JP3808208B2 - フローセンサ用ソリッドステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサチップを流体の流路に配設する場合に用いるフローセンサ用ソリッドステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エアコン等の空調制御、ガス等の流体の漏れ検出、流体の流速或いは流量測定のためにフローセンサが用いられている。このフローセンサの原理は周知のように、基板の上に発熱体を含む抵抗素子を基板とは熱的に絶縁して形成したセンサチップを流体の流れの中に置き、流れる流体の流速の変化に対応する抵抗素子の出力を基に流体の流速、流量を測定するようにしている。
【0003】
センサチップにはダイヤフラム型とマイクロブリッジ型とがある。ダイヤフラム型は、抵抗素子を基板と熱的に断熱するために、基板に空隙部を形成し、この空隙部により基板とは熱的に絶縁されたダイヤフラムを形成し、このダイヤフラムの上に各種の素子を形成した構成で、例えば、特開平9−54109号公報に記載されたものが知られている。マイクロブリッジ型は、特開平7−174600号公報に記載されたものが知られている。
【0004】
以下、図9を参照してダイヤフラム型のセンサチップについて説明する。基板101の表面にはダイヤフラム部102が形成されている。そして、流体の流れの方向(矢印方向)に沿って、流体温度検出素子103、抵抗素子104,105,106、周囲温度検出素子107、各素子103ないし107を制御回路(図示せず)に接続するボンディングパッド108ないし114が形成されている。すなわち、流体温度検出素子103の両端はボンディングパッド108,109には接続され、抵抗素子104はボンディングパッド111,112に接続され、抵抗素子105はボンディングパッド109,110に接続され、抵抗素子106はボンディングパッド112,113に接続され、周囲温度検出素子107はボンディングパッド110,114に接続されている。115はダイヤフラム部102の下部に空隙部116を形成するための溝である。すなわち、溝115からエッチング液を注入し異方性エッチングにより空隙部116を形成する。
【0005】
ここで、抵抗素子105は流体を暖める発熱体として機能し、抵抗素子104,106は測温抵抗素子として機能する。すなわち、発熱体としての抵抗素子105を加熱し、矢印方向から流体が流れるものとすると、上流側の抵抗素子104は流体の流れにより冷やされ、抵抗素子104から熱を奪った流体に触れる下流側の抵抗素子106は温度が上がる。このときの両者の温度差は抵抗値の変化として出力されるため、その出力をホイートストーンブリッジ回路に取り込み、抵抗値の変化を電圧に変換することで、その電圧に対応する流体の流速が測定される。
【0006】
マイクロブリッジ型のセンサチップの構成については、基本が本発明の実施の形態と同等であるので、ここでは説明を省略する。
【0007】
センサチップは上述した型式を問わず流体の流れの中に晒されるように支持される。例えば、特開平9−218217号公報に記載された発明によれば、図10に示すようにセンサ用パッケージ201によりセンサチップ202が支持されている。センサ用パッケージ201は、円筒形状のケース203にガラス部材204を充填し、このガラス部材204にリードピン205を貫通させたもので、ケース203は下部のフランジ206が軸方向と回転方向との位置が規制されるようにセンサ取付板207に接着固定されている。センサチップ202はガラス部材204の端面に固定されている。リードピン205の一端はセンサチップ203のボンディングパッドにボンディングワイヤにより接続されている。ボンディングパッドは、図9に示すセンサチップの例においては、108ないし114に相当する。そして、センサ取付板207をフルイディック素子208にネジ209で固定することにより、センサチップ202がノズル(流路)210に晒されるように構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、固体を流体の流れの中に置くと、固体の表面では流体が完全に静止しているが、固体の表面から離れると流体の流速は急激に増加し、固体の表面から僅かに離れたところでは、その流体の流速と略同じになることが知られている。この固体の表面と、この表面から僅かに離れた位置であって流体の流速と略同速になるまでの位置との間の領域を速度境界層という。この速度境界層は二種類あって、層内に乱れがなく流れが層状をなしている層流境界層と、層内の大部分がじょう乱と呼ばれる不規則な渦で満たされる乱流境界層とがある。
【0009】
図10に示す状態は、センサチップ202とリードピン205がノズル(流路)210の管壁211から突出するため、これらのセンサチップ202及びリードピン205に流体が当たった点から流れの方向に向けて速度境界層が発達してゆくことになる。速度境界層が発達する初期は層流境界層であるが、その層の厚さがある値以上になると乱流境界層に変化する。この現象を遷移、遷移する点を遷移点という。
【0010】
