JP4294907B2 - ヒドロキシエチルセルロース粒子およびその製造法 - Google Patents

ヒドロキシエチルセルロース粒子およびその製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドロキシエチルセルロース粒子およびその製造法に関する。さらに詳しくは、増粘剤、乳化重合用安定剤、塗料、化粧料、分散剤、保水剤、保護コロイド等の種々の用途に好適に使用しうるヒドロキシエチルセルロース粒子およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースをアルカリで処理することによって得られたアルカリセルロースとエチレンオキシドとを反応させて得られた粗ヒドロキシエチルセルロースには、多量のアルカリが存在している。したがって、通常、粗ヒドロキシエチルセルロースに残存しているアルカリを中和させることによって得られたヒドロキシエチルセルロースが使用されている。
【0003】
残存しているアルカリを中和する方法としては、セルロースをアルカリで処理することによって得られたアルカリセルロースと、エチレンオキシドとを反応させて得られたスラリー状態の粗ヒドロキシエチルセルロースに、該粗ヒドロキシエチルセルロースに残存しているアルカリに相当する量(モル)(以下、「当該量」という)の酸を添加して中和を行った後、生成した塩を洗浄により除去する方法が知られている。
【0004】
しかしながら、この方法には、スラリー状態で中和を行うため、中和反応が均一に進行しやすいが、残存しているアルカリ量が多いことから中和には多量の酸を必要とするため、工業的生産性に劣るという欠点がある。
【0005】
残存しているアルカリを中和する他の方法としては、粗ヒドロキシエチルセルロースを予め反応溶媒、アルコールおよび水の混合溶媒で洗浄し、大部分のアルカリを除去した後、残存しているアルカリを当該量の酸の希薄な水溶液で中和を行う方法が知られている。この方法では、洗浄後に中和を行うため、必要な酸の量は少量でよいものの、中和を効率的に行うために酸の希薄な水溶液がセルロース100重量部に対して650〜1000重量部の量で用いられている。
【0006】
しかしながら、かかる方法には、ヒドロキシエチルセルロースが酸の希薄な水溶液に含まれている大量の水によって造粒される結果、得られるヒドロキシエチルセルロース粒子の粒子径が大きくなりすぎるため、生成したヒドロキシエチルセルロース粒子を粉砕しなければならないという煩雑な操作を必要とするという欠点がある。また、粉砕の際には粒子径が非常に小さい粒子が発生するため、ヒドロキシエチルセルロース粒子の流動性が悪くなるという欠点もある。
【0007】
また、高純度のヒドロキシエチルセルロース粒子を製造する方法として、ヒドロキシエチルセルロース粒子をグリオキサールで処理した後、冷水で洗浄する方法が知られている(特開昭53−102393号公報)。
【0008】
しかしながら、この方法には、冷水で洗浄する際に粒子径が小さい粒子の量が多い場合には、必然的に濾過性が悪くなるという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、繊維状のヒドロキシエチルセルロースの含有量が少なく、流動性および溶解性に優れ、またその水溶液は、粘度が高く、濾過性に優れたヒドロキシエチルセルロース粒子およびその製造法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1)2重量%水溶液の25℃での粘度が5100〜5600mPa・sであり、かつその粒子径が75〜850μmの範囲内にある粒子を85重量%以上含有してなるヒドロキシエチルセルロース粒子、および
(2)セルロースをアルカリで処理することによって得られたアルカリセルロースとエチレンオキシドとを反応させ、得られた粗ヒドロキシエチルセルロースに残存しているアルカリを、セルロース100重量部に対して30〜550重量部の酸の水溶液で中和することを特徴とする、その粒子径が75〜850μmの範囲内にある粒子を85重量%以上含有するヒドロキシエチルセルロース粒子の製造法
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のヒドロキシエチルセルロース粒子は、前述したように、セルロースをアルカリで処理することによって得られたアルカリセルロースとエチレンオキシドとを反応させ、得られた粗ヒドロキシエチルセルロースに残存しているアルカリを、セルロース100重量部に対して30〜550重量部の酸の水溶液で中和することによって得ることができる。
