JP4300647B2 - 免震装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物等の構造物を地震の被害から防止するために構造物と基礎等の基体との間に配置される免震装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
免震装置は、構造物を免震支持するように構造物と基体との間に配置されるのであるが、この種の免震装置に、転がり又は滑り介在子を用いることが提案されているが、転がり又は滑り介在子を用いた免震装置では、その免震機能は極めて優れるが、減衰機能が比較的少なく振動がいつまでも構造物に残存したり、構造物が共振するという虞がある。
【0003】
そこで、通常、この種の免震装置は、鋼棒ダンパ、摩擦ダンパ等を具備して構成されるのであるが、鋼棒ダンパでは、ある程度の長さを必要として比較的大きな縦方向の設置空間を必要とする上に、疲労破壊の虞もあって長期の使用に関して未だ信頼性が得られていなく、摩擦ダンパでは、摩擦面の摩耗、腐食等の劣化により、長期の使用において減衰機能が劣化する虞がある。
【0004】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、設置空間を極小化し得ると共に、長期の使用に関しても劣化が少なく、初期の減衰機能を長期に亘って維持し得る免震装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の免震装置は、下側の沓と、この下側の沓の上に相対的に水平方向に可動に配された上側の沓と、下側の沓の水平方向の振動に基づく上側の沓の水平方向の相対的な振動を免震するように、上側及び下側の沓の間に介在された転がり又は滑り介在子を有した免震機構と、下側の沓の水平方向の振動に基づく上側の沓の水平方向の相対的な振動において粘弾性流体を体積圧縮させて当該振動を減衰させると共に、上側及び下側の沓の互いの水平方向の相対的位置を復元する減衰機構とを具備している。
【0006】
第一の態様の免震装置によれば、粘弾性流体の体積圧縮を用いるために、疲労破壊の虞がなく、更には、摩擦面の摩耗、腐食等の劣化もない上に、小さな量で十分な減衰性を得ることができる結果、設置空間を極小化し得ると共に、長期の使用に関しても劣化が少なく、初期の減衰機能を長期に亘って維持し得る。
【0007】
粘弾性流体としては、化学的安定性を有したシリコン流体からなるものが好ましいが、その他の粘弾性流体でもよい。
【0008】
減衰機構は、本発明の第二の態様の免震装置のように、粘弾性流体が内部に封入されたシリンダ本体と、このシリンダ本体内に一端部が進退自在に配されたロッドとを有したシリンダ装置を少なくとも一個具備しているのが好ましい。
【0009】
第二の態様の免震装置にように、シリンダ装置でもって減衰機構を構成すると、免震装置をよりコンパクトにできる上に、粘弾性流体を封止できるために減衰機能の低下を防ぎ得る。
【0010】
シリンダ装置は、本発明の第三の態様の免震装置のように、そのロッドが、その一端で下側の沓及び上側の沓のうちの一方に連結されて、そのシリンダ本体が、下側の沓及び上側の沓のうちの他方に固着されて、構成されるのが好ましいが、ここで、ロッドは、本発明の第四の態様の免震装置のように、その一端で下側の沓及び上側の沓のうちの一方に固着されて連結されているのが好ましいが、これに代えて、一方に離反自在に当接させて連結されていてもよい。
【0011】
本発明の第五の態様の免震装置では、第二の態様の免震装置において、減衰機構は、少なくとも一対のシリンダ装置を具備しており、この一対のシリンダ装置のうちの一方のシリンダ装置のロッドは、その一端で下側の沓及び上側の沓のうちの一方の受部の一方の垂直面に離反自在に当接しており、一方のシリンダ装置のシリンダ本体は、下側の沓及び上側の沓のうちの他方に固着されており、一対のシリンダ装置のうちの他方のシリンダ装置のロッドは、その一端で下側の沓及び上側の沓のうちの一方の受部の他方の垂直面に離反自在に当接しており、他方のシリンダ装置のシリンダ本体は、下側の沓及び上側の沓のうちの他方に固着されている。
