JP4295736B2 - カート装置及びカート付き自転車 - Google Patents
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このような積荷の積み換え作業をすることなく、カートを自転車に連結して積荷を搬送するものとして、クリーニング店用集配車を着脱可能に連結したものが公知になっている(例えば特許文献1参照)。この場合、クリーニング店用集配車を荷台へ連結する構造としては、挿入孔の形成された台を走行可能な本体フレームに設けて、該台の挿入孔を、自転車の荷台に設置された連結ブロックの軸に挿入し、台を介して本体フレームを回動支持している。そして、本体フレームを自転車の運転操作に追随させている。
そこで、本発明は上記問題点を鑑み、カートを牽引操作することなく、カート自体の荷重を自転車にかかるようにして、カートの積荷を安定した状態で搬送できるようにしたカート装置及びカート付き自転車を提供することを目的とする。
したがって、自転車にカートを装着したときに、カートが自転車から後方に大きく突出することがなく、自転車の車輪の上にカートの荷重がかかるようになり、カートを安定して装着できる。
この場合、スタンドによって安定支持された状態の自転車にカートを装着できる一方、自転車の走行時には、カートの車輪が接地しないので走行に支障をきたさない。
左右の支持脚はそれぞれ前後一対に設けられていて、前後の支持脚を互いに近接する方向に回動することによりカートの車輪が昇降自在とされ、カートの車輪を上昇させる際に前後一方の支持脚が先行し、他方の支持脚が後行することを特徴としている。
前記装着手段は、台枠が自転車の車輪の上方に位置するようにカートを前後方向に移動させることによりカート側に設けられた被連結部を連結する連結手段と、この連結手段へと前記被連結部を案内するガイド部材とを備えていることを特徴としている。
自転車の車輪の上方に位置するように移動させたカートの台枠を、カートをガイド部材に沿って前後方向に移動させるだけで連結するようにしたので、カートを自転車に容易に装着できる。
カートを自転車で搬送できるため、買い物、精算、荷物の搬送に至るまで、カートを利用できるようになり、労力を大幅に低減できる。
なお、これらの図においてカート35のハンドル41側を後とし、その反対側を前とし、その両側を左右とする。
載置台5は、平行する前後方向の2本の枠材6を備えており、該両枠材6は、その一端側が、斜め下方に折り曲げられて自転車1のシート・ステー2の上部に取り付けられ、一端側に連続する水平な支持部7が自転車1の後輪3の上方に位置するように設けられ、該支持部7に連続する他端側が、略上下方向に折り曲げられてシート・ステー2の下部に取り付けられている。
カート35は、所定間隔をおいて左右に配置された2本の略逆U字形状の支持フレーム36と、該両支持フレーム36の上部に設けられた台枠37と、両支持フレーム36に折り畳み可能に設けられた支持脚43とから構成されている。
操作性を考慮して、車輪44は前側が大径で、後側が小径になっており、前後とも方向自在の車輪44が使用されている。
台枠37の底枠38は、両支持フレーム36を連結する左右方向の連結棒38aと、平行する4本の前後方向の縦棒38bと、平行する2本の左右方向の横棒38cとで骨組みされている。
各縦棒38bの前後の両端部は連結されると共に、上方に折り曲げられている。このコ字形状の折曲部が前後の側枠39となっている。
このように、底枠38及び前後左右の側枠39で囲繞されることで、買い物かごや買い物袋Aが安定して載せられて、台枠37からの逸脱も回避される(図1参照)。
台枠37の両連結棒38aの下側には、略U字形状の位置決め枠40が前後方向に架設されており、該位置決め枠40の前側の左右の直立部(被連結部)40aが、上述した載置台5の前端位置決め部10によって位置決めされ、位置決め枠40の前後方向の水平部40bが、載置台5の側端位置決め部20によって位置決めされるようになっている。
そして、該両位置決め筒体間14,15の回動筒体13の周面に、カート35の位置決め枠40の直立部40aが当接して、自転車1の載置台5に対するカート35の前端位置が位置決めされる。
したがって、自転車1の載置台5の直上に移動されたカート35の台枠37は、前端及び側端が位置決めされることで、自転車1の前後方向の軸線とカート35の台枠37の前後方向の軸線とが一致して、自転車1の載置台5とカート35の台枠37とが一列に並んだ状態になる。つまり、自転車1の載置台5に対するカート35の台枠37の安定載置可能な状態となる。
操作棒29は、基板11の上面の左右の両側に固着された断面逆L字形状の支持片32と、基板11の両側部とを貫通して上下動自在に設けられ、圧縮ばね31によって常に下方(ロック方向)に付勢されている。
