JP2007057002A - 定力伸縮装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡素な構成により、一定の力をこえたときに伸縮する定力伸縮装置を提供すること。
【解決手段】 押し力と引き力が一定の力をこえたときに伸縮する定力伸縮装置Aにおいて、ケース1の一端開口に止め部材2を設け、ケース1の内部で他端底部の側に引き板3を、止め部材2の側に押し板4を挿入し、引き板3と押し板4の間に、板ばね5を挟み、板ばね5の長手方向の一端を引き板3に支持し、板ばね5の長手方向の他端を押し板4に支持し、一定の力をこえる押し力と引き力により板ばね5を曲げ変形可能にし、ケース1の一端開口に止め部材2を介して挿入される押し引き棒6を押し方向で押し板4に係合可能にし、引き板3に連結される連結棒7を押し板4に通し、押し引き棒6に引き方向で係合可能にしたもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は建物の支持構造体、受風物の支持構造体、乗り物用座席の支持構造体等に用いて好適な定力伸縮装置に関する。
伸縮装置として、特許文献1に記載の懸架装置の如く、外力によって常時伸縮するものがある。
また、特許文献2に記載の免震装置では、免震支承部を非作動状態とするロック動作を実施可能とするロック機構と、地震の発生を検知する地震検知部と、地震検知部の検知結果に基づきロック機構のロック動作を解除させて免震支承部を作動状態とするロック機構解除部と、を有することとしている。地震時以外の平時には、風等によって住宅が不必要に揺れてしまうことを防止するものである。
特開2003-166580 特開平10-306841
特許文献1の伸縮装置では、一定の力以下では伸縮せず、一定の力をこえたときにだけ伸縮することができない。
特許文献2の免震装置でも、地震時にのみ作動するロック機構解除部(開閉弁が開弁して圧搾空気源の圧搾空気をロック機構へ供給する手段)を具備する必要があり、高コストになる。
本発明の課題は、簡素な構成により、一定の力をこえたときに伸縮する定力伸縮装置を提供することある。
請求項1の発明は、押し力と引き力が一定の力をこえたときに伸縮する定力伸縮装置において、ケースの一端開口に止め部材を設け、ケースの内部で他端底部の側に引き板を、止め部材の側に押し板を挿入し、引き板と押し板の間に板ばねを挟み、板ばねの長手方向の一端を引き板に支持し、板ばねの長手方向の他端を押し板に支持し、一定の力をこえる押し力と引き力により板ばねを曲げ変形可能にし、ケースの一端開口に止め部材を介して挿入される押し引き棒を押し方向で押し板に係合可能にし、引き板に連結される連結棒を押し板に通し、押し引き棒に引き方向で係合可能にしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記板ばねが連結棒から離隔する外方へ向けて凸をなす曲げ変形開始習性を備えたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記押し引き棒を中空状にし、前記連結棒の押し引き棒に対する係合部を該押し引き棒の中空空間に挿入したものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の定力伸縮装置が用いられた建物の支持構造体である。
請求項5の発明は、請求項4の発明において更に、前記定力伸縮装置が中地震をこえたときに、伸縮を開始するようにしたものである。
請求項6の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の定力伸縮装置が用いられた受風物の支持構造体である。
請求項7の発明は、請求項6の発明において更に、前記定力伸縮装置が非常の突風時に、伸縮を開始するようにしたものである。
請求項8の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の定力伸縮装置が用いられた乗り物用座席の支持構造体である。
請求項9の発明は、請求項8の発明において更に、前記定力伸縮装置が非常の衝突時に、伸縮を開始するようにするものである。
(請求項1)
(a)定力伸縮装置の押し引き棒は、押し方向に作用する押し力で押し板を介して板ばねに圧縮荷重を加え、引き方向に作用する引き力で連結棒及び引き板を介して板ばねに圧縮荷重を加える。通常時には、押し引き棒が板ばねに加える上述の圧縮荷重が一定の力(板ばねの圧縮曲げ開始強度)をこえるまで、板ばねは曲げ変形せず、伸縮しない。そして、非常時には、押し引き棒が一定の力をこえたとき、板ばねは曲げ変形し、伸縮開始する。
