JP4298120B2 - トナー及び加熱定着方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法の如き画像形成方法において形成される静電荷像の現像に用いるトナー及び加熱定着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、提案されているフルカラー複写機においては、4つの感光体とベルト状転写体を用い、各感光体上にそれぞれ形成された静電荷像をシアントナー,マゼンタトナー,イエロートナー及びブラックトナーを用い現像後、感光体とベルト転写体間に転写材を搬送しストレートパス間で転写後、フルカラー画像を形成せしめる方法や、感光体に対向せしめた転写体表面に静電気力やグリッパーの如き機械的作用により転写材を巻き付け、現像−転写工程を4回実施することでフルカラー画像を得る方法が一般的に利用されている。
【0003】
これらフルカラー用複写機に登載されるトナーとしては、色再現性の向上やオーバヘッドプロジェクター(OHP)画像の透明性を損なうことなく加熱加圧定着工程で各トナーが充分混色することが必要である。
【0004】
一般の白黒複写機用黒トナーと比べフルカラー画像用トナーは、シャープメルト性を有する低分子量結着樹脂が好ましい。しかしながら、通常シャープメルト性結着樹脂を用いると加熱加圧定着工程でトナーが溶融した際、結着樹脂の自己凝集力が低いため耐高温オフセット性に問題を生じ易い。
【0005】
一般の白黒複写機用黒トナーは、定着時の耐高温オフセット性を向上させるためポリエチレンワックスやポリプロピレンワックスに代表される比較的高結晶性のワックスが離型剤として用いられている。例えば特公昭52−3304号公報、特公昭52−3305号公報、特開昭57−52574号公報に提案されている。しかしながら、フルカラー画像用トナーにおいては、この離型剤自身の高結晶性やOHP用シートの材質との屈折率の違いのためOHPで透映した際、透明性が阻害され、投影像は彩度や明度が低くなる。
【0006】
この問題を解決するため、造核材をワックスと併用することでワックスの結晶性を低下させる方法が、特開平4−149559号公報、特開平4−107467号公報に提案されている。
【0007】
更に結晶化度の低いワックスを用いる方法が特開平4−301853号公報、特開平5−61238号公報に提案されている。比較的透明性が良く融点の低いワックスとしてモンタン系ワックスがあり、モンタン系ワックスの使用が、特開平1−185660号公報、特開平1−185661号公報、特開平1−185662号公報、特開平1−185663号公報、特開平1−238672号公報に提案されている。
【0008】
しかしながら、これらのワックスは、OHPでの透明性と加熱加圧定着時の低温定着性及び耐高温オフセット性の全てが充分満足されるものではない。このため通常のカラートナーでは、離型剤を極力添加せずに加熱定着ローラーへシリコーンオイルやフッ素オイルの如きオイルを塗布せしめ耐高温オフセット性の向上とOHPでの透明性を図っている。
【0009】
しかしながら、このようにして得られた定着画像は、その表面に余分のオイルが付着している。オイルが感光体に付着して汚染したりオイルが定着ローラーを膨潤し、定着ローラーの寿命を短かくする場合がある。
【0010】
定着画像上へのオイルスジを発生させないため、オイルを均一に且つ定量的に定着ローラー表面上に供給する必要性があり、定着装置が大型化する傾向にある。
【0011】
そのため、高温オフセットを防止するためのオイルを使用しないか、又は、オイルの使用量を少なくした加熱加圧定着手段において、オフセットの発生が抑制されているトナーであり、さらに、定着画像の透明性に優れているトナーが待望されている。
【0012】
そこで、特開平8−314300号公報、特開平8−50368号公報には、重合懸濁法によりワックスを内包化させることにより、定着オイルを使用しないトナー及び画像形成法が提案されている。
【0013】
しかし、これらのトナーでは、定着画像上へのオイルスジは抑制されるものの、トナー内部にワックスを大量に内包化させる必要があり、且つスチレン−アクリルを主成分とするバインダーを使用するため、定着画像表面の凹凸は避けられず、結果的にOHP透過性としては、満足できるものであるとは言い難い。
【0014】
同時に、これらのトナーによる画像記録物は必然的に低グロスとなるため、グラフと文字部の混在したグラフィック画像においては、違和感のない良好な画像を得られるというメリットはあるものの、ピクトリアルな画像においては、定着後のトナーが充分に溶融されないため、二次色の混色性が低く、色再現範囲は狭くなるというデメリットがある。
【0015】
従って、オイルを使用しないか、又は、オイルの使用量を少なくした加熱加圧定着手段において、シャープメルト性の高いポリエステルをメインバインダーとすることにより高いグロスを達成し、二次色の混色性に優れ、色再現範囲が広く、且つOHP透過性の優れたトナーが待望されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決したトナー及び加熱定着方法を提供するものである。
【0017】
本発明の目的は、多量のオイルを塗布することなく、またはオイルを全く塗布することなく定着し得るトナー及び加熱定着方法を提供することにある。
【0018】
本発明の目的は、OHPでの透明性が良好で且つ二次色の混色性が良好なため、色再現範囲が広いトナー及び加熱定着方法を提供することにある。
【0019】
本発明の目的は、低温定着性に優れ且つ耐高温オフセット性に優れたトナー及び加熱定着方法を提供することにある。
【0020】
本発明の目的は、高温環境放置時における耐ブロッキング性に優れたトナー及び加熱定着方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
具体的には、本発明は、(i)ポリエステル樹脂、(ii)炭化水素系ワックス、(iii)スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とポリオレフィンとを少なくとも有するワックス分散剤、及び(iv)着色剤を含有するトナーであり、
該ポリオレフィンのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大吸熱ピークの極大値が90〜130℃にあり、
該炭化水素系ワックスのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大吸熱ピークの極大値が55〜80℃にあり、
該トナーにおける全ポリエステル樹脂の含有量(W1)、該炭化水素系ワックスの含有量(W2)、該共重合体の含有量(W3)、及びポリオレフィンの含有量(W4)の質量比が下記関係
W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):(0.1〜2)
W3:W4=100:(1〜400)
を満足することを特徴とするトナーに関する。
【0022】
さらに、本発明は、記録材上に形成されているトナー画像の表面に定着部材を接触させ、且つ該トナー画像に熱及び圧力を付与することにより、該トナー画像を該記録材に定着する加熱定着方法において、
該記録材への該トナー画像の定着時に、該定着部材から該記録材のトナー画像の定着面に供給されるシリコーンオイルの記録材単位面積当たりの塗布量が0〜1×10-7g/cm2であり、
該トナーは、(i)ポリエステル樹脂、(ii)炭化水素系ワックス、(iii)スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とポリオレフィンとを少なくとも有するワックス分散剤、及び(iv)着色剤を含有しており、
該ポリオレフィンのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大級熱ピークの極大値が90〜130℃にあり、
該炭化水素系ワックスのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大級熱ピークの極大値が55〜80℃にあり、
該トナーにおける全ポリエステル樹脂の含有量(W1)、該炭化水素系ワックスの含有量(W2)、該共重合体の含有量(W3)、及びポリオレフィンの含有量(W4)の質量比が下記関係
W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):(0.1〜2)
W3:W4=100:(1〜400)
を満足することを特徴とする加熱定着方法に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、(i)ポリエステル樹脂、(ii)炭化水素系ワックス、(iii)スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とポリオレフィンとを少なくとも有するワックス分散剤及び(iv)着色剤を含有するトナーであり、
該ポリオレフィンのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大吸熱ピークの極大値が90〜130℃にあり、
該炭化水素系ワックスのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大吸熱ピークの極大値が55〜80℃にあり、
該トナーにおける全ポリエステル樹脂の含有量(W1)、該炭化水素系ワックスの含有量(W2)、該共重合体の含有量(W3)及びポリオレフィンの含有量(W4)の質量比が下記関係
W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):(0.1〜2)
W3:W4=100:(1〜400)
を満足することを特徴とするトナーである場合に、オイルを使用しないか、又は、オイルの使用量を少なくした加熱加圧定着手段において、高いグロスを満足し、二次色の混色性に優れ、色再現範囲が広く、且つOHP透過性の優れたトナー及び画像形成方法を提供できる知見を得たため、本発明に到達したものである。以下、本発明に関し、詳細に説明する。
【0024】
