JP2000192686A - 免震装置 - Google Patents
免震装置Info
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- JP2000192686A JP2000192686A JP10369096A JP36909698A JP2000192686A JP 2000192686 A JP2000192686 A JP 2000192686A JP 10369096 A JP10369096 A JP 10369096A JP 36909698 A JP36909698 A JP 36909698A JP 2000192686 A JP2000192686 A JP 2000192686A
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- sliding
- pusher
- seismic isolation
- building
- isolation device
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- Vibration Prevention Devices (AREA)
- Vibration Dampers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 比較的小規模の建造物に用いて、元の位置に
復帰する機能を有する免震装置を提供すること。 【解決手段】 凹及び/又は凸面を一部又は全体に構成
する摺動部材4を交差する方向に配設し、それぞれの摺
動部材の摺動面に沿って移動可能な摺動体を連結して成
る滑り子2と、該滑り子2を最初の位置に押し戻すため
の力を伝達する押し子3を配置する。前記の摺動部材4
は、地震による揺れにより、摺動面から滑り子2と押し
子3が脱落しないようにこれらを把持するような縁部を
有しており、断面が略C型の型鋼状としている。前記の
押し子2を押す部材は弾性体を用いる。弾性体は、ゴ
ム、螺旋状のスプリング、板バネなどが用いられる。本
実施例では屈曲した板バネ7を2個パンタグラフ状に配
置して、変位量に応じて反発力がほぼ一定になるような
構成にしている。交差する方向に配設した片側の摺動部
材4を地盤につながる基礎コンクリートに、他の側の摺
動部材4aを建物の土台に固定して滑り子が何れの方向
にも移動できる構成とする。
復帰する機能を有する免震装置を提供すること。 【解決手段】 凹及び/又は凸面を一部又は全体に構成
する摺動部材4を交差する方向に配設し、それぞれの摺
動部材の摺動面に沿って移動可能な摺動体を連結して成
る滑り子2と、該滑り子2を最初の位置に押し戻すため
の力を伝達する押し子3を配置する。前記の摺動部材4
は、地震による揺れにより、摺動面から滑り子2と押し
子3が脱落しないようにこれらを把持するような縁部を
有しており、断面が略C型の型鋼状としている。前記の
押し子2を押す部材は弾性体を用いる。弾性体は、ゴ
ム、螺旋状のスプリング、板バネなどが用いられる。本
実施例では屈曲した板バネ7を2個パンタグラフ状に配
置して、変位量に応じて反発力がほぼ一定になるような
構成にしている。交差する方向に配設した片側の摺動部
材4を地盤につながる基礎コンクリートに、他の側の摺
動部材4aを建物の土台に固定して滑り子が何れの方向
にも移動できる構成とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強風時には揺れず
地震の揺れを軽減する建造物の免震装置に関するもので
ある。
地震の揺れを軽減する建造物の免震装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、国内に於ける地震による甚大な被
害が多数報じられ、地震から建物の倒壊や損傷を少しで
も防止したいとの観点から、免震装置に関する先行技術
は多数の提案がある。地盤の揺れを建造物にできるだけ
伝えないようにするための方法としては、ゴムなどの緩
衝部材を積層して地盤と建造物の間に設置するもの、可
動部材として球体を介在させるもの、部材を互いに面合
わせして滑擦させるもの、鋼材がその弾性を発揮して地
盤の揺れを吸収するもの、建造物の基礎となる部分を懸
架するか錘を懸架するもの、特別のアクチュエーターを