(b)定力伸縮装置は、板ばねを用いるだけで、一定の力をこえる押し力と引き力の両方により板ばねを曲げ変形し、何度でもくり返し反復して伸縮でき、簡素である。板ばねは予圧縮力を加えない自由状態でも自らの圧縮曲げ特性により、板ばねの長手方向に沿う圧縮荷重が一定の力をこえるまで変形しないものとすることができるから、板ばねを自由状態のまま組込むことによってその組込性が良いし、定力伸縮装置のコンパクトを図ることができる。板ばねを用いることにより、板ばねの圧縮曲げ開始強度の設定により、定力伸縮装置の伸縮開始荷重を容易に大きくとることができるし、伸縮開始後の反力の増加を少なくできる。
(請求項2)
(c)板ばねが連結棒から離隔する外方へ向けて凸をなす曲げ変形開始習性を備えることにより、板ばねの長手方向に沿う圧縮荷重が一定の力をこえるに至ったとき、板ばねを必ず外方へ向けて凸をなすように曲げ変形開始でき、板ばねと連結棒の不測の干渉を防止できる。
(請求項3)
(d)定力伸縮装置は、押し引き棒を押し方向に操作するとき、押し引き棒の中空空間に連結棒を収容でき、押し引き棒と連結棒の干渉を回避しながら、定力伸縮装置のコンパクトを図ることができる。
(請求項4)
(e)建物の支持構造体に設けた定力伸縮装置は、建物に作用する地震力等が一定の力をこえるまでは伸縮しないで風等による建物の不要な揺れを生じないし、一定の力をこえるときに伸縮開始して建物の損傷を回避する。
(請求項5)
(f)定力伸縮装置が中地震をこえるときに伸縮開始するものにしたから、中地震までは建物の不要な揺れを生じないし、大地震に遭遇したときに建物を損傷させることがない。
(請求項6)
(g)受風物の支持構造体に設けた定力伸縮装置は、受風物に作用する風力が一定の力をこえるまでは伸縮しないで受風物の不要な揺れを生じないし、一定の力をこえるときに伸縮開始して受風物の損傷を回避する。
(請求項7)
(h)定力伸縮装置が非常な突風時に伸縮開始するものにしたから、非常な突風時に受風物を損傷させることがない。
(請求項8)
(i)乗り物用座席の支持構造体に設けた定力伸縮装置は、座席に作用する力が一定の力をこえるまでは伸縮しないで座席の不要な移動を生じないし、一定の力をこえるときに伸縮開始して衝撃を吸収する。
(請求項9)
(j)定力伸縮装置が非常の衝突時に伸縮開始するものにしたから、前方衝突、追突等の非常な衝突時に衝撃吸収する。
図1は定力伸縮装置の通常状態を示し、(A)は正面図、(B)は断面図、図2は定力伸縮装置の非常時の圧縮状態を示す断面図、図3は定力伸縮装置の非常時の伸長状態を示す断面図、図4は実施例1の建物の門型ラーメン構造を示す模式図、図5は門型ラーメン構造を示す正面図、図6は柱脚接合仕口に作用する水平力を示す模式図、図7は柱脚接合仕口に作用する曲げモーメントを示す模式図、図8は実施例2の建物のラーメンユニット構造を示す模式図、図9はラーメンユニット構造を示す正面図、図10は実施例3の建物を示す模式図、図11は実施例3の建物の支持構造体を示す模式図、図12は実施例4の受風物を示す模式図、図13は実施例5の乗り物用座席を示す模式図、図14は定力伸縮装置の変形例を示し、(A)は断面図、(B)は要部拡大図、図15は定力伸縮装置の変形例を示し、(A)は断面図、(B)は要部拡大図である。
図1の定力伸縮装置Aは、押し力と引き力が一定の力をこえたときに伸縮する。定力伸縮装置Aは、有底筒状ケース1の一端開口に筒状止め部材2を設け、ケース1の内部で他端底部の側に引き板3を、止め部材2の側に押し板4を挿入し、引き板3と押し板4の間に、相対する2枚の概ね矩形板状の板ばね5、5を挟む。2枚の板ばね5、5は、ケース1の中心軸(後述する連結棒7の中心軸と同じ)の両側に配置されて互いに線対称をなし、それらの長手方向をケース1の中心軸に概ね平行配置し、それらの長手方向の一端を引き板3に止ねじ固定して支持し、それらの長手方向の他端を押し板4に止ねじ固定して支持する。板ばね5は一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえる押し力と引き力により曲げ変形開始する。定力伸縮装置Aは、ケース1の一端開口に設けた止め部材2の内部に押し引き棒6を挿入し、押し引き棒6を押し方向(ケース1に入る方向)で押し板4に係合可能にする。定力伸縮装置Aは、引き板3に螺合等して連結される六角頭付ボルト等の連結棒7を押し板4に通し、連結棒7の頭部7A(係合部)を押し引き棒6の係合部6Aに引き方向(ケース1から出る方向)で係合可能にする。ケース1は取付部9Aを、押し引き棒6は取付部9Bを備える。
