JP4304905B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、主として携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal data assistance)等の携帯性を有する電子機器は、小型・軽量化のため、内部に設けられる半導体チップ等の各種の電子部品の小型化が図られており、更にその電子部品を実装するスペースも極めて制限されている。このため、例えば半導体チップにおいては、そのパッケージング方法が工夫され、現在ではCSP(Chip Scale Package)といわれる超小型のパッケージングが案出されている。このCSP技術を用いて製造された半導体チップは、実装面積が半導体チップの面積と同程度で良いため、高密度実装を図ることができる。
【0003】
上記の電子機器は、今後益々小型化及び多機能化が求められることが予想されており、半導体チップの実装密度を更に高める必要が出てきた。かかる背景の下、三次元実装技術が案出されてきた。この三次元実装技術は、同様の機能を有する半導体チップ同士又は異なる機能を有する半導体チップ同士を積層し、各半導体チップ間を配線接続することで、半導体チップの高密度実装を図る技術である。
【0004】
この三次元実装技術で用いられる半導体チップは、例えばその表面と裏面とに形成された外部接続用の接続端子と、内部に導電材が形成され、半導体チップの表面と裏面とを貫通する貫通穴とを有し、この貫通穴内に形成された導電材を介してそれらの接続端子同士が電気的に接続された電極構造を有する。そして、このような電極構造を有する半導体チップを積層すると、ある半導体チップの裏面に形成された接続端子が、他の半導体チップの表面に形成された接続端子と接続され、これにより各半導体チップ間で配線接続される。
【0005】
三次元実装技術で用いられる半導体チップは多くの工程を経て製造される。よって、主として工程数を極力低減して製造効率を上昇させるために、外部接続用の接続端子と貫通穴内の導電材は、以下の工程を経て形成される。つまり、まずメッキ処理を施して貫通穴内に導電材を埋め込むとともに、半導体チップの表面全体に導電材を形成する。次に、半導体チップの表面に形成された導電材上にレジストを塗布し、接続端子となるべき部位のみを覆うようにレジストをパターニングして、接続端子となるべき部位以外の部位にある導電材をウェットエッチングにより除去して接続端子を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、三次元実装技術で用いられる半導体チップの表面又は裏面の接続端子は突起形状に形成されることが多く、半導体チップの表面全体に形成する導電材は、形成すべき接続端子の高さと同程度に形成する必要がある。よって、上記の接続端子を形成する工程においては、ウェットエッチングにより接続端子となるべき部位以外の部位にある導電材を除去する際のエッチング量が多くなる。
【0007】
エッチング量が多くなると、接続端子となるべき部位に形成されている導電材に対してサイドエッチング量が極めて大きくなり、所望の形状(レジストの形状通り)に接続端子を形成することができないという問題がある。この問題を解決するために、サイドエッチング量を予め見積もっておき、サイドエッチングにより除去される分だけレジストを大きめに形成してエッチングを行う方法が考えられる。
【0008】
しかしながら、半導体チップの微細化及び高密度化に伴って接続端子間の間隔(ピッチ)も狭ピッチ化しているため、上記の方法により大きめにレジストを形成すると、隣接する接続端子を形成するためのレジストと重なってしまい、接続端子間をエッチングすること自体ができなくなるという問題が生ずる。これらの問題は、半導体チップの微細化及び高密度化を図る上で必然的に生ずる問題であるため、その解決が極めて重要となる。また、以上の問題は、半導体チップの表面又は裏面に接続端子を形成する場合のみならず、例えば再配線(再配置配線)等の配線を形成する場合において、高さが高い(厚みのある)配線を形成するときにも生ずる問題である。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、微細化及び狭ピッチ化した場合であっても、高さが高い(厚みのある)導電材を所望の形状に形成することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の半導体装置の製造方法は、導電性部材を形成すべき位置の下方に開口部を有する電極と当該電極の開口部に連通する孔とが形成された基板上に、形成すべき導電性部材の外形形状の少なくとも一部に沿ってレジストをドライフィルム又は印刷により形成する第1工程と、前記レジストが形成された部位以外の部位に、前記レジストを覆うように導電材を形成する第2工程と、前記導電材の上部を除去して前記第1工程で形成されたレジストを露出させる除去工程と、形成すべき導電性部材となる導電材の上部及び側壁の少なくとも一部が覆われるように、前記第2工程で形成された導電材上にレジストを形成する第3工程と、前記レジストをマスクとして前記導電材をエッチングして前記導電性部材を形成する第4工程とを含み、前記第2工程は、前記電極の開口部内及び前記孔内に前記導電材が充填されるように前記導電材を形成する工程であることを特徴としている。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、導電性部材を形成すべき位置の下方に開口部を有する電極と当該電極の開口部に連通する孔とが形成された基板上に、形成すべき導電性部材の外形形状の少なくとも一部に沿ってレジストをドライフィルム又は印刷により形成する第1工程と、前記レジストが形成された部位以外の部位に、前記レジストを覆うように導電材を形成する第2工程と、前記導電材の上部を除去して前記第1工程で形成されたレジストを露出させる除去工程と、前記第1工程で形成したレジストを除去し、形成すべき導電性部材となる導電材の上部及び側壁の少なくとも一部が覆われるように、前記レジストを除去した部位及び前記第2工程で形成された導電材上にレジストを形成する第3工程と、前記レジストをマスクとして前記導電材をエッチングして前記導電性部材を形成する第4工程とを含み、前記第2工程は、前記電極の開口部内及び前記孔内に前記導電材が充填されるように前記導電材を形成する工程であることを特徴としている。