【0012】
第五の態様の免震装置によれば、減衰機構が一対のシリンダ装置を有して、この一対のシリンダ装置の各ロッドが受部の一方及び他方の垂直面の夫々に離反自在に当接しているために、減衰機構により、水平面内の一の方向とこの一の方向と逆の方向に関して均等に減衰機能を好ましく発揮できる。
【0013】
第五の態様の免震装置において、下側の沓及び上側の沓のうちの一方の沓の沓本体に受板部材を取り付けて、この受板部材を受部としてもよく、また、沓本体に一体的に突起を形成し、この突起を受部としてもよい。
【0014】
上記の本発明におけるロッドとしては、単なる丸棒であってもよいが、本発明の第六の態様の免震装置のように、それに膨大部が設けられていてもよく、この場合、膨大部としては、ロッドの先端に取り付けられた所謂ピストンであっても、又はこれに代えて若しくはこれと共にロッドの途中に一体的に形成された瘤のような膨出部等であってもよい。このようにロッドに膨大部を設けると、振動における粘弾性流体の比較的大きな流動抵抗により当該振動をより効率よく減衰させることができる。
【0015】
二つの沓のみで本発明の免震装置を構成してもよいが、これに代えて、本発明の第七の態様の免震装置のように、下側及び上側の沓の夫々に対して水平方向に相対的に可動になって、下側の沓に対しては上側の沓となり、上側の沓に対しては下側の沓となるように、下側及び上側の沓の間に介在された中間沓を少なくとも一個更に具備してもよい。
【0016】
第七の態様の免震装置によれば、水平面内で少なくとも二つの方向の振動に対して免震することができるようになり、その結果、水平面内の全方向に関して免震機能を発揮できる。この場合、好ましくは、第八の態様の免震装置のように、中間沓を、下側の沓に対しては水平方向の一の方向に相対的に可動に、上側の沓に対しては、水平方向の一の方向に対して直交する水平方向の他の一の方向に相対的に可動にすることにより、水平面内の全方向に関してほぼ均等に免震機能を発揮できる。
【0017】
本発明に係る免震装置は、事務所ビル、集合住宅、戸建住宅又は美術品展示ケース等の構造物と、地盤、基礎又は基台等の基体との間に介在されて、基体上に構造物を免震支持するために用いられる。
【0018】
本発明における、転がり介在子として、円柱状のローラを一つの好ましい例として挙げることができるが、これに代えて又はこれと共に球でもよく、また、滑り介在子としては、主としてポリテトラフルオロエチレン等からなる滑り層を表面に具備した滑り板でも、或いは、対向する両沓の対向面に一体的に形成された滑り層それ自体であってもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に本発明を、その実施の形態の好ましい例を示す図を参照して詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何等限定されないのである。
【0020】
図1から図4において、本例の免震装置1は、下面2で地盤、基礎又は基台等の基体に固定される沓3と、沓3の上に相対的に水平方向H1に可動に配された沓4と、沓4の上に、水平方向H1に対して直交する水平方向H2に相対的に可動に配された沓5と、沓3の水平方向H1の振動に基づく沓3に対する沓4の水平方向H1の相対的な振動を免震するように、沓3及び4の間に介在された転がり介在子としての円柱状の複数のローラ6を有すると共に、沓3の水平方向H2の振動に基づく沓4に対する沓5の水平方向H2の相対的な振動を免震するように、沓4及び5の間に介在された転がり介在子としての円柱状の複数のローラ7を有する免震機構8と、沓3の水平方向H1の振動に基づく沓3に対する沓4の水平方向H1の相対的な振動において粘弾性流体50を体積圧縮させて当該振動を減衰させると共に、振動が収まった後に、沓3に対する沓4の水平方向の相対的位置を元の位置に戻す、すなわち復元し、同様に、沓3の水平方向H2の振動に基づく沓4に対する沓5の水平方向H2の相対的な振動において粘弾性流体50を体積圧縮させて当該振動を減衰させると共に、振動が収まった後に、沓4に対する沓5の水平方向の相対的位置を復元する減衰機構9とを具備している。