定力伸縮装置Aは、板ばね5が連結棒7から離隔する外方(連結棒7の中心軸に直交する外方)へ向けて凸をなす(図2、図3)曲げ変形開始習性を備える。本実施例では、板ばね5を長手方向の中央部でくの字状に予め折り曲げ、くの字の凸面を外方に臨ませることにて、上述の曲げ変形開始習性を備える。
定力伸縮装置Aは、押し引き棒6を中空状にし、連結棒7の押し引き棒6に対する頭部7Aを押し引き棒6の中空空間6Bに進入可能に挿入する。
定力伸縮装置Aは以下の如くに伸縮動作する。
(a)定力伸縮装置Aの押し引き棒6は、押し方向に作用する押し力で押し板4を介して板ばね5に圧縮荷重を加え、引き方向に作用する引き力で連結棒7及び引き板3を介して板ばね5に圧縮荷重を加える。通常時には、押し引き棒6が板ばね5に加える上述の圧縮荷重が一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえるまで、板ばね5は変形せず、伸縮しない(図1)。そして、非常時には、押し引き棒6が一定の力をこえたとき、板ばね5は曲げ変形し、伸縮開始する。図2は定力伸縮装置の圧縮状態を示し、図3は定力伸縮装置Aの伸長状態を示す。
(b)定力伸縮装置Aは、単一の板ばね5を用いるだけで、一定の力をこえる押し力と引き力の両方により板ばね5を曲げ変形し、何度でもくり返し反復して伸縮でき、簡素である。板ばね5は予圧縮力を加えない自由状態でも自らの圧縮曲げ特性により、板ばね5の長手方向に沿う圧縮荷重が一定の力をこえるまで変形しないものとすることができるから、板ばね5を自由状態のまま組込むことにて組込性が良いし、定力伸縮装置Aのコンパクトを図ることができる。板ばね5を用いることにより、板ばね5の圧縮曲げ開始強度の設定により、定力伸縮装置Aの伸縮開始荷重を容易に大きくとることができるし、伸縮開始後の反力の増加を少なくできる。
(c)板ばね5が連結棒7から離隔する外方へ向けて凸をなす曲げ変形開始習性を備えることにより、板ばね5の長手方向に沿う圧縮荷重が一定の力をこえるに至ったとき、板ばね5を必ず外方へ向けて凸をなすように曲げ変形開始でき、板ばね5と連結棒7の不測の干渉を防止できる。
(d)定力伸縮装置Aは、押し引き棒6を押し方向に操作するとき、押し引き棒6の中空空間6Bに連結棒7を収容でき、押し引き棒6と連結棒7の干渉を回避しながら、定力伸縮装置Aのコンパクトを図ることができる。
尚、定力伸縮装置Aは、板ばね5の断面形状、具体的には板ばね5の板厚又は板巾を板ばね5の長手方向の全長に渡り、或いは長手方向の一部において変化させることにより、板ばね5の圧縮曲げ開始強度を変更でき、定力伸縮装置Aの伸縮開始荷重を容易に設定替えできる。
定力伸縮装置Aは、図1の通常状態(引き板3がケース1の底部に接し、押し板4がケース1の止部材2に当接する状態)で、板ばね5に予圧縮力を加えない自由状態とすることができる。但し、定力伸縮装置Aは、止め部材2をケース1の一端開口の内周めねじ部に螺着し、ケース1の側壁に螺合した止ねじ8を止め部材2に係止することもでき、止め部材2をケース1に対して螺動することにより、板ばね5の圧縮曲げ開始強度を変更でき、定力伸縮装置Aの伸縮開始荷重を容易に設定替えできる。
以下、定力伸縮装置Aを用いた具体的実施例について説明する。
(実施例1)(図4〜図7)
建物構造体10は、図4、図5に示す如く、門型ラーメン構造をなし、相並ぶ柱11、11をそれらの上端部に剛接合される梁12により連結したものである。建物構造体10は、柱11、11の各柱脚11Aを、柱脚接合仕口20(建物支持構造体)により基礎13(下部構造体)に接合される。以下、柱脚接合仕口20の構成について説明する。
柱脚接合仕口20は、柱脚11Aにフランジ21Aを剛接合し、このフランジ21Aをベース部材21とする。
柱脚接合仕口20は、基礎13とベース部材21の間に2本のロッド22A、22Bの組合せからなるロッド対22を設ける。2本のロッド22A、22Bは、それらの下端を基礎13にピン接合(剛接合でも可)するとともに、それらの上端をベース部材21にピン接合(剛接合でも可)する。2本のロッド22A、22Bの上端間隔を下端間隔より狭くする(ロッド22A、22Bを互いにハの字状をなすように配置し、柱11側の上端間隔を基礎13側の下端間隔より狭くする)。本実施例では、柱11に作用する水平剪断力Q1の方向に沿う剪断前方側のロッド22Aを後傾させ、剪断後方側のロッド22Bを前傾させる。
