JP5237518B2 - 良好に湿潤し得る、少なくともアルキル化された水溶性で粉末状の非イオン性セルロースエーテルを製造する方法 - Google Patents

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Description

発明が属する技術分野
本発明は、改善された湿潤性のために、冷水中でセルロースエーテルが実質的に塊なく混入撹拌できるようにセルロースエーテルへのセルロースの転化前に界面活性剤で変性される、35〜95℃の温度範囲内の水で凝集し得る少なくともアルキル化された粉末状の非イオン性セルロースエーテルを製造する方法に関する。
一様なまたは色々な置換基を持つセルロースエーテルの製法は公知である(例えば Ullmann's Enzyklopaedie der Technischen Chemie、第9巻、■セルロースエーテル”,Verlag Chemie, Weinheim,第四版、1975、第192 頁以降; K.Engelskirchen:" Polysaccharid-Derivate"、Houben Weyl,第 E20/III巻、第四版、Georg Thieme Verlag Stuttgart、1987、第2042頁以降参照)。
これらセルロースエーテル、例えばメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロースを製造するためには、原料のセルロースを表面積を増加させるために最初に粉砕し、その際に得られる粒度は一般に2.5mmより小さく、それどころか1mmより小さいこともある。得られる嵩張ったセルロース粉末は固体状態または液体状態の塩基、例えばNaOH、KOH、LiOHおよび/またはNH4 OHの添加によって、いわゆる”アルカリセルロース”に転化される。これに続いて、アルカリセルロースは単離してまたはせずに、適当な試薬で一段階または多段階で連続的にまたは不連続的にエーテル化される。得られるセルロースエーテルは水または適当な溶剤混合物を用いて公知の様に反応副生成物を除き精製され、乾燥されそして粉砕されそして場合によっては他の成分と混合される。
アルキル化されたセルロースエーテルは冷水に良好に溶解するにもかかわらず、水溶液を製造すること自体にはしばしば問題がある。これは特に、速やかな粘度発現が望まれることから、セルロースエーテルを大きな表面積の細かい粉末として存在させる場合に特に言える。かゝる細かいセルロースエーテル粉末が水と接触した場合、個々の小粒子が膨潤し、集まって、表面がゲル様に固まった大きな凝集体となる。しかしながら混合強度次第で一定の成分がこの凝集体の内部に全く湿潤していないセルロースエーテルが存在する。この凝集体を完全に溶解するには、得られる溶液の粘度および重合体の平均鎖長次第で高粘性生成物の場合には、この凝集体が完全に溶解するのに24時間まで懸かる。
セルロースエーテルの水溶液を製造する場合に発生する上述の問題を最小限にするために、種々の溶液が提案されている:即ち、
セルロースエーテル粉末を相応するセルロースエーテルの凝集点以上の温度の水に散布し、次いでゆっくり冷やすことができる。セルロースエーテルは、温度を下げた際に徐々に溶液に成る以前に、塊状化することなく水に均一に分散する。しかしながらこの方法は時間が懸かりそして水を加熱するための装置を必要とする。
塊状物を生じさせることなくセルロースエーテルを冷水に直接的に混入攪拌したい場合には、例えばセルロースエーテルの製造の際にグリオキサルを、セルロースエーテルの遊離水酸基を持つ半アセタールを形成する部分的な可逆的架橋を行なうために使用することができる。中性または弱酸性の水に溶解する場合には、半アセタールが時間的に遅れて分解しそして水性媒体に粉末が分散した後に初めて塊状化することなく急激な粘度上昇が起こる。時間的遅れの長さは架橋度に基づいて正に正確に調整できる。しかしながらこの変法の場合の欠点はセルロースエーテルを製造する際の追加的加工段階、即ち架橋、並びに時間的に遅れる粘度上昇にある。