これらの発明によれば、形成すべき導電性部材となる導電材の上部及び側壁の少なくとも一部をレジストで覆った状態で不要な導電材をエッチングしているため、微細化及び狭ピッチ化した場合であっても、高さが高い(厚みのある)導電材を所望の形状に形成することができる。また、第1工程においてレジストをドライフィルム又は印刷により形成しているため、導電材を形成する位置の下方に開口部を有する基板の場合、基板表面全体にレジストを塗布した後でパターニングしてレジストを形成する際に、レジストのパターニングにおけるレジストの残渣が基板に穿孔した開口孔に残り、第3の工程で形成する導電材の形成を阻害することがない。この結果として製造歩留まりの向上を期待することができる。また、レジストを覆うように導電材を形成し、レジストが露出するまで導電材の上部を除去しているため、形成された導電材が平坦性を有していなくとも、導電材の上部を除去することで、導電材の平坦性を確保することができる。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記除去工程が、化学機械的研磨により前記導電材の上部を除去する工程であることを特徴としている。
この発明によれば、導電材の上部の除去を化学機械的研磨により行っているため、導電材の平坦性を確保する上で極めて好適である。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記第4工程の後に設けられ、少なくとも前記導電材上に形成されたレジストを除去する第5工程を含むことを特徴としている。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記第1工程が、前記レジストをドライフィルム又は印刷により形成することを特徴としている。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、前記第1工程で形成されるレジストが、絶縁性を有する感光性樹脂であることを特徴としている。
この発明によれば、第1工程で形成されるレジストとして絶縁性を有する感光性樹脂を用いているため、第1工程で形成される感光性樹脂を除去せずに絶縁部材として用いるといった使い方が可能である。これにより、別工程で絶縁層を形成する工程を省略することが可能となり、工程数を低減させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による半導体装置の製造方法について詳細に説明する。まず、本発明の特徴的な工程を説明する前に、本発明の製造方法で用いられる半導体基板の構造及びその製造工程の一例について説明する。
【0012】
図1〜図5は、本発明の実施形態で用いられる半導体基板の製造工程の一例を示す工程図である。尚、本実施形態においては、シリコンウェハ等の半導体基板に対して各種処理を行う場合を例に挙げて説明するが、多数の半導体チップが形成されている状態の半導体基板そのものに対して処理を行うのではなく、個々の半導体チップに対して以下に示す処理を行っても良い。尚、半導体チップの場合には、一般的には直方体(立方体を含む)であるが、その形状は限定されず、球状であってもよい。
【0013】
まず、処理対処の半導体基板の構成について説明する。図1(a)は、処理対処の半導体基板の構成を示す断面図である。図1(a)において、図示しないトランジスタ、メモリ素子、その他の電子素子からなる集積回路が形成されたSi等の基板10の表面には、絶縁膜12が形成されている。この絶縁膜12は、例えば基板10の基本的な材料であるSi(シリコン)の酸化膜(SiO2)で形成されている。
【0014】
絶縁膜12上には、硼燐珪酸ガラス(以下、BPSGという)からなる層間絶縁膜14が形成されている。層間絶縁膜14上には、図示しない箇所で基板10に形成された集積回路と電気的に接続された本発明にいう電極としての電極パッド16が形成されている。この電極パッド16は、Ti(チタン)からなる第1層16a、TiN(窒化チタン)からなる第2層16b、AlCu(アルミニウム/銅)からなる第3層16c、及びTiNからなる第4層(キャップ層)16dを順に積層して形成されている。
【0015】
電極パッド16は、例えばスパッタリングにより第1層16a〜第4層16dからなる積層構造を層間絶縁膜14上の全面に形成し、レジスト等を用いて所定の形状(例えば、矩形形状)にパターニングすることにより形成される。尚、本実施形態では、電極パッド16が上記の積層構造により形成されている場合を例に挙げて説明する。しかしながら、電極パッド16はこの構造に制限される訳ではなく、集積回路の電極として一般に用いられるAlのみで形成されていても良いが、電気抵抗の低い銅を用いて形成することが好ましい。また、電極パッド16は、上記の構成に限られず、必要とされる電気的特性、物理的特性、及び化学的特性に応じて適宜変更しても良い。
【0016】
また、電極パッド16は、基板10に複数形成された半導体チップの面の少なくとも1辺(多くの場合、2辺又は4辺)に沿って並んで形成される。また、この電極パッド16は、各半導体チップの面の辺に沿って形成される場合と、中央部に並んで形成される場合がある。尚、電極パッド16の下方には電子回路が形成されていない点に注意されたい。上記層間絶縁膜14上には電極パッド16を覆うように、パッシベーション膜18が形成されている。このパッシベーション膜18は、SiO2(酸化珪素)、SiN(窒化珪素)、ポリイミド樹脂等により形成することができる。尚、パッシベーション膜18の厚みは、例えば1μm程度である。
【0017】
次に、以上の構成の半導体基板に対して行う各工程を順次説明する。まず、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法等の方法によりレジスト(図示省略)をパッシベーション膜18上の全面に塗布する。尚、このレジストは、電極パッド16上を覆っているパッシベーション膜18を開口するために用いるものであり、フォトレジスト、電子線レジスト、X線レジストの何れであってもよく、ポジ型又はネガ型の何れであってもよい。
