JP5586475B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄剤組成物に関する。
本願は、2008年11月12日に日本に出願された特願2008−289893号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、シャンプー等の毛髪用洗浄剤組成物及びボディーソープ等の皮膚用洗浄剤組成物には、洗浄成分である界面活性剤のほか、コンディショニング性能(すすぎ時の指通り、乾燥時のごわつき、なめらか感等)の改善を目的として、コンディショニング剤が配合されている。
コンディショニング剤として用いられている化合物として、カチオン化セルロースがある(たとえば特許文献1)。かかる用途において、カチオン化セルロースは、一般的に、水、または水を含む混合溶媒(以下、水系溶媒ということがある。)に溶解して用いられるため、通常、溶解性を考慮して、微粒子状にして用いられている。しかし、カチオン化セルロースは、親水性が高いことから、微粒子状にして用いた場合、水分散性が悪い。
このような問題に対し、グリオキサール処理により疎水性を高めて水分散性を向上させたカチオン化セルロースを用いることが提案されている(たとえば特許文献2)。グリオキサール処理を行うと、グリオキサールとカチオン化セルロースとがヘミアセタール結合により架橋し、疎水性が高まる。この架橋は、アルカリや熱により加水分解する。そのため、グリオキサール処理されたカチオン化セルロースは、水または水系溶媒に投入した際には優れた水分散性により分散し、その後、アルカリや熱により優れた溶解性を発現する。
しかしながら、上述したグリオキサール処理されたカチオン化セルロースは、水分散性には優れるものの、前記カチオン化セルロースを配合した毛髪用洗浄剤組成物は、すすぎ時に髪と指との間に摩擦を感じるなど、コンディショニング性能が充分とはいえない。
なお、グリオキサール処理については、グリオキサールが変異源性物質として指定されていることから、その代替技術についての検討が行われており、たとえばシラン化合物を用いたシラン変性方法が提案されている。シラン変性方法としては、たとえばアミノシランやエポキシシランを用いる方法(特許文献3〜4)、アルキルトリアルコキシルシラン、アルキルテトラアシルオキシシラン、テトラアルコキシシラン、テトラアシルオキシシランを用いる方法(特許文献5〜8)等が提案されている。
特許文献9には、カチオン化セルロースをアミノシランカップリング剤で処理したシラン変性カチオン化セルロースが開示されている。
特開昭55−38813号公報 特開2000-319139号公報 特公昭51−2103号公報 特開昭47−35073号公報 特公平6−39481号公報 特開平8−183801号公報 特開2004−155805号公報 特開昭61−195138号公報 特開2007−211167号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、コンディショニング性能に優れた洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の界面活性剤と、特定のカチオン化セルロースとを組み合わせることにより、優れたコンディショニング性能が発現することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、上記課題を解決する本発明の毛髪用洗浄剤組成物の第一の態様は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩1〜20質量%と、下記工程(1)〜(4)を含む製造方法により製造されたシラン変性カチオン化セルロース0.001〜4質量%とを含有することを特徴とする。
工程(1):水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る工程。
工程(2):前記工程(1)で得たスラリーに酸を添加してアルカリを中和し、前記スラリーのpHを3.5〜5.5にする工程。
工程(3):前記中和後のカチオン化セルロースに対して、当該カチオン化セルロースと接触する全溶媒中の水分が10質量%以下となるように、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する工程。
工程(4):前記工程(3)で得たカチオン化セルロースをアミノシラン化合物と反応させる工程。
また、本発明の毛髪用洗浄剤組成物の第二の態様は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩1〜20質量%と、下記工程(1)及び(5)を含む製造方法により製造されたシラン変性カチオン化セルロース0.001〜4質量%とを含有することを特徴とする。
工程(1):水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る工程。
工程(5):前記工程(1)で得たスラリーまたはそのケーキにアミノシラン化合物を添加し、前記アミノシラン化合物により前記カチオン化セルロースを処理する工程であって、前記アミノシラン化合物の添加量が、前記水溶性セルロースエーテルに対して0.05〜20質量%であり、前記アミノシラン化合物による前記カチオン化セルロースの処理を、pH11以上のアルカリ条件下で反応させる工程。
また、本発明の皮膚用洗浄剤組成物の第一の態様は、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩1〜20質量%と、下記工程(1)〜(4)を含む製造方法により製造されたシラン変性カチオン化セルロース0.001〜4質量%とを含有することを特徴とする。
工程(1):水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る工程。
工程(2):前記工程(1)で得たスラリーに酸を添加してアルカリを中和し、前記スラリーのpHを3.5〜5.5にする工程。
工程(3):前記中和後のカチオン化セルロースに対して、当該カチオン化セルロースと接触する全溶媒中の水分が10質量%以下となるように、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する工程。
工程(4):前記工程(3)で得たカチオン化セルロースをアミノシラン化合物と反応させる工程。
また、本発明の皮膚用洗浄剤組成物の第二の態様は、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩1〜20質量%と、下記工程(1)及び(5)を含む製造方法により製造されたシラン変性カチオン化セルロース0.001〜4質量%とを含有することを特徴とする。
工程(1):水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る工程。
工程(5):前記工程(1)で得たスラリーまたはそのケーキにアミノシラン化合物を添加し、前記アミノシラン化合物により前記カチオン化セルロースを処理する工程であって、前記アミノシラン化合物の添加量が、前記水溶性セルロースエーテルに対して0.05〜20質量%であり、前記アミノシラン化合物による前記カチオン化セルロースの処理を、pH11以上のアルカリ条件下で反応させる工程。
本発明によれば、コンディショニング性能に優れた洗浄剤組成物を提供できる。
本発明の洗浄剤組成物は、アニオン界面活性剤(以下、(A)成分という。)と、シラン変性カチオン化セルロース(以下、(B)成分という。)とを含有する。
(A)成分としては、硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤、スルホン酸塩型アニオン界面活性剤、カルボン酸塩型アニオン界面活性剤、リン酸エステル塩型アニオン界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、他成分と配合時した時の安定性に優れることや泡立ち性、コスト面からも、硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤が好ましい。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、またはアンモニウム塩が挙げられ、アルカリ金属塩が好ましい。
硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル多価アルコールエーテル硫酸塩等が挙げられる。
より具体的には、アルキル硫酸塩またはアルケニル硫酸塩としては、炭素数10〜20のアルキル硫酸塩またはアルケニル硫酸塩が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテル硫酸塩は、それぞれ、アルキルエーテル硫酸塩、アルケニルエーテル硫酸塩、アルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルケニルフェニルエーテル硫酸塩にアルキレンオキサイドが付加したものである。
アルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドのいずれか、またはエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とが混在したものが好ましい。EOとPOとが混在する場合、その比率は、モル比でEO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1の範囲内であることが好ましい。アルキレンオキサイドとしては、特に、EOが好ましい。
