JP2839244B1 - 熱損失圧力測定装置および方法 - Google Patents

熱損失圧力測定装置および方法

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JP2839244B1
JP2839244B1 JP10053876A JP5387698A JP2839244B1 JP 2839244 B1 JP2839244 B1 JP 2839244B1 JP 10053876 A JP10053876 A JP 10053876A JP 5387698 A JP5387698 A JP 5387698A JP 2839244 B1 JP2839244 B1 JP 2839244B1
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グランヴィル ビルズ ダニエル
デイル ドーレンステイン マイケル
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グランヴィル−フィリップス カンパニー
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L21/00Vacuum gauges
    • G01L21/10Vacuum gauges by measuring variations in the heat conductivity of the medium, the pressure of which is to be measured
    • G01L21/12Vacuum gauges by measuring variations in the heat conductivity of the medium, the pressure of which is to be measured measuring changes in electric resistance of measuring members, e.g. of filaments; Vacuum gauges of the Pirani type

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Abstract

【要約】 【課題】 熱損失圧力ゲージにおいて、低圧から高圧ま
での範囲において圧力測定の精度を向上させる。 【解決手段】 改良されたピラニゲージは小直径ワイヤ
検出素子12、それと同じ面内にある小直径ワイヤ補正
素子14、およびそれら素子から離れた2つの平行で平
らな熱伝導性プレート16を有する。検出素子12、補
正素子14およびそれらの結合素子は物理的大きさ、熱
特性、抵抗特性が同じである。結合素子は均一温度区域
への大きな熱伝導性を有し、両素子は同じ真空環境に置
かれる。直流ヒーティング電流が検出素子12のみに使
用される。比較的小さい交流信号がブリッジバランスの
検出に使用される。簡潔な3次元圧力補正式が正確な補
正を提供し、また校正データの収集を簡略化する。改良
されたゲージはピラニゲージの精度、製造コスト、パッ
ケージサイズに重大な進歩をもたらす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非常に低い圧力から
大気圧以上の範囲に及ぶ圧力測定のために気体伝導を利
用した熱損失ゲージに関する。
【0002】
【従来の技術】気体の熱伝導率は気体の圧力の関数であ
るので、暖められた検出素子から気体への熱伝導率をあ
る条件下で適切な校正をして測定し、これを気体の圧力
の決定に利用できる。この原則はよく知られているピラ
ニゲージ(図1a、1bに示す)にも利用されている。
この装置では熱損失はホイートストーンブリッジのネッ
トワークによって計測され、このネットワークは検出素
子を暖めるとともにその抵抗を測定する。
【0003】図1aに示すピラニゲージにおいては、圧
力センサはホイートストーンブリッジの一辺に結合され
温度に敏感な抵抗RSより成る。RSは典型的には電流
2による温度上昇が無視できるように設計された温度
に敏感な抵抗である。R3およびR4は典型的には固定
抵抗である。RSと典型的にはR2が圧力測定されるべ
き真空の環境にさらされる。図1bは別のブリッジ構成
を示す。
【0004】ピラニゲージは(米国特許第358008
1号に示すように)定電流i1によって動作するか、も
しくはRSにかかる定電圧によって動作する。これらの
方法では、ブリッジの電気的不均衡が発生し、それが気
体の圧力を反映する。ピラニゲージは(米国特許第29
38387号に示すように)一定の抵抗値RSによって
も動作する。このモードではエネルギーが供給される割
合は気体の圧力変化とともに変わるため、供給されたエ
ネルギーの変化率は気体の圧力変化を反映する。どの動
作においてもそれぞれ長所短所があるが、以下の議論は
不変抵抗方法と、図1aに示す構成について述べるもの
である。
【0005】電圧VBは図1aのAとCにおける電圧差
を0ボルトに固定するように自動制御される。AからC
へのポテンシャル降下が0である場合、ブリッジはブリ
ッジバランスにあると言う。ブリッジバランスにおいて
は以下の条件が存在する:
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】
【数3】
【0009】
【数4】
【0010】式3を式4で割り、式1と2を利用すると
【0011】
【数5】
【0012】となり、ここで
【0013】
【数6】
【0014】である。したがって、ブリッジバランスに
おいてRSはR2の係数βを表す。
【0015】ある圧力においてRSが定常状態を取りう
るためには式(7)が満たされねばならない:
【0016】
【数7】
【0017】従来のピラニゲージは、未知の圧力P
xと、気体に逃げる電力もしくはより便利にブリッジ電
圧に逃げていく電力との間の関係を決定すべく、一連の
既知の圧力に対して校正される。その後、両端からの損
失と放射による損失は一定であると仮定して、ブリッジ
バランスにおいて気体に逃げていく電力もしくはブリッ
ジの電圧に関連する電力から未知の気体圧力Pxが直接
求められる。
【0018】ピラニゲージは応用範囲が広く、比較的単
純で安価であるように設計されているので、これらのゲ
ージをキャパシタンスマノメータや電離真空計といった
もっと高価なゲージの代用品として使いたいという長ら
くのニーズがあった。しかしながら、現存の設計では精
密な圧力測定、特に低圧における測定に多くの問題点を
残す。
【0019】1977年より前はピラニゲージの圧力上
限は約20トルで、これは高圧下では気体の熱伝導がマ
クロサイズの装置内の圧力から実質的に独立してしまう
という事実によるものである。本発明者の1人は譲渡者
(Granville-Phillips社、コロラド州ボールダー)によ
って1977年より製造され販売されているコンベクト
ロン(商標)ゲージの開発を補助したが、この装置は2
0から1000トルまで感度を高めるために、検出素子
の対流冷却を利用している。コンベクトロンゲージは世
界中で数十万台が販売された。最近では模造品が市場に
出回っている。
【0020】コンベクトロンゲージはあるニーズは満た
したものの、いくつかの欠点があった。対流に充分な空
間を確保するために内部の大きさが大きく成らざるをえ
ないのである。したがって、コンベクトロンゲージは比
較的大きい。対流は重力に依存するので、高圧下での圧
力測定はセンサ軸の向きに依存する。また、気体の伝導
による冷却が主たる圧力範囲は対流冷却のおこる圧力範
囲ときちんと重ならないため、 コンベクトロンゲージ
は約20から200トルの間では感度が限られる。
【0021】これらの問題を避けるために超小型ピラニ
センサが開発され、検出素子から壁への距離が以前使用
されていたたとえば0.5インチといった大きなもので
なく数ミクロンといったオーダーとなっている。たとえ
ばHigashi他による米国特許第4682503
号、Shie他による米国特許第5347869号、ま
たW.J.Alvesteffer他によるJ.Va
c.Sci.Technol.A13(6)1995年
11/12月号の記事には最新のピラニゲージに関する
研究が記載されている。これらのように検出素子から壁
への距離を短くすることで、大気圧以上の圧力でも熱伝
導を圧力に依存させることができる。したがってそのよ
うな微視的センサは低圧から大気圧以上にわたる良好な
感度を有し、どのような向きでも機能する。
【0022】超小型ゲージを開発しようとするとさまざ
まな問題がある。超小型センサは広範囲の圧力にわたっ
て向きには関係がない良好な感度を持つといっても、そ
の設計は極めて複雑で、その製造には数十万ドルもする
非常に特殊な装置を用いたたくさんの入念な製造工程を
必要とする。
【0023】超小型センサはマクロサイズのセンサと同
様に周囲温度による誤差に悩まされる。式(7)の熱損
失の項はすべて周囲温度に依存しており、また与えられ
た圧力での検出素子の温度にも依存する。したがって、
温度補正なしでピラニゲージを使用して圧力を測定しよ
うとすると、周囲温度変化によって生じ、かつ圧力とは
無関係な電力損失によって測定結果が混乱することにな
る。現在のピラニゲージは周囲温度変化によって生じる
誤差を補正しようとする。このような誤差の補正に広く
使用されている手段は、図1aと1bに示すように、温
度に敏感な補正素子RCを固定抵抗Rと直列にしてR2
のかわりに使用することである。
【0024】英国特許GB2105047A号は分圧器
を構成する追加的抵抗器の使用を公開している。J.