この遷移点の位置は、じょう乱の量や管壁211の粗さ、流れに沿う流体の圧力分布に関係することが知られているが、じょう乱の発生を防止することは極めて困難で、流体の流速、流量の測定に信頼性を欠く原因となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、流体の温度を検出する流体温度検出素子と、電圧印加により発熱する発熱体を含み基板に対して熱的に絶縁された抵抗素子とを流体の流れの方向に沿って前記基板に形成するとともに、前記流体温度検出素子及び前記抵抗素子の入出力用の接続パッドを前記基板に形成したセンサチップを保持し、自身は流路が形成された管路部材に取り付けられるステム本体を備え、前記ステム本体には、前記抵抗素子を前記流路に沿って位置させるとともに前記センサチップを前記流路の管壁の内周面と同等又はそれより外側に位置させる状態で前記管路部材によって位置決めされる位置決め部と、前記センサチップを前記流路の管壁の内周面と同等又はそれより外側に位置させて固定する固定部と、接続線により前記接続パッドに接続される一端が前記管路の前記管壁の内周面又はそれより外側に位置され他端が外部回路に接続されるリード端子とが設けられている。
【0012】
したがって、ステム本体を管路部材に取り付けた状態では、センサチップ上の流体温度検出素子及び抵抗素子が流体の流れに沿って配列される。また、センサチップ及びリード端子が管路の管壁より内方に突出しないため、じょう乱の発生が防止される。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記リード端子は、流体の流れ方向に沿って前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するように半径の中心を前記ステム本体の中心とする半径上に配列されて前記ステム本体に設けられている。
【0014】
したがって、リード端子を抵抗素子から離して位置させ、その位置でリード端子と接続パッドとを接続線により接続することが可能となる。したがって、流体が接続線に当接して乱流境界層が発生したとしても、抵抗素子上の流れに与える影響は少ない。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記リード端子は、流体の流れ方向に沿って前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するように前記ステム本体の両側に直線上に配列されて設けられている。
【0016】
したがって、リード端子を抵抗素子から離して位置させ、その位置でリード端子と接続パッドとを接続線により接続することが可能となる。したがって、流体が接続線に当接して乱流境界層が発生したとしても、抵抗素子上の流れに与える影響は少ない。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の第一の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。まず、図1を参照して、センサチップの構造を製造工程とともに説明する。
【0018】
第一工程では、図1(a)に示すように、基板としてのシリコンウエハ1は、後で行う異方性エッチング工程においてシリコンウエハ1が裏面からエッチングされるのを防ぐために、裏面にSiO2膜2が1μm程度形成されたものを用意する。そして、シリコンウエハ1の表面にTa2O5 等の絶縁膜3を形成する。絶縁膜3は電子ビーム蒸着法又はスパッタリング法等により約1.5μm成膜する。
【0019】
第二工程では、図1(b)に示すように、絶縁膜3の上に抵抗体膜4を成膜し、その上にエッチングマスクとしてTa2O5 膜5を形成する。抵抗体膜4はPtを電子ビーム蒸着法又はスパッタリング法により1200Å程度の厚さに成膜する。Ta2O5 膜5の厚さは約1000Åである。
【0020】
第三工程では、図1(c)に示すように抵抗体膜4及びTa2O5 膜5をパターン化する。具体的には、Ta2O5 膜5に対しフォトリソ、エッチングを行い、そのTa2O5 膜5をもって低抗体膜4のエッチングを行い、それぞれ抵抗素子としての対をなす二本の発熱体(Pt)6,7と、これらの発熱体6,7に連続するボンディングパッド(発熱パッド)6a,7aと、シリコンウエハ1の角部に位置する流体温度検出素子としてのガス温度検出素子(Pt)8(図2参照)と、このガス温度検出素子8に連続するボンディングパッド(接続パッド)8a(図2参照)とのパターンを形成する。発熱体6,7とボンディングパッド6a,7aとの接続パターン、ガス温度検出素子(Pt)8とボンディングパッド8aとの接続パターンは図2に示す通りである。
【0021】
第四工程では、図1(d)に示すように、発熱体6,7、ボンディングパッド6a,7a、ガス温度検出素子(Pt)8、ボンディングパッド8aを含めてシリコンウエハ1の表面にパッシベーション膜(保護膜)9を約2000Åの厚さをもって成膜する。このパッシベーション膜9は、本実施の形態ではTa2O5 膜であるが、これに限られるものではなく、例えば、SiO2,Si3N4 AlN 等の膜であってもよい。特にAlN の場合、その熱伝導率が200W/(m・K)と高いので、パッシベーション膜9やその下層の絶縁膜3として優れたものとなる。