アルキレンオキサイドの付加モル数は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩またはポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩の場合は、平均で、0.5〜10モルが好ましい。また、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテル硫酸塩の場合は、平均で、3〜30モルが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテル硫酸塩におけるアルキル基またはアルケニル基の炭素数は8〜20が好ましい。前記アルキル基またはアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
アルキル多価アルコールエーテル硫酸塩としては、たとえば、炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩等が挙げられる。
硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤としては、他成分と配合時した時の安定性に優れることや泡立ち性、コスト面からの点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の好適なものとしては、下記一般式(1)で表される化合物が例示できる。
Figure 0005586475
[式(1)中、Rは炭素数8〜20のアルキル基を示し;nはエチレンオキサイドの平均付加モル数を示し;Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミンまたはアンモニウムを示す。]
前記一般式(1)中、Rは、炭素数8〜20のアルキル基である。前記アルキル基の炭素数は、8〜18が好ましく、10〜16がより好ましく、12〜13がさらに好ましい。Rの炭素数が8以上であると、疎水性が高まるため、洗浄力が向上する。一方、Rの炭素数が20以下であれば、化合物自体の溶解性が良好となるため、保存時における析出が抑制される。前記アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
は、エチレンオキサイドの平均付加モル数を示し、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
Mは、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルカノールアミンまたはアンモニウムを示す。
アルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、トリエタノールアミン等が挙げられる。
上記のなかでも、Mとしては、アルカリ金属原子が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。
スルホン酸塩型アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩等が挙げられる。
より具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩が挙げられる。
アルカンスルホン酸塩としては、アルカンスルホン酸塩は、パラフィンスルホン酸塩とも呼ばれ、たとえば炭素数10〜21のアルカンスルホン酸塩が挙げられる。アルカンスルホン酸塩としては、二級アルカンスルホン酸塩を含むことが好ましい。好ましいアルカンスルホン酸塩としては、たとえば、1分子当り10〜21個の炭素原子、好ましくは少なくとも80質量%以上、より好ましくは少なくとも90質量%以上が1分子当り10〜14個の炭素原子をもつ二級アルキルスルホン酸塩と、少量の一級アルキルスルホン酸塩、ジスルホン酸塩、またはポリスルホン酸塩との混合物が挙げられる。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩が挙げられる。
α−スルホ脂肪酸塩としては、炭素数8〜20の飽和もしく不飽和のα−スルホ脂肪酸塩が挙げられる。
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩としては、前記α−スルホ脂肪酸塩のメチル、エチルもしくはプロピルエステル塩が挙げられる。
カルボン酸塩型アニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルカルボン酸塩、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)等が挙げられる。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸の、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリプロパノールアミン塩等のアルカリ塩を挙げることができる。好適な脂肪酸アルカリ塩の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸のナトリウム、カリウムの単独または混合塩等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2つ以上を混合して使用してもよい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルカルボン酸塩におけるアルキレンオキサイドとしては、前記硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルカルボン酸塩におけるアルキル基またはアルケニル基の炭素数は10〜20が好ましい。前記アルキル基またはアルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
リン酸エステル型アニオン界面活性剤としては、長鎖モノアルキルリン酸塩、長鎖ジアルキルリン酸塩、長鎖セスキアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンモノアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンジアルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンセスキアルキルリン酸塩等が挙げられる。「長鎖」のアルキル基は、炭素数が8以上のものを示し、好ましくは10〜20である。
(A)成分は、市販のものを用いてもよく、公知の手法により合成してもよい。
たとえば、前記一般式(1)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩は、たとえば以下のようにして製造できる。
高級アルコール(R−OH)に、エチレンオキサイドを付加させてポリオキシエチレンアルキルエーテル(アルコールエトキシレート)を得る。前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルを、サルファンでスルホン化あるいは硫酸化する。これによりポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が得られる。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
洗浄剤組成物中、(A)成分の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対し、1〜20質量%が好ましく、3〜18質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。前記含有量が前記範囲の下限値以上であることにより、洗浄力等が向上し、前記上限値以下であると、使用時の刺激が低減化される。
(B)成分(シラン変性カチオン化セルロース)としては、カチオン化セルロースをアミノシランカップリング剤で処理したものが挙げられる。
前記(B)成分は、たとえば、特開2007−216089号公報に記載の製造方法により製造することができるが、本発明においては、(B)成分が、下記工程(1)〜(6)を含む製造方法により製造されたものであることが好ましい。
工程(1):水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る工程。
工程(2):前記工程(1)で得たスラリーに酸を添加してアルカリを中和する工程。
工程(3):中和後のカチオン化セルロースに対して、当該カチオン化セルロースと接触する全溶媒中の水分が10質量%以下となるように、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する工程。
工程(4):前記工程(3)で得たカチオン化セルロースをアミノシラン化合物と反応させる工程。
工程(5):前記工程(1)で得たスラリーまたはそのケーキにアミノシラン化合物を添加し、前記アミノシラン化合物により前記カチオン化セルロースを処理する工程であって、前記アミノシラン化合物の添加量が、前記水溶性セルロースエーテルに対して0.05〜20質量%であり、前記アミノシラン化合物による前記カチオン化セルロースの処理を、pH10以上のアルカリ条件下で反応させる工程。
工程(6):前記工程(5)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う工程。
工程(7):前記工程(5)で得られた反応物に酸を添加して中和する工程。
工程(8):前記工程(7)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う工程。
工程(9):前記工程(3)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う工程。
かかる製造方法により製造された(B)成分は、水分散性に優れており、水や、水と水相溶性有機溶媒との混合溶媒等の水系溶媒に投入すると、短時間で容易に分散する。また、水系溶媒への溶解性にも優れている。また、従来のグリオキサール処理されたカチオン化セルロースに比べて安全性の点においても優れている。
以下、各工程について詳細に説明する。
<工程(1)>
工程(1)では、水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る。