H.Leckによる「Pressure Measurement in Vacuu
m」(Chapman and Hall、ロンドン、1664年)の5
8ページにはHaleが1911年にRSと同じ材料で
RSと同じ物理的大きさのR2をピラニゲージに使用し
たことが述べられている。R2はそれ専用の真空環境に
密閉され、RSの近傍に置かれた。R2とRSでの圧力
が同じならば、温度補正は非常に優れている。しかしな
がらそれ以外の圧力ではこの手段による温度補正はあま
り有効ではない。
【0025】余計な費用とR2を他とは分離したガラス
球の中に真空で密閉する複雑さとを避けるため、R2は
従来RSと同じ真空環境に置かれてきた。R2が比較的
大きい熱的質量と熱損失を持つようにすることで、R2
自身が暖まる影響は無視できうる。LeckはR2を
「たとえば一方が銅で他方がニクロム線といった2素子
構成にすることで(R2の)全体の温度係数がピラニ素
子自体(RS)のそれと一致するようにする」ことを推
奨している。Leckによればこの温度補正方法は英国
のEdwards High Vacuum of Great Britain社のMETR
OVACブランドのゲージに使用されてきた。類似の温
度補正方法はCONVECTRONブランドのゲージに
も使用されている。
【0026】しかしながら(抵抗の温度係数が異なる2
種類以上の材料をR2に使用しRSの温度係数に近似さ
せるという)この技術は狭い圧力範囲においてのみ有効
である。事実、ピラニゲージにおけるこの方法での温度
補正について述べた米国特許第4541286号にある
ように、この補正は1箇所もしくはせいぜい数カ所の温
度においてのみ正確である。また、大きい熱的質量の物
体を使った構成は、周囲温度の急激な変化に対するゲー
ジの反応時間を非常に増大させることを本発明者は発見
した。
【0027】また、広範囲にわたるコンピュータシミュ
レーションにより、Leckによって推奨されまた従来
技術で行われてきたようにRSとR2の温度係数を同じ
にすることは完全に正確な温度補正を提供するものでは
ないことも本発明者は発見した。さらに約5×10-3
ル以下の圧力では検出素子末端からの損失はその他すべ
ての損失をあわせたものよりも大きいこともわかった。
本研究によって決定された相対損失成分(全損失におけ
る放射損失、末端損失、気体損失成分)は図2のグラフ
に示すとおりである。1×10-5トルでは末端損失は気
体損失より1000倍以上も大きく、放射損失は気体損
失より約100倍大きい。
【0028】したがって、従来のピラニゲージにおける
温度変化の影響は気体の伝導損失が非常に低くなる非常
な低圧において特に問題である。従来の熱損失ゲージは
たとえば1×10-5トルといった非常に低い圧力を正確
に測定することはできない。本発明者は、この限界は周
囲温度が変わる時に検出素子における末端損失を充分に
一定に保てなかった結果であることを発見した。アルベ
スティファー型のピラニゲージは10-5トルのような範
囲でも圧力を表示する能力があるが、この範囲では正確
な表示はできない。たとえば、典型的ピラニゲージでは
末端損失が1/5000に保たれないと、1×10-5
ルでは圧力表示は50〜100%少なくなってしまう。
【0029】以下の分析は、なぜ従来の設計が低圧での
周囲温度変化に適切な補正をすることがうまくできない
かを示す。従来技術を検証するにあたり、検出素子と壁
との空間が比較的大きいゲージの例を便利的に用いて問
題点を説明する。同様な問題は検出素子から壁への距離
が数ミクロンといったオーダーの超小型ゲージの複雑な
構造にもみられることが理解されねばならない。
【0030】図3は従来のピラニゲージの一素子302
を概略的に示し、このゲージは小直径ワイヤの検出素子
304と補正素子303を使用している。ピラニゲージ
の設計に通じている者は図3の各要素は説明と理解をし
やすくするために一定の縮尺で描かれていないことに気
づくであろう。典型的には小直径ワイヤの検出素子30
4はもっと大きな電気コネクタ306、307に電気的
にも熱的に結合しており、これらコネクタはもっと大き
な支持構造308、309に熱的に結合している。TAL
をある時間tにおける検出素子304の左端の支持構造
308の温度とし、 TARを検出素子304の右端の支
持構造309の温度とする。TSLとTSRをそれぞれ左の
検出素子コネクタ306と右の検出素子コネクタ307
の温度とする。TCLとTCRをそれぞれ左の補正素子コネ
クタ310と右の補正素子コネクタ311の温度とす
る。TXLとTXRをそれぞれ左の検出素子コネクタ3
06と右の検出素子コネクタ307からΔX離れた点で
の温度とする。従来の設計では、これらの温度はすべて
同じであると明白に仮定されてきた。しかしながら、一
見無視できそうな差でも低圧における測定の精度に重大
な影響を及ぼすことを本発明者は発見した。
【0031】温度補正において要求されることをよりよ
く理解するために、いくつかの事柄に注意することが大
切である。
【0032】(1) 低圧では、RCの温度は補正素子
とその結合素子の間の熱交換によって主に決定される。
これは、周囲温度、低圧の状態では補正素子からその周
辺に熱を伝えるには放射や気体伝導は補正素子の両端か
らの熱伝導に比べて大変に非効率的だからである。した
がって、低圧では式8に示すように、補正素子の温度は
補正素子の両端のコネクタ温度の平均に非常に近くなる
であろう。
【0033】
【数8】
【0034】(2)電気的に暖められた検出素子の温度
は両端から中心にかけて変化し、クーラーの支持素子か
らの距離が長くなるにつれて増える。本発明者は有限要
素解析を用いて検出素子の温度分布をシミュレートし
た。RSとRCの抵抗の温度係数を同じにすると、検出
素子のいかなる部分nにおいても温度Tnは定圧、ブリ
ッジバランスの補正素子RCの平均温度TAVGとともに
変化し、その差ΔTn=Tn−TAVGが一定になるように
変化する。この差ΔTnはR=R2−RCとすると、こ
のRとβの関数である。
【0035】(3) 式5によると、ブリッジバランス
における検出素子の抵抗RSはR2の抵抗のβ倍に維持
される。周囲温度が上昇するにつれて補正素子コネクタ
の温度もまた上昇し、したがってRCの温度と抵抗が式
8に従って変化する。RCのどのような温度上昇とそれ
に伴う抵抗上昇もブリッジバランスにあるRSのすべて
の部分の温度と抵抗の上昇を引き起こす。
【0036】(4) 検出素子の両端から失われる電力
は式9のように検出素子の両端の温度勾配γに依存す
る:
【0037】
【数9】
【0038】ここでkは定数であり、
【0039】
【数10】
【0040】
【数11】
【0041】である。もしγLやγRがなんらかの理由で
変化すると、末端損失も変化し、圧力表示が不正確にな
る。
【0042】低圧における従来技術の温度補正の重大な
欠陥を詳しく理解するため、定常状態からTARがわずか
だけ、たとえば右の支持構造の局所的周囲温度が上昇し
たと仮定する。TALはそのままとする。TALが変化しな
いと仮定しているので、 TCLもTSLも不変である。し
かし、TARの上昇は結合素子をとおして熱伝導がおこる
のでTCRを上昇させる。したがってTAVGも上昇する。
AVGの上昇はブリッジバランスにあるTXLとTXRも上
昇させ、γLとγRに変化をきたす。γLとγRの変化は式
