JP4300730B2 - 永久磁石電動機装置、冷凍サイクル装置、永久磁石電動機の駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石電動機及びそれを駆動する駆動装置に関するもので、特に電動機の定数を駆動装置自身で同定することによって電動機の高効率運転状態を維持するよう制御する技術、及びその技術を使用した冷凍サイクル装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、例えば特開2000−341999号公報に示された従来の同期電動機の逆起電圧定数の定数同定方法に関するものである。本技術が示されている公報では、逆起電圧定数を誘起電圧定数と記述しているが、同一のものである。図10において、101は速度コントローラ、102はδ軸電流コントローラ、103はγ軸電流コントローラ、104はベクトル制御回路、105はインバータ回路、106は同期電動機、108はγδ軸電流、誘起電圧推定器、113は電動機定数同定器である。
【0003】
図10の動作について説明する。γδ軸電流、誘起電圧推定器108にて、γδ軸上での電流推定値および誘起電圧推定値を出力する。出力された電流推定値及び誘起電圧推定値に基づいてγδ軸電流補正器112を介してδ軸電流コントローラ102およびγ軸電流コントローラ103にて電動機106に流れる電流をコントロールし、誘起電圧推定器108にて推定される誘起電圧推定値を更に求める。これらの推定値の偏差がゼロになるよう定数同定を電動機定数同定器113にて行い、定数の同定を行うものである。
【0004】
これにより、同定された電動機定数によって高性能な電動機制御ができるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開2000−341999号公報に示されている技術は、同期電動機の位置を検出しない位置センサレス方式を採用している。そのため、速度の推定や位置の推定を行うことも同時に行うような制御ブロックに図10はなっている。
【0006】
しかしながら、速度や位置を推定するために電動機定数は必要なのであるが、その電動機定数を同定する為、γδ軸上の電流の推定値と検出値とから誘起電圧を推定し、電動機定数を同定している。このように制御ブロックを構成すると、電動機定数の同定に誤差を生じると、速度や位置の推定にも誤差を生じる結果となり、位置の推定に誤差が生じると、3相電流をγδ軸上の電流に変換する部分にも誤差が発生し、推定の推定にて成り立つ制御であるため、全ての推定に対し誤差が許容されない高性能な制御が必要とされる技術である。
【0007】
さらに、γδ軸電流を定数同定のために電流制御するため、同定のために電圧を印加しており、モータの最高効率動作点となるような最適電圧印加となっていない。特開2000−341999号公報に示されている技術は、電動機の効率よりも速度応答性や安定性などいった制御性能を追求する技術である。
【0008】
また、特開平9−191698号公報にも同様な技術が記載されているが、位置推定を行う制御ブロック内部にて電動機定数を同定、推定をする制御ブロックを構成しており、これも制御性能を追求する技術である。
【0009】
さらに、特開2000−245191号公報に示される技術は、電動機が回転中に印加電圧を遮断し、その際の端子電圧と速度を検出することによって、逆起電圧定数を算出するものである。特開2000−245191号公報に示される技術では、一時的にも印加電圧を遮断してしまうため、電動機の速度が低下し、電動機に接続されている負荷によっては、印加電圧を遮断することは不可能であることもある。また、負荷の慣性力が小さい場合、印加電圧の遮断後に素早く電動機の端子電圧および速度を検出する検出の速度応答も必要であり、そのような状態の速度の検出は、非常に高い精度が要求される。
【0010】
また、印加電圧の遮断を瞬時に解除しても電動機が停止もしくは停止状態に近い状態にまで速度が低下してしまい、再起動といった状況といった状況に陥る可能性がある。センサレス駆動の場合、100%起動が確実とは言えず、逆起電圧定数の同定のために電動機が一時的にも停止してしまう恐れがある。
【0011】
さらに、特開2000−312498号公報にも永久磁石同期電動機の電動機定数を同定する同定方法の技術が示されている。永久磁石の磁束φを回転中に検出する方法が示されているが同様に制御性能を追求するものであり、更に、位置センサレスではなく、位置センサを用いたセンサ駆動の構成であるため、特開2000−312498号公報に示される技術をセンサレス駆動に適用することは非常に難しい。
【0012】
また、特開平9−182499号公報、および特開平10−229700号公報にも電動機定数を同定する技術が示されているが、精度の良い制御を追及するものであって、更に付け加えると前述と同様に位置センサによって電動機定数を精度良く検出可能な技術であって、位置センサレスの場合、適用は難しい。
【0013】
本発明は上記の課題を解決するために鑑みられたもので、位置センサ駆動制御であろうと位置センサレス駆動制御であろうと、常に効率良く運転できる信頼性の高い永久磁石電動機装置及び永久磁石電動機の駆動方法を得ることを目的とする。本発明は電動機が動作することによって時々刻々変化する電動機定数を検出しながら、電動機を高効率動作状態にて運転する永久磁石電動機装置及び永久磁石電動機の駆動方法を得ることを目的とする。更に本発明は位置センサレス駆動を実現し、かつ位置センサレス駆動に対し効率良く運転できる永久磁石電動機装置を得ることを目的とする。本発明は効率の良い信頼性の高い冷凍サイクル装置を得ようというものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明の永久磁石電動機装置は、インバータにて駆動され運転する突極性を有する永久磁石電動機と、前記永久磁石電動機の回転子の位置を検出しあるいは位置を推測して前記インバータを制御するインバータ制御手段と、前記インバータ制御手段に設けられ前記永久磁石電動機の運転開始前および運転途中に前記永久磁石電動機の少なくともモータの抵抗成分、d軸インダクタンス成分、q軸インダクタンス成分および永久磁石が回転したときの誘導電圧の角速度比例係数である逆起電圧定数とからなる電動機定数を同定する定数同定手段と、前記定数同定手段に同定された前記電動機定数に基づいて前記永久磁石電動機の出力を算出しこの算出結果により前記インバータ制御手段への指令値を調整する調整手段と、を備え、前記永久磁石電動機が動作中に同定された電動機定数、及び前記永久磁石電動機に流れる電流を電流検出器にて検出した電流値に基づき算出される指令値の調整に応じて、前記永久磁石電動機を高効率動作状態にて運転するよう制御するものである。
【0015】
請求項2に係る本発明の永久磁石電動機装置の定数同定手段は、永久磁石電動機を回転させないようにインバータを動作させて電動機定数を同定するものである。
【0016】
請求項3に係る本発明の永久磁石電動機装置の定数同定手段は、永久磁石電動機の一定速度運転中に検出した電流を用いて電動機定数を同定するものである。
【0018】
請求項4に係る本発明の永久磁石電動機装置は、永久磁石電動機が動作中に同定された電動機定数、永久磁石電動機に流れる電流を電流検出器にて検出した電流値、及び永久磁石電動機の回転速度と、に基づき算出され調整された指令値に応じて、永久磁石電動機への印加電圧および永久磁石電動機の回転速度の双方を調整することによって永久磁石電動機を高効率動作状態にて運転するよう制御するものである。
【0019】
請求項5に係る本発明の永久磁石電動機装置は、定数同定手段にて同定される永久磁石電動機の逆起電圧定数は、指令値から設定されるインバータにおける回転座標軸あるいは永久磁石電動機における検出された回転座標軸と永久磁石電動機の予測された座標軸との間の誤差分を算出し、この誤差分を補正したモータの回転座標軸上の値を用いて逆起電圧定数を算出するようにしたものである。
【0020】
請求項6に係る本発明の永久磁石電動機装置は、永久磁石電動機の温度による変化する定数を定数同定手段にて同定し、電動機温度を維持するものである。
【0021】
請求項7に係る本発明の永久磁石電動機装置は、定数同定手段にて同定された逆起電圧定数と予め設定されている常温時の逆起電圧定数との値より電動機温度を推定し、推定した温度における電動機の抵抗成分を温度補正して抵抗成分を同定するものである。
【0022】
請求項8に係る本発明の永久磁石電動機装置は、インバータ制御手段で同定される永久磁石電動機の定数あるいは算出される出力あるいはこれらの定数や出力を含むパラメータをインバータ制御手段の外部に引き出し可能にしたものである。
【0023】
請求項9に係る本発明の永久磁石電動機装置は、インバータ制御手段で同定される永久磁石電動機の定数あるいは算出される出力あるいはこれらの定数や出力を含むパラメータと、あらかじめ設定された値とを比較して所定以上の差を検出した時に表示または報知するものである。
【0024】
請求項10に係る本発明の永久磁石電動機装置は、永久磁石電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、電流検出器にて検出された電流を用いて電動機の回転子位置を検出することなく位置センサレス駆動するインバータ制御手段と、を備えたものである。
