JP4294177B2 - チャイルドシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャイルドシートに関するもので、詳しくは、チャイルドシートを車両の座席に取付けるための構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チャイルドシート1は、図7に示したように、幼児を収容するチャイルドシート本体(以下、シート本体という)2と該シート本体2を車両の座席に着座させ、該座席にシート本体2を適宜な姿勢で保持させる台座3とによって構成されており、シート本体2は回転自在、傾斜自在または一体的に台座3に支持される。
そして、チャイルドシート1は、図6に示したように、台座3の両側に貫設させたベルト挿通孔3aに車両のシートベルト4を挿通させ、該シートベルト4のタングプレート5をバックル6に装着させることによって、車両の座席に保持させている。
ところで、上記シートベルト4が2点式(ラップベルト)の場合には、チャイルドシート1は車両の座席に確実に保持されるが、図6に示したような3点式の場合には、タングプレート5から肩側に位置するベルト部分4aにはリトラクタが設けられているため、ベルト部分4aが緩む虞れがある。
そこで、3点式のシートベルトを使用する場合には、タングプレート5から肩側に位置するベルト部分4aと脚部側に位置するベルト部分4bとをクリップ7によって締結し、それによって、実質的に2点式と同様にすることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、チャイルドシート1を3点式のシートベルトで車両の座席に保持させる際に使用されるクリップ7は、チャイルドシート1とは別体で形成されているため、紛失し易いばかりでなく、一方の手でベルト部分4a,4bを掴み、他方の手にクリップ7を持って、ベルト部分4a、4aに装着しなければならず、しかもその作業は特に狭い箇所で行われるため、非常に煩雑である。
【0004】
そこで、本発明の目的は、上記状況に鑑みてなされたもので、クリップを紛失する虞れがなく、しかも、クリップの装着作業が容易なチャイルドシートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項1記載のチャイルドシートの発明は、チャイルドシート本体に孔を形成するとともに、該孔に臨ませてシートベルトの締結用クリップと、前記締結用クリップの両側にベルトガイドと、を固定設置し、前記シートベルト締結用クリップは、背板から垂直方向へ延設された3枚の舌片を有し、その中央の舌片は、前記背板と対向して配置された前板に連続し、両端の舌片は自由端部を有し、これにより2枚重ねの前記シートベルトを前記シートベルト締結用クリップの前記両端の舌片の自由端部から前記舌片の下へ潜り込ませることができ、かつ前記ベルトガイドは前記シートベルト締結用クリップの舌片との高さ位置調整をして前記シートベルトの張りを調節するものであることを特徴としている。
また、請求項2記載のチャイルドシートの発明は、チャイルドシート本体に孔を形成するとともに、該孔に臨ませてシートベルトの締結用クリップと、前記締結用クリップの両側にベルトガイドと、を固定設置し、前記シートベルト締結用クリップは、背板側と前板側からそれぞれ複数の舌片を中央部に向けて対向させて延設し、対向する舌片中間に間隙を形成し、その間隙を2枚重ねの前記シートベルトを折り曲げることによって通して、その後、前記シートベルトを広げて前記舌片の裏側に接触係止させるようにするものであり、かつ前記ベルトガイドは前記シートベルト締結用クリップの舌片との高さ位置調整をして前記シートベルトの張りを調節するものであることを特徴としている。
【0006】
本発明のチャイルドシートによれば、シートベルトの締結用クリップが一体に配設されているので、紛失の虞れはなく、該クリップを座部の前部に形成した孔から、即ちチャイルドシートの前方からシートベルトの締結が行え、しかもシートベルトのクリップへの装着作業をベルトを両手で掴んで行えるので、作業性が極めてよい。また、該クリップを前記孔内の前記チャイルドシート本体の左右対称の中央位置に固定設置したので、チャイルドシートをシートの進行方向右側においても左側においても、同じように取り扱うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るチャイルドシートを図面を参照して詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明に係るチャイルドシートの全体を示した斜視図で、チャイルドシートを車両の座席に保持させた状態を示しており、図2はその要部であるシートベルトの締結装置の斜視図,図3はその締結装置の分解斜視図,図4(a)はその締結装置の平面図,図4(b)は図4(a)におけるA−A線断面図である。