【0012】
ここで、本明細書にいう「粗ヒドロキシエチルセルロース」とは、前述の記載から明らかであるが、アルカリセルロースとエチレンオキシドとを反応させて得られたヒドロキシエチルセルロースをいう。
【0013】
本発明においては、まず、粗ヒドロキシエチルセルロースを製造する。より具体的には、まず、セルロースをアルカリ水溶液で処理し、アルカリセルロースを製造する。
【0014】
セルロースとしては、例えば、シート状、粉末状等のコットンリンター、木材パルプ等を挙げることができる。
【0015】
アルカリ水溶液としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液等を挙げることができる。これらの中では、安価であることから水酸化ナトリウムの水溶液が好ましい。アルカリ水溶液の濃度は、特に限定されないが、通常、10〜30重量%程度である。
【0016】
アルカリセルロースを製造する際のアルカリ水溶液の使用量は、スラリーの流動性を向上させ、セルロースとアルカリとの反応が局部的に進行するのを回避する観点および容積効率を向上させる観点から、セルロース100重量部に対して1000〜6000重量部、好ましくは2000〜5000重量部であることが望ましい。
【0017】
セルロースをアルカリ水溶液で処理する方法としては、例えば、浸漬、混合等の方法等を挙げることができる。
【0018】
より具体的には、セルロースをアルカリ水溶液に浸漬し、攪拌翼を備えた容器内で、通常、20〜50℃で20分間〜2時間程度混合してアルカリを作用させた後、加圧濾過して、アルカリ水溶液を圧搾除去する方法等を挙げることができる。
【0019】
次に、反応溶媒中で、得られたアルカリセルロースとエチレンオキシドとを反応させることにより、粗ヒドロキシエチルセルロースを得ることができる。
【0020】
エチレンオキシドの使用量は、目的とするエチレンオキシドの付加モル数によって決定される。通常、エチレンオキシドの使用量は、セルロースへの付加量を増大させ、ヒドロキシエチルセルロースの溶解性を高める観点およびヒドロキシエチルセルロースの収率を高める観点から、セルロース100重量部に対して60〜200重量部、好ましくは80〜180重量部であることが望ましい。
【0021】
反応溶媒としては、特に限定されないが、例えば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類;ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等を挙げることができる。
【0022】
反応溶媒の使用量は、エチレンオキシドが局部的にセルロースに付加することを回避する観点および容積効率を高める観点から、アルカリセルロース100重量部に対して20〜800重量部、好ましくは20〜600重量部であることが望ましい。
【0023】
反応温度は、反応を促進させることによって反応時間を短縮させる観点および反応が急激に進行するのを回避し、温度および圧力の制御を容易にする観点から、通常、30〜80℃、好ましくは40〜60℃であることが望ましい。
【0024】
なお、反応時間は、反応温度により異なるので一概には決定することができないが、通常、1〜15時間程度である。
【0025】
反応終了後、得られた反応混合物に洗浄液を加え、余剰のアルカリやエチレンオキシドから副生したエチレングリコール類等の不純物を除去する。
【0026】
洗浄液としては、特に限定されないが、余剰のアルカリやエチレンオキシドによって副生したエチレングリコール類を効率的に除去することができる観点から、反応で使用した反応溶媒に特定量のメタノールと特定量の水を添加した混合溶媒が好ましい。混合溶媒におけるメタノールの量は、通常、20〜60重量%であることが好ましい。また、混合溶媒における水の量は、通常、5〜30重量%であることが好ましい。
【0027】
洗浄液の使用量は、洗浄が十分に行われるようにする観点および経済性の観点から、セルロース100重量部に対して、500〜7000重量部、好ましくは1000〜5000重量部であることが望ましい。
【0028】
洗浄後、得られた粗ヒドロキシエチルセルロース中に残存するアルカリを酸の水溶液で中和する。
【0029】
本発明においては、この残存するアルカリを酸で中和する際に特定量の酸の水溶液で中和を行うという操作が採られている点に、1つの大きな特徴がある。
【0030】