【0021】
本例では、沓4は、下側の沓3に対しては水平方向の一の方向H1の方行に相対的に可動であって、上側の沓5に対しては、水平方向の一の方向H1に対して直交する水平方向の他の一の方向H2に相対的に可動になっている中間沓となっている。
【0022】
沓3は、矩形状の沓本体11と、沓本体11の上面12に一体的に突出して形成されたローラ受台部13と、ローラ受台部13の上面14に一体的に突出して且つ方向H1に沿って伸びて形成された案内突条15と、沓本体11の上面12の方向H2の両端部に夫々取り付けられたブラケット16及び17とを具備している。
【0023】
沓4は、矩形状の沓本体18と、沓本体18の下面19に一体的に突出して形成されたローラ受台部20と、沓本体18の下面19の方向H2の両端部に夫々取り付けられたブラケット21及び22と、沓本体18の上面23に一体的に突出して形成されたローラ受台部24と、ローラ受台部24の上面25に一体的に突出して且つ方向H2に沿って伸びて形成された案内突条26と、沓本体18の上面23の方向H1の両端部に夫々取り付けられたブラケット27及び28とを具備している。
【0024】
沓5は、矩形状の沓本体29と、沓本体29の下面30に一体的に突出して形成されたローラ受台部31と、沓本体29の下面30の方向H1の両端部に夫々取り付けられたブラケット32及び33とを具備している。
【0025】
各ローラ6は、方向H1に関して等間隔をもって配列されており、各ローラ6の軸方向のほぼ中央には、案内突条15を受容する環状溝41が形成されており、各ローラ6は、ローラ受台部13の上面14及びローラ受台部20の下面42に転がり接触して、しかも、案内突条15に案内されて方向H1に転動できるようになっており、同じく、各ローラ7は、方向H2に関して等間隔をもって配列されており、各ローラ7の軸方向のほぼ中央には、案内突条26を受容する環状溝43が形成されており、各ローラ7は、ローラ受台部24の上面25及びローラ受台部31の下面44に転がり接触して、しかも、案内突条26に案内されて方向H2に転動できるようになっている。
【0026】
減衰機構9は、沓3と沓4との間であって、ローラ6の両側に配された一対のシリンダ装置45及び46と、沓4と沓5との間であって、ローラ7の両側に配された一対のシリンダ装置47及び48とを具備している。一対のシリンダ装置45及び46は、沓3の水平方向H1の振動に基づく沓4の水平方向H1の相対的な振動において粘弾性流体50を体積圧縮させて当該振動を減衰させると共に、振動が収まった後に、沓3に対する沓4の水平方向の相対的位置を復元するようになっており、一対のシリンダ装置47及び48は、沓3の水平方向H2の振動に基づく沓4に対する沓5の水平方向H2の相対的な振動において粘弾性流体50を体積圧縮させて当該振動を減衰させると共に、振動が収まった後に、沓4に対する沓5の水平方向の相対的位置を復元するようになっている。
【0027】
シリンダ装置45から48の夫々自体は、互いに同様に構成されており、また、シリンダ装置45と46とは、沓3と沓4との間に互いに同様に、シリンダ装置47と48とは、沓4と沓5との間に互いに同様に配されているので、以下、シリンダ装置45についてのみ詳細に説明し、シリンダ装置46から48については同一の符号を付して必要に応じて説明する。
【0028】
シリンダ装置45は、シリコン流体からなる粘弾性流体50が内部に封入されたシリンダ本体51と、シリンダ本体51内に一端部が進退自在に配されたロッド52とを有しており、ロッド52は、その一端53でブラケット21にねじ等により螺着されて沓4に固着されて連結されており、シリンダ本体51は、沓3のブラケット16にねじ等により螺着されて沓3に固着されている。
【0029】
シリンダ装置47においては、そのロッド52は、その一端53でブラケット32にねじ等に螺着されて沓5に固着されて連結されており、そのシリンダ本体51は、ブラケット27にねじ等により螺着されて沓4に固着されている。