ロック解除の状態では、操作棒29の当接体30が係止体27の上面に当接して、引っ張りばね26の引っ張り力によって、大径及び小径の位置決め筒体14,15間の周面がカート35の位置決め枠40の直立部40aに対峙する位置に保持されている。
そして、カート35の位置決め枠40の直立部40aを、大径及び小径の位置決め筒体14,15間の周面に当接する。この状態からカート35を前方に押し込むと、回動筒体13を介して大径及び小径の位置決め筒体14,15が引っ張りばね26の引っ張り力に抗して外側方向に回動し、大径及び小径の位置決め筒体14,15がカート35の位置決め枠40の直立部40aの前後に位置する。
つぎに、操作棒29を上方に引き上げると、係止体27の周面から操作棒29の当接体30が離脱して、回動筒体13が回動可能な状態となり、引っ張りばね26の放勢によって、回動筒体13を介して大径及び小径の位置決め筒体14,15が内側方向に回動し、カート35の位置決め枠40の直立部40aの左右に位置し、カート35の位置決め枠40の位置固定が解除されてカート35の後方への移動が可能になる。
カート35の支持脚43は、台枠37の四隅に垂設された上側部43aと、該上側部43aに回動支持部材43cを介して連結された回動可能な下側部43bとで構成されている。つまり、支持脚43は中途部で折り畳み自在となっている。
リンク機構45は、一端部が前側の支持脚43に回動自在に設けられたレバー47と、一端部が支持フレーム36の後側下部に固着された杆48と、後側の支持脚43に固設された操作棒49と、該操作棒49の上方に固設された遅延棒50とを有している。
左右の後側の支持脚43、及び左右の杆48には、略台形状の連結杆51が固着され、両支持脚43及び両杆48が連動するように構成されている。
第一連結板52には、断面L字形状の折曲板54が設けられており、第一連結板52と折曲板54によって係止凹部55が形成され、該係止凹部55に、杆48の第二連結板53の先端に固着された係止突片56が係合し、第一連結板52の上面に第二連結板53が内面が当接して、レバー47と杆48が略一直線状に位置して、前後の支持脚43が直立可能な構成になっている。
該ロックピン59は、前後の支持脚43が直立した状態では、レバー47の折曲板54及び杆48の係止突片56にそれぞれ形成された係止孔60に挿入され、レバー47と杆48の係合状態が保持されて、前後の支持脚43の直立状態が保持される構成になっている。
遅延棒50の先端には、略コ字形状の遅延板50aが設けられており、後側の支持脚43の回動に伴って遅延板50aが上動し、後側の支持脚43の車輪44が路面から離間した時、遅延板50aが杆48を押し上げて、前側の支持脚43が後側の支持脚43よりも遅れて回動するようになっている。
支持フレーム36の後側には、掛止片62が後方に突出するように設けられており、該掛止片62に形成された掛止孔63にロックピン59が挿入されると、後側の支持脚43が斜めに折り畳まれて、前側の支持脚43がその下方に水平に折り畳まれ、カート35の車輪44の上昇した状態が保持される構成になっている。
上記折曲板54、係止凹部55、係止突片56、操作レバー57、ばね58、ロックピン59、掛止片62によって、各支持脚43の直立状態及び収納状態を保持するロック機構65が構成されている。
つぎに使用態様について説明する。まず、カート35を自転車1の載置台5に固定する場合は、図1の実線に示すように、カート35をスタンド(図示せず)が立てられた状態の自転車1の後方から前方に挿入し、カート35の位置決め枠40の水平部40bを、側端位置決め部20としてのガイドレール21に遊挿し、カート35をガイドレール21に沿って前進させる。
このように、カート35の台枠37の前端が位置決めできれば、カート35の進入位置を規制でき、自転車1のサドル4の位置まで台枠37が進入することがなく、運転者は自転車1に安定した状態で腰掛けられるようになり、運転操作に支障をきたさない。
また、カート35の台枠37の左右の両側端が位置決めできれば、自転車1の載置台5とカート35の両側端との距離が略等間隔になり、台枠37の商品の荷重が自転車1の載置台5の略真上に位置して、安定した走行が可能になる。
つぎに、自転車1の起立状態を保持しつつ、カート35を押し込んで、図6(B)に示すように、カート35の位置決め枠40の直立部40aによって、載置台5の両位置決め筒体14,15を押圧して、両位置決め筒体14,15を矢印方向(外側方向)に回動し、両位置決め筒体14,15を前後に位置させて、両位置決め筒体14,15の状態をロックし、カート35の台枠37を位置固定する。
