JPH08136363A - ロードセルとこれを用いた計量装置 - Google Patents
ロードセルとこれを用いた計量装置Info
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- JPH08136363A JPH08136363A JP26071895A JP26071895A JPH08136363A JP H08136363 A JPH08136363 A JP H08136363A JP 26071895 A JP26071895 A JP 26071895A JP 26071895 A JP26071895 A JP 26071895A JP H08136363 A JPH08136363 A JP H08136363A
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- Japan
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- strain
- bridge circuit
- rigid body
- wiring
- load cell
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Abstract
(57)【要約】
【課題】製造工程を簡素化しつつ、歪検出精度を確保で
きるロードセルこれを用いた計量装置を提供する。 【解決手段】ロードセル3を構成する起歪体5が左右対
称形であり、かつ、ブリッジ回路8の一部8aは左右の
歪発生部6,6間の中点O1 に対して、左右対称に形成
されているので、左右の歪ゲージRA 〜RD 間、ブリッ
ジバランス調整用抵抗TA 〜TD 間および配線L間のそ
れぞれにおいて、抵抗値のばらつきが少なく、歪ゲージ
RA 〜RD に発生する熱の分布も左右で同一となる。柔
軟な配線シート12におけるブリッジ回路8への接続部
13を、左右の歪発生部6,6間の中点部Oに設ける。
これにより、ブリッジ回路8に左右対称性を持たせる。
きるロードセルこれを用いた計量装置を提供する。 【解決手段】ロードセル3を構成する起歪体5が左右対
称形であり、かつ、ブリッジ回路8の一部8aは左右の
歪発生部6,6間の中点O1 に対して、左右対称に形成
されているので、左右の歪ゲージRA 〜RD 間、ブリッ
ジバランス調整用抵抗TA 〜TD 間および配線L間のそ
れぞれにおいて、抵抗値のばらつきが少なく、歪ゲージ
RA 〜RD に発生する熱の分布も左右で同一となる。柔
軟な配線シート12におけるブリッジ回路8への接続部
13を、左右の歪発生部6,6間の中点部Oに設ける。
これにより、ブリッジ回路8に左右対称性を持たせる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、歪ゲージを含む
ブリッジ回路を起歪体の表面にパターン形成したロード
セルとこれを用いた計量装置に関する。
ブリッジ回路を起歪体の表面にパターン形成したロード
セルとこれを用いた計量装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の計量装置のロードセルは、荷重を
受けて歪を発生する起歪体と、この起歪体に支持された
フレキシブル配線基板(FPC)のような柔軟な配線シ
ートと、上記起歪体に接着された歪ゲージとを有し、歪
ゲージのリード線を上記配線シートに半田付けして、歪
検出用のブリッジ回路を形成している(特公昭59−2
332号公報参照)。
受けて歪を発生する起歪体と、この起歪体に支持された
フレキシブル配線基板(FPC)のような柔軟な配線シ
ートと、上記起歪体に接着された歪ゲージとを有し、歪
ゲージのリード線を上記配線シートに半田付けして、歪
検出用のブリッジ回路を形成している(特公昭59−2
332号公報参照)。
【0003】他方、ロードセルのコンパクト化のため、
起歪体の表面にエッチング加工を施し、ブリッジ回路を
薄膜形成することが行われている。しかしながら、ブリ
ッジ回路をエッチング加工により薄膜形成する場合、次
のような問題があった。
起歪体の表面にエッチング加工を施し、ブリッジ回路を
薄膜形成することが行われている。しかしながら、ブリ
ッジ回路をエッチング加工により薄膜形成する場合、次
のような問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ブリッジ回路を構成す
る歪ゲージの抵抗体は、通常、銅・ニッケル合金のよう
な比較的抵抗値の大きい材料で形成されるのに対し、歪
ゲージのリード線と上記配線シート上の配線は金のよう
な比較的抵抗値の小さい材料で形成されるので、これら
を薄膜形成する場合、それぞれ別工程でエッチング加工
する必要があり、製造工程が複雑になる。
る歪ゲージの抵抗体は、通常、銅・ニッケル合金のよう
な比較的抵抗値の大きい材料で形成されるのに対し、歪
ゲージのリード線と上記配線シート上の配線は金のよう
な比較的抵抗値の小さい材料で形成されるので、これら
を薄膜形成する場合、それぞれ別工程でエッチング加工
する必要があり、製造工程が複雑になる。
【0005】一方、製造工程を簡素化するために、歪ゲ
ージと配線とを同じ銅・ニッケル合金のような材質にし
て同一工程でエッチング加工することも考えられるが、
こうすると、配線の抵抗値が大きくなる。そうすると、
歪ゲージだけでなく配線も起歪体の変位による影響を受
け易くなり、ブリッジ回路の出力誤差が発生してしま
い、ロードセルの歪検出精度を確保できない。
ージと配線とを同じ銅・ニッケル合金のような材質にし
て同一工程でエッチング加工することも考えられるが、
こうすると、配線の抵抗値が大きくなる。そうすると、
歪ゲージだけでなく配線も起歪体の変位による影響を受
け易くなり、ブリッジ回路の出力誤差が発生してしま
い、ロードセルの歪検出精度を確保できない。
【0006】また、起歪体は温度によっても変形するの
で、歪検出精度を確保するために、起歪体内の温度分布
も考慮する必要がある。例えば、冷凍食品のような低温
の物品が載せられた場合、物品の低温が計量台に伝わ
り、起歪体における計量台を支持する一端部に近い歪ゲ
ージと、他端部に近い歪ゲージとの間で温度が異なるこ
とになり、左右の歪ゲージ間で温度傾斜が生じる。従っ
て、歪ゲージの抵抗温度係数(TCR)がゼロでない場
合、温度傾斜に相当した抵抗値変化が左右の歪ゲージに
発生し、これによりブリッジ回路の出力が変化し、計量
精度を維持できない。
で、歪検出精度を確保するために、起歪体内の温度分布
も考慮する必要がある。例えば、冷凍食品のような低温
の物品が載せられた場合、物品の低温が計量台に伝わ
り、起歪体における計量台を支持する一端部に近い歪ゲ
ージと、他端部に近い歪ゲージとの間で温度が異なるこ
とになり、左右の歪ゲージ間で温度傾斜が生じる。従っ
て、歪ゲージの抵抗温度係数(TCR)がゼロでない場
合、温度傾斜に相当した抵抗値変化が左右の歪ゲージに
発生し、これによりブリッジ回路の出力が変化し、計量
精度を維持できない。
【0007】また、上記起歪体の一端部は温度下降とと
もにヤング率が上昇して歪量が減少し、これが計量誤差
となる。
もにヤング率が上昇して歪量が減少し、これが計量誤差
となる。
【0008】この発明は、上記の課題を解決して、製造
工程を簡素化しつつ、歪検出精度を確保できるロードセ
ルとこれを用いた計量装置を提供することを目的として
いる。
工程を簡素化しつつ、歪検出精度を確保できるロードセ
ルとこれを用いた計量装置を提供することを目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の一構成に係るロードセルは、固定剛体部
と、荷重が負荷される可動剛体部とが左右に配置され、
固定剛体部と可動剛体部とを連結する複数のビーム部が
上下に配置され、ビーム部と可動剛体部および固定剛体
部との間に歪発生部が形成され、左右対称な形状を持つ
起歪体と、上記歪発生部の歪に対応した荷重信号を出力
するブリッジ回路とを備えている。上記ブリッジ回路
は、歪発生部の歪を検出する歪ゲージ、ブリッジ回路の
バランスを調整する調整用素子、およびこれらを接続す
る配線を有している。上記ブリッジ回路における少なく
とも上記歪ゲージと配線の一部とを含む回路部分が、左
右の歪発生部間にまたがって起歪体の表面にパターン形
成され、かつ、左右の歪発生部間の中点に対して、左右
対称に設定されている。
に、本発明の一構成に係るロードセルは、固定剛体部
と、荷重が負荷される可動剛体部とが左右に配置され、
固定剛体部と可動剛体部とを連結する複数のビーム部が
上下に配置され、ビーム部と可動剛体部および固定剛体
部との間に歪発生部が形成され、左右対称な形状を持つ
起歪体と、上記歪発生部の歪に対応した荷重信号を出力
するブリッジ回路とを備えている。上記ブリッジ回路
は、歪発生部の歪を検出する歪ゲージ、ブリッジ回路の
バランスを調整する調整用素子、およびこれらを接続す