使用して地震の振幅に対応した動作をさせるものなどに
大別される。そして、何時発生するか判らない地震とそ
のときに確実に作動することが要求され、できることな
らば外部からのエネルギー供給を受けずに動作し得るよ
うな構造の免震装置が望まれる。建造物がビルディング
のような大型の場合はその重量も大きく姑息な手段では
とうてい対処できないが、小規模のアパートや戸建て住
宅においては簡便で安価な装置の提供が急務となってい
る。本発明に関する先行技術としては、特開平9−22
9134号が挙げられるが、交差する二つの部材に球体
を転動させるもので一部に弾性体による緩衝部を設けて
いる。しかし地震発生以前に所在する建物の位置に復帰
する手段については特段の記載は見当たらない。
害が多数報じられ、地震から建物の倒壊や損傷を少しで
も防止したいとの観点から、免震装置に関する先行技術
は多数の提案がある。地盤の揺れを建造物にできるだけ
伝えないようにするための方法としては、ゴムなどの緩
衝部材を積層して地盤と建造物の間に設置するもの、可
動部材として球体を介在させるもの、部材を互いに面合
わせして滑擦させるもの、鋼材がその弾性を発揮して地
盤の揺れを吸収するもの、建造物の基礎となる部分を懸
架するか錘を懸架するもの、特別のアクチュエーターを
使用して地震の振幅に対応した動作をさせるものなどに
大別される。そして、何時発生するか判らない地震とそ
のときに確実に作動することが要求され、できることな
らば外部からのエネルギー供給を受けずに動作し得るよ
うな構造の免震装置が望まれる。建造物がビルディング
のような大型の場合はその重量も大きく姑息な手段では
とうてい対処できないが、小規模のアパートや戸建て住
宅においては簡便で安価な装置の提供が急務となってい
る。本発明に関する先行技術としては、特開平9−22
9134号が挙げられるが、交差する二つの部材に球体
を転動させるもので一部に弾性体による緩衝部を設けて
いる。しかし地震発生以前に所在する建物の位置に復帰
する手段については特段の記載は見当たらない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、比較的小規模の建造物に用いて、元の位置
に復帰する機能を有する免震装置を提供することであ
る。
する課題は、比較的小規模の建造物に用いて、元の位置
に復帰する機能を有する免震装置を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、凹及び/又は
凸面を一部又は全体に構成する摺動部材を交差する方向
に配設し、それぞれの摺動部材の摺動面に沿って移動可
能な摺動体を連結して成る滑り子と該滑り子を最初の位
置に押し戻すための力を伝達する押し子を配置する。前
記の摺動部材は、滑り子を一方向に滑走させるために、
凹及び/又は凸面を一部又は全体に構成して真っ直ぐ移
動させやすいガイドの機能を有する摺動面を形成し、地
震による揺れにより、摺動面から脱落しないように滑り
子を把持するような縁部を有しており、一例として断面
が略C型の型鋼状としている。又、滑り子は複数の摺動
体とこれを連結する支柱から成り、摺動体は交差する方
向にそれぞれ設けられている。交差する角度は建造物が
住宅の場合は直角を基本としているので、ほぼ直角が好
ましい。他の建造物は梁の方向に沿って角度を定める。
摺動面は一段又は二段に設けられ、滑り子と押し子を別
の摺動面に設置するか、同一摺動面に双方を連ねて配置
する。何れにしても、滑り子は摺動部材の摺動面全長に
亘り摺動し得るようにする。
凸面を一部又は全体に構成する摺動部材を交差する方向
に配設し、それぞれの摺動部材の摺動面に沿って移動可
能な摺動体を連結して成る滑り子と該滑り子を最初の位
置に押し戻すための力を伝達する押し子を配置する。前
記の摺動部材は、滑り子を一方向に滑走させるために、
凹及び/又は凸面を一部又は全体に構成して真っ直ぐ移
動させやすいガイドの機能を有する摺動面を形成し、地
震による揺れにより、摺動面から脱落しないように滑り
子を把持するような縁部を有しており、一例として断面
が略C型の型鋼状としている。又、滑り子は複数の摺動
体とこれを連結する支柱から成り、摺動体は交差する方
向にそれぞれ設けられている。交差する角度は建造物が
住宅の場合は直角を基本としているので、ほぼ直角が好