その後、操作レバー57のロックピン59を掛止片62の掛止孔63に挿入し、前後の支持脚43の収納状態を保持すると共に、カート35の車輪44を上昇させた状態を保持する。
この状態で、スタンドを上げて自転車1の後輪3を接地させても、各支持脚43と路面とが大きく離間しているため、路面の障害物との衝突を回避できる。
そして、ロック機構25の操作棒29を引き上げ、ロックを解除して、両位置決め筒体14,15を左右に位置させる。カート35を側端位置決め部20のガイドレール21に沿って後方に移動し、自転車1の載置台5から離間させる。
また、自宅が駐輪場から距離のあるマンションなどである場合は、マンションの駐輪場に着いた後、カート35に載せたまま買い物したものを自宅まで運搬できるため便利である。
側端位置決め部20は、図8に示すように、前端部が閉塞されたガイドレール70によって、カート35の台枠37の前端を位置決めし、カート35の位置決め枠40の水平部40bと、ガイドレール70の底壁とにそれぞれ係止孔70aを形成して、ロックピン71を両係止孔70aに上下方向に貫通するようにして、位置固定するようにしてもよい。
脚部の収納は、図9に示すように、支持フレーム36の筒体に出退可能に支持脚72を設けて、前後の支持脚72を連結板73で連結し、該連結板73が支持フレーム36に当接する位置でねじ74で固定するようにしてもよい。図中75はねじ孔である。
載置台5、カート35の材質は特に限定していないが、合成樹脂製であってもよく、金属製であってもよく、合成樹脂と金属が混在してあってもよい。
自転車1の載置台5にカート35の荷重がかかるようにしたが、自転車1の走行に支障をきたさない程度、即ちカート35の荷重が自転車1の載置台5より後方にかかっても、自転車1をバランスよく運転操作できる程度であれば、カート35が載置台5から後方に突出していてもよい。
カート35の台枠37を自転車1の後輪3の上方で装着するようにしたが、前輪の上方で装着するようにしてもよい。
左右の支持脚43は前後一対設ける必要はなく、左右の支持脚43はそれぞれ中途部で折り畳み自在、又は伸縮自在とされた1本の支持脚で構成されていてもよい。
3 後輪(車輪)
5 載置台
10 前端位置決め部
20 側端位置決め部
21 ガイドレール
25 ロック機構
35 カート
37 台枠
40a 直立部
43 支持脚
44 車輪
Claims (5)
- 荷物を載せるための台枠と、この台枠の左右両側に設けられていて該台枠を支持する左右の支持脚と、この左右支持脚の下端に設けられた車輪とを有するカートを備え、このカートを移動させながら左右の支持脚間に自転車の車輪が位置するように台枠を自転車の車輪の上方に位置させることができるように構成されていると共に、前記台枠を自転車の車輪の上方に位置させた状態でカートを自転車に装着する装着手段を備えており、
自転車のスタンドを立てた状態においてカートを移動させて台枠を自転車の後輪の上方に移動でき、且つ前記スタンドを上げて自転車の後輪を接地させた状態でカートの車輪を地面から浮かすことができるように、カートの車輪が昇降自在とされていることを特徴とするカート装置。 - 左右の支持脚はそれぞれ前後一対に設けられていて、前後の支持脚を互いに近接する方向に回動することによりカートの車輪が昇降自在とされ、カートの車輪を上昇させる際に前後一方の支持脚が先行し、他方の支持脚が後行することを特徴とする請求項1に記載のカート装置。
- 荷物を載せるための台枠と、この台枠の左右両側に設けられていて該台枠を支持する左右の支持脚と、この左右支持脚の下端に設けられた車輪とを有するカートを備え、このカートを移動させながら左右の支持脚間に自転車の車輪が位置するように台枠を自転車の車輪の上方に位置させることができるように構成されていると共に、前記台枠を自転車の車輪の上方に位置させた状態でカートを自転車に装着する装着手段を備えており、
左右の支持脚はそれぞれ前後一対に設けられていて、前後の支持脚を互いに近接する方向に回動することによりカートの車輪が昇降自在とされ、カートの車輪を上昇させる際に前後一方の支持脚が先行し、他方の支持脚が後行することを特徴とするカート装置。 - 前記装着手段は、台枠が自転車の車輪の上方に位置するようにカートを前後方向に移動させることによりカート側に設けられた被連結部を連結する連結手段と、この連結手段へと前記被連結部を案内するガイド部材とを備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカート装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のカート装置を装備してなることを特徴とするカート付き自転車。
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