JPH0232525Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は各種乗物のシートに接着するシートベ
ルト装置におけるシートベルトのアジヤスタに関
する。

従来の技術 第１，２図は従来のアジヤスタを示すもので、
アジヤスタ１は一方のベルトBa端に装着するバ
ツクル３と係脱するタングプレート２を有してい
る。このアジヤスタ１は中央部にベルト挿通孔５
と、両側部にコ字形に曲折成形したアジヤストバ
ー抱持部６とを形成したベース４、ベース４の両
側抱持部６，６間に跨つて配設したアジヤストバ
ー７、ベース４のアジヤストバー配設部側を内
包、被覆する樹脂製のカバー８とからなつてい
て、ベルトBbを前記挿通孔５に通してアジヤス
トバー７にくぐらせて折返し、この折返し端をス
ライダ９を介してベルトBb一般部に摺動自在に
連結して、着座者の体格に合せてベルトBbの長
さを調節できるようにしてある。また、前述のタ
ングプレート２は前記ベース４の一端より一体的
に延設してある。樹脂カバー８は自体の弾性を利
用して抱持部６の前、後端縁基部に係着固定し、
前記ベルトBbの折返し部分を内包して外観を整
えると共にアジヤストバー７の抜止めを行い、か
つ、該樹脂カバー８の装着によつてタングプレー
ト３を把持し易いようにして使用性を高めてい
る。

考案が解決しようとする課題 ところが、かかる従来の構造では、アジヤスト
バー７はベース４の抱持部６，６間に跨つて遊装
してあるだけであるため、シートベルトの不使用
時にアジヤストバー７が車体振動等により遊動し
て異音を発し、品質感、信頼性を損なつてしまう
問題があつた。また、ベルトBbはアジヤストバ
ー７をくぐらせて折返してあるだけであるため、
シートベルト着用時に微少な震動で該ベルトBb
がずれ出してベルトBbの調節長さが狂つてしま
う問題があつた。

本考案はかかる従来の実状に鑑み、アジヤスト
バーの遊動がなく、しかもベルトのずれ出しを抑
制することのできるアジヤスタを提供することを
目的とするものである。

課題を解決するための手段 前記目的を達成するため、本考案にあつてはカ
バー内にベルトの折返し部分に弾接する谷部と、
アジヤストバーの遊動抑えをする複数の山部とを
有し、アジヤストバーをベース側に向けて押圧す
るスプリング部材を配設し、以て、アジヤストバ
ーの遊動と、ベルトのずれ防止を確実に行うと共
に、ベルトに過大な力が加わつた場合にベルトが
アジヤストバーとベースに挾まれてロツクされる
チルトロツクの向上をはかることができるように
してある。

実施例 以下、本考案の実施例を図面と共に前記従来の
構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

即ち、本考案にあつては第３図に示すように、
ベルトBbのアジヤストバー抱持部６の前後端基
部に係着固定し、アジヤストバー７にくぐらせて
折返したベルトBbの折返し部側を内包、被覆す
る樹脂カバー８内に、前記ベルトBbの折返し部
分に弾接してアジヤストバー７をベース４側に向
けて押圧するスプリング部材１０を配設してあ
る。本実施例ではこのスプリング部材１０として
樹脂材からなるリーフスプリングを用いており、
リーフスプリング１０の谷部１０ａをベルトBb
の折返し部分に弾接し、スプリング１０の複数の
山部１０ｂ，１０ｂ間でアジヤストバー７のずれ
動き、即ち、遊動を抑えている。

以上の実施例構造によれば、アジヤストバー７
はベルトBbの折返し部分の上からリーフスプリ
ング１０によつてベース４側に押圧されているた
め、該アジヤストバー７の跳ね上りが全くなく、
しかも該アジヤストバー７はベルトBbの折返し
部分の上からリーフスプリング１０の複数の山部
１０ｂ，１０ｂ間の谷部１０ａで押えつけられて
いるため、該アジヤストバー７の前後方向のずれ
動きも阻止され、従つて、アジヤストバー７の遊
動を確実に防止することができるのである。ま
た、このようにリーフスプリング１０でベルト
Bbの折返し部分の上からアジヤストバー７をベ
ース４側に押えつけるため、ベルトBbがアジヤ
ストバー７上の折返し部分でずれ出すのを同時に
防止することができると共に、ベルトBbに過大
な力が加わつた場合にベルトBbがアジヤストバ
ー７とベース４とによつて挾まれてロツクされる
チルトロツクの向上をはかることができるのであ
る。本実施例ではタングプレート２を一体に有す
るものを例示したが、勿論タングプレート２を備
えていないものにも適用することができる。

第４図に示すものはベルトアンカーの機能を併
有するアジヤスタに本考案を適用したもので、樹
脂カバー８は薄肉ヒンジ部８ｂを介して連接した
表、裏カバー８ａ，８ｂからなり、これら表裏カ
バー８ａ，８ｂ間にベース４を挾着するようにな
つている。カバー８およびベース４には取付孔１
１を形成してあり、この取付孔１１を通してのピ
ラー、支壁あるいはフロア等の支承物１２にボル
ト・ナツト１３固定するようになつている。裏カ
バー８ｂの内面の所要部位には複数個のフツク部
１４を立設してある一方、リーフスプリング１０
に該フツク部１４が係着する孔１５を形成してあ
り、この裏カバー８ｂにリーフスプリング１０を
前記フツク部１４と孔１５とを係合して取付けて
ある。勿論このリーフスプリング１０の取付け位
置は前記実施例の場合と同様に該スプリング１０
の谷部１０ａでアジヤストバー７をベルトBbの
折返し部分の上から受容し得るように設定する。

考案の効果 以上のように本考案によればアジヤストバーを
谷部と複数の山部とを有するスプリング部材によ
つてベルトの折返し部分の上からベース側に向け
て押圧するため、シートベルトの不使用時にアジ
ヤストバーがベースとカバーとの間で遊動してガ
タツキ音を発し、品質感、信頼性を損なうような
ことはなく、しかも、ベルト折返し部分を該スプ
リング部材の谷部と複数の山部とによつてアジヤ
ストバーに圧締するため、震動等によりベルトが
不当にずれ出すことがなく、さらにベルトに過大
な力が加わつた場合にチルトロツクの向上をはか
ることができ、使用中にベルト長が長くなつてシ
ートベルト装置の機能を低下させてしまうような
事態を引起すのを回避できるという実用上多大な
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のアジヤスタの一例を示す断面
図、第２図は同分解斜視図、第３図は本考案の一
実施例を示す断面図、第４図は本考案の他の実施
例を示す断面図である。 ４……ベース、５……ベルト挿通孔、６……ア
ジヤストバー抱持部、７……アジヤストバー、８
……カバー、１０……スプリング部材、１０ａ…
…谷部、１０ｂ……山部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部にベルト挿通孔を形成すると共に両側部
   にアジヤストバー抱持部を形成したベースと、該
   ベースの両側抱持部間に跨つて配設したアジヤス
   トバーと、前記ベースの前記アジヤストバー配設
   部側を内包、被覆するカバーとからなり、ベルト
   を前記ベースのベルト挿通孔に挿入して前記アジ
   ヤストバーにくぐらせて折返し前記ベルト長さを
   調節するようにした構成であつて、前記カバー内
   に前記ベルトの折返し部分に弾接する谷部と前記
   アジヤストバーの遊動抑えをする複数の山部とを
   有し前記アジヤストバーを前記ベース側に向けて
   押圧するスプリング部材を、配設したことを特徴
   とするシートベルトのアジヤスタ。