柱脚接合仕口20は、ロッド対22の一方のロッド22B(ロッド22A、22Bの双方でも可)を前述した定力伸縮装置Aにより構成する。定力伸縮装置Aは、ケース1の取付部9Aを基礎13にピン接合し、押し引き棒6の取付部9Bをベース部材21(フランジ21A)にピン接合する。定力伸縮装置Aは、建物構造体10が遭遇する地震が中地震をこえたときに、伸縮を開始するように、板ばね5の圧縮曲げ開始強度を設定している。定力伸縮装置Aは、大地震を想定した動加速度=400Galに相当する水平力が建物構造体10に作用した場合であっても、板ばね5のばね反力によりこの水平力に対抗できる。
以下、建物構造体10の支持メカニズムについて説明する(図6、図7)。
(1)柱11に水平剪断力Q1が作用する。本実施例では更に、ベース部材21に、柱11に作用する剪断力Q1と同方向の水平剪断力Q2(柱11の下半分に対応する壁荷重、風力等)が作用する。
このとき、2本のロッド22A、22Bの基礎13への接合部には、支点反力Q=Q1+Q2が作用する。
(2)柱11に作用する剪断力Q1に起因する曲げモーメントMcが柱脚11A(ベース部材21との剛接合点)に生ずる。
(3)2本のロッド22A、22Bに作用する支点反力Q(Q1+Q2)により、各ロッド22A、22Bに軸力Ta、Tbが発生する。そして、2本のロッド22A、22Bの軸力Ta、Tbに起因する曲げモーメントMrが柱脚11A(ベース部材21との剛接合点)に生ずる。曲げモーメントMrは曲げモーメントMcと逆方向になる。曲げモーメントMrは、剪断前方側のロッド22Aの上端を下げ、剪断後方側のロッド22Bの上端を上げ、ベース部材21を微小回転させる。
軸力Ta、Tbの水平成分をHa、Hb、鉛直成分をVa、Vbとし、軸力Ta、Tbの柱脚11A(ベース部材21との剛接合点)に対するモーメントの腕の長さをa、bとし、ベース部材21における柱脚11Aとの接合点からロッド22Aとの接合点までのフランジ長さをf、ロッド22Bとの接合点までのフランジ長さをfとし、ロッド22Aが基礎13に対してなす交差角度をθa(図7)とし、ロッド22Bが基礎13に対してなす交差角度をθb(図7)とするとき、下記(1)式〜(5)式が成立する。尚、柱11の軸力を無視する。
Q1+Q2=Ha+Hb … (1)
Va+Vb=0 … (2)
Mr=Ta×a+Tb+b … (3)
Mr=(Ha/cosθa)×a+(Hb/cosθb)×b … (4)
a=f・sinθa、 b=f・sinθb … (5)
従って、曲げモーメントMrを大きくとるためには、ロッド22A、22Bの角度θa、θbを大きくとる、ベース部材21のフランジ長さfを大きくとる、ベース部材21に作用する剪断力Q2を大きくとることが必要になる。
(4)Mr=Mcで柱脚11Aは剛接合状態(柱脚11Aが回転しない、柱11と基礎13の相対角度を不変)になる。ベース部材21の移動はない。
(5)Mr>Mcで柱脚11AはMcによる変形方向と逆方向に戻され、超剛接合状態になる。ベース部材21は剪断方向(Q1の方向)に移動する。
(6)Mr<Mcで柱脚11Aは半剛接合状態(剛接合より弱い)になる。ベース部材21は剪断方向と逆方向に移動する。
(7)建物構造体10に作用する水平力に基づいてロッド22Bに発生する軸力Tbが一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえるまでは、定力伸縮装置Aは伸縮せず、当該軸力Tbを支持する。中地震(台風でも可)をこえる大地震等の発生時には、ロッド22Bに発生する軸力Tbが一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえると、定力伸縮装置Aが伸縮し、建物構造体10の柱11、梁12等の破損を防止する。
実施例1によれば以下の作用効果を奏する。
(a)柱脚接合仕口20に設けた定力伸縮装置Aは、建物構造体10に作用する地震力等が一定の力をこえるまでは伸縮しないで風等による建物構造体10の不要な揺れを生じないし、一定の力をこえるときに伸縮開始して建物構造体10の損傷を回避する。
(b)定力伸縮装置Aが中地震をこえるときに伸縮開始するものにしたから、中地震までは建物構造体10の不要な揺れを生じないし、大地震に遭遇したときに建物構造体10を損傷させることがない。
尚、実施例1によれば以下の作用効果も奏する。