本発明において、トナー粒子の結着樹脂は、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂であり、カルボキシル基を有し、下記式(A)で示される分子骨格を有するポリエステル樹脂が好ましい。
【0025】
【化1】
Figure 0004298120
〔式中、x及びyは1以上の整数であり、x+yの平均値は2〜4である。RはH又はC1〜C20のアルキル又はアルケニル基である。〕
【0026】
式(A)で示される分子骨格を有するポリエステル樹脂は、後に詳しく説明する芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体又は、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物と同時に溶融混練される際に、金属イオン架橋構造が形成され易く、トナーの動的弾性率曲線において明瞭な極小値(G′min)を有するトナーを良好に生成し得る。
【0027】
例えば、図1に示す後述の実施例と類似のトナーの動的弾性率曲線においては、温度170℃の領域の動的弾性率(G'170)が、温度140℃の領域の動的弾性率(G'140)よりも高温サイドの温度で、トナーは高粘弾性を有しているため、耐高温オフセット性に極めて優れている。
【0028】
一方、図2に示す如き粘弾性を示す後述の比較トナーと類似処方のトナーは、温度100乃至200℃の領域に明確な極小値を有していなく、温度100℃よりも高温サイドにおいても温度の上昇とともにトナーの貯蔵弾性率が低下している。この様なトナーは、耐高温オフセット性に劣り、定着可能温度領域が本発明のトナーよりも狭くなる。
【0029】
式(A)で示される分子骨格がなぜ特異的に芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体又は、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物と作用するかは十分には判明していないが、この分子鎖特有の屈曲性が相互作用しやすい配座を形成しやすいため(分子配置相互作用)と、p位に電子供与性を有するフェニル基の電子供与性、また−CH=CR−のπ電子供与性相互作用が深く係わっていると思われる。
【0030】
本発明における主な結着樹脂であるポリエステル樹脂を生成するための二価のアルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水酸化ビスフェノールA、また、式(B)で表わされるビスフェノール誘導体
【0031】
【化2】
Figure 0004298120
〔式中、Rはエチレン、プロピレン基であり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。〕
が挙げられる。
【0032】
また、非線形状ポリエステル樹脂を形成するための三価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。三価以上の多価アルコールの使用量は、全モノマー基準で0.1〜1.9mol%が好ましい。
【0033】
また、ポリエステル樹脂を生成するための二価の酸成分としては、例えば、フマル酸,マレイン酸,無水マレイン酸,コハク酸,アジピン酸,セバシン酸,マロン酸およびこれらを炭素数8〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した脂肪族系酸成分モノマー;また芳香族系酸成分モノマーとして、フタル酸,イソフタル酸,無水フタル酸,テレフタル酸およびそのエステル誘導体が挙げられる。
【0034】
また、非線形状ポリエステル樹脂を形成するための三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸および、これらの無水物やエステル化合物が挙げられる。三価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基準で0.1〜1.9mol%が好ましい。
【0035】
本発明において、ポリエステル樹脂のTHF可溶分のGPC測定において、数平均分子量(Mn)が1300〜9500であり、重量平均分子量(Mw)が2600〜190000であり、該ポリエステル樹脂のTHF可溶分の質量平均分子量(Mw)とMnとの比(Mw/Mn)は2〜20であることが好ましい。
【0036】
また、ポリエルテル樹脂の酸価は好ましくは1〜60mgKOH/g、より好ましくは5〜60mgKOH/gの範囲にあり、さらに好ましくは5〜50mgKOH/g、特に好ましくは7〜50mgKOH/gであることが好ましい。
【0037】
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1300未満の場合又は重量平均分子量(Mw)が2600未満の場合には、いずれも定着画像表面の平滑性は高く見た感じの鮮やかさはあるものの、耐久において高温オフセットが発生しやすくなり、さらに、長期保存安定性が低下し、現像器内でのトナー融着及びキャリア表面にトナー成分が付着してキャリアスペントの発生といった新たな問題も懸念される。さらに、カラートナー粒子の製造時のトナー原料の溶融混練時にシェアーがかかり難く、着色剤の分散性が低下し易く、よってトナーの着色力の低下やトナーの帯電量の変動が生じ易い。
【0038】
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が9500を超える場合又は重量平均分子量(Mw)が190000を超える場合には、いずれも耐オフセット性に優れるものの、定着設定温度を高くせざるを得ないし、さらに、仮に顔料の分散の程度をコントロールできたとしても、画像部での表面平滑性が低下してしまい色再現性が低下し易くなってしまう。
【0039】
ポリエステル樹脂のMw/Mnが2未満の場合には、一般に得られるポリエステル樹脂は、分子量自体が小さくなることから、前述の分子量が小さい場合と同様に耐久による高温オフセット現象、長期保存安定性の低下、現像器内でのトナー融着及びキャリアスペントが生じ易くなり、さらに、トナーの帯電量のばらつきが生じ易い。
【0040】
ポリエステル樹脂のMw/Mnが20を超える場合は、耐高温オフセット性に優れるものの、定着設定温度を高くせざるを得ないし、さらに、仮に顔料の分散の程度をコントロールできたとしても、画像部での表面平滑性が低下してしまい、二次色の混色性が低下するために、色再現性が低下し易くなってしまう。
【0041】
ポリエステル樹脂の酸価が、1mgKOH/g未満の場合には、耐久における帯電量の上昇、所謂チャージアップが発生しやすく、画像濃度を長期に渡って維持することが困難となる。
【0042】
ポリエステル樹脂の酸価が、60mgKOH/gを超える場合は、チャージアップ傾向はなくなるが、特に高温高湿環境時における帯電量の減少傾向、所謂チャージダウンに起因する「白地カブリ」が発生し、画像品質の低下を招くこととなる。
【0043】
本発明に用いられる離型剤(ワックス)としては次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、離型剤として、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N′−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N′−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニルモノマーをグラフト化させたグラフトワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0044】
特に好ましく用いられるワックスとしては、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスである。
【0045】
次に、本発明において用いたワックス分散剤について鋭意検討した内容に関して説明する。
【0046】
本発明におけるワックスの添加方法としては、トナー製造時にバインダーその他の材料と共に同時添加するのではなく、予めパラフィンの如き離型剤を樹脂組成物中に微分散させた「ワックス分散剤」という形態で添加するのが良い。以下にワックス分散剤について述べる。
【0047】
ワックス分散剤としては、(i)ポリエステル樹脂、(ii)炭化水素系ワックス、(iii)スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とポリオレフィンとを少なくとも有するものが良い。
【0048】
本発明において用いた炭化水素系ワックスは、該ワックス分散剤中において予め微分散される。
【0049】
炭化水素系ワックスのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大吸熱ピークの極大値が55〜80℃にあること、また、トナーの質量を基準として0.1〜6質量%含有させることが良い。
【0050】
ワックスの量が0.1質量%未満の場合は、特に定着オイルの塗布量を減らした場合もしくは全く使用しない場合の離型効果が得られず、6質量%よりも多い場合は、顔料の分散が悪くなり、結果的にトナーの彩度を損なうこととなる。
【0051】
また、最大吸熱ピークが55℃未満のワックスを用いた場合、本発明に用いられる樹脂のガラス転移温度よりも低くなるために、高温環境に放置した際にトナー表面に溶け出すため、耐ブロッキング性能が大幅に悪くなる。一方、最大吸熱ピークが80℃より大きい場合、トナー定着溶融時にワックスが迅速に溶融トナー表面に移行できず、離型性が悪くなるために、高温オフセットが発生し易くなる。
【0052】
炭化水素系ワックスのGPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が400〜800であり、数平均分子量(Mn)が400〜600であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であることが好ましい。
【0053】
炭化水素系ワックスの数平均分子量(Mn)が400未満の場合又は重量平均分子量(Mw)が400未満の場合、高温環境に放置した際にトナー表面に溶け出すため、耐ブロッキング性能が大幅に悪くなる。