ましい。他の建造物は梁の方向に沿って角度を定める。
摺動面は一段又は二段に設けられ、滑り子と押し子を別
の摺動面に設置するか、同一摺動面に双方を連ねて配置
する。何れにしても、滑り子は摺動部材の摺動面全長に
亘り摺動し得るようにする。
【0005】更に、前記の押し子を所定位置で停止させ
るための停止部材を設置して、押し子が滑り子を押す限
度を定める。押し子が停止部材で停止する位置は、本発
明の免震装置が中立の位置にあり、地震の揺れにより滑
り子がいずれの位置に移動しても絶えず中立の位置に復
帰させようとする力を作用させる。
るための停止部材を設置して、押し子が滑り子を押す限
度を定める。押し子が停止部材で停止する位置は、本発
明の免震装置が中立の位置にあり、地震の揺れにより滑
り子がいずれの位置に移動しても絶えず中立の位置に復
帰させようとする力を作用させる。
【0006】そして、前記の押し子を押す部材には弾性
体を用いる。地震の揺れに対して伸縮するがその変位量
に従って反発力が変化するような部材が用いられる。例
えば、ゴム、螺旋状のスプリング、板バネ等が挙げられ
る。他に、空圧や油圧を利用するシリンダも用いること
ができるが、この場合はスプリングなどを併用してショ
ックアブソーバとしての効果をもたらすことができる。
体を用いる。地震の揺れに対して伸縮するがその変位量
に従って反発力が変化するような部材が用いられる。例
えば、ゴム、螺旋状のスプリング、板バネ等が挙げられ
る。他に、空圧や油圧を利用するシリンダも用いること
ができるが、この場合はスプリングなどを併用してショ
ックアブソーバとしての効果をもたらすことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一例を図面を用いて説明
する。図1は、本発明の免震装置の全体を示す側面図で
あり、図2は、この免震装置を建物の駆体と地盤の基礎
との間に組み込んだ状態を示す側面図である。図3は、
本発明の免震装置の一部を示す斜視図であり、その平面
図を図4に示す。図5は、滑り子が移動したときの状態
を示す平面図である。図6は、摺動面を一段にした他の
例を示す斜視図である。
する。図1は、本発明の免震装置の全体を示す側面図で
あり、図2は、この免震装置を建物の駆体と地盤の基礎
との間に組み込んだ状態を示す側面図である。図3は、
本発明の免震装置の一部を示す斜視図であり、その平面
図を図4に示す。図5は、滑り子が移動したときの状態
を示す平面図である。図6は、摺動面を一段にした他の
例を示す斜視図である。
【0008】
【実施例】図1に於いて、1は本発明の免震装置であ
り、同様な構成の機構が直交して組み合わされているの
で片側を断面で示している。2は滑り子、3は押し子で
ある。4,4aは、摺動面5,5a及び6,6aをそれ
ぞれ二段に並列に設けた摺動部材で、前出の滑り子と押
し子が地震の揺れで摺動面から脱落しないように把持す
るような形状の断面が略C型の形状をそれぞれに構成し
ている。7,7aは弾性体で、本例では板バネを使用し
ている。以下の説明では片側の構成を免震装置1aとし
他の側の構成を1bとして説明する。そして、滑り子2
のみが一体で摺動面5,5aに接している。8はアンカ
ープレートで摺動部材4をボルトを用いて地盤の基礎に
固定する。
り、同様な構成の機構が直交して組み合わされているの
で片側を断面で示している。2は滑り子、3は押し子で
ある。4,4aは、摺動面5,5a及び6,6aをそれ
ぞれ二段に並列に設けた摺動部材で、前出の滑り子と押
し子が地震の揺れで摺動面から脱落しないように把持す
るような形状の断面が略C型の形状をそれぞれに構成し
ている。7,7aは弾性体で、本例では板バネを使用し
ている。以下の説明では片側の構成を免震装置1aとし
他の側の構成を1bとして説明する。そして、滑り子2
のみが一体で摺動面5,5aに接している。8はアンカ
ープレートで摺動部材4をボルトを用いて地盤の基礎に
固定する。
【0009】本発明の免震装置1が建物の土台と地盤の
基礎コンクリートの間に組み込まれた状態を図2に示
す。9は建物の土台で、H型鋼を用いている。10は上
部柱である。11は壁材で断熱部材等を介して上部柱に
取り付けられる。壁の裾部分には水切り12と防塵ゴム
板13が壁の裾部全体に沿って取り付けられる。地震の
揺れで建物の土台9が移動するとき基礎コンクリート1