【0025】
請求項11に係る本発明の永久磁石電動機装置は、同定手段で同定された電動機定数の変化を遅らせるものである。
【0026】
請求項12に係る本発明の冷凍サイクル装置は、本発明の永久磁石電動機装置を使用し、冷媒を冷凍サイクルに吐出する圧縮機と、を備え、冷媒の温度もしくは圧力による永久磁石電動機の環境変化に対して電動機定数を同定し、同定したこの電動機定数を使用し、永久磁石電動機を駆動するものである。
【0027】
請求項13に係る本発明の永久磁石電動機の駆動方法は、突極性を有する永久磁石電動機の少なくともモータの抵抗成分、d軸インダクタンス成分、q軸インダクタンス成分とからなる電動機定数を永久磁石電動機を回転させずに同定するステップと、永久磁石電動機を回転させずに同定した後で永久磁石が回転したときの誘導電圧の角速度比例係数である逆起電圧定数からなる電動機定数を永久磁石電動機を一定速度で回転させて同定するステップと、同定された電動機定数に基づいて永久磁石電動機の負荷運転中の出力から運転状態を算出するステップと、を備え、永久磁石電動機が動作中に同定された電動機定数、及び永久磁石電動機に流れる電流を電流検出器にて検出した電流値に基づき算出される指令値の調整に応じて、永久磁石電動機を高効率動作状態にて運転するよう制御するものである。
【0028】
請求項14に係る本発明の永久磁石電動機の駆動方法は、永久磁石電動機の負荷運転中に永久磁石電動機に流れる電流を検出し、電流を一定とする制御に対しトルクを大とする方向に、あるいは回転速度を一定とする制御に対し電流を小とする方向に、電流指令値を補正するステップと、を備えたものである。
【0029】
請求項15に係る本発明の永久磁石電動機の駆動方法は、突極性を有する永久磁石電動機の少なくともモータの抵抗成分、d軸インダクタンス成分、q軸インダクタンス成分とからなる電動機定数を前記永久磁石電動機を回転させずに同定するステップと、永久磁石電動機を回転させずに同定した後で永久磁石が回転したときの誘導電圧の角速度比例係数である逆起電圧定数からなる電動機定数を永久磁石電動機を一定速度及び一定電流で回転させて同定するステップと、同定された電動機定数に基づいて高効率状態にて運転しつつ永久磁石電動機の負荷運転中の定数あるいは定数を含むデータが所定の範囲かどうかを判断するステップと、を備えたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1を示す回路ブロック図である。図1において、1は永久磁石電動機(モーター)、2はモーター1を駆動するインバータ、3はモーター1の回転子位置を検出せずにモータ1を駆動するよう制御するセンサレス制御部、4はモーター1に流れる電流を3相交流座標系から直交座標系へ座標変換を行う3軸2軸変換部、5はセンサレス制御部3にて算出された2軸電圧をインバータ2から出力する為、3相交流座標系へ座標変換を行う2軸3軸変換部、6はモーター1を駆動制御する為にセンサレス制御3へ入力される指令値が格納されている指令値格納部、7はモーター1に流れる電流を検出する電流検出器である。
【0031】
図1において、前記モーター1から電流検出器7にて電流を検出した信号を使用し、モーター1の回転子位置を検出することなく位置センサレスにてモーター1を駆動することが可能である。但し後述のようにセンサレスでなくモーター1のローター位置を検出してモーター定数を同定しても良い。なおこの場合位置センサ付きで位置を検出していてもモーターの固定子巻線が集中巻きのような場合固定子からの磁束が歪みセンさにて検出している軸が真のモーター軸とずれる場合があり、センサ駆動の場合であってもセンサレスと同様に電流を検出して軸位置を推測し補正したり軸位置として使用することは望ましい。ここで同定という言葉を使用するがこの同定、identify、は固有の値を計測し検出することで特定する、という意味でモーター自身の持っている特性を特定する、すなわちモーター個々にばらつきはあるが1つの個体には1つの特性を持っているのでそれを特定するという意味である。
【0032】
図1は電源からの電力をインバータで電圧制御してモータを駆動し回転数や出力、トルクなどを制御する回路構成で、通常の位置センサレス制御における制御ブロックに対し、モーター1のモータ定数を同定するモータ定数同定部10と、モータ定数同定部10にて同定されたモータ定数を用いてモーター1の出力を算出するモータ出力算出部11と、センサレス制御部3へ入力されている指令値をモータ出力算出部11にて算出したモーター出力に応じて調整する指令値調整部12を付加することによって構成されるものである。
【0033】
まずは、図1におけるセンサレス制御について簡単に説明する。インバータ2から電圧が出力されると、モーター1に電流が流れ、モーター1を駆動することができる。モーター1は永久磁石電動機であるため、モーター1の回転子の位置に応じて電圧をモーター1に印加しなければモーター1を駆動し続けることはできない。そこで、モーター1に流れる電流を電流検出器7にて検出し、検出した3相電流(Iuvw)を3軸2軸変換部4にて、直交座標系である2軸電流(Iγδ)に変換する。
【0034】
変換された2軸電流(Iγδ)をセンサレス制御部3へ入力し、センサレス制御部3内部で演算することによって、出力すべき2軸電圧(Vγδ)と、3軸2軸変換部4および2軸3軸変換部5にて使用する座標変換角度(θm)およびモータ1の角速度(ω1)を得る。このVγδとθm、ω1を得るために、一般的にはモータの電圧電流方程式を用いて算出するが、本発明ではどのような方法でVγδとθm、ω1を算出するかを問題にしているのではない。モーターの電圧電流方程式を用いてセンサレス駆動するようなセンサレス制御部3であればよいことは言うまでもない。
【0035】
センサレス制御部3にて、算出されるVγδを2軸3軸変換部5に入力し、3相交流電圧(Vuvw)に座標変換し、インバータ2へ入力する。この3相交流電圧(Vuvw)に従い、インバータ2よりモータ1へ電圧が印加されモーター1がセンサレス駆動されるというのが、一般的な電流検出による位置センサレス駆動である。
【0036】
センサレス制御部3の構成方法に対しては多くの技術が示されており、3軸2軸変換部4や2軸3軸変換部5の座標変換のための角度θmとしてモーター上の回転軸角度を推測する方式やインバータ上の回転軸をθmとして直接使用する方式などの技術が知られている。本発明はどのような構成のセンサレス制御3でも良いが、モーターの電圧電流方程式を用いてセンサレス駆動する方式である必要がある。これは、モーターの電圧電流方程式にはモータ定数が使用されており、このモータ定数を同定してモーター1を最適駆動することが本発明の主旨だからである。なお回転子の位置を検出して制御する場合でもモーターの電圧電流方程式を用いて駆動する方式である必要がある。これは、モーターの電圧電流方程式にはモータ定数が使用されており、このこの制御する特定のモーターの特定のモータ定数を同定してこのモータ1を最適駆動する為である。
【0037】
次に、図に示すセンサレス制御に使用される制御ブロック以外の構成要素について説明する。モータ定数同定部10では、永久磁石電動機であるモーター1のモータ定数を同定する。同定するモータ定数は、一例として、モーターの抵抗成分(R)、d軸インダクタンス成分(Ld)、q軸インダクタンス成分(Lq)、逆起電圧定数(φ)の4種とする。
【0038】
これらのモータ定数は、センサレス制御部3にてセンサレス駆動するためには不可欠のものであり、これら定数の値がモーター1の固有の値と異なると、モーター1の効率が低下しモーター性能が低下するだけでなく、モーター1が動作不能に陥ることもあり得る。そこで、まず、モーター1の駆動開始前に、モーター1のモータ定数を同定する。例えば、モーター1の抵抗成分を同定するには、モーター1を拘束されるようインバータ2より電圧を印加して流れた拘束電流から抵抗成分を同定することが最も容易であり、一般的に知られる方法である。図2に示す回路ブロック図は、モータ1を拘束する通電方法の一例を示すものである。なおインバータ2のモーター1と反対側には記載していないが電源、直流電源でも交流電源をコンバータで整流し直流に変換するものでも良いが、存在しモーターを駆動する電力を供給する。
【0039】
図2に示されるインバータ2は6ヶのパワー素子2a〜2fとコンデンサ2gとで構成されている。パワー素子はそれぞれスイッチ動作を行うスイッチとスイッチと逆並列に接続されるダイオードの一対にて構成されている。モータ1を拘束するためには、モータ1に直流を印加すればよいので、図2に示すように2aおよび2d、2fをオンさせその状態を維持すれば、直流を励磁することとなり拘束電流が流すことが可能である。尚、図2において実線は拘束電流が流れる経路を示し点線は電流が流れない素子を示している。また、電流の流れる方向を矢印として表す。パワー素子2a〜2fの動作はその制御端子にセンサレス制御部3から信号を供給することで行われる。センサレス制御部には記憶手段や演算手段が設けられており、モーター1を拘束する指令が来た場合にあらかじめ記憶手段に位置とインバータの各パワー素子の動作の関係を記憶させておくので、この記憶されあらかじめ設定された位置に回転子を拘束できることになる。
【0040】