7の末端損失の項を変化させ、γLやγRの変化の大きさ
に依存する圧力測定に誤差を生じさせる。
【0043】TALがTARと実質的に同じように変化しな
い限り、周囲温度が変化する際には常に検出素子の末端
損失が変化しないことはないと本発明者は決定した。従
来のピラニゲージは低い圧力の測定を精密に行うのに必
要な程度にはTALをTARと等しく保てるようには設計さ
れていなかった。
【0044】従来の温度補正における別の重大な欠陥を
理解するため、定常状態から周囲温度が上昇し、TAL
ARであると仮定する。さらに、検出素子の長さは同じ
だが、従来普及しているピラニゲージのように右の補正
素子コネクタが左のものより長いと仮定する。したがっ
てTSL=TSRだが、長さのちがいのためTCRはTCLより
遅れて変化する。TCL≠TCRとなるこの遅れの間にT
AVGが変化し、ブリッジバランスでTXLとTXRが変化す
る。したがってこの遅れの間にγLやγRが継続的に変化
し、低圧での圧力表示に誤差を生じさせる。
【0045】検出素子コネクタと補正素子コネクタが物
理的に同じ大きさで熱的な特性が同じでない限り、周囲
温度が変化すれば検出素子末端からの損失は不変ではな
いと本発明者は決定した。従来のピラニゲージは検出素
子コネクタと補正素子コネクタが物理的に同じ大きさで
熱的な特性が同じになるようには特に設計されてこなか
った。
【0046】別の重要な欠陥は(本発明者によって発見
されたのだが)補正素子と検出素子の質量差によるもの
である。典型的にそうであるように、補正素子の質量が
検出素子のそれより実質的に大きいと仮定しよう。従来
のピラニゲージでは補正素子を検出素子より大きくとる
ことが通常行われてきた。これにより補正素子の周囲へ
の比較的大きい熱損失経路ができ、RCにおける電力の
消失に起因する熱の発生が分散できる。定常状態から周
囲温度が上昇し、常にTAL=TARと仮定しよう。したが
って補正素子が新しい定常状態の温度に達するのにかか
る時間はTSLとTSRが新しい定常状態の温度に達するの
にかかる時間よりも長い(従来普及しているピラニゲー
ジでは数時間かかることが観察されている)。この間に
AVGが継続的に変化し、ブリッジバランスでTXLとT
XRを継続的に変化させる。したがってγLやγRもこのラ
グタイムに変化し、検出素子の末端損失は一定ではなく
低い圧力の測定に誤差をきたす。
【0047】同様な問題はブリッジバランスで周囲温度
が変化するにつれて補正素子が検出素子と異なる速度で
温度を変化させるように設計してもおこる。アルベステ
ィファー型の装置などの従来設計にはこの欠陥がある。
【0048】研究結果から、補正素子が検出素子と同じ
速度で温度を変化させるように設計されない限り、検出
素子の末端損失は周囲温度が新しい値におちついたずっ
と後までも変化し続けることを本発明者は発見した。し
かし、従来のピラニゲージはこの要求を満たすようには
設計されてこなかった。
【0049】R2の代わりに検出素子と同じ抵抗の温度
係数を持つ補正素子RCを温度に反応しない抵抗Rと直
列にして使用することで、検出素子とその周辺間の温度
差として変化する気体損失および末端損失に対する温度
補正をすることができることが長らく知られている。こ
の温度補正方法はCONVECTRONゲージに長年に
わたって使用され、またアルベスティファーゲージでも
使用されている。
【0050】この温度補正方法は(1)検出素子と補正
素子の抵抗の温度係数が同じで、(2)検出素子の抵抗
の変化は補正素子の抵抗の変化につれて上昇するように
なっていれば、(3)検出素子の温度は周囲温度の変化
にともなって上昇するとしている。これらの2つの仮定
を満たすことはもちろん非常に理想的である。なぜなら
ば暖められた検出素子と周囲温度にあるその周りの壁と
の温度差は周囲温度が変化しても一定であることがこれ
らの仮定を満たすことで保証されるからである。
【0051】しかしながら、固定抵抗Rと温度に敏感な
抵抗RCを直列にしてR2の代わりに使う従来のゲージ
は以下に述べるように部分的な温度補正しかできないこ
とを本発明者は発見した。
【0052】図1aにおいてR2は温度に敏感な補正素
子RCと温度に無関係な抵抗Rより成ると仮定する。し
たがって
【0053】
【数12】
【0054】である。よってブリッジバランスのために
導き出された上記の式5は以下のように書かれてもよ
い。
【0055】
【数13】
【0056】ここでβは上記の式6で定義される。
【0057】さらに、ゲージ環境の周囲温度がT1に等
しい時、検出素子はTS1で動作し、補正素子はTC1で動
作すると仮定する。したがって、もし
【0058】
【数14】
【0059】なら式13は以下のようにも表せる。
【0060】
【数15】
【0061】ここでRS(T1)は温度T1における検出
素子の抵抗であり、αSは温度T1における抵抗RSの温
度係数である。RC(T1)は温度T1における補正素子
の抵抗であり、αCは温度T1における抵抗RCの温度係
数である。したがってもし TAMBIENT = T2 ならば式13は以下のように記述されてもよい。
【0062】
【数16】
【0063】式15をTS1について解くと、
【0064】
【数17】
【0065】となり、式16をTS2について解くと、
【0066】
【数18】
【0067】となる。式17を式18からひくと周囲温
度がT1からT2に変わった時の検出素子RSの温度変化
ΔTがわかる。したがって
【0068】
【数19】
【0069】である。ここで、効果的な補正素子はその
温度が周囲温度に近くなっていくよう設計されることに
注意する。したがってよい近似のためには
【0070】
【数20】
【0071】となる。よって式19は以下のように表せ
る。
【0072】
【数21】
【0073】式21より、検出素子RSの温度変化ΔT
は周囲温度変化T2−T1に以下の時だけ等しいことが明
らかである。
【0074】
【数22】
【0075】図1aのようにR2の代わりに温度に敏感
な補正素子RCを固定抵抗Rと直列に使用した従来のゲ
ージではβの選択に依存する部分的な温度補正しか得ら
れない。アルベスティファーらによって記述された設計
の商業的に利用可能なゲージ、つまり本発明者が現在知
っているピラニゲージの最新の製品であるが、これは式
22を満たさない。
【0076】従来のゲージ設計に関する第三の問題とし
て、R2における電力消失の程度が精度に不利に働くこ
とを本発明者は発見した。図1aのように構成された従
来のピラニゲージは、ブリッジバランスの補正素子と同
様に、圧力に依存する電流がRSに流れる。図1bのよ
うに構成された場合は、圧力に依存する電圧がブリッジ
バランスでRSとR2に同様にかかる。もちろんR2に
流れる圧力に依存する電流はRCの温度を周囲温度より
上昇させ、この上昇分は圧力によって変化する。
【0077】従来のピラニゲージは典型的には検出素子
より物理的にずっと大きい補正素子を使用している。こ
れは熱を消失させ、それにより補正素子のよけいな温度
上昇を防ぐためである。上述のように、検出素子と補正
素子の大きさが違うと周囲温度が変化した際に測定誤差
を生じる。
【0078】第四の問題は従来のピラニゲージは周囲温
度が変化すると低圧では圧力表示に変動が生じることで
ある。従来のピラニゲージは周囲温度が変化しても検出
素子から失われる電力を不変にしようと様々な構成部品