【0054】
また、炭化水素系ワックスの数平均分子量(Mn)が600を超える場合又は重量平均分子量(Mw)が800を超える場合、もしくは重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0を超える場合、トナー定着溶融時にワックスが迅速に溶融トナー表面に移行できず、離型性が悪くなるために、高温オフセットが発生し易くなる。
【0055】
本発明におけるメインバインダーであるポリエステル樹脂と炭化水素系ワックスとの相溶性は、元来より乏しいため、そのままの状態で添加してトナー化した際には、トナー中にワックスが偏析して存在し、遊離ワックス等も発生することから、結果的に白抜けの発生や帯電不良等の不具合が発生する。
【0056】
そこで、(iii)スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とポリオレフィンとをグラフトさせた共重合体中に、(ii)炭化水素系ワックスを予め微分散させた樹脂組成物をワックス分散剤とし、該ワックス分散剤を(i)ポリエステル樹脂中にマスターバッチとして溶融混合させたものを「ワックス分散剤マスターバッチ」として、トナー製造時に添加して用いた。
【0057】
スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体を合成するために用いることのできるモノマーとしては、次のようなものが挙げられる。
【0058】
スチレン系モノマーとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体が挙げられる。
【0059】
N含有ビニル系モノマーとしては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアミノ基含有α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
【0060】
カルボキシル基含有モノマーとしては、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルが挙げられる。
【0061】
水酸基含有モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンが挙げられる。
【0062】
アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類が挙げられる。
【0063】
メタクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニルの如きメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0064】
その中でも特に、スチレン-アクリロニトリル-ブチルアクリレートの三元共重合体が好ましい。
【0065】
スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体のGPCによる分子量分布においては、重量平均分子量(Mw)が5000〜100000であり、数平均分子量(Mn)が1500〜15000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2〜40であることが良い。
【0066】
スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体の重量平均分子量(Mw)が5000未満の場合、または数平均分子量(Mn)が1500未満の場合、または重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2未満の場合、トナーの耐ブロッキング性能が著しく損なわれる。
【0067】
スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体の重量平均分子量(Mw)が100000を超える場合、または数平均分子量(Mn)が15000を超える場合、または重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が40を超える場合、ワックス分散剤中に微分散された炭化水素系ワックスが定着溶融時に迅速に溶融トナー表面に移行できず、離型性が悪くなるために、高温オフセットが発生し易くなる。
【0068】
また、スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体は、該トナー中にトナーの質量を基準として0.1〜20質量%含有されていることが好ましい。
【0069】
スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体におけるトナーの質量を基準とした含有率が20質量%を超える場合、メインバインダーであるポリエステル樹脂の低温定着(シャープメルト性)が損なわれるため、非オフセット温度領域が狭くなるという弊害が生じる。
【0070】
スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とのグラフト重合に用いられる該ポリオレフィンは、DSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大吸熱ピークの極大値が90〜130℃にあることが良い。
【0071】
該ポリオレフィンの最大吸熱ピークの極大値が90℃未満、もしくは130℃を超える場合、いずれもスチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とのグラフト共重合体における枝別れ構造が損なわれるために炭化水素系ワックスの微分散が行われないため、トナー化した際における炭化水素系ワックスの偏析が生じ、白抜け等の画像不良が発生する。
【0072】
本発明においてワックス分散剤中に含有される該ポリオレフィンのGPCによる分子量分布における重量平均分子量(Mw)は500〜30000であり、数平均分子量(Mn)は500〜3000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は1.0〜20であり、密度は0.9〜0.95の低密度であることが好ましい。
【0073】
該ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)が500未満の場合、または数平均分子量(Mn)が500未満の場合、または重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0未満の場合、もしくは、重量平均分子量(Mw)が30000を超える場合、または数平均分子量(Mn)が3000を越える場合、または重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が20を超える場合、ワックス分散剤中に微分散された炭化水素系ワックスが定着時にトナー表面に有効的に染み出してこないため、耐高温オフセット性は悪化する。
【0074】
また、該ポリオレフィンの密度が0.95を超える(低密度ではない)場合、スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とのグラフト共重合体における有効な枝別れ構造が損なわれるため、トナー化した際における該炭化水素系ワックスの偏析が生じ、白抜け等の画像不良が発生する。
【0075】
また、該ポリオレフィンは、該トナー中にトナーの質量を基準として0.1〜2質量%含有されていることが好ましい。
【0076】
該ポリオレフィンにおけるトナーの質量を基準とした含有率が2質量%を超える場合、これも上述の結果と同じく、スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とのグラフト共重合体における有効な枝別れ構造が損なわれるために炭化水素系ワックスの微分散が行われず、トナー化した際における炭化水素系ワックスの偏析が生じ、白抜け等の画像不良が発生する。
【0077】
本発明におけるトナー中の全ポリエステル樹脂の含有量(W1)、炭化水素系ワックスの含有量(W2)、スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体の含有量(W3)、及びポリオレフィンの含有量(W4)の質量比が下記関係
W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):(0.1〜2)
を満足することが良い。
【0078】
W2のみが、W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):(0.1〜2)の範囲未満の場合、定着オイルの塗布量を減らした場合もしくは全く使用しない場合の離型効果が得られない。
【0079】
また、W2のみが、W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):(0.1〜2)の範囲を超える場合は、顔料の分散が悪くなり、結果的にトナーの彩度を損なうこととなる。
【0080】
W3のみが、W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):(0.1〜2)の範囲未満の場合、ワックス分散剤そのものの効果が発現しなくなるために、炭化水素系ワックスの微分散が行われず、トナー化した際における炭化水素系ワックスの偏析が生じ、白抜け等の画像不良が発生する。
【0081】
また、W3のみが、W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):(0.1〜2)の範囲を超える場合は、メインバインダーであるポリエステル樹脂の低温定着(シャープメルト性)が損なわれるため、非オフセット温度領域が狭くなるという弊害が生じる。
【0082】
W4のみが、W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):(0.1〜2)の範囲未満の場合、ワックス分散剤そのものの効果が発現しなくなるために、炭化水素系ワックスの微分散が行われず、トナー化した際における炭化水素系ワックスの偏析が生じ、白抜け等の画像不良が発生する。