ここで、パワー素子2a、2d、2fをオンし続け、かつコンデンサ2gの両端電圧がモータ1の抵抗成分に比して非常に高い場合、モータ1に過大な電流が流れてしまう。通常、パワー素子2aをオンオフすることによって、モータ1に過大な電流が流れないように制御する。パワー素子2aがオフする期間は、パワー素子2bのダイオードを介して拘束電流が流れる。このようにパワー素子2aのオンオフの割合を制御することによって、電流量も制御でき、モータ1の相抵抗(R)を同定することが可能である。なお電流量の制御はあらかじめ設定しておいても良いし計測値に基づいて低い電流に下げる制御でも良い。
【0041】
図3に抵抗の同定方法の一例を示すフローチャートを示す。図4(a)は等価回路図、図4(b)は特性図である。このフローチャートの動作はセンサレス制御部3の中に記憶されている。まず、パワー素子の2d、2fをオンさせる。この2つのパワー素子はオンさせ続ける。(s−101)。次に、パワー素子2aのオンオフを開始する。尚、パワー素子2aのオン割合は徐々に増加させるよう制御し、開始時は、予め設定される開始割合にて開始するように構成すればよい。(s−102)
【0042】
パワー素子2aのオンオフを開始すると、モーター1に電流が流れ始める。モーター1が拘束されていると考えると、モーター1は単なるLR負荷と考えることができ、図4(a)に示すような回路で等価的に表すことができる。LR負荷に直流電圧を印加するため、図4(a)におけるスイッチSをt=0にてオンした場合(図4中では直流電圧をEとした)、図4(b)に示すとおり、ある一定時間経過すると、電流は一定値(E/R)に収束、安定することは公知の理論である。
【0043】
従って、パワー素子2aの動作を開始後、過電流レベルに達しず(s−103)、電流が上昇し続けている(s−104)の場合、パワー素子2aのオン割合を増加して(s−105)、パワー素子2aのオンオフ動作を継続させる。検出された電流が安定した場合、検出された電流値を用いて抵抗成分を算出する(s−106)。以上のような動作により、相抵抗(R)は同定可能である。
【0044】
次に、インダクタンス成分の同定方法について述べる。モーター1は永久磁石電動機であり、モーター1が回転した場合、回転子に構成されている永久磁石による誘導電圧がモーター1の固定子側に誘起される。その為、前述の抵抗の同定方法もモーターが回転しないよう拘束して同定する方法について述べたが、インダクタンス成分についてもモーター1を回転させずに同定する方が容易である。
【0045】
そこで、モーター1に高周波のパルス電圧を印加する。印加されるパルス電圧によりパルス電流が流れるが、パルス電圧の印加によってモーター1が回転しなければ、前述と同様、モーター1はLR負荷と考えることができる。印加されるパルス時間が微少時間でLRの時定数よりも遙かに小さい場合、流れるパルス電流に抵抗成分Rの影響がでない。
【0046】
これを図4を用いて考える。図4(a)中におけるスイッチSを微少時間オンさせるということとパルス印加とは同義である。LR直流回路における電流iを時間tの関数とすれば、iのtにおける関数は次の数式1のようにおける。
【0047】
【数1】
【0048】
tが微少時間であるとすると、t=0の極限を求めると、E/Lとなり、抵抗成分Rの影響を排除できるのである。従って、パルス印加により抵抗成分Rが除去でき、モーター1が回転しないため誘導電圧の影響も無視できる為、印加するパルス電圧と検出されるパルス電流からインダクタンス成分が同定できる。
【0049】
ここで、モーター1を静止2軸座標系にて考えると、抵抗成分および誘導電圧、角速度が0とおけるので、高周波パルス印加時は、下式のようにインダクタンス成分(Ld、Lq)のみでモーター1を電圧電流方程式にて表すことができる。尚、静止2軸座標系の電圧をVα、Vβ、電流をiα、iβとし、モータ1の回転子の位置をθとする。
【0050】
【数2】
【0051】
上式より、電圧、電流、回転子位置がわかれば、モーター1のインダクタンス成分であるLd、Lqが算出できる。ここで、電流は電流検出器7にて検出し、電圧はインバータ2より出力するのでセンサレス制御部3にその制御信号が存在し、電圧電流は既知となるが、本構成では位置センサレスの制御ブロックに追加してモータ定数を同定するモータ定数同定部10であるから、回転子位置θは既知でない。
【0052】
そこで、例えば、前述の抵抗同定のためのモーター1の拘束が有効となる。これは、拘束するためにパワー素子を動作させ永久磁石電動機1に働きかけており、動作させたパワー素子の組み合わせによって、モーター1の拘束される位置は先に述べた様に一意に決定する。そこで、拘束動作後に、インダクタンス成分の同定を実施すると、回転子位置も既知の状態で、上式によってインダクタンス成分を算出できる。
【0053】
また、上記のように拘束後に行うというのは一例であり、他にも回転子位置θを消去する方策はある。例えば、モータ1が三相モータであれば、各巻線は120度の間隔を持って配置されるので、三相交流理論を用いて、次式を使用することが出来る。
【0054】
【数3】
【0055】
数3式から回転子位置θが不明でも、回転子が動かないようなパルスを印加しているので、上式から算出することも可能である。これはロータがある位置θで停止しておりパルスを印加してもロータが回転しなければ停止状態が維持されるのでパルス出力前のθとパルス出力後のθが一致し、同様のパルスをU,V,Wと3回出力すれば3相分の電流データが計測できこのデータと数3式を用いればθが除去できる。
【0056】
図5はインダクタンスの同定方法を示すフローチャートであり、図2のような状態で電源側からパルス電圧を印加S−201し、電流を検出S−202する。上記で説明したような算出式でインダクタンスを算出S−203する。このようにインダクタンスを同定すると、残るモータ定数は、逆起電圧定数(φ)である。逆起電圧定数は回転子に構成された永久磁石が回転したときの固定子側の巻線に対する鎖交磁束Φの時間変化率にて発生する誘導電圧の角速度比例係数である。言い換えると、角速度が0の場合、dΦ/dt=0となり、検出不能となる。
【0057】
従って、モーター1が微少でも動作する、すなわち回転する必要があり、モーター1を動作させて同定することとなる。センサレス制御部3にて逆起電圧定数φがモーター1の真値と異なる場合、センサレス制御部3でのセンサレス駆動に支障がでるため、センサレス制御部3で位置を推定しないインバータにより制御される他励による強制運転もしくは逆起電圧定数として何らかの概略値を入力して何らかの方法にてモーター1を駆動する。
【0058】
そこで、例えば、図6を使用して同定方法の一例を説明する。図6は逆起電圧定数を算出するフローチャートである。まずは、モーター1をインバータを電圧制御して強制的に回転させる(s−301)。そして、モーター1に印加する電圧及び周波数を徐々に上昇させていくと、モーター1はインバータ2で出力される回転磁界に回転子の磁石が引き込まれ、モーター1によって異なるもののある程度の回転数まで回転させることができる(s−302)。この際の回転速度は、インバータ2にて制御している周波数、すなわち出力している回転速度と一致する。これは、永久磁石電動機の特徴を利用するものである。
【0059】
そこで、予め与えられたある所定の回転数まで上昇した後、その回転数による安定回転状態を維持する(s−305)。安定回転時におけるモーター1の電圧電流方程式は、過渡項となる微分項が0になるため、算出しやすくなる。そこで、モーターの電圧電流方程式より、逆起電圧定数を算出する。但し、この場合、モーター1の抵抗成分Rおよびインダクタンス成分Ld、Lqを電圧電流方程式内に使用するため、前述に示した抵抗およびインダクタンスの同定完了後に行うことが重要である。尚、抵抗の同定とインダクタンスの同定の順序はどちらが先かは問題ではない。
【0060】
ここで、逆起電圧定数φを算出する方程式であるが、他励による強制駆動であるため、モータ1の回転子の位置θとインバータでの出力位置θ1は一致していないため、Δθ=θ−θ1なる位置の差分をΔθとすると、下式のように導くことができる。
【0061】
【数4】
【0062】
これらにインバータ2からの出力電圧、出力周波数、および電流検出器7にて検出した検出電流を用いて逆起電圧定数φをモータ定数同定部10内のマイコンでの演算処理により算出することができる。上式において、他励による強制運転中は、回転数が通常運転よりも低い回転数を予め設定しておけば、Δθが非常に小さくなる。そこで、モータ1による永久磁石の誘導電圧分よりもインダクタンスでの電圧降下の方が充分に小さいとして、上式のインダクタンスの式のみ下式のように近似する。
【0063】
【数5】
【0064】
上式のように近似すれば、電圧電流方程式は下式のようになり、逆起電圧定数φを容易に算出することができる。しかし、下式において負荷トルクが大きくなると、前記近似による誤差が発生するため、安定運転させる回転数はできる限り低く、負荷トルクの小さい領域での回転数を設定することが望ましい。
【0065】
【数6】
【0066】
尚、負荷トルクがかかる領域では、前述の通り、上式では誤差が発生するため、定常運転中の同定によって誤差を抑制することが望ましい。
【0067】
例えば、Δθを近似せず算出すれば、モーター1の回転子位置θをΔθ=θ−θ1の数式より算出できる。そして、算出した回転子位置θによる3軸2軸変換を行えば、モーター1上における回転座標軸上の計算となり、正確な逆起電圧定数Φを算出できるが、この方法を用いると多少複雑な制御となる。
