JPH1096445A - 免震装置及びこれを用いた電子装置 - Google Patents

免震装置及びこれを用いた電子装置

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JPH1096445A
JPH1096445A JP8249742A JP24974296A JPH1096445A JP H1096445 A JPH1096445 A JP H1096445A JP 8249742 A JP8249742 A JP 8249742A JP 24974296 A JP24974296 A JP 24974296A JP H1096445 A JPH1096445 A JP H1096445A
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JP
Japan
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case
seismic isolation
spring
wire
bottom plate
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Application number
JP8249742A
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English (en)
Inventor
Masaki Kurihara
雅樹 栗原
Shizuo Zushi
鎮夫 頭士
Ikumori Ootake
生司 大竹
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、機器の脚を支持した移動部材
が移動する範囲を広くして、かつ小形化が可能な免震装
置を提供することにある。 【解決手段】電子装置と床との間に設けた複数台の免震
装置において、床に配置された底板2上の水平面内を移
動可能な支持装置9と、この支持装置に復元力を与え
る、ばね部材4とワイヤ部材5とローラ部材6aとを備
えた装置39、さらに免震装置の内壁に、支持装置の一
部が挿入できる間隙を有するリング部材10を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震の際に、床上
に設置された電子装置等の機器に作用する振動加速度を
低減して、機器を支持する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば電子装置の耐震対策を大別する
と、1)非固定法、2)固定法、3)免震床による方法
がある。電子装置は通常建物の床上に配置した多数のペ
デスタル部材で支持されたフリーアクセス床上に設けら
れる。
【0003】2)の固定法は、電子装置を建物の床に設
けた支持装置で電子装置を固定する方法で、電子装置は
移動したり、転倒することはないが、地震時における電
子装置の応答加速度は大きくなるため、地震時の電子装
置の機能維持は困難である。
【0004】3)の免震床による方法は、電子装置を搭
載するフリーアクセス床と、これを支持し、かつ水平方
向に移動可能な支持装置とフリーアクセス床に復元力を
与えるばね装置及び移動量を抑える減衰装置からなる免
震装置から構成され、大きな地震時でも電子装置の機能
を維持することが可能であるが、この方法は3つの方法
のうち、最も費用と工事期間がかかる。
【0005】1)の非固定法は工事期間が比較的短く、
電子装置を固定しないため、地震時に電子装置の移動が
可能となり、固定法の場合に比べ、電子装置の加速度が
低減される。そのため、小規模の地震時には電子装置の
機能を維持することが可能であるが、大地震時には電子
装置が転倒し、破損する可能性が大きい。
【0006】この非固定法に属する免震装置としては、
特開平1ー169143号公報に記載された装置があ
る。この装置は、電子装置の脚部を支持するように設け
られ、脚部の水平移動を可能にするために、第1のすべ
り部材と第2のすべり部材とを備えている。小地震に対
しては、第1のすべり部材が免震装置の底板内を移動し
て電子装置本体の加速度を低減させる。このとき、第1
のすべり部材に支持された支持装置には、免震装置に内
蔵された渦巻きばね部材により復元力が与えられ、電子
装置の脚部は円筒形状をした免震装置の中央に戻ろうと
する。また、大きな地震の場合には、第1のすべり部材
が円筒形状をした免震装置の側壁の内側(すなわち、内
壁)に衝突すると、第2のすべり部材により免震装置全
体がフリーアクセス床上を滑ることになり、電子装置の