【0083】
また、W4のみが、W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):(0.1〜2)の範囲を超える場合は、これも上述の結果と同じく、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸系共重合体とのグラフト共重合体における有効な枝別れ構造が損なわれるために炭化水素系ワックスの微分散が行われず、トナー化した際における炭化水素系ワックスの偏析が生じ、白抜け等の画像不良が発生する。
【0084】
また、スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体の含有量(W3)、及びポリオレフィンの含有量(W4)の質量比としては、下記式
W3:W4=100:(1〜400)
を満足することが良い。
【0085】
この範囲を外れる場合、該共重合体とポリエチレンによるグラフト共重合体の有効な枝別れ構造が損なわれるため、炭化水素系ワックスの微分散が行われず、トナー化した際における炭化水素系ワックスの偏析が生じ、白抜け等の画像不良が発生する。
【0086】
本発明に使用する有機金属化合物としては、芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物であることが好ましく、その金属としては、2価以上の金属原子が好ましい。2価の金属としてMg2+,Ca2+,Sr2+,Pb2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Zn2+,Cu2+が挙げられる。2価の金属としては、Zn2+,Ca2+,Mg2+,Sr2+が好ましい。3価以上の金属としてはAl3+,Cr3+,Fe3+,Ni3+があげられる。これらの金属の中で好ましいのはAl3+,Cr3+であり、特に好ましいのはAl3+である。
【0087】
本発明においては、有機金属化合物として、ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物が特に好ましい。
【0088】
芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物は、例えば、オキシカルボン酸及びアルコキシカルボン酸を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、2価以上の金属原子を溶融している水溶液を水酸化ナトリウム水溶液に滴下し、加熱撹拌し、次に水溶液のpHを調整し、室温まで冷却した後、ろ過・水洗することにより芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸の金属化合物を合成し得る。ただし、上記の合成方法だけに限定されるものではない。
【0089】
有機金属化合物は、トナーの質量基準で0.1〜10質量%使用すると、トナーの帯電量の初期変動が少なく、現像時に必要な絶対帯電量が得られやすく、結果的にカブリや画像濃度ダウンの如き画像品質の低下がなく好ましい。
【0090】
有機金属化合物の含有率が、トナーの質量基準として0.1質量%未満(全く加えない)であると、耐久時における帯電量が不安定となり、結果的に画像濃度の維持性に劣ることとなる。有機金属化合物の含有率が、トナーの質量基準として10質量%を超えると、逆に耐久時にチャージアップが発生するために、画像濃度の低下を招くこととなる。
【0091】
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合、磁性トナー粒子は、磁性体を含む。その場合、磁性体は着色剤としての機能も有する。磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0092】
例えば、磁性材料としては、四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe512),酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。好適な磁性材料は四三酸化鉄,磁性フェライト又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0093】
磁性体は平均粒径が0.1〜2μm(好ましくは0.1〜0.5μm)で、796kA/m(10kエルステッド)印加で磁気特性が抗磁力1.6〜12kA/m(20〜150エルステッド)、飽和磁化50〜200Am2/kg(好ましくは50〜100Am2/kg)、残留磁化2〜20Am2/kgのものが好ましい。
【0094】
該磁性体は、マグネットを内包する現像剤担持体上に磁気的拘束力を伴って担持される磁性一成分系現像剤として用いられる場合、トナーの質量基準で5〜120質量%含有するのが好ましい。
【0095】
また、マグネットを有していない現像剤担持体上に磁気的拘束力を伴わずに担持される系非磁性一成分現像剤として用いられる場合、磁性体をトナーの質量基準で0.1〜5質量%含有していることが好ましい。
【0096】
この範囲内で含有させることにり、耐久時におけるトナー飛散現象(機内汚れ)を抑えることができる。
【0097】
磁性体の含有率が、トナーの質量基準で5質量%を超えると、規制ブレードもしくはトナーを担持するローラー表面を著しく破損(削る)こととなり、帯電不良の原因となる。
【0098】
また、磁性キャリア粒子と混合されて二成分系現像剤として用いられる場合、磁性体をトナーの質量基準で0.1〜5質量%含有していることが好ましい。
【0099】
この範囲内で含有させることにり、現像剤を担持するローラーとの磁気的拘束力が増すために、耐久時におけるトナー飛散現象(機内汚れ)を抑えることができる。
【0100】
磁性体の含有率が、トナーの質量基準で5質量%を超えると、現像剤を担持するローラーとの磁気的拘束力が増し過ぎるために、画像濃度の低下を招くこととなる。
【0101】
本発明に用いられる着色剤としては、顔料及び/又は染料を用いることができる。
【0102】
例えば染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等が挙げられる。
【0103】
顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
【0104】
また、フルカラー画像形成用トナーとして使用する場合には、マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209,238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0105】
係る顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から、より好ましい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1の如き油溶染料;C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0106】
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.アシッドブルー6、C.I.アシッドブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等である。
【0107】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,83,93,97,180、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
【0108】
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1乃至15質量部、好ましくは3乃至12質量部、より好ましくは4乃至10質量部含有していることが良い。
【0109】
着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表される様な中間色の再現性も低下し易くなり、更にはトナーの帯電性の安定性が低下し、目的とする帯電量が得られにくくなる。
【0110】
着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、目的とする着色力が得られ難く、高い画像濃度の高品位画像が得られ難い。
【0111】
トナー粒子には、流動性向上剤が外添されていることが画質向上のために好ましい。
【0112】
流動性向上剤としては、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法によるシリカ微粉末、乾式製法によるシリカ微粉末の如きシリカ微粉末、それらシリカ微粉末をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルの如き処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チタン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末が挙げられる。
【0113】
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着により比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー粒子100質量部に対して流動性向上剤0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部使用するのが良い。
【0114】
トナー粒子は結着樹脂、着色剤、有機金属化合物及びその他の任意成分の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級することにより所定の平均粒径のトナー粒子を生成することができる。
【0115】
さらに、流動性向上剤とトナー粒子をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることができる。
【0116】
