JP4306558B2 - 光ファイバ接続用治具および光コネクタの組立方法 - Google Patents
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Description
近年では、このSC型光コネクタを改良したメカニカルスプライス型光コネクタが開発されている。
このメカニカルスプライス型光コネクタは、従来のSC型光コネクタとの互換性を確保しつつ、さらに、低コストで高密度な実装を機械的に実現すべく開発されたものである。
この接続用工具は、図18に示すように、メカニカルスプライス型光コネクタ1を設置する設置部2を有し、この設置部2に、光コネクタ1を設置した状態にて、図19に示すように、操作用ボタン3を押下することにより、この操作用ボタン3と連動して移動するくさび4が光コネクタ1の分割された保持部材間に食い込むことにより隙間が形成される。そして、このように、光コネクタ1に隙間を形成した状態にて、操作用ボタン3と連動する光ファイバフォルダ5が光コネクタ1側へ引き寄せられ、この光ファイバホルダ5に固定した光ファイバ6が光コネクタ1内へ挿入される。その後、操作用ボタン3の押下を解除することにより、保持部材の隙間がふさがり、光ファイバ6が保持部材に挟持され、光ファイバ6同士が接続される。
また、この接続用工具は、実際には、例えば、作業台などに設置した状態にて、操作用ボタン3を押下する必要があり、高架現場において容易に接続作業を行えるものではなかった。
しかも、長期の使用により、ゴミや埃が付着し、光ファイバ6同士の接続へ影響が及んでしまう恐れもあった。
また、本発明の光ファイバ接続用治具は、前記クサビ突起部を前記光コネクタから引き離す際に、前記屈曲部が破断することが好ましい。
また、本発明の光ファイバ接続用治具は、前記コネクタ保持部と前記屈曲部との連結箇所がヒンジ構造とされていることが好ましい。
また、本発明の光ファイバ接続用治具は、前記挿入作業板部が前記コネクタ保持部に回転可能に連結されていることが好ましい。
また、本発明の光ファイバ接続用治具は、前記コネクタ保持部は、その一端にヘッド部を備え、該ヘッド部を光コネクタの方向に押し込むことによって、前記屈曲部が屈曲することが好ましい。
また、本発明の光ファイバ接続用治具は、前記クサビ部材は、ストッパで覆われていることが好ましい。
また、本発明の光ファイバ接続用治具は、前記コネクタ保持部と前記挿入作業板部との間が屈曲部とされ、該屈曲部にて、前記コネクタ保持部と前記作業板部とが屈曲可能とされていることが好ましい。
また、本発明の光ファイバ接続用治具は、前記指示マークが、前記挿入作業板部を成型する金型に彫り込むことにより、成型時に形成されていることが好ましい。
また、安価であるとともに、例えば、射出成型によって大量生産可能であるので、長期にわたって同じ治具を使用することなく、使い捨てあるいは数回の使用で交換しても、費用面等への影響を最小限に抑えることができる。
さらに、軽量であるため、例えば、高所作業による場合でも、作業性が改善できる。
これにより、長期の使用によりゴミや埃が付着して接続へ影響が及んでしまう恐れもなく、接続の信頼性を高めることができる。
しかも、単に、コネクタ保持部に光コネクタを保持させ、挿入作業板部から光ファイバを差し込むだけで、極めて容易に接続を行うことができるので、作業場所の制限がなくされ、例えば、高架現場等においても容易に接続作業を行うことができる。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る光ファイバ接続用治具について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る光ファイバ接続用治具を説明する治具、光コネクタ及び光ファイバの斜視図、図2は、光ファイバ接続用治具を説明する治具、光コネクタ及び光ファイバの側面図である。
図に示すように、この光ファイバ接続用治具10は、挿入作業板部11及びコネクタ保持部12を有しており、これら挿入作業板部11及びコネクタ保持部12が屈曲部13によって連結された一体形状とされている。つまり、この光ファイバ接続用治具10は、射出成型によって、例えば、プラスチック等の樹脂から一体成型されている。
そして、このコネクタ保持部12には、固定壁14及び位置決め壁15によって囲われた凹部17に、内蔵光ファイバ21aを有する光コネクタ21が嵌め込まれて保持される。
保持部材23a、23bは、クサビ挿入穴22a、22bを臨む位置にスリット部26a、26bを有しており、このスリット部26a、26bには、クサビ挿入穴22a、22bに挿入されたクサビ突起部16a、16bが嵌合される。そして、図5(b)に示すように、このスリット部26a、26bにクサビ突起部16a、16bが嵌合することにより、保持部材23a、23b同士が、付勢部材24の付勢力に抗して引き離され、ガラスファイバ保持穴25a、被覆保持穴25b、シース保持穴25cが拡径される。
光ファイバコード31は、ガラスファイバ32を被覆33によって覆った光ファイバ34を有し、さらに、この光ファイバ34をシース35によって覆った構造とされている。
図7は、光コネクタ21への光ファイバ34の接続作業を手順毎に説明する側面図である。
まず、図7(a)に示すように、コネクタ保持部12の固定壁14及び位置決め壁15によって囲われた凹部17に、一端面を位置決め壁15に当接させながら、クサビ挿入穴22a、22bを下方に向けて光コネクタ21を嵌め込む。