る配線を有している。上記ブリッジ回路における少なく
とも上記歪ゲージと配線の一部とを含む回路部分が、左
右の歪発生部間にまたがって起歪体の表面にパターン形
成され、かつ、左右の歪発生部間の中点に対して、左右
対称に設定されている。
【0010】この構成によれば、ブリッジ回路における
歪ゲージと配線の一部とを含む回路部分が、左右の歪発
生部間の中点に対して、左右対称に形成されているの
で、例えばエッチングによりパターン形成する場合、歪
ゲージを含めた左右の回路パターン間で寸法差が小さく
なる。従って、左右の歪ゲージ間および配線間のそれぞ
れにおいて、抵抗値のばらつきが少なくなる。また、起
歪体が左右対称であり、かつ、ブリッジ回路の上記回路
部分も左右対称なので、歪ゲージから発生する熱の分布
も左右で同一となる。特に、製造工程の簡略化のために
歪ゲージと配線とを同じ材料で形成した結果、配線の抵
抗値が大きくなっても、上記のとおり左右間の誤差が少
ないので、起歪体の変位による抵抗値の変化も左右間で
同一となる。従って、ブリッジ回路の出力誤差を小さく
できる。
歪ゲージと配線の一部とを含む回路部分が、左右の歪発
生部間の中点に対して、左右対称に形成されているの
で、例えばエッチングによりパターン形成する場合、歪
ゲージを含めた左右の回路パターン間で寸法差が小さく
なる。従って、左右の歪ゲージ間および配線間のそれぞ
れにおいて、抵抗値のばらつきが少なくなる。また、起
歪体が左右対称であり、かつ、ブリッジ回路の上記回路
部分も左右対称なので、歪ゲージから発生する熱の分布
も左右で同一となる。特に、製造工程の簡略化のために
歪ゲージと配線とを同じ材料で形成した結果、配線の抵
抗値が大きくなっても、上記のとおり左右間の誤差が少
ないので、起歪体の変位による抵抗値の変化も左右間で
同一となる。従って、ブリッジ回路の出力誤差を小さく
できる。
【0011】本発明の他の構成に係るロードセルは、固
定剛体部と、荷重が負荷される可動剛体部とが左右に配
置され、固定剛体部と可動剛体部とを連結する複数のビ
ーム部が上下に配置され、ビーム部と可動剛体部および
固定剛体部との間に歪発生部が形成された起歪体と、上
記歪発生部の歪に対応した荷重信号を出力するブリッジ
回路とを備えている。このブリッジ回路は、歪発生部の
歪を検出する歪ゲージ、ブリッジ回路のバランスを調整
する調整用素子、およびこれらを接続する配線を有して
いる。上記ブリッジ回路における少なくとも上記歪ゲー
ジと配線の一部とを含む回路部分が、左右の歪発生部間
にまたがって起歪体の表面にパターン形成されている。
ブリッジ回路におけるパターン形成されていない部分と
ブリッジ回路を外部回路に接続する配線とが柔軟な配線
シートによって形成され、上記柔軟な配線シートにおけ
るブリッジ回路のパターン形成された部分への接続部
は、左右の歪発生部間の中点部に設けられ、この接続部
と外部回路への接続部の間に位置する中間部が、起歪体
の上記一面における固定剛体部に支持されている。
定剛体部と、荷重が負荷される可動剛体部とが左右に配
置され、固定剛体部と可動剛体部とを連結する複数のビ
ーム部が上下に配置され、ビーム部と可動剛体部および
固定剛体部との間に歪発生部が形成された起歪体と、上
記歪発生部の歪に対応した荷重信号を出力するブリッジ
回路とを備えている。このブリッジ回路は、歪発生部の
歪を検出する歪ゲージ、ブリッジ回路のバランスを調整
する調整用素子、およびこれらを接続する配線を有して
いる。上記ブリッジ回路における少なくとも上記歪ゲー
ジと配線の一部とを含む回路部分が、左右の歪発生部間
にまたがって起歪体の表面にパターン形成されている。
ブリッジ回路におけるパターン形成されていない部分と
ブリッジ回路を外部回路に接続する配線とが柔軟な配線
シートによって形成され、上記柔軟な配線シートにおけ
るブリッジ回路のパターン形成された部分への接続部
は、左右の歪発生部間の中点部に設けられ、この接続部
と外部回路への接続部の間に位置する中間部が、起歪体
の上記一面における固定剛体部に支持されている。
【0012】この構成によれば、柔軟な配線シートにお
けるブリッジ回路のパターン形成された部分への接続部
は、左右の歪発生部間の中点部に設けられているので、
ブリッジ回路に左右対称性を持たせることができる。ま
た、歪ゲージから上記接続部までの配線は歪発生部を通
過しないから、起歪体の歪の影響を受けないとともに、
歪ゲージによるスペースの制約を受けないので、その幅
を広くすることができる。さらに、この接続部と外部回
路への接続部との間に位置する中間部が、起歪体の上記
一面における固定剛体部に支持されているので、柔軟な
配線シートを起歪体に取り付ける際、および起歪体の変
位の際に、ブリッジ回路のパターン形成された部分との
接続部に大きな応力が発生しないので、ブリッジ回路の
出力に影響を与えない。
けるブリッジ回路のパターン形成された部分への接続部
は、左右の歪発生部間の中点部に設けられているので、
ブリッジ回路に左右対称性を持たせることができる。ま
た、歪ゲージから上記接続部までの配線は歪発生部を通
過しないから、起歪体の歪の影響を受けないとともに、
歪ゲージによるスペースの制約を受けないので、その幅
を広くすることができる。さらに、この接続部と外部回
路への接続部との間に位置する中間部が、起歪体の上記
一面における固定剛体部に支持されているので、柔軟な
配線シートを起歪体に取り付ける際、および起歪体の変
位の際に、ブリッジ回路のパターン形成された部分との
接続部に大きな応力が発生しないので、ブリッジ回路の
出力に影響を与えない。
【0013】上記調整用素子は、上記歪ゲージと共に上
記起歪体の表面にパターン形成されるのが好ましい。
記起歪体の表面にパターン形成されるのが好ましい。
【0014】本発明の好ましい実施形態では、上記起歪
体のヤング率が温度により変化するのを補償するヤング
率温度補償素子または/および上記ブリッジ回路の零点
が温度により変化するのを補償する零点温度補償素子
が、上記中点部に配置され、上記配線シート上の配線に
接続されている。この実施形態によれば、ヤング率温度
補償素子または零点温度補償素子が中点部に配置されて
いるから、起歪体の左右両端部間に温度差があっても、
両端部の平均温度に基づいて温度補償がなされるので、
この温度補償の精度が高い。
体のヤング率が温度により変化するのを補償するヤング
率温度補償素子または/および上記ブリッジ回路の零点
が温度により変化するのを補償する零点温度補償素子
が、上記中点部に配置され、上記配線シート上の配線に
接続されている。この実施形態によれば、ヤング率温度
補償素子または零点温度補償素子が中点部に配置されて
いるから、起歪体の左右両端部間に温度差があっても、
両端部の平均温度に基づいて温度補償がなされるので、
この温度補償の精度が高い。
【0015】他の好ましい実施形態では、上記ブリッジ
回路における少なくとも上記歪ゲージと配線の一部とを
含む回路部分が、起歪体の上面と下面にパターン形成さ
れた、いわゆる両面ゲージ型のロードセルとなってい
る。この両面ゲージ型のロードセルによれば、ロードセ
ルの一端部寄りまたは他端部寄りの部分において引張り
側歪ゲージと圧縮側歪ゲージとが上下に対向して位置す
るから、上記両端部間に温度の差があっても、上記両ゲ
ージが同一の温度になって、温度による同一の抵抗変化
を示すので、ブリッジ回路のバランスが保持される結
果、計量精度が高く維持される。
回路における少なくとも上記歪ゲージと配線の一部とを
含む回路部分が、起歪体の上面と下面にパターン形成さ
れた、いわゆる両面ゲージ型のロードセルとなってい
る。この両面ゲージ型のロードセルによれば、ロードセ
ルの一端部寄りまたは他端部寄りの部分において引張り
側歪ゲージと圧縮側歪ゲージとが上下に対向して位置す
るから、上記両端部間に温度の差があっても、上記両ゲ
ージが同一の温度になって、温度による同一の抵抗変化
を示すので、ブリッジ回路のバランスが保持される結
果、計量精度が高く維持される。
【0016】本発明に係る計量装置は、前記本発明の一
構成または他の構成に係るロードセルを備え、さらに、
このロードセルの固定剛体部が固定される基台と、可動
剛体部に取り付けられて物品を支持する計量台とを備え
ている。この構成によれば、歪検出精度の高いロードセ
ルを備えているから、物品の計量精度が高くなる。
構成または他の構成に係るロードセルを備え、さらに、
このロードセルの固定剛体部が固定される基台と、可動
剛体部に取り付けられて物品を支持する計量台とを備え
ている。この構成によれば、歪検出精度の高いロードセ
ルを備えているから、物品の計量精度が高くなる。
【0017】好ましい実施態様に係る計量装置において
は、上記固定剛体部と基台との間および可動剛体部と計
量台との間に、それぞれ断熱材が介挿されている。この
実施形態によれば、計量台または基台から起歪体への熱
伝導が遮断されるので、計量台と基台との間の温度差に
起因して起歪体内の温度分布が不均一になるのが抑制さ