本発明においては、かかる操作が採られていることにより、粒子状のヒドロキシエチルセルロースを得ることができ、しかも得られたヒドロキシエチルセルロース粒子には、特定の粒子径(75〜850μm)を有するヒドロキシエチルセルロース粒子が特定量(85重量%以上)含有されるという優れた効果が奏される。さらに、かかる操作が採られていることにより、得られるヒドロキシエチルセルロース粒子に、繊維状のヒドロキシエチルセルロースの含有量をいちじるしく低減させることができる。
【0031】
酸の水溶液の使用量は、中和の際の中和効率を高め、得られるヒドロキシエチルセルロース粒子が未中和のアルカリによって分解され、粘度が低くなるのを回避するとともに、粒子径が小さいヒドロキシエチルセルロース粒子の生成を抑制し、得られるヒドロキシエチルセルロース粒子の流動性を向上させる観点、および得られる粒子径が大きいヒドロキシエチルセルロース粒子の生成を抑制し、溶解性が悪化するのを回避する観点から、セルロース100重量部に対して30〜550重量部、好ましくは40〜500重量部である。
【0032】
前記酸の水溶液に使用される酸としては、特に限定されず、硫酸、硝酸等の強酸;酢酸、リン酸等の弱酸を挙げることができる。これらの中では、安全面から、酢酸が好ましい。
【0033】
酸の量は、得られるヒドロキシエチルセルロース粒子が、未中和のアルカリによって分解され、粘度が低くなるのを回避する観点、および得られるヒドロキシエチルセルロース粒子が酸によって分解され、粘度が低くなるのを回避する観点から、粗ヒドロキシエチルセルロース中に残存するアルカリ1当量あたり、1〜1.5当量、好ましくは1〜1.2当量であることが望ましい。
【0034】
粗ヒドロキシエチルセルロースに残存しているアルカリを酸の水溶液で中和する方法としては、例えば、ニーダー等の攪拌混合機内に、粗ヒドロキシエチルセルロース、酸および水を仕込み、攪拌混合する方法等が挙げられる。
【0035】
なお、中和を行う際の温度は、中和を円滑に進行させる観点およびヒドロキシエチルセルロースの分解を抑制する観点から、5〜35℃、好ましくは10〜30℃であることが望ましい。また、中和に要する時間は、中和の際の温度などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、10分間〜1時間程度である。
【0036】
かくして得られるヒドロキシエチルセルロース粒子は、中和終了後、常圧ないし減圧下で乾燥することにより、ヒドロキシエチルセルロース粒子の乾燥品とすることができる。
【0037】
本発明のヒドロキシエチルセルロース粒子は、その粒子径が75〜850μmのヒドロキシエチルセルロース粒子を85重量%以上、好ましくは90重量%以上含有するものであるため、流動性および溶解性に優れ、またその水溶液は、粘度が高く、濾過性に優れるものである。したがって、本発明のヒドロキシエチルセルロース粒子は、例えば、グリオキサールによる処理を施した後、効率よく冷水で洗浄し、洗浄後には効率よく濾過を行うことができる。また、本発明のヒドロキシエチルセルロース粒子は、常温の水に対して容易に溶解させることができる。
【0038】
【実施例】
以下、製造例、実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0039】
製造例
セルロースとして、微細に粉砕された木材パルプ50gを20重量%水酸化ナトリウム水溶液2000gに浸漬し、5L容のフラスコ内で30℃で30分間攪拌下で混合することにより、アルカリを作用させた。その後、得られた混合物を加圧濾過により水酸化ナトリウム水溶液を圧搾除去し、アルカリセルロース150gを得た。
【0040】
1L容のニーダーに、得られたアルカリセルロース150g、エチレンオキシド75gおよびメチルイソブチルケトン50gを15℃で仕込み、引き続いて同温度で30分間混合した後、50℃に昇温して3時間反応させた。
【0041】
次に、得られた反応物にメチルイソブチルケトン450g、メタノール450gおよび水100gからなる混合溶媒を加えてスラリーとした。得られたスラリーを数分間静置した後、ヒドロキシエチルセルロースを濾別した。
【0042】
さらに、濾別したヒドロキシエチルセルロースにメチルイソブチルケトン225g、メタノール225gおよび水50gからなる混合溶媒を加えてスラリーとし、前記と同様にして濾別した。この操作を2回繰り返し、粗ヒドロキシエチルセルロース198gを得た。
【0043】
得られた粗ヒドロキシエチルセルロース198g中の水酸化ナトリウムの残存量は、1.5重量%(74.3ミリモル)であった。
