために、対流
を阻害しない範囲でガード部材を設けるようにしてもよ
い。また、所定の雰囲気温度における雰囲気圧の計測を
行う場合には、補正温度検出センサ14は必ずしも設け
る必要はない。
【0041】さらに、選択回路25も必ずしも設ける必
要はなく、発熱ヒートワイヤ用算出回路22と、温度検
出センサ用算出回路23とによって算出された雰囲気圧
をそれぞれ出力したり、両者の平均値を出力したりする
ようにしてもよい。
【0042】基板11の材質は、珪素(Si)に限られ
るものではなく、加工性のよい材質であれば、ガラス等
他の材質を用いてもよい。さらに、発熱ヒートワイヤ1
3の材質も白金(Pt)以外に、タングステン(W)や
モリブデン(Mo)等高温でも変化しない(安定な)材
質であれば、他の材質を用いてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧力セン
サは、電熱線とこの電熱線によって加熱された気体の温
度検出を行う温度検出手段とを設けている。これによ
り、電熱線の温度の変化を、予め求めておいた雰囲気圧
と電熱線の温度の変化との関係に当てはめれば雰囲気圧
の計測を行う圧力センサを得ることができる。また、温
度検出手段によって検出した気体の温度を、予め求めて
おいた雰囲気圧と電熱線によって加熱された気体の温度
との関係に当てはめれば、電熱線の温度の変化に基づく
計測圧力域と異なる圧力域の雰囲気圧の計測を行うこと
が可能な圧力センサを得ることができる。
【0044】なお、この圧力センサにおいては、温度検
出手段とは別に、雰囲気温度を検出するための補正温度
検出手段を設けることが好ましい。このように構成され
た圧力センサによれば、雰囲気温度の変化に伴う計測誤
差が発生するおそれがあっても補正温度検出手段によっ
て検出した検出温度に基づいて雰囲気圧を補正すること
が可能となる。
【0045】また、上記の目的達成のため、本発明に係
る圧力計は、上記の圧力センサを用いて構成され、さら
には、電熱線の温度の変化から雰囲気圧を算出する第一
圧力算出手段と温度検出手段によって検出した気体の温
度から雰囲気圧を算出する第二圧力算出手段とを設けて
いる。このため、電熱線の温度の変化から雰囲気圧を計
測するのに適した圧力域である比較的真空度の高い圧力
域においても正確な雰囲気圧の計測を行うことができる
とともに、温度検出手段によって検出した気体の温度か
ら雰囲気圧を計測するのに適した圧力域である比較的真
空度の低い圧力域から加圧域にかけての圧力域において
も正確な雰囲気圧の計測を行うことができる。
【0046】なお、上記の圧力計においては、補正温度
検出手段によって検出した検出温度に基づいて雰囲気圧
を補正する補正手段を設けることが好ましい。このよう
に構成された圧力計によれば、雰囲気温度の変化によ
り、計測した雰囲気圧に誤差が生じた場合でも、補正温
度検出手段によって検出した検出温度に基づいて計測さ
れた雰囲気圧を補正することができるため、常に正確な
雰囲気圧の計測を行うことができる。
【0047】また、上記の圧力計においては、第一圧力
算出手段によって算出された雰囲気圧を計測値として用
いるか、第二圧力算出手段によって算出された雰囲気圧
を計測値として用いるかを基準圧を境にして選択手段で
選択するように構成ことが好ましい。これにより、誤差
の少ないいずれか一方の圧力算出手段による算出結果の
みを用いて雰囲気圧の計測を行うことができるため、広
範囲の圧力域おいて常に正確な雰囲気圧の計測を行うこ
とができる。
【0048】さらに上記の圧力センサおよび圧力計にお
いては、圧力センサの電熱線を、白金、タングステン、
モリブデンのいずれかによって形成することが好まし
い。これらの材質は、高温でも形態が安定しているた
め、常に正確な圧力検出を行うことができる。また、圧
力センサの基板は珪素かガラスを用いることが好まし
い。珪素やガラスは加工性が良く、マイクロマシン技術
を用いて小さく形成することができるため、小型でも正
確な圧力計測を行うことができる圧力センサを安価に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力センサの斜視図である。
【図2】上記圧力センサの図1におけるI−I断面図で
ある。
【図3】上記圧力センサを用いた圧力検出装置を示すブ
ロック図である。
【図4】上記圧力センサにおける温度検出センサによっ
て検出された温度および発熱ヒートワイヤの温度と圧力
との関係を示す図である。
【図5】従来の圧力計によって検出可能な圧力範囲を
(A)に示し、本発明に係る圧力計によって検出可能な
圧力範囲を(B)に示す。
【符号の説明】
1 圧力計 10 圧力センサ 11 基板 12 発熱ヒートワイヤ(電熱線) 13 温度検出センサ(温度検出手段) 14 補正温度検出センサ(補正温度検出手段) 22 発熱ヒートワイヤ用算出回路(第一圧力算出手
段) 23 温度検出センサ用算出回路(第二圧力算出手段) 24 補正温度検出センサ用算出回路(補正手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 この基板に取り付けられた電熱線支持部材により前記基
    板から離れた位置で支持された電熱線と、 前記基板に取り付けられた温度検出手段支持部材により
    前記電熱線の上方で前記基板から離れた位置で支持さ
    れ、前記電熱線の発熱により加熱されて対流する雰囲気
    中の気体の温度を検出する温度検出手段とからなること
    を特徴とする圧力センサ。
  2. 【請求項2】 前記基板に、前記電熱線の発熱の影響を
    受けない位置において雰囲気温度を検出する補正温度検
    出手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の圧力センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の圧力センサと、 雰囲気中の気体の種類に応じて予め求められている雰囲
    気圧と前記電熱線の温度の変化との関係に基づいて、前
    記電熱線の温度の変化から雰囲気圧を算出する第一圧力
    算出手段と、 雰囲気中の気体の種類に応じて予め求められている雰囲
    気圧と前記電熱線によって加熱された気体の温度との関
    係に基づいて、前記温度検出手段によって検出した気体
    の温度から雰囲気圧を算出する第二圧力算出手段とから
    なることを特徴とする圧力計。
  4. 【請求項4】 前記基板に、前記電熱線の発熱の影響を
    受けない位置において雰囲気温度を検出する補正温度検
    出手段が設けられ、 この補正用温度検出センサによって検出した検出温度に
    基づいて、計測された雰囲気圧を補正する補正手段を有
    していることを特徴とする請求項3に記載の圧力計。
  5. 【請求項5】 算出された雰囲気圧が予め定められた基
    準圧以下のときは前記第一圧力算出手段によって算出さ
    れた雰囲気圧を選択し、算出された雰囲気圧が前記基準
    圧より高いときは前記第二圧力算出手段によって算出さ
    れた雰囲気圧を選択する選択手段を有することを特徴と
    する請求項3もしくは請求項4に記載の圧力計。
  6. 【請求項6】 前記電熱線が、白金、タングステン、モ
    リブデンのいずれかによって形成され、 前記基板が珪素もしくはガラスによって形成されている
    ことを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の圧
    力センサおよび請求項3から請求項5のいずれかに記載
    の圧力計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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