本発明において、トナーの重量平均粒径(D4)は、3.0乃至15.0μm、好ましくは4.0乃至12.0μmが良い。
【0117】
トナーの重量平均粒径(D4)が3.0μm未満の場合には、帯電安定化が達成しづらくなり、耐久において、カブリやトナー飛散が発生しやすくなる。
【0118】
トナーの重量平均粒径(D4)が15.0μmを超える場合には、ハーフトーン部の再現性が大きく低下し、得られた画像はガサついた画像になってしまう。
【0119】
さらに、本発明のトナーは、体積平均粒径(Dv)が2.5μm乃至6.0μmであることが、より高画質画像の形成のために好ましい。
【0120】
トナーの体積平均粒径(Dv)が2.5μm未満の場合には、トナーの帯電安定性が低下し、6.0μmを超える場合には、画質が粗くなる傾向にある。
【0121】
次に、本発明のトナーを適用し、電子写真法によりフルカラー画像を形成する方法を図3を参照しながら説明する。
【0122】
図3は、電子写真法によりフルカラーの画像を形成するための画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図3の画像形成装置は、フルカラー複写機又はフルカラープリンタとして使用される。フルカラー複写機の場合は、図3に示すように、上部にデジタルカラー画像リーダ部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を有する。
【0123】
画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理を施され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
【0124】
画像プリンタ部において、像担持体である感光ドラム1は、たとえば有機光導電体を有する感光層を有し、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ドラム1の回りには、前露光ランプ11、コロナ帯電器2、レーザ露光光学系3、電位センサ12、色の異なる4個の現像器4Y、4C、4M、4B、ドラム上光量検知手段13、転写装置5およびクリーニング器6が配置されている。
【0125】
レーザ露光光学系において、リーダ部からの画像信号は、レーザ出力部(図示せず)にてイメージスキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザ光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
【0126】
プリンタ部は、画像形成時、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電させて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上に静電荷像を形成する。
【0127】
次に、所定の現像器を動作させて感光ドラム1上の静電荷像を現像し、感光ドラム1上にトナーによるトナー画像を形成する。現像器4Y、4C、4M、4Bは、それぞれの偏心カム24Y、24C、24M、24Bの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近して、現像を行う。
【0128】
転写装置は、転写ドラム5a、転写帯電器5b、記録材としての転写材を静電吸着するための吸着帯電器5cおよびこれと対向する吸着ローラ5g、そして内側帯電器5d、外側帯電器5e、分離帯電器5hを有している。転写ドラム5aは、回転駆動可能に軸支され、その周面の開口域に転写材を担持する転写材担持体である転写シート5fが、円筒上に一体的に調節されている。転写シート5fにはポリカーボネートフィルムの如き樹脂フィルムが使用される。
【0129】
転写材はカセット7a、7bまたは7cから転写シート搬送系を通って転写ドラム5aに搬送され、転写ドラム5a上に担持される。転写ドラム5a上に担持された転写材は、転写ドラム5aの回転にともない感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送され、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用により、転写材上に感光ドラム1上のトナー画像が転写される。
【0130】
トナー画像は、感光体から直接転写材へ転写されても良く、また、感光体上のトナー画像を中間転写体へ転写し、中間転写体からトナー画像を転写材へ転写しても良い。
【0131】
上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(B)について繰り返し、転写ドラム5上の転写材上に4色のトナー画像を重ねたカラー画像が得られる。
【0132】
このようにして4色のトナー画像が転写された転写材は、分離爪8a、分離押上げコロ8bおよび分離帯電器5hの作用により、転写ドラム5aから分離して加熱加圧定着器9に送られ、そこで加熱加圧定着することによりトナーの混色、発色および転写材への固定が行われて、フルカラーの定着画像とされたのちトレイ10に排紙され、フルカラー画像の形成が終了する。
【0133】
このとき、加熱加圧定着器9での定着動作速度は、本体のプロセススピード(例えば160mm/sec)より遅い(例えば90mm/sec)で行われる。これは、トナーが二層から四層積層された未定着画像を溶融混色させる場合、十分な加熱量をトナーに与えなければならないためで、現像速度より遅い速度で定着を行うことによりトナーに対する加熱量を多くしている。
【0134】
図4において、定着手段である定着ローラー39は、例えば厚さ5mmのアルミ製の芯金41上に厚さ2mmのRTV(室温加硫型、JIS−A硬度20)シリコーンゴム層42、この外側に厚さ50μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層43を有している。
【0135】
一方、加圧手段である加圧ローラー40は、例えば厚さ5mmのアルミの芯金44の上に厚さ2mmのRTVシリコーンゴム層45(ゴム硬度JIS−A硬度40)、この外側に厚さ150μm層のPTFE層を有している。
【0136】
図4において、定着ローラー、加圧ローラー共にその外径は、60mmφであるが、加圧ローラーの方が硬度が高いため、白紙による排紙テストでは、両ローラーの中心線を結ぶ線に対しての垂線より、排紙方向は、加圧ローラー側になる。この排紙方向を加圧ローラー側にすることが、画像面積の大きいコピー画像を定着する場合の定着支持体の定着ローラー巻きつき防止に極めて重要である。排紙方向を加圧ローラー側にする手段としては、前記した硬度差をつける方法、或いは、加圧ローラーの径を定着ローラーよりも小さくする方法、加圧ローラー側の設定温度を定着ローラーよりも高くし、定着紙背面、つまり加圧ローラー側の紙面の水分をより多く蒸発させることにより、ごく少量の紙のちぢみを利用する方法などが挙げられる。
【0137】
また、上記定着ローラー39には発熱手段であるハロゲンヒータ46が配設され、加圧ローラー40には同じくハロゲンヒータ47が芯金内に配設されて両面からの加熱を行っている。定着ローラー39及び加圧ローラー40に当接されたサーミスタ48a及び48bにより定着ローラ39及び加圧ローラーの温度が検知され、この検知温度に基づき制御装置49a及び49bによりハロゲンヒータ46及び47がそれぞれ制御され、定着ローラー39の温度及び加圧ローラー40の温度が共に一定の温度(例えば、160℃±10℃に保つように制御される。定着ローラー39と加圧ローラー40は加圧機構(図示せず)によって総圧約390N(40kgf)で加圧されている。
【0138】
図4においてCはオイル含浸紙ウェブによる定着ローラークリーニング装置であり、C1は加圧ローラーに付着したオイル及び汚れを除去するためのクリーニングブレードである。紙ウェブ含浸用オイルは、50〜3000csのシリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類)を用いることが、オイル塗布量を少量で一定に供給することが容易であり、かつ、定着画像の品位(特に均一光沢性、オイル痕)の高いものとなる。また、オイルを塗布しない場合は、Cのクリーニング装置を取り外すか、オイルを含浸していない紙、または布ウェブを用いるか、クリーニングブレード、もしくはクリーニングパッド、クリーニングローラーを用いるのが良い。
【0139】
クリーニング装置Cはノーメックス(商品名)より成る不織布ウェブ56を押圧ローラー55にて定着ローラー39に押し当ててクリーニングしている。該ウェブ56は巻き取り装置(図示せず)により適宜巻き取られ、定着ローラ39との当接部にトナー等が堆積しないようにされている。
【0140】
本発明のトナーは、低温定着性及び耐高温オフセット性に優れているので離型剤の塗布量を少なくすることが可能であり、また、クリーニング装置の汚れ量も少ない。
【0141】
本発明のトナーのトナー像は、定着ローラの表面温度150℃±30℃の温度条件で加熱加圧定着するのが良く、該記録材への該トナー画像の定着時に、該定着部材から該記録材のトナー画像の定着面に供給されるシリコーンオイルの記録材単位面積当たりの塗布量が0〜1×10-7g/cm2であるのが良い。
【0142】
塗布量が1×10-7g/cm2を超える場合は、該記録材のギラツキが大きく、特に文字画像の視認性を著しく阻害する。
【0143】
上記の画像形成プロセスによって、本発明のトナーを有するカラートナー画像が記録材シートに定着されることによって記録シートに形成されたカラー画像が得られる。
【0144】
結着樹脂及びトナー粒子における各物性の測定方法を以下に説明する。
【0145】
(1)酸価(JIS酸価)の測定
サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約50mlを加えて樹脂を溶解する。溶解性が悪いようであれば少量のアセトンを加えてもよい。0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用い、予め標定されたN/10カ性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量からつぎの計算で酸価を求める。