【0044】
なお、粗ヒドロキシエチルセルロースに残存している水酸化ナトリウムの量は、粗ヒドロキシエチルセルロース4gを精秤し、これをイオン交換水100gに溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として1N塩酸で滴定し、使用した塩酸量から算出した。算出した水酸化ナトリウムの量を重量換算することにより、粗ヒドロキシエチルセルロースに対する量を求めた。
【0045】
実施例1
1L容のニーダーに、製造例と同様の方法で得られた粗ヒドロキシエチルセルロース198g、9.1重量%酢酸水溶液55g(酢酸:83.3ミリモル)を仕込み、20℃で30分間攪拌混合した。
【0046】
次に、得られた混合物を減圧下で70℃で一昼夜乾燥してヒドロキシエチルセルロース粒子75gを得た。
【0047】
得られたヒドロキシエチルセルロース粒子の形状を示す顕微鏡写真を図1(倍率:25倍)に示す。図1に示されているように、実施例1で得られたヒドロキシエチルセルロース粒子には、繊維状のヒドロキシエチルセルロースが殆ど含有されておらず、粒子状を有するものであることがわかる。
【0048】
実施例2
1L容のニーダーに、製造例と同様の方法で得られた粗ヒドロキシエチルセルロース198gおよび4.8重量%酢酸水溶液105g(酢酸:83.3ミリモル)を仕込み、20℃で30分間攪拌混合した。
【0049】
次に、得られた混合物を減圧下で70℃で一昼夜乾燥してヒドロキシエチルセルロース粒子75gを得た。
【0050】
実施例3
1L容のニーダーに、製造例と同様の方法で得られた粗ヒドロキシエチルセルロース198gおよび3.2重量%酢酸水溶液155g(酢酸:83.3ミリモル)を仕込み、20℃で30分間攪拌混合した。
【0051】
次に、得られた混合物を減圧下で70℃で一昼夜乾燥してヒドロキシエチルセルロース粒子75gを得た。
【0052】
実施例4
1L容のニーダーに、製造例と同様の方法で得られた粗ヒドロキシエチルセルロース198gおよび2.4重量%酢酸水溶液205g(酢酸:83.3ミリモル)を仕込み、20℃で30分間攪拌混合した。
【0053】
次に、得られた混合物を減圧下で70℃で一昼夜乾燥してヒドロキシエチルセルロース粒子75gを得た。
【0054】
比較例1
1L容のニーダーに、製造例と同様の方法で得られた粗ヒドロキシエチルセルロース198gおよび41.7重量%酢酸水溶液12g(酢酸:83.3ミリモル)を仕込み、20℃で30分間攪拌混合した。
【0055】
次に、得られた混合物を減圧下で70℃で一昼夜乾燥してヒドロキシエチルセルロース粒子75gを得た。
【0056】
得られたヒドロキシエチルセルロース粒子の形状を示す顕微鏡写真を図2(倍率:25倍)に示す。図2に示されているように、比較例1で得られたヒドロキシエチルセルロース粒子には、繊維状のヒドロキシエチルセルロースが多量に含有されており、しかもヒドロキシエチルセルロース粒子の粒子径が小さいことがわかる。
【0057】
比較例2
1L容のニーダーに、製造例と同様の方法で得られた粗ヒドロキシエチルセルロース198gおよび1.4重量%酢酸水溶液345g(酢酸:83.3ミリモル)を仕込み、20℃で30分間攪拌混合した。
【0058】
次に、得られた混合物を減圧下で70℃で一昼夜乾燥してヒドロキシエチルセルロース粒子75gを得た。
【0059】
〔物性の測定〕
各実施例および各比較例で得られたヒドロキシエチルセルロース粒子の粒子径の分布および物性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0060】
(1)粒子径75〜850μmの粒子の重量割合(重量%)
以下の方法にしたがってヒドロキシエチルセルロース粒子中の粒子径75〜850μmの粒子の重量割合を測定した。
【0061】
ふるいの目開きが1410μm、850μm、500μm、250μm、150μmおよび75μmの篩をこの順序で上から下に配列し、目開き75μmの篩の下には受け皿を配設した。
【0062】
次に、目開きの一番大きいふるい(ふるいの目開き:1410μm)にヒドロキシエチルセルロース粒子100gを入れ、ロータップ型ふるい振とう機〔(株)飯田製作所製〕を用いて20分間振とうさせた。その後、各ふるいおよび受け皿上に残存しているヒドロキシエチルセルロース粒子の重量を測定することにより、粒子径75〜850μmの粒子の割合(重量%)を求めた。
【0063】
(2)流動性(安息角)