(a)柱脚11Aにベース部材21を剛接合し、基礎13とベース部材21の間に2本のロッド22A、22Bの組合せからなるロッド対22を設け、2本のロッド22A、22Bはそれらの下端を基礎13に接合するとともに、それらの上端をベース部材21に接合し、2本のロッド22A、22Bの上端間隔を下端間隔より狭くしてなることにより、2本のロッド22A、22Bの軸力Ta、Tbがベース部材21に曲げモーメントMrを及ぼし、この曲げモーメントMrが柱11の変形(柱11と基礎の交差角度の変位)を少なくし、建物全体の変形を極小にするように作用する。
(b)建物構造体10の柱11に剪断力Q1が作用し、2本のロッド22A、22Bに軸力Ta、Tbが発生するとき、2本のロッド22A、22Bの軸力Ta、Tbに起因して柱脚11Aに生ずる曲げモーメントMrが、柱11に作用する剪断力Q1に起因して柱脚11Aに生ずる曲げモーメントMcと逆方向になる。従って、曲げモーメントMcによる柱11の変形と、曲げモーメントMrによる柱11の変形が互いに相殺し、柱11の変形を少なくし、建物全体の変形を極小にする。
(c)柱11の変形を上述(a)、(b)の如くにベース部材21に作用する曲げモーメントMr、Mcにより少なくできるから、2本のロッド22A、22Bの下端を基礎13に剛接合せず、簡易にピン接合する場合でも柱11の変形を少なくし、建物全体の変形を極小にできる。
(d)曲げモーメントMrと曲げモーメントMcを、Mr=Mcとすることにより、柱脚11Aは基礎13に対し剛接合状態(柱脚11Aは回転せず、柱11と基礎13の交差角度は変位しない)になり、柱11の変形を少なくすることができる。ベース部材21の移動はない。
(e)曲げモーメントMrと曲げモーメントMcを、Mr>Mcとすることにより、柱脚11AはMcよる変形をMrによって逆方向に戻され、超剛接合状態になり、柱11の変形を上述(d)より少なくすることができる。ベース部材21は剪断方向に移動する。
(f)ベース部材21に、柱11に作用する剪断力Q1と同方向の剪断力Q2が作用するようにすることにより、基礎13が2本のロッド22A、22Bに及ぼす支点反力Q=Q1+Q2を大きくし、ひいては2本のロッド22A、22Bの軸力Ta、Tbを大きく、曲げモーメントMrを大きくし、2本のロッド22A、22Bを設けたことの効果を一層向上できる。
(g)下部構造体を基礎13とし、建物構造体10の柱11を基礎13に接合する接合仕口20において、上述(a)〜(f)を実現できる。
(実施例2)(図8、図9)
建物構造体30は、図8、図9に示す如く、ラーメンユニット構造をなし、相並ぶ柱31、31を、それらの上端部に剛接合される天井梁32により連結するとともに、それらの下端部に剛接合される床梁33により連結したものである。建物構造体30は、柱31、31の各柱脚31Aを、柱脚接合仕口40(建物支持構造体)により基礎34(下部構造体)に接合される。以下、柱脚接合仕口40の構成について説明する。
柱脚接合仕口40は、柱脚31Aと床梁33にフランジ41Aを剛接合し、このフランジ41Aをベース部材41とする。
柱脚接合仕口40は、基礎34とベース部材41の間に2本のロッド42A、42Bの組合せからなるロッド対42を設ける。2本のロッド42A、42Bは、それらの下端を基礎34にピン接合(剛接合でも可)するとともに、それらの上端をベース部材41にピン接合(剛接合でも可)する。2本のロッド42A、42Bの上端間隔を下端間隔より狭くする(ロッド42A、42Bを互いにハの字状をなすように配置し、柱31側の上端間隔を基礎34側の下端間隔より狭くする)。本実施例では、柱31に作用する水平剪断力Q1の方向に沿う剪断前方側のロッド42Aを鉛直配置し、剪断後方側のロッド42Bを前傾させる。
柱脚接合仕口40は、ロッド対42の一方のロッド42B(ロッド42A、42Bの双方でも可)を前述した定力伸縮装置Aにより構成する。定力伸縮装置Aは、ケース1の取付部9Aを基礎13にピン接合し、押し引き棒6の取付部9Bをベース部材41(フランジ41A)にピン接合する。定力伸縮装置Aは、建物構造体30が遭遇する地震が中地震をこえたときに、伸縮を開始するように、板ばね5の圧縮曲げ開始強度を設定している。定力伸縮装置Aは、大地震を想定した動加速度=400Galに相当する水平力が建物構造体30に作用した場合であっても、板ばね5のばね反力によりこの水平力に対抗できる。
建物構造体30の支持メカニズムは、建物構造体10の支持メカニズムと実質的に同一である。従って、建物構造体30の柱31に剪断力Q1が作用し、2本のロッド42A、42Bに軸力Ta、Tbが発生するとき、2本のロッド42A、42Bの軸力Ta、Tbに起因して柱脚31A(ベース部材41との剛接合点)に生ずる曲げモーメントMrが、柱31に作用する剪断力Q1に起因して柱脚31A(ベース部材41との剛接合点)に生ずる曲げモーメントMcと逆方向になる。尚、ベース部材41に、柱31に作用する剪断力Q1と同方向の剪断力Q2(柱31の下半部に対応する壁荷重、風力等)が作用する。