を使用している。たとえば米国特許第4682503号
にあるように、周囲温度制御のために熱電冷却が使用さ
れ、これによって周囲温度変化を最小限にしている。
【0079】米国特許第4541286号に記載の装置
にはブリッジの補正素子の辺の近隣に熱的に敏感な素子
を搭載している(実際、商業用のものではこれは真空の
囲いの外部に接合されている)。アルベスティファーら
は追加的な素子(彼らの設計でR4となっているもの)
をブリッジに加え、動作中の温度における検出素子の抵
抗の温度係数が周囲温度における補正素子のそれと若干
食い違うという事実に対してそれを補正するようにして
いる。このような従来のハードウェアはそれぞれ周囲温
度変化によっておこる誤差をある程度は取り除くもの
の、すべてを取り除けるものではない。したがって従来
のピラニゲージは周囲温度が変化すると、低圧では圧力
表示に重大な変動を生じる。
【0080】米国特許第5608168号に記載の別の
従来のシステムはブリッジの様々な電気的測定(または
その近似)を関連づけ、温度に依存する抵抗の値または
温度を決定し、このパラメータを圧力測定において考慮
する。しかし、このシステムは温度その他の値の測定を
しなければならないため複雑さが増す。
【0081】したがって、これらの問題を克服する改良
されたピラニ型のゲージが望まれている。
【0082】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一般的な目的
は熱損失圧力測定のための改良された装置および動作方
法を提供することである。
【0083】別の一般的目的は、温度検出素子にヒーテ
ィング電流を流し、関連する補正素子にはヒーティング
電流を流さない回路を持つ改良されたピラニ型の圧力ゲ
ージを提供することである。
【0084】さらに、本発明のより特定化した目的は、
補正素子が検出素子と実質的に同じ物理的大きさで、検
出素子と同じ面内ではあるが検出素子からは離れて置か
れ、かつ検出素子と同じ材料でできている改良されたピ
ラニ型の圧力ゲージを提供することである。
【0085】本発明のさらなる目的は、検出素子全体に
わたって温度が同じになるように熱伝導素子を検出素子
の近傍に配置して改良した熱損失圧力ゲージを提供する
ことである。
【0086】さらに、周囲温度の変化に応じた検出素子
の膨張や縮小を補正するために検出素子と熱伝導素子の
距離を理想的に保つ手段をさらに含む改良した熱損失圧
力ゲージを提供することを本発明は目的とする。
【0087】さらに、本発明は検出素子の熱フロー経路
の物理的大きさと熱伝導性が実質的に補正素子のそれと
同じであるように改良された圧力ゲージを提供すること
を目的とする。
【0088】本発明のさらなる目的は、温度補正素子の
電圧と電流が圧力から独立しているように改良された熱
損失圧力ゲージを提供することである。
【0089】本発明のさらなる目的は、ヒーティング手
段が補正素子にヒーティング電圧や電流を加えることな
く、周囲温度において検出素子の抵抗と補正素子の抵抗
との間に一定の差を生じさせるように改良された熱損失
圧力ゲージを提供することである。
【0090】さらに、本発明は直流のヒーティング電圧
を使用する改良された熱損失圧力ゲージを提供すること
を目的とする。
【0091】本発明のさらなる一般的目的はピラニ型の
ゲージに使用される改良された温度補正方法を提供する
ことである。
【0092】本発明のより特定化した目的は検出素子の
電圧と電流値が一連の圧力および周囲温度に対して連続
的に記録され、3次元またはそれ以上の次元の校正面を
定義できるピラニゲージで使用される改良された温度補
正の方法を提供することである。
【0093】本発明のさらなる目的は、たとえば圧力、
電圧、電流といったわずか3つの次元を用いたモデルを
使用することで正確な校正が得られるピラニゲージに使
用される改良された温度補正の方法を提供することであ
る。
【0094】本発明のさらなる目的は、電圧Vおよび電
流Iに対応する圧力をPとした時に,収集された校正デ
ータを近似するP=f(V,I)なる式を認識し、また
この式を動作中の圧力の計算に使用することによって正
確な校正が行われるピラニゲージに使用される改良され
た温度補正の方法を提供することである。
【0095】本発明のさらなる目的は、電力Wおよび抵
抗Rに対応する圧力をPとした時に,収集された校正デ
ータを近似するP=g(W,R)なる式を認識し、また
この式を動作中の圧力の計算に使用することによって正
確な校正が行われるピラニゲージに使用される改良され
た温度補正の方法を提供することである。
【0096】本発明のさらなる目的は、検出素子と補正
素子および二つの固定抵抗を用いたブリッジ回路を使用
し、与えられた温度にその温度に対する補正素子の温度
係数を乗算した温度において補正素子の抵抗に一方のブ
リッジ固定抵抗の抵抗を乗算したものがその温度に対す
る検出素子の温度係数と検出素子の抵抗とさらに他方の
ブリッジ固定抵抗をかけたものに等しい熱損失圧力ゲー
ジを提供することである。
【0097】
【課題を解決するための手段】低、中、高圧における圧
力測定の精度を重大に向上させるために共に動作する様
々な改良を本発明において提供し、それにより単体のゲ
ージによる正確な圧力測定範囲を低圧から高圧まで拡張
することによってこれらの目的は遂行される。
【0098】第一の改良として、小直径ワイヤの検出素
子が小直径ワイヤの補正素子と同じ面内に離れて置か
れ、これらとともに平行平らな熱伝導性の二つのプレー
トが検出素子と補正素子からそれぞれ15ミクロン離れ
て置かれる。これにより、対流に頼らず、単純な幾何学
で高い相対感度を本発明者は実現した。超小型ピラニゲ
ージ設計の極端な複雑さや費用、また検出素子の対流冷
却のいくつかの欠点は同時に避けられる。
【0099】この極めて単純で小さく安価な測定手段
が、非常に複雑な超小型ピラニゲージや、もっと大型で
位置に敏感な対流冷却のピラニゲージによって得られて
いたのと同じ大圧力程度までの結果を出すことができ
る。驚いたことに、この改良により超小型アルベスティ
ファーゲージの検出素子のわずか3%の体積の検出素子
ですむ。新しい装置の補正素子はアルベスティファー型
素子の0.5%より少ない体積である。
【0100】本発明はまた、温度補正を向上させる。低
圧での圧力測定の精度は検出素子の両端における温度勾
配γ(式10、11参照)をよりうまく一定に保つこと
で重大に向上する。γの一定性は以下を同時に行うこと
で達成される: 1 検出素子と補正素子に物理的大きさ、熱特性、抵抗
特性が同じものを使用する。
【0101】2 検出素子と補正素子の結合素子に物理
的大きさ、熱特性、抵抗特性が同じものを使用する。
【0102】3 実質的に同一で大きい熱伝導性を持つ
抵抗の結合素子を、すべての結合素子の均一温度区域に
使用する。
【0103】4 検出素子と補正素子を同じ真空環境内
に置く。
【0104】本発明では、ゲージが以下の式23を満た
すように設計されているため、式22は常に満たされ
る。
【0105】
【数23】
【0106】ここでTAは周囲温度であり、また
【0107】
【数24】
【0108】
【数25】
【0109】である。
【0110】別の重大な改良は補正素子のヒーティング
を無視できる程度にすることで達成できる。本発明者は
検出素子に独立したヒーティング手段を提供しつつ、そ
