JP2000018988A - フローセンサ用ソリッドステム - Google Patents

フローセンサ用ソリッドステム

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JP2000018988A JP10183948A JP18394898A JP2000018988A JP 2000018988 A JP2000018988 A JP 2000018988A JP 10183948 A JP10183948 A JP 10183948A JP 18394898 A JP18394898 A JP 18394898A JP 2000018988 A JP2000018988 A JP 2000018988A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体の流速及び流量を正確に測定しえるよう
にする。 【解決手段】 管路部材14に位置決めされる位置決め
部15,20と、センサチップ12を固定する固定部2
1と、接続線によりセンサチップ12の接続パッドに接
続されるリード端子19とを備えるステム本体16を設
ける。ステム本体16を管路部材14に取り付けた状態
では、センサチップ12及びリード端子19が流路24
の管壁24aより内方に突出しないようにし、じょう乱
の発生を防止する。これにより、流体の流速及び流量を
正確に測定しえるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサチップを流
体の流路に配設する場合に用いるフローセンサ用ソリッ
ドステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアコン等の空調制御、ガス等の
流体の漏れ検出、流体の流速或いは流量測定のためにフ
ローセンサが用いられている。このフローセンサの原理
は周知のように、基板の上に発熱体を含む抵抗素子を基
板とは熱的に絶縁して形成したセンサチップを流体の流
れの中に置き、流れる流体の流速の変化に対応する抵抗
素子の出力を基に流体の流速、流量を測定するようにし
ている。
【0003】センサチップにはダイヤフラム型とマイク
ロブリッジ型とがある。ダイヤフラム型は、抵抗素子を
基板と熱的に断熱するために、基板に空隙部を形成し、
この空隙部により基板とは熱的に絶縁されたダイヤフラ
ムを形成し、このダイヤフラムの上に各種の素子を形成
した構成で、例えば、特開平9−54109号公報に記
載されたものが知られている。マイクロブリッジ型は、
特開平7−174600号公報に記載されたものが知ら
れている。
【0004】以下、図9を参照してダイヤフラム型のセ
ンサチップについて説明する。基板101の表面にはダ
イヤフラム部102が形成されている。そして、流体の
流れの方向(矢印方向)に沿って、流体温度検出素子1
03、抵抗素子104,105,106、周囲温度検出
素子107、各素子103ないし107を制御回路(図
示せず)に接続するボンディングパッド108ないし1
14が形成されている。すなわち、流体温度検出素子1
03の両端はボンディングパッド108,109には接
続され、抵抗素子104はボンディングパッド111,
112に接続され、抵抗素子105はボンディングパッ
ド109,110に接続され、抵抗素子106はボンデ
ィングパッド112,113に接続され、周囲温度検出
素子107はボンディングパッド110,114に接続
されている。115はダイヤフラム部102の下部に空
隙部116を形成するための溝である。すなわち、溝1
15からエッチング液を注入し異方性エッチングにより
空隙部116を形成する。
【0005】ここで、抵抗素子105は流体を暖める発
熱体として機能し、抵抗素子104,106は測温抵抗
素子として機能する。すなわち、発熱体としての抵抗素
子105を加熱し、矢印方向から流体が流れるものとす
ると、上流側の抵抗素子104は流体の流れにより冷や
され、抵抗素子104から熱を奪った流体に触れる下流
側の抵抗素子106は温度が上がる。このときの両者の
温度差は抵抗値の変化として出力されるため、その出力
をホイートストーンブリッジ回路に取り込み、抵抗値の
変化を電圧に変換することで、その電圧に対応する流体
の流速が測定される。
【0006】マイクロブリッジ型のセンサチップの構成
については、基本が本発明の実施の形態と同等であるの
で、ここでは説明を省略する。
【0007】センサチップは上述した型式を問わず流体
の流れの中に晒されるように支持される。例えば、特開
平9−218217号公報に記載された発明によれば、
図10に示すようにセンサ用パッケージ201によりセ
ンサチップ202が支持されている。センサ用パッケー
ジ201は、円筒形状のケース203にガラス部材20
4を充填し、このガラス部材204にリードピン205
を貫通させたもので、ケース203は下部のフランジ2
06が軸方向と回転方向との位置が規制されるようにセ
ンサ取付板207に接着固定されている。センサチップ
202はガラス部材204の端面に固定されている。リ