そして、建物構造体30に作用する水平力に基づいてロッド42Bに発生する軸力Tbが一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえるまでは、定力伸縮装置Aは伸縮せず、当該軸力Tbを支持する。中地震(台風でも可)をこえる大地震等の発生時には、ロッド42Bに発生する軸力Tbが一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえると、定力伸縮装置Aが伸縮し、建物構造体30の柱31、天井梁32、床梁33の破損を防止する。
実施例2によれば以下の作用効果を奏する。
(a)柱脚接合仕口40に設けた定力伸縮装置Aは、建物構造体30に作用する地震力等が一定の力をこえるまでは伸縮しないで風等による建物構造体30の不要な揺れを生じないし、一定の力をこえるときに伸縮開始して建物構造体30の損傷を回避する。
(b)定力伸縮装置Aが中地震をこえるときに伸縮開始するものにしたから、中地震までは建物構造体30の不要な揺れを生じないし、大地震に遭遇したときに建物構造体30を損傷させることがない。
尚、実施例2によれば以下の作用効果も奏する。
(a)柱脚31Aにベース部材41を剛接合し、基礎34とベース部材41の間に2本のロッド42A、42Bの組合せからなるロッド対42を設け、2本のロッド42A、42Bはそれらの下端を基礎34に接合するとともに、それらの上端をベース部材41に接合し、2本のロッド42A、42Bの上端間隔を下端間隔より狭くしてなることにより、2本のロッド42A、42Bの軸力Ta、Tbがベース部材41に曲げモーメントMrを及ぼし、この曲げモーメントMrが柱31の変形(柱31と基礎34の交差角度の変位)を少なくし、建物全体の変形を極小にするように作用する。
(b)建物構造体30の柱31に剪断力Q1が作用し、2本のロッド42A、42Bに軸力Ta、Tbが発生するとき、2本のロッド42A、42Bの軸力Ta、Tbに起因して柱脚31Aに生ずる曲げモーメントMrが、柱31に作用する剪断力Q1に起因して柱脚31Aに生ずる曲げモーメントMcと逆方向になる。従って、曲げモーメントMcによる柱31の変形と、曲げモーメントMrによる柱31の変形が互いに相殺し、柱31の変形を少なくし、建物全体の変形を極小にする。
(c)柱31の変形を上述(a)、(b)の如くにベース部材41に作用する曲げモーメントMr、Mcにより少なくできるから、2本のロッド42A、42Bの下端を基礎34に剛接合せず、簡易にピン接合する場合でも柱31の変形を少なくし、建物全体の変形を極小にできる。
(d)曲げモーメントMrと曲げモーメントMcを、Mr=Mcとすることにより、柱脚31Aは基礎34に対し剛接合状態(柱脚31Aは回転せず、柱31と基礎34の交差角度は変位しない)になり、柱31の変形を少なくすることができる。ベース部材41の移動はない。
(e)曲げモーメントMrと曲げモーメントMcを、Mr>Mcとすることにより、柱脚31AはMcよる変形をMrによって逆方向に戻され、超剛接合状態になり、柱31の変形を上述(d)より少なくすることができる。ベース部材41は剪断方向に移動する。
(f)ベース部材41の、柱31に作用する剪断力Q1と同方向の剪断力Q2が作用するようにすることにより、基礎34が2本のロッド42A、42Bに及ぼす支点反力Q=Q1+Q2を大きくし、ひいては2本のロッド42A、42Bの軸力Ta、Tbを大きく、曲げモーメントMrを大きくし、2本のロッド42A、42Bを設けたことの効果を一層向上できる。
(g)下部構造体を基礎34とし、建物構造体30の柱31を基礎34に接合する接合仕口40において、上述(a)〜(f)を実現できる。
(実施例3)(図10、図11)
ユニット建物50は複数の建物ユニット51を基礎52の上に上下左右に隣接設置して構成される。建物ユニット51の下部には建物支持構造体60を設けてある。
建物支持構造体60は、垂直材61、斜め材62、水平材63で構成されるトラス構造体である。斜め材62は定力伸縮装置Aにより構成され、水平材63は基礎52により構成される。
定力伸縮装置Aは、ケース1の取付部9Aを水平材63(基礎52)に設けた固定版64にピン接合され、押し引き棒6の取付部9Bを垂直材61の上部の接続部61Aにピン接合される。尚、垂直材61の上部は建物ユニット51に接合され、垂直材61の下部は基礎52に固定版65を介して不図示のアンカーボルトに接合されている。
