JP2005084138A - 光コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 接続用光ファイバ34が予め内装されたフェルール3の接合端面32に対向する後端に、接続用光ファイバ34のフェルール3後端から突出した部分34bと他の光ファイバとの突き合わせ接続状態をクランプして保持するためのクランプ部4が設けられ、前記フェルール3およびクランプ部4を収納するハウジング2が、フェルール3の接合端面32に対向配置されて接続される光コネクタを挿入収容するための光コネクタ収容穴11を有する光コネクタ1を用いる。
【選択図】 図1
Description
例えば、特許文献1には、光ファイバを接続するための光コネクタをボックスの前面パネルに設けた光コネクタ用アウトレットが記載されている。
また、特許文献2には、ボックス(函体)前面のカバー(表板)に設けられた光コネクタと前記ボックス内に収納された機械的接合器とを予め光導波路(光ファイバ)で接続し、光ファイバケーブルなどの光ファイバを前記機械的接合器を介して前記光導波路と接続するようにした光接続器が記載されている。
特許文献2に記載の光接続器の場合、機械的接合器によって接続される2本の光ファイバが、何ら規制を与えることなく、ボックス内に収納されるので、光ファイバの光特性に悪影響を及ぼすような曲げ変形が該光ファイバに加わるおそれがあり、例えば、カバーを着脱する際などに、光ファイバを傷めてしまうおそれがある。
この光コネクタにおいては、前記ハウジングの後端側に、前記他の光ファイバを前記クランプ部に挿入するための光ファイバ挿入穴を形成し、該光ファイバ挿入穴の周縁部に、前記他の光ファイバの光特性が維持できるような許容曲げ半径以上の曲げ半径を確保するための湾曲面を設けることが好ましい。
また、この光コネクタでは、前記クランプ部が、前記両光ファイバを挟み込む一対の素子を有するとともに、前記フェルールが、前記素子のいずれかと一体の部材として形成されたフェルール基部と、前記一体の部材よりも硬質の材料からなり、前記フェルール基部に接合されたフェルール先端部材とを有する構成も採用可能である。
また、クランプ部に、該クランプ部の開放状態を確保するための開放部材が介在し、前記開放部材の抜去により、クランプ部による前記光ファイバへのクランプ力が作用するようになっている構成も採用可能である。
さらに、ハウジングの後端側に形成された光ファイバ挿入穴の周縁部に湾曲面を設けることにより、クランプ部にて接続用光ファイバと接続される他の光ファイバについても、許容限界を超える曲げ変形が加わることを抑制することができる。しかも、光ファイバ挿入穴の後端側の開口量を大きくすることができるので、クランプ部への光ファイバの挿入も容易になる。
従って、本発明の光コネクタは、アウトレット用ボックス等の狭い場所に取り付けた場合でも、光ファイバの接続特性を光伝送に十分な程度に確保することができる。
図1は、本発明の光コネクタを示す正面視断面図である。図2は、図1の光コネクタを示す平面視断面図である。図3は、図1の光コネクタを示す左側面図である。
図4,図5は、図1の光コネクタにおけるクランプ部付きフェルールを示す図面であり、図4は正面視断面図、図5は平面視断面図である。図6は、図1の光コネクタにおけるハウジング本体を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。図7は、図1の光コネクタにおけるハウジング蓋を示す図面であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。図8は、図1の光コネクタの分解斜視図である。
図9は、図1の光コネクタと開放部材とを対向させた状態を示す斜視図である。図10は、図1の光コネクタに装着した開放部材の楔部を光コネクタのクランプ部に挿入した状態を示す断面図である。図11は、図1の光コネクタに装着した開放部材の楔部を光コネクタのクランプ部から離脱した状態を示す断面図である。図12は、図1の光コネクタの後端側から他の光ファイバを近づける様子を示す断面図である。図13は、図1の光コネクタの後端側から他の光ファイバを挿入した状態を示す断面図である。図14は、図1の光コネクタのクランプ部内で接続用光ファイバと他の光ファイバとを接続した状態を示す断面図である。図15は、図1の光コネクタに光コネクタプラグを挿入接続した状態を示す断面図である。図16は、図1の光コネクタに光コネクタプラグを対向配置させた状態を示す断面図である。