【0018】
パッシベーション膜18上にレジストを塗布すると、プリベークを行った後で、所定のパターンが形成されたマスクを用いて露光処理及び現像処理を行い、レジストを所定形状にパターニングする。尚、レジストの形状は、電極パッド16の開口形状及び基板10に形成する孔(詳細は後述する)の断面形状に応じて設定される。
【0019】
レジストのパターニングが終了すると、ポストベークを行った後で、図1(b)に示すように、電極パッド16を覆うパッシベーション膜18の一部をエッチングして開口部H1を形成する。尚、本実施形態では、パッシベーション膜18とともに電極パッド16の一部をなす第4層16dもエッチングしている。開口部H1は、例えば100μm程度の径に形成される。図1(b)は、パッシベーション膜18を開口して開口部H1を形成した状態を示す断面図である。
【0020】
尚、エッチングにはドライエッチングを適用することが好ましい。ドライエッチングは、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)であってもよい。また、エッチングとしてウェットエッチングを適用してもよい。パッシベーション膜18に開口部H1を形成した後で、パッシベーション膜18上のレジストを剥離液により剥離する。
【0021】
以上の工程が終了すると、開口部H1が形成されたパッシベーション膜18上の全面にレジスト(図示省略)を塗布して、開口部H1に露出している電極パッド16上を開口した形状にレジストをパターニングしてポストベークを行った後、ドライエッチングにより電極パッド16を開口する。図2(a)は、電極パッド16を開口して本発明にいう開口部としての開口部H2を形成した状態を示す断面図である。
【0022】
図2(a)に示すように、本実施形態では、電極パッド16に形成される開口部H2の径は、パッシベーション膜18に形成された開口部H1の径よりも小さい径(例えば60μm程度)に設定されている。尚、電極パッド16を開口するときに用いるドライエッチングとしてはRIEを用いることができる。電極パッド16に開口部H2を形成すると、剥離液によりレジストを剥離して、次工程に進む。
【0023】
以上の工程が終了すると、開口部H2に露出している層間絶縁膜14、電極パッド16、及び電極パッド16の上方のパッシベーション膜18上に絶縁膜20を形成する。図2(b)は、層間絶縁膜14、電極パッド16、及び電極パッド16の上方のパッシベーション膜18上に絶縁膜20を形成した状態を示す断面図である。
【0024】
この絶縁膜20は、後述する基板10を穿孔する際のドライエッチングのためのマスクの役割りをしており、本例ではSiO2を用いたが、Siとの選択比が取れればフォトレジストを用いても良い。更に、その膜厚は、穿孔する深さにより任意に設定すれば良い。尚、絶縁膜を用いる場合、例えば、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)を用いて形成した正珪酸四エチル(Tetra Ethyl Ortho Silicate:Si(OC2H5)4:以下、TEOSという)、即ちPE−TEOS、及び、オゾンCVDを用いて形成したTEOS、即ちO3−TEOS、又はCVDを用いて形成した酸化シリコンを用いることができる。尚、絶縁膜20の厚みは、例えば2μm程度である。
【0025】
続いて、図2(b)に示した半導体基板の表面の全面にレジスト(図示省略)を塗布し、層間絶縁膜14上に形成された絶縁膜20の上方を開口した形状にレジストをパターニングしてポストベークを行った後、ドライエッチングにより絶縁膜20、層間絶縁膜14、及び絶縁膜12の一部をエッチングして、図3(a)に示すように、基板10を露出させる。図3(a)は、絶縁膜20、層間絶縁膜14、及び絶縁膜12の一部をエッチングして、基板10の一部を露出させた状態を示す断面図である。
【0026】
以上の工程が終了すると、図3(b)に示すように基板10を穿孔する。尚、ここでは、ドライエッチングとしてRIEやICP(Inductively Coupled Plasma)を用いることができる。この際、先の後工程で形成した絶縁膜20がマスクとなるが、絶縁膜20の代わりにレジストを用いても良い。
【0027】
図3(b)は、基板10を穿孔して、本発明にいう電極に形成された開口部に連通する孔としての孔部H3を形成した状態を示す断面図である。図3(b)に示すように、基板10に形成される孔部H3の径は、電極パッド16に形成される開口部16の径よりも小さい径(例えば50μm程度)に形成される。尚、孔部H3の深さは、最終的に形成する半導体チップの厚みに応じて適宜設定される。
【0028】
孔部H3の形成が終了すると、絶縁膜20上(電極16の上方)及び孔部H3の内壁及び底面に絶縁膜22を形成する。図4(a)は、絶縁膜20上(電極16の上方)及び孔部H3の内壁及び底面に絶縁膜22を形成した状態を示す断面図である。この絶縁膜22は、電流リークの発生、酸素及び水分等による浸食等を防止するために設けられる。絶縁膜22は、PE−CVE又はオゾンプラズマを用いたオゾンCVD等の化学気層成長法を用いて形成される。
【0029】
続いて、上記の工程で形成した絶縁層22に対して異方性エッチングを施す工程が行われる。この工程は、電極パッド16の上方に形成されている絶縁膜20及び絶縁膜22を除去して電極パッド16の一部を露出させるために設けられる。尚、ここで、絶縁層22に対して施す異方性エッチングは、RIE等のドライエッチングを用いることが好適である。
【0030】
図4(b)は、絶縁層22に対して異方性エッチングを施す工程を示す図である。図4(b)に示すように、RIE等によるドライエッチングはレジストが塗布されていない半導体基板の全面に対して行われる。尚、図4(b)において、符号Gは、ドライエッチングにより半導体基板に入射する反応性ガスを示している。
【0031】