冷水中でのセルロースエーテルの撹拌性を改善する他の可能な方法は、ラウリル基を有する界面活性剤で該セルロースエーテルを処理するものである。米国特許(A)第2,647,064号明細書および同第2,720,464号明細書に記載されるこの方法の場合には、セルロースエーテルを水性懸濁液中でセルロースエーテルの凝集点より上の温度において界面活性剤で処理し、その結果得られる生成物が表面吸収された界面活性剤を含有しており、この界面活性剤が改善された撹拌性を実現している。この場合、界面活性剤での処理は、反応副生成物および塩を除去するために材料を水性後処理する過程で行ってもよいしまたはセルロースエーテルの凝集点より上の温度で熱い水性系でセルロースエーテルを再分散させることによって行ってもよい。セルロースエーテルから水性媒体を分離するために役立つ遠心分離処理の間に湿ったセルロースエーテルに界面活性剤を噴霧することも開示されている。しかしながら上記の方法の大きな欠点はセルロースエーテルの熱い水性懸濁液中で過剰の界面活性剤を使用する必要があることである。使用される界面活性剤が僅かな割合しかセルロースエーテルに吸収されない。米国特許(A)第2,720,464号明細書の実施例によれば、この割合は3〜6%だけである。吸収されない界面活性剤の主要な部分は、排水と一緒に廃棄することができないので並びにコストの理由から再利用するかまたは回収しなければならない。更に熱い界面活性剤水溶液はセルロースエーテルを分離する際に非常に顕著に泡立つ。更に、一般に反応剤を添加しない時点で界面活性剤と水との混合物を添加または混入することができる点をプロセス中に見つけなければならない。
国際特許第99/47249号明細書では、ヒドロコロイドの改善された分散性および湿潤性を加熱された材料を界面活性剤とそれの融点より上で乾式混合することによって達成している。この方法のためには装置の追加的費用の他に僅かな量の界面活性剤を均一分散することに問題がある。
特開(A)平11−322,801号公報では、グリコールおよび/または3〜17のHLB−値を持つ非イオン性界面活性剤を、セルロースエーテルの混入撹拌性を改善するためにセルロースエーテルに噴霧している。HLB−値は”親水性親油性比”を意味し、界面活性剤の極性および油/水−型または水/油−型エマルジョンを生成する界面活性剤の能力の目安である。
CN−A−1,149,643号明細書では、セルロースを界面活性剤含有塩基溶液でアルカリ性化し、エーテル化し、後処理しそして紡糸することによって、ポリアニオン性セルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロースを製造している。
特公(B)平1−038,403号公報には、有機溶剤、特にイソプロパノールおよび第三ブタノール中でヒドロキシエチルセルロースを製造する際に種々の界面活性剤を0.1〜10%の量で使用することが開示されている。得られる生成物は界面活性剤を添加せずに製造された生成物に比較して改善された透明溶解性を示す。
本発明が解決しようとする課題
本発明の課題は、冷たい水性溶液における改善された湿潤性および混入撹拌挙動に特徴のある、なかでも、35〜95℃の温度範囲内の温度の水中で凝集し得る少なくともアルキル化された非イオン性セルロースエーテルを製造する方法を提供することであった。この方法は従来技術の欠点を有しているべきでなく、追加的な一連の装置または方法段階を必要とせず、かつセルロースエーテルの凝集点より上の温度でしかも100℃以下で生成物から反応副生成物および塩を過剰な水で洗浄することによって精製することを保証する。
課題を解決するための手段
この課題は、セルロースエーテルを製造するために必要とされる反応成分を計量供給する過程でセルロースエーテルに転化する前にセルロースに少なくとも1種類の界面活性剤を添加することによって解決される。
それ故に本発明の対象は、セルロースエーテルへの転化を、
a)セルロースを水、塩基および有機系分散助剤の存在下にアルカリ性化することによって活性化し、
b)活性化されたそのセルロースをウイリアムソンのエーテル合成によってエーテル化剤を用いて一段階または多段階法でエーテル化しそして
c)その生成物を、セルロースエーテルの凝集点より上の温度を有する水で、後続の精製段階において反応副生成物および塩を洗浄除去することによって精製する
ことによって、全水酸基の少なくとも10%がアルキル化されており、水に45〜95℃、好ましくは50〜95℃、特に好ましくは65〜95℃の温度範囲内で凝集し得る少なくともアルキル化された非イオン性セルロースエーテルを製造する方法において、セルロースのセルロースエーテルへの転化反応の前に少なくとも1種類の界面活性剤を固体、液体および/または溶液の状態で添加することを特徴とする、上記方法である。
本発明における凝集性とは、セルロースエーテルの少なくとも90重量%が上述の温度において水に不溶であることを意味する。