4の上面を掃くように動く。基礎コンクリート14の上
面に土台モルタル15を設けて、その上に本発明の免震
装置1aをボルトで固定する。免震装置は1方向に摺動
する2組の交差する部分で構成されているから片方の免
震装置1aを土台モルタルに、他の側の免震装置1bを
建物の土台9にボルトで固定する。地震の揺れは基礎コ
ンクリート14を移動させるが免震装置1により揺れの
振幅は吸収され建物の土台9には揺れが軽減されて伝達
される。
基礎コンクリートの間に組み込まれた状態を図2に示
す。9は建物の土台で、H型鋼を用いている。10は上
部柱である。11は壁材で断熱部材等を介して上部柱に
取り付けられる。壁の裾部分には水切り12と防塵ゴム
板13が壁の裾部全体に沿って取り付けられる。地震の
揺れで建物の土台9が移動するとき基礎コンクリート1
4の上面を掃くように動く。基礎コンクリート14の上
面に土台モルタル15を設けて、その上に本発明の免震
装置1aをボルトで固定する。免震装置は1方向に摺動
する2組の交差する部分で構成されているから片方の免
震装置1aを土台モルタルに、他の側の免震装置1bを
建物の土台9にボルトで固定する。地震の揺れは基礎コ
ンクリート14を移動させるが免震装置1により揺れの
振幅は吸収され建物の土台9には揺れが軽減されて伝達
される。
【0010】免震装置1の片方を免震装置1aとし、そ
の詳細を図3(a)に斜視図で示す。二段に摺動面5及
び6を構成する摺動部材4には、それぞれ滑り子2及び
押し子3が摺動可能に配設される。滑り子2は同図
(b)に示すように摺動体2a及び2bが交差方向に対
峙し双方を連結する支柱部2cから成っている。また、
押し子3は同図(c)に示すように、摺動体3aと,弾
性体としての板バネを支持する板バネ支持部3bから成
り、穴3cにピンを通して板バネを軸支する。この押し
子3は滑り子2の支柱部2cを対向して押すように一対
設けられる。それぞれの押し子は滑り子の支柱部2cを
押し、元の位置に復帰させる作用と、揺れによる衝撃を
吸収するための板バネ7を擁している。板バネ7の両端
は片側を摺動部材4の板バネ支点支持部4aに、他の側
を押し子3の板バネ支持部3bに軸支される。8は摺動
部材4を土台モルタル15に固定するためのアンカープ
レートである。以上述べた免震装置1aは滑り子2を介
して交差する方向に対峙させて設ける同様の構成の免震
装置1bに連なり、免震装置1bは建物の土台9に固定
される。斯くして、地震のいずれの方向の揺れにも滑り
子は移動することができる。一般に建物は直角を基本に
建てられるから、免震装置の交差する方向は互いに直交
する方向が好ましい。
の詳細を図3(a)に斜視図で示す。二段に摺動面5及
び6を構成する摺動部材4には、それぞれ滑り子2及び
押し子3が摺動可能に配設される。滑り子2は同図
(b)に示すように摺動体2a及び2bが交差方向に対
峙し双方を連結する支柱部2cから成っている。また、
押し子3は同図(c)に示すように、摺動体3aと,弾
性体としての板バネを支持する板バネ支持部3bから成
り、穴3cにピンを通して板バネを軸支する。この押し
子3は滑り子2の支柱部2cを対向して押すように一対
設けられる。それぞれの押し子は滑り子の支柱部2cを
押し、元の位置に復帰させる作用と、揺れによる衝撃を
吸収するための板バネ7を擁している。板バネ7の両端
は片側を摺動部材4の板バネ支点支持部4aに、他の側
を押し子3の板バネ支持部3bに軸支される。8は摺動
部材4を土台モルタル15に固定するためのアンカープ
レートである。以上述べた免震装置1aは滑り子2を介
して交差する方向に対峙させて設ける同様の構成の免震
装置1bに連なり、免震装置1bは建物の土台9に固定
される。斯くして、地震のいずれの方向の揺れにも滑り
子は移動することができる。一般に建物は直角を基本に
建てられるから、免震装置の交差する方向は互いに直交
する方向が好ましい。
【0011】更に、免震装置1aの摺動部材4の長手方
向の中央部には、押し子3を停止させる停止部材16を
設置している。この停止部材は摺動部材の上縁部を突出
させたもので、押し子3は滑り子の支柱部2cを絶えず
中央部に押し戻すように作用し、停止部材を越えて移動
することができないので、建物を所定の元の位置に復帰
させる時、対向する押し子は板バネの押す力のバランス