【0022】
第五工程では、図1(e)に示すように、パッシベーション膜9及び絶縁膜3をパターン加工する。すなわち、シリコンウエハ1の表面にフォトマスク(図示せず)を配置し、パッシベーション膜9及び絶縁膜3の所望の一部をエッチングすることにより、ボンディングパッド6a,7a,8aの中央部を露出するとともに、シリコンウエハ1の表面の一部を露出する。
【0023】
ここまでの工程により、シリコンウエハ1の表面には二組の薄膜センサ部Sが形成される。この二組の薄膜センサ部Sはシリコンウエハ1を切断することにより一つのセンサチップ単位に分離されるが、その切断については後で述べる。
【0024】
第六工程では、図1(f)に示すように、橋絡部(マイクロブリッジ)11を残して凹部10と、二つの薄膜センサ部Sの境界をなす分離溝10aとを形成する。この場合、前工程においてシリコンウエハ1上の絶縁膜3をエッチングにより除去した部分からシリコンウエハ1を異方性エッチングをすることにより、凹部10と、分離溝10aと、シリコンウェハ1から熱的に絶縁された橋絡部11とが形成される。この橋絡部11は薄膜センサ部Sのうちの対をなす発熱体6,7とその下層の絶縁膜3とにより形成される。なお、異方性エッチングは、KOH(水酸化ナトリウム)等のアルカリ溶液によるエッチング速度がシリコンウエハ1の結晶方向により異なる特徴をもって行う。エッチング液はKOH以外に、ヒドラジン、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)等を用いることが可能である。
【0025】
第七工程では、図1(g)に示すように、シリコンウエハ1を分離溝10aの部分で切断することにより複数のセンサチップ12に分離する。この切断は例えばダイシングソーを用いて行う。
【0026】
このようにして制作したセンサチップ12の平面図を図2に示す。図3は図2におけるA−A線部の断面図である。図2に示す矢印の方向を流量測定の対象となる流体の流れ方向とすると、このセンサチップ12は、流体の流れに対してガス温度検出素子8が最上流側に、発熱体6がその下流側に、発熱体7が最下流側に位置するように配置して用いる。そのためのセンサチップ12の支持構造を図4(a)(b)及び図5に示す。
【0027】
図4(a)はセンサチップ12を支持するフローセンサ用ソリッドステム13の平面図、同図(b)は(a)におけるB−B線部の縦断側面図、図5は管路部材14にフローセンサ用ソリッドステムを取り付けた状態を示す縦断側面図である。
【0028】
フローセンサ用ソリッドステム13は、図4(a)(b)に示すように、一端にフランジ15が形成された円柱状のステム本体16と、このステム本体16の軸方向の中心に沿って形成された複数の貫通孔17のそれぞれにガラス18を介して封着されたピン状のリード端子19とを有する。フランジ15の一部には半径方向に突出する突部20が形成され、ステム本体16のフランジ15とは反対側の端面には、センサチップ12を定位置に接着等の手段により固定する凹部状の固定部21が形成されている。そして、センサチップ12のボンディングパッド6a,7a,8aとリード端子19との間が接続線としてのボンディングワイヤ(図示せず)によって接続されている。
【0029】
図5に示すように、ステム本体16は支持部材22により支持され、この支持部材22はネジ23により管路部材14に固定されている。管路部材14には、流体を流す流路24と、この流路24に直交する状態で連通された円筒形状の通孔25と、流路24とは反対側の通孔25の端部に拡開して形成された拡開凹部26と、この拡開凹部26を囲む環状凹部27とが形成されている。この環状凹部27にはOリング28が嵌合されている。ステム本体16から突出するリード端子19は支持部材22に貫通され、その貫通部分は接着剤29により封着されている。
【0030】
この状態において、ステム本体16のフランジ15は拡開凹部26に当接され、フランジ15の突部20(図4参照)は拡開凹部26の一部に形成された係止凹部(図示せず)に係止されて回り止めされている。すなわち、フランジ15は流路24と直交する方向におけるステム本体16の位置を決める位置決め部として機能し、突部20はステム本体16の回転方向の位置を決める位置決め部として機能する。したがって、ステム本体16の固定部21に固定されたセンサチップ12は流路24の管壁24aと一致する面又はその面より僅かに後退する位置に固定され、リード端子19の一端はセンサチップ12の表面と一致する面又はその面より僅かに後退する位置に保持されている。
【0031】
図4における矢印は流体の流れる方向で、センサチップ12を固定する固定部21の向きは、ステム本体16を回り止めするための突部20の位置に合わせて形成されている。すなわち、ステム本体16を管路部材14に取り付けた状態では、センサチップ12は流路24の最上流側にガスス温度検出素子8が配置されるように構成されている。
【0032】