れる。さらに、歪ゲージの発熱による起歪体の熱が外部
との間で流動しないから、前記発熱による起歪体内の温
度分布も左右で対称化される。したがって、温度の相違
による計量精度の低下が抑制される。
は、上記固定剛体部と基台との間および可動剛体部と計
量台との間に、それぞれ断熱材が介挿されている。この
実施形態によれば、計量台または基台から起歪体への熱
伝導が遮断されるので、計量台と基台との間の温度差に
起因して起歪体内の温度分布が不均一になるのが抑制さ
れる。さらに、歪ゲージの発熱による起歪体の熱が外部
との間で流動しないから、前記発熱による起歪体内の温
度分布も左右で対称化される。したがって、温度の相違
による計量精度の低下が抑制される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1に、この発明の第1実施形態
に係る計量装置の概略正面図を示す。この計量装置1
は、物品を載せる計量台2と、物品の荷重を受けて歪を
発生し荷重信号を出力するロードセル3と、ロードセル
3を支持する基台4と、ロードセル3からの荷重信号を
処理して、物品の重量を示す計量信号を生成する外部回
路(信号処理回路および電源回路)14とを備えてい
る。
に基づいて説明する。図1に、この発明の第1実施形態
に係る計量装置の概略正面図を示す。この計量装置1
は、物品を載せる計量台2と、物品の荷重を受けて歪を
発生し荷重信号を出力するロードセル3と、ロードセル
3を支持する基台4と、ロードセル3からの荷重信号を
処理して、物品の重量を示す計量信号を生成する外部回
路(信号処理回路および電源回路)14とを備えてい
る。
【0019】図2の概略斜視図に示すように、上記ロー
ドセル3は、物品の荷重を受けて歪を発生するアルミ合
金またはステンレスからなる起歪体5、この起歪体5の
表面にパターン形成された後述するブリッジ回路8の一
部の回路部分8a、およびこのブリッジ回路8における
パターン形成されていない他の部分とブリッジ回路8を
外部回路(信号処理回路および電源回路)14に接続す
る配線19とを含むフレキシブルプリント配線基板(F
PC)のような柔軟な配線シート12を備えている。上
記配線シート12の一端の接続部13は、後述するよう
に、はんだ付けで上記パターン形成されたブリッジ回路
の一部8aに接続され、他端部は、コネクタのような接
続部17を介して上記外部回路14に接続されている。
また、配線シート12の接続部13と外部回路14への
接続部17との間に位置する中間部15は、起歪体5の
固定剛体部5aの上面Uおよび側面Sに、例えば両面テ
ープのような固定手段によって支持されている。
ドセル3は、物品の荷重を受けて歪を発生するアルミ合
金またはステンレスからなる起歪体5、この起歪体5の
表面にパターン形成された後述するブリッジ回路8の一
部の回路部分8a、およびこのブリッジ回路8における
パターン形成されていない他の部分とブリッジ回路8を
外部回路(信号処理回路および電源回路)14に接続す
る配線19とを含むフレキシブルプリント配線基板(F
PC)のような柔軟な配線シート12を備えている。上
記配線シート12の一端の接続部13は、後述するよう
に、はんだ付けで上記パターン形成されたブリッジ回路
の一部8aに接続され、他端部は、コネクタのような接
続部17を介して上記外部回路14に接続されている。
また、配線シート12の接続部13と外部回路14への
接続部17との間に位置する中間部15は、起歪体5の
固定剛体部5aの上面Uおよび側面Sに、例えば両面テ
ープのような固定手段によって支持されている。
【0020】起歪体5は、計量装置の基台4に固定され
る固定剛体部5aと、物品を支持する計量台2が取り付
けられる可動剛体部5bとが左右に配置され、固定剛体
部5aと可動剛体部5bとを連結する2つのビーム部5
c,5dが上下に配置されている。固定剛体部5a、可
動剛体部5bおよびビーム部5c,5dにより囲まれた
中空部7の四隅の部分、つまり、ビーム部5c,5dと
固定剛体部5aおよび可動剛体部5bとの間の部分に、
ノッチ9,9が形成されており、これらノッチ9,9に
よって薄肉となった歪発生部6,6が形成されている。
る固定剛体部5aと、物品を支持する計量台2が取り付
けられる可動剛体部5bとが左右に配置され、固定剛体
部5aと可動剛体部5bとを連結する2つのビーム部5
c,5dが上下に配置されている。固定剛体部5a、可
動剛体部5bおよびビーム部5c,5dにより囲まれた
中空部7の四隅の部分、つまり、ビーム部5c,5dと
固定剛体部5aおよび可動剛体部5bとの間の部分に、
ノッチ9,9が形成されており、これらノッチ9,9に
よって薄肉となった歪発生部6,6が形成されている。
【0021】上記起歪体5は、左右対称形、つまり、図
1に示す左右方向の中央の垂直面VPに関して面対称に
なっている。この実施の形態では、起歪体5は、左右対
称であるばかりか、その中心点Cに関して点対称に形成
されている。
1に示す左右方向の中央の垂直面VPに関して面対称に
なっている。この実施の形態では、起歪体5は、左右対
称であるばかりか、その中心点Cに関して点対称に形成
されている。
【0022】さらに、計量装置1の基台4と固定剛体部
5aとの間および可動剛体部5bと計量台2との間に、
それぞれ断熱材18が介挿されている。この断熱材18
は、起歪体5がアルミ合金またはステンレス製であるの
で、熱伝導率が1.0kcal/m・h・℃以下、好ま
しくは0.1kcal/m・h・℃以下、さらに好まし
くは0.05kcal/m・h・℃以下の材料が用いら
れ、例えば、ベークライト、その他の合成樹脂などが用
いられる。
5aとの間および可動剛体部5bと計量台2との間に、
それぞれ断熱材18が介挿されている。この断熱材18
は、起歪体5がアルミ合金またはステンレス製であるの
で、熱伝導率が1.0kcal/m・h・℃以下、好ま
しくは0.1kcal/m・h・℃以下、さらに好まし
くは0.05kcal/m・h・℃以下の材料が用いら
れ、例えば、ベークライト、その他の合成樹脂などが用
いられる。
【0023】図3の平面図に示すように、ブリッジ回路
8は、歪発生部6,6の歪を検出する圧縮側歪ゲージR
A,RB および引張側歪ゲージRC,RD と、ブリッジ回路
8の出力を調整する調整用素子であるブリッジバランス
調整用抵抗体TA 〜TD と、ブリッジ回路の零点が温度
により変化するのを補償する感温抵抗体からなる零点温
度補償素子E1,E2と、これらを接続する配線Lとを
有している。上記各歪ゲージRA,RB,RC,RD は、対応
する各ブリッジバランス調整用抵抗体TA 〜TD と直列
に接続されて、ブリッジ回路8の4辺のそれぞれを形成
している。また、上記零点温度補償素子E1,E2は、
ブリッジ回路8における正出力側の接続点OUT(+)
に接続された2辺に介挿されている。なお、上記零点温
度補償素子E1,E2は、負出力側の接続点OUT
(−)に接続された2辺、または、接続点(+)に接続
された一辺と、OUT(−)に接続されて上記一辺に対
向する一辺とにそれぞれ介挿してもよい。
8は、歪発生部6,6の歪を検出する圧縮側歪ゲージR
A,RB および引張側歪ゲージRC,RD と、ブリッジ回路
8の出力を調整する調整用素子であるブリッジバランス
調整用抵抗体TA 〜TD と、ブリッジ回路の零点が温度
により変化するのを補償する感温抵抗体からなる零点温
度補償素子E1,E2と、これらを接続する配線Lとを
有している。上記各歪ゲージRA,RB,RC,RD は、対応
する各ブリッジバランス調整用抵抗体TA 〜TD と直列
に接続されて、ブリッジ回路8の4辺のそれぞれを形成
している。また、上記零点温度補償素子E1,E2は、
ブリッジ回路8における正出力側の接続点OUT(+)
に接続された2辺に介挿されている。なお、上記零点温
度補償素子E1,E2は、負出力側の接続点OUT
(−)に接続された2辺、または、接続点(+)に接続
された一辺と、OUT(−)に接続されて上記一辺に対
向する一辺とにそれぞれ介挿してもよい。
【0024】上記ブリッジ回路8のうち、上記歪ゲージ
RA,RB,RC,RD 、ブリッジバランス調整用抵抗体TA
〜TD 、および配線Lの一部、つまり、各歪ゲージRA,
RB,RC,RD と対応する各ブリッジバランス調整用抵抗
体TA 〜TD とを直列接続するための直列配線部分を含
む回路部分8aが、図2に示すように、左右の歪発生部
6,6間にまたがって起歪体5の表面に周知の印刷技術
であるフォトエッチング技術により、パターン形成され
ている。ここで、上記歪ゲージRA,RB,RC,RD は、歪
発生部6の真上に位置している。
RA,RB,RC,RD 、ブリッジバランス調整用抵抗体TA
〜TD 、および配線Lの一部、つまり、各歪ゲージRA,
RB,RC,RD と対応する各ブリッジバランス調整用抵抗
体TA 〜TD とを直列接続するための直列配線部分を含
む回路部分8aが、図2に示すように、左右の歪発生部
6,6間にまたがって起歪体5の表面に周知の印刷技術