図4,図5に示すように、クランプ部4は、フェルール3の接合端面32に対向する後端から延びるように、フェルール3と連結されている。これにより、フェルール3とクランプ部4とが一体化されたクランプ部付きフェルール30が構成されている。
図15,図16に示すように、フェルール3の接合端面32に対向配置されて接続される光コネクタ6(光コネクタプラグ)を挿入収容するための光コネクタ収容穴11を有しており、光コネクタレセプタクルとして機能する。
ここで、光コネクタプラグ6は、JIS C 5973等に規定されるSC形光コネクタプラグ(SC:Single fiber Coupling)であり、図15,図16に示すように、光ファイバ64の先端の樹脂被覆を除去して口出しされた裸光ファイバ(図示せず)を固定して保持するフェルール61を、ハウジング63内に収容するとともに、ハウジング63の後端側に露出した光ファイバ64を、ハウジング63の後端部に装着されたエラストマ(ゴム等)製のブーツ65によって保護した構成となっている。
フェルール先端部材31は、ジルコニアなどのセラミックスや、ガラスなどの硬質の材料から構成され、略円筒状に形成されており、該フェルール先端部材31の外周面31aは円筒面となっている。フェルール先端部材31の材料は、フェルール基部36を含む前記一体の部材37の材料よりも硬質のものが用いられる。
微細孔33の中心軸線は、前記フェルール先端部材31の外周面31aに対して精密に位置決めされている。これにより、周知のように、2個の光コネクタ1,6のフェルール3,61の接合端面32,62同士を対向させて、光ファイバ34,64同士の端面を突き合わせする際に、両方のフェルール3,61に割りスリーブ14を装着することにより、互いの光ファイバ34,64を精密に位置合わせして光接続することができる。
フェルール先端部材31の接合端面32は、微細孔33に接続用光ファイバ34を挿入した後、研磨を施しておくとよい。接続用光ファイバ34は、フェルール3に内装された部分34aと、フェルール3後端から突出した部分34bとを有する。
延出部35の外周面35aには、延出部35の周に沿って環状の溝部35bが形成されている。このように、外周面35aが溝部35bなどの凹凸を有することにより、フェルール基部36を成形する樹脂が凹凸状に固化し、接合強度が高いものとなる。
なお、素子41,42,43は円柱状(二つ割りの各素子は断面半円状)であってもよく、その場合、バネ部材46はC字状のものを用いるとよい。
なお、本発明において、接続用光ファイバ34と光接続され、光コネクタ1によりコネクタ成端される他の光ファイバ48としては、フェルール3等の構成に応じて、光ファイバ素線、多心の光ファイバテープ心線など、各種の単心または多心の光ファイバを採用することができる。
位置決め溝44とテーパ穴45bとの間には、これら位置決め溝44およびテーパ穴45bと連通した被覆収納溝45aが設けられている。この被覆収納溝45aは、基体41と後端側の蓋体43とが重ね合わされる合わせ面41a,43aの丁度互いに対面する位置に形成されている。被覆収納溝45aは、光ファイバ48の被覆部分48bの先端部を収納し、かつ、素子41,43がバネ部材46でクランプされたときに、光ファイバ48の被覆部分48bをしっかりとクランプ固定できる形状になっている。
図1,図2に示すように、プラグ挿入部10は、先端側(図1,図2の左側)に開口した光コネクタ収容穴11を有する。この光コネクタ収容穴11には、フェルール3の接合端面32に対向配置されて接続される光コネクタ6(光コネクタプラグ)を着脱可能に収容する(図16参照)ことができる。光コネクタ収容穴11内には、互いに対向する一対の弾性係合片12が、光コネクタ収容穴11の奥側から開口11aに向かって突設されている。それぞれの弾性係合片12の突出先端には、光コネクタプラグ6のハウジング63両側部に形成された係合凹所63aと係合させるための係合突起12aが設けられている。また、両弾性係合片12の間には、光コネクタプラグ6のフェルール61を収容するフェルール収容穴13aを有するスリーブホルダ13が、開口11aに突設されている。
フェルール収容穴13a,16a内には、プラグ挿入部10とハウジング本体15とをまたぐように、断面C字状の割りスリーブ14が装着されている。
割りスリーブ14内には、光コネクタ1のフェルール3と、光コネクタプラグ6のフェルール61とが、接合端面32,62同士を対向させて挿入されるようになっている。割りスリーブ14は、各フェルール3,61に内装された光ファイバ48,64を精密に位置合わせするために、両フェルール3,61の外周面31a,61aを案内するようになっている。