した位置に留まるわけではないから元の位置へ正確に且
つ素早く復帰させることができる。地震の発生していな
い平常時には、各押し子は停止部材に押し当たって静止
し、滑り子は押し子の押す力を受けずに中立位置に留ま
る。押し子の支柱の側面と押し子の側面とは接するか僅
かな隙間が生ずるように停止部材の位置を定める。
向の中央部には、押し子3を停止させる停止部材16を
設置している。この停止部材は摺動部材の上縁部を突出
させたもので、押し子3は滑り子の支柱部2cを絶えず
中央部に押し戻すように作用し、停止部材を越えて移動
することができないので、建物を所定の元の位置に復帰
させる時、対向する押し子は板バネの押す力のバランス
した位置に留まるわけではないから元の位置へ正確に且
つ素早く復帰させることができる。地震の発生していな
い平常時には、各押し子は停止部材に押し当たって静止
し、滑り子は押し子の押す力を受けずに中立位置に留ま
る。押し子の支柱の側面と押し子の側面とは接するか僅
かな隙間が生ずるように停止部材の位置を定める。
【0012】つぎに、板バネの動作状況について述べ
る。図4は、免震装置1aの平面図であり、図5は、地
震の揺れで滑り子と押し子が移動した状態を示す平面図
である。図4に於いて、滑り子の支柱部2cは中立位置
(元の位置)にあって、押し子3は停止部材16を押し
つけるが移動せず支柱部2cに接する位置にある。板バ
ネ7はくの字型に屈曲した状態で2個が向き合って摺動
部材4の各支持端のピン17に軸支されている。この様
な状態の板バネ7は地震の揺れにより滑り子の支柱部2
cが移動しようとするとき初期に於いては大きな反発力
を示すが屈曲の角度θが小さくなるにつれて反発力はほ
ぼ一定しストロークの長い弾性体となる。地震の水平方
向の振幅は300mmに達するときもあるが、通常は1
00〜200mmと想定される。仮に200mmの支柱
部の移動があった場合を図5に示す。片側の板バネ7は
大きく変形するがこれに対向する他の側の板バネは停止
部材16に押し当たったままである。本例は弾性体とし
て板バネを使用したが、弾性体に要求される反発力は、
変位初期に於いては強くその後の変位量に対してはでき
るだけ一定のものが望まれる。
る。図4は、免震装置1aの平面図であり、図5は、地
震の揺れで滑り子と押し子が移動した状態を示す平面図
である。図4に於いて、滑り子の支柱部2cは中立位置
(元の位置)にあって、押し子3は停止部材16を押し
つけるが移動せず支柱部2cに接する位置にある。板バ
ネ7はくの字型に屈曲した状態で2個が向き合って摺動
部材4の各支持端のピン17に軸支されている。この様
な状態の板バネ7は地震の揺れにより滑り子の支柱部2
cが移動しようとするとき初期に於いては大きな反発力
を示すが屈曲の角度θが小さくなるにつれて反発力はほ
ぼ一定しストロークの長い弾性体となる。地震の水平方
向の振幅は300mmに達するときもあるが、通常は1
00〜200mmと想定される。仮に200mmの支柱
部の移動があった場合を図5に示す。片側の板バネ7は
大きく変形するがこれに対向する他の側の板バネは停止
部材16に押し当たったままである。本例は弾性体とし
て板バネを使用したが、弾性体に要求される反発力は、
変位初期に於いては強くその後の変位量に対してはでき
るだけ一定のものが望まれる。
【0013】弾性体として、板バネをパンタグラフ形状
にして用いたのは、開角角度θ(図4参照)の設定によ
り、滑り子が摺動部材の中央に位置するときは、弾性係
数が大きく(変形させるために大きな力を必要とし)、
板バネ支点支持部4a側に位置するときには、中央位置
に位置するときに比較してその値を僅かに小さくなるよ
うに設計する。その結果、その結果中央位置近くでは、
板バネ支点支持部4a側近くに比較して大きな力で滑り
子は中央位置へ強制復帰させられる事となる。一般的
に、地震力による加速度は振幅の両端で最大となり変位
方向は反極点をもつため、滑り機構により基礎が振動し
ても慣性の法則で建物が静止に近い状態にある時は、摺
動部材の板バネ支点支持部4a側に於ける、バネによる
復帰力は小さくて済み、本発明の機構と一致する。これ
らの特徴により地震時には地盤の振動エネルギーが建物
に流れることを極力防ぎ、風など建物に直接作用する外
力に対しては地盤に対して相対変位を生じにくい構造と
なっている。