の他の3つのホイートストーンブリッジ辺には実質的に
ヒーティングをしないように従来のホイートストーンブ
リッジを改良した。したがって、補正素子は検出素子と
物理特性が同じで大きさも等しいように作ることができ
る。直流のヒーティング電流が使用され、これは検出素
子のみに限られる。比較的小さい交流信号がブリッジバ
ランスの検出に使用される。
【0111】別の性能向上は、すべての圧力において正
確な圧力表示ができる新しい圧力補正方法を提供するこ
とによって実現される。特に、ブリッジバランスにおけ
る未知の圧力PXは以下の式26によって単純に求めら
れうる。
【0112】
【数26】
【0113】ここでVSは検出素子の圧力降下であり、
ISは検出素子の電流である。式26の特性は、3次元
曲線フィッティングソフトウェアを用いて、対象とする
圧力と温度範囲内で一連の既知の圧力PCと周囲温度に
対して校正して得られるVSCとISCの値のペアから導
かれる。VSXとISXはブリッジバランスで未知の圧力
Xにおいて測定され、式26に代入される。その後、
Xはマイクロプロセッサなどを用いて計算される。
【0114】
【発明の効果】このように、本発明はピラニゲージの精
度、製造コスト、パッケージサイズに重大な進歩をもた
らす。
【0115】
【発明の実施の形態】従来のピラニゲージ設計に対して
なされた4種の改良について本発明を説明する。特に好
ましい実施例では、これらの4種の改良は同時に使用さ
れ、向上した性能を持つピラニゲージを提供するために
共動する。
【0116】改良1 第一の改良は図4aおよび4bを用いて説明される。図
4aは改良された熱損失ゲージ(正しい縮尺ではない)
の一部10の側面図である。図4bは図4aの線4b−
4bに沿うゲージ部分10の断面図である。これらの図
に示すように、小直径のワイヤ検出素子12が小直径の
ワイヤ補正素子14と同じ面内に距離dだけ離れて置か
れている。距離dの大きさは0.030インチほどが好
ましいが、0.010から0.200インチまでの範囲
ならよい。検出素子12と補正素子14の近傍にそれら
と平行して平行な2枚のプレート16と16’が置かれ
る。
【0117】平行なプレート16と16’は検出素子1
2と補正素子14から距離Sだけ離れて置かれる。Sは
0.0007インチが好ましいが、0.0002から
0.002インチまでの範囲ならよい。検出素子12は
抵抗の温度係数が高い純タングステンなどの材料ででき
ており、一定の放射率を保つために金メッキしてもよ
い。
【0118】検出素子12の直径は0.0005インチ
が好ましいが、0.0001から0.002インチまで
の範囲ならよい。円筒形のワイヤ形状が好ましいが、リ
ボン状などのその他の形状も検出素子および補正素子に
使用してもよい。検出素子12の長さは1インチが好ま
しいが、0.25から3インチの範囲ならよい。
【0119】補正素子14は検出素子12と同じ材料で
同じ大きさにできており、熱特性および抵抗特性も同じ
である。
【0120】熱損失ゲージの一部10は、以下に詳細に
述べるやり方で図6に示すタイプの測定回路に組み込ま
れてもよい。
【0121】平行プレート16と16’は熱を伝え、そ
れによって検出素子12に沿う温度勾配と、検出素子1
2および補正素子14の両端の間の温度勾配を等しくす
る傾向がある。これにより本発明は対流に依存すること
なく単純な構造で比較的高い感度を達成できる。本実施
例では、大きさ、熱特性、抵抗特性の同じ検出素子と補
正素子を使用し、またそれらを同じ真空環境に置くこと
で低圧での圧力測定精度を向上させる。この設計を使用
することで、超小型ピラニゲージ設計の極端な複雑さや
コストと、検出素子の対流冷却に伴う不利が同時に回避
される。この改良は、大変に複雑な超小型ピラニゲージ
やもっと大きくて位置に敏感な対流冷却のピラニゲージ
で得られる大気圧にまで匹敵する圧力の測定を可能にす
る。
【0122】改良2 本発明の第二の特徴として、検出素子と補正素子のマウ
ントを改良した。低圧の圧力測定の精度は物理的大き
さ、熱特性、抵抗特性が同じ結合素子を検出素子と補正
素子に使用し、実質的に同じで大きい熱伝導を持つ結合
素子をすべての結合素子の温度が均一な部分に使用する
ことで低圧の圧力測定の精度が非常に向上する。
【0123】図5aはゲージの一部10の一端の断面図
を大きく拡大したもので、検出素子12は検出素子コネ
クタ20および20’によって支持され、また電気的に
結合している。補正素子14は補正素子コネクタ22お
よび22’によって支持され、また電気的に結合してい
る。図5aは図4aの線5a−5aに沿った断面図であ
る。同一の支持物が(図5aに示すように)ゲージの一
部10のそれぞれの端に存在することが好ましい。
【0124】コネクタ20、20’、22、22’は
0.001インチの厚さで0.060インチの幅のプラ
チナリボンでできていることが好ましい。プレート1
6、16’は窒化アルミニウムのような高い熱伝導性の
電気絶縁材料でできていることが好ましい。
【0125】もしくは、検出素子コネクタ、補正素子コ
ネクタ20、20’、22、22’はタングステンにダ
イヤモンド状のコーティングをした薄い電気絶縁膜2
4、24’でプレート16、16’から電気的に絶縁さ
れていてもよい。この場合、プレート16と16’はタ
ングステンのような熱伝導性が高い材料でできていても
よい。選択された材料は0.25ワット/cm/Kより
大きい熱伝導性をもつことが好ましい。
【0126】プレート16と16’はその一端が単純な
板状金属クランプで留められる(図示せず)。クランプ
は検出素子12と補正素子14がコネクタ20、2
0’、22、22’にはめ込まれるようにコネクタ2
0、20’、22、22’が密接するまでプレート1
6、16’に充分な力を加える。したがって検出素子1
2とプレート16、16’との距離Sは検出素子12の
直径と薄いリボン状のコネクタ20、20’、22、2
2’の厚さによって決定される。本発明のこの特徴は精
密かつ非常に安価にまた他の回路との電気的結合を持ち
ながら人間の毛髪よりも細い検出素子がその細さと同じ
ような距離だけ2つの平らな面から離れて置かれること
を可能にする。
【0127】プレート16と16’は実質的に均一な温
度の区域であり、最小限の熱伝導性の真空状態で外部か
ら隔離されている時は特にそうである。薄いリボンコネ
クタ20、20’、22、22’は同じ大きさの短い経
路で、非常に大きい熱伝導を前記の温度均一区域に提供
し、それにより検出素子の両端における温度勾配γを一
定に保つためのいくつかの条件を満たす。
【0128】図5bに示すように、検出素子12はその
コネクタ21の近隣で検出素子12を支えるように組立
中に小直径ワイヤのばね26を入れて適切に張られても
よい。ばね28もまた同様に補正素子14を張るのに使
用される。ばね26と28は周囲温度の変化に伴いプレ
ート16と16’に対する検出素子12と補正素子14
の距離を精密に維持するのに使用される。プレート1
6、16’と検出素子12および補正素子14の間の熱
膨張の違いによる破壊を防ぐため、検出素子12と補正
素子14には充分なスラックがなければならない。ばね
26、28なしでは、このスラックは周囲温度とともに
変化し、平行プレート16、16’と検出素子12およ
び補正素子14の間の距離Sを一定に保つことを妨げ、