【0068】
以上のようにして、モーター1を定常運転する前にモーター1のモータ定数を同定するようモータ定数同定部10が作用する。また、モータ1は定常運転中にも、モータ定数が変化する。モータ定数において、抵抗Rと逆起電圧定数φは温度依存性を有し、インダクタンスLd、Lqは電流依存性を有するからである。従って、センサレス制御部3にてモーター1をモータの負荷に必要な通常の定常運転している最中でも、モータ定数を同定するようモータ定数同定部10は動作することができる。
【0069】
モータ定数同定部10にてモータ定数を同定するのであるが、起動前にモータ定数の同定作業を行うため、センサレス制御部3はモータ定数同定部10の運転中の同定結果が無くともセンサレス駆動可能であり、また、図1に示すとおり、センサレス制御部3は独立に動作可能なように構成しているので、あらかじめ設定された定数や指令値で同定結果が無くともセンサレス駆動可能である。
【0070】
ここで、前述の通り、モーター1のモータ定数はモーター1の運転によって変化するため、運転に支障を起さない精度の良い制御や効率向上を考えると運転中にも同定する必要がある。運転中の同定は、モーターの電圧電流方程式を用いる。前述通り、定常回転にて安定にセンサレス運転中であれば、過渡項がゼロになるので、微分項=0とおける。センサレス運転中は、センサレス制御部3にて計算される位置データからモータ1の回転軸上に座標変換を行い、下式のようなモーター1の回転軸となるdq軸上での方程式から求める。
【0071】
【数7】
【0072】
この場合、抵抗Rは温度依存性であり、温度は微少時間で上昇しないとして、抵抗Rは不変として、上式よりLqおよびφを算出する。φの算出時にLdの影響がでるが、Ldは電流依存性がきわめて小さいことを利用して、まずはφを算出する。
【0073】
さらに、φの温度変化量は、磁石材料の特性にて決まるため、φを同定することによって、概略温度が推定でき温度依存性の抵抗値を同定することができる。例えば低速時の低い温度の時と負荷が加わり高い電流の場合の両方の逆起電圧定数を求めることにより理論的にもまたあらかじめ実験により求め記憶された表を使用するなどして回転子の温度が推定できる。そして、最後にLdを同定するようにすると負荷に対する運転を続けた状態で定常運転中のデータにより同定することは可能である。
【0074】
同定したモータ定数にてセンサレス制御部3の値を補正するように構成するのであるが、あらかじめ設定されたデータに基づいて行われるセンサレス制御部3によるセンサレスにて回転速度や出力制御を行う制御よりも、同定した結果を反映させ行う制御による応答を遅くすることで、すなわち同定したデータに基づくセンサレス制御をループ速度をゆっくりすることによりハンチングを避けることができる。すなわちフィルタによりセンサレス制御部3での制御周期よりも遅い周期で制御してハンチングを避けることが出来る。このフィルタは同定前と同定後で電動機定数が異なる場合センサレス制御部あるいはセンサ制御部の制御周期よりも十分に長い、例えば10倍程度の時定数の周期、または時間で徐々に同定後の定数に近づける演算手段である。よりもまた、フィルタを介して徐々に同定結果を反映させるように構成しても問題はない。
【0075】
また、上述のようにモーター1の回転軸上の方程式から求めなくとも、インバータ2に接続されるモータ1が元々既知であれば、モーター1の温度特性における逆起電圧定数φ、抵抗Rはデータテーブルとして予め与え、モーター定数同定部にて温度を計測することによって定数を同定するように構成しても問題はない。
【0076】
またさらに、インバータ2に接続されるモーター1が既知であれば、モーター1の動作前にモータ定数同定の作業を行わず、予め設定しておいても問題はない。また、既知であるため予め設定しておき、起動前のモータ定数同定作業によって、電線の接続不良やモーターの取り付け間違いを検出できるようになり、製造不良のラインチェックを行うと信頼性向上につながる。さらに、製品毎の個体ばらつきを補正することも可能となり、更に信頼性が増加する。例えばモーターとして考えられない範囲の抵抗を検出した場合、言いかえると記憶された範囲を逸脱するデータが得られた場合、モーター定数同定部のマイコンの演算処理部では接続不良などの異常と判断させる。また取り付けられるモーターが既知であればそのモーター定数と本来接続されるべきモーターとが異なっているとして取付け不良の判定が可能である。モーター1の定数が既知であれば例えば計測値から同定したモーター定数が±20%以内で無ければ不良とか、あるいは複数のモーター定数の組合せで判断しても良い。これには各種パラメータ、例えば突極比=Lq/Ldや、モーターの時定数=R/Lや、インダクタンスの平均値=(Ld+Lq)/2のようなものでも良い。
【0077】
さらに、上記において同定するモータ定数はR,Ld,Lq,φの4種としたが、何も4種全て行わなくともよく、比較的変動が少ない定数が予め判明している場合は、その定数は除いても問題ないことは言うまでもない。また、逆起電圧定数φを同定するので永久磁石の減磁も検出でき、故障診断部などをセンサレス制御部3に有していても問題がないことは言うまでもない。以上のようにして、モーター1が回転している時、すなわち動作中でもモータ定数を同定するように、モータ定数同定部10は作用する。
【0078】
次に、モータ出力算出部11の動作について説明する。モーター1の出力は、トルクと回転数の乗算値にて定義される。通常、出力トルクは特別なセンサを設けない限り検出できないため、出力トルクは通常、検出することなくモーター1を動作させる。それは、モーター1が接続している負荷の負荷トルクが変化することにより、回転数が変化するので、モーター1を回転数制御していれば負荷トルクに対する必要トルクをモーター1より出力できるからである。
【0079】
しかしながら、モーター1は回転数と出力トルクの乗算値によって出力KWが決まり、この出力KWに応じた回転数にて駆動している方がモーター1の効率は高い。またさらに、モーター1を効率よく駆動させる電流の位相はトルク依存性があり、効率の高くなる電流位相角度は、回転数が変化してもほとんど変化しない。よって、モーター1を駆動するためにセンサレス制御部3へ入力する動作指令値となる電流指令と回転数指令は、モーター1の出力トルクに応じて変化させることで、モーター1を効率良く駆動させることが可能になる。
【0080】
そこで、モータ出力算出部11では、まず、モータ定数同定部10にて同定されたモータ定数を用いてモーター1の出力トルクを算出する。永久磁石電動機は、モーター1の極対数をPmとすると、下式の数8式にてトルクが与えられる。定常運転状態でもモータ定数を同定するため、精度の高い出力トルクを算出できる。
【0081】
【数8】
【0082】
モータ出力算出部11で、検出した電流値、同定した逆起電圧定数やインダクタンスのようなモータ定数、及びあらかじめ設定されたり記憶部に記憶されている極対数のようなデータに基づいて出力トルクおよびモータ出力KWを算出し、モーター1の出力を指令値調整部12に入力する。指令値調整部12では、モーター1の算出された出力トルク及びモーター出力KWに応じて、後に述べるようにモータ1の回転数指令値やγ軸成分の電流指令を調整する。図7にモーター1を回転2軸座標系にて記述したベクトル図を示す。dq軸はモーターの回転子を基軸とした座標軸であり、γδ軸はインバータ2におけるセンサレス制御部3内部の回転座標軸である。このような各軸はセンサレス制御部3で扱っており、ここで、電流iにおけるγ軸成分を変化させると電流iとq軸との位相差εが変化する。この位相差εによってモーターの効率が大きく変化する。
【0083】
インバータにおける電圧制御に必要な指令値は指令値格納部6に設定されている。この設定値は外部からの入力により簡単に変更されたり運転状況に応じて自動的に設定変更されるが、この指令値格納部から出力され調整された電流指令値Iγsに応じてモーターに印加される電圧がインバータの制御により変化する。この電流指令値Iγsの変化に応じてモーターに流れる電流と印可する電圧の位相が変化する。すなわち図7のベクトル図が示すように電圧と電流の位相差を変化させるようなもので、この位相差を動作点毎に、あるいは所定の時間毎に同じ電流値、すなわちスカラー量でトルクが最大となる位相差にモーター出力算出部11と指令値調整部12に設けたマイコンの演算部で算出しながら電流指令値Iγsの補正量を求め、電流指令値を補正することにより最も効率が高いモーターの駆動状態を得ることが出来る。なお同一電流であれば入力は同一となり、トルク最大なら出力最大となるので、効率を最大に制御することや、同一電流で最大トルクに制御することや、同一トルクで最小電流に制御することも可能である。すなわちモーターである永久磁石同期電動機の負荷の条件、例えば定速運転、負荷変動大などや、インバータ制御の目的に応じて電流一定の条件で最大トルクを求め制御したり、算出されたトルクが一定になるように電流を制御等を行えば良い。出力を算出して指令値を調整するだけでなく、出力トルクが最大となる、あるいはモーターの相電流が最小になるように電流指令値を調整するよう制御を構成し、出力を直接算出しないような構成であっても上記と同等な効果が得られることは言うまでもない。