応答加速度は比較的小さく抑制される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術は次のような課題を有している。
【0008】渦巻きばねを用いる場合、ばねの剛性を高
くしようとすると、ばねの渦の外周側から中心に向かう
方向(すなわち、渦の半径方向)の厚みを厚くする必要
がある。しかし、ばねの厚みを厚くすると、渦状に重ね
られたばねの間隔が狭くなり、このばねによって復元力
を与えられる支持装置の移動できる範囲が狭くなってし
まう。すなわち、緩衝性を確保するためのストロークが
短くなってしまう。このとき、支持装置の移動できる範
囲を広くしようとすると、免震装置の外形寸法が大きく
なってしまう。
【0009】そこで、本発明の第1の目的は、免震支持
される機器の脚が移動できる範囲を装置内に広く確保し
て、地震時に受ける衝撃に対する緩衝性を高めた小形の
免震装置を提供することにある。
【0010】上記従来技術では、大きな地震に対して、
第2のすべり部材がフリーアクセス床上を滑るような構
成になっている。このような構成では、免震支持された
電子装置等の機器の回りに広いスペ−スを確保する必要
があり、好ましくない。
【0011】そこで免震装置を床面に固定しようとする
と、支持装置が免震装置の側壁にぶつかったときに、こ
の支持装置に免震装置の底板から引きはがそうとする力
が作用し、この支持装置に支持された電子装置等の機器
が転倒し易くなる。
【0012】本発明の第2の目的は、上記第1の目的を
達成した上で、支持された機器が転倒しにくい免震装置
を提供することにある。
【0013】本発明の第3の目的は、上記第1及び第2
の目的を達成しうる免震装置で支持された電子装置を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の免震装置は、ケースと、このケース
内で移動可能に設けられた支持装置と、この支持装置の
移動を規制するばね装置とを備え、前記支持装置で免震
支持される機器の脚部を支持する免震装置であって、前
記ばね装置は、ケース内に交差するように張られた2本
のワイヤと、各ワイヤの少なくとも一端に一方の端が連
接され、他端を前記ケース側に固定されたコイルばねと
を備え、前記支持装置は、前記2本のワイヤとそれぞれ
摺動する摺動部を備え、前記支持装置と前記コイルばね
との間に、前記ワイヤの方向を変える方向変換手段を、
前記ケース側に固設して備える。
【0015】また、ケースと、このケース内で移動可能
に設けられた支持装置と、この支持装置の移動を規制す
るばね装置とを備え、前記支持装置で免震支持される機
器の脚部を支持する免震装置であって、前記ばね装置
は、ケース内に交差するように張られた2本のワイヤ
と、各ワイヤの少なくとも一端に一方の端が連接され、
他端を前記ケース側に固定されたコイルばねとを備え、
前記支持装置は、前記2本のワイヤとそれぞれ摺動する
摺動部を備え、前記支持装置と前記コイルばねとの間
に、前記ワイヤが90度以上巻き付けられる方向変換手
段を、前記ケース側に固設して備えるようにしても良
い。
【0016】また、下方を底板で塞がれた円筒形状のケ
ースと、前記底板上で移動可能に設けられた支持装置
と、この支持装置の移動を規制するばね装置とを備え、
前記支持装置で免震支持される機器の脚部を支持する免
震装置であって、前記ばね装置は、ケース内に交差する
ように張られた2本のワイヤと、各ワイヤの少なくとも
一端に一方の端が連接され、他端を前記ケース側に固定
されたコイルばねとを備え、前記支持装置は、前記底板
との間に平行な隙間を有する移動部材と、前記2本のワ
イヤと摺動するように構成された第1の摺動部及び第2
の摺動部とを備え、前記支持装置と前記コイルばねとの
間に、前記ワイヤの方向を変える方向変換手段を、前記
ケース側に固設して備え、前記ケース内に、少なくとも
前記移動部材が浸かる高さまで、流体を満たしてもよ
い。
【0017】上記第2の目的を達成するために、本発明
の免震装置は、下方を底板で塞がれた円筒形状のケース
と、このケースの内側に前記底板との間に所定の間隔を
持って備えられたリング形状の部材と、前記底板上で移
動可能に設けられた支持装置と、この支持装置の移動を
規制するばね装置とを備え、前記支持装置で免震支持さ
れる機器の脚部を支持する免震装置であって、前記ばね
装置は、ケース内に交差するように張られた2本のワイ
ヤと、各ワイヤの少なくとも一端に一方の端が連接さ
れ、他端を前記ケース側に固定されたコイルばねとを備
え、前記支持装置は、下部に円形の平板と、前記2本の