このようにすると、光コネクタ21は、その両側面が固定壁14によって保持されるとともに、位置決め壁15によって位置決めされた状態にて、凹部17内に設置される。
次に、挿入作業板部11の作業面11aに、指示マーク38に従って光ファイバコード31を配設し、指で押さえて保持する。
なお、光ファイバコード31は、そのシース35、被覆33の端部を除去して口出し処理を施しておくとともに、ガラスファイバ32の端面処理を施しておく。
このようにすると、ガラスファイバ32が、拡径されたガラスファイバ保持穴25a内へ差し込まれ、ガラスファイバ32の端面が、光コネクタ21内に設けられた内蔵光ファイバ21aの端面に突き当てられる。
なお、光ファイバ34のガラスファイバ32と光コネクタ21の内蔵光ファイバ21aとの突き当たり位置を示すマークを、予め光ファイバ接続用治具10に付しておいても良い。
このようにすると、図7(c)に示すように、光ファイバ接続用治具10が屈曲部13にて屈曲し、コネクタ保持部12が光コネクタ21から引き離される。
また、コネクタ保持部12には、固定壁14の外面に、複数の突条27aからなる滑り止め部27が形成されているので、コネクタ保持部12を確実に把持して引き下げることができる。
その後、図7(e)に示すように、各種機器等への接続用のハウジング41を光コネクタ21に取り付ける。
これにより、長期の使用によりゴミや埃が付着して接続へ影響が及んでしまう恐れもなく、接続の信頼性を高めることができる。
しかも、単に、コネクタ保持部12に光コネクタ21を保持させ、挿入作業板部11から光ファイバ34を差し込むだけで、極めて容易に接続を行うことができるので、作業場所の制限がなくされ、例えば、高架現場等においても容易に接続作業を行うことができる。
図8に示す光ファイバ接続用治具10Aは、挿入作業板部11の一側部に、固定バンド51を一体に成型したものである。この固定バンド51は、その先端部に係止部52を有している。
そして、この固定バンド51を有する光ファイバ接続用治具10Aでは、挿入作業板部11に光ファイバコード31を配設した状態にて、固定バンド51を上方へ折り曲げ、係止部52を挿入作業板部11の他側部に係止させることにより、光ファイバコード31が固定バンド51によって挿入作業板部11に保持される。
これにより、光コネクタ21からコネクタ保持部21を引き離す際に、両手で作業することができ、さらに円滑な接続作業を行うことができる。
そして、この光ファイバ接続用治具10Bによれば、形状のさらなる簡略化が図られているので、さらに低コストにて製造することができる。
次に、第2の実施形態に係る光ファイバ接続用治具について説明する。
図10は、第2の実施形態に係る光ファイバ接続用治具を説明する光ファイバ接続用治具の斜視図、図11は、光ファイバ接続用治具の裏面側から視た斜視図、図12は、光ファイバ接続用治具の分解斜視図である。
図に示すように、この光ファイバ接続用治具100は、挿入作業板部101及びコネクタ保持部102を有しており、コネクタ保持部102は、その裏面側に、屈曲部103を備えている。これら挿入作業板部101、コネクタ保持部102及び屈曲部103は、それぞれ射出成形によってプラスチック等の樹脂から成形されている。
なお、光コネクタ21の内部構造は、第1の実施形態にて説明したものと同一であるので、ここでは、その説明を省略する。
図14に示すように、コネクタ保持部102の固定壁104に、クサビ挿入穴22a、22bを下方に向けて光コネクタ21を嵌め込むとともに、図15に示すように、屈曲部103をコネクタ保持部102側へ押し込む。
このようにすると、光コネクタ21は、その両側面が固定壁14によって保持される。
次に、挿入作業板部101の作業面101aに形成されたレール部101bへ、光ファイバコード31の端部を配設し、ガラスファイバ32を口出しした光ファイバ34を光コネクタ21内へ挿入する。
このようにすると、ガラスファイバ32が、拡径されたガラスファイバ保持穴25a内へ差し込まれ、ガラスファイバ32の端面が、光コネクタ21内に設けられた内蔵光ファイバ21aの端面に突き当てられる。
これにより、長期の使用によりゴミや埃が付着して接続へ影響が及んでしまう恐れもなく、接続の信頼性を高めることができる。
しかも、単に、コネクタ保持部102に光コネクタ21を保持させ、挿入作業板部101から光ファイバ34を差し込むだけで、極めて容易に接続を行うことができるので、作業場所の制限がなくされ、例えば、高架現場等においても容易に接続作業を行うことができる。
さらには、ヘッド部116をスライドさせることにより、光ファイバ接続用治具100を持つ方向によらず、極めて容易に、光コネクタ21からクサビ部材112のクサビ突起部112a、112bを引き抜くことができる。
さらに、耐摩耗性に優れたプラスチック材によって各部品を成型することにより、長寿命化を図ることができる。特に、クサビ部材112を耐摩耗性に優れた金属で形成することにより、交換の頻度を低減することができ、半永久的に使用可能とすることができる。また、クサビ部材112のクサビ突起部112a、112bの先端に、例えば円弧状の面取りを施しておくことにより、耐摩耗性をさらに高めることができる。
11、101 挿入作業板部
12、102 コネクタ保持部
13、103 屈曲部
16a、16b、112a、112b クサビ突起部