【0084】
電流指令値Iγsを変化させるとd軸電圧Vdとq軸電圧Vqも変化する。ここでd軸電圧Vdとq軸電圧Vqの二乗和の平方根に変化が無ければ印加する電圧のスカラー値は変化しない。しかしながら電圧ベクトルの位相が変化すればd軸電圧Vdとq軸電圧Vqの値が変化し印加電圧が変化するので電流も変化する。これはスカラー値が一定でも位相が変化している。磁束によるトルクはq軸電流iqにより決まり、リラクタンストルクはid*iqの乗算値によって変化するので数8式の如く電流が変化すればトルクも変わる。従って出力トルクが変わるので負荷トルクが変わらなければモーターの回転数が変化する。もし回転数制御を行っているとすると回転数が変わることにより電圧のスカラー値を変化させようとインバータ制御が働く。このように電流指令値Iγsが位相を、回転数指令がスカラー値を変えようとする。なおこの説明は分かりやすいように分けて説明したもので実際は両者が相互に干渉しあい動作するので一方によって両者が動く形となる。
【0085】
なお電圧制御を行うインバータでは印加電圧とは電圧の振幅と位相があり、回転数制御の場合出力周波数をこの電圧で制御しているので電圧の中にはこの電圧の周波数も含まれることになる。このように前記位相差εは、トルク依存性があり、トルクに応じて設定することが望ましい。しかしながら、トルクを検出もしくは算出していない場合には、回転数に対して位相差εが最適値となるようなγ軸成分の電流指令が設定することが可能である。以上のように本発明は永久磁石電動機が動作中に同定された電動機定数と、電流検出器にて検出された電流値と、永久磁石電動機の回転速度とに基づいて算出される永久磁石電動機の出力に応じて永久磁石電動機への印加電圧および永久磁石電動機の回転速度の双方を調整することによって永久磁石電動機を高効率動作点にて駆動するよう制御するものである。
【0086】
本発明では、モータ定数同定部10により定常運転中に変化するモータ定数を同定し、モータ出力算出部11によって出力トルクを精度良く算出するよう構成したので、前記γ軸成分の電流指令を出力トルクに応じて設定でき、モータ1が最高効率となるような動作点で駆動されるように指令値調整部12にて指令値を調整する。モーター出力トルクは上述の数8式で説明している。図7のベクトル図によるとdq軸上での電流id,iqは電流のスカラー値をIとすると、id=−Isinε、iq=Icosεとなり、トルクと電流位相角は、T=Pm*φ*Icosε−Pm*(Ld−Lq)*I*I*sin2εとなる。このトルクは磁石トルク、すなわちφによるトルクとリラクタンストルク、すなわちLdLqの突極性によるトルクが合成されたもので電流I一定において電流位相角εに対し最大値を有するように変化するので、最大トルクが出力できる電流位相角イプシロンに成るように制御することでモーターを高効率に制御できる。
【0087】
上記のトルクの式からモーターの定数φ、Ld、Lq、Pmが変化しないとするとトルクTが電流i、すなわちスカラー値Iと位相角εのみで変化するので電流位相角εはトルクに依存する。γ軸電流指令のみに応じて変更してモーター効率を常に高い状態に維持する制御が行える。しかも、モーター1の運転中にモーター定数を同定しているので、負荷トルクの変化に係わらず図7に示すようなベクトルの関係を導くことができる。従って、モーター1が時々刻々と変化するベクトル図で表されるような状況下になったとしても、その時刻変化によるベクトル変化がモータ定数同定により精度良く算出できるようになり、モーター1をより高効率な運転ポイントとなるよう前記電流指令を調整することができる。
【0088】
さらに、モーター1の逆起電圧が歪みを有する場合においても、時刻変化によるベクトル変化にて最適指令値が出力されるので、モーター1の逆起電圧形状に一致するような印加電圧形状に調整することができ、歪みのある逆起電圧を有するモーター1でも効率よく駆動することが可能となる。これは指令値格納部6から出力される指令値が変化しなくとも、指令値調整部12にてセンサレス制御部3に入力される指令値が調整されるので、時刻毎のモーターの運転状況に応じた最適動作ポイントでの動作を実現できる。上記で説明したγ電流指令値のIγsは、例えば、指令値調整部12のマイコンの記憶手段に、回転数に対するテーブルで記憶させておく方式、すなわち実機に合わせて求めた数値で制御する。この方式は実機に合わせて調整しており効率が高い指令値となるが調整していない動作点、例えばテーブルにない運転では効率が必ずしも高くならない。
【0089】
そこで図7のベクトル図にある電流位相角εを求め現在動作している動作点に対し位相角を本来効率が高いと設定された位相角へ近づけるように指令値を変化させて制御することが出来る。最適な位相角は既に説明したようにdq軸上の電流実効値が検出できれば算出可能で、指令値Iγsを増加するとベクトル図の時計回りの方向に回転し位相角εは小さくなり、指令値Iγsを低下するとベクトル図の反時計回りの方向に回転し位相角εは大きくなる。γ軸電流指令値のIγsをチューニングすることにより電流位相角を最高効率で駆動制御する場合、最高効率となる電流位相角εm=sin−1((φ−√(φ2+8*Ia*(Ld−Lq)2))/4*Ia*(Ld−Lq))、但しIa=√(iγ2+iδ2)であらわされる。このようにγ軸電流指令値のIγsをチューニングすることにより一定電流条件下、すなわち銅損一定で最大出力位相に電流を制御し効率が高くなる。
【0090】
また、高効率の動作ポイントの判断であるが、モーターの出力を算出するモータ出力算出部11が構成されており、モーター1の出力は算出可能である。また、インバータ2から出力される電圧は自ら出力している値であり、インバータ2の出力電流は電流検出器7にて検出している。よって、インバータ2の出力、言い換えるとモーター1の入力を算出することは可能であり、モーターの入力と出力を算出することができ、モーターの効率を算出できる。よって、指令値調整部12にてモーター1の効率が最も高くなるよう指令値を調整すればよい。
【0091】
また、図7に示すようなベクトル図を時刻変化に対応して算出可能であることから、モーター1に流れる電流ベクトルが最も小さくなるように指令値を調整しても良い。入力出力から効率が算出できれば最適点を検索するため前々回値、前回値と今回値とを比較して何処が最も効率が高いかを探索する方法などが取り得る。このように指令値を少しづつ変化させながら効率を演算し指令値を調整すれば良い。
【0092】
以上のようにこの発明で高効率動作点に運転状態を設定する説明をしてきたが、この高効率動作というのは電流が最小で最大トルクとなる動作点を示しており、永久磁石電動機の用途、種類などや、負荷に応じて最大効率動作点、最小電流動作点、最大トルク動作点、最小銅損動作点、出力同一では入力最小動作点、入力同一では出力最大動作点などで説明することも出来る。これらにおいて一定回転数状態では、トルクが同一で最小電流となる状態、あるいは電流が同一で最大トルクとなる状態に対し、印加電圧であるγ軸電流指令のみの調整で高効率動作点に設定した運転状態でモーターを駆動できる。更に異なる回転数では出力と入力の比率が最も高くなる状態に対し、印加電圧であるγ軸電流指令と回転数指令の双方を調整することによって、高効率動作でで駆動できる。この場合回転数一定で電流指令のみで調整するとすれば入力一定条件下において出力トルクが最大になるよう調整するようになり、もし回転数指令も一緒に調整するのであれば出力トルク*回転数である出力KWが最大に調整するよう調整部が働く。また出力を必ずしも算出しなくとも指令値の調整は可能である。数8式からトルク最大になるように偏微分にてその極を求めることで求められる最高効率となる電流位相角εmやこれと同等な簡略式など等により指令値調整を行うことが出来る。
【0093】
次に、指令値調整部12での回転数の指令の調整について述べる。回転数制御にてモーター1を駆動すると、指令値格納部6からの回転数指令が変化しなければ、当然モーター1の回転数を一定に維持するよう制御される。例えば、負荷トルクが増加した場合、インバータ2からの出力電圧が変化しなければモーター1の回転数が低下するので、インバータ2からの出力電圧を増加して回転数を一定に維持するよう制御するのが、一般的な回転数制御である。
【0094】
本発明では、指令値格納部6の回転数指令が一定であったとしても指令値調整部12によって回転数指令が変化してモーター1を最適回転数に調整するものである。これは、例えば負荷トルクが増加した場合、回転数を指令値以上に調整して、モーターを効率の良い動作点にて駆動させるものである。モーター1は一般的に低速高トルク領域での効率は低い。そのような領域での動作を避け、効率の高い運転ポイントにてモーター1を駆動させるよう指令値調整部12は作用する。
【0095】
モーター1が負荷に接続されている場合、回転する負荷は何らかの慣性モーメントを有している。回転体の有するエネルギーは、慣性モーメントをJとすると、Jω2/2で表され、角速度の2乗に比例する。従って、負荷トルクが増加した場合、回転数を増加させることで回転エネルギーを増加させることができ、モーター1より必要となる出力エネルギーを低減させることができる。すなわち実際の回転数の変化がほとんど無くともトルク変動への対応が可能である。以上のようにモーターの動作について粘性やイナーシャを検出した処理によりモーターの起動、運転の問題を起さないだけでなく精度の良い運転が可能である。