この反応性ガスGは基板10の表面(又は、絶縁膜12、層間絶縁膜14、パッシベーション膜18等の接合面)に対してほぼ垂直に入射するため、反応性ガスGの入射方向におけるエッチングが促進される。よって、基板10の表面(又は、絶縁膜12、層間絶縁膜14、パッシベーション膜18等の接合面)に対してほぼ平行な面に形成された絶縁層20及び絶縁層22が多くエッチングされることになる。その結果、図4(b)中において、符号P1〜P4を付した箇所の絶縁層20及び絶縁層22が除去される。このようにして、符号P3を付した部分において電極パッド16が露出する。尚、この際、全体をエッチングする代わりに、電気的な接続を必要とする部分のみ開口するように、すなわち図4(b)のP3部のみ開口するように、レジストを用いてパターニング、エッチングを行ってももちろん良い。
【0032】
以上の工程が終了すると、孔部H3の底面、絶縁膜22の内壁及び上部、並びにパッシベーション膜18の上に下地膜24を形成する工程が行われる。下地膜24は、バリア層及びシード層からなり、まずバリア層を形成した後で、バリア層上にシード層を形成することで成膜される。ここで、バリア層は、例えばTiWあるいはTiNから形成され、シード層はCuから形成される。これらは、例えばIMP(イオンメタルプラズマ)法、又は、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のPVD(Phisical Vapor Deposition)法、又はCVD法を用いて形成される。
【0033】
図5は、下地膜24を形成した状態を示す断面図である。図5に示すように、下地膜24は、電極パッド16に形成された開口部H2から基板10に形成された孔部H3の内壁に亘って連続的に形成される。また、電極パッド16の上方に形成された絶縁膜22の側壁及びパッシベーション膜18上にも下地膜24が形成される。尚、下地膜24を構成するバリア層の膜厚は、例えば100nm程度であり、シード層の膜厚は、例えば数百nm程度である。
【0034】
以上の工程が終了した半導体基板に対して、本発明の実施形態による半導体装置の製造方法の各工程が行われる。尚、図5に示した半導体基板は本発明にいう基板の一種に相当するものである。以下、この半導体基板を基板30という。尚、この基板30は、複数を積層して三次元実装構造とした半導体装置として用いられる基板であり、この基板30に対して本発明にいう導電性部材としての外部接続用の接続端子が形成される。
【0035】
〔第1実施形態〕
図6〜図9は、本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法における一連の製造工程の内の、本発明に関連した工程を示す工程図である。以下、これらの図を順に参照して本実施形態について説明する。先ず、形成すべき外部接続用の接続端子の外形形状に沿って基板30上にレジスト32を形成する工程が行われる(この工程は、本発明にいう第1工程に相当する工程である)。ここで、例えば形成すべき接続端子の外形形状が矩形であれば、レジスト32も矩形形状に形成される。
【0036】
レジスト32の高さは形成すべき接続端子の高さと同程度に設定され、その幅は、レジスト32の倒れが生じない程度の幅に設定される。レジスト32は、例えば半導体装置で一般的に設けられるAl電極をエッチングする際に用いられるレジスト又は絶縁性を有する樹脂レジストを用いることができるが、後述の工程で用いるメッキ液、エッチング液に対して耐性を持つことが前提である。尚、本実施形態では、形成すべき接続端子の外形形状の全てに沿って、即ち接続端子を取り囲むようにレジスト32を形成する場合を例に挙げて説明する。
【0037】
しかしながら、必ずしも接続端子を取り囲むようにレジスト32を形成しなければならないという訳ではない。例えば、図6の紙面内の方向にのみ接続端子が隣接して形成される場合には、紙面に対して垂直な方向にはレジスト32を形成しなくとも良い。このように、レジスト32は接続端子の外形形状の少なくとも一部に沿って形成される。
【0038】
レジスト32の形成にあたっては、まず、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法等の方法により基板30上の全面に、形成すべき接続端子の高さと同程度の膜厚にレジストを塗布する。あるいはドライフィルム、印刷法で形成しても良い。次に、プリベークを行った後で、所定のパターンが形成されたマスクを用いて露光処理及び現像処理を行い、レジストを所定形状にパターニングする。このような工程を経てレジスト32が形成される。しかしながら、この方法でレジスト32を形成すると、基板30上の全面に塗布したレジストの一部が孔部H3内に入ってしまい、現像処理を行っても孔部H3内に残存して残渣になる虞がある。このため、例えばドライフィルムを用いることで、また、インクジェット装置やスクリーン印刷等の印刷法を用いて、レジスト32を形成すべき位置にのみレジストの液滴を吐出して印刷することによりレジスト32を形成する方法、すなわち孔部H3内部にレジストが入ることなくレジスト32を形成する方法が最適である。
【0039】
レジスト32を基板30上に形成すると、次に電気化学プレーティング (ECP)法を用いて、図6(b)に示すように、孔部H3の内部及び電極パッド16の上部にメッキ処理を施して、孔部H3内部を導電材34で埋め込む(充填する)とともに、基板30上にレジスト32と同程度の高さを有する導電材34を形成する工程が行われる(この工程は、本発明にいう第2工程に相当する工程である)。
【0040】
図6(b)は導電材34を形成した状態を示す断面図である。図6(b)に示すように、導電材34はレジスト32が形成された部位以外の部位に形成されることになる。また、孔部H3の内部を導電材34で埋め込むことにより、導電材34と電極パッド16とが図中符号P10を付した箇所において電気的に接続される。ここで、導電材は電気抵抗の小さな銅を用いることが好ましい。
【0041】
図7は、基板30上に導電材34を形成した状態を示す上面図である。図7(a)に示すように、形成すべき接続端子の外形形状が矩形形状である場合には、この接続端子各々を取り囲むように矩形形状のレジスト32が形成される。また、レジスト32が形成された部位以外の部位に導電材34が形成されていることが分かる。尚、図7(a)中に示した符号Wは、基板10に形成された孔部H3の側壁を示している。
【0042】