であるフォトエッチング技術により、パターン形成され
ている。ここで、上記歪ゲージRA,RB,RC,RD は、歪
発生部6の真上に位置している。
【0025】図3から明らかなとおり、ブリッジ回路8
の一部の回路部分8aを構成する各歪ゲージRA 〜RD
,ブリッジバランス調整用抵抗TA 〜TD ,および配
線Lのうちの直列配線部分は、左右の歪発生部6間の中
点O1 に対して左右対称に配置されている。
の一部の回路部分8aを構成する各歪ゲージRA 〜RD
,ブリッジバランス調整用抵抗TA 〜TD ,および配
線Lのうちの直列配線部分は、左右の歪発生部6間の中
点O1 に対して左右対称に配置されている。
【0026】ブリッジ回路8の上記パターン形成された
回路部分8aを除く他の配線部分は、前述のとおり、配
線シート12に形成されている。上記零点温度補償素子
E1,E2は、パターン形成されないで、独立の部品と
して、上記中点O1の近傍である中点部Oに配置され、
リード線L1を介して、配線シート12に形成された対
応する接続点21,22間または23,24間に接続さ
れている。さらに、上記起歪体5のヤング率が温度によ
り変化するのを補償する感温抵抗体からなるヤング率温
度補償素子Fが、パターン形成されないで、独立の部品
として、上記中点部Oに配置され、リード線L2を介し
て、配線シート12上に形成された配線26に接続され
ている。ブリッジ回路8のパターン形成された回路部分
8aは、上記零点温度補償素子E1,E2およびヤング
率温度補償素子Fとともに、外部ストレスからの保護の
ため、シリコーンのような樹脂製の保護層10によって
覆われている。
回路部分8aを除く他の配線部分は、前述のとおり、配
線シート12に形成されている。上記零点温度補償素子
E1,E2は、パターン形成されないで、独立の部品と
して、上記中点O1の近傍である中点部Oに配置され、
リード線L1を介して、配線シート12に形成された対
応する接続点21,22間または23,24間に接続さ
れている。さらに、上記起歪体5のヤング率が温度によ
り変化するのを補償する感温抵抗体からなるヤング率温
度補償素子Fが、パターン形成されないで、独立の部品
として、上記中点部Oに配置され、リード線L2を介し
て、配線シート12上に形成された配線26に接続され
ている。ブリッジ回路8のパターン形成された回路部分
8aは、上記零点温度補償素子E1,E2およびヤング
率温度補償素子Fとともに、外部ストレスからの保護の
ため、シリコーンのような樹脂製の保護層10によって
覆われている。
【0027】図4に示すように、外部回路14は信号処
理回路30、電源回路31および増幅器32を有してお
り、上記電源回路31から配線19を介して、ブリッジ
回路8の入力側の接続点IN(+),IN(−)に入力
電圧が印加されている。ブリッジ回路8の出力側の接続
点OUT(+),OUT(−)間の電圧は、ロードセル
3からの荷重信号として、上記増幅回路32を介して上
記信号処理回路30に入力される。上記ヤング率温度補
償素子Fは、配線26を介して上記増幅器32に接続さ
れている。この増幅器32において荷重信号に対するヤ
ング率の温度補償が行なわれたうえで、上記信号処理回
路30によって、物品の重量を示す計量信号が生成され
る。なお、ブリッジ回路8の接続点IN(+),OUT
(+)およびOUT(−)は配線シート12に形成され
ており、IN(−)は回路部分8a内に形成されてい
る。
理回路30、電源回路31および増幅器32を有してお
り、上記電源回路31から配線19を介して、ブリッジ
回路8の入力側の接続点IN(+),IN(−)に入力
電圧が印加されている。ブリッジ回路8の出力側の接続
点OUT(+),OUT(−)間の電圧は、ロードセル
3からの荷重信号として、上記増幅回路32を介して上
記信号処理回路30に入力される。上記ヤング率温度補
償素子Fは、配線26を介して上記増幅器32に接続さ
れている。この増幅器32において荷重信号に対するヤ
ング率の温度補償が行なわれたうえで、上記信号処理回
路30によって、物品の重量を示す計量信号が生成され
る。なお、ブリッジ回路8の接続点IN(+),OUT
(+)およびOUT(−)は配線シート12に形成され
ており、IN(−)は回路部分8a内に形成されてい
る。
【0028】上記構成において、ブリッジ回路8の一部
の回路部分8aを構成する第1と第2の各歪ゲージRA
〜RB ,ブリッジバランス調整用抵抗TA 〜TB および
一部の配線Lと、第3および第4の歪ゲージRC,RD 、
ブリッジバランス調整用抵抗TC,TD および一部の配線
Lとが、左右の歪発生部6間の中点O1 に対して左右対
称に配置されている。これは、上記回路部分8aの製造
工程において、例えば、マスクでウエットエッチングす
る場合に、このマスクを左右対称にできることを意味
し、これにより、左右のエッチングの溶け具合が均一に
なり、左右の歪ゲージの寸法、つまり抵抗値が同一に形
成される。従って、歪ゲージRA 〜RD の発熱量も左右
で同一となって温度的にバランスされるため、温度によ
る誤差の少ない精度の高い荷重信号が得られる。しか
も、起歪体5が左右対称であり、かつ、ブリッジ回路8
の上記回路部分8aも中心面VPに対して左右対称なの
で、歪ゲージRA 〜RD から発生した熱の分布も左右で
同一となるから、歪ゲージRA〜RD ばかりでなく、配
線Lの温度分布も左右で同一となるので、一層精度の高
い荷重信号が得られる。
の回路部分8aを構成する第1と第2の各歪ゲージRA
〜RB ,ブリッジバランス調整用抵抗TA 〜TB および
一部の配線Lと、第3および第4の歪ゲージRC,RD 、
ブリッジバランス調整用抵抗TC,TD および一部の配線
Lとが、左右の歪発生部6間の中点O1 に対して左右対
称に配置されている。これは、上記回路部分8aの製造
工程において、例えば、マスクでウエットエッチングす
る場合に、このマスクを左右対称にできることを意味
し、これにより、左右のエッチングの溶け具合が均一に
なり、左右の歪ゲージの寸法、つまり抵抗値が同一に形
成される。従って、歪ゲージRA 〜RD の発熱量も左右
で同一となって温度的にバランスされるため、温度によ
る誤差の少ない精度の高い荷重信号が得られる。しか
も、起歪体5が左右対称であり、かつ、ブリッジ回路8
の上記回路部分8aも中心面VPに対して左右対称なの
で、歪ゲージRA 〜RD から発生した熱の分布も左右で
同一となるから、歪ゲージRA〜RD ばかりでなく、配
線Lの温度分布も左右で同一となるので、一層精度の高
い荷重信号が得られる。
【0029】また、歪ゲージRA 〜RD と配線Lとを銅
・ニッケル合金のような同一材質に形成した場合、同一
工程でエッチング加工が可能となるので、生産性が向上
する。この場合、通常、厚みは同一にされるので、抵抗
値を小さくしたい配線Lは幅を広く形成しておく。ここ
で、このロードセル3は、配線Lも同様に左右対称に配
置されているので、配線Lの抵抗値も左右でバランスさ
れる。こうして、製造工程を簡素化しつつ、出力誤差の
小さいブリッジ回路8を薄膜形成できる。
・ニッケル合金のような同一材質に形成した場合、同一
工程でエッチング加工が可能となるので、生産性が向上
する。この場合、通常、厚みは同一にされるので、抵抗
値を小さくしたい配線Lは幅を広く形成しておく。ここ
で、このロードセル3は、配線Lも同様に左右対称に配
置されているので、配線Lの抵抗値も左右でバランスさ
れる。こうして、製造工程を簡素化しつつ、出力誤差の
小さいブリッジ回路8を薄膜形成できる。
【0030】上記のように、ブリッジ回路8の一部8a
を左右対称に形成したことから、ブリッジ回路8の一部
8aと配線シート12との接続部13は、図3に示すよ
うに、左右の歪発生部6間の中点部Oに設けられてお
り、これによって、ブリッジ回路8の左右対称性を確保
して、ブリッジ回路8の出力を誤差なく取り出すように
している。この結果、以下のような効果を生じる。
を左右対称に形成したことから、ブリッジ回路8の一部
8aと配線シート12との接続部13は、図3に示すよ
うに、左右の歪発生部6間の中点部Oに設けられてお
り、これによって、ブリッジ回路8の左右対称性を確保
して、ブリッジ回路8の出力を誤差なく取り出すように
している。この結果、以下のような効果を生じる。
【0031】例えば、接続部13を起歪体5の左端部ま
たは右端部に設けた場合、配線Lが歪ゲージRA 〜RD
周辺を通過して左端部または右端部へ引き出されるの
で、歪発生部6を通過する。従って、配線Lは、起歪体
5の歪の影響を受けやすくなるとともに、歪ゲージRA
〜RD の側方の狭いスペースを通す必要からその幅を広
くできないことになる。これに対して、接続部13を中
点部Oに設けた場合、配線Lは歪ゲージRA 〜RD 周辺
を通過しないから起歪体5の歪の影響を受けないととも
に、歪ゲージによるスペースの制約を受けないので、そ
の幅を広くすることができるという効果が生じる。