【0096】
このように、負荷の増減によって回転数を変化させ、モーター1からは必要最小限の出力とすることでモーター1にて発生する損失を必要最小限に抑制でき、効率のよい駆動を実現できるのである。
【0097】
ただし、上記のような指令値調整部12による回転数指令の調整は、回転数が規定されているような用途、例えば、圧延機などの工作機のような用途では使用できない。しかし、例えば、空調機などの圧縮機モーターの用途の場合、回転数の制御は2次的な要素であり、冷媒の流量を制御するため、回転数を制御している場合、回転数が幾つであっても必要とする冷房能力を出力できる冷媒流量が確保できればよい。このような回転数制御が2次的な要素であるような用途へモーター1が適用されている場合、モーター1を高効率な動作ポイントに回転数を自動制御できるようになる。
【0098】
尚、回転数が規定されている用途のため回転数指令を調整しなくとも、電流指令を調整することによって高効率動作点でモーター1を駆動できるようになることは言うまでもない。すなわち回転数の指令値は一定速度を維持したまま電流を増やして負荷トルクの増大やトルク変動に対処できる。しかも時々刻々変化する状態をベクトル的に捉え自動的に検出してモーターに適した、すなわち効率を狙う場合にはモーターに適した印加波形の電圧をインバータに供給するので常に最も効率の良い状態を得ることが出来る。
【0099】
以上のように、モーター1のモータ定数をモーター1の起動前に同定することによって、インバータ2に接続されるモーター1がどのようなものであってもモーター1をセンサレス制御することができるだけでなく、インバータ2の標準化が可能となり、大量製造による低コスト化が可能となる。すなわちインバータはハード面とソフト面で構成されておりハード面は適用個所における電流容量や耐電圧能力など定格で決められる。ソフト面は制御CPUとROMなどから成り立つ。ROMには動作に適したテーブルデータなどが入力されておりROM容量で標準化が左右される。制御器で動作点における指令値などを自動でチューニングすることでROM容量が低減できハード構成は同一でもROMによって異なるインバータが標準化可能になる。すなわちハードに応じて電流容量などが異なる場合でも自分でモーターの特性を同定してインバータの使用範囲を必要最小限の範囲にマイコンにて設定することにより、あるいは更に電流制限値をテーブルにて保有しどのデータを使用するかという外部からの入力により変更可能なマイコンを使用することにより、どのようなハードにも対応できるインバータ制御が得られる。またブラシレスモーターでは永久磁石ロータであり、永久磁石は過電流による減磁が問題となる。ROMにモーター定数を入力しておき同定したモータ−定数から過電流の設定値を設定変更できれば過電流リレーなどハードの標準化も可能になる。更に同定した各定数や演算処理した数値から得られた指令値の設定を変更可能にすることにより安定した運転を維持できるようになる。
【0100】
また、接続されるモーター1が既知であり、予めモータ定数が与えてある場合には、事前設定値と同定した値を比較しこの差が所定値よりも大きくなる場合には、取り付けミスや各装置や電源の接続不良等と判断して外部に表示したり報知したりすることが出来る。すなわちマイコンナイでデータを検出することができ、インバータとモーターの組合せなどの信頼性が向上できる。また運転前、あるいは軽い負荷での運転時に不良を見つけられるので直ちに運転停止をしたり、あるいは運転継続の検討が容易に行える。
【0101】
さらに、モーターの定常運転中に、モータ定数を同定し、精度良くモーターの出力を算出することによって、モーターの出力に応じた電流位相および回転数にてモーターを制御できるようになるので、モーターを高効率動作点にて動作させることが可能となり、モーター1を適用した製品の省エネルギーが実現できる。
【0102】
またさらに、製品固有のばらつきも補正でき、各製品毎に自動で効率を良好にしたり電流を減らし入力を減少させるなどの条件に応じた最適運転をさせることが可能である。
【0103】
図8は、本発明の冷凍サイクルを示すブロック図であり、図1にて説明した構成を空気調和機に適用した場合について説明する。図8は、一般的な冷凍サイクルであり、20は冷媒サイクルにおいて圧縮工程を行う圧縮機、21は圧縮機を駆動するための駆動装置、22は冷媒を凝縮する凝縮器、23は冷媒を蒸発させる蒸発器、24は冷媒の流量を調整する絞り弁である。図1にて示されているモータ1は、図8における圧縮機20に、インバータ2および制御部が駆動装置21に適用されている。
【0104】
図8に示されるような冷凍サイクルでは、冷房負荷に対して必要となる冷房能力が出力できるよう冷媒の流量を制御している。流量の制御として絞り弁24が構成されるが、きめ細やかで能力範囲の広い制御には絞り弁24だけでは不適であるため、圧縮機20の回転数も制御することで、広範囲できめ細やかな冷媒流量の制御を実現し、空気調和機を制御している。
【0105】
冷房負荷が大きい、言い換えると、冷房能力を必要とする場合、空気調和機における室内機と室外機の温度差が大きく、熱交換をより多くする必要がある。冷凍サイクル内を冷媒を循環させる圧縮機20を駆動するモーター1から見た場合、モーター1の出力をより多く必要とし、負荷トルクは重い状況であることがわかる。現行までは、室内室外機の温度差に応じて回転数指令を変更して、回転数制御をするのが、一般的な空気調和機の圧縮機制御である。
【0106】
ここで、駆動装置21を図1のような制御として構成することによって、モーター1の運転状況に応じたモータ定数にてモーターの出力を算出し、出力に応じたインバータ制御に必要な指令値に調整することにより、前述の説明に示したとおり、より高効率の動作ポイントにて冷凍サイクルすなわち空気調和機を動作することが可能である。
【0107】
空気調和機などに適用されたモーターの場合、モーターは圧縮機20内部に配置される。圧縮機20は冷媒を高温高圧のガスに圧縮するためのものであり、このガスにより固定子鉄心、固定子巻き線、回転子などが直接取り囲まれたモーターの動作環境としては非常に厳しく、冷媒ガスの状況によってモーターの動作環境が変化する。重い負荷が必要な状況は、冷媒をより高圧高温に圧縮する必要がある状況であり、温度差だけでモーター1の負荷量が決まるわけでなく、圧縮行程での圧力差にも負荷量は依存する。
【0108】
そのため、室内室外機の温度や温度差のみで回転数指令で与える場合、効率のよい動作点と異なる動作点で駆動される可能性があり、通常、製品化する事前に圧縮機20の吸入側と吐出側の圧力も計測して予め回転数指令を設定してできる限り効率の良い動作点で駆動されるようにするのである。
【0109】
しかしながら、室内機と室外機は、一般的にセパレートタイプが普及しており、据え付けられる場所に応じて、配管長や冷媒の充填量が変化する。また、設置される場所が日陰か日向か、風通しの良い場所か悪い場所かなどいったことによっても変化する圧縮行程での圧力差は変化する。
【0110】
そのような状況でも本発明は、モーター定数を同定し、モーター出力を算出して効率が良くなる指令値を選択し最適な動作点に制御するので、モーターをより高効率な動作点に制御することが可能である。
【0111】
また、冷凍サイクル中の冷媒の充填量や冷媒を循環させる配管の配管長、室外機や室内機の設置場所の環境など製品間で発生するばらつきによって負荷の大小、負荷変動量、モーターの温度条件など様様なばらつきを発生するがこれらの環境変化も抑制することができ、ばらつきのある各製品毎に最高効率となる等望ましい運転を実現できる。
【0112】
さらに、モータのー出力を算出していることから冷媒流量も推測することができる。これは、モータ出力と冷媒流量が比例関係にあるという関係を利用できるからである。よって、更にきめ細やかな冷媒の流量制御が実現でき、高効率なモータの動作点にてモータを駆動するだけでなく、冷凍サイクル上のより高効率なサイクルの動作点でも制御できる。また、流量を推定できるので、圧縮機による流量制御と絞り弁などでの流量制御とを上手く組み合わせることのより、より高効率な空気調和機を提供できる。
【0113】
以上今までの説明ではセンサレスでDCブラシレスモータの制御を主体に、センサレス対応の4モーター定数を求め回転子位置を推測して行う制御内容を説明してきたが、回転子位置を検出しても良いことは当然である。その場合センサレスのための4モーター定数はそのまま各種目的、例えばモーター出力算出や異常検出などに使用できる。図9にセンサ駆動制御の場合の構成図を示す。30はモーター1の回転子位置を検出するエンコーダ、31は速度算出器、32はセンサ制御部である。図9においてエンコーダ30にて回端子位置を検出し、速度算出器31をセンサ制御器32に入力することにより位置を検出しモーター駆動の制御を行うことが出来る。
【0114】
モーターを駆動する上で必要な変数は位置θと角速度ω、出力指令電圧、モーター相電流であり、高効率を得るためには先に説明したγ軸電流指令Iγs、角速度指令ωref、すなわち回転数指令であるが、モーター定数同定部10で永久磁石電動機のモーター定数を同定し、モーター出力算出部11でモーターの電圧電流方程式に基づき電動機出力を算出し、指令値調整部12でトルク式などにより求められるγ軸電流指令Iγsによって高効率や低い入力のセンサ駆動を制御する構成装置は既に述べた構成と動作は同じである。