21 光コネクタ
21a 内蔵光ファイバ
22a、22b クサビ挿入穴
23a、23b 保持部材
25a、25b、25c 保持穴
34 光ファイバ
38 指示マーク
112 クサビ部材
105 段差
116 ヘッド部
115 ストッパ
Claims (15)
- 光ファイバ保持穴に挿入される光ファイバを挟持して内蔵光ファイバと接続した状態に保持する保持部材を備えた光コネクタに、前記光ファイバを接続させる際に用いる光ファイバ接続用治具であって、
前記光コネクタを保持するとともに、この光コネクタに設けられた前後2個のクサビ挿入穴へそれぞれ挿入して前記保持部材の前記光ファイバ保持穴を拡径させる前後2個のクサビ突起部を備えたコネクタ保持部と、
前記コネクタ保持部に保持させた前記光コネクタの前記光ファイバ保持穴への前記光ファイバの差し込み作業を行う挿入作業板部と、
前記前後2個のクサビ突起部を前記光コネクタから引き離すための屈曲部とを有し、
前記屈曲部は、前記コネクタ保持部に連結されると共に、該連結箇所にて前記コネクタ保持部の長手方向と直交する方向に且つ最初に前側の前記クサビ突起部と前記保持部材との係合が外れ、次いで後側の前記クサビ突起部と前記保持部材との係合が外れるように屈曲可能とされていることを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項1に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記クサビ突起部を前記光コネクタから引き離す際に、前記屈曲部が変形することを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項1に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記クサビ突起部を前記光コネクタから引き離す際に、前記屈曲部が破断することを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項1に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記コネクタ保持部と前記屈曲部との連結箇所がヒンジ構造とされていることを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記コネクタ保持部と前記屈曲部とが別部材で構成されていることを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記挿入作業板部が前記コネクタ保持部に回転可能に連結されていることを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記コネクタ保持部が、複数の光コネクタ形状に対応した段差を有していることを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記コネクタ保持部は、その一端にヘッド部を備え、該ヘッド部を光コネクタの方向に押し込むことによって、前記屈曲部が屈曲することを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記コネクタ保持部は、前記クサビ突起部を備えたクサビ部材が交換可能に取り付けられていることを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項9に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記クサビ部材は、ストッパで覆われていることを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項1に記載の光ファイバ接続用治具であって、
合成樹脂から一体成型されていることを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項11に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記コネクタ保持部と前記挿入作業板部との間が屈曲部とされ、該屈曲部にて、前記コネクタ保持部と前記作業板部とが屈曲可能とされていることを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項11または12に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記挿入作業板部は、前記光ファイバの配置位置、押さえ位置あるいは作業手順を示す指示マークを有することを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項13に記載の光ファイバ接続用治具であって、
前記指示マークが、前記挿入作業板部を成型する金型に彫り込むことにより、成型時に形成されていることを特徴とする光ファイバ接続用治具。 - 請求項1から14のいずれか1項に記載の光ファイバ接続用治具を用いた光コネクタの組立方法であって、
前記コネクタ保持部に光コネクタを保持し、光ファイバ保持穴に光ファイバを挿通し、
内蔵光ファイバに接続した後、前記屈曲部を屈曲させて前記クサビ突起部を光コネクタから引き離すことを特徴とする光コネクタの組立方法。
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