【0146】
酸価=KOH(ml数)×f×56.1/試料重量
(ただしfはN/10KOHのファクター)
【0147】
(2)GPCによる分子量の測定(ポリエステル樹脂、共重合体類)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
【0148】
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102,2.1×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.9×105,8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0149】
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Waters社製のμ−styragel 500,103,104,105の組合せや、昭和電工社製のshodex KA−801,802,803,804,805,806,807の組合せが好ましい。
【0150】
(3)GPCによる分子量の測定(ポリオレフィン、炭化水素系ワックス類)
(GPC測定条件)
・装置:GPC−150(ウォーターズ社)
・カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製)
・温度:135℃
・溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオソール添加)
・流速:1.0ml/min
・試料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリスチレン換算することによって算出される。
【0151】
(4)ワックス及びトナーの極大吸熱ピークの測定
示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定する。測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度30〜160℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。吸熱ピークとは、言うまでもなく、その中で極大の値を示す温度のことである。
【0152】
(5)トナー粒子又はトナーの粒度分布の測定
測定装置としては、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NcCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸)を、0.1〜5mlを加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出する。それから、トナー粒子の体積分布から求めた質量基準のトナー粒子又はトナーの質量平均粒径(D4)及び体積平均粒径(Dv)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
【0153】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0154】
【実施例】
以下、本発明のトナー及び加熱定着方法の実施例について述べるが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0155】
<実施例1>
次のトナー用構成素材を用意した。
結着樹脂:ポリエステル樹脂No.1 100質量部
ワックス:ワックス分散剤マスターバッチ パラフィンワックス3質量部相当
荷電制御剤:芳香族オキシカルボン酸Al化合物(I) 6質量部
顔料:銅フタロシアニン 5質量部
【0156】
このうち、結着樹脂であるポリエステル樹脂No.1に用いたモノマー構成比を以下に示す。
・(上記式(B);x+y=3.0)ジオール成分 59mol%
・フマル酸 21mol%
・テレフタル酸 11mol%
・トリメリット酸 9mol%
【0157】
得られた非線状ポリエステル樹脂No.1は、Tgが60℃であり、THF可溶成分のGPCにおいて、Mnが3300であり、Mwが33000であり、Mw/Mnが10.0であった。
【0158】
次に、ワックス分散剤の製造手順を以下に示す。
・共重合樹脂(I) 90質量%
・ポリエチレン(I) 10質量%
上記共重合樹脂(I)とは、スチレン-アクリロニトリル-ブチルアクリレートの三元共重合体である。ポリエチレン(I)に共重合樹脂(I)を上記配合比にてグラフトさせたワックス分散媒体(I)中に、以下の配合比で炭化水素系ワックスを分散させてワックス分散剤を得た。
・ワックス分散媒体(I) 50質量%
・パラフィンワックス(A) 50質量%
【0159】
上記の如くにして得られたワックス分散剤は、適切な配合比にてポリエステル樹脂と予め溶融され、ワックス分散剤マスターバッチの形態として、トナー化の際に添加される。
【0160】
上記ポリエステル樹脂No.1、ワックス分散剤マスターバッチ、芳香族オキシカルボン酸Al化合物(I)及び銅フタロシアニンをヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸式押出し機を用い、任意のバレル温度にて溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。得られた微粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去して重量平均粒径7.8μmのシアンカラートナーを得た。
【0161】
該トナー粒子に、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した一次粒子径50nmの酸化チタン微粒子を1.5質量%外添混合し、シアントナー1を製造した。
【0162】
シアントナー1に用いた上記メインバインダー、炭化水素系ワックス、スチレン−アクリロニトリル−(メタ)アクリル酸系共重合体及びポリオレフィンの特性値を、それぞれ表1乃至4に示す。
【0163】
また、シアントナー1のワックス分散剤に係るトナー基準の含有率、荷電制御剤の種類と部数、及び得られたトナーのGPCによる分子量分布測定結果、並びに全ポリエステル樹脂の含有量(W1)、炭化水素系ワックスの含有量(W2)、スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体の含有量(W3)、及びポリオレフィンの含有量(W4)とした時における各々の関係式であるW1:W2:W3:W4の含有率及びW3:W4の含有率の一覧を表5に示す。
【0164】
シアントナー1と、シリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(平均粒径50μm)とを、トナー濃度が6質量%になる様に混合し、二成分系シアン現像剤1とした。
【0165】
定着可能温度領域の評価及び二次色の混色性に起因する色再現範囲に関しては、上記二成分シアン現像剤を、定着ユニットを取り外した市販の普通紙フルカラー複写機(カラーレーザー複写機CLC700、キヤノン製)に導入して、単色モードで常温常湿環境下(23℃,60%)で未定着画像を出力し、図4に示す構成の定着試験器で設定温度を変更しながら定着画像を出力し、グロス(光沢度)を測定することにより評価した。
【0166】
グロス(光沢度)測定に関しては、VG−10型光沢度計(日本電色製)を用い、色度測定に用いた各ベタ画像を試料として、測定を行う。
【0167】
測定としては、まず定電圧装置により6Vにセットする。次いで投光角度,受光角度をそれぞれ60°に合わせる。0点調整及び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に前記試料画像を置き、さらに白色紙を3枚上に重ね測定を行い、標示部に示される数値を%単位で読みとる。この時S,S/10切替SWはSに合わせ、角度,感度切替SWは45−60に合わせる。なお、画像濃度1.5±0.1の試料を使用する。
【0168】
OHP透過率の測定は、島津自記分光光度計UV2200(島津製作所社製)を使用し、OHPフィルム単独の透過率を100%とし、
マゼンタトナーの場合:650nm
シアントナーの場合:500nm
イエロートナーの場合:600nm
での最大吸収波長における透過率を測定する。
【0169】
サンプルトナーの耐ブロッキング性に関しては、50℃のオーブン内にて1週間放置することにより評価した。該評価としては目視による凝集性のレベルを判定した。
【0170】
トナー凝集性評価基準を以下に示す。
A:凝集体が全く見られなく流動性が非常に良い
B:凝集体が全く見られない
C:若干の凝集体は見られるがすぐにほぐれる
D:現像剤攪拌装置で凝集体がほぐれる(普通)
E:現像剤攪拌装置では凝集体が十分にほぐれない(やや悪い)
【0171】
該定着試験結果及びOHP透過性、耐ブロッキング試験結果の一覧を表8に示す。
【0172】
表8中、二次色の混色性の判断基準としては、該グロス測定方法により得られた60度入射角における反射率が「7%」を超えた温度領域により表現した。
【0173】
サンプルトナーの画像品質に関しては、定着後の画像のベタ部における目視による白抜けのレベルにより評価した。該評価としては目視による凝集性のレベルを判定した。
【0174】
画像白抜け評価基準を以下に示す。
A:白抜けが全く見られない
B:若干の白抜けが見られる
C:はっきりと白抜けが見られる
【0175】
<実施例2〜9>
全ポリエステル樹脂の含有量(W1)、炭化水素系ワックスの含有量(W2)、スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体の含有量(W3)、及びポリオレフィンの含有量(W4)とした時における各々の関係式であるW1:W2:W3:W4の含有率以外は実施例1と同様にして、表5に示すシアントナー2〜9及び現像剤2〜9を調製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表8に示す。
【0176】
<実施例10〜13>