水溶性セルロースエーテルとしては、ヒドロキシアルキルセルロースエーテルが挙げられる。ヒドロキシアルキルセルロースエーテルは、セルロースの水酸基に、置換基として、ヒドロキシアルキル基が結合したものである。
前記ヒドロキシアルキル基は、一般式−(A−O)Hで表される基である。式中、Aは、炭素数2〜3のアルキレン基であり、エチレン基またはプロピレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数であり、前記平均付加モル数は、水溶性セルロースエーテルのグルコース残基(単位骨格)1モルに対して、0.5〜3.5モルが好ましく、1〜2.5モルがより好ましい。
ヒドロキシアルキルセルロースエーテルは、ヒドロキシアルキル基以外の置換基を有してもよい。前記置換基としては、たとえば炭素数1〜3のアルキル基等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルセルロースエーテルとして、具体的にはヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチル−ヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、メチル−ヒドロキシプロピルセルロース(MHEC)、エチル−ヒドロキシエチルセルロース(EHEC)等が挙げられる。中でもHECが安価であり増粘剤等の用途に一般的に使用されるため好ましい。これらはいずれか1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
かかるヒドロキシアルキルセルロースエーテルは、市販のものを用いてもよく、合成してもよい。ヒドロキシアルキルセルロースエーテルは、たとえば、セルロースをアルカリ処理してアルカリセルロースとし、これにアルキレンオキサイドを反応させることにより合成できる。
市販品として、住友精化製:HEC AL‐15、AH‐15、AX‐15、SW‐25F、SG‐25F、SY‐25Fおよびダイセル化学工業製:HECダイセル SE550、SE600、SE900などがある。
水溶性セルロースエーテルの粘度としては、2質量%の水溶液の20℃における粘度が5〜35,000mPa・sであることが好ましい。粘度はB型粘度計で測定開始から1分後の粘度をいう。
水相溶性有機溶媒としては、水と混合した際に均一な溶液となるものであればよく、たとえば、炭素数1〜4のアルコール、アセトン等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4のアルコールが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。この中で、エタノール、イソプロパノール、t−ブチルアルコールが価格・安全性面から好ましい。
混合溶媒中の水の割合は、副反応を抑制し、カチオン化反応を効率よく進行させる観点から、12〜30質量%が好ましく、12〜20質量%がより好ましい。下限以上とすることでカチオン化反応をより効率よく進行させることができる。上限以上では生成したカチオン化セルロースや水溶性セルロースエーテルが溶解して歩留まりが低下したり、一部水に溶解することによりゲル化してしまうため取り扱い、製造性の面で好ましくない。
混合溶媒の使用量は、水溶性セルロースエーテルのカチオン化が局部的に進行することを回避する観点、および反応器の容積効率を高める観点から、水溶性セルロースエーテル100質量部に対して、200〜1500質量部が好ましく、300〜800質量部がより好ましい。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物を挙げることができる。これらの中では、安価であることから、水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリの使用量は、水溶性セルロースエーテルに対してアルカリの含有量が0.1〜10質量%となる量が好ましい。
水溶性セルロースエーテルのカチオン化は、水溶性セルロースエーテルとカチオン化剤とを反応させることによって実施できる。
カチオン化剤としては、水溶性セルロースエーテルの水酸基の水素原子(活性水素)と反応して水溶性セルロースエーテルにカチオン性を与えるものであればよく、具体的には、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、グリシジルトリエチルアンモニウムクロリド、グリシジルトリメチルアンモニウムブロミド、グリシジルトリエチルアンモニウムブロミド等のグリシジルトリアルキルアンモニウムハライドや、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、メタクリロイルオキシエチレントリメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどのアンモニウムハライド化合物が挙げられる。これらの中では、安価で反応性が高い観点から、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
カチオン化剤の使用量は、カチオン化セルロースの収率を高める観点および使用量に見合う効果がなく経済的でなくなるのを回避する観点から、水溶性セルロースエーテル中のグルコース残基単位骨格当たりに対して0.1〜1.4モルとなる量が好ましく、0.3〜1.2モルとなる量がより好ましい。
水溶性セルロースエーテルとカチオン化剤との反応は、たとえば、水溶性セルロースエーテルと前記混合溶媒とアルカリとを混合、撹拌した後、カチオン化剤を添加し、所定の反応温度とすることにより実施できる。
このときの反応温度は、反応を促進させ、反応時間を短縮させる観点および反応が急激に進行するのを回避する観点から、通常、40〜60℃の範囲内であり、好ましくは45〜55℃である。
反応時間は、反応温度によって異なるので一概には決定することができないが、通常、2〜4時間程度である。
このようにして、カチオン化セルロースを含有するスラリーが得られる。
前記カチオン化セルロースのカチオン化度は、特に限定されず、最終的に得られるシラン変性カチオン化セルロース((B)成分)のカチオン化度に応じて適宜選択することができる。好ましくは0.3〜2.5質量%であり、0.5〜2.0質量%がより好ましい。
前記カチオン化度が0.3質量%以上であると、前記カチオン化セルロースのカチオン性、ひいては最終的に得られるシラン変性カチオン化セルロースのカチオン性が向上し、その機能(増粘性等)が向上する。2.5質量%以下であると、アミノシラン化合物との反応性が良好であり、シラン変性カチオン化セルロースの水分散性も向上する。
また、シラン変性カチオン化セルロースのカチオン化度としては、好ましくは0.5〜2.7質量%であり、0.7〜2.2質量%がより好ましい。前記カチオン化度が0.5質量%以上であると、溶解性・水分散性に優れる。2.7質量%以下であるとシラン変性カチオン化セルロースの溶解性・水分散性も十分に得られる。
ここで、カチオン化セルロースのカチオン化度とは、前記カチオン化セルロースのグルコース残基単位骨格当たりの窒素原子の割合を意味する。カチオン化度は医薬部外品原料規格2006(薬事日報社)の塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースの頁に記載の方法により測定できる。前記窒素原子は、カチオン化剤に由来するものであり、カチオン化度は、カチオン化剤の使用量等を調節することにより調節できる。
<工程(2)>
工程(2)では、前記工程(1)で得たスラリーに酸を添加してアルカリを中和する。
酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の強酸、及び酢酸、リン酸等の弱酸を挙げることができる。これらの中では、安価であることから、塩酸、硫酸、硝酸が好ましい。
酸の使用量は、最終的なシラン変性カチオン化セルロースを水溶液とした際のpHが後述の所望の範囲内となるように適宜調整すればよい。工程(4)で用いるアミノシラン化合物がアルカリ性であることから、前記酸の添加後のスラリーのpHが、前記所望のpHよりも低pHとなる量が好ましい。具体的には、前記酸の添加後のスラリーのpHが、25℃の条件下で、2.0〜6.0となる量が好ましく、3.5〜5.5となる量がより好ましい。前記pHが上記範囲内であると、最終的に得られるシラン変性カチオン化セルロースの水分散性が良好で、水溶性も良好である。
<工程(3)>
前記工程(2)または後述の工程(7)で得たスラリー中には、カチオン化時に使用した水分が残存しており、前記スラリーにおける全溶媒中の水分は、通常、12〜30質量%である。
工程(3)では、前記中和後のカチオン化セルロースに対して、当該カチオン化セルロースと接触する全溶媒中の水分が10質量%以下となるように、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する。
水相溶性有機溶媒としては、前記工程(1)で挙げた水相溶性有機溶媒と同様のものが挙げられる。
水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中の水の割合は、当該混合溶媒を添加した後のカチオン化セルロースのスラリーあるいは前記スラリーを脱液処理して得られるケーキ中に含まれる全溶媒(母液)中の水分が10質量%以下となる範囲であればよく、当該混合溶媒を添加するスラリーあるいはケーキ中の水分量に応じて適宜選択すればよい。
工程(3)の実施方法として、具体的には、以下の方法(3−1)、(3−2)等が挙げられる。
方法(3−1):前記工程(2)または後述の工程(7)で得たスラリーに対して水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を加えて混合、撹拌する方法。