たは右端部に設けた場合、配線Lが歪ゲージRA 〜RD
周辺を通過して左端部または右端部へ引き出されるの
で、歪発生部6を通過する。従って、配線Lは、起歪体
5の歪の影響を受けやすくなるとともに、歪ゲージRA
〜RD の側方の狭いスペースを通す必要からその幅を広
くできないことになる。これに対して、接続部13を中
点部Oに設けた場合、配線Lは歪ゲージRA 〜RD 周辺
を通過しないから起歪体5の歪の影響を受けないととも
に、歪ゲージによるスペースの制約を受けないので、そ
の幅を広くすることができるという効果が生じる。
【0032】また、図1の計量装置1の基台4と固定剛
体部5aとの間および可動剛体部5bと計量台2との間
に、それぞれ断熱材18が介挿されているから、起歪体
5への熱伝達が抑制される。つまり、計量台2上に、例
えば冷凍食品のような低温の物品が載せられた場合、物
品の低温が計量台2を介して起歪体5に伝わろうとする
が、断熱材18の断熱効果により、その熱伝導が遮断さ
れて起歪体5の可動剛体部5b側に伝わらない。また、
固定剛体部5a側においても、断熱材18が設けられて
いるので基台4から断熱される。
体部5aとの間および可動剛体部5bと計量台2との間
に、それぞれ断熱材18が介挿されているから、起歪体
5への熱伝達が抑制される。つまり、計量台2上に、例
えば冷凍食品のような低温の物品が載せられた場合、物
品の低温が計量台2を介して起歪体5に伝わろうとする
が、断熱材18の断熱効果により、その熱伝導が遮断さ
れて起歪体5の可動剛体部5b側に伝わらない。また、
固定剛体部5a側においても、断熱材18が設けられて
いるので基台4から断熱される。
【0033】従って、起歪体5と計量台2または基台4
との間の温度差に起因して起歪体5内の温度分布が不均
一になるのが抑制される。その結果、図3の可動剛体部
側5bの歪ゲージRA,RB と固定剛体部5a側の歪ゲー
ジRC,RD との間に大きな温度差が生じないので、各歪
ゲージRA 〜RD の抵抗温度係数(TCR)が0でなく
ても、左右の歪ゲージRA 〜RD 間の抵抗値変化が抑制
される。また、左右の配線Lの間にも大きな温度差が生
じない。従って、図1の起歪体5と計量台2または基台
4との間の温度差に起因する計量精度の低下が抑制され
る。
との間の温度差に起因して起歪体5内の温度分布が不均
一になるのが抑制される。その結果、図3の可動剛体部
側5bの歪ゲージRA,RB と固定剛体部5a側の歪ゲー
ジRC,RD との間に大きな温度差が生じないので、各歪
ゲージRA 〜RD の抵抗温度係数(TCR)が0でなく
ても、左右の歪ゲージRA 〜RD 間の抵抗値変化が抑制
される。また、左右の配線Lの間にも大きな温度差が生
じない。従って、図1の起歪体5と計量台2または基台
4との間の温度差に起因する計量精度の低下が抑制され
る。
【0034】また、図2の起歪体5の固定剛体部5a側
と可動剛体部5b側とは、同様に大きな温度差がなくヤ
ング率が一定になるので、歪量が同一になって荷重信号
のレベルが同一になるので、ブリッジ回路8の出力は変
化せず、計量精度を維持できる。
と可動剛体部5b側とは、同様に大きな温度差がなくヤ
ング率が一定になるので、歪量が同一になって荷重信号
のレベルが同一になるので、ブリッジ回路8の出力は変
化せず、計量精度を維持できる。
【0035】また、計量開始時において歪ゲージRA 〜
RD が発熱し、これに伴って歪ゲージRA 〜RD の抵抗
値が変化し、ブリッジ回路8の出力が変化するが(パワ
ーオン・ドリフト)、従来、歪ゲージRA 〜RD に発生
した熱は、基台4および計量台2を介して外部との間で
流動するため、温度が安定せず、パワーオン・ドリフト
の収束が遅くなっていた。そこで、この計量装置1にお
いて断熱材18を設けたことにより、歪ゲージRA 〜R
D に発生した熱が外部との間で流動せず、一定温度にな
るのが速くなる。このため、パワーオン・ドリフトの収
束が速くなり、計量装置1をオンしたのち直ちに計量が
可能となる。特に、起歪体5が左右対称形であることか
ら、歪ゲージRA 〜RD の発熱による起歪体1の温度上
昇が左右対称に起こるので、起歪体1の温度が安定する
前に計量を開始しても、ブリッジ回路8から精度の高い
計量信号が得られる。したがって、一層の高速計量が可
能になる。
RD が発熱し、これに伴って歪ゲージRA 〜RD の抵抗
値が変化し、ブリッジ回路8の出力が変化するが(パワ
ーオン・ドリフト)、従来、歪ゲージRA 〜RD に発生
した熱は、基台4および計量台2を介して外部との間で
流動するため、温度が安定せず、パワーオン・ドリフト
の収束が遅くなっていた。そこで、この計量装置1にお
いて断熱材18を設けたことにより、歪ゲージRA 〜R
D に発生した熱が外部との間で流動せず、一定温度にな
るのが速くなる。このため、パワーオン・ドリフトの収
束が速くなり、計量装置1をオンしたのち直ちに計量が
可能となる。特に、起歪体5が左右対称形であることか
ら、歪ゲージRA 〜RD の発熱による起歪体1の温度上
昇が左右対称に起こるので、起歪体1の温度が安定する
前に計量を開始しても、ブリッジ回路8から精度の高い
計量信号が得られる。したがって、一層の高速計量が可
能になる。
【0036】さらに、計量装置1の外部温度を一定温度
ずつ上下に変化させて、ブリッジ回路8の出力を測定す
る温度サイクルテストにおいて、断熱材18を設けた計
量装置1は、設けない従来装置に比較して、例えば、1
0℃,20℃,30℃と変化させ、また、30℃,20
℃,10℃と変化させた場合の20℃におけるブリッジ
回路8の出力値の温度ヒステリシスが小さくなること
が、実験データ上確認されている。すなわち、断熱材1
8を設けたことにより、零点の温度ヒステリシスが小さ
くなる利点がある。
ずつ上下に変化させて、ブリッジ回路8の出力を測定す
る温度サイクルテストにおいて、断熱材18を設けた計
量装置1は、設けない従来装置に比較して、例えば、1
0℃,20℃,30℃と変化させ、また、30℃,20
℃,10℃と変化させた場合の20℃におけるブリッジ
回路8の出力値の温度ヒステリシスが小さくなること
が、実験データ上確認されている。すなわち、断熱材1
8を設けたことにより、零点の温度ヒステリシスが小さ
くなる利点がある。
【0037】また、配線シート12にはスルーホール1
6が設けられており、配線シート12上の配線19とブ
リッジ回路8の一部8aとをこのスルーホール16を介
して接続する。すなわち、このスルーホール16を通し
て真下のブリッジ回路8の一部8aの配線端子にハンダ
を落としてハンダ付けを行い、配線シート12上の配線
19とブリッジ回路8の一部8aとを接続する。このた
め、従来のように、配線シート12をブリッジ回路8の
一部8aに取り付ける際に、ハンダごてのこて先でブリ
ッジ回路8の一部8aの絶縁膜を破ってしまうことがな
く、確実なハンダ付けが可能で、かつ絶縁不良が生じな
い。
6が設けられており、配線シート12上の配線19とブ
リッジ回路8の一部8aとをこのスルーホール16を介
して接続する。すなわち、このスルーホール16を通し
て真下のブリッジ回路8の一部8aの配線端子にハンダ
を落としてハンダ付けを行い、配線シート12上の配線
19とブリッジ回路8の一部8aとを接続する。このた
め、従来のように、配線シート12をブリッジ回路8の
一部8aに取り付ける際に、ハンダごてのこて先でブリ
ッジ回路8の一部8aの絶縁膜を破ってしまうことがな
く、確実なハンダ付けが可能で、かつ絶縁不良が生じな
い。
【0038】ところで、ブリッジ回路8の一部8aを配
線シート12を介して外部回路14に接続して回路調整
を済ませた後、配線シート12を起歪体5に取り付ける
際に配線シート12が変位したり、起歪体5の変位によ
って配線シート12が変位すると、起歪体1に拘束力が
付加され、ブリッジ回路8の出力が変動するおそれがあ
る。そこで、これを防止するために、図1の配線シート
12の接続部13と外部回路14への接続部17との間
に位置する中間部15が、起歪体5の固定剛体部5aの
上面Uおよび側面Sに、例えば両面テープのような固定
手段によって支持されている。
線シート12を介して外部回路14に接続して回路調整
を済ませた後、配線シート12を起歪体5に取り付ける
際に配線シート12が変位したり、起歪体5の変位によ
って配線シート12が変位すると、起歪体1に拘束力が
付加され、ブリッジ回路8の出力が変動するおそれがあ
る。そこで、これを防止するために、図1の配線シート
12の接続部13と外部回路14への接続部17との間
に位置する中間部15が、起歪体5の固定剛体部5aの
上面Uおよび側面Sに、例えば両面テープのような固定
手段によって支持されている。
【0039】このように、配線シート12の接続部13
と中間部15を起歪体5に固定することによって、従来
のように、配線シート12の他端を直接外部回路14に
接続した場合に比較して、配線シート12を起歪体5に
取り付ける際の配線シート12の変位、または起歪体5