ードピン205の一端はセンサチップ203のボンディ
ングパッドにボンディングワイヤにより接続されてい
る。ボンディングパッドは、図9に示すセンサチップの
例においては、108ないし114に相当する。そし
て、センサ取付板207をフルイディック素子208に
ネジ209で固定することにより、センサチップ202
がノズル(流路)210に晒されるように構成されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、固体を流体
の流れの中に置くと、固体の表面では流体が完全に静止
しているが、固体の表面から離れると流体の流速は急激
に増加し、固体の表面から僅かに離れたところでは、そ
の流体の流速と略同じになることが知られている。この
固体の表面と、この表面から僅かに離れた位置であって
流体の流速と略同速になるまでの位置との間の領域を速
度境界層という。この速度境界層は二種類あって、層内
に乱れがなく流れが層状をなしている層流境界層と、層
内の大部分がじょう乱と呼ばれる不規則な渦で満たされ
る乱流境界層とがある。
【0009】図10に示す状態は、センサチップ202
とリードピン205がノズル(流路)210の管壁21
1から突出するため、これらのセンサチップ202及び
リードピン205に流体が当たった点から流れの方向に
向けて速度境界層が発達してゆくことになる。速度境界
層が発達する初期は層流境界層であるが、その層の厚さ
がある値以上になると乱流境界層に変化する。この現象
を遷移、遷移する点を遷移点という。
【0010】この遷移点の位置は、じょう乱の量や管壁
211の粗さ、流れに沿う流体の圧力分布に関係するこ
とが知られているが、じょう乱の発生を防止することは
極めて困難で、流体の流速、流量の測定に信頼性を欠く
原因となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
流体の温度を検出する流体温度検出素子と、電圧印加に
より発熱する発熱体を含み基板に対して熱的に絶縁され
た抵抗素子とを流体の流れの方向に沿って前記基板に形
成するとともに、前記流体温度検出素子及び前記抵抗素
子の入出力用の接続パッドを前記基板に形成したセンサ
チップを保持し、自身は流路が形成された管路部材に取
り付けられるステム本体を備え、前記ステム本体には、
前記抵抗素子を前記流路に沿って位置させるとともに前
記センサチップを前記流路の管壁の内周面と同等又はそ
れより外側に位置させる状態で前記管路部材によって位
置決めされる位置決め部と、前記センサチップを前記流
路の管壁の内周面と同等又はそれより外側に位置させて
固定する固定部と、接続線により前記接続パッドに接続
される一端が前記管路の前記管壁の内周面又はそれより
外側に位置され他端が外部回路に接続されるリード端子
とが設けられている。
【0012】したがって、ステム本体を管路部材に取り
付けた状態では、センサチップ上の流体温度検出素子及
び抵抗素子が流体の流れに沿って配列される。また、セ
ンサチップ及びリード端子が管路の管壁より内方に突出
しないため、じょう乱の発生が防止される。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記リード端子は、流体の流れ方向に沿っ
て前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するように
半径の中心を前記ステム本体の中心とする半径上に配列
されて前記ステム本体に設けられている。
【0014】したがって、リード端子を抵抗素子から離
して位置させ、その位置でリード端子と接続パッドとを
接続線により接続することが可能となる。したがって、
流体が接続線に当接して乱流境界層が発生したとして
も、抵抗素子上の流れに与える影響は少ない。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記リード端子は、流体の流れ方向に沿っ
て前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するように
前記ステム本体の両側に直線上に配列されて設けられて
いる。
【0016】したがって、リード端子を抵抗素子から離
して位置させ、その位置でリード端子と接続パッドとを
接続線により接続することが可能となる。したがって、
流体が接続線に当接して乱流境界層が発生したとして
も、抵抗素子上の流れに与える影響は少ない。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態を図1
ないし図6に基づいて説明する。まず、図1を参照し
て、センサチップの構造を製造工程とともに説明する。
【0018】第一工程では、図1(a)に示すように、
基板としてのシリコンウエハ1は、後で行う異方性エッ
チング工程においてシリコンウエハ1が裏面からエッチ
ングされるのを防ぐために、裏面にSiO2膜2が1μm程
度形成されたものを用意する。そして、シリコンウエハ
1の表面にTa2O5 等の絶縁膜3を形成する。絶縁膜3は
電子ビーム蒸着法又はスパッタリング法等により約1.