それによって測定誤差をひきおこす。
【0129】本発明の実施例の設計では、式22は検出
素子12と補正素子14が物理的、電気的、熱的に同じ
であることによって部分的に満たされる。加えて、図6
の実施例ではR3はR4と同じにしてあるので、式6か
らβ=1を確保する。したがって、式22は常にこの設
計によって満たされる。
【0130】改良3 本発明の第三の特徴は検出素子12を専用に暖める方法
および装置である。この改良は図6に示され、ホイート
ストーンブリッジ30は検出素子12を専用に暖めるよ
うに改良されている。本発明のように検出素子と同じ大
きさで同じ材料の補正素子を使用する従来の回路では補
正素子を周囲温度ではなく検出素子と同じ温度で動作さ
せてしまう。したがって上記のように改良したピラニゲ
ージは従来のヒーティング回路を使用したのではその精
度を達成できない。
【0131】図6にもどって、ホイートストーンブリッ
ジ30はA,B,C,Dのノードを持ち、ノードBとC
の間に結合され抵抗値RSを持つ検出素子12を持つ。
温度に無関係な抵抗15(抵抗値R)と補正素子14
(抵抗値RC)はともに抵抗R2を形成する。R2とコ
ンデンサ36はノードCとDの間に直列につながれる。
抵抗17は抵抗値R4を持ち、ノードAとBの間につな
がれ、抵抗値R3を持つ抵抗19はノードAとDの間に
つながれる。検出素子12と補正素子14は真空の環境
34に囲まれる。交流電源38はノードBとDの間につ
ながれ、周波数選択検出器40がノードAとCの間につ
ながれる。直流電源32はノードBに電流を流すためノ
ードBとCの間につながれる。コントローラ42は自動
フィードバックリンケージ46と47を介して直流電源
32を制御するためにつながれ、またそのために周波数
選択検出器40からの電圧検出を入力するようになって
いる。
【0132】真空環境34は(図4aと4bに示された
上述の)ゲージの一部10を囲い、この部分は検出素子
12、補正素子14およびプレート16、16’から成
る。また、図5aおよび5bを用いて説明された組立方
法が図6の回路に使用されることが好ましい。検出素子
12の一端のコネクタ20、20’(図5aに示す)は
図6のブリッジ回路30のポイントCに電気的に結合し
ており、検出素子12の他端のコネクタ21、21’
(図示せず)は図6のブリッジ回路のポイントBに電気
的に結合している。補正素子14の一端のコネクタ2
2、22’(図5aに示す)は図6のブリッジ回路のポ
イントDに電気的にコンデンサ36を介して結合してお
り、補正素子14の他端はコネクタ23、23’に結合
され、コネクタ23、23’は図6のブリッジ回路のポ
イントCに抵抗15を介して結合している。
【0133】図6に示すように、直流電源32は真空環
境34中の検出素子12にヒーティング電流Iを提供す
る。コンデンサ36は電源32からの電流がR2やR
3、R4に流れるのを防ぐ手段である。したがって、従
来のホイートストーンブリッジを使用する従来のピラニ
ゲージと違って、RSのヒーティング電流やヒーティン
グ電圧はR2には流れない。
【0134】交流電源38はブリッジ30に交流信号電
圧を加え、交流信号電流is、i2、i3、i4を生る。こ
れらの非常に小さい電流値と周波数選択検出器40を用
いて、ブリッジバランスを検出し、この際ブリッジ30
の辺におこる熱発生は無視できる。電源32からの直流
電流Iはコントローラ42によって自動校正され、周波
数選択検出器40の交流電圧検出機能によって測定され
るポイントBからCへの交流電圧降下isRSがポイン
トBからAへの交流電圧降下i4R4に常に等しくなる
ようにしている。この自動フィードバックリンケージは
破線46、47で表示される。
【0135】プロセッサ51は電流計49と電圧計48
につながれ、ヒーティング電流のレベルを基に、検出素
子12および検出素子12の電圧降下により真空環境3
4における圧力を示す出力を生じる。
【0136】したがって、補正素子14は検出素子12
と同じ物理的大きさ、熱特性、抵抗特性を持っていても
圧力に依存する電気的ヒーティングなしで周囲温度で動
作する。
【0137】改良4 第四の改良は図6を参照して述べられる。本実施例では
本発明のピラニゲージの校正および動作のための改良さ
れた装置および方法が提供される。
【0138】ブリッジバランスにおける未知の圧力PX
の正確な表示は式26のような簡潔な式によって求めら
れることがわかった。
【0139】
【数26】
【0140】この発見は従来のやり方とは異なる。圧力
表示は検出素子の抵抗のみならず周囲温度のようなその
他の要素に依存すると考えられてきた。したがって従来
の校正方法はしばしば抵抗その他の値を校正および動作
のために測定せねばならなかった。しかし、上記のよう
な改良がなされればVSとISの値は精密な圧力表示の
ための充分な温度情報となり、周囲温度のようなその他
のパラメータの測定を別に行うステップを省くことが可
能になる。このやり方で、電圧と電流のみに基づく圧力
を決定する3次元の校正表を使用することができる。
【0141】図6のゲージを校正するために、検出素子
12は対象となる圧力および温度範囲にわたって一連の
代表的な既知の圧力と周囲温度にさらされる。電圧降下
VSCと電流ISCは電圧計48と電流計49によってそ
れぞれ測定され、ブリッジバランスで代表的な既知の校
正圧力PCとともに記録される。これらの値はプロセッ
サ51で動作するプログラムによって記録されてもよい
し、または校正計算のためのその他のプロセッサユニッ
トに転送されてもよい。圧力PCは電圧VSCと電流IS
Cに対してプロットされる。与えられた校正温度での測
定値の集合は、圧力を電圧および電流に関連づける温度
不変の関数を生ずる。上記のように、これらの温度不変
の関数は1つの3次元データ表にまとめられ、式26の
校正関数を定義する。これが終わると、結果はある面を
定義する点の集合となり、この面の高さが圧力で、これ
は測定された電圧および電流の関数である。
【0142】求められた校正データはルックアップテー
ブルとして記憶され、測定された電圧降下および電流に
基づくルックアップテーブルに記憶された圧力の値か
ら、測定された圧力を内挿して決定してもよい。しかし
ながら、広範囲の圧力にわたって正確な出力を生じるた
めに記憶されねばならない点の数が多いために、本実施
例では測定された値が存在する面を求めるための近似式
を得た。これは3次元面をプロットするソフトウェアに
よって達成できる。結果として得られた式が式26のよ
うな形式になる。未知の圧力PXをいかなる温度でも測
定するには、VSXとISXは電圧計48と電流計49に
よってそれぞれブリッジバランスで測定される。正しい
圧力の値は式26の置換によって求められ、式27を与
える。
【0143】
【数27】
【0144】便宜上、式27はプロセッサ51に記憶さ
れ、VSXとISXが入力されると自動的にPXを計算す
るのに使用される。
【0145】当業者には本発明の範囲内で電圧と電流を
他の量で置き換えてもよいことが理解されるであろう。
たとえば、Wが検出素子12にかかる電力、Rが検出素
子12の抵抗として、P=g(W,R)の形式の関数が
式27の代わりに使用できる。この場合、WとRは電圧
計48と電流計49の値から計算できる。重要なのは2
つの選択されたパラメータが電圧および電流に関する情