方法(3−2):前記工程(2)または後述の工程(7)で得たスラリーの脱液処理を行い、得られたケーキに水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する方法。
方法(3−2)として、より具体的には、以下の方法(3−2a)、(3−2b)等が挙げられる。
方法(3−2a):前記工程(2)または後述の工程(7)で得た中和後のスラリーを脱液した後に、得られたケーキを水相溶性有機溶媒または混合溶媒中に再分散させてスラリーとする方法。
方法(3−2b):前記工程(2)または後述の工程(7)で得た中和後のスラリーを脱液した後に、得られたケーキ上に水相溶性有機溶媒または混合溶媒をシャワーする方法。
シャワーによりケーキの処理を行なう場合は、ケーキをベルトコンベアなどにのせて、その上にシャワーをする連続的な処理方法もとることができる。
また、これらの処理の後、さらに、使用した水相溶性有機溶媒または混合溶媒を除去するために、脱液処理を行ってもよい。
方法(3−1)および(3−2a)の場合、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を加えた後のスラリーに含まれる母液中の水分が10質量%以下となるように前記溶媒を添加すればよい。
また、方法(3−2b)のようにシャワーによりケーキの処理を行なう場合は、最終的にケーキに含まれる母液中の水分が10質量%以下となるまでシャワーすればよい。
方法(3−2)において、脱液処理方法は特に限定されず、ろ過や遠心分離などの従来公知の固液分離方法を利用できる。たとえば、濾布を用いて遠心脱液機を使用することにより実施できる。
脱液処理は、ケーキ中の固形分が40〜70質量%となるように行うことが好ましい。
前記固形分量は、1gのケーキを105℃、2時間乾燥させて、その前後の差分量から算出する。
なお、水相溶性有機溶媒または混合溶媒の前記全溶媒中の水分は、たとえばスラリーを静置または遠心分離し、その上澄みを採取して水分を測定する方法、水相溶性有機溶媒または混合溶媒添加後のスラリーまたはケーキの脱液処理を行い、脱液した液中の水分を測定する等により確認できる。
液中の水分量は、カールフィッシャー法により、市販の水分測定装置、たとえば平沼産業株式会社製、微量水分測定装置AQV−7等を使用して測定できる。
前記中和後のカチオン化セルロースには、中和により生成した塩が含まれる。本工程の水相溶性有機溶媒または混合溶媒による処理は、この塩の洗浄除去による精製工程を兼ねることもできるが、洗浄液として用いる水相溶性有機溶媒または混合溶媒中の水分量が少ないと中和塩の除去効率が低下し、得られるカチオン化セルロース中に中和塩が残存するおそれがある。
そのため、中和塩を除去効率の観点から、水分を10質量%以下とするための水相溶性有機溶媒または混合溶媒の添加の前に、別途、水分量が15〜30質量%程度の水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いて、カチオン化セルロースの洗浄(精製)を行うことが好ましい。
<工程(4)>
工程(4)では、前記工程(3)で得たカチオン化セルロースをアミノシラン化合物と反応させる。
アミノシラン化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメチルエトキシシラン、N−2―アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2―アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−2−カルボエトキシエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
これらの中でも、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2―アミノエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、N−2−カルボエトキシエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシランが、最終的に得られるシラン変性カチオン化セルロースをシャンプーやボディーソープなどに使用する際に、メタノールの遊離などが生じない点で好ましい。アミノシラン化合物としては、信越化学工業製:KBE−903、KBE−603、KBE−9103、東レ・ダウコーニング製:AY43−059などの市販品を利用できる。
アミノシラン化合物の使用量は、当該アミノシラン化合物と反応させるカチオン化セルロースの原料として用いた水溶性セルロースエーテル量の0.3〜10質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、0.9〜5質量%がさらに好ましく、0.9〜3質量%が特に好ましい。前記アミノシラン化合物の使用量が0.5質量%未満であると、水分散性が悪化するおそれがあり、10質量%を超えると、水分散性は良好であるものの、カチオン化セルロースの有効成分量が低下し、コストもアップするので工業的に好ましくない。
<工程(5)>
工程(5)では、前記工程(1)で得たスラリーまたはそのケーキにアミノシラン化合物を添加し、前記アミノシラン化合物により前記カチオン化セルロースを処理する。
アミノシラン化合物の添加量は、前記水溶性セルロースエーテルに対して0.05〜20質量%が好ましく0.1〜15質量%がより好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。
工程(5)は、pH10以上のアルカリ条件下で反応させることが好ましく、pH11以上がさらに好ましい。
前記アミノシラン化合物の添加量およびpHが上記範囲内であると、良好な水分散性が得られる。
<工程(6)>
工程(6)では、前記工程(5)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う。ここで、本明細書および請求の範囲において、「真空度」は、絶対圧基準での圧力を示す。
前記1次乾燥処理の温度は、50〜120℃が好ましく、60〜110℃がより好ましく、70〜100℃がさらに好ましい。
前記1次乾燥処理の真空度は、13.4〜53.3kPaが好ましく、13.4〜46.6kPaがより好ましく、13.4〜39.9kPaがさらに好ましい。
前記温度および真空度が上記範囲内であると、溶剤の除去効率および色調が良好である。
前記2次乾燥処理の温度は、90〜150℃が好ましく、95〜130℃がさらに好ましい。
前記2次乾燥処理の真空度は、13.3kPa以下が好ましく、6.6kPa以下がより好ましく、3.9kPa以下がさらに好ましい。
前記温度および真空度が上記範囲内であると、水分散性が良好である。
<工程(7)>
工程(7)では、前記工程(5)で得たスラリーに酸を添加して中和する。
酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の強酸、及び酢酸、リン酸等の弱酸を挙げることができる。これらの中では、安価であることから、塩酸、硫酸、硝酸が好ましい。
酸の使用量は、最終的なシラン変性カチオン化セルロースを水溶液とした際の中和後のpHが25℃の条件で、3.0〜8.0になる量が好ましく、3.5〜6.5がより好ましい。前記pHが上記範囲内であると、最終的に得られるシラン変性カチオン化セルロースの水分散性が良好で、水溶性も良好である。
<工程(8)>
工程(8)では、前記工程(7)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う。
前記1次乾燥処理の温度は、50〜120℃が好ましく、60〜110℃がより好ましく、70〜100℃がさらに好ましい。
前記1次乾燥処理の真空度は、13.4〜53.3kPaが好ましく、13.4〜46.6kPaがより好ましく、13.4〜39.9kPaがさらに好ましい。
前記温度および真空度が上記範囲内であると、溶剤の除去効率および色調が良好である。
<工程(9)>
工程(9)では、前記工程(3)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う。
前記1次乾燥処理の温度は、50〜120℃が好ましく、60〜110℃がより好ましく、70〜100℃がさらに好ましい。
前記1次乾燥処理の真空度は、13.4〜53.3kPaが好ましく、13.4〜46.6kPaがより好ましく、13.4〜39.9kPaがさらに好ましい。
前記温度および真空度が上記範囲内であると、溶剤の除去効率および色調が良好である。
カチオン化セルロースとアミノシラン化合物とを反応させる方法(シラン処理方法)としては、特に制限はなく、目的に応じ、従来のシラン処理方法を利用できる。ただし、本発明においては、工程(3)の後、カチオン化セルロースを、水分10質量%超の溶媒(水、水の割合が10質量%以上の混合溶媒等)とは接触させずシラン処理を行う必要がある。
カチオン化セルロースとしては、前記工程(3)において、溶媒中の水分を10質量%以下としたスラリーまたはケーキをそのまま使用してもよく、前記スラリーまたはケーキの溶媒の一部または全部を除去し、ケーキまたは乾燥品としたものを用いてもよい。
好ましいシラン処理方法としては、前記カチオン化セルロースのスラリー、ケーキまたは乾燥品に対し、アミノシラン化合物を、スプレーなどで噴霧する等により添加し、反応させた後に乾燥させる方法が挙げられる。この場合、均一にシラン処理を行なうために、アミノシラン化合物を添加後に攪拌を行なうことが好ましい。
シラン処理において、カチオン化セルロースとアミノシラン化合物とを反応させる際の反応温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。好ましくは20〜80℃であり、25〜75℃がより好ましく、30〜70℃がさらに好ましい。前記温度が20℃以上であると、反応が充分に進行し、得られるシラン変性カチオン化セルロースの水分散性が良好であり、80℃以下であると、前記シラン変性カチオン化セルロースの色調が良好である。