5μm成膜する。
【0019】第二工程では、図1(b)に示すように、
絶縁膜3の上に抵抗体膜4を成膜し、その上にエッチン
グマスクとしてTa2O5 膜5を形成する。抵抗体膜4はP
tを電子ビーム蒸着法又はスパッタリング法により12
00Å程度の厚さに成膜する。Ta2O5 膜5の厚さは約1
000Åである。
【0020】第三工程では、図1(c)に示すように抵
抗体膜4及びTa2O5 膜5をパターン化する。具体的に
は、Ta2O5 膜5に対しフォトリソ、エッチングを行い、
そのTa2O5 膜5をもって低抗体膜4のエッチングを行
い、それぞれ抵抗素子としての対をなす二本の発熱体
(Pt)6,7と、これらの発熱体6,7に連続するボ
ンディングパッド(発熱パッド)6a,7aと、シリコ
ンウエハ1の角部に位置する流体温度検出素子としての
ガス温度検出素子(Pt)8(図2参照)と、このガス
温度検出素子8に連続するボンディングパッド(接続パ
ッド)8a(図2参照)とのパターンを形成する。発熱
体6,7とボンディングパッド6a,7aとの接続パタ
ーン、ガス温度検出素子(Pt)8とボンディングパッ
ド8aとの接続パターンは図2に示す通りである。
【0021】第四工程では、図1(d)に示すように、
発熱体6,7、ボンディングパッド6a,7a、ガス温
度検出素子(Pt)8、ボンディングパッド8aを含め
てシリコンウエハ1の表面にパッシベーション膜(保護
膜)9を約2000Åの厚さをもって成膜する。このパ
ッシベーション膜9は、本実施の形態ではTa2O5 膜であ
るが、これに限られるものではなく、例えば、SiO2,Si
3N4 AlN 等の膜であってもよい。特にAlN の場合、その
熱伝導率が200W/(m・K)と高いので、パッシベ
ーション膜9やその下層の絶縁膜3として優れたものと
なる。
【0022】第五工程では、図1(e)に示すように、
パッシベーション膜9及び絶縁膜3をパターン加工す
る。すなわち、シリコンウエハ1の表面にフォトマスク
(図示せず)を配置し、パッシベーション膜9及び絶縁
膜3の所望の一部をエッチングすることにより、ボンデ
ィングパッド6a,7a,8aの中央部を露出するとと
もに、シリコンウエハ1の表面の一部を露出する。
【0023】ここまでの工程により、シリコンウエハ1
の表面には二組の薄膜センサ部Sが形成される。この二
組の薄膜センサ部Sはシリコンウエハ1を切断すること
により一つのセンサチップ単位に分離されるが、その切
断については後で述べる。
【0024】第六工程では、図1(f)に示すように、
橋絡部(マイクロブリッジ)11を残して凹部10と、
二つの薄膜センサ部Sの境界をなす分離溝10aとを形
成する。この場合、前工程においてシリコンウエハ1上
の絶縁膜3をエッチングにより除去した部分からシリコ
ンウエハ1を異方性エッチングをすることにより、凹部
10と、分離溝10aと、シリコンウェハ1から熱的に
絶縁された橋絡部11とが形成される。この橋絡部11
は薄膜センサ部Sのうちの対をなす発熱体6,7とその
下層の絶縁膜3とにより形成される。なお、異方性エッ
チングは、KOH(水酸化ナトリウム)等のアルカリ溶
液によるエッチング速度がシリコンウエハ1の結晶方向
により異なる特徴をもって行う。エッチング液はKOH
以外に、ヒドラジン、TMAH(テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド)等を用いることが可能である。
【0025】第七工程では、図1(g)に示すように、
シリコンウエハ1を分離溝10aの部分で切断すること
により複数のセンサチップ12に分離する。この切断は
例えばダイシングソーを用いて行う。
【0026】このようにして制作したセンサチップ12
の平面図を図2に示す。図3は図2におけるA−A線部
の断面図である。図2に示す矢印の方向を流量測定の対
象となる流体の流れ方向とすると、このセンサチップ1
2は、流体の流れに対してガス温度検出素子8が最上流
側に、発熱体6がその下流側に、発熱体7が最下流側に
位置するように配置して用いる。そのためのセンサチッ
プ12の支持構造を図4(a)(b)及び図5に示す。
【0027】図4(a)はセンサチップ12を支持する
フローセンサ用ソリッドステム13の平面図、同図
(b)は(a)におけるB−B線部の縦断側面図、図5
は管路部材14にフローセンサ用ソリッドステムを取り
付けた状態を示す縦断側面図である。