報を含んでいて、電圧と電流の変化がその2つのパラメ
ータ値に基づく校正グラフや表に特異的に反映されると
いうことである。したがって、たとえば関数の2つの入
力パラメータは電力、電流、電圧、抵抗のなかのいかな
る2つを含むグループであってもよい。一般的には校正
面を近似する P=h(X,Y) という形式の式を見つけることが可能である。ただし、
Xは第一の入力パラメータ、Yは第二の入力パラメー
タ、Pはこれらに対応する圧力である。この式は圧力を
計算するための多次元の校正面の代用として使用され
る。
【0146】この改良により0°Cから50°Cまでで
10-4トル以下から大圧力以上までの優れた温度補正が
できる。いままでたびたび行われてきたような電力や温
度の測定の必要はない。また米国特許第4682503
号にあるような壁の温度変化による検出素子の変化によ
る損失のみならず放射損失のような周囲温度変化で生じ
るすべてのタイプの誤差をこの改良は補正する。この改
良により米国特許第5437869号に記載の熱電気的
冷却を使用した複雑な周囲温度校正が避けられる。加え
て、この改良された校正および動作方法は、動作中の温
度における検出素子の抵抗の温度係数が周囲温度におけ
る補正素子のそれと微妙に違うということに対しそれを
自動的に補正する。
【図面の簡単な説明】
【図1a,図1b】従来のピラニゲージの概略を示す図
【図2】本発明者の調査によって判明した従来のピラニ
ゲージの熱損失の成分を示すグラフ
【図3】検出素子に小直径のワイヤを用いた従来のピラ
ニゲージを示す図
【図4a】本発明による改良された熱損失ゲージの一部
を示す図
【図4b】図4aに示した部分の断面図
【図5a】本発明による改良された熱損失ゲージの両端
の断面図の拡大図であり、検出素子と補正素子の結合素
子と支持部を示す図
【図5b】熱伝導プレートと検出素子および熱伝導プレ
ートと補正素子との間の距離を保つための本発明のメカ
ニズムの実施例を示す断面図
【図6】本発明の検出素子専用のヒーティング装置を示
す図
【符号の説明】
10 ゲージの一部 12 検出素子 14 補正素子 16 プレート 20 検出素子コネクタ 22 補正素子コネクタ 23 コネクタ 24 電気絶縁膜 26,28 ばね 30 ホイートストーンブリッジ 32 直流電源 34 真空環境 36 コンデンサ 38 交流電源 40 周波数選択検出器 42 コントローラ 48 電圧計 49 電流計 51 プロセッサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−240135(JP,A) 実開 平7−34341(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01L 21/12

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度に反応する検出素子と、 温度に反応する補正素子と、 前記検出素子を暖めるため検出素子に電力を供給すべく
    検出素子に結合されたヒーティング手段と、 前記検出素子および前記補正素子の温度に基づいた環境
    における気体圧力を決定し、決定された気体の圧力を示
    す電気信号を生じるために該検出素子および該補正素子
    に結合した測定手段とを有し、 前記補正素子は、前記検出素子と実質的に同じ物理的大
    きさで検出素子と同じ面内に検出素子から離れて置か
    れ、また検出素子と同じ材料でできていることを特徴と
    する気体の圧力をある環境において測定する熱損失ゲー
    ジ。
  2. 【請求項2】 前記ゲージは前記検出素子の近傍に第一
    および第二の面をそれぞれ有する第一および第二の熱伝
    導性素子をさらに有することを特徴とする請求項1に記
    載の熱損失ゲージ。
  3. 【請求項3】 前記検出素子は前記第一および第二の面
    から0.0002インチから0.002インチ離れてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の熱損失ゲージ。
  4. 【請求項4】 前記検出素子から前記二面への距離が実
    質的に等しいことを特徴とする請求項2に記載の熱損失
    ゲージ。
  5. 【請求項5】 前記熱伝導性素子の面は0.25ワット
    /cm/Kより大きい熱伝導性を有する材料でできてい
    ることを特徴とする請求項2に記載の熱損失ゲージ。
  6. 【請求項6】 周囲温度の変化に関わらず前記検出素子
    と前記面との距離を一定に保つ手段をさらに有すること
    を特徴とする請求項3に記載の熱損失ゲージ。
  7. 【請求項7】 前記一定距離を保つ手段は前記検出素子
    の張力を維持するばね装置を含むことを特徴とする請求
    項6に記載の熱損失ゲージ。
  8. 【請求項8】 前記ゲージは前記検出素子を含む第一の
    辺と、前記補正素子を含む第二の辺と、インピーダンス
    の等しい第三および第四の辺とを含むブリッジ回路を含
    み、このブリッジ回路はヒーティング手段により検出素
    子に供給される前記電力が補正素子に供給されるのを防
    ぐ手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱損失
    ゲージ。
  9. 【請求項9】 両端のマウントの間に延びて温度に反応
    し、マウント間の実質的に均一な温度の区域とマウント
    間の熱フロー経路を持つ検出素子と、 両端のマウントの間に延びて温度に反応し、マウント間
    の実質的に均一な温度の区域とマウント間の熱フロー経
    路を持つ補正素子と、 前記検出素子を暖めるために検出素子に電力を供給すべ
    く検出素子に結合されたヒーティング手段と、 前記検出素子および前記補正素子の温度に基づいた環境
    において気体の圧力を決定し、決定された気体圧力を示
    す電気的信号を出力するために該検出素子および該補正
    素子に結合された測定手段とを有し、 検出素子の前記熱フロー経路の熱伝導率と物理的大きさ
    が補正素子のそれと同じであることを特徴とするある環
    境における気体の圧力を測定する熱損失ゲージ。
  10. 【請求項10】 周囲温度変化に応じて変化する抵抗を
    持つ抵抗性の検出素子と、 電流を通し、周囲温度変化に応じて変化する抵抗を持つ
    補正素子と、 周囲温度において検出素子の抵抗と補正素子の抵抗の間
    に一定の差を生じさせるために検出素子を暖めるべく検
    出素子に結合されたヒーティング手段と、 前記検出素子および前記補正素子の相対温度に基づいた
    環境において気体の圧力を決定し、決定された気体圧力
    を示す電気的信号を出力するために該検出素子および該
    補正素子に結合された測定手段とを有し、 補正素子を流れる電流は実質的に圧力の影響を受けない
    ことを特徴とするある環境における気体の圧力を測定す
    る熱損失ゲージ。
  11. 【請求項11】 周囲温度変化に応じて変化する抵抗を
    持つ抵抗性の検出素子と、 周囲温度変化に応じて変化する抵抗を持つ補正素子と、 前記検出素子にヒーティング電圧を供給するため前記検
    出素子に結合されたヒーティング手段と、 前記検出素子および前記補正素子の相対温度に基づいた