形成すべき接続端子の間隔(ピッチ)が離間している場合には、図7(a)に示すように、レジスト32は各々の接続端子を取り囲むように個別に設けられる。しかしながら、形成すべき接続端子の間隔(ピッチ)が狭い場合には、図7(b)に示すように、隣接する辺の間に配置されるレジストを共通化した形状、即ち図7(a)に示すように、形成すべき接続端子間に各々の接続端子を取り囲む線状のレジストが2本存在するのではなく、両方の接続端子を取り囲むこととなる1本の線状のレジストのみが存在する形状にレジスト32を形成することも可能である。かかる形状のレジスト32を形成することで、接続端子を極めて狭いピッチで形成することが可能となる。この際、両方の接続端子を取り囲むこととなる1本の線状のレジスト部のみ、他の部位のレジストよりも太くしてあっても良い。こうすることで、より確実に各電極間を分離することができる。
【0043】
基板30上に導電材34を形成する工程が終了すると、次に剥離液を用いてレジスト32を剥離(除去)する(この工程は、本発明にいう第3工程の一部に相当する工程である)。図8(a)はレジスト32を除去した状態を示す断面図である。レジスト32が除去されると、後に接続端子となる導電材36と、後の工程で除去される導電材38とが開口部H4より分離される。
【0044】
続いて、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法等の方法によりレジストを導電材36,38上の全面に塗布し、プリベークを行った後で、所定のパターンが形成されたマスクを用いて露光処理及び現像処理を行い、導電材36上及び開口部H4の内部にレジスト40を形成する(この工程は、本発明にいう第3工程の一部に相当する工程である)。
【0045】
図8(b)は、導電材36上及び開口部H4の内部にレジスト40を形成した状態を示す断面図である。図8(b)に示すように、レジスト40が導電材36上を覆い、且つ、開口部H4の内部に形成されているため、導電材36の露出部分がなくなり、導電材38のみが露出した状態になる。このとき、レジスト40は、導電材36の側壁も覆っているため、導電材36が次工程でサイドエッチングされることはない。
【0046】
次に、レジスト40をマスクとして導電材38のみをエッチングする工程が行われる(この工程は、本発明にいう第4工程に相当する工程である)。図9(a)は、導電材38のみをエッチングした状態を示す断面図である。図9(a)に示すように導電材38がエッチングされることにより、レジスト40に覆われた導電材36のみが残ることになる。尚、ここで行うエッチングは、ウェットエッチングを適用することが好ましい。また、エッチングにはドライエッチングを適用することもできる。ドライエッチングを行う場合には、例えば反応性イオンエッチングであってもよい。尚、この際、基板30上の最表面に形成され、露出している下地膜24を同時にエッチングしても良いし、レジスト剥離後エッチングしても良い。
【0047】
最後に、剥離液を用いて導電材36を覆っているレジスト40を剥離する工程が行われる(この工程は、本発明にいう第5工程に相当する工程である)。以上の工程を経ると図9(b)に示した接続端子42が形成される。図9(b)は、接続端子42が形成された状態を示す断面図である。図9(b)に示すように、本実施形態で形成される接続端子は、サイドエッチングされずに形成されているため、その側壁が基板30の表面に対してほぼ垂直となっている形状に形成することができる。
【0048】
〔第1実施形態の変形例〕
以上説明した第1実施形態では、基板30上にレジスト32及び導電材34を形成することにより図6(b)に示す状態にした後で、図8(a)に示すように一度レジスト32を除去してから、導電材36上及び開口部H4にレジスト40を形成していた。
【0049】
しかしながら、基板30上にレジスト32及び導電材34形成することにより図6(b)に示す状態にした後で、レジスト32を除去せずに導電材36及びレジスト32を覆う形状のレジストを形成することにより、レジスト40と同様のレジストを形成しても良い(この工程は、本発明にいう第3工程に相当する工程である)。以上の工程を経ることにより、工程数を短縮することができ、その結果として製造効率の向上を図ることができるとともに、歩留まりの低下を招く虞が低減される。
【0050】
この工程を行う上で、レジスト32と、導電材36及びレジスト32を覆うレジストとは異なるレジストであっても良い。例えば、絶縁性を有する感光性樹脂でレジスト32を形成し、ポストベークした後、導電材36及びレジスト32を覆うレジストを通常用いられるレジストで形成すれば、導電材38をエッチングにより除去した後で、導電材36及びレジスト32を覆うレジストのみを剥離して、レジスト32を接続端子42の側壁に接した状態で残すことができる。レジスト32を残すことにより、例えば接続端子42間の間隔(ピッチ)が狭ピッチ化されたときに、隣接する接続端子42間の電気的な短絡(ショート)を防止することができ、信頼性の向上を図ることができる。
【0051】
〔第2実施形態〕
図10及び図11は、本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法における一連の製造工程の内の、本発明に関連した工程を示す工程図である。以下、これらの図を順に参照して本実施形態について説明する。尚、図10及び図11においては、第1実施形態で説明した部材と同一の部材又は第1実施形態で説明した部材に相当する部材には同一の符号を付してある。
【0052】
先ず、第1実施形態と同様に形成すべき外部接続用の接続端子の外形形状に沿って基板30上にレジスト32を形成する工程が行われる(この工程は、本発明にいう第1工程に相当する工程である)。ここで、例えば形成すべき接続端子の外形形状が矩形であれば、レジスト32も矩形形状に形成される。図10(a)は、基板30上にレジスト32を形成した状態を示す断面図である。
【0053】
レジスト32の高さは、第1実施形態と同様に、形成すべき接続端子の高さと同程度に設定され、その幅は、レジスト32の倒れが生じない程度の幅に設定される。レジスト32は、例えば半導体装置で一般的に設けられるAl電極をエッチングする際に用いられるレジスト又は絶縁性を有する樹脂レジストを用いることができるが、後述の工程で用いるメッキ液、エッチング液に対して耐性を持つことが前提である。尚、本実施形態においても、形成すべき接続端子の外形形状の全てに沿って、即ち接続端子を取り囲むようにレジスト32を形成する場合を例に挙げて説明する。