反応時間は、特に制限はなく、反応温度、目的等に応じて適宜選択することができる。
好ましくは5〜120分間であり、10〜100分間がより好ましく、15〜80分間がさらに好ましい。前記反応時間が5分間以上であると反応が充分に進行し、得られるシラン変性カチオン化セルロースの水分散性が良好であり、120分間以内であると、前記シラン変性カチオン化セルロースの色調が良好である。
カチオン化セルロースとアミノシラン化合物との反応生成物の乾燥は、たとえば、前記反応生成物を減圧下または常圧下において加熱することにより実施できる。このときの加熱温度は、乾燥品の色調、乾燥減量(含液量)等を考慮すると、50〜150℃の範囲内が好ましく、70〜130℃の範囲内がより好ましい。
上記乾燥を行う前に、前記反応生成物の脱液処理を行ってもよい。脱液処理は、たとえば、濾布を用いて遠心脱液機を使用することにより実施できる。
上記製造方法により製造されるシラン変性カチオン化セルロースは水分散性に優れており、水や、水と水相溶性有機溶媒との混合溶媒等の水系溶媒に投入すると、短時間で容易に分散する。かかる効果が得られる理由としては、定かではないが、以下のことが考えられる。
従来、水溶性セルロースのカチオン化に際しては、反応溶媒として、またはアルカリの中和やその洗浄のために、多くの水が用いられている。例えば、特公平7−72201号公報に記載の方法では、カチオン化後、アルカリの中和により生成する中和塩の除去のために20%水/アセトンの混合溶媒での洗浄を行っている。そのため、得られるカチオン化セルロースは、上記の水分により膨潤した状態となっており、かかる状態のカチオン化セルロースにシラン処理を施すと、表面だけでなく、内部にまでシラン処理が進行し、それによって表面の疎水化が不十分となり、充分な水分散性が得られなかったと推測される。
一方、上記製造方法では、シラン処理を行う前に、カチオン化処理後(水を含んだ状態)のカチオン化セルロースに対し、添加後の全溶媒中の水分が10質量%以下となるように、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する。このとき、水相溶性有機溶媒は、カチオン化セルロース中の水分とも混和するため、前記低水分の水相溶性有機溶媒とカチオン化セルロースとが接触することにより、カチオン化セルロース中の水分が抽出される。そして、カチオン化セルロース中に含まれていた水分を含めた全溶媒中の水分が10質量%以下であれば、カチオン化セルロースに含まれる水分が充分に低減されたものとなる。そして、このように水分が低減されたカチオン化セルロースに対して、特定のシラン化合物(アミノシラン化合物)を用いてシラン処理を行うことにより、カチオン化セルロースの表面が充分にシラン変性され、水分散性が向上すると推測される。
(B)成分の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。水への分散性、溶解性等を考慮すると、粉末状であることが好ましい。
粉末状である場合、(B)成分の粒子径は、使用目的等を考慮して適宜選択すればよい。好ましくは10〜1,000μmであり、30〜800μmがより好ましく、50〜600μmがさらに好ましい。前記粒子径が10μm以上であると、水分散性が向上し、また、使用時に粉塵が発生しにくく、ハンドリング性が良好である。1,000μm以下であると、水への溶解性が良好である。
また、(B)成分は、2質量%水溶液とした際のpHが、25℃の条件下で、5〜7.5であることが好ましい。前記pHが7.5以下であると水分散性が向上し、5以上であると水への溶解性が向上する。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
洗浄剤組成物中、(B)成分の含有量は、洗浄剤組成物の総質量に対し、0.001〜4質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましく、0.02〜2.5質量%がさらに好ましい。前記含有量が前記範囲の下限値以上であることにより、コンディショニング性能の向上効果が充分に得られ、上限値以下であると、他成分との安定性が向上する。
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意成分として、上記(A)成分および(B)成分以外の成分を含有してもよい。前記任意成分としては、特に限定されず、従来洗浄剤組成物に配合されている各種添加成分が利用できる。
前記添加成分としては、たとえば、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン化合物、液状油分、固体脂、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー(ただし(B)成分を除く。)、ポリオール類、無機塩類(無水硫酸ナトリウム、食塩、芒硝等)、有機塩類、保湿剤(プロピレングリコール等)、トニック剤、可溶化剤、酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、α−トコフェロール等)、殺菌剤(トリクロサン、トリクロロカルバン等)、粘度調整剤(高分子化合物、脂肪酸ジエタノールアミド等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、タンパク誘導体、動植物抽出液、フケ防止剤(ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン等)、抗炎症剤(グリチルリチン酸ジカリウム等)、防腐剤(安息香酸及びその塩、パラベン類、ケーソンCG等)、pH調整剤(クエン酸、トリエタノールアミン等)、ハイドロトロープ、低級アルコール、ビタミン類、揮発性油分、疎水性溶媒、希釈性溶媒、色素、香料、香料組成物等が挙げられる。これらの添加成分はいずれか1種を単独で配合してもよく、2種以上を混合して配合してもよい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルジメチルカルボキシメチルアンモニウムベタイン、アルキルカルボキシメチルイミダゾリウムベタイン、N−(N'−アシルアミノアルキル)−N−ヒドロキシアルキルアミノカルボン酸塩等が挙げられる。
シリコーン化合物としては、その種類が特に制限されるものではなく、通常シャンプー組成物に使用されているものを用いることが可能である。例えば、ジメチルポリシロキサン(高重合ジメチルポリシロキサン、シリコーンゴムを含む)、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーン、べタイン変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、シリコーングラフトポリマー、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリアミノ変性シリコーンが特に好適に使用される。
これらのシリコーン化合物は、その粘度等が特に制限されるものではないが、通常、温度25℃における粘度が1〜20,000,000mm/s、好ましくは30〜1,000,000mm/sのものが好適に用いられる。粘度の測定法は、化粧品原料基準「粘度測定法」に準ずる。
上記シリコーン化合物としては、上記シリコーン誘導体を界面活性剤により乳化し、エマルション化したものも使用することができる。なお、このようなエマルションは、乳化剤や乳化方法に特に制限はなく、種々使用することができる。
アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマーの具体例としては、ペクチン、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸塩、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリメチルアクリル酸塩、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、トラガラントゴム等が挙げられる。
カチオン性ポリマーとしては、官能基がジメチルジアリルアンモニウムハライドである塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストラン、カチオン化プルラン、4級化ビニルピロリドン−アミノエチルメタクリレート共重合体、ポリエチレンイミン、ジプロピレントリアミン縮合物、アジピン酸ジメチル−アミノヒドロキシプロピルジエチルトリアミン共重合体、第4級窒素含有スターチ等の他、カチオン化加水分解ケラチン、カチオン化加水分解シルク、カチオン化加水分解コラーゲン、カチオン化加水分解小麦、シリコーン化加水分解コラーゲン、シリコーン化加水分解シルクのタンパク加水分解にカチオン基を導入したもの等が挙げられる。
これらのポリマーは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
香料、香料組成物としては、特開2003−300811号公報の段落番号[0021]〜[0035]に記載された香料成分等、さらに同[0050]に記載された香料用溶剤等が挙げられる。ここで、香料組成物とは、前記の香料成分、溶剤及び香料安定化剤等からなる混合物である。
香料組成物中、香料用溶剤は、通常、0.1〜99質量%配合され、好ましくは1〜50質量%配合される。
香料安定化剤としては、BHT、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等が挙げられる。これらの中で、好ましい安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。
香料組成物中、香料安定化剤は、通常、0.0001〜10質量%配合され、好ましくは0.001〜5質量%配合される。