    環境において気体の圧力を決定し、決定された気体圧力
    を示す電気的信号を出力するために該検出素子および該
    補正素子に結合された測定手段とを有し、 前記ヒーティング手段は前記補正素子にヒーティング電
    圧を供給することなく周囲温度において前記検出素子の
    抵抗と該補正素子の抵抗の間に一定の差を生じさせるた
    めに動作することを特徴とするある環境における気体の
    圧力を測定する熱損失ゲージ。
  12. 【請求項12】 前記ヒーティング電圧は直流電圧であ
    ることを特徴とする請求項11に記載の熱損失ゲージ。
  13. 【請求項13】 周囲温度変化に応じて変化する抵抗を
    持つ抵抗性の検出素子と、 電流を通し、周囲温度変化に応じて変化する抵抗を持つ
    補正素子と、 前記検出素子にヒーティング電流を供給するために検出
    素子に結合されたヒーティング手段と、 前記検出素子および前記補正素子の相対温度に基づいた
    環境において気体の圧力を決定し、決定された気体圧力
    を示す電気的信号を出力するために該検出素子および該
    補正素子に結合された測定手段とを有し、 前記ヒーティング手段は前記補正素子にヒーティング電
    流を供給することなく周囲温度において前記検出素子の
    抵抗と該補正素子の抵抗の間に一定の差を生じさせるた
    めに動作することを特徴とするある環境における気体の
    圧力を測定する熱損失ゲージ。
  14. 【請求項14】 前記ヒーティング電流は直流電流であ
    ることを特徴とする請求項13に記載の熱損失ゲージ。
  15. 【請求項15】 (1)ゲージを既知の代表的な一連の
    圧力下にさらし、 (2)前記圧力の各々に対して望ましい温度にゲージの
    検出素子を維持するために必要な代表的電圧値および電
    流値を含む校正データを記録し、 (3)前記校正データが少なくとも3次元の校正面にお
    ける点を定義するように選択された周囲温度において
    (1)、(2)におけるステップを繰り返し、 (4)未知の圧力に前記検出素子をさらした時に検出素
    子を望ましい温度まで暖めるのに必要な電圧および電流
    を測定することによって未知の圧力を前記記録された校
    正データを用いて計算し、校正面に基づいて前記電圧お
    よび電流に対応する圧力を決定するステップを含むピラ
    ニゲージの温度補正をする方法。
  16. 【請求項16】 Pは電圧Vと電流Iに対応する圧力と
    する時に前記曲面を近似するP=f(V,I)なる形式
    の式を認識するステップとをさらに有し、前記式を圧力
    計算のための校正面の代用として前記ステップ(4)で
    使用することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記電圧および電流に比例する値を前
    記電圧および電流を表すのに使用することを特徴とする
    請求項15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 (1)ヒーティング電力、電流、電
    圧、および抵抗よりなるグループからそれぞれ異なる第
    一および第二のパラメータを選択し、 (2)既知の周囲温度において代表的な一連の既知の圧
    力下にゲージをさらし、 (3)既知の前記周囲温度における既知の前記圧力の各
    々に対して望ましい温度にゲージの前記検出素子を維持
    するのに必要な前記第一パラメータの値を記録し、 (4)既知の前記圧力の各々と前記第一パラメータの値
    における前記ゲージの検出素子の前記第二パラメータの
    値を記録し、 (5)前記第一及び第二パラメータの関数である多次元
    の圧力校正面を定義するために複数の周囲温度において
    ステップ(2)、(3)、(4)を繰り返し、 (6)前記検出素子と補正素子が未知の圧力にさらされ
    た時に前記検出素子を望ましい温度に暖めるのに必要な
    前記第一及び第二のパラメータを測定し、多次元校正面
    に基づき第一及び第二のパラメータに対応する圧力を決
    定することにより前記未知の圧力を計算するために記憶
    された前記校正データを使用するステップを含むことを
    特徴とする検出素子を持つピラニゲージにおける温度補
    正の方法。
  19. 【請求項19】 前記第一のパラメータはヒーティング
    電力であり、前記第二のパラメータは抵抗であることを
    特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 Pはヒーティング電力Wと抵抗Rに対
    応する圧力とする時に、前記校正面を近似するP=g
    (W,R)なる形式の式を認識するステップとをさらに
    有し、前記式を圧力計算のための多次元校正面の代用と
    して前記ステップ(6)で使用することを特徴とする請
    求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記第一および第二のパラメータの一
    つはヒーティング電力であり、この電力に比例する値が
    この電力を表すために使用されることを特徴とする請求
    項18に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記第一および第二のパラメータの一
    つは抵抗であり、この抵抗に比例する値がこの抵抗を表
    すために使用されることを特徴とする請求項18に記載
    の方法。
  23. 【請求項23】 Xは前記第一のパラメータ、Yは前記
    第二のパラメータ、PはXおよびYの値に対応する圧力
    である時に、前記校正面を近似するP=h(X,Y)な
    る形式の式を認識するステップとをさらに有し、前記式
    を圧力計算のための多次元校正面の代用として前記ステ
    ップ(6)で使用することを特徴とする請求項18に記
    載の方法。
  24. 【請求項24】 温度に敏感な第一の抵抗素子を持つ第
    一の辺と、温度に敏感な第二の抵抗素子を持つ第二の辺
    と、第三の固定抵抗素子を持つ第三の辺と、第四の固定
    抵抗素子を持つ第四の辺とを含むブリッジ回路と、 前記第一および第二の素子間と、前記第三および第四の
    素子間に調整可能な電圧を供給する電圧手段と、 前記第一の素子を暖めるための電力を前記第一の素子に
    提供するために第一の素子に結合されたヒーティング手
    段とを有し、 与えられた温度に対する前記第二の素子の温度係数を、
    与えられた前記温度に乗じた温度において、該第二の素
    子の抵抗値を前記第四の固定抵抗素子の抵抗値に乗じた
    ものが、与えられた前記温度に対する前記第一の素子の
    温度係数を、該第一の素子の抵抗値に乗じたものに、前
    記第三の固定抵抗素子の抵抗値を乗じたものと実質的に
    等しく、 前記ブリッジ回路は、ヒーティング手段によって第一の
    素子に提供される前記電力を、前記第二の素子に提供す
    ることを防ぐ手段を有することを特徴とする熱損失圧力
    ゲージ。
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