の可動剛体部5bの上下変位に起因する配線シート12
の上下変位により接続部13に発生する応力を小さくで
きる結果、ブリッジ回路8の出力の誤差を極力小さくで
きる。また、配線シート12は柔軟な材質であるから、
計量中の起歪体5の変位を拘束しないので、例えば最小
目盛り10mgの低容量高精度のロードセル3にも配線
シート12を用いることができる。
と中間部15を起歪体5に固定することによって、従来
のように、配線シート12の他端を直接外部回路14に
接続した場合に比較して、配線シート12を起歪体5に
取り付ける際の配線シート12の変位、または起歪体5
の可動剛体部5bの上下変位に起因する配線シート12
の上下変位により接続部13に発生する応力を小さくで
きる結果、ブリッジ回路8の出力の誤差を極力小さくで
きる。また、配線シート12は柔軟な材質であるから、
計量中の起歪体5の変位を拘束しないので、例えば最小
目盛り10mgの低容量高精度のロードセル3にも配線
シート12を用いることができる。
【0040】図5に第2実施形態を示す。この実施形態
においては、起歪体5の上面Uと下面Bの両方に分け
て、ブリッジ回路8のうちの歪ゲージを含む回路部分8
aをパターン形成している。これは、いわゆる両面ゲー
ジ型のロードセルである。
においては、起歪体5の上面Uと下面Bの両方に分け
て、ブリッジ回路8のうちの歪ゲージを含む回路部分8
aをパターン形成している。これは、いわゆる両面ゲー
ジ型のロードセルである。
【0041】つまり、図6(A)に示すように、上記回
路部分8aのうち、起歪体5の上部の歪発生部6,6の
歪を検出する圧縮側歪ゲージRA および引張側歪ゲージ
RCと、ブリッジバランス調整用抵抗体TA,TC と、こ
れらを接続する配線Lの大部分とを含む回路部分8au
が、左右の歪発生部6,6間にまたがって起歪体5の上
面Uに、周知の写真印刷技術によりパターン形成されて
いる。ここで、上記歪ゲージRA,RC は、図5の歪発生
部6の真上に位置している。
路部分8aのうち、起歪体5の上部の歪発生部6,6の
歪を検出する圧縮側歪ゲージRA および引張側歪ゲージ
RCと、ブリッジバランス調整用抵抗体TA,TC と、こ
れらを接続する配線Lの大部分とを含む回路部分8au
が、左右の歪発生部6,6間にまたがって起歪体5の上
面Uに、周知の写真印刷技術によりパターン形成されて
いる。ここで、上記歪ゲージRA,RC は、図5の歪発生
部6の真上に位置している。
【0042】同様に、図6(B)に示すように、上記回
路部分8aのうち、起歪体5の下部の歪発生部6,6の
歪を検出する圧縮側歪ゲージRB および引張側歪ゲージ
RDと、ブリッジバランス調整用抵抗体TB,TD と、こ
れらを接続する配線Lの大部分とを含む回路部分8ab
が、左右の歪発生部6,6間にまたがって起歪体5の下
面Bにパターン形成されている。ここで、上記歪ゲージ
RB,RD は、図5の歪発生部6の真下に位置している。
ブリッジ回路8の回路構成は、図7に示すようであり、
上記回路部分8aが2分割されている以外は、上記第1
実施形態における図4に示された回路と同一である。
路部分8aのうち、起歪体5の下部の歪発生部6,6の
歪を検出する圧縮側歪ゲージRB および引張側歪ゲージ
RDと、ブリッジバランス調整用抵抗体TB,TD と、こ
れらを接続する配線Lの大部分とを含む回路部分8ab
が、左右の歪発生部6,6間にまたがって起歪体5の下
面Bにパターン形成されている。ここで、上記歪ゲージ
RB,RD は、図5の歪発生部6の真下に位置している。
ブリッジ回路8の回路構成は、図7に示すようであり、
上記回路部分8aが2分割されている以外は、上記第1
実施形態における図4に示された回路と同一である。
【0043】上記各回路部分8au, 8abは、やはり、左
右の歪発生部6,6間の対応する中点O1 ,O2のそれ
ぞれに対して左右対称に形成されている。さらに、ブリ
ッジ回路8の上記パターン形成された回路部分8a(8
au, 8ab)を除く他の配線部分は、配線シート12に形
成されている。
右の歪発生部6,6間の対応する中点O1 ,O2のそれ
ぞれに対して左右対称に形成されている。さらに、ブリ
ッジ回路8の上記パターン形成された回路部分8a(8
au, 8ab)を除く他の配線部分は、配線シート12に形
成されている。
【0044】ブリッジ回路8の回路構成は、図7に示す
ようであり、上記第1実施形態における図4に示された
回路と同一である。ただし、第1実施形態の場合と異な
り、ブリッジ回路8の入力側の一方の接続点IN(+)
は上面の回路部分8au内に、他方の接続点IN(−)は
下面の回路部分8ab内にそれぞれ形成されている。出力
側の2つの接続点OUT(+)およびOUT(−)が配
線シート12に形成されている構成は、第1実施形態の
場合と同一である。
ようであり、上記第1実施形態における図4に示された
回路と同一である。ただし、第1実施形態の場合と異な
り、ブリッジ回路8の入力側の一方の接続点IN(+)
は上面の回路部分8au内に、他方の接続点IN(−)は
下面の回路部分8ab内にそれぞれ形成されている。出力
側の2つの接続点OUT(+)およびOUT(−)が配
線シート12に形成されている構成は、第1実施形態の
場合と同一である。
【0045】零点温度補償素子E1,E2は、パターン
形成されないで、独立の部品として、上面Uと下面Bの
それぞれの中点O1,O2の近傍である中点部OU,O
Bに配置され、リード線L1を介して、配線シート12
に形成された対応する接続点21,22間または23,
24間に接続されている。また、ヤング率温度補償素子
Fも、パターン形成されないで、独立の部品として、上
面Uの中点部OUに配置され、リード線L2を介して、
配線シート12上に形成された配線26に接続されてい
る。勿論、ヤング率温度補償素子Fは、下面Bの中心部
OBに配置してもよいし、さらには、温度ほ平均値をと
れることから、上面Uと下面Bのそれぞれの中心部O
U,OBに1つずつ配置するのが好ましい。上記ブリッ
ジ回路8のパターン形成された回路部分8aは、上記零
点温度補償素子E1,E2およびヤング率温度補償素子
Fとともに、外部ストレスからの保護のため、図5に示
すように、シリコーンのような樹脂製の保護層10によ
って覆われている。
形成されないで、独立の部品として、上面Uと下面Bの
それぞれの中点O1,O2の近傍である中点部OU,O
Bに配置され、リード線L1を介して、配線シート12
に形成された対応する接続点21,22間または23,
24間に接続されている。また、ヤング率温度補償素子
Fも、パターン形成されないで、独立の部品として、上
面Uの中点部OUに配置され、リード線L2を介して、
配線シート12上に形成された配線26に接続されてい
る。勿論、ヤング率温度補償素子Fは、下面Bの中心部
OBに配置してもよいし、さらには、温度ほ平均値をと
れることから、上面Uと下面Bのそれぞれの中心部O
U,OBに1つずつ配置するのが好ましい。上記ブリッ
ジ回路8のパターン形成された回路部分8aは、上記零
点温度補償素子E1,E2およびヤング率温度補償素子
Fとともに、外部ストレスからの保護のため、図5に示
すように、シリコーンのような樹脂製の保護層10によ
って覆われている。
【0046】上記配線シート12は、図5の矢印VIII方
向から見た図8の正面図に示すように、中間部15から
先端側が2又に分かれて分岐部12a,12bとなって
おり、各分岐部12a,12bの先端の接続部13が、
パターン形成された回路部分8au, 8abに接続されてい
る。上記中間部15における分岐点近傍と各分岐部12
a,12bは、起歪体5の固定剛体部5aの側面Sおよ
び上下面U,Bに、例えば両面テープのような固定手段
によって支持されている。
向から見た図8の正面図に示すように、中間部15から
先端側が2又に分かれて分岐部12a,12bとなって
おり、各分岐部12a,12bの先端の接続部13が、
パターン形成された回路部分8au, 8abに接続されてい
る。上記中間部15における分岐点近傍と各分岐部12
a,12bは、起歪体5の固定剛体部5aの側面Sおよ
び上下面U,Bに、例えば両面テープのような固定手段
によって支持されている。
【0047】上記構成によれば、上記ブリッジ回路8に
おける少なくとも歪ゲージRA 〜RD と配線Lの一部と
を含む回路部分が、起歪体の上面と下面にパターン形成
された、いわゆる両面ゲージ型のロードセルとなってい
る。すなわち、ロードセル3の固定剛体部5a側におい
て引張り側歪ゲージRC と圧縮側歪ゲージRB とが上下
に対向して位置し、さらに、可動剛体部5b側において
圧縮側歪ゲージRA と引張り側歪ゲージRD とが上下に
対向して位置する。したがって、上記両端部5a,5b
間に温度の差があっても、各端部5a,5b側で上下に
位置する引張り側歪ゲージRC と圧縮側歪ゲージRB 、
または圧縮側歪ゲージRA と引張り側歪ゲージRD の各
ペアについては、ペア内で温度の差が小さい。その結