本発明で製造されるセルロースエーテルは改善された湿潤性を有しそしてそれ故に水溶液を製造する際に塊状化が僅かしか生じない。
この場合、界面活性剤が水溶液として計量供給されるかまたは使用される有機系分散助剤と一緒に溶液または分散状態で計量供給されるかは重要でないことが判っている。使用される界面活性剤はセルロースに完全にかつ均一に吸収され、しかもそれは使用される界面活性剤の種類に左右されない。この効果はアニオン性界面活性剤でも中性またはカチオン性界面活性剤でも優れており、高いHLB−値の界面活性剤も低いHLB−値の界面活性剤と同様であり、具体的構造に無関係である。
驚くべきことに本発明者は、使用される界面活性剤が水に非常に良好に溶解しかつ完全に混和し得るにも係わらず、かつ反応副生成物、塩および分散助剤を除くために高温でかつ大過剰の水(セルロースエーテルを規準として5:1〜100:1の重量比)で水処理するので界面活性剤は少なくとも大部分が洗浄除去されことが予想されるにも係わらず、セルロースエーテルへの転化反応の後でもこれらの性質が反応生成物中に完全に残っていることを見出した。従って、洗浄除去に使用される洗浄水中には界面活性剤が検出できない。
本発明に従って製造されるセルロースエーテルは湿潤性および塊なしの混入撹拌性に関して、特開(A)平11−322,801号公報、米国特許(A)第2647064号明細書および同第2,720、464号明細書の方法に従ってセルロースエーテルとの転化後初めて界面活性剤で処理されるセルロースエーテルに同様な性質を匹敵する界面活性剤計量供給性の他に示す。しかしながら本発明の方法は従来技術の欠点、特に米国特許明細書に記載される方法の多量の界面活性剤損失がない。
使用される有機性系分散助剤とセルロースとの比は好ましくは最大25:1、特に好ましくは最大15:1である。
有機系分散助剤としてはこれら用途目的についての文献から知られるあらゆる分散助剤が適しているが、脂肪族および環状エーテル、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランが好ましい。
アルカリ化の間の反応成分混合物中の水含有量はセルロースの使用量を規準として好ましくは最大25モル当量、特に好ましくは最大15モル当量、なかでも2〜5モル当量の範囲内である。
セルロースの使用量を規準として最大20重量%、好ましくは最大10重量%、特に好ましくは最大1重量%の界面活性剤を添加する。驚くべきことに、セルロースの使用量を規準として約0.01重量%の非常に僅かな界面活性剤使用量で、冷水に混入撹絆した際に粘度発現の迅速性および均一性に関して効果を示すことが判った。セルロース使用量を規準として約1重量%の界面活性剤使用量からすでに冷水に混入撹拌した際に粘度発現の迅速性および均一性に関してほぼ最大の効果が得られることも驚くべきことである。この場合、界面活性剤の添加は一般に塩基の添加前に行う。
界面活性剤の計量供給を任意の濃度の水溶液の状態で行うのが有利である。更に固体または液体の状態の界面活性剤を有機系分散助剤に添加することまたは混合物に直接的に計量供給することも考えられる。
DIN53901に従う20℃での湿潤能力が10g(有効物質)/Lより少ない、好ましくは5g(有効物質)/Lより少ない、特に好ましくは2g(有効物質)/Lより少ない界面活性剤を使用するのが有利である。
更に、水溶液の表面張力を少なくとも20%だけ低下させる界面活性剤を使用するのが特に有利である。
特に有利なのはアニオン性界面活性剤、例えば長鎖の分岐したアルキルポリエチレングリコールエーテル基を持つリン酸モノ−および−ジエステル、硫酸塩、例えばドデシル硫酸−Na塩またはセチルステアリル硫酸Na塩、アルキルフェノール−ポリグリコールエーテルスルファート、ソルビタンオレエート、アルカンスルホナート、カチオン性界面活性剤、例えばココスアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドまたはジココスジメチルアンモニウムクロライド、中性界面活性剤、例えばポリエーテル変性されたポリシロキサンまたはアルキルフェノールポリグリコールエーテル、並びにベタイン、例えば脂肪酸アミドアルキルベタインまたはN,N−ジステアリル−N−メチル−N(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタインが使用される。