さらに、リード端子19は、図4(a)に示すように、流体の流れる方向(矢印方向)に沿ってステム本体16の中心を通る直線を間にして両側に配置されている。この例では、リード端子19は6本であるので、半径の中心をステム本体16の中心とした円を8等分にし、流体の流れる方向における中心部を開放し、リード端子19の間隔を45度に定めてある。
【0033】
このような構成において、発熱体6,7を周囲温度よりも高い温度になるように定電流を流しておき、矢印方向に気体が流れると、上流側の発熱体6は冷却され、下流側の発熱体7は温度が高くなる。この発熱体6,7の温度差を抵抗値変化の差、つまり定電流駆動における電圧変化の差として検出することにより、流体の流速(又は流量)を測定することができる。
【0034】
この場合、流路24に固定物が突出していると乱流境界層が発生することについては既に説明したが、例えば、図6(b)に示すように、リード端子19が流路24の管壁24aから突出すると、上流側のリード端子19に流体が当たった点から流れの方向に向けて速度境界層が発達してゆくことになる。速度境界層が発達する初期は層流境界層であるが、その層の厚さがある値以上になると、じょう乱と呼ばれる不規則な渦で満たされる乱流境界層に変化し、流速及び流量の測定値に信頼性を欠くことになる。
【0035】
しかし、本実施の形態によれば、ステム本体16を管路部材14に取り付けた状態では、センサチップ12及びリード端子19が流路24の管壁24aより流路24内に突出しないため、図6(a)に示すように、上流側のリード端子19に流体が当たった点から流れの方向に向けて速度境界層が発達しても、層流境界層までの状態を維持し、乱流境界層が発生するまでには至らない。
【0036】
さらに、リード端子19は流体の流れ方向に沿ってステム本体16の中心を通る中心部を開放するように半径の中心をステム本体16の中心とする半径上に配列されているので、リード端子19を発熱体6,7から離して位置させ、その位置でリード端子19とボンディングパッド6a,7a,8aとをボンディングワイヤにより接続することができる。したがって、流路24の両側において、流体がボンディングワイヤに当接して乱流境界層が発生したとしても、発熱体6,7上の流れに与える影響は少ない。これにより、流体の流速及び流量を精度よく測定することができる。
【0037】
次に、管路部材14の流路24の中心部を開放しその中心部を間にしてリード端子19を対向配置するための第二の形態、第三の形態について説明する。前実施の形態と同一部分については同一符号を用い説明も省略する。
【0038】
図7は第二の形態におけるフローセンサ用ソリッドステム13を示す平面図で、6本のリード端子19は流体の流れる方向(矢印方向)に沿ってステム本体16の中心を通る直線を間にして両側に平行に配置されている。
【0039】
図8は第三の形態におけるフローセンサ用ソリッドステム13を示す平面図で、6本のリード端子19は流体の流れる方向(矢印方向)に沿ってステム本体16の中心を通る直線を間にして両側に配置されている。この例では、流体の流れと直交する方向におけるリード端子リード端子19の対向間隔が、下流に向かうに従い次第に小さくなるように定められている。
【0040】
図7及び図8に示した構成においても、前実施の形態と同様に、リード端子19を発熱体6,7から離して位置させ、その位置でリード端子19とボンディングパッド6a,7a,8aとをボンディングワイヤにより接続することができる。したがって、流路24の両側において、流体がボンディングワイヤに当接して乱流境界層が発生したとしても、発熱体6,7上の流れに与える影響は少ない。これにより、流体の流速及び流量を精度よく測定することができる。
【0041】
さらに、図8に示した構成の場合は、流体の流れと直交する方向におけるリード端子19の対向間隔が、下流に向かうに従い次第に小さくなるように定められているため、上流側に位置するリード端子19から下流側に位置するリード端子19に向かって流体が流れるときに、流体の流れが絞られるため流体の流速が速められる。したがって、流体の流速及び流量の流れの検出の感度が向上する。
【0042】
なお、これまでの実施の形態においては、マイクロブリッジ型のセンサチップ12を用いて説明したが、本発明は、ダイヤフラム型のセンサチップを用いる場合にも適用可能である。また、抵抗素子として、流体の流れる方向に所定の間隔をおいて配置された二つの発熱体6,7を用いたが、流体の流れの中に一つの発熱体を抵抗素子として配置し、この一つの発熱体の温度変化に対応する出力により流体の流速を測定するように構成したセンサチップを用いる場合にも適用可能ある。さらに、流体の流れの中に、発熱体と、その上流側及び下流側に位置する測温抵抗素子とを抵抗素子として配置し、上流側の測温抵抗素子と下流側の測温抵抗素子との出力により流体の流速を測定するように構成したセンサチップを用いる場合にも適用可能である