水平に設置された直径10cmの円台上にヒドロキシエチルセルロース粒子50gを漏斗を用いて静かに落下させて円錐状に堆積させ、形成された円錐状堆積物の母線と円台の水平面との間の角度(安息角)を測定した。
なお、安息角が45度以下であれば、流動性に優れていると判断される。
【0064】
(3)溶解性(重量%)
5L容のビーカーに、ヒドロキシエチルセルロース粒子20gおよび0.01重量%水酸化ナトリウム水溶液3000mLを加え、2時間攪拌することにより、水溶液を調製した。
【0065】
次に、あらかじめ重量(Wa)gを測定しておいた直径70mm、355メッシュ(タイラーメッシュ)の濾布を用いて前記水溶液を濾過した。濾過後、濾布を乾燥させ、乾燥後の濾布の重量(Wb)gを測定し、残渣の重量比率を式:
〔重量比率(重量%)〕=〔Wb−Wa〕÷20×100
にしたがって求めた。
【0066】
なお、残渣の重量比率(重量%)が1重量%以下であれば、溶解性に優れていると判断される。
【0067】
(4)粘度(mPa・s)
ヒドロキシエチルセルロース粒子10gを精秤し、これにイオン交換水490gを加えて2重量%ヒドロキシエチルセルロース水溶液500gを調製した。得られたヒドロキシエチルセルロース水溶液の粘度をブルックフィールド型回転粘度計〔東機産業(株)製、品番:BM型〕を用いて25℃、30rpm(No.3ローター)の条件で測定した。
【0068】
なお、粘度が2000mPa・s以上(25℃)であれば、通常、粘性に優れていると判断される。
【0069】
(5)濾過性(秒)
1L容のニーダーに、ヒドロキシエチルセルロース粒子75gおよび10重量%グリオキサール水溶液3gを仕込み、20℃で30分間攪拌混合した。
【0070】
次に、得られたグリオキサールで処理したヒドロキシエチルセルロース粒子50gに、10℃の冷水500gを加えて10℃で5分間攪拌した後、直径70mmの濾紙を用いて、得られた水溶液を吸引濾過し(圧力:40kPa)、濾過時間を測定した。
なお、濾過時間が80秒以下であれば、濾過性に優れていると判断される。
【0071】
【表1】
Figure 0004294907
【0072】
表1に示された結果から、実施例1〜4で得られたヒドロキシエチルセルロース粒子は、その粒子径が75〜850μmの範囲内にある粒子を85重量%以上含有するものであることがわかる。
【0073】
また、実施例1〜4で得られたヒドロキシエチルセルロース粒子は、安息角が小さいことから流動性にすぐれ、また水に対する溶解性にも優れたものであることがわかる。
【0074】
さらに、実施例1〜4で得られたヒドロキシエチルセルロース粒子を水に溶解させて得られた水溶液は、その粘度が高く、また濾過性に優れたものであることがわかる。
【0075】
【発明の効果】
本発明のヒドロキシエチルセルロース粒子には、特定の粒子径(75〜850μm)を有するヒドロキシエチルセルロース粒子が特定量(85重量%以上)で含有されているので、流動性および溶解性に優れ、またその水溶液は、粘度が高く、濾過性に優れるという効果が奏される。
【0076】
また、本発明の製造法によれば、繊維状のヒドロキシエチルセルロースの含有量が少なく、流動性および溶解性に優れ、またその水溶液の粘度が高く、濾過性に優れた、特定の粒子径(75〜850μm)を有するヒドロキシエチルセルロース粒子が特定量(85重量%以上)で含有されたヒドロキシエチルセルロース粒子を容易に製造することができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1で得られたヒドロキシエチルセルロース粒子の形状を示す顕微鏡写真(倍率:25倍)である。
【図2】図2は、比較例1で得られたヒドロキシエチルセルロース粒子の形状を示す顕微鏡写真(倍率:25倍)である。

Claims (2)

  1. 2重量%水溶液の25℃での粘度が5100〜5600mPa・sであり、かつその粒子径が75〜850μmの範囲内にある粒子を85重量%以上含有してなるヒドロキシエチルセルロース粒子。
  2. セルロースをアルカリで処理することによって得られたアルカリセルロースとエチレンオキシドとを反応させ、得られた粗ヒドロキシエチルセルロースに残存しているアルカリを、セルロース100重量部に対して30〜550重量部の酸の水溶液で中和することを特徴とする、その粒子径が75〜850μmの範囲内にある粒子を85重量%以上含有するヒドロキシエチルセルロース粒子の製造法。
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