【0009】
図1に示したように、チャイルドシート10は、幼児を収容するチャイルドシート本体(以下、シート本体という)11と該シート本体11を車両の座席に着座させ、該座席にシート本体11を適宜な姿勢で保持させる台座12とによって構成されており、シート本体11は回転自在、傾斜自在または一体的に台座12に支持される。
【0010】
シート本体11の座部11aと背部11bとの境界には孔13が形成されている。この孔13の側壁には、ヒンジによって連結された蓋14が取付けられている。この蓋14にはスプリング15によって付勢された爪16が配設され、該爪16によって蓋14が孔13を閉成した状態にロックされる。
【0011】
上記孔13の内部下方には、シートベルトの締結装置20が配設されている。
このシートベルトの締結装置20は、図2に示したように、シートベルト締結用クリップ21を中央に位置させ、その左右にベルトガイド22が位置している。このベルトガイド22には、ベルト張り調節部22a、22aと、その左右外側にガイド部22b、22bが形成されている。
シートベルト締結用クリップ21は、図3に示したように、背板21aから垂直方向へ延設された3枚の舌片21b、21c、21cを有しており、その中央の舌片21bは、背板21aと対向して配置された前板21dに連続している。また、背板21aと前板21dの下端は、互いに垂直内方方向へ曲げられて底21e、21eを形成している。
また、ベルトガイド張り調節部22aは、一端部をコ字状に形成して構成されており、シートベルト締結用クリップ21の舌片21cとの高さ位置調整をして(図4(a)参照)、シートベルト4の張りを調節している。これにより、シートベルト4の緩みをより確実に防止することができる。さらに、ガイド部22bは、背板22cと該背板22cの上端を垂直に折り曲げて形成した舌片22dとによって構成されている。
また、ベルトガイド22の他端部にはコ字状に形成され、シート本体11の側縁に嵌着される取付け部22eが形成されている。そして、この取付け部22eには車両のシートベルト4を案内する切欠き22fが形成されている。
【0012】
このように形成されたベルトガイド22は、図4(b)に示したように、その一端部をビス23、23によって基台24の両端部上面に締結し、それによって一体化される。そして、ベルトガイド22の他端の取付け部22e、22eは、台座12の側縁に嵌着され、ビス25、25によってシート本体11に締結される。
また、シートベルト締結用クリップ21は、その底板21eを基台24の所定位置に嵌めこ込まれた状態でビス(図示でず)に固定されている。さらに、シート本体11の底板11cにはリクライニング方向に長いスリット11dが穿設され、このスリット11dに遊挿されたビス26の先端が基台24に螺着されている。これにより、シート本体11のリクライニングが可能となる。
【0013】
このようにシートベルトの締結装置20が配設されたチヤイルドシート10では、図1に示したように、車両のシートベルト4のタングプレート5をチャイルドシート10の一方の側部開口から挿入し、シートベルトの締結装置20を経て、シート本体11の他方の側部開口から取り出して、座席のバックル6に係合させる。その間またはその後に、シートベルト4の肩側に位置するベルト部分4aと脚部側に位置するベルト部分4bとが重なりあった部分を、図4(a)、(b)に示したように、シートベルト締結用クリップ21の舌片21e、21eの自由端部から舌片21c、21cの下へ潜り込ませ、さらにベルトガイド22、22の舌片22d、22dの下へ潜り込ませる。
【0014】
このように装着させたシートベルト4は、図4(b)に示したように、シートベルト4の肩側に位置するベルト部分4aと脚部側に位置するベルト部分4bとが一体的に拘束される。したがって、チャイルドシート10は、実質的に脚部側に位置するベルト部分4bによって座席に保持されることになる。
【0015】
このようにして、シートベルト4をシートベルトの締結装置20に装着した後は、蓋14で孔13を閉成する。その際、爪16が孔13の周縁部下面に係合し、蓋14はその状態に係止される。
【0016】
なお、上記実施の形態では、シートベルト締結用クリップ21、ベルトガイド22、22、ベルト張り調節部22a、22a等によって構成しているが、互いに重ね合わせたシートベルト4の肩側に位置するベルト部分4aと脚部側に位置するベルト部分4bとが一体的に拘束されればよく、シートベルト締結用クリップ21のみであってもよい。