洗浄剤組成物にかかる香料組成物を配合する場合、前記香料組成物は、通常、洗浄剤組成物全量に対して0.005〜40質量%配合され、好ましくは、0.01〜10質量%配合される。
本発明の洗浄剤組成物は、常法に準じて調製することができる。たとえば、上記(A)成分、(B)成分、任意成分及び水(残部)を混合撹拌することにより製造される。この際、(A)成分は予め水に希釈された濃度20〜70質量%のアニオン界面活性剤水溶液を使用すると、容易に製造できる。(B)成分は予め水等に溶解又は分散させたり、プロピレングリコール等の貧溶媒に分散させたりして添加する方法が好適である。
本発明の洗浄剤組成物は、25℃における粘度が100〜5,000mPa・sであることが好ましく、500〜3,000mPa・sであることがより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、ハンドリングが良好であり、上限値以下であると、ハンドリングが良好である。
本発明の洗浄剤組成物は、25℃におけるpHが、3〜10であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。上記範囲の下限値以上であると、皮膚への刺激性が低減化され、上限値以下であると、安定性などが良好である。
以下、本発明について、実施例を示してさらに具体的に説明する。
以下の例においては、特に断りのない限り、「部」および「%」は、それぞれ質量部および質量%を示す。
以下の製造例1〜6において用いた材料および分析方法は下記のとおりである。
<材料>
◆ヒドロキシエチルセルロース:
「AH−15L」:住友精化製、純度80%、2質量%水溶液粘度(25℃)1,200mPa・s。
「AX−15」:住友精化製、純度80%、2質量%水溶液粘度(25℃)26,000mPa・s。
「LF−15」:住友精化製、純度80%、2質量%水溶液粘度(25℃)1,200mPa・s。
「SH−15」:住友精化製、純度80%、2質量%水溶液粘度(25℃)1,200mPa・s。
「SY−25」:住友精化製、純度90%、1質量%水溶液粘度(25℃)3,200mPa・s。
◆イソプロピルアルコール:関東化学社製、純度99.5%。
◆水酸化ナトリウム:関東化学社製。
◆グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド:阪本薬品製「SY−GTA80」、有効分73%水溶液。
◆3−アミノプロピルトリエトキシシラン:信越化学社製「KBE−903」、有効分100%。
<分析方法>
[水分(%)(カールフィッシャー法)]
平沼産業株式会社製、微量水分測定装置AQV−7を用い、サンプル量として0.3gを分析に供した。
[処理シラン量(%)]
下記式により算出した。
処理シラン量=(B/A)×100(%)
[式中、Aは、ヒドロキシエチルセルロースの有効添加量(総質量(g)×純度(%))であり、Bは、3−アミノプロピルトリエトキシシランの有効添加量(総質量(g)×有効分(%))である。]
[pH]
横河電気株式会社製のpHメータ「PH71」を用いて測定した。
[製造例1]
ヒドロキシエチルセルロース「AH−15L」50g(100質量部)に対して、イソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15となる混合溶媒500g(1,000質量部)、更に25質量%水酸化ナトリウム水溶液7.1g(14.2質量部)をセパラブルフラスコにとり、30分間攪拌混合した。その後攪拌を止めて静置し、混合溶媒の上澄みを250g(500質量部)除去した。続けてセパラブルフラスコの残部を50℃まで昇温させ、カチオン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドを24g(48質量部)加えて、3時間、50℃で攪拌を続けた。その後、10質量%塩酸イソプロピルアルコール溶液を加えてpH4.5(50℃)に調製し、カチオン化セルローススラリーを得た。
続いてこのスラリー中にイソプロピルアルコール(99.5%)を550g加えて15分攪拌・混合した。その後、攪拌を止めて静置してその上澄み液600g除去した。この上澄み液中の水分は7%であった。
続いてこのスラリーを50℃まで加温し、3−アミノプロピルトリエトキシシランを1.2g(2.4質量部、処理シラン量:3%)加えて混合し、45分間反応させた。そしてこのスラリーを遠心脱水機で脱液し、減圧乾燥(105℃)を5時間行い、目的のシラン変性カチオン化セルロースの粉末を得た。
得られたシラン変性カチオン化セルロースの2%水溶液のpH(25℃)は7.0であり、粘度(25℃)は350mPa・sであった。
[製造例2]
ヒドロキシエチルセルロース「AX−15」50g(100質量部)に対して、イソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15となる混合溶媒500g(1,000質量部)、更に25質量%水酸化ナトリウム水溶液7.1g(14.2質量部)をセパラブルフラスコにとり、30分間攪拌混合した。その後攪拌を止めて静置し、混合溶媒の上澄みを250g(500質量部)除去した。続けてセパラブルフラスコの残部を50℃まで昇温させ、カチオン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドを24g(48質量部)加えて、3時間、50℃で攪拌を続けた。その後、10質量%塩酸イソプロピルアルコール溶液を加えてpH4.5(50℃)に調製し、カチオン化セルローススラリーを得た。
続いてこのスラリー中にイソプロピルアルコール(99.5%)を550g加えて15分攪拌・混合した。その後、攪拌を止めて静置してその上澄み液600g除去した。この上澄み液中の水分は7%であった。
続いてこのスラリーを50℃まで加温し、3−アミノプロピルトリエトキシシランを1.2g(2.4質量部、処理シラン量:3%)加えて混合し、45分間反応させた。そしてこのスラリーを遠心脱水機で脱液し、減圧乾燥(105℃)を1.5時間行い、目的のシラン変性カチオン化セルロースの粉末を得た。
得られたシラン変性カチオン化セルロースの2%水溶液のpH(25℃)は7.0であり、粘度(25℃)は1%水溶液で900mPa・sであった。
[製造例3]
ヒドロキシエチルセルロース「LF−15」30g(100質量部)に対して、イソプロピルアルコール/水(質量比)=85/15となる混合溶媒300g(1,000質量部)、更に25質量%水酸化ナトリウム水溶液4.5g(15質量部)をセパラブルフラスコにとり、30分間攪拌混合した。その後攪拌を止めて静置し、混合溶媒の上澄みを150g(500質量部)除去した。続けてセパラブルフラスコの残部を50℃まで昇温させ、カチオン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドを15g(50質量部)加えて、3時間、50℃で攪拌を続けた。その後、10質量%塩酸イソプロピルアルコール溶液を加えてpH6(50℃)に調製し、カチオン化セルローススラリーを得た。この上澄み液中の水分を測定したところ、前記水分は16%であった。
続いて上記スラリーを50℃に保持したまま、3−アミノプロピルトリエトキシシランを0.6g(2質量部、処理シラン量:2.5%)加えて混合し、30分間反応させた。
そしてこのスラリーを遠心脱水機で脱液し、得られたケーキを80℃で乾燥することにより、目的のシラン変性カチオン化セルロースの粉末を得た。
得られたシラン変性カチオン化セルロースの2%水溶液のpH(25℃)は6.5であり、粘度(25℃)は340mPa・sであった。
[製造例4]
ヒドロキシエチルセルロース(住友精化製:SH−15、2質量%水溶液粘度(25℃):1,200mPa・s)30g(100質量部)に対して、イソプロピルアルコール(IPA)/水(質量比)=85/15となる混合溶媒を120g(400質量部)、更に25質量%水酸化ナトリウム水溶液を1.8g(6質量部)加えて混合した。そして、50℃まで昇温させ、カチオン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(阪本薬品製:SY−GTA80、有効分:73%水溶液)を15.8g(53質量部)加えて、3時間反応させることによりカチオン化を行った。この時、反応スラリーのpHは12であった。そこに、アミノシラン系カップリング剤として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学製、KBE−903、有効分:100%)を0.6g(2質量部)添加して混合し、50℃で45分間処理した。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH5に調製して、シラン変性カチオン化セルローススラリーを得た。前記シラン変性カチオン化セルローススラリーをイソプロピルアルコール(IPA)/水(質量比)=85/15となる混合溶媒1350g(4500重量部)で洗浄後脱液し、得られたケーキ(固形分60%)に対し、温度80℃、真空度20.0kPa(150Torr)の1次乾燥処理を1時間行った。その後、さらに温度120℃、真空度1.3kPa(10Torr)の2次乾燥処理を1時間行うことにより、目的のシラン変性カチオン化セルロース粉末を得た。
製造例4において、1次乾燥終了時の残存IPA量は検出限界の下限未満(以下、N.D.という。)、1次乾燥終了時の乾燥減量は18.4%、2次乾燥終了時の乾燥減量は0.5%であった。
[製造例5]
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドの添加量を7.6g(25.2重量部)、3−アミノプロピルトリエトキシシランの添加量を0.9g(3重量部)にした以外は製造例4と同様の操作を行い、目的のシラン変性カチオン化セルロース粉末を得た。
製造例5において、1次乾燥終了時の残存IPA量は0.004%、1次乾燥終了時の乾燥減量は15.4%、2次乾燥終了時の乾燥減量は0.5%であった。
[製造例6]