果、歪ゲージRA 〜RD として、抵抗温度係数(TC
R)が厳密にゼロでない抵抗体を用いた場合でも、各ペ
ア内では温度による抵抗値変化が等しくなる。
おける少なくとも歪ゲージRA 〜RD と配線Lの一部と
を含む回路部分が、起歪体の上面と下面にパターン形成
された、いわゆる両面ゲージ型のロードセルとなってい
る。すなわち、ロードセル3の固定剛体部5a側におい
て引張り側歪ゲージRC と圧縮側歪ゲージRB とが上下
に対向して位置し、さらに、可動剛体部5b側において
圧縮側歪ゲージRA と引張り側歪ゲージRD とが上下に
対向して位置する。したがって、上記両端部5a,5b
間に温度の差があっても、各端部5a,5b側で上下に
位置する引張り側歪ゲージRC と圧縮側歪ゲージRB 、
または圧縮側歪ゲージRA と引張り側歪ゲージRD の各
ペアについては、ペア内で温度の差が小さい。その結
果、歪ゲージRA 〜RD として、抵抗温度係数(TC
R)が厳密にゼロでない抵抗体を用いた場合でも、各ペ
ア内では温度による抵抗値変化が等しくなる。
【0048】ブリッジ回路8は、図7に示したとおり、
ペアを構成する圧縮側歪ゲージRA(RB)と引張側歪ゲー
ジRD(RC)に、温度差による抵抗値の差が生じると、た
だちに出力端子OUT(+)−OUT(−)間の出力電
圧の誤差となって現れて、ブリッジ回路8のバランスを
崩すので、上記のとおり、各ペア内の歪ゲージ間で温度
差がなくなることにより、ブリッジ回路のバランスが保
持される結果、計量精度が高く維持される。
ペアを構成する圧縮側歪ゲージRA(RB)と引張側歪ゲー
ジRD(RC)に、温度差による抵抗値の差が生じると、た
だちに出力端子OUT(+)−OUT(−)間の出力電
圧の誤差となって現れて、ブリッジ回路8のバランスを
崩すので、上記のとおり、各ペア内の歪ゲージ間で温度
差がなくなることにより、ブリッジ回路のバランスが保
持される結果、計量精度が高く維持される。
【0049】なお、上記各実施形態では、配線シート1
2の中間部15を起歪体5の固定剛体部5aの上面Uま
たは下面と側面Sとで支持しているが、側面Sで支持せ
ずに、上面Uまたは下面Bだけで支持してもよい。ま
た、上記各実施形態では、ブリッジ回路8の一部8aを
パターン形成しているが、全部をパターン形成してもよ
い。さらに、起歪体5の左右両端面に配設された断熱材
18は、計量台2または基台4が大きな温度変化を生じ
ないものであれば、割愛してもよい。
2の中間部15を起歪体5の固定剛体部5aの上面Uま
たは下面と側面Sとで支持しているが、側面Sで支持せ
ずに、上面Uまたは下面Bだけで支持してもよい。ま
た、上記各実施形態では、ブリッジ回路8の一部8aを
パターン形成しているが、全部をパターン形成してもよ
い。さらに、起歪体5の左右両端面に配設された断熱材
18は、計量台2または基台4が大きな温度変化を生じ
ないものであれば、割愛してもよい。
【0050】また、本発明の計量装置1としては、計量
台2を形成する計量ホッパをロードセルの可動剛体部に
取り付けてなる計量器を基台4に複数個取り付け、各計
量器での計量値を組み合わせて、目標値の許容範囲内と
なる組合せを選択する組合せ計量装置も含まれる。
台2を形成する計量ホッパをロードセルの可動剛体部に
取り付けてなる計量器を基台4に複数個取り付け、各計
量器での計量値を組み合わせて、目標値の許容範囲内と
なる組合せを選択する組合せ計量装置も含まれる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明の一構成に係るロ
ードセルによれば、起歪体が左右対称形であり、かつ、
ブリッジ回路は左右の歪発生部間の中点に対して、左右
対称に形成されているので、左右の歪ゲージ間、調整用
素子間および配線間のそれぞれにおいて、抵抗値のばら
つきが少なく、歪ゲージに発生する熱の分布も左右で同
一となる。特に、製造工程の簡略化のために歪ゲージと
配線とを同じ材質に形成した結果、配線の抵抗値が大き
くなっても、上記のとおり左右間の誤差が少ないので、
起歪体の変位による配線の抵抗値の変化も左右間で同一
となる。従って、ブリッジ回路の出力誤差を小さくでき
る。これにより、製造工程を簡素化しつつ、高い歪検出
精度を確保できるロードセルを提供することができる。
ードセルによれば、起歪体が左右対称形であり、かつ、
ブリッジ回路は左右の歪発生部間の中点に対して、左右
対称に形成されているので、左右の歪ゲージ間、調整用
素子間および配線間のそれぞれにおいて、抵抗値のばら
つきが少なく、歪ゲージに発生する熱の分布も左右で同
一となる。特に、製造工程の簡略化のために歪ゲージと
配線とを同じ材質に形成した結果、配線の抵抗値が大き
くなっても、上記のとおり左右間の誤差が少ないので、
起歪体の変位による配線の抵抗値の変化も左右間で同一
となる。従って、ブリッジ回路の出力誤差を小さくでき
る。これにより、製造工程を簡素化しつつ、高い歪検出
精度を確保できるロードセルを提供することができる。
【0052】また、本発明の他の構成に係るロードセル
によれば、柔軟な配線シートにおけるブリッジ回路への
接続部は、左右の歪発生部間の中点部に設けられている
ので、ブリッジ回路に左右対称性を持たせることができ
る。また、歪ゲージから上記接続部までの配線は歪発生
部を通過しないから、起歪体の歪の影響を受けないとと
もに、歪ゲージによるスペースの制約を受けないので、
その幅を広くすることができる。さらに、この接続部と
外部回路への接続部の間に位置する中間部が、起歪体の
上記一面における固定剛体部に支持されているので、柔
軟な配線シートとブリッジ回路との接続部に大きな応力
が発生しないので、ブリッジ回路の出力に影響を与えな
い。従って、歪検出の精度が高くなる。
によれば、柔軟な配線シートにおけるブリッジ回路への
接続部は、左右の歪発生部間の中点部に設けられている
ので、ブリッジ回路に左右対称性を持たせることができ
る。また、歪ゲージから上記接続部までの配線は歪発生
部を通過しないから、起歪体の歪の影響を受けないとと
もに、歪ゲージによるスペースの制約を受けないので、
その幅を広くすることができる。さらに、この接続部と
外部回路への接続部の間に位置する中間部が、起歪体の
上記一面における固定剛体部に支持されているので、柔
軟な配線シートとブリッジ回路との接続部に大きな応力
が発生しないので、ブリッジ回路の出力に影響を与えな
い。従って、歪検出の精度が高くなる。
【0053】本発明の計量装置によれば、上記歪検出精
度の高いロードセルを備えていることから、物品の計量
精度が向上する。
度の高いロードセルを備えていることから、物品の計量
精度が向上する。
【図1】この発明の第1実施形態に係るロードセルを備
えた計量装置を示す概略斜視図である。
えた計量装置を示す概略斜視図である。
【図2】図1のロードセルを示す斜視図である。
【図3】図1のロードセルの起歪体の上面にパターン形
成されたブリッジ回路を示す拡大した平面図である。
成されたブリッジ回路を示す拡大した平面図である。
【図4】図1のロードセルのブリッジ回路を示す回路図
である。
である。
【図5】第2実施形態に係るロードセルを示す斜視図で
ある。
ある。
【図6】(A)は図5のロードセルの起歪体の上面にパ
ターン形成されたブリッジ回路を示す平面図、(B)は
同起歪体の下面にパターン形成されたブリッジ回路を示
す底面図である。
ターン形成されたブリッジ回路を示す平面図、(B)は
同起歪体の下面にパターン形成されたブリッジ回路を示
す底面図である。
【図7】図5のロードセルのブリッジ回路を示す回路図
である。
である。
【図8】図5のロードセルを示す正面図である。
1…計量装置、2…計量台、3…ロードセル、5…起歪
体、5a…固定剛体部、5b…可動剛体部、6…歪発生
部、8…ブリッジ回路、8a…回路部分、12…柔軟な
配線シート、13,17…接続部、14…外部回路、1
8…断熱材、E1,E2…零点温度補償素子、F…ヤン
グ率温度補償素子、O1,O2…中点、O,OU,OB
…中点部、RA 〜RD …歪ゲージ、TA 〜TD …調整用
素子(ブリッジバランス調整用抵抗)、L…配線。
体、5a…固定剛体部、5b…可動剛体部、6…歪発生
部、8…ブリッジ回路、8a…回路部分、12…柔軟な
配線シート、13,17…接続部、14…外部回路、1
8…断熱材、E1,E2…零点温度補償素子、F…ヤン
グ率温度補償素子、O1,O2…中点、O,OU,OB
…中点部、RA 〜RD …歪ゲージ、TA 〜TD …調整用
素子(ブリッジバランス調整用抵抗)、L…配線。
Claims (10)
- 【請求項1】 固定剛体部と、荷重が負荷される可動剛
体部とが左右に配置され、固定剛体部と可動剛体部とを
連結する複数のビーム部が上下に配置され、ビーム部と
可動剛体部および固定剛体部との間に歪発生部が形成さ
れ、左右対称な形状を持つ起歪体と、 上記歪発生部の歪に対応した荷重信号を出力するブリッ
ジ回路とを備え、 上記ブリッジ回路は、歪発生部の歪を検出する歪ゲー