また、上記実施の形態で示したシートベルト締結用クリップ21は、舌片21cの先端を自由端にしてシートベルト4の肩側に位置するベルト部分4aと脚部側に位置するベルト部分4bとを重ねた状態で、舌片21c、21cの下側へもぐり込ませ得るように形成させているが、例えば、図5に示した変形例のように、背板21a側と前板21d側からそれぞれ舌片21c、21cを中央部に向けて対向させて延設し、対向する舌片21c、21cの中間に間隙T、Tを形成し、その間隙T、Tを2枚重ねのシートベルト4を折り曲げることによって通して、その後、シートベルト4を広げて舌片21c、21cの裏側に接触係止させるようにしてもよい。
この場合には、ベルトの長手方向と直交する方向でのズレを有効に防止することができる。
【0017】
さらには、図6に示すように、シートベルト締結用クリップ21の舌片21b、21bの向きを逆にすることにより、ベルトガイド22の舌片22d、22dの向きとの相互関係により、ベルトの長手方向と直交する方向でのズレを有効に防止するようにしても良い。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るチャイルドシートでは、チャイルドシート本体に孔を形成するとともに、該孔に臨ませてシートベルトの締結用クリップを固定設置している。
本発明のチャイルドシートによれば、シートベルトの締結用クリップが一体に配設されているので、紛失の虞れはなく、しかもシートベルトのクリップへの装着作業を行なう際にベルトを両手で掴んで行えるので、作業性が極めてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチャイルドシートの全体を示した斜視図で、チャイルドシートを車両の座席に保持させた状態を示している。
【図2】本発明に係るチャイルドシートの要部であるシートベルトの締結装置の一実施の形態を示した斜視図である。
【図3】図2に示した締結装置のそれぞれの構成部品を示した分解斜視図である。
【図4】図2に示した締結装置の平面図(図4(a))および該図4(a)におけるA−A線断面図(図4(b))である。
【図5】本発明に係るチャイルドシートの要部であるシートベルトの締結装置のクリップの変形例を示した斜視図である。
【図6】本発明に係るチャイルドシートの要部であるシートベルトの締結装置のクリップの別の変形例を示した斜視図である。
【図7】従来のチャイルドシートを車両の座席に保持させた状態を示した概念的な斜視図である
【符号の説明】
1 チャイルドシート
2 チャイルドシート本体
3 台座
4 シートベルト
4a 肩側に位置するベルト部分
4b 脚部側に位置するベルト部分
5 タングプレート
6 バックル
7 クリップ7
10 チャイルドシート
11 チャイルドシート本体
11a 座部
11b 背部
11c 底板
12 台座
13 孔
14 蓋
15 スプリング
16 爪
20 シートベルトの締結装置
21 シートベルト締結用クリップ
21a 背板
21b 舌片
21c 底板
21d 前板
22 ベルトガイド
22a ベルト張り調節部
22b ガイド部
22c 背板
22d 舌片
22e 取付け部
22f 切欠き
23、25、26 ビス
24 基台
T 間隙

Claims (2)

  1. チャイルドシート本体に孔を形成するとともに、該孔に臨ませてシートベルトの締結用クリップと、前記締結用クリップの両側にベルトガイドと、を固定設置し、
    前記シートベルト締結用クリップは、背板から垂直方向へ延設された3枚の舌片を有し、その中央の舌片は、前記背板と対向して配置された前板に連続し、両端の舌片は自由端部を有し、これにより2枚重ねの前記シートベルトを前記シートベルト締結用クリップの前記両端の舌片の自由端部から前記舌片の下へ潜り込ませることができ、かつ前記ベルトガイドは前記シートベルト締結用クリップの舌片との高さ位置調整をして前記シートベルトの張りを調節するものであることを特徴とするチャイルドシート。
  2. チャイルドシート本体に孔を形成するとともに、該孔に臨ませてシートベルトの締結用クリップと、前記締結用クリップの両側にベルトガイドと、を固定設置し、
    前記シートベルト締結用クリップは、背板側と前板側からそれぞれ複数の舌片を中央部に向けて対向させて延設し、対向する舌片中間に間隙を形成し、その間隙を2枚重ねの前記シートベルトを折り曲げることによって通して、その後、前記シートベルトを広げて前記舌片の裏側に接触係止させるようにするものであり、かつ前記ベルトガイドは前記シートベルト締結用クリップの舌片との高さ位置調整をして前記シートベルトの張りを調節するものであることを特徴とするチャイルドシート。
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