【0030】
以上の免震装置1では、地震等により基体が方向H1に振動されると、沓3もまた方向H1に振動され、この方向H1の振動による各ローラ6の方向H1の転動で、図5に示すように、沓4は、沓3に対して方向H1に繰り返して振動される。この振動において、シリンダ装置45及び46の各ロッド52は、対応のシリンダ本体51内に対して、当該シリンダ本体51内に封入された粘弾性流体50を体積圧縮、膨張させ且つそれを流動させながら進退され、この粘弾性流体50の体積圧縮、膨張とその流動とで、各ロッド52の方向H1の振動エネルギは減衰される結果、沓4の沓3に対する方向H1の振動も可及的速やかに減衰されることになる。そして、振動が収まった後は、粘弾性流体50による内圧に基づいてシリンダ装置45及び46の各ロッド52は、対応のシリンダ本体51から一杯に退出される結果、沓4は、沓3に対して水平方向H1に関して元の位置に戻される。
【0031】
地震等により基体が方向H2に振動される場合も同様であって、図6に示すように、方向H2の振動による各ローラ7の方向H2の転動で、沓5は、沓4に対して方向H2に繰り返して振動される。この振動において、シリンダ装置47及び48の各ロッド52は、対応のシリンダ本体51内に対して、当該シリンダ本体51内に封入された粘弾性流体50を体積圧縮、膨張させ且つそれを流動させながら進退され、この粘弾性流体50の体積圧縮、膨張とその流動とで、各ロッド52の方向H2の移動エネルギは減衰される結果、沓5の沓4に対する方向H2の振動も可及的速やかに減衰されることになる。そして、振動が収まった後は、粘弾性流体50による内圧に基づいてシリンダ装置47及び48の各ロッド52は、対応のシリンダ本体51から一杯に退出される結果、沓5は、沓4に対して水平方向H2に関して元の位置に戻される。
【0032】
したがって、免震装置1によれば、地震等において沓3の水平面内のいずれの方向の振動をも沓5に対して免震して、しかも、沓3に対する沓5の水平面内のいずれの方向の振動をも可及的速やかに減衰させることができ、沓5上に設置される構造物を好ましく免震支持できる。
【0033】
そして、免震装置1によれば、粘弾性流体50の体積圧縮を用いるために、疲労破壊の虞がなく、更には、摩擦面の摩耗、腐食等の劣化もない上に、小さな量で十分な減衰性を得ることができる結果、設置空間を極小化し得ると共に、長期の使用に関しても劣化が少なく、初期の減衰機能を長期に亘って維持し得る。
【0034】
また免震装置1においては、減衰機構9がシリンダ装置45から48を具備して構成されているために、免震装置1をよりコンパクトにできる上に、粘弾性流体50を封止できるために減衰機能の低下を防ぎ得る。
【0035】
更にまた免震装置1においては、中間沓としての沓4を具備し、沓4が下側の沓3に対しては水平方向H1に相対的に可動に、上側の沓5に対しては、水平方向H1対して直交する水平方向H2に相対的に可動になっているために、水平面内の全方向に関してほぼ均等に免震機能を発揮できる。
【0036】
ところで、免震装置1では、地震のない状態では、図1及び図2に示すように、各ロッド52がシリンダ本体51の内圧によりシリンダ本体51から一杯に退出された状態にされるので、地震においては、沓3に対して沓4及び5は、図1及び図2に示す状態から片方においてしか振動し得ないが、これを、図7及び図8に示すように、両方において振動できるようにしてもよい。
【0037】
すなわち、図7及び図8に示す免震装置1の減衰機構9は、沓3と沓4との間において、ローラ6の各側に配された一対のシリンダ装置61及び62(図7ではローラ6の一方側のみを図示する)と、沓4と沓5との間において、ローラ7の各側に配された一対のシリンダ装置63及び64(図8ではローラ7の一方側のみを図示する)とを具備しており、一対のシリンダ装置61及び62は、沓3の水平方向H1の振動に基づく沓3に対する沓4の水平方向H1の相対的な振動において粘弾性流体50を体積圧縮させて当該振動を減衰させると共に、振動が収まった後に、沓3に対する沓4の水平方向の相対的位置を復元するようになっており、一対のシリンダ装置63及び64は、沓3の水平方向H2の振動に基づく沓4に対する沓5の水平方向H2の相対的な振動において粘弾性流体50を体積圧縮させて当該振動を減衰させると共に、振動が収まった後に、沓4に対する沓5の水平方向の相対的位置を復元するようになっている。