【0054】
しかしながら、必ずしも接続端子を取り囲むようにレジスト32を形成しなければならないという訳ではない。例えば、図10の紙面内の方向にのみ接続端子が隣接して形成される場合には、紙面に対して垂直な方向にはレジスト32を形成しなくとも良い。このように、レジスト32は接続端子の外形形状の少なくとも一部に沿って形成される。レジスト32の形成は、第1実施形態と同様に、基板30上の全面にレジストを塗布してパターニングを行う方法、又は、ドライフィルム、又は、インクジェット装置やスクリーンマスクを用いた印刷による方法を用いることができる。
【0055】
レジスト32を基板30上に形成すると、次に電気化学プレーティング (ECP)法を用いて、図10(b)に示すように、孔部H3の内部及び電極パッド16の上部にメッキ処理を施して、孔部H3内部を導電材50で埋め込む(充填する)とともに、基板30上にレジスト32を覆うように導電材50を形成する工程が行われる(この工程は、本発明にいう第2工程に相当する工程である)。
【0056】
図10(b)は、導電材50を形成した状態を示す断面図である。図10(b)に示すように、導電材50は、その上面の高さがレジスト32の高さよりも高くなるように形成されることになる。また、孔部H3の内部を導電材34で埋め込むことにより、導電材34と電極パッド16とが図中符号P10を付した箇所において電気的に接続される。ここで、導電材は電気抵抗の小さな銅を用いることが好ましい。
【0057】
尚、レジスト32を覆うように導電材50を形成するのは、最終的に導電材36の表面の平坦性を確保するためである。
【0058】
そこで、まず、導電材50を形成する工程において、導電材50の表面の高さがレジスト32の高さよりも高くなるように導電材50を形成し、導電材50の上部を除去する(この工程は、本発明にいう除去工程に相当する工程である)ことにより導電材50の平坦性を確保している。ここで、導電材50の上部を除去する方法としては、平坦性を確保するために化学機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法を用いることが好ましい。尚、除去する膜厚が厚い場合、先にウェット方式のスピンエッチャー等で、ある程度の膜厚を除去した後、CMPで平坦化しても良い。
【0059】
図11は、導電材50の上部を除去した状況を示す断面図である。図11に示すように、導電材50の上部の除去は、レジスト32の上端が露出するまで行われる。図11と図6(b)とを比較すると分かるように、以上の除去工程を行うことで、導電材50の高さをレジスト32の高さ、即ち形成すべき接続端子の高さにすることができ、なおかつCMPにより導電材50の上部を十分に平坦化できる。次に、以降の工程において図8及び図9に示した各工程を行うことにより、第1実施形態と同様の接続端子42を形成することができる。本実施形態においては、接続端子42の表面を平坦化できることで後述する半導体装置を積層させる際の接続を容易にし、又、信頼性を向上させることができる。
【0060】
〔第2実施形態の変形例〕
以上説明した第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、図11に示す状態にした後で、図8(a)に示すように一度レジスト32を除去してから、導電材36上及び開口部H4にレジスト40が形成される。しかしながら、図11に示す状態にした後で、第1実施形態の変形例と同様に、レジスト32を除去せずに導電材36及びレジスト32を覆う形状のレジストを形成することにより、レジスト40と同様のレジストを形成しても良い(この工程は、本発明にいう第3工程に相当する工程である)。以上の工程を経ることにより、工程数を短縮することができ、その結果として製造効率の向上を図ることができるとともに、歩留まりの低下を招く虞が低減される。
【0061】
以上説明した第1実施形態若しくは第2実施形態又はこれらの変形例を用いて製造された半導体装置は、例えば接続端子42が基板の裏面に露出するまで基板30の裏面が研磨され、裏面に露出した接続端子42と表面に露出した導電材36が電気的に接続された電極が形成される。そして、基板30の表面及び裏面に共に電極が形成された半導体装置を積層し、又は、基板30の表面及び裏面に共に電極が形成された半導体装置を少なくとも1つ含んで積層して半導体装置間を配線することにより高密度実装が可能な三次元実装型(スタックド型)の半導体装置が製造される。
【0062】
尚、半導体装置を積層するには、上下に配置された半導体装置の電極を、ハンダ等のロウ材によって電気的な導通を取りつつ、接合するようにしても良い。また、半導体装置を接合するためだけの接着材を用いても良い。この接着剤は、液状又はゲル状の接着剤であってもよいし、シート状の接着シートであってもよい。接着剤は、エポキシ樹脂を主な材料とするものであってもよく、絶縁性のものであってもよい。
【0063】
また、接着剤により半導体装置同士を接合するだけではなく、電気的な導通を取る場合には、導電性物質を含んだ接着剤を用いても良い。この導電性物質は、例えば、ロウ材、ハンダ等の粒子で構成され、それらが接着材料中に分散している。こうすることで、被接続体同士の接合時に、その粒子が接合のロウとして働き、接合性をさらに著しく向上することができる。
【0064】
接着剤は、導電粒子が分散された異方性導電接着剤(ACA)、例えば異方性導電膜(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)であってもよい。異方性導電接着剤は、バインダに導電粒子(フィラー)が分散されたもので、分散剤が添加される場合もある。異方性導電接着剤のバインダとして、熱硬化性の接着剤が使用されることが多い。その場合には、配線パターンと電極との間に、導電粒子が介在して両者間の電気的な接続が図られる。
【0065】
また、半導体装置に形成された電極間の電気的な接続には、Au−Au、Au−Sn、ハンダ等による金属接合を適用してもよい。例えば、電極にこれらの材料を設け、熱のみ、超音波振動のみ、又は超音波振動及び熱等を印加して両者を接合する。両者が接合されると、振動や熱によって電極に設けられた材料が拡散して金属接合が形成される。