ジ、ブリッジ回路のバランスを調整する調整用素子、お
よびこれらを接続する配線を有し、 上記ブリッジ回路における少なくとも上記歪ゲージと配
線の一部とを含む回路部分が、左右の歪発生部間にまた
がって起歪体の表面にパターン形成され、かつ、左右の
歪発生部間の中点に対して、左右対称に設定されている
ロードセル。 - 【請求項2】 固定剛体部と、荷重が負荷される可動剛
体部とが左右に配置され、固定剛体部と可動剛体部とを
連結する複数のビーム部が上下に配置され、ビーム部と
可動剛体部および固定剛体部との間に歪発生部が形成さ
れた起歪体と、 上記歪発生部の歪に対応した荷重信号を出力するブリッ
ジ回路とを備え、 このブリッジ回路は、歪発生部の歪を検出する歪ゲー
ジ、ブリッジ回路のバランスを調整する調整用素子、お
よびこれらを接続する配線を有し、 上記ブリッジ回路における少なくとも上記歪ゲージと配
線の一部とを含む回路部分が、左右の歪発生部間にまた
がって起歪体の表面にパターン形成され、 ブリッジ回路におけるパターン形成されていない部分と
ブリッジ回路を外部回路に接続する配線とが柔軟な配線
シートによって形成され、 上記柔軟な配線シートにおけるブリッジ回路のパターン
形成された部分への接続部は、左右の歪発生部間の中点
部に設けられ、この接続部と外部回路への接続部との間
に位置する中間部が、起歪体の固定剛体部に支持されて
いるロードセル。 - 【請求項3】 請求項1または2において、上記調整用
素子が上記歪ゲージと共に上記起歪体の表面にパターン
形成されているロードセル。 - 【請求項4】 請求項1または3において、上記起歪体
のヤング率が温度により変化するのを補償するヤング率
温度補償素子が、上記左右の歪発生部間の中点部に設け
られているロードセル。 - 【請求項5】 請求項2または3において、上記起歪体
のヤング率が温度により変化するのを補償するヤング率
温度補償素子が上記中点部に配置され、上記配線シート
上の配線に接続されているロードセル。 - 【請求項6】 請求項1,3または4において、上記ブ
リッジ回路の零点が温度により変化するのを補償する零
点温度補償素子が、上記左右の歪発生部間の中点部に設
けられているロードセル。 - 【請求項7】 請求項2,3または5において、上記ブ
リッジ回路の零点が温度により変化するのを補償する零
点温度補償素子が上記中点部に配置され、上記配線シー
ト上の配線に接続されているロードセル。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかにおいて、
上記ブリッジ回路における少なくとも上記歪ゲージと配
線の一部とを含む回路部分が、起歪体の上面と下面にパ
ターン形成されているロードセル。 - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載のロ
ードセルを備え、さらに、上記ロードセルの固定剛体部
が固定される基台と、上記可動剛体部に取り付けられて
物品を支持する計量台とを備えている計量装置。 - 【請求項10】 請求項9において、上記固定剛体部と
基台との間および可動剛体部と計量台との間に、それぞ
れ断熱材が介挿されている計量装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26071895A JPH08136363A (ja) | 1994-09-14 | 1995-09-12 | ロードセルとこれを用いた計量装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-247303 | 1994-09-14 | ||
JP6-247304 | 1994-09-14 | ||
JP24730494 | 1994-09-14 | ||
JP24730394 | 1994-09-14 | ||
JP26071895A JPH08136363A (ja) | 1994-09-14 | 1995-09-12 | ロードセルとこれを用いた計量装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08136363A true JPH08136363A (ja) | 1996-05-31 |
Family
ID=27333571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26071895A Pending JPH08136363A (ja) | 1994-09-14 | 1995-09-12 | ロードセルとこれを用いた計量装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08136363A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100703861B1 (ko) * | 2007-01-30 | 2007-04-04 | 김학선 | 축중기 |
JP2008046115A (ja) * | 2006-07-07 | 2008-02-28 | Mettler-Toledo Ag | 計量モジュール |
JP2009508769A (ja) * | 2005-09-16 | 2009-03-05 | レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード | 一体型ロードセル付き化学薬品貯蔵装置 |
JP2010169511A (ja) * | 2009-01-22 | 2010-08-05 | Yamato Scale Co Ltd | ロードセル |
JP2010181224A (ja) * | 2009-02-04 | 2010-08-19 | Tanita Corp | 多点式秤の製造方法及び多点式秤 |
JP2010243340A (ja) * | 2009-04-07 | 2010-10-28 | Yamato Scale Co Ltd | ロードセル |
KR101458736B1 (ko) * | 2014-01-14 | 2014-11-05 | 최동옥 | 촉매 컨버터용 단열재 계량장치 |
CN111678578A (zh) * | 2019-03-11 | 2020-09-18 | 华帝股份有限公司 | 称重机构及烹饪设备 |
JP2024057667A (ja) * | 2022-10-13 | 2024-04-25 | 株式会社エー・アンド・デイ | 電子天びん |
-
1995
- 1995-09-12 JP JP26071895A patent/JPH08136363A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009508769A (ja) * | 2005-09-16 | 2009-03-05 | レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード | 一体型ロードセル付き化学薬品貯蔵装置 |
TWI422772B (zh) * | 2005-09-16 | 2014-01-11 | Air Liquide | 具有一體成形測力器之化學儲存裝置 |
JP2008046115A (ja) * | 2006-07-07 | 2008-02-28 | Mettler-Toledo Ag | 計量モジュール |
KR100703861B1 (ko) * | 2007-01-30 | 2007-04-04 | 김학선 | 축중기 |
JP2010169511A (ja) * | 2009-01-22 | 2010-08-05 | Yamato Scale Co Ltd | ロードセル |
JP2010181224A (ja) * | 2009-02-04 | 2010-08-19 | Tanita Corp | 多点式秤の製造方法及び多点式秤 |
JP2010243340A (ja) * | 2009-04-07 | 2010-10-28 | Yamato Scale Co Ltd | ロードセル |
KR101458736B1 (ko) * | 2014-01-14 | 2014-11-05 | 최동옥 | 촉매 컨버터용 단열재 계량장치 |
CN111678578A (zh) * | 2019-03-11 | 2020-09-18 | 华帝股份有限公司 | 称重机构及烹饪设备 |
JP2024057667A (ja) * | 2022-10-13 | 2024-04-25 | 株式会社エー・アンド・デイ | 電子天びん |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040401 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040608 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041019 |