【0038】
シリンダ装置61のロッド52は、その一端53で沓4の受部としての受板部材65の一方の垂直面66に離反自在に当接しており、シリンダ装置61のシリンダ本体51は、ブラケット16を介して沓本体11に固着されており、シリンダ装置62のロッド52は、その一端53で受板部材65の他方の垂直面67に離反自在に当接しており、シリンダ装置62のシリンダ本体51は、ブラケット16を介して沓本体11に固着されており、シリンダ装置63のロッド52は、その一端53で沓5の受部としての受板部材71の一方の垂直面72に離反自在に当接しており、シリンダ装置63のシリンダ本体51は、ブラケット16を介して沓本体18に固着されており、シリンダ装置64のロッド52は、その一端53で受板部材71の他方の垂直面73に離反自在に当接しており、シリンダ装置64のシリンダ本体51は、ブラケット16を介して沓本体18に固着されている。
【0039】
受板部材65は、沓本体18の下面19に溶接等により固着されており、受板部材71も同様に、沓本体29の下面30に溶接等により固着されている。
【0040】
図7及び図8に示す免震装置1では、地震において、シリンダ装置61のロッド52がそのシリンダ本体51内に進入される際には、垂直面67へのシリンダ装置62のロッド52の一端53の当接が解除されて、当該一端53と垂直面67との間に隙間が生じ、シリンダ装置62のロッド52がそのシリンダ本体51内に進入される際には、垂直面66へのシリンダ装置61のロッド52の一端53の当接が解除されて、当該一端53と垂直面66との間に隙間が生じ、同様にして、地震において、シリンダ装置63のロッド52がそのシリンダ本体51内に進入される際には、垂直面73へのシリンダ装置64のロッド52の一端53の当接が解除されて、当該一端53と垂直面73との間に隙間が生じ、シリンダ装置64のロッド52がそのシリンダ本体51内に進入される際には、垂直面72へのシリンダ装置63のロッド52の一端53の当接が解除されて、当該一端53と垂直面72との間に隙間が生じ、而して、沓3に対して沓4及び5は、図7及び図8に示す状態から水平方向において両方において振動できるようになっている。
【0041】
図7及び図8に示す免震装置1によれば、減衰機構9が一対のシリンダ装置61及び62並びに63及び64を有して、この一対のシリンダ装置61及び62並びに63及び64の各ロッド52が垂直面66及び67並びに72及び73の夫々に離反自在に当接しているために、減衰機構9により、水平面内の一の方向とこの一の方向と逆の方向に関して均等に減衰機能を好ましく発揮できる。
【0042】
上記の例の各シリンダ装置において、ロッドに、膨大部としての例えばピストンを取り付けて、当該ロッドをピストンロッドとして構成することにより、振動におけるピストンロッドのシリンダ本体内に対する進退で、粘弾性流体による流動抵抗をより多く生じさせることができる結果、振動エネルギの減衰をより効果的に得ることができる。
【0043】
なお、構造物と基体との間に複数個の免震機構8を介在させる場合には、その全ての免震機構8に対して本発明を適用してもよいが、これに代えて、一部の免震機構8に対して本発明を適用してもよい。複数個の免震機構8に本発明を適用する場合には、減衰機構としての上記のようなシリンダ装置の数と配置とは、振動が収まった後に、シリンダ装置の全体としての機能が構造物を元の位置に復帰させるように働くように、決定されればよい。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、設置空間を極小化し得ると共に、長期の使用に関しても劣化が少なく、初期の減衰機能を長期に亘って維持し得る免震装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の一例の正面図である。