【0043】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、ステム本体には、フローセンサ用ソリッドステムが、管路部材に位置決めされる位置決め部と、センサチップを流路の管壁の内周面と同等又はそれより外側に位置させて固定する固定部と、接続線によりセンサチップの接続パッドに接続される一端が管路の管壁の内周面又はそれより外側に位置され他端が外部回路に接続されるリード端子とを備えるので、ステム本体を管路部材に取り付けた状態では、センサチップ上の流体温度検出素子及び抵抗素子が流体の流れに沿って配列される。そして、センサチップ及びリード端子が管路の管壁より内方に突出しないため、じょう乱の発生を防止することができる。これにより、流体の流速及び流量を正確に測定することができる。
【0044】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記リード端子は、流体の流れ方向に沿って前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するように半径の中心を前記ステム本体の中心とする半径上に配列されて前記ステム本体に設けられているので、リード端子を抵抗素子から離して位置させ、その位置でリード接続とパッドとを接続線により接続することが可能となる。したがって、流体が接続線に当接して乱流境界層が発生したとしても、抵抗素子上の流れに与える影響は少ない。これにより、流体の流速及び流量をさらに正確に測定することができる。
【0045】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記リード端子は、流体の流れ方向に沿って前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するように前記ステム本体の両側に直線上に配列されて設けられているので、リード端子を抵抗素子から離して位置させ、その位置でリード端子と接続パッドとを接続線により接続することが可能となる。したがって、流体が接続線に当接して乱流境界層が発生したとしても、抵抗素子上の流れに与える影響は少ない。これにより、流体の流速及び流量をさらに正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態におけるマイクロブリッジ型のセンサチップを製造工程とともに示す縦断側面図である。
【図2】マイクロブリッジ型のセンサチップの平面図である。
【図3】図2におけるA−A線部の断面図である。
【図4】(a)はフローセンサ用ソリッドステムを示す平面図、(b)はフローセンサ用ソリッドステムを示す縦断側面図である。
【図5】フローセンサ用ソリッドステムを管路部材に取り付けた状態を示す縦断側面図である。
【図6】流路での流体の流れの状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の第二の形態におけるフローセンサ用ソリッドステムを示す平面図である
【図8】本発明の実施の第三の形態におけるフローセンサ用ソリッドステムを示す平面図である。
【図9】ダイヤフラム型のセンサチップを示す平面図である。
【図10】流路におけるセンサチップの支持状態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 基板
6,7 発熱体、抵抗素子
8 流体温度検出素子
6a,7a,8a 接続パッド
12 センサチップ
14 管路部材
15 位置決め部
16 ステム本体
19 リード端子
20 位置決め部
21 固定部
24 流路
24a 管壁
Claims (3)
- 流体の温度を検出する流体温度検出素子と、電圧印加により発熱する発熱体を含み基板に対して熱的に絶縁された抵抗素子とを流体の流れの方向に沿って前記基板に形成するとともに、前記流体温度検出素子及び前記抵抗素子の入出力用の接続パッドを前記基板に形成したセンサチップを保持し、自身は流路が形成された管路部材に取り付けられるステム本体を備え、前記ステム本体には、前記抵抗素子を前記流路に沿って位置させるとともに前記センサチップを前記流路の管壁の内周面と同等又はそれより外側に位置させる状態で前記管路部材によって位置決めされる位置決め部と、前記センサチップを前記流路の管壁の内周面と同等又はそれより外側に位置させて固定する固定部と、接続線により前記接続パッドに接続される一端が前記管路の前記管壁の内周面又はそれより外側に位置され他端が外部回路に接続されるリード端子とが設けられていることを特徴とするフローセンサ用ソリッドステム。
- 前記リード端子は、流体の流れ方向に沿って前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するように半径の中心を前記ステム本体の中心とする半径上に配列されて前記ステム本体に設けられている請求項1記載のフローセンサ用ソリッドステム。
- 前記リード端子は、流体の流れ方向に沿って前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するように前記ステム本体の両側に直線上に配列されて設けられている請求項1記載のフローセンサ用ソリッドステム。
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