ポリエステル樹脂No.1に代えて、それぞれ表1に示すポリエステル樹脂No.2〜ポリエステル樹脂No.5を使用した以外は実施例1と同様にして、表5に示すシアントナー10〜13及び現像剤10〜13を調製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表8に示す。
【0177】
<実施例14〜17>
分散剤中に含まれるパラフィンワックス(A)に代えて、それぞれ表2に示すパラフィンワックス(B)〜パラフィンワックス(E)を使用した以外は実施例1と同様にして、表5に示すシアントナー14〜17及び現像剤14〜17を調製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表8に示す。
【0178】
<実施例18,19>
分散剤中に含まれる共重合体(I)に代えて、それぞれ表3に示す共重合樹脂(II)及び共重合樹脂(III)を使用した以外は実施例1と同様にして、表5に示すシアントナー18,19及び現像剤18,19を調製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表8に示す。
【0179】
<実施例20〜23>
分散剤中に含まれるポリエチレン(I)に代えて、それぞれ表4に示すポリプロピレン及びポリエチレン(II),(III),(IV)を使用した以外は実施例1と同様にして、表5に示すシアントナー20〜23及び現像剤20〜23を調製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表8に示す。
【0180】
<実施例24〜25>
有機金属化合物の芳香族オキシカルボン酸Al化合物(I)の添加量を代えた以外は実施例1と同様にして、表5に示すシアントナー24,25及び現像剤24,25を調製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表8に示す。
【0181】
<実施例26>
有機金属化合物として芳香族オキシカルボン酸Al化合物(I)に代えて芳香族オキシカルボン酸Cr化合物(I)を使用した以外は実施例1と同様にして、表5に示すシアントナー26及び現像剤26を調製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表8に示す。
【0182】
<実施例27>
顔料を銅フタロシアニン;5質量部に代えてキナクリドン;5質量部を使用した以外は実施例1と同様にして得られたマゼンタトナー1及び現像剤27を調製し、また、銅フタロシアニン;5質量部に代えてPY.17;5質量部を使用した以外は実施例1と同様にして得られたイエロートナー1及び現像剤28、及び銅フタロシアニン;5質量部に代えてカーボンブラック;5質量部を使用した以外は実施例1と同様にして得られたブラックトナー1及び現像剤29を調製した。
【0183】
そこで、実施例1で得られたシアン現像剤1、マゼンタ現像剤27、イエロー現像剤28、ブラック現像剤29をそれぞれ図3に示す現像器4C、4M、4Y、4Kに導入し、図4に示す加熱定着器9により、150℃で定着させたフルカラー画像を得た。
【0184】
該画像は、グロスが高く、且つ色再現範囲が充分広いため、特にピクトリアルな表現を必要とする場合に適するものである。また、非オフセット領域も充分に広く、定着後のトナーが充分に溶融しているため、OHPの透過性にも優れている。
【0185】
<比較例1〜8>
全ポリエステル樹脂の含有量(W1)、炭化水素系ワックスの含有量(W2)、スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体の含有量(W3)、及びポリオレフィンの含有量(W4)とした時における各々の関係式であるW1:W2:W3:W4の含有率以外は実施例24と同様にして、表6に示すシアントナー27〜34及び現像剤30〜37を調製し、実施例24と同様にして評価した。評価結果を表9に示す。
【0186】
<比較例9〜12>
ポリエステル樹脂No.1に代えて、それぞれ表1に示すポリエステル樹脂No.6〜ポリエステル樹脂No.9を使用した以外は比較例1と同様にして、表6に示すシアントナー35〜38及び現像剤38〜41を調製し、実施例24と同様にして評価した。評価結果を表9に示す。
【0187】
<比較例13〜17>
分散剤中に含まれるパラフィンワックス(A)に代えて、それぞれ表2に示すエステルワックス及びパラフィンワックス(F)〜パラフィンワックス(I)を使用した以外は比較例2と同様にして表6に示すシアントナー39〜43及び現像剤42〜46を調製し、実施例24と同様にして評価した。評価結果を表9に示す。
【0188】
<比較例18〜20>
共重合樹脂として、表3に示す如く、分散剤中に含まれる共重合樹脂(I)からアクリロニトリルを抜いた処方である共重合樹脂(IV)、及び共重合樹脂(V)〜共重合樹脂(VI)を使用した以外は比較例4と同様にして、表6に示すシアントナー44〜46及び現像剤47〜49を調製し、実施例24と同様にして評価した。評価結果を表9に示す。
【0189】
<比較例21〜25>
分散剤中に含まれるポリエチレン(I)に代えて、それぞれ表4に示すエステルであるベヘン酸ベヘニル及びポリエチレン(V)〜(VIII)を使用した以外は比較例5と同様にして、表7に示すシアントナー47〜51及び現像剤50〜54を調製し、実施例24と同様にして評価した。評価結果を表9に示す。
【0190】
<比較例26>
有機金属化合物の芳香族オキシカルボン酸Al化合物(I)を全く添加しない以外は比較例6と同様にして、表7に示すシアントナー52及び現像剤55を調製し、実施例24と同様にして評価した。評価結果を表9に示す。
【0191】
荷電制御剤を使用しないと、混練時にイオン架橋が形成されなくなるために、高温オフセットが発生し、トナーの耐ブロッキング性能が低下する。
【0192】
<比較例27,28>
有機金属化合物として芳香族オキシカルボン酸Al化合物(I)に代えて、下記構造のZn化合物(I)及びFe化合物(I)を使用した以外は比較例6と同様にして、表7に示すシアントナー53,54及び現像剤56,57を調製し、実施例24と同様にして評価した。評価結果を表9に示す。
【0193】
【化3】
Figure 0004298120
【0194】
これらの荷電制御剤を使用した場合、シアントナー53,54共に混練時にイオン架橋が形成されなくなるために、高温オフセットが発生し、トナーの耐ブロッキング性能が低下する。
【0195】
【表1】
Figure 0004298120
【0196】
【表2】
Figure 0004298120
【0197】
【表3】
Figure 0004298120
【0198】
【表4】
Figure 0004298120
【0199】
【表5】
Figure 0004298120
【0200】
【表6】
Figure 0004298120
【0201】
【表7】
Figure 0004298120
【0202】
【表8】
Figure 0004298120
【0203】
【表9】
Figure 0004298120
【0204】
【発明の効果】
本発明によれば、OHPでの透明性が良好で、耐オフセット性と定着性に優れ、長期間の放置後でも放置前と同様な現像性を有するカラートナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの動的弾性率曲線の一例を示す図である。
【図2】従来のトナーの動的弾性率曲線の一例を示す図である。
【図3】本発明のトナーを用いる画像形成装置の一例を示す概略的断面図である。
【図4】加熱加圧定着手段の一例を示す概略的説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
4 現像器
9 加熱加圧定着器

Claims (37)

  1. (i)ポリエステル樹脂、(ii)炭化水素系ワックス、(iii)スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とポリオレフィンとを少なくとも有するワックス分散剤、及び(iv)着色剤を含有するトナーであり、
    該ポリオレフィンのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大吸熱ピークの極大値が90〜130℃にあり、
    該炭化水素系ワックスのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大吸熱ピークの極大値が55〜80℃にあり、
    該トナーにおける全ポリエステル樹脂の含有量(W1)、該炭化水素系ワックスの含有量(W2)、該共重合体の含有量(W3)、及びポリオレフィンの含有量(W4)の質量比が下記関係
    W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):
    (0.1〜2)
    W3:W4=100:(1〜400)
    を満足することを特徴とするトナー。