本発明に従って製造されるセルロースエーテルは十分な混合エネルギーのもとで冷水中に塊なしに撹拌混入される。混合エネルギーが十分でない場合には、比較的に低い塊状化度が得られ、それ故に界面活性剤を添加せずにセルロースエーテルに転化させた場合の生成物の粘度発現より迅速でかつより均一な粘度発現をもたらす。
この説明は全粒子の90%より多くが180μmより小さい直径を有している非常に細かい生成物についても当てはまる。
本発明を以下の実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されない。
例1〜3、5〜13、17および18(比較例):界面活性剤を添加せずにセルロースエーテルを製造する。
水平混合機軸を持つ反応器中で100重量部のウッドパルプa、bまたはc(0.5mmに粉砕)を350部のジメトキシエタン中に追加量の水および58.3部の49.3%濃度苛性ソーダ溶液と一緒に混合し、苛性ソーダ溶液添加後の反応成分混合物中の給水含有量はセルロースを規準として42.05部に相当する。苛性ソーダ溶液の添加後、適当な時間の間、一般に30分〜2時間の間適当な温度でアルカリ化し、次いで適当なヒドロキシエチル置換度(MS)を得るために十分な量のエチレンオキシドと60〜80℃で反応させる。
次いで49.3%濃度の苛性ソーダ溶液の第二部分を添加しそしてセルロースの使用量を規準として両方の水酸化ナトリウム部分量の合計モル当量に相当する量の塩化メチルを添加そして適当なメチル基置換度が達成されるまでの間90〜100℃で反応を継続させる。
反応の終了後に有機系分散助剤を減圧下に反応混合物から留去しそして得られる粗生成物を相応するセルロースエーテルの凝集点より上の温度の熱水で、セルロースエーテルから反応副生成物が完全に除かれそして塩含有量が1%以下となるまでの間洗浄除去する。しかしながらセルロースエーテルを沸騰水で洗浄するために全部で少なくとも10倍量の水を使用する。
得られる粗生成物を次いで以下の通り後処理する:
例1,12および17(比較例)
製造変法A(界面活性剤無添加)
界面活性剤を添加してない相応する粗生成物を乾燥し、粉砕し、分級しそして混合し直して所望の粒度分布にする。試験する生成物の粒度分布は次の様な組成を有する:
75%が<63μm、20%が63〜100μmそして5%が100〜125μm。
例2、3、5〜11、13および18(比較例)
製造変法B:米国特許(A)第2,720,464号明細書、第6欄、第34〜39行と同様に界面活性剤を粗生成物に混入。
100gの粗生成物(完全乾燥した、即ち湿分について調整したもの)を、水に界面活性剤を入れた5gの溶液または懸濁液(セルロースエーテル(完全乾燥したもの)を規準として表記載の重量比の界面活性剤に相応する)と30分間、よく混練し、乾燥し、粉砕し、分級しそして混合し直して所望の粒度分布にする。
例4、14〜16および19
製造変法c:界面活性剤を使用してセルロースエーテルを製造(本発明の方法に従う)
界面活性剤を添加せずにセルロースエーテルを製造することについて記載したのと同様に実施するが、セルロース使用量を規準としての重量%で示す適当量の界面活性剤が苛性ソーダ溶液の添加前に反応混合物に水溶液あるいは懸濁液の状態で添加される点が相違する。
界面活性剤使用量:
Figure 0005237518
反応で得られる粗生成物を、製造変法Aについて上述した通りに処理する。
塊状化物の程度によって直接的に補正された20℃でのブラベンダー粘度計でのセルロースエーテル溶解時の粘度発現を次の通りに実施する。
セルロースエーテルを以下の粒度分布を有する微細粉末として使用する:75%が<63μmの粒度を有し、20%が63〜100μmの粒度を有しそして5%が100〜125μmの粒度を有する。達成できる最終粘度次第で適当な量のセルロースエーテルを、容器中においてUltra−Turrax(国際登録商標)での8000回転/分で、430gの最終重量とする適当量の水と10秒間よく撹拌混合する。水は20±1℃の温度を有する。次いでこの溶液は最大5秒の間にBrabender社の粘度計に移し、測定を開始する。(ブルックフィールドに従う)での相応する粘度(mPas)に直接的に比例する粘度発現[BE](ブラベンダー単位)を最大3時間の問ソフトウエアーでのサポート下に記録しそして評価する。
表1および3は、塊状化傾向および冷水に混入撹拌する際に得られるセルロースエーテルの粘度発現が、界面活性剤を溶液の状態で湿ったセルロースエーテルとよく混合したか(米国特許(A)第2,720,464号明細書、第6欄、第34〜39行に類似する例3および18)またはセルロースエーテルへの転化前に反応成分混合物に直接的に添加したか(例4および19)どうかに関係ないことを実証している。