ワイヤとそれぞれ摺動する摺動部とを備え、前記支持装
置と前記コイルばねとの間に、前記ワイヤの方向を変え
る方向変換手段を、前記ケース側に固設して備え、前記
支持装置下部の円形の凸部と、前記リング形状の部材と
前記底板との間の間隔とを、前記円形の凸部が前記リン
グ形状の部材と前記底板との間に挿入可能であるように
設ける。
【0018】このとき、リング形状の部材は、ケースと
一体に形成されてもよし、別の部材として構成されても
良い。
【0019】以上に述べた免震装置において、支持装置
のワイヤとの摺動部は、ワイヤを挟んで転動する一対の
ローラを備えて構成されるものであっても良い。
【0020】また、支持装置と移動部材は一体に形成さ
れてもよし、別の部材として構成されても良い。
【0021】また、支持装置がケースとぶつかる部位
に、ゴム等の緩衝部材を設けることが望ましい。このと
きのゴムは、高減衰ゴムであることが好ましい。
【0022】本発明の第3の目的は、以上に述べた免震
装置を用いて、電子装置を床面に固定することにより達
成される。
【0023】本発明によれば、コイルばねを用いたこと
により、支持装置の移動範囲、すなわちストロークを大
きくとれる。さらに、ワイヤの方向を変える方向変換手
段を備えたことにより、ワイヤとコイルばねとを直線上
に配置する必要がなく、免震装置のコンパクト化を図る
ことができる。
【0024】また、大きな地震時には、支持装置はケー
スの端まで移動し、ケースの内壁とぶつかる。このと
き、緩衝部材が設けられている場合は、この緩衝部材に
より衝撃力が緩和される。支持装置がケース内壁とぶつ
かって、あるいは緩衝部材によっても衝撃力が十分に緩
和されない場合は、電子装置を支持している支持装置が
上方向に持ち上げられる。このとき、支持装置下部の円
形の凸部が、リング部材によって拘束を受け、電子装置
の転倒を防止することができる。
【0025】免震装置はフリーアクセス床あるいは建物
の床に固定されるのが望ましいが、地震時に想定される
電子装置の転倒モーメントに比べて免震装置の重量が十
分に大きい場合にはその必要はない。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1〜
図3を参照して説明する。
【0027】図1は本発明に係る免震装置を電子装置に
適用した縦断面図である。この実施例では建物の床15
にフリーアクセス床を支持するペデスタル部材14を配
置し、その上にフリーアクセス床13を設け、その上に
電子装置16の脚部17を支持するように、免震装置1
2を設けたものである。
【0028】図2は本発明に係る免震装置の一実施例の
横断面図(平面図)であり、図3は図2のIII−III矢視
断面を示す図(縦断面図)である。
【0029】図2は、フリーアクセス床13に配置さ
れ、免震装置12のケースとなる円筒部材1内に底板2
上を移動可能な移動部材3を設ける。この移動部材3が
円筒部材1の内壁に移動した場合にも移動部材3の移動
を妨げない高さに、円筒部材1の内壁にリング部材10
を配置し、リング部材10の下部の円筒部材1の内壁に
は緩衝部材11を設ける。移動部材3上にはローラ6a
を備える支持装置9が設けられ、この支持装置9に電子
装置の脚部17が取り付けられている。
【0030】すなわち、移動部材3は鉛直方向(底板に
垂直な方向)から見た形状が円形で、かつこの上に載せ
られる支持装置9の外形よりも突出した形状(凸部とな
る形状)をしており、この凸部がリング部材10の下部
に挿入可能に構成されている。このとき、移動部材3は
支持装置9と一体に形成されても良いし、別の部材とし
て構成されても良い。
【0031】また、4個の円筒形状のホルダ部材7のう
ち、2本づつをリング部材10上の中心について点対称
の位置に設ける。それぞれの点対称になる2本のホルダ
部材7に収められたばね部材4を、これらのばね部材4
の中央を通したワイヤ部材5Aに取り付けられたばね受
8で圧縮できるように連結する。
【0032】そして、このワイヤ部材5Aが底板2の中
央に配置した移動部材3の上部に来るように、ワイヤ部
材5Aを支持するローラ部材6bを各ホルダ部材7の近
傍のリング部材10上にその周方向に等間隔に設け、こ
のワイヤ部材5Aを移動部材3の上部に設けた支持装置
9の2組のローラ部材6aで支持する。さらに、別のば
ね装置39をそのワイヤ部材5Bが先のワイヤ部材5A
とほぼ直交するように設ける。さらに、支持装置9に電
子装置16の脚部材17を固定する。
【0033】また本実施例では、移動部材3に底板2と
平行な間隙を有する部分を設け、円筒部材1と底板2か