【0028】フローセンサ用ソリッドステム13は、図
4(a)(b)に示すように、一端にフランジ15が形
成された円柱状のステム本体16と、このステム本体1
6の軸方向の中心に沿って形成された複数の貫通孔17
のそれぞれにガラス18を介して封着されたピン状のリ
ード端子19とを有する。フランジ15の一部には半径
方向に突出する突部20が形成され、ステム本体16の
フランジ15とは反対側の端面には、センサチップ12
を定位置に接着等の手段により固定する凹部状の固定部
21が形成されている。そして、センサチップ12のボ
ンディングパッド6a,7a,8aとリード端子19と
の間が接続線としてのボンディングワイヤ(図示せず)
によって接続されている。
【0029】図5に示すように、ステム本体16は支持
部材22により支持され、この支持部材22はネジ23
により管路部材14に固定されている。管路部材14に
は、流体を流す流路24と、この流路24に直交する状
態で連通された円筒形状の通孔25と、流路24とは反
対側の通孔25の端部に拡開して形成された拡開凹部2
6と、この拡開凹部26を囲む環状凹部27とが形成さ
れている。この環状凹部27にはOリング28が嵌合さ
れている。ステム本体16から突出するリード端子19
は支持部材22に貫通され、その貫通部分は接着剤29
により封着されている。
【0030】この状態において、ステム本体16のフラ
ンジ15は拡開凹部26に当接され、フランジ15の突
部20(図4参照)は拡開凹部26の一部に形成された
係止凹部(図示せず)に係止されて回り止めされている。
すなわち、フランジ15は流路24と直交する方向にお
けるステム本体16の位置を決める位置決め部として機
能し、突部20はステム本体16の回転方向の位置を決
める位置決め部として機能する。したがって、ステム本
体16の固定部21に固定されたセンサチップ12は流
路24の管壁24aと一致する面又はその面より僅かに
後退する位置に固定され、リード端子19の一端はセン
サチップ12の表面と一致する面又はその面より僅かに
後退する位置に保持されている。
【0031】図4における矢印は流体の流れる方向で、
センサチップ12を固定する固定部21の向きは、ステ
ム本体16を回り止めするための突部20の位置に合わ
せて形成されている。すなわち、ステム本体16を管路
部材14に取り付けた状態では、センサチップ12は流
路24の最上流側にガスス温度検出素子8が配置される
ように構成されている。
【0032】さらに、リード端子19は、図4(a)に
示すように、流体の流れる方向(矢印方向)に沿ってス
テム本体16の中心を通る直線を間にして両側に配置さ
れている。この例では、リード端子19は6本であるの
で、半径の中心をステム本体16の中心とした円を8等
分にし、流体の流れる方向における中心部を開放し、リ
ード端子19の間隔を45度に定めてある。
【0033】このような構成において、発熱体6,7を
周囲温度よりも高い温度になるように定電流を流してお
き、矢印方向に気体が流れると、上流側の発熱体6は冷
却され、下流側の発熱体7は温度が高くなる。この発熱
体6,7の温度差を抵抗値変化の差、つまり定電流駆動
における電圧変化の差として検出することにより、流体
の流速(又は流量)を測定することができる。
【0034】この場合、流路24に固定物が突出してい
ると乱流境界層が発生することについては既に説明した
が、例えば、図6(b)に示すように、リード端子19
が流路24の管壁24aから突出すると、上流側のリー
ド端子19に流体が当たった点から流れの方向に向けて
速度境界層が発達してゆくことになる。速度境界層が発
達する初期は層流境界層であるが、その層の厚さがある
値以上になると、じょう乱と呼ばれる不規則な渦で満た
される乱流境界層に変化し、流速及び流量の測定値に信
頼性を欠くことになる。
【0035】しかし、本実施の形態によれば、ステム本
体16を管路部材14に取り付けた状態では、センサチ
ップ12及びリード端子19が流路24の管壁24aよ
り流路24内に突出しないため、図6(a)に示すよう
に、上流側のリード端子19に流体が当たった点から流
れの方向に向けて速度境界層が発達しても、層流境界層
までの状態を維持し、乱流境界層が発生するまでには至
らない。
【0036】さらに、リード端子19は流体の流れ方向
に沿ってステム本体16の中心を通る中心部を開放する