ヒドロキシエチルセルロース(住友精化製:SY−25、1質量%水溶液粘度(25℃):3,200mPa・s)30g(100質量部)に対して、イソプロピルアルコール(IPA)/水(質量比)=85/15となる混合溶媒を120g(400質量部)、更に25質量%水酸化ナトリウム水溶液を1.8g(6質量部)加えて混合した。そして、50℃まで昇温させ、カチオン化剤としてグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド(阪本薬品製:SY−GTA80、有効分:73%水溶液)を15.8g(53質量部)加えて、3時間反応させることによりカチオン化を行った。この時、反応スラリーのpHは12であった。そこに、アミノシラン系カップリング剤として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学製、KBE−903、有効分:100%)を2g(6.5質量部)添加して混合し、50℃で45分間処理した。その後、10質量%塩酸IPA溶液を加えて、pH5に調製して、シラン変性カチオン化セルローススラリーを得た。前記シラン変性カチオン化セルローススラリーをイソプロピルアルコール(IPA)/水(質量比)=85/15となる混合溶媒1350g(4500重量部)で洗浄後脱液し、得られたケーキ(固形分60%)に対し、温度80℃、真空度20.0kPa(150Torr)の1次乾燥処理を1時間行った。その後、さらに温度105℃、真空度2.0kPa(15Torr)の2次乾燥処理を1時間行うことにより、目的のシラン変性カチオン化セルロース粉末を得た。
製造例6において、1次乾燥終了時の残存IPA量は検出限界未満であり、1次乾燥終了時の乾燥減量は18.2%、2次乾燥終了時の乾燥減量は0.6%であった。
製造例1〜6で得られた粉末状のシラン変性カチオン化セルロースをふるいで分別し、得られた粒子径106〜425μmのものをサンプルとして以下の評価を行った。結果を表1及び2に示す。
[水分散性]
(i)2分後分散量:
100mLビーカーに蒸留水50gを加え、サンプル0.5gを水面から高さ4cmのところから投入し、サンプルを投入し終わってから2分後に目視で粉末が水面に残らず水中に分散した割合(%)を評価し、これを2分後分散量とした。
(ii)完全分散時間:
100mLビーカーに蒸留水50gを加え、サンプル0.5gを水面から高さ4cmのところから投入し、サンプルを投入し終わってから、粉末が水中に完全に分散するまでの時間を測定し、これを完全分散時間とした。なお、投入後300秒経過しても完全には分散しなかったものはそこを測定の終点とし、評価を「300秒以上」とした。
Figure 0005586475
Figure 0005586475
上記結果から明らかなように、製造例1〜2及び4〜5の方が、製造例3及び6よりも完全分散時間が短く、優れた水分散性を示した。
[実施例1〜3、参考例4及び実施例9〜12、比較例1〜3]
表3及び5に示す組成(%)の毛髪用洗浄剤組成物を調製した。
各毛髪用洗浄剤組成物について下記の評価を行った。その結果を表3及び5に併記する。
<評価方法>
[複合体析出量の定量]
毛髪用洗浄剤組成物において、カチオン化セルロース等のカチオン性ポリマーは、水で希釈された際、洗浄成分である界面活性剤と複合体を形成して析出すること、およびこの複合体の析出量と、コンディショニング性能との間に正の相関関係があることが知られている。そこで、コンディショニング性能を評価する指標の1つとして、下記の手順で複合体析出量を定量した。
恒量化した遠沈管に毛髪用洗浄剤組成物を投入し、ここに、表2に示す各希釈倍率になるように蒸留水を加え、超音波洗浄機で30分間処理した。その後、遠心分離機で3000rpm、30分間の遠心分離処理を行い、複合体を沈殿させた。その後、上澄み液を除去し、105℃で3時間乾燥させ、残留物の質量を測定し、その測定値から、使用した毛髪用洗浄剤組成物1gあたりの複合体析出量(mg/g)を求めた。
[すすぎ性]
モニター10人に対して各毛髪用洗浄剤組成物を用いて洗髪を行い、すすぎ時の摩擦について、官能評価を行った。官能評価では、以下の官能評価基準に基づいて点数をつけ、その平均値を求めた。
(官能評価基準)
5点:すすぎ時の摩擦をほとんど感じない。
4点:すすぎ時の摩擦を多少感じる。
3点:すすぎ時の摩擦を感じる。
2点:すすぎ時の摩擦が強い。
1点:すすぎ時の摩擦が強く、指通りに支障をきたす。
上記で求めた平均値から、下記の判定基準に基づき、各毛髪用洗浄剤組成物のすすぎ性を評価した。
(判定基準)
A:4点以上。
B:3点以上4点未満。
C:2点以上3点未満。
D:2点未満。
[実施例5〜7、参考例8及び実施例13〜16、比較例4〜6]
表4及び6に示す組成(%)の皮膚用洗浄剤組成物を調製した。
各皮膚用洗浄剤組成物について下記の評価を行った。その結果を表4及び6に併記する。
<評価方法>
[水分回復率の測定]
身体洗浄時に洗浄成分により皮膚表面の水分が失われることが判っている。そのため、水分回復率がコンディショニング性の評価指標として用いられている。また、水分保持率としっとり感には正の相関関係があることが知られている。そこで、コンディショニング性能を評価する指標の一つとして、下記の手順で水分回復率を測定した。
1.測定装置
角質層水分量 3.5MHz高周波伝導度測定装置SKICON 200(IBS 社製)
2.洗浄前インピーダンスの測定
水道水で評価する腕部を1分間洗浄した後、タオルで水気をふき取る。その後、恒温室(25℃-60%)で30分静置して洗浄前のインピーダンスを測定した。なおデータはN=5の平均値とした。
3.洗浄後のインピーダンスの測定
洗浄に用いるカップホルダー(直径4cm×高さ1.5cm)を腕部に取り付け、上部から40℃の水で20倍に希釈した洗浄組成物を5mL加えて、5分間シェーカー上で振とうさせる。その後、洗浄組成物を上部から取り除き、40℃、5mLの水を用いて6回繰り返して洗浄する。カップを取り除き、タオルで軽く押さえて水分を取り除く。その後、恒温室(25℃-60%)で30分静置して洗浄後のインピーダンスを測定した。なおデータはN=5の平均値とした。
水分回復率は下記式により算出した。
水分回復率(%)=洗浄後のインピーダンス(Ω)/洗浄前のインピーダンス(Ω)×100
[しっとり感]
モニター10人に対して各皮膚用洗浄剤組成物を用いて身体洗浄を行い、洗浄3日後のしっとり感について、官能評価を行った。官能評価では、以下の官能評価基準に基づいて点数をつけ、その平均値を求めた。
(官能評価基準)
5点:洗浄後のしっとり感を強く感じる。
4点:洗浄後のしっとり感をやや強く感じる。
3点:洗浄後のしっとり感を感じる。
2点:洗浄後のしっとり感を少し感じる。
1点:洗浄後のしっとり感をほとんど感じない。
上記で求めた平均値から、下記の判定基準に基づき、各皮膚用洗浄剤組成物のしっとり感を評価した。
(判定基準)
A:4点以上。
B:3点以上4点未満。
C:2点以上3点未満。
D:2点未満。
Figure 0005586475
Figure 0005586475
Figure 0005586475
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表3〜6中、各成分の配合量の単位は%である。pH調整剤の「適量」は、毛髪用洗浄剤組成物の最終的なpH(25℃)が6.0となる量である。毛髪用洗浄剤組成物のpHは、横河電気株式会社製のpHメータ「PH71」を用いて測定した。
水の「バランス」は、トータルで100%となる量である。
また、ここで使用した成分は下記のとおりである。
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム:新日本理化(株)製「シノリンSP1350」(エチレンオキサイド付加数(E.O.):3モル、アルキル基の炭素数:8〜20)。
・カチオン化セルロース(1):製造例1で得たシラン変性カチオン化セルロース(2%水溶液粘度(25℃)350mPa・s、カチオン化度:1.8wt%)。
・カチオン化セルロース(2):製造例2で得たシラン変性カチオン化セルロース(1%水溶液粘度(25℃)900mPa・s、カチオン化度:1.8wt%)。
・カチオン化セルロース(3):製造例3で得たシラン変性カチオン化セルロース(2%水溶液粘度(25℃)340mPa・s、カチオン化度:1.1wt%)。
・カチオン化セルロース(4):グリオキサール処理カチオン化セルロース(ライオン(株)製「レオガードGP」、2%水溶液粘度(25℃)340mPa・s、カチオン化度:1.8wt%)。
・3−アミノプロピルトリエトキシシラン:信越化学社製「KBE−903」(有効分100%)。
・カチオン化セルロース(5):製造例4で得たシラン変性カチオン化セルロース(2%水溶液粘度(25℃)370mPa・s、カチオン化度:1.8wt%)。
・カチオン化セルロース(6):製造例5で得たシラン変性カチオン化セルロース(2%水溶液粘度(25℃)450mPa・s、カチオン化度:1.1wt%)。
・カチオン化セルロース(7):製造例6で得たシラン変性カチオン化セルロース(1%水溶液粘度(25℃)950mPa・s、カチオン化度:1.8wt%)。
上記結果に示すとおり、実施例1〜3、参考例4及び実施例9〜12の毛髪用洗浄剤組成物は、コンディショニング性能に寄与する複合体の析出量が多く、すすぎ性の官能評価結果も良好であった。
一方、カチオン化セルロースとして、グリオキサール処理カチオン化セルロースを使用した比較例1は、複合体析出量が少なく、すすぎ性も不良であった。カチオン化セルロースを配合していない比較例2は、複合体が析出せず、すすぎ性も悪かった。比較例1の組成に3−アミノプロピルトリエトキシシランを加えた比較例3は、複合体析出量が比較例1に比べて若干増加したものの、すすぎ性は比較例1よりも悪かった。
実施例5〜7、参考例8及び実施例13〜16の皮膚洗浄用組成物は、コンディショニング性能に寄与する水分回復率が高く、しっとり感の官能評価結果も良好であった。