【図2】図1に示す例の側面図である。
【図3】図1に示す例の中間沓及び上沓を省いた平面図である。
【図4】図1に示す例の上沓を省いた平面図である。
【図5】図1に示す例の動作説明図である。
【図6】図1に示す例の動作説明図である。
【図7】発明の好ましい実施の形態の他の例の正面図図である。
【図8】図7に示す例の側面図である。
【符号の説明】
1 免震装置
3、4、5 沓
6、7 ローラ
8 免震機構
9 減衰機構
Claims (4)
- 下側の沓と、この下側の沓の上に相対的に水平方向に可動に配された上側の沓と、下側の沓の水平方向の振動に基づく上側の沓の水平方向の相対的な振動を免震するように、上側及び下側の沓の間に介在された転がり又は滑り介在子を有した免震機構と、下側の沓の水平方向の振動に基づく上側の沓の水平方向の相対的な振動において粘弾性流体を体積圧縮させて当該振動を減衰させると共に、上側及び下側の沓の互いの水平方向の相対的位置を復元する減衰機構とを具備しており、減衰機構は、粘弾性流体が内部に封入されたシリンダ本体と、このシリンダ本体内に一端部が進退自在に配されたロッドとを有したシリンダ装置を少なくとも一対具備しており、この一対のシリンダ装置のうちの一方のシリンダ装置のロッドは、その一端で下側の沓及び上側の沓のうちの一方の沓の受部の一方の垂直面に離反自在に当接しており、一方のシリンダ装置のシリンダ本体は、下側の沓及び上側の沓のうちの他方の沓に固着されており、一対のシリンダ装置のうちの他方のシリンダ装置のロッドは、その一端で下側の沓及び上側の沓のうちの一方の沓の受部の他方の垂直面に離反自在に当接しており、他方のシリンダ装置のシリンダ本体は、下側の沓及び上側の沓のうちの他方の沓に固着されており、一対のシリンダ装置は、下側の沓の水平方向の振動に基づく下側の沓に対する上側の沓の水平方向の相対的な振動において、一方のシリンダ装置のロッドがそのシリンダ本体内に進入される際には、下側の沓及び上側の沓のうちの一方の沓の受部の他方の垂直面への他方のシリンダ装置のロッドの一端の当接が解除されて、当該一端と当該受部の他方の垂直面との間に隙間が生じ、他方のシリンダ装置のロッドがそのシリンダ本体内に進入される際には、下側の沓及び上側の沓のうちの一方の沓の受部の一方の垂直面への一方のシリンダ装置のロッドの一端の当接が解除されて、当該一端と当該受部の一方の垂直面との間に隙間が生じるようになっていると共に、下側の沓の水平方向の振動に基づく下側の沓に対する上側の沓の水平方向の相対的な振動が収まった後において、一方のシリンダ装置のロッドがその一端で下側の沓及び上側の沓のうちの一方の沓の受部の一方の垂直面に当接し、かつ、他方のシリンダ装置のロッドがその一端で下側の沓及び上側の沓のうちの一方の沓の受部の他方の垂直面に当接して、下側の沓の水平方向の振動に基づく下側の沓に対する上側の沓の水平方向の相対的な振動において、各シリンダ本体に封入された粘弾性流体を体積圧縮、膨張させて当該振動を減衰させると共に、振動が収まった後に、下側の沓に対する上側の沓の水平方向の相対的位置を各シリンダ本体に封入された粘弾性流体の内圧で元の位置に戻すようになっている免震装置。
- 各ロッドには、膨大部が設けられている請求項1に記載の免震装置。
- 下側及び上側の沓の夫々に対して水平方向に相対的に可動になって、下側の沓に対しては上側の沓となり、上側の沓に対しては下側の沓となるように、下側及び上側の沓の間に介在された中間沓を更に具備している請求項1又は2に記載の免震装置。
- 中間沓は、下側の沓に対しては水平方向の一の方向に相対的に可動であって、上側の沓に対しては、水平方向の一の方向に対して直交する水平方向の他の一の方向に相対的に可動になっている請求項3に記載の免震装置。
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