ユニット建物50に作用する水平力に起因して斜め材62に発生する軸力が一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえるまでは、定力伸縮装置Aは伸縮せず、当該軸力を支持する。中地震(台風でも可)をこえる大地震等の発生時には、斜め材62に発生する軸力が一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえると、定力伸縮装置Aが伸縮し、建物ユニット51の倒壊を防止する。
実施例3によれば以下の作用効果を奏する。
(a)建物支持構造体60に設けた定力伸縮装置Aは、ユニット建物50に作用する地震力等が一定の力をこえるまでは伸縮しないで風等によるユニット建物50の不要な揺れを生じないし、一定の力をこえるときに伸縮開始してユニット建物50の損傷を回避する。
(b)定力伸縮装置Aが中地震をこえるときに伸縮開始するものにしたから、中地震まではユニット建物50の不要な揺れを生じないし、大地震に遭遇したときにユニット建物50を損傷させることがない。
(実施例4)(図12)
建物70の屋上70Aに設けた看板(ソーラーシステムでも可)等の受風物71は、屋上70Aに設けた固定版72にピン接合されるとともに、屋上70Aとの間に斜め支持材73を介装される。
斜め支持材73は定力伸縮装置Aからなり、ケース1の取付部9Aを屋上70Aに設けた固定版74にピン接合され、押し引き棒6の取付部9Bに設けた連結ロッド75を受風物71の背面に設けた接続部71Aにピン接合される。
受風物71に作用する風力に起因して斜め支持材73に発生する軸力が一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえるまでは、定力伸縮装置Aは伸縮せず、当該軸力を支持し、受風物71は倒れることなく自立する(図12(A))。非常の突風時には、斜め支持材73に作用する軸力が一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえると、定力伸縮装置Aが伸縮し、受風物71は傾斜して受風圧を逃れる(図12(B)、(C))。
実施例4によれば以下の作用効果を奏する。
(a)受風物71の斜め支持材73に設けた定力伸縮装置Aは、受風物71に作用する風力が一定の力をこえるまでは伸縮しないで受風物71の不要な揺れを生じないし、一定の力をこえるときに伸縮開始して受風物71の損傷を回避する。
(b)定力伸縮装置Aが非常な突風時に伸縮開始するものにしたから、非常な突風時に受風物71を損傷させることがない。
(実施例5)(図13)
車体80に設けたスライドレール81に座席82を載架する。車体80と座席82の間に前後方向に沿う定力伸縮装置Aを介装する。ケース1の取付部9Aを車体80に設けた取付ブラケット80Aにピン接合し、押し引き棒6の取付部9Bを座席82に設けた取付ブラケット82Aにピン接合する。
座席82及びその乗員に作用する慣性力に起因して定力伸縮装置Aに発生する軸力が一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえるまでは、定力伸縮装置Aは伸縮せず、当該軸力を支持し、座席82をスライドレール81上に保持する(図13(A))。急ブレーキもしくは前方衝突(図13(B))、又は追突(図13(C))により、定力伸縮装置Aに発生する軸力が一定の力(板ばね5の圧縮曲げ開始強度)をこえると、定力伸縮装置Aが伸縮し、座席82はスライドレール81上でスライド可能になる。
実施例5によれば以下の作用効果を奏する。
(a)乗り物用座席82と車体80との間に設けた定力伸縮装置Aは、座席82に作用する力が一定の力をこえるまでは伸縮しないで座席82の不要な移動を生じないし、一定の力をこえるときに伸縮開始して衝撃を吸収する。
(b)定力伸縮装置Aが非常の衝突時に伸縮開始するものにしたから、前方衝突、追突等の非常な衝突時に衝撃吸収する。
以下、定力伸縮装置Aの曲げ変形開始習性に関する変形例について説明する。
図14の定力伸縮装置Aは、板ばね5の長手方向の両端5A、5Aを引き板3と押し板4のそれぞれに設けた受け溝3A、4Aに入れて衝合させ、引き板3と押し板4で板ばね5を長手方向の両側から挟み込むに際し、端5Aの内向き面5Bは板ばね5の長手方向に沿うストレート面として受け溝3A、4Aの内側溝壁に概ね隙間なく添設し、端5Aの外向き面5Cは板ばね5の長手方向に対して斜交する斜面として受け溝3A、4Aの外側溝壁との間に大きな隙間を形成する。これによれば、板ばね5の長手方向に沿う圧縮荷重が一定の力をこえるに至ったとき、板ばね5はそれらの両端5A、5A(根元)から全体くの字状をなして外方へ凸をなすように曲げ変形開始でき、板ばね5と連結棒7の不測の干渉を防止できる。