にして用いたのは、開角角度θ(図4参照)の設定によ
り、滑り子が摺動部材の中央に位置するときは、弾性係
数が大きく(変形させるために大きな力を必要とし)、
板バネ支点支持部4a側に位置するときには、中央位置
に位置するときに比較してその値を僅かに小さくなるよ
うに設計する。その結果、その結果中央位置近くでは、
板バネ支点支持部4a側近くに比較して大きな力で滑り
子は中央位置へ強制復帰させられる事となる。一般的
に、地震力による加速度は振幅の両端で最大となり変位
方向は反極点をもつため、滑り機構により基礎が振動し
ても慣性の法則で建物が静止に近い状態にある時は、摺
動部材の板バネ支点支持部4a側に於ける、バネによる
復帰力は小さくて済み、本発明の機構と一致する。これ
らの特徴により地震時には地盤の振動エネルギーが建物
に流れることを極力防ぎ、風など建物に直接作用する外
力に対しては地盤に対して相対変位を生じにくい構造と
なっている。
【0014】上述したような弾性体としては、パンタグ
ラフのような構造が適しており、屈曲した板バネの組み
合わせは最も簡単なものである。従ってアームを組み合
わせて菱形に構成し対角位置をスプリングで引っ張る形
状の弾性体も用いることができる。その他、コイルスプ
リングに油圧又は空圧シリンダーを組み合わせて油圧を
制御する方式の弾性体などを用いることができる。
ラフのような構造が適しており、屈曲した板バネの組み
合わせは最も簡単なものである。従ってアームを組み合
わせて菱形に構成し対角位置をスプリングで引っ張る形
状の弾性体も用いることができる。その他、コイルスプ
リングに油圧又は空圧シリンダーを組み合わせて油圧を
制御する方式の弾性体などを用いることができる。
【0015】以上述べた面震装置1aは、滑り子及び押
し子の摺動部を2段に重ねているが、図6に示すよう
に、これらを同一の摺動面に配設してもよい。摺動部材
4cは一つの摺動面を設けており、滑り子2の摺動体2
a及び押し子3の摺動体3aを連ねて挿入している。従
って、押し子3は、直接滑り子の摺動体2aを押す。こ
の場合も押し子は停止部材16aに押し当たって静止す
るので、滑り子を中立位置に素早く押し戻すことができ
る。これにより、支柱2cの高さを低くすることができ
るので、地震による水平方向の応力に対して安全性を高
めることができる。面震装置の高さは、直接建物の高さ
に現れるから低い方が好ましい。
し子の摺動部を2段に重ねているが、図6に示すよう
に、これらを同一の摺動面に配設してもよい。摺動部材
4cは一つの摺動面を設けており、滑り子2の摺動体2
a及び押し子3の摺動体3aを連ねて挿入している。従
って、押し子3は、直接滑り子の摺動体2aを押す。こ
の場合も押し子は停止部材16aに押し当たって静止す
るので、滑り子を中立位置に素早く押し戻すことができ
る。これにより、支柱2cの高さを低くすることができ
るので、地震による水平方向の応力に対して安全性を高
めることができる。面震装置の高さは、直接建物の高さ
に現れるから低い方が好ましい。
【0016】摺動部材4,4aの摺動面の構造は、長手
方向に直角な面の断面が、滑り子や押し子が真っ直ぐに
移動できることができれば特に限定はなく、本実施例の
ように断面が略C型の他に、一部にレールとなる凸及び
/又は凹状の断面形状の摺動面を構成してもよい。又、
摺動部材の材質は金属製又は樹脂製が用いられ、摺動面
が材質そのままの面を用いるほかシリコン、フッ素等の
摩擦抵抗の少ない材料をライニングしてもよい。金属製
の場合は腐食による表面の摩擦抵抗が変化しないように
亜鉛メッキ、クロムメッキなどを施して用いる。その
他、摺動面にスライドベアリングを用いることもできる
が、この場合は、弾性体にダンパーを併用したものが好
ましい。摺動部材及び滑り子は長期間の暴露による発錆
を防ぎ且つ摺動時の摩擦による影響を押さえるために、
防錆と放熱効果の高いアルミニウム合金が好ましい。
方向に直角な面の断面が、滑り子や押し子が真っ直ぐに
移動できることができれば特に限定はなく、本実施例の
ように断面が略C型の他に、一部にレールとなる凸及び
/又は凹状の断面形状の摺動面を構成してもよい。又、
摺動部材の材質は金属製又は樹脂製が用いられ、摺動面
が材質そのままの面を用いるほかシリコン、フッ素等の
摩擦抵抗の少ない材料をライニングしてもよい。金属製