  2. 該炭化水素系ワックスのGPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が400〜800であり、数平均分子量(Mn)が400〜600であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該炭化水素系ワックスは、該トナー中にトナーの質量を基準として0.1〜6質量%含有されている請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該共重合体は、スチレン系モノマー,N含有ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーから生成された三元系共重合体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該共重合体のGPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が5000〜100000であり、数平均分子量(Mn)が1500〜15000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2〜40であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 該共重合体は、該トナー中にトナーの質量を基準として0.1〜20質量%含有されている請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 該ポリオレフィンは、GPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が500〜30000であり、数平均分子量(Mn)が500〜3000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜20であり、密度が0.9〜0.95の低密度であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 該ポリオレフィンは、該トナー中にトナーの質量を基準として0.1〜2質量%含有されている請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 該トナーは、有機金属化合物を含有していることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  10. 該有機金属化合物は、芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、又は、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物であることを特徴とする請求項9に記載のトナー。
  11. 該有機金属化合物は、該トナー中にトナーの質量を基準として0.1〜10質量%含有されている請求項9又は10に記載のトナー。
  12. 該ポリエステル樹脂のGPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が2600〜190000であり、数平均分子量(Mn)が1300〜9500であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2〜20であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 該ポリエステル樹脂は、酸価が1〜60mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
  14. 該ポリエルテル樹脂は、酸価が5〜60mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
  15. 該ポリエルテル樹脂は、酸価が5〜50mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
  16. 該トナーは、磁性体をトナーの質量基準で5〜120質量%含有しており、該トナーは、マグネットを内包する現像剤担持体上に磁気的拘束力を伴って担持される磁性一成分系現像剤として用いられることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
  17. 該トナーは、磁性体をトナーの質量基準で0.1〜5質量%含有しており、該トナーは、マグネットを有していない現像剤担持体上に磁気的拘束力を伴わずに担持される系非磁性一成分現像剤として用いられることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
  18. 該トナーは、磁性体をトナーの質量基準で0.1〜5量%含有しており、該トナーは、磁性キャリア粒子と混合されて二成分系現像剤として用いられることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
  19. 記録材上に形成されているトナー画像の表面に定着部材を接触させ、且つ該トナー画像に熱及び圧力を付与することにより、該トナー画像を該記録材に定着する加熱定着方法において、
    該記録材への該トナー画像の定着時に、該定着部材から該記録材のトナー画像の定着面に供給されるシリコーンオイルの記録材単位面積当たりの塗布量が0〜1×10-7g/cm2であり、
    該トナーは、(i)ポリエステル樹脂、(ii)炭化水素系ワックス、(iii)スチレン系モノマーとN含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アクリル酸エステルモノマー及びメタアクリル酸エステルモノマーから選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用いて合成された共重合体とポリオレフィンとを少なくとも有するワックス分散剤、及び(iv)着色剤を含有しており、
    該ポリオレフィンのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大熱ピークの極大値が90〜130℃にあり、
    該炭化水素系ワックスのDSCによって測定される昇温時の吸熱曲線において、最大熱ピークの極大値が55〜80℃にあり、
    該トナーにおける全ポリエステル樹脂の含有量(W1)、該炭化水素系ワックスの含有量(W2)、該共重合体の含有量(W3)、及びポリオレフィンの含有量(W4)の質量比が下記関係
    W1:W2:W3:W4=100:(0.1〜6):(0.1〜20):
    (0.1〜2)
    W3:W4=100:(1〜400)
    を満足することを特徴とする加熱定着方法。
  20. 該炭化水素系ワックスのGPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が400〜800であり、数平均分子量(Mn)が400〜600であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とする請求項19に記載の加熱定着方法。
  21. 該炭化水素系ワックスは、該トナー中にトナーの質量を基準として0.1〜6質量%含有されている請求項19又は20に記載の加熱定着方法。
  22. 該共重合体は、スチレン系モノマー,N含有ビニルモノマー及び(メタ)アクリル酸系モノマーからなる三元系共重合体であることを特徴とする請求項19乃至21のいずれかに記載の加熱定着方法。
  23. 該共重合体のGPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が5000〜100000であり、数平均分子量(Mn)が1500〜15000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2〜40であることを特徴とする請求項19乃至22のいずれかに記載の加熱定着方法。
  24. 該共重合体は、該トナー中にトナーの質量を基準として0.1〜20質量%含有されている請求項19乃至23のいずれかに記載の加熱定着方法。
  25. 該ポリオレフィンは、GPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が500〜30000であり、数平均分子量(Mn)が500〜3000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0〜20であり、密度が0.9〜0.95の低密度であることを特徴とする請求項19乃至24のいずれかに記載の加熱定着方法。
  26. 該ポリオレフィンは、該トナー中にトナーの質量を基準として0.1〜2質量%含有されている請求項19乃至25のいずれかに記載の加熱定着方法。
  27. 該トナーは、有機金属化合物を含有していることを特徴とする請求項19乃至26のいずれかに記載の加熱定着方法。
  28. 該有機金属化合物は、芳香族オキシカルボン酸及び芳香族アルコキシカルボン酸から選択される芳香族カルボン酸誘導体、又は、該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物であることを特徴とする請求項27に記載の加熱定着方法。
  29. 該有機金属化合物は、該トナー中にトナーの質量を基準として0.1〜10質量%含有されている請求項27又は28に記載の加熱定着方法。
  30. 該ポリエステル樹脂のGPCによる分子量分布において、重量平均分子量(Mw)が2600〜190000であり、数平均分子量(Mn)が1300〜9500であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2〜20であることを特徴とする請求項19乃至29のいずれかに記載の加熱定着方法。
  31. 該ポリエステル樹脂は、酸価が1〜60mgKOH/gであることを特徴とする請求項19乃至30のいずれかに記載の加熱定着方法。
  32. 該ポリエルテル樹脂は、酸価が5〜60mgKOH/gであることを特徴とする請求項19乃至30のいずれかに記載の加熱定着方法。
  33. 該ポリエルテル樹脂は、酸価が5〜50mgKOH/gであることを特徴とする請求項19乃至30のいずれかに記載の加熱定着方法。
  34. 該記録材への該トナー画像の定着時に、該定着部材から該記録材にシリコーンオイルを供給せずに定着を行うことを特徴とする請求項19乃至33のいずれかに記載の加熱定着方法。
  35. 該トナーは、磁性体をトナーの質量基準で5〜120質量%含有しており、該トナーは、マグネットを内包する現像剤担持体上に磁気的拘束力を伴って担持される磁性一成分系現像剤として用いられることを特徴とする請求項19乃至34のいずれかに記載の加熱定着方法。
  36. 該トナーは、磁性体をトナーの質量基準で0.1〜5質量%含有しており、該トナーは、マグネットを有していない現像剤担持体上に磁気的拘束力を伴わずに担持される系非磁性一成分現像剤として用いられることを特徴とする請求項19乃至34のいずれかに記載の加熱定着方法。
  37. 該トナーは、磁性体をトナーの質量基準で0.1〜5量%含有しており、該トナーは、磁性キャリア粒子と混合されて二成分系現像剤として用いられることを特徴とする請求項19乃至34のいずれかに記載の加熱定着方法。
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