らなる容器に高粘性流体33を満たしている。この高粘
性流体33としては、シリコンオイルの他、コールター
ルを主成分としてこれに添加剤を加えたものを使用する
と良い。また、図2及び図3には記載していないが、免
震装置上面にカバーを設けて、高粘性流体33にごみ、
埃等が混入しないようにすると良い。
【0034】次に、本実施例の作用について説明する。
【0035】図2において、紙面内の右方向の地震動に
より、電子装置16に水平方向の地震力が加わった時、
電子装置16と共に、移動部材3が免震装置12の底板
2上を移動し、この移動に伴って移動部材3は、移動部
材3に設けたローラ部材6aに挟まれた紙面内の上下方
向に張られたワイヤ部材5Aを引っ張り、ワイヤ部材5
Aはホルダ部材7内に収められたばね部材4を抑え部材
8を介して圧縮させ、このばね部材4により電子装置1
6に復元力が働く。また、紙面の左方向に電子装置が移
動した場合にもワイヤ部材5Aとローラ部材6bによ
り、ばね部材4は常に圧縮方向で作用することになる。
【0036】このような構造により、ばね部材4の長さ
を短く設計することが可能である。また、ワイヤ部材5
Aとローラ部材6bにより、対になっているばね部材4
を直線上に配置する必要がなく、コンパクトに配置でき
る。また、紙面内の上下方向に移動部材3が移動した場
合には、紙面内の上下方向に張られたワイヤ部材5Aは
これに連結されたばね部材4には作用しない。
【0037】また、ローラ部材6bは、ワイヤ部材5A
及びワイヤ部材5Bの張られる方向、すなわち引っ張り
力の方向を変える。これによって、ばね部材4は円筒部
材1の内壁に沿う方向に構成される。また、ばね部材4
はその伸縮方向にのみ力を受けて伸縮し、ばねが左右に
振られることがない。
【0038】ローラ部材6a及びローラ部材6bは必ず
しもローラである必要はなく、ワイヤ部材5A及びワイ
ヤ部材5Bと摺動する摩擦抵抗の小さな摺動部材であっ
ても良い。このとき、ローラ部材6aとしてはワイヤが
貫通する貫通孔を有するブロック状の部材や、ローラ部
材6bとしては丸棒などを用いることができる。ローラ
で構成した場合は、摩擦抵抗が小さく極めて滑らかに動
作することができると共に、摺動部材の摩耗の心配がな
い。
【0039】中規模程度の地震に対しては、移動部材3
が底板2上を自由に移動できるように、底板2の大きさ
が設計され、大地震時には電子装置と共に移動する移動
部材3がまず緩衝部材11にぶつかり、衝撃力を緩和さ
せ、電子装置16に大きな転倒モーメントが作用して、
移動部材3が引き上げられようとした場合には、円筒部
材1の内壁に設けられたリング部材10によって拘束を
受け、従って、電子装置16の転倒を防止することがで
きる。
【0040】免震装置12はフリーアクセス床13に固
定されるのが望ましいが、地震時に想定される電子装置
16の転倒モーメントに比べて免震装置12の重量が十
分な場合にはその必要はない。また、免震装置12がフ
リーアクセス床13に固定される場合は、図1及び図9
に示すように、免震装置12が固定されるフリーアクセ
ス床13はターンバックル部材等の結合部材41によ
り、ペデスタル部材14もしくは建物の床15で支持す
ることが望ましい。
【0041】本実施例では圧縮ばねを使用しているが、
一方の端を固定され他端にワイヤ部材5Aまたは5Bが
連接されて引っ張られる引っ張りばねを用いても良い。
この場合、ホルダー7が不要になるため構造が簡単にな
り、これによって小形化が可能になる。
【0042】また、移動部材3に底板2と平行な間隙を
有する部分を設け、円筒部材1と底板2からなる容器に
高粘性流体33を満たしたことにより、地震時に電子装
置16と共に平行板34が底板2に対して相対的に変位
すると、平行板34と底板2間には高粘性流体33によ
るせん断粘性抵抗力が発生し、これによって支持装置9
と底板2との相対変位を抑制することになる。また、移
動部材3が底板2から離れようとするときに、高粘性流
体33がこの動作に抵抗力を付与することができるの
で、転倒を防止する力を高めることができる。このよう
な作用効果を期待する必要が無い場合は、高粘性流体3
3を満たす必要はない。
【0043】図2及び図3の実施例においては2個のば
ね4を対にして使用していたが、1本のワイヤ部材5の
一方の端をリング部材10に固定し、他端にのみばね装
置39を設ける構成にしても良い。図2及び図3の実施
例との違いは、支持装置9の移動に対するばね部材4の
変位が大きくなる点であるが、この場合、構成が非常に
簡略化される。従って、ばね部材4の許容変位が十分大
きくとれる場合は有効である。