【0115】
本発明は位置センサで回転子位置を検出したり、位置センサレスで回転子位置を予測して永久磁石同期電動機の駆動を実現し、かつ位置センサ駆動や位置センサレス駆動に対して別の制御ブロックにて定数同定を行うよう構成したもので、電動機が動作することによって時々刻々変化する電動機定数を検出しながら、電動機を高効率動作点にて駆動するよう制御器を構成したものである。なお制御ブロックは区分けせずにインバータ制御装置の基板として一体に設けても良く、更に回転永久磁石界磁型のモーターであれば、固定子の鉄心近傍、例えばフレームやヨークなどに組み込む制御装置一体形成型モーターや定数同定装置組み込み型モーターであっても良いことは当然である。
【0116】
また本発明の電動機の駆動装置は、永久磁石同期電動機と、電動機を運転するインバータと、電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、電流検出器にて検出された電流を用いて電動機の回転子位置を検出することなく位置センサレス駆動するインバータ制御手段を有する電動機駆動装置において、インバータ制御手段は永久磁石電動機の電動機定数を同定する機能を有し、インバータ制御手段にて同定された電動機定数に基づいて電動機の出力を算出する電動機出力算出手段をもち、出力算出手段の演算結果に応じて、インバータからの出力を調整する調整手段を備えることによって、電動機を高効率にセンサレス駆動するものである。
【0117】
また本発明はモーター1のモータ定数をモーター1の起動前に同定することによって、インバータ2に接続されるモーター1がどのようなものであってもモーター1をセンサレス制御することができるようになり、インバータ2の標準化が可能となり、大量製造による低コスト化が可能となる。また、接続されるモーター1が既知であり、予めモータ定数が与えてある場合には、取り付けミスや接続不良等を検出することができ、信頼性が向上できる。更には故障内容を表示させることにより問題の解決、例えば修理などを速やかに行える。
【0118】
さらに、モーターの定常運転中に、モータ定数を同定し、精度良くモータ出力を算出することによって、モータ出力に応じた電流位相および回転数にてモーターを制御できるようになるので、モーターを高効率動作点にて動作させることが可能となり、モーター1を適用した製品の省エネルギーが実現できる。
【0119】
またさらに、空気調和機に適用した場合、製品固有のばらつきも補正でき、各製品毎に自動で最適運転させることが可能である。さらに、冷媒の充填量や配管長、設置場所の環境など製品間で発生するばらつきも抑制することができ、各製品毎に最高効率となる運転を実現できる。さらに、モータ出力を算出していることから冷媒流量も推測することができ、更にきめ細やかな冷媒の流量制御が実現でき、高効率なモーターの動作点にてモーターを駆動するだけでなく、冷凍サイクル上のより高効率なサイクルの動作点でも制御できる。また、流量を推定できるので、圧縮機による流量制御と絞り弁などでの流量制御とを上手く組み合わせることのより、より高効率な空気調和機を提供できる。
【0120】
粘性やイナーシャの検出により外気温が低温時や急停止後の急起動を確実に起動させる。回転数指令によらずに負荷トルクに応じた回転数とすることでモーターの運転を常に高効率が得られるポイントに設定でき省エネルギーを一層推進できる。誤った冷媒を充填されていても定数検出により粘性から冷媒が特定でき、安全性や運転特性の確保が容易に行える。不良や過電流の原因を、定数を同定し外部に引き出して表示などを行うことにより特定あるいは推定したり範囲を絞ることが、例えば磁石の減磁などの不良、過負荷、冷媒の充填しすぎなど、出来るので運転停止や継続の判断、速やかな必要最小限の修理により短期間の停止や補修費用の低減が可能になる。あるいは逆に冷媒流量が検出できればその冷媒回路の動作状況が判明し別の装置、ファンの速度の選定しなおし、過負荷時のインバータハードの耐量見なおし等が可能になり各装置の適合性等が事前に判断できることになる。インバータと圧縮機の組合せ不良以外でも、例えば電源の種類が違うなど大きなトラブルを発生する前に各種不良を事前に検出できる。
【0121】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明の永久磁石電動機装置は、インバータにて駆動され運転する突極性を有する永久磁石電動機と、前記永久磁石電動機の回転子の位置を検出しあるいは位置を推測して前記インバータを制御するインバータ制御手段と、前記インバータ制御手段に設けられ前記永久磁石電動機の運転開始前および運転途中に前記永久磁石電動機の少なくともモータの抵抗成分、d軸インダクタンス成分、q軸インダクタンス成分および永久磁石が回転したときの誘導電圧の角速度比例係数である逆起電圧定数とからなる電動機定数を同定する定数同定手段と、前記定数同定手段に同定された前記電動機定数に基づいて前記永久磁石電動機の出力を算出しこの算出結果により前記インバータ制御手段への指令値を調整する調整手段と、を備え、前記永久磁石電動機が動作中に同定された電動機定数、及び前記永久磁石電動機に流れる電流を電流検出器にて検出した電流値に基づき算出される指令値の調整に応じて、前記永久磁石電動機を高効率動作状態にて運転するよう制御するので、常に効率が良い運転が可能な装置が得られる。
【0122】
請求項2に係る本発明の永久磁石電動機装置の定数同定手段は、永久磁石電動機を回転させないようにインバータを動作させて電動機定数を同定するので、簡単に定数を同定することが出来る。
【0123】
請求項3に係る本発明の永久磁石電動機装置の定数同定手段は、永久磁石電動機の一定速度運転中に検出した電流を用いて電動機定数を同定するので、確実に定数を同定することが出来る。
【0125】
請求項4に係る本発明の永久磁石電動機装置は、永久磁石電動機が動作中に同定された電動機定数、永久磁石電動機に流れる電流を電流検出器にて検出した電流値、及び永久磁石電動機の回転速度と、に基づき算出され調整された指令値に応じて、永久磁石電動機への印加電圧および永久磁石電動機の回転速度の双方を調整することによって永久磁石電動機を高効率動作状態にて運転するよう制御するので、効率良く、且つ信頼性の高い運転が可能である。
【0126】
請求項5に係る本発明の永久磁石電動機装置は、定数同定手段にて同定される永久磁石電動機の逆起電圧定数は、指令値から設定されるインバータにおける回転座標軸あるいは永久磁石電動機における検出された回転座標軸と永久磁石電動機の予測された座標軸との間の誤差分を算出し、この誤差分を補正したモータの回転座標軸上の値を用いて逆起電圧定数を算出するようにしたので、精度の良い運転が可能である。
【0127】
請求項6に係る本発明の永久磁石電動機装置は、永久磁石電動機の温度による変化する定数を定数同定手段にて同定し、電動機温度を維持するので、精度が良い信頼性の高い運転が可能である。
【0128】
請求項7に係る本発明の永久磁石電動機装置は、定数同定手段にて同定された逆起電圧定数と予め設定されている常温時の逆起電圧定数との値より電動機温度を推定し、推定した温度における電動機の抵抗成分を温度補正して抵抗成分を同定するので、確実な運転が得られる。
【0129】
請求項8に係る本発明の永久磁石電動機装置は、インバータ制御手段で同定される永久磁石電動機の定数あるいは算出される出力あるいはこれらの定数や出力を含むパラメータをインバータ制御手段の外部に引き出し可能にしたので、様様な用途に対しフレキシブルな運用が可能な装置が得られる。
【0130】
請求項9に係る本発明の永久磁石電動機装置は、インバータ制御手段で同定される永久磁石電動機の定数あるいは算出される出力あるいはこれらの定数や出力を含むパラメータと、あらかじめ設定された値とを比較して所定以上の差を検出した時に表示または報知するので、運転中の信頼性が簡単に確保できる。
【0131】
請求項10に係る本発明の永久磁石電動機装置は、永久磁石電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、電流検出器にて検出された電流を用いて電動機の回転子位置を検出することなく位置センサレス駆動するインバータ制御手段と、を備えたので、効率の良い位置センサレス駆動を実現できる。
【0132】
請求項11に係る本発明の永久磁石電動機装置は、同定手段で同定された電動機定数の変化を遅らせるので、信頼性の高い運転が可能である。
【0133】
請求項12に係る本発明の冷凍サイクル装置は、本発明の永久磁石電動機装置を使用し、冷媒を冷凍サイクルに吐出する圧縮機と、を備え、冷媒の温度もしくは圧力による永久磁石電動機の環境変化に対して電動機定数を同定し、同定したこの電動機定数を使用して永久磁石電動機を駆動するので、効率の良い信頼性の高い装置が得られる。
【0134】
請求項13に係る本発明の永久磁石電動機の駆動方法は、突極性を有する永久磁石電動機の少なくともモータの抵抗成分、d軸インダクタンス成分、q軸インダクタンス成分とからなる電動機定数を永久磁石電動機を回転させずに同定するステップと、永久磁石電動機を回転させずに同定した後で永久磁石が回転したときの誘導電圧の角速度比例係数である逆起電圧定数からなる電動機定数を永久磁石電動機を一定速度で回転させて同定するステップと、同定された電動機定数に基づいて永久磁石電動機の負荷運転中の出力から運転状態を算出するステップと、を備え、永久磁石電動機が動作中に同定された電動機定数、及び永久磁石電動機に流れる電流を電流検出器にて検出した電流値に基づき算出される指令値の調整に応じて、永久磁石電動機を高効率動作状態にて運転するよう制御するので、常に効率の良い運転が可能である。