ように半径の中心をステム本体16の中心とする半径上
に配列されているので、リード端子19を発熱体6,7
から離して位置させ、その位置でリード端子19とボン
ディングパッド6a,7a,8aとをボンディングワイ
ヤにより接続することができる。したがって、流路24
の両側において、流体がボンディングワイヤに当接して
乱流境界層が発生したとしても、発熱体6,7上の流れ
に与える影響は少ない。これにより、流体の流速及び流
量を精度よく測定することができる。
【0037】次に、管路部材14の流路24の中心部を
開放しその中心部を間にしてリード端子19を対向配置
するための第二の形態、第三の形態について説明する。
前実施の形態と同一部分については同一符号を用い説明
も省略する。
【0038】図7は第二の形態におけるフローセンサ用
ソリッドステム13を示す平面図で、6本のリード端子
19は流体の流れる方向(矢印方向)に沿ってステム本
体16の中心を通る直線を間にして両側に平行に配置さ
れている。
【0039】図8は第三の形態におけるフローセンサ用
ソリッドステム13を示す平面図で、6本のリード端子
19は流体の流れる方向(矢印方向)に沿ってステム本
体16の中心を通る直線を間にして両側に配置されてい
る。この例では、流体の流れと直交する方向におけるリ
ード端子リード端子19の対向間隔が、下流に向かうに
従い次第に小さくなるように定められている。
【0040】図7及び図8に示した構成においても、前
実施の形態と同様に、リード端子19を発熱体6,7か
ら離して位置させ、その位置でリード端子19とボンデ
ィングパッド6a,7a,8aとをボンディングワイヤ
により接続することができる。したがって、流路24の
両側において、流体がボンディングワイヤに当接して乱
流境界層が発生したとしても、発熱体6,7上の流れに
与える影響は少ない。これにより、流体の流速及び流量
を精度よく測定することができる。
【0041】さらに、図8に示した構成の場合は、流体
の流れと直交する方向におけるリード端子19の対向間
隔が、下流に向かうに従い次第に小さくなるように定め
られているため、上流側に位置するリード端子19から
下流側に位置するリード端子19に向かって流体が流れ
るときに、流体の流れが絞られるため流体の流速が速め
られる。したがって、流体の流速及び流量の流れの検出
の感度が向上する。
【0042】なお、これまでの実施の形態においては、
マイクロブリッジ型のセンサチップ12を用いて説明し
たが、本発明は、ダイヤフラム型のセンサチップを用い
る場合にも適用可能である。また、抵抗素子として、流
体の流れる方向に所定の間隔をおいて配置された二つの
発熱体6,7を用いたが、流体の流れの中に一つの発熱
体を抵抗素子として配置し、この一つの発熱体の温度変
化に対応する出力により流体の流速を測定するように構
成したセンサチップを用いる場合にも適用可能ある。さ
らに、流体の流れの中に、発熱体と、その上流側及び下
流側に位置する測温抵抗素子とを抵抗素子として配置
し、上流側の測温抵抗素子と下流側の測温抵抗素子との
出力により流体の流速を測定するように構成したセンサ
チップを用いる場合にも適用可能である
【0043】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、ステム本体に
は、フローセンサ用ソリッドステムが、管路部材に位置
決めされる位置決め部と、センサチップを流路の管壁の
内周面と同等又はそれより外側に位置させて固定する固
定部と、接続線によりセンサチップの接続パッドに接続
される一端が管路の管壁の内周面又はそれより外側に位
置され他端が外部回路に接続されるリード端子とを備え
るので、ステム本体を管路部材に取り付けた状態では、
センサチップ上の流体温度検出素子及び抵抗素子が流体
の流れに沿って配列される。そして、センサチップ及び
リード端子が管路の管壁より内方に突出しないため、じ
ょう乱の発生を防止することができる。これにより、流
体の流速及び流量を正確に測定することができる。
【0044】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記リード端子は、流体の流れ方向に沿っ
て前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するように
半径の中心を前記ステム本体の中心とする半径上に配列