また、光コネクタ1の光コネクタ収容穴11に挿入接続された光コネクタプラグ6は、ハウジング63(より詳しくは、ハウジング63のうち、係合凹所63aを有するプラグフレームの外側に装着されたつまみ部)を手指や工具等で後端63b側に引くことにより、ハウジング63の係合凹所63aと光コネクタ1の係合突起12aとの係合を解除して、光コネクタ収容穴11から抜去することができるようになっている。
クランプ部収納部17の互いに対向する2面の側面には、先端に係止爪18aを有する弾性係合片18が、それぞれの前記側面に形成されている。係止爪18aは、クランプ部収納部17の外方に向かって突出しており、弾性係合片18は、係止爪18aがクランプ部収納部17の内部空間17cに向かって後退するように弾性的に湾曲変形可能である。
また、クランプ部収納部17の弾性係合片18を有する面と異なる他の側面には、クランプ部4に向かって楔51を差し込むための楔差込口17a,17bが形成されている。
クランプ部収納部17の内部空間17cには、クランプ部4との間(詳しくは、クランプ部4と弾性係合片18の裏面との間)に、楔51の割り入れによる素子41,42,43の開閉に必要なクリアランスが確保されている。
さらにこのハウジング2では、弾性係合片18の係止爪18aをクランプ部収納部17の内部空間17c側に押し込んで、係合穴21bから離脱させることにより、ハウジング蓋20をハウジング本体15から取り外すことが可能である。
ここで、開放部材5は、合成樹脂性の一体成形品として製造することができるが、本発明においては、特にこれに限定されず、複数の部品から構成されたものであっても構わない。
図10に示すように、楔51の先端部51aを楔差込口17aから楔挿入溝47に差し込むと、基体41と蓋体42の合わせ面41a,42a間が開いて、位置決め溝44に光ファイバ48を挿入できるような隙間が生じる。なお、図10には図示しないが、先端部51aの方と同時かつ同様にして、楔51の先端部51bが楔差込口17bから楔挿入溝47に差し込まれ、基体41と蓋体43の合わせ面41a,43a間も開かれる。
また、図11に示すように、楔駆動部52を両側(弾性ヒンジ53b,53bの側)から押圧することにより、可動端部52cがホルダ部54から遠ざかるような伸び変形をして、楔51の先端部51a,51bが素子41,42,43間から抜き出されるようになっている。
なお、本形態例の光コネクタ1は、図10に示すように、ハウジング2が開放部材5のホルダ部54に取り付けられた状態で販売、携帯等を行うことが可能である。
図10,図12に示すように、楔51の先端部51a,51bをクランプ部4の楔挿入溝47に割り入れた状態で、光コネクタ1後端の光ファイバ挿入穴23から、先端に裸光ファイバ48aを露出させた光ファイバ48を素子41,42,43の間に挿入する。この際、光ファイバ挿入穴23の周縁部が、クランプ部4のテーパ穴45bに向けて縮径する湾曲面23aとなっているので、該湾曲面23aによって、光ファイバ48の先端がテーパ穴45bまで案内されるようになり、光ファイバ48の挿入作業が容易である。
光ファイバ48をクランプ部4に挿入すると、図13に示すように、位置決め溝44内で、裸光ファイバ48aの端面が、クランプ部4内の接続用光ファイバ34bの端面と突き当てられる。この際、光ファイバ挿入穴23の湾曲面23a付近で、光ファイバ48がたわむ(たわみ部分48t)ので、該光ファイバ48自身の弾性によって、光ファイバ34,48の端面同士の当接力を確保することができる。
このように光ファイバ48のたわみ部分48tを確認してから、図11,図14に示すように、開放部材5の楔をクランプ部4から抜き去る。すると、クランプ部4(詳しくは、バネ部材46)のクランプ力により、光ファイバ34,48が端面同士を突き合わせた状態で素子41,42,43間にクランプ保持され、両光ファイバ34,48の光接続が維持される。図14に二点鎖線で示すように、光ファイバ48のハウジング2後端から突出した部分にサイドプル(側方への引張り)などの側圧が加わったとしても、光ファイバ48が湾曲面23aに沿うことにより、光ファイバ48の曲げ半径が湾曲面23aの曲率半径より小さくなることが避けられ、光ファイバ48の光特性を十分な程度に維持することが容易になる。
さらに、ハウジング2の後端24側に形成された光ファイバ挿入穴23の周縁部に湾曲面23aが設けられているので、クランプ部4にて接続用光ファイバ34と接続される他の光ファイバ48についても、許容限界を超える曲げ変形が加わることを抑制することができる。従って、光ファイバ48を保護するためのゴム製のブーツを省略することができるので、部品点数を削減できる。