Figure 0005237518
ブラベンダー粘度計における20℃での粘度発現/溶解挙動
材料:ウッドパルプaをベースとするメチルヒドロキシエチルセルロース;粘度:39000mPa.s(1.9%濃度(完全乾燥)でブルックフィールド粘度計、型式RVTで測定):重量3g(完全乾燥)。
1) セルロースエーテルが完全溶解した場合に選択された条件のもとで達成できる理論粘度(ブタベンダー単位[BE])。
2) 達成できる最終粘度[BE]の20あるいは50%を達成するまでの時間;表中の”−”は適切な粘度レベルが測定時間180分後でも比較的に著しい塊状化のために達成されなかったことを意味する。
界面活性剤A:アニオン性界面活性剤:2−エチルヘキシルスルホナートNa塩;水中溶解性:300g/L
界面活性剤B:アニオン性界面活性剤:ジアルキルスルホこはく酸Na塩;水に溶解する
界面活性剤C:カチオン性界面活性剤:ジココスジメチルアンモニウムクロライド:水に溶解する
界面活性剤D:中性界面活性剤:EO/PO−ブロックポリマー;水に溶解する
界面活性剤E:中性界面活性剤:ノニルフェノールポリグリコールエーテル;水に溶解する
界面活性剤F:ベタイン:N,N−ジステアリル−N−メチル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタイン;水への溶解性:
<10g/L
Figure 0005237518
ブラベンダー粘度計における20℃での粘度発現/溶解挙動
材料:ウッドパルプbをベースとするメチルヒドロキシエチルセルロース;粘度:23000mPa.s(1.9%濃度(完全乾燥)でブルックフィールド粘度計で測定):重量4.3g(完全乾燥)。
界面活性剤G:カチオン性界面活性剤:ココスアルキルジメチルベンジル−アンモニウムクロライド:水に溶解する
Figure 0005237518
ブラベンダー粘度計における20℃での粘度発現/溶解挙動
材料:ウッドパルプcをベースとするメチルヒドロキシエチルセルロース;粘度:5000mPa.s(1.9%濃度(完全乾燥)でブルックフィールド粘度計で測定):重量5.0g(完全乾燥)。
表2および3は表1に比較して、同じ粒度分布および供給される混合エネルギーのもとで塊状化度およびこれに伴う粘度発現が平均ポリマー鎖長に依存していることを実証している。小さい平均ポリマー鎖長のセルロースエーテルは速やかにかつ均一に溶解し、それ故に不十分な混合エネルギーおよび部分的塊状化のもとでも一般に大きな平均ポリマー鎖長のセルロースエーテルよりも均一な粘度発現を示す。
しかしながらアルカリ性化すべき反応混合物に界面活性剤を添加する場合には、最終粘度に無関係に改善された湿潤性および塊なしの撹拌挙動を示す。

Claims (4)

  1. セルロースエーテルへの転化を、
    a)セルロースを水、塩基および有機系分散助剤の存在下にアルカリ性化することによって活性化し、
    b)活性化されたそのセルロースをウイリアムソンのエーテル合成によってエーテル化剤を用いて一段階または多段階法でエーテル化しそして
    c)その生成物を、後続の精製段階においてセルロースエーテルの凝集点より上の温度を有する水で反応副生成物および塩を洗浄除去することによって精製する
    ことによって行なう、全水酸基の少なくとも10%がアルキル化されており、水に45〜95℃の温度範囲内で凝集し得る少なくともアルキル化された非イオン性セルロースエーテルを製造する方法において、セルロースのセルロースエーテルへの転化反応の前に少なくとも1種類の界面活性剤を固体、液体および/または溶液の状態で添加し、そして、セルロースの使用量を規準として最大20重量%の界面活性剤を塩基の添加前に混合物中に導入することを特徴とする、上記方法。
  2. 使用される有機系分散助剤とセルロースとの比が最大25:1である、請求項1に記載の方法。
  3. アルカリ性化の間の反応成分混合物中の水含有量がセルロースの使用量を規準として最大25モル当量である、請求項1または2に記載の方法。
  4. DIN53901に従う20℃での湿潤能力が10g(有効物質)/Lより少ない界面活性剤を使用する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
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