【0066】
以上のように積層されて形成される三次元実装型の半導体装置の最も下(又は最も上)に位置する半導体装置の電極には、外部端子が設けられる。この外部端子はハンダ又は金属等で形成することができるが、必ずしもこれらに制限される訳ではなく、導電性の部材で形成すればよい。また、ハンダボールは必ずしも必要ではなく、半導体装置を基板上に実装して、半導体モジュールを構成してもよい。さらに、ハンダボールを形成せず、マザーボード実装時にマザーボード側に塗布されるハンダクリームを利用し、その溶融時の表面張力で電気的接続部を形成してもよい。
【0067】
以上説明した第1実施形態及び第2実施形態並びにこれらの変形例では、三次元実装構造とした半導体装置として用いられ、導電性部材としての外部接続用の接続端子が形成された半導体装置の製造方法を例に挙げて説明した。しかしながら本発明はかかる半導体装置に制限される訳ではなく、高さが高い(厚みのある)導電性部材を有する半導体装置を製造する場合について適用可能である。
【0068】
次に、本発明を再配線(再配置配線)について適用した実施形態について説明する。まず、再配線について簡単に説明する。図12は、半導体装置に形成された再配線を説明するための図である。図12(a)に示すように、一連の製造工程を経て半導体装置としての半導体チップ61が半導体ウェハ60に複数形成される。
【0069】
図12(b)に示すように、半導体チップ61は矩形形状であり、その平行な一対の辺に沿って複数の電極62が形成されている。図12(c)は、半導体チップ61の電極62が形成されている部位の拡大図である。この図12(c)に示すように、半導体チップ61の表面には円形形状の電極パッド63が複数個配列形成されており、各々の電極パッド63は再配線64によって電極62の何れか1つ又は複数の電極62に接続されている。
【0070】
図13は、図12(c)中に示したA−A線の断面矢視図である。尚、図13においては、半導体チップ61の表面にソルダーレジスト77が形成され、電極パッド63上にバンプ78が形成され、更には根本補強樹脂79が形成された状態を図示している。図13において、電子回路が形成されたSi等の基板71上には電子回路の外部電極となる電極73が形成されており、電極73が形成されている部位以外の部位にはパッシベーション膜72が形成されている。
【0071】
パッシベーション膜72上には、ポリイミド等の樹脂からなる絶縁層74が形成されている。尚、絶縁層74には電極73の上部に開口部が設けられている。この開口部及び絶縁層74上には、導電層75,76が形成されており、これらの導電層75,76上に再配線64が設けられている。この再配線64は、前述した第1実施形態及び第2実施形態並びにこれらの変形例により形成される。この再配線64は、絶縁層74に形成された開口部内に導電材が充填され、且つ導電材が絶縁層74上に形成された構成である。電極73の上方に形成された再配線64の一部は図12(b)及び図12(c)に示した電極62とされ、再配線64の一方の端部は電極パッド63とされる。
【0072】
電極パッド63とされている部位以外にはソルダーレジスト77が形成されている。ソルダーレジスト77は、まず再配線64が形成されている半導体チップ61の上面にソルダーレジストを塗布し、電極パッド63とされている部分をフォトリソグラフィ又はレーザを用いて電極パッド63を露出させることにより形成される。そして、ソルダーレジスト77を形成した後で、バンプ78が形成される。
【0073】
バンプ78は、例えばはんだバンプであり、印刷法等を用いて電極パッド63上にはんだを印刷した後で、リフロー工程を経ることにより形成される。尚、バンプ78は、はんだの他に銅等によって形成してもよい。バンプ78を形成した後で、電極パッド58からのバンプ78の脱落を防止するための根本補強樹脂79が形成される。尚、図13に示したようなバンプ78を形成せずにマザーボード実装時にマザーボード側に塗布されるハンダクリームを利用し、その溶融時の表面張力で結果的に外部端子を形成するようにしても良い。この半導体装置は、いわゆるランドグリッドアレイ型の半導体装置である。
【0074】
図14は、回路基板の概略構成を示す斜視図である。図14に示すように、本発明の一実施形態による半導体装置の製造方法により製造された半導体装置101が回路基板100上に搭載されている。回路基板100には例えばガラスエポキシ基板等の有機系基板を用いることが一般的である。回路基板100には例えば銅等からなる配線パターンが所望の回路となるように形成されており、それらの配線パターンと半導体装置101の配線パターンとが機械的に接続され、又は、上述した異方性導電膜を用いて電気的な導通がとられている。また、本発明の実施形態による半導体装置を有する電子機器として、図15にはノート型パーソナルコンピュータ200、図16には携帯電話300が示されている。半導体装置及び電気光学装置又は上記の回路基板は各電子機器の筐体内部に配置される。
【0075】
また、電子機器は、上記のノート型コンピュータ及び携帯電話に限られる訳ではなく、種々の電子機器に適用することができる。例えば、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の電子機器に適用することが可能である。
【0076】
尚、上述した実施の形態の「半導体チップ」を「電子素子」に置き換えて、電子部品を製造することもできる。このような電子素子を使用して製造される電子部品として、例えば、光素子、抵抗器、コンデンサ、コイル、発振器、フィルタ、温度センサ、サーミスタ、バリスタ、ボリューム又はヒューズなどがある。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、形成すべき導電性部材となる導電材の上部及び側壁の少なくとも一部をレジストで覆った状態で不要な導電材をエッチングしているため、微細化及び狭ピッチ化した場合であっても、高さが高い(厚みのある)導電材を所望の形状に形成することができるという効果がある。