ハウジング2が、光コネクタプラグ6が挿入される光コネクタ収容穴11を有するので、フェルール3を光コネクタプラグ6のフェルール61の向きに押圧する押しバネが省略できる。このため、部品点数をさらに削減できる。
光コネクタの長さを短くして、アウトレット用ボックスや屋外用成端箱等の狭い場所に取り付けることができる。しかも、この場合に、光ファイバの接続特性を光伝送に十分な程度に確保することができる。
光ファイバ挿入穴23の開口量が大きいので、ハウジング2内に光ファイバ48を挿入するのが容易である。
さらに、フェルール3の先端部に加わる曲げ力が、硬質のフェルール先端部材31と樹脂製のフェルール基部36との全体で受けられて緩和されるので、フェルール先端部材31と主幹部材樹脂成形部37との接合強度が向上する。また、クランプ部付きフェルール30のたわみに対する耐久性を向上できる。
開放部材5を樹脂で一体成形したことにより、安価で製造でき、専用工具を用いる場合に比べて、大幅なコスト削減を実現できる。
前記実施の形態では、円筒状のフェルールを有する光コネクタの場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば略直方体状のフェルールを有する光コネクタにも適用可能である。この場合、フェルール基部の幅および厚さ(それぞれ、光コネクタの接続方向に直交する2方向の長さ)が、それぞれ、フェルール先端部材の幅および厚さよりも小さければ、前記フェルール基部の外周形状が、前記フェルール先端部材の外周形状よりも小さいようにすることができる。
クランプ部の構成は、光ファイバを調心して端面同士の突き合わせ接続をクランプ保持する構成のものであれば、構造や形状は特に限定されるものではない。例えば、素子の基体に対向する蓋体の個数は、1個でも複数個でもよい。楔挿入溝は楔の先端部ごとに対応して別々に設けても良く、また、上記形態に示したように、1本につながっていてもよい。
本発明は、光ファイバ穴がフェルールに複数形成され、それぞれの光ファイバ穴に接続用光ファイバが内装された光コネクタに適用することもできる。この場合、クランプ部に設けられる位置決め溝などの調心機構は、少なくとも、接続用光ファイバの本数分設ければ、該光コネクタによってコネクタ成端される光ファイバのそれぞれを、調心機構によって接続用光ファイバと光接続させることができる。このような光コネクタとしては、例えば、フェルールがJIS C 5981等に規定のMT形光コネクタフェルール(MT:Mechanically Transferable)である光コネクタが例示される。
Claims (4)
- 接続用光ファイバ(34)が予め内装されたフェルール(3)の接合端面(32)に対向する後端に、前記接続用光ファイバの前記フェルール後端から突出した部分(34b)と他の光ファイバ(48)との突き合わせ接続状態をクランプして保持するためのクランプ部(4)が設けられ、前記フェルールおよびクランプ部を収納するハウジング(2)が、前記フェルールの接合端面に対向配置されて接続される光コネクタ(6)を挿入収容するための光コネクタ収容穴(11)を有することを特徴とする光コネクタ(1)。
- 前記ハウジングの後端(24)側には、前記他の光ファイバを前記クランプ部に挿入するための光ファイバ挿入穴(23)が形成されており、該光ファイバ挿入穴の周縁部には、前記他の光ファイバの光特性が維持できるような許容曲げ半径以上の曲げ半径を確保するための湾曲面(23a)があることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
- 前記クランプ部は、前記両光ファイバを挟み込む一対の素子(41,42,43)を有するとともに、前記フェルールは、前記素子のいずれかと一体の部材(37)として形成されたフェルール基部(36)と、前記一体の部材よりも硬質の材料からなり、前記フェルール基部に接合されたフェルール先端部材(31)とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の光コネクタ。
- 前記クランプ部には、該クランプ部の開放状態を確保するための開放部材(5)が介在しており、前記開放部材の抜去により、クランプ部による前記光ファイバへのクランプ力が作用するようになっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光コネクタ。
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