【0135】
請求項14に係る本発明の永久磁石電動機の駆動方法は、永久磁石電動機の負荷運転中に永久磁石電動機に流れる電流を検出し、電流を一定とする制御に対しトルクを大とする方向に、あるいは回転速度を一定とする制御に対し電流を小とする方向に、電流指令値を補正するステップと、を備えたので、用途や目的に応じ簡単に省エネルギー運転を実現できる。
【0136】
請求項15に係る本発明の永久磁石電動機の駆動方法は、突極性を有する永久磁石電動機の少なくともモータの抵抗成分、d軸インダクタンス成分、q軸インダクタンス成分とからなる電動機定数を前記永久磁石電動機を回転させずに同定するステップと、永久磁石電動機を回転させずに同定した後で永久磁石が回転したときの誘導電圧の角速度比例係数である逆起電圧定数からなる電動機定数を永久磁石電動機を一定速度及び一定電流で回転させて同定するステップと、同定された電動機定数に基づいて高効率状態にて運転しつつ永久磁石電動機の負荷運転中の定数あるいは定数を含むデータが所定の範囲かどうかを判断するステップと、を備えたので、信頼性の高い運転が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1を示す回路ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の抵抗の同定方法の一例を示す回路動作の説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態1の抵抗の同定方法の一例を示す動作フローチャートである。
【図4】 本発明の実施の形態1の抵抗の同定方法の一例を示す概念図である。
【図5】 本発明の実施の形態1のインダクタンスの同定方法の一例を示す動作フローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態1の逆起電圧定数の同定方法の一例を示す動作フローチャートである。
【図7】 本発明の実施の形態1を説明するモーターのベクトル図である。
【図8】 本発明の実施の形態1を示す冷凍サイクルのブロック図である。
【図9】 本発明の実施の形態1の別の例を示す回路ブロック図である。
【図10】 従来の技術を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1 モーター、 2 インバータ、 3 センサレス制御部、 10 モータ定数同定部、 11 モータ出力算出部、 12 指令値調整部。
Claims (15)
- インバータにて駆動され運転する突極性を有する永久磁石電動機と、前記永久磁石電動機の回転子の位置を検出しあるいは位置を推測して前記インバータを制御するインバータ制御手段と、前記インバータ制御手段に設けられ前記永久磁石電動機の運転開始前および運転途中に前記永久磁石電動機の少なくともモータの抵抗成分、d軸インダクタンス成分、q軸インダクタンス成分および永久磁石が回転したときの誘導電圧の角速度比例係数である逆起電圧定数とからなる電動機定数を同定する定数同定手段と、前記定数同定手段に同定された前記電動機定数に基づいて前記永久磁石電動機の出力を算出しこの算出結果により前記インバータ制御手段への指令値を調整する調整手段と、を備え、前記永久磁石電動機が動作中に同定された電動機定数、及び前記永久磁石電動機に流れる電流を電流検出器にて検出した電流値に基づき算出される指令値の調整に応じて、前記永久磁石電動機を高効率動作状態にて運転するよう制御することを特徴とする永久磁石電動機装置。
- 前記定数同定手段は前記永久磁石電動機を回転させないように前記インバータを駆動させて電動機定数を同定することを特徴とする請求項1記載の永久磁石電動機装置。
- 前記定数同定手段は前記永久磁石電動機の一定速度運転中に検出した電流を用いて電動機定数を同定することを特徴とする請求項1または2記載の永久磁石電動機装置。
- 前記永久磁石電動機が動作中に同定された電動機定数、前記永久磁石電動機に流れる電流を電流検出器にて検出した電流値、及び前記永久磁石電動機の回転速度と、に基づき算出され調整された指令値に応じて、前記永久磁石電動機への印加電圧および前記永久磁石電動機の回転速度の双方を調整することによって前記永久磁石電動機を高効率動作状態にて運転するよう制御することを特徴とする請求項1または2または3記載の永久磁石電動機装置。
- 前記定数同定手段にて同定される前記永久磁石電動機の逆起電圧定数は、指令値から設定されるインバータにおける回転座標軸あるいは前記永久磁石電動機における検出された回転座標軸と前記永久磁石電動機の予測された座標軸との間の誤差分を算出し、この誤差分を補正したモータの回転座標軸上の値を用いて逆起電圧定数を算出するようにしたことを特徴とした請求項1乃至4のいずれかに記載の永久磁石電動機装置。
- 前記永久磁石電動機の温度による変化する定数を前記定数同定手段にて同定し、電動機温度を維持することを特徴とした請求項1乃至5のいずれかに記載の永久磁石電動機装置。
- 前記定数同定手段にて同定された逆起電圧定数と予め設定されている常温時の逆起電圧定数との値より電動機温度を推定し、推定した温度における電動機の抵抗成分を温度補正して抵抗成分を同定することを特徴とした請求項1乃至6のいずれかに記載の永久磁石電動機装置。
- 前記インバータ制御手段で同定される前記永久磁石電動機の定数あるいは算出される出力あるいはこれらの定数や出力を含むパラメータを前記インバータ制御手段の外部に引き出し可能にしたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の永久磁石電動機装置。
- 前記インバータ制御手段で同定される前記永久磁石電動機の定数あるいは算出される出力あるいはこれらの定数や出力を含むパラメータと、あらかじめ設定された値とを比較して所定以上の差を検出した時に表示または報知することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の永久磁石電動機装置。
- 前記永久磁石電動機に流れる電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器にて検出された電流を用いて前記電動機の回転子位置を検出することなく位置センサレス駆動するインバータ制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の永久磁石電動機装置。
- 前記同定手段で同定された電動機定数の変化を遅らせることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の永久磁石電動機装置。
- 請求項1乃至11のいずれかに記載の永久磁石電動機装置を使用し、冷媒を冷凍サイクルに吐出する圧縮機と、を備え、前記冷媒の温度もしくは圧力による前記永久磁石電動機の環境変化に対して電動機定数を同定し、同定したこの電動機定数を使用し、前記永久磁石電動機を駆動することを特徴とする冷凍サイクル装置。
- 突極性を有する永久磁石電動機の少なくともモータの抵抗成分、d軸インダクタンス成分、q軸インダクタンス成分とからなる電動機定数を前記永久磁石電動機を回転させずに同定するステップと、前記永久磁石電動機を回転させずに同定した後で永久磁石が回転したときの誘導電圧の角速度比例係数である逆起電圧定数からなる電動機定数を前記永久磁石電動機を一定速度で回転させて同定するステップと、前記同定された電動機定数に基づいて前記永久磁石電動機の負荷運転中の出力から運転状態を算出するステップと、を備え、前記永久磁石電動機が動作中に同定された電動機定数、及び前記永久磁石電動機に流れる電流を電流検出器にて検出した電流値に基づき算出される指令値の調整に応じて、前記永久磁石電動機を高効率動作状態にて運転するよう制御することを特徴とする永久磁石電動機の駆動方法。
- 前記永久磁石電動機の負荷運転中に前記永久磁石電動機に流れる電流を検出し、電流を一定とする制御に対しトルクを大とする方向に、あるいは回転速度を一定とする制御に対し電流を小とする方向に、電流指令値を補正するステップと、を備えたことを特徴とする請求項13記載の永久磁石電動機の駆動方法。
- 突極性を有する永久磁石電動機の少なくともモータの抵抗成分、d軸インダクタンス成分、q軸インダクタンス成分とからなる電動機定数を前記永久磁石電動機を回転させずに同定するステップと、前記永久磁石電動機を回転させずに同定した後で永久磁石が回転したときの誘導電圧の角速度比例係数である逆起電圧定数からなる電動機定数を前記永久磁石電動機を一定速度及び一定電流で回転させて同定するステップと、前記同定された電動機定数に基づいて高効率状態にて運転しつつ前記永久磁石電動機の負荷運転中の定数あるいは定数を含むデータが所定の範囲かどうかを判断するステップと、を備えたことを特徴とする永久磁石電動機の駆動方法。
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