【0044】図4(a)〜(c)に、免震装置の他の実施例の
縦断面図を示す。
【0045】図4(a)の実施例においては、図3の実施
例に対して、ばね部材の部分のみが異なり、その他の構
成は図3と同様にすることができる。すなわち、円筒部
材1の内壁のほぼ直交する4カ所に軸部材36とこれに
巻かれた薄板ばね部材19からなるコンスタントハンガ
部材20を設け、薄板ばね部材19の端部をそれぞれ底
板2中央に配置した移動部材3の上部に設けた支持装置
9に取り付けた構造である。
【0046】この実施例では、コンスタントハンガ部材
20の薄板ばね部材19は引っ張られると、いつも一定
の荷重で引き戻すように働くが、このように作用する対
面する2つのコンスタントハンガ部材20の2つが引っ
張り方向に移動部材3と共に引っ張られたとき、これら
のコンスタントハンガ部材20により移動部材3に復元
力が作用することになる。薄板ばね部材を用いたコンス
タントハンガ部材により、免震装置はコンパクト化させ
ることができる。
【0047】図4(b)は、図3の実施例のばね部材4の
代わりに、渦巻きばねを用いたものである。転倒防止を
実現するだけで良い場合は、このような構成も考えられ
る。
【0048】図4(c)は、免震装置12のばね部材とし
て、円筒部材1の上部に円盤状のゴム板部材21を取り
付け、ゴム板部材21の中央部と円筒部材1の底板2の
中央に配置された移動部材3とを連結させたものであ
る。本実施例では、円盤状のゴム板部材21を用いるた
め、ばね部材としてほとんどスペースを取らない。
【0049】図4に示す実施例において、高粘性流体3
3を満たしても、上述の作用効果が期待できる。
【0050】図5に別の実施例の縦断面図を示す。この
実施例は、円筒部材1の壁部と底板2とが接する近傍の
4カ所にユニバーサルジョイント部材22を介してばね
部材4を内蔵するホルダ部材7を設け、電子装置16側
に取り付けられたワイヤ部材5の端部はばね部材4の中
央をとって、ばね部材4の端部と連結され、移動部材3
が円筒部材1の中央に配置された構造である。
【0051】本実施例では、地震時に移動部材3で支持
された電子装置16が移動するに伴って、電子装置16
側に取り付けたワイヤ部材5がユニバーサルジョイント
部材22で支持されたホルダ部材7に収められたばね部
材4を圧縮することによって、電子装置16に復元力が
与えられ、さらに、大きな地震時にはばね部材4が密着
状態となり、それ以上圧縮できなくなるため、電子装置
16の転倒が防止される。
【0052】図6に別の実施例の縦断面図を示す。この
実施例は、円筒ゴム部材24の上下端面にフランジ部材
23が設けられ、また、円筒ゴム部材24の内側には、
ボールベアリング部材25と中間板26が交互に何層か
積層されている。さらに、ボールベアリング部材25と
中間板26の中央に穴部を設け、その穴部にワイヤ部材
5を通し、ワイヤ部材5の両端部を2つのフランジ部材
23aと23bにピン結合させ、ワイヤ部材5には円筒
ゴム部材24が許容水平変位分まで変形ができるよう
に、弛みを持たせてある。
【0053】この実施例では、ボールベアリング部材2
5と中間板26の積層構造により、支持面積を小さくす
ることができる。動作原理は、電子装置16を支持して
いるボールベアリング部材25と中間板26の積層構造
が、地震により少しづつずれることによって、本免震装
置は変位することができ、円筒ゴム部材24によって、
電子装置16に復元力を与えている。
【0054】さらに、大きな地震の場合には弛みを持た
せたワイヤ部材5により、この免震装置12は許容水平
変位分だけ変位するが、それ以上水平変位が増加する
と、免震装置12の水平方向の変位は拘束され、電子装
置16の転倒を防止することができる。
【0055】図7にさらに別の実施例の縦断面図を示
す。なお、この実施例における電子装置16は、図9の
ように、免震装置12と電子装置16の脚部17の間に
架台18を介して支持される。この実施例は、円筒ゴム
部材24の上下端面にフランジ部材23aと23bとが
設けられ、円筒ゴム部材24の内側の中央にボールベア
リング部材25を配置し、このボールベアリング部材2
5はその上下にスペーサ部材27aと27bを介してフ
ランジ部材23aと23bで支持される。さらに、円筒
ゴム部材24より外側のフランジ部材23aと23bの
複数箇所に、両端部がピン結合される棒部材40が設け
られ、この棒部材40は、円筒ゴム部材24がその許容
水平変位分だけ変形できるように、フランジ部材23a
と23bのピン結合間よりも長く設計される。
【0056】この実施例では、水平面内に移動可能なボ