また、本発明によれば、レジストを覆うように導電材を形成し、レジストが露出するまで導電材の上部を除去しているため、形成された導電材が平坦性を有していなくとも、導電材の上部を除去することで、導電材の平坦性を確保することができるという効果がある。
また、本発明によれば、第1工程においてレジストをドライフィルム又は印刷により形成しているため、基板表面全体にレジストを塗布した後でパターニングしてレジストを形成する場合のようにレジストのパターニングにおけるレジストの残渣が生ずることがないという効果がある。この結果として製造歩留まりの向上を期待することができるという効果がある。
また、本発明によれば、第1工程で形成されるレジストとして絶縁性を有するレジストを用いているため、第1工程で形成されるレジストを除去せずに絶縁部材として用いるといった使い方が可能であるという効果がある。これにより、別工程で絶縁層を形成する工程を省略することが可能となり、工程数を低減させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態で用いられる半導体基板の製造工程の一例を示す工程図である。
【図2】 本発明の実施形態で用いられる半導体基板の製造工程の一例を示す工程図である。
【図3】 本発明の実施形態で用いられる半導体基板の製造工程の一例を示す工程図である。
【図4】 本発明の実施形態で用いられる半導体基板の製造工程の一例を示す工程図である。
【図5】 本発明の実施形態で用いられる半導体基板の製造工程の一例を示す工程図である。
【図6】 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法における一連の製造工程の内の、本発明に関連した工程を示す工程図である。
【図7】 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法における一連の製造工程の内の、本発明に関連した工程を示す工程図である。
【図8】 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法における一連の製造工程の内の、本発明に関連した工程を示す工程図である。
【図9】 本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法における一連の製造工程の内の、本発明に関連した工程を示す工程図である。
【図10】 本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法における一連の製造工程の内の、本発明に関連した工程を示す工程図である。
【図11】 本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法における一連の製造工程の内の、本発明に関連した工程を示す工程図である。
【図12】 半導体装置に形成された再配線を説明するための図である。
【図13】 図12(c)中に示したA−A線の断面矢視図である。
【図14】 回路基板の概略構成を示す斜視図である。
【図15】 半導体装置を有する電子機器の一例を示す図である。
【図16】 半導体装置を有する電子機器の他の例を示す図である。
【符号の説明】
16……電極パッド(電極)
30……基板
32……レジスト
34……導電材
36……導電材
38……導電材
40……レジスト
42……接続端子(導電性部材)
50……導電材
64……再配線
73……電極
74……絶縁層
H1……開口部
H2……開口部
H3……孔部(孔)
H4……開口部
Claims (5)
- 導電性部材を形成すべき位置の下方に開口部を有する電極と当該電極の開口部に連通する孔とが形成された基板上に、形成すべき導電性部材の外形形状の少なくとも一部に沿ってレジストをドライフィルム又は印刷により形成する第1工程と、
前記レジストが形成された部位以外の部位に、前記レジストを覆うように導電材を形成する第2工程と、
前記導電材の上部を除去して前記第1工程で形成されたレジストを露出させる除去工程と、
形成すべき導電性部材となる導電材の上部及び側壁の少なくとも一部が覆われるように、前記第2工程で形成された導電材上にレジストを形成する第3工程と、
前記レジストをマスクとして前記導電材をエッチングして前記導電性部材を形成する第4工程と
を含み、
前記第2工程は、前記電極の開口部内及び前記孔内に前記導電材が充填されるように前記導電材を形成する工程である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 導電性部材を形成すべき位置の下方に開口部を有する電極と当該電極の開口部に連通する孔とが形成された基板上に、形成すべき導電性部材の外形形状の少なくとも一部に沿ってレジストをドライフィルム又は印刷により形成する第1工程と、
前記レジストが形成された部位以外の部位に、前記レジストを覆うように導電材を形成する第2工程と、
前記導電材の上部を除去して前記第1工程で形成されたレジストを露出させる除去工程と、
前記第1工程で形成したレジストを除去し、形成すべき導電性部材となる導電材の上部及び側壁の少なくとも一部が覆われるように、前記レジストを除去した部位及び前記第2工程で形成された導電材上にレジストを形成する第3工程と、
前記レジストをマスクとして前記導電材をエッチングして前記導電性部材を形成する第4工程と
を含み、
前記第2工程は、前記電極の開口部内及び前記孔内に前記導電材が充填されるように前記導電材を形成する工程である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記除去工程は、化学機械的研磨により前記導電材の上部を除去する工程であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第4工程の後に設けられ、少なくとも前記導電材上に形成されたレジストを除去する第5工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1工程で形成されるレジストは、絶縁性を有する感光性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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