の場合は腐食による表面の摩擦抵抗が変化しないように
亜鉛メッキ、クロムメッキなどを施して用いる。その
他、摺動面にスライドベアリングを用いることもできる
が、この場合は、弾性体にダンパーを併用したものが好
ましい。摺動部材及び滑り子は長期間の暴露による発錆
を防ぎ且つ摺動時の摩擦による影響を押さえるために、
防錆と放熱効果の高いアルミニウム合金が好ましい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の面震装置
は建物を交差する方向に摺動し得るような滑り子を用い
て支持すると共に、最初の位置に押し戻す力を絶えず与
えるための押し子を別途配置し、この押し子を所定の位
置に停止させるための停止部材を設置しているので、対
向する方向の弾性体の押し合う中立点とは異なり、中立
位置近辺でも押し戻す力は大きいから確実に建物を最初
の位置に移動させることができる。
は建物を交差する方向に摺動し得るような滑り子を用い
て支持すると共に、最初の位置に押し戻す力を絶えず与
えるための押し子を別途配置し、この押し子を所定の位
置に停止させるための停止部材を設置しているので、対
向する方向の弾性体の押し合う中立点とは異なり、中立
位置近辺でも押し戻す力は大きいから確実に建物を最初
の位置に移動させることができる。
【図1】本発明の免震装置の側面図である。
【図2】本発明の免震装置を建物に組み込んだ状態の側
面図である。
面図である。
【図3】免震装置の片側を示す斜視図である。
【図4】免震装置の平面図である。
【図5】免震装置が作動したときの平面図である。
【図6】他の実施態様の免震装置を示す斜視図である。
1,1a,1b 免震装置 2 滑り子 2a,2b 摺動体 3 押し子 3a 摺動体 4 摺動部材 5 摺動面 6 摺動面 7 板バネ 8 アンカープレート 9 建物の土台 13 ゴム板 14 基礎コンクリート 16 停止部材 17 ピン
Claims (3)
- 【請求項1】 凹及び/又は凸面を一部又は全体に構成
する摺動部材を交差する方向に配設し、それぞれの摺動
部材の摺動面に沿って移動可能な摺動体を連結して成る
滑り子と該滑り子を最初の位置に押し戻すための力を伝
達する押し子を配置した免震装置。 - 【請求項2】 前記の押し子を所定位置で停止させる停
止部材を設置して成る請求項1に記載の免震装置。 - 【請求項3】 前記の押し子を押す部材が弾性体である
請求項1,2に記載の免震装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10369096A JP2000192686A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 免震装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10369096A JP2000192686A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 免震装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000192686A true JP2000192686A (ja) | 2000-07-11 |
Family
ID=18493556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10369096A Pending JP2000192686A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 免震装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000192686A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN114197680A (zh) * | 2022-01-18 | 2022-03-18 | 陶永杰 | 一种建筑防震减震装置 |
-
1998
- 1998-12-25 JP JP10369096A patent/JP2000192686A/ja active Pending
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