一方、カチオン化セルロースとして、グリオキサール処理カチオン化セルロースを使用した比較例4は、水分回復率が低く、しっとり感の官能評価結果も不良であった。カチオン化セルロースを配合していない比較例5は、水分回復率が更に低く、しっとり感の官能評価結果も悪かった。比較例4の組成に3−アミノプロピルトリエトキシシランを加えた比較例6は、水分回復率が比較例1よりも低く、しっとり感の官能評価結果も悪かった。
本発明によれば、コンディショニング性能に優れた洗浄剤組成物を提供することができるため、毛髪用洗浄剤及び皮膚用洗浄剤等に利用可能性がある。

Claims (18)

  1. ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩1〜20質量%と、下記工程(1)〜(4)を含む製造方法により製造されたシラン変性カチオン化セルロース0.001〜4質量%とを含有することを特徴とする毛髪用洗浄剤組成物。
    工程(1):水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る工程。
    工程(2):前記工程(1)で得たスラリーに酸を添加してアルカリを中和し、前記スラリーのpHを3.5〜5.5にする工程。
    工程(3):前記中和後のカチオン化セルロースに対して、当該カチオン化セルロースと接触する全溶媒中の水分が10質量%以下となるように、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する工程。
    工程(4):前記工程(3)で得たカチオン化セルロースをアミノシラン化合物と反応させる工程。
  2. ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩1〜20質量%と、下記工程(1)及び(5)を含む製造方法により製造されたシラン変性カチオン化セルロース0.001〜4質量%とを含有することを特徴とする毛髪用洗浄剤組成物。
    工程(1):水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る工程。
    工程(5):前記工程(1)で得たスラリーまたはそのケーキにアミノシラン化合物を添加し、前記アミノシラン化合物により前記カチオン化セルロースを処理する工程であって、前記アミノシラン化合物の添加量が、前記水溶性セルロースエーテルに対して0.05〜20質量%であり、前記アミノシラン化合物による前記カチオン化セルロースの処理を、pH11以上のアルカリ条件下で反応させる工程。
  3. 前記シラン変性カチオン化セルロースが、更に下記工程(6)を含む製造方法により製造されたものである請求項に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
    工程(6):前記工程(5)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う工程。
  4. 前記シラン変性カチオン化セルロースが、更に下記工程(7)及び(8)を含む製造方法により製造されたものである請求項に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
    工程(7):前記工程(5)で得られた反応物に酸を添加して中和する工程。
    工程(8):前記工程(7)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う工程。
  5. 前記シラン変性カチオン化セルロースが、更に下記工程(7)、(3)及び(9)を含む製造方法により製造されたものである請求項に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
    工程(7):前記工程(5)で得られた反応物に酸を添加して中和する工程。
    工程(3):前記中和後のカチオン化セルロースに対して、当該カチオン化セルロースと接触する全溶媒中の水分が10質量%以下となるように、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する工程。
    工程(9):前記工程(3)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う工程。
  6. 前記工程(4)における前記アミノシラン化合物の添加量が、前記水溶性セルロースエーテルに対して0.3〜10質量%である、請求項1に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  7. 前記工程(4)の後に、更に、前記工程(4)で得た反応生成物を脱液処理し、温度50〜150℃、減圧下にて乾燥する工程を含む、請求項1または6に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  8. 前記シラン変性カチオン化セルロースのカチオン化度が0.5〜2.7質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
  9. 前記カチオン化が、前記水溶性セルロースエーテルとカチオン化剤とを反応させることによって行われ、
    前記カチオン化剤の使用量が、前記水溶性セルロースエーテル中のグルコース残基単位骨格当たりに対して0.3〜1.2モルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の毛髪用洗浄剤組成物
  10. 炭素数10〜20の高級脂肪酸塩1〜20質量%と、下記工程(1)〜(4)を含む製造方法により製造されたシラン変性カチオン化セルロース0.001〜4質量%とを含有することを特徴とする皮膚用洗浄剤組成物。
    工程(1):水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る工程。
    工程(2):前記工程(1)で得たスラリーに酸を添加してアルカリを中和し、前記スラリーのpHを3.5〜5.5にする工程。
    工程(3):前記中和後のカチオン化セルロースに対して、当該カチオン化セルロースと接触する全溶媒中の水分が10質量%以下となるように、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する工程。
    工程(4):前記工程(3)で得たカチオン化セルロースをアミノシラン化合物と反応させる工程。
  11. 炭素数10〜20の高級脂肪酸塩1〜20質量%と、下記工程(1)及び(5)を含む製造方法により製造されたシラン変性カチオン化セルロース0.001〜4質量%とを含有することを特徴とする皮膚用洗浄剤組成物。
    工程(1):水溶性セルロースエーテルを、水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒中、アルカリ存在下にてカチオン化して、カチオン化セルロースを含有するスラリーを得る工程。
    工程(5):前記工程(1)で得たスラリーまたはそのケーキにアミノシラン化合物を添加し、前記アミノシラン化合物により前記カチオン化セルロースを処理する工程であって、前記アミノシラン化合物の添加量が、前記水溶性セルロースエーテルに対して0.05〜20質量%であり、前記アミノシラン化合物による前記カチオン化セルロースの処理を、pH11以上のアルカリ条件下で反応させる工程。
  12. 前記シラン変性カチオン化セルロースが、更に下記工程(6)を含む製造方法により製造されたものである請求項11に記載の皮膚用洗浄剤組成物。
    工程(6):前記工程(5)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う工程。
  13. 前記シラン変性カチオン化セルロースが、更に下記工程(7)及び(8)を含む製造方法により製造されたものである請求項11に記載の皮膚用洗浄剤組成物。
    工程(7):前記工程(5)で得られた反応物に酸を添加して中和する工程。
    工程(8):前記工程(7)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う工程。
  14. 前記シラン変性カチオン化セルロースが、更に下記工程(7)、(3)及び(9)を含む製造方法により製造されたものである請求項11に記載の皮膚用洗浄剤組成物。
    工程(7):前記工程(5)で得られた反応物に酸を添加して中和する工程。
    工程(3):前記中和後のカチオン化セルロースに対して、当該カチオン化セルロースと接触する全溶媒中の水分が10質量%以下となるように、水相溶性有機溶媒、または水相溶性有機溶媒と水との混合溶媒を添加する工程。
    工程(9):前記工程(3)で得た生成物を温度50〜120℃、真空度13.4〜53.3kPaにて処理する1次乾燥処理と、前記1次乾燥処理後の前記生成物を、温度90〜150℃、真空度13.3kPa以下にて処理する2次乾燥処理とを行う工程。
  15. 前記工程(4)における前記アミノシラン化合物の添加量が、前記水溶性セルロースエーテルに対して0.3〜10質量%である、請求項10に記載の皮膚用洗浄剤組成物。
  16. 前記工程(4)の後に、更に、前記工程(4)で得た反応生成物を脱液処理し、温度50〜150℃、減圧下にて乾燥する工程を含む、請求項10または15に記載の皮膚用洗浄剤組成物。
  17. 前記シラン変性カチオン化セルロースのカチオン化度が0.5〜2.7質量%である、請求項10〜16のいずれか一項に記載の皮膚用洗浄剤組成物。
  18. 前記カチオン化が、前記水溶性セルロースエーテルとカチオン化剤とを反応させることによって行われ、
    前記カチオン化剤の使用量が、前記水溶性セルロースエーテル中のグルコース残基単位骨格当たりに対して0.3〜1.2モルである、請求項10〜17のいずれか一項に記載の皮膚用洗浄剤組成物
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