ールベアリング部材25を上側と下側のスペース部材2
7a,27bの中央に設けることによって、大きな変位
を確保でき、さらに、円筒ゴム部材22により復元力を
与える。また、棒部材40は図6の実施例のワイヤ部材
5と同様な役目をする。
【0057】図8は、別の実施例の横断面図である。こ
の実施例は、一方向のみに移動可能でその他の方向には
拘束されたレール部材29と可動部材28から成るリニ
アガイド部材30を直交するように設け、一つのレール
部材29の両端には固定部材32を設け、対面する固定
部材32にばね部材4をそれぞれに設けて、ばね部材4
同志をワイヤー部材5で連結し、ワイヤ部材5の中央を
他方向の可動部材28に設けたフック部材31で支持し
たものである。また、レール部材29のそれぞれの両端
には緩衝部材11が設けられている。
【0058】この実施例では、電子装置16を支持して
いる可動部材28aがその可動方向(紙面の上下方向)
にレール部材29a上を動くと、これと平行に設けられ
ているワイヤ部材5aをフック部材31aが滑るように
移動し、ばね部材4aには影響を与えないが、この可動
部材28aが直交して設けられているワイヤ部材5bを
フック部材31bが引っ張ることによって、ばね部材4
bは引っ張られて、紙面の上下方向の復元力が可動部材
28aに作用する。この場合もばね部材4bは常に伸び
るだけである。可動部材28bについても同様である。
また、リニアガイド部材では回転モーメントに対して拘
束するので、電子装置16の転倒を防止することができ
る。
【0059】また、本発明に係る免震装置は、図9に示
すように、複数の免震装置12上に架台を載せ、この上
に電子装置を載せる構成にしても良い。また、この構成
において、免震装置を建物の床に(フリーアクセス床を
介さず)直に配置しても良い。さらに、免震装置を建物
の床に(フリーアクセス床を介さず)直に配置し、この
免震装置に電子装置の脚を架台を介すことなく載せる構
成であっても良い。
【0060】上述の各実施例において、電子装置とは、
例えば、メインフレームのコンピュータや、このコンピ
ュータの周辺装置となるハードディスク装置等が考えら
れ、その他の精密機器等に対しても本発明に係る免震装
置を用いることができる。
【0061】
【発明の効果】上述のとおり本発明によれば、コイルば
ねを用い、かつコイルばねの伸縮する方向を免震装置の
ケース内壁に沿う方向に変換することができるので、ス
トロークが長く、かつ小形の免震装置を提供することが
できる。さらに、機器の脚部を支持して移動する移動部
材が免震装置の内壁まで移動したときに、この移動部材
が挿入されて免震装置の底板から離れるのを防止するス
ペースを設けたことにより、機器の転倒を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免震装置を電子装置に適用した縦断面
図である。
【図2】本発明の免震装置の一実施例の横断面図であ
る。
【図3】本発明の免震装置の一実施例の縦断面図であ
る。
【図4】本発明の免震装置の他の実施例の縦断面図であ
る。
【図5】本発明の免震装置の他の実施例の縦断面図であ
る。
【図6】本発明の免震装置の他の実施例の縦断面図であ
る。
【図7】本発明の免震装置の他の実施例の縦断面図であ
る。
【図8】本発明の免震装置の他の実施例の横断面図であ
る。
【図9】本発明の免震装置を電子装置に適用した他の構
成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…円筒部材、2…底板、3…移動部材、4…ばね部
材、5…ワイヤ部材、6…ローラ部材、7…ホルダ部
材、8…押し部材、9…支持装置、10…リング部材、
11…緩衝部材、12…免震装置、13…フリーアクセ
ス床、14…ペデスタル部材、15…建物の床、16…
電子装置、17…脚部材、18…架台、19…薄板ばね
部材、20コンスタントハンガ部材、21…ゴム板部
材、22…ユニバーサルジョイント部材、23…フラン
ジ部材、24…円筒ゴム部材、25…ボールベアリング
部材、26…中間板、27…スペース部材、28…可動
部材、29…レール部材、 30…リニアガイド部材、
31…フック部材、32…固定部材、33…高粘性流
体、34…平行板、35…連結部材、36…軸部材、3
7…渦巻きばね部材、38…すべり部材、39…ばね装
置、40…棒部材、41…結合部材。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケースと、このケース内で移動可能に設け
    られた支持装置と、この支持装置の移動を規制するばね