図15の定力伸縮装置Aは、引き板3と押し板4に両端を支持された板ばね5の内側面における長手方向中央部に切欠溝Kを設けた。切欠溝Kは板ばね5の巾方向全域に渡る。これによれば、板ばね5の長手方向に沿う圧縮荷重が一定の力をこえるに至ったとき、板ばね5は長手方向の中央部(切欠溝K)から全体くの字状をなして外方へ凸をなすように曲げ変形開始でき、板ばね5と連結棒7の不測の干渉を防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により記述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の定力伸縮装置を構成する板ばねは2枚に限らず、1枚でも良く、ケースの中心軸まわりにて線対称をなす3枚以上でも良い。
図1は定力伸縮装置の通常状態を示し、(A)は正面図、(B)は断面図である。 図2は定力伸縮装置の非常時の圧縮状態を示す断面図である。 図3は定力伸縮装置の非常時の伸長状態を示す断面図である。 図4は実施例1の建物の門型ラーメン構造を示す模式図である。 図5は門型ラーメン構造を示す正面図である。 図6は柱脚接合仕口に作用する水平力を示す模式図である。 図7は柱脚接合仕口に作用する曲げモーメントを示す模式図である。 図8は実施例2の建物のラーメンユニット構造を示す模式図である。 図9はラーメンユニット構造を示す正面図である。 図10は実施例3の建物を示す模式図である。 図11は実施例3の建物の支持構造体を示す模式図である。 図12は実施例4の受風物を示す模式図である。 図13は実施例5の乗り物用座席を示す模式図である。 図14は定力伸縮装置の変形例を示し、(A)は断面図、(B)は要部拡大図である。 図15は定力伸縮装置の変形例を示し、(A)は断面図、(B)は要部拡大図である。
符号の説明
A 定力伸縮装置
1 ケース
2 止め部材
3 引き板
4 押し板
5 板ばね
6 押し引き棒
6A 係合部
6B 中空空間
7 連結棒
7A 頭部(係合部)
10 建物構造体(建物)
20 柱脚接合仕口(建物支持構造体)
30 建物構造体(建物)
40 柱脚接合仕口(建物支持構造体)
50 ユニット建物(建物)
60 建物支持構造体
71 受風物
73 斜め支持材(支持構造体)
82 座席

Claims (9)

  1. 押し力と引き力が一定の力をこえたときに伸縮する定力伸縮装置において、
    ケースの一端開口に止め部材を設け、
    ケースの内部で他端底部の側に引き板を、止め部材の側に押し板を挿入し、
    引き板と押し板の間に板ばねを挟み、板ばねの長手方向の一端を引き板に支持し、板ばねの長手方向の他端を押し板に支持し、一定の力をこえる押し力と引き力により板ばねを曲げ変形可能にし、
    ケースの一端開口に止め部材を介して挿入される押し引き棒を押し方向で押し板に係合可能にし、
    引き板に連結される連結棒を押し板に通し、押し引き棒に引き方向で係合可能にしたことを特徴とする定力伸縮装置。
  2. 前記板ばねが連結棒から離隔する外方へ向けて凸をなす曲げ変形開始習性を備えた請求項1に記載の定力伸縮装置。
  3. 前記押し引き棒を中空状にし、前記連結棒の押し引き棒に対する係合部を該押し引き棒の中空空間に挿入した請求項1又は2に記載の定力伸縮装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の定力伸縮装置が用いられた建物の支持構造体。
  5. 前記定力伸縮装置が中地震をこえたときに、伸縮を開始する請求項4に記載の建物の支持構造体。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の定力伸縮装置が用いられた受風物の支持構造体。
  7. 前記定力伸縮装置が非常の突風時に、伸縮を開始する請求項6に記載の受風物の支持構造体。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載の定力伸縮装置が用いられた乗り物用座席の支持構造体。
  9. 前記定力伸縮装置が非常の衝突時に、伸縮を開始する請求項8に記載の乗り物用座席の支持構造体。
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