されて前記ステム本体に設けられているので、リード端
子を抵抗素子から離して位置させ、その位置でリード接
続とパッドとを接続線により接続することが可能とな
る。したがって、流体が接続線に当接して乱流境界層が
発生したとしても、抵抗素子上の流れに与える影響は少
ない。これにより、流体の流速及び流量をさらに正確に
測定することができる。
【0045】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記リード端子は、流体の流れ方向に沿っ
て前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するように
前記ステム本体の両側に直線上に配列されて設けられて
いるので、リード端子を抵抗素子から離して位置させ、
その位置でリード端子と接続パッドとを接続線により接
続することが可能となる。したがって、流体が接続線に
当接して乱流境界層が発生したとしても、抵抗素子上の
流れに与える影響は少ない。これにより、流体の流速及
び流量をさらに正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態におけるマイクロブ
リッジ型のセンサチップを製造工程とともに示す縦断側
面図である。
【図2】マイクロブリッジ型のセンサチップの平面図で
ある。
【図3】図2におけるA−A線部の断面図である。
【図4】(a)はフローセンサ用ソリッドステムを示す
平面図、(b)はフローセンサ用ソリッドステムを示す
縦断側面図である。
【図5】フローセンサ用ソリッドステムを管路部材に取
り付けた状態を示す縦断側面図である。
【図6】流路での流体の流れの状態を示す説明図であ
る。
【図7】本発明の実施の第二の形態におけるフローセン
サ用ソリッドステムを示す平面図である
【図8】本発明の実施の第三の形態におけるフローセン
サ用ソリッドステムを示す平面図である。
【図9】ダイヤフラム型のセンサチップを示す平面図で
ある。
【図10】流路におけるセンサチップの支持状態を示す
縦断側面図である。
【符号の説明】
1 基板 6,7 発熱体、抵抗素子 8 流体温度検出素子 6a,7a,8a 接続パッド 12 センサチップ 14 管路部材 15 位置決め部 16 ステム本体 19 リード端子 20 位置決め部 21 固定部 24 流路 24a 管壁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の温度を検出する流体温度検出素子
    と、電圧印加により発熱する発熱体を含み基板に対して
    熱的に絶縁された抵抗素子とを流体の流れの方向に沿っ
    て前記基板に形成するとともに、前記流体温度検出素子
    及び前記抵抗素子の入出力用の接続パッドを前記基板に
    形成したセンサチップを保持し、自身は流路が形成され
    た管路部材に取り付けられるステム本体を備え、前記ス
    テム本体には、前記抵抗素子を前記流路に沿って位置さ
    せるとともに前記センサチップを前記流路の管壁の内周
    面と同等又はそれより外側に位置させる状態で前記管路
    部材によって位置決めされる位置決め部と、前記センサ
    チップを前記流路の管壁の内周面と同等又はそれより外
    側に位置させて固定する固定部と、接続線により前記接
    続パッドに接続される一端が前記管路の前記管壁の内周
    面又はそれより外側に位置され他端が外部回路に接続さ
    れるリード端子とが設けられていることを特徴とするフ
    ローセンサ用ソリッドステム。
  2. 【請求項2】 前記リード端子は、流体の流れ方向に沿
    って前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するよう
    に半径の中心を前記ステム本体の中心とする半径上に配
    列されて前記ステム本体に設けられている請求項1記載
    のフローセンサ用ソリッドステム。
  3. 【請求項3】 前記リード端子は、流体の流れ方向に沿
    って前記ステム本体の中心を通る中心部を開放するよう
    に前記ステム本体の両側に直線上に配列されて設けられ
    ている請求項1記載のフローセンサ用ソリッドステム。
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