    装置とを備え、前記支持装置で免震支持される機器の脚
    部を支持する免震装置であって、 前記ばね装置は、ケース内に交差するように張られた2
    本のワイヤと、各ワイヤの少なくとも一端に一方の端が
    連接され、他端を前記ケース側に固定されたコイルばね
    とを備え、 前記支持装置は、前記2本のワイヤとそれぞれ摺動する
    摺動部を備え、 前記支持装置と前記コイルばねとの間に、前記ワイヤの
    方向を変える方向変換手段を、前記ケース側に固設して
    備えたことを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】ケースと、このケース内で移動可能に設け
    られた支持装置と、この支持装置の移動を規制するばね
    装置とを備え、前記支持装置で免震支持される機器の脚
    部を支持する免震装置であって、 前記ばね装置は、ケース内に交差するように張られた2
    本のワイヤと、各ワイヤの少なくとも一端に一方の端が
    連接され、他端を前記ケース側に固定されたコイルばね
    とを備え、 前記支持装置は、前記2本のワイヤとそれぞれ摺動する
    摺動部を備え、 前記支持装置と前記コイルばねとの間に、前記ワイヤが
    90度以上巻き付けられる方向変換手段を、前記ケース
    側に固設して備えたことを特徴とする免震装置。
  3. 【請求項3】下方を底板で塞がれた円筒形状のケース
    と、前記底板上で移動可能に設けられた支持装置と、こ
    の支持装置の移動を規制するばね装置とを備え、前記支
    持装置で免震支持される機器の脚部を支持する免震装置
    であって、 前記ばね装置は、ケース内に交差するように張られた2
    本のワイヤと、各ワイヤの少なくとも一端に一方の端が
    連接され、他端を前記ケース側に固定されたコイルばね
    とを備え、 前記支持装置は、前記底板との間に平行な隙間を有する
    移動部材と、前記2本のワイヤと摺動するように構成さ
    れた第1の摺動部及び第2の摺動部とを備え、 前記支持装置と前記コイルばねとの間に、前記ワイヤの
    方向を変える方向変換手段を、前記ケース側に固設して
    備え、 前記ケース内に、少なくとも前記移動部材が浸かる高さ
    まで、流体を満たしたことを特徴とする免震装置。
  4. 【請求項4】下方を底板で塞がれた円筒形状のケース
    と、このケースの内側に前記底板との間に所定の間隔を
    持って備えられたリング形状の部材と、前記底板上で移
    動可能に設けられた支持装置と、この支持装置の移動を
    規制するばね装置とを備え、前記支持装置で免震支持さ
    れる機器の脚部を支持する免震装置であって、 前記ばね装置は、ケース内に交差するように張られた2
    本のワイヤと、各ワイヤの少なくとも一端に一方の端が
    連接され、他端を前記ケース側に固定されたコイルばね
    とを備え、 前記支持装置は、下部に円形の凸部と、前記2本のワイ
    ヤとそれぞれ摺動する摺動部とを備え、 前記支持装置と前記コイルばねとの間に、前記ワイヤの
    方向を変える方向変換手段を、前記ケース側に固設して
    備え、 前記支持装置下部の円形の凸部と、前記リング形状の部
    材と前記底板との間の間隔とは、前記円形の凸部を前記
    リング形状の部材と前記底板との間に挿入可能に設けら
    れていることを特徴とする免震装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の免震装
    置において、前記支持装置の摺動部は、前記ワイヤを挟
    んで転動する一対のローラを備えて構成されることを特
    徴とする免震装置。
  6. 【請求項6】請求項1乃至4のいずれかに記載の免震装
    置を用いて、床面に固定したことを特徴とする電子装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102374259A (zh) * 2011-11-17 2012-03-14 故宫博物院 独立式平行连杆三维文物隔震装置
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WO2023058251A1 (ja) * 2021-10-10 2023-04-13 賢一 要 テーブル及びハンガー兼用免震装置

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