JP4289396B2 - パターン形成方法、およびこれにより製造される電子回路 - Google Patents
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Description
以下では、本発明のパターン形成方法、およびこれにより製造される電子回路、ならびにこれを用いた電子機器の例として、プラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法、およびこれにより製造される、電極および/またはブラックストライプ、を備えるプラズマディスプレイ基板、ならびにこれを用いたプラズマディスプレイパネルを挙げて、これにより本発明を説明する。
PDPはDC型とAC型に大別されるが、その動作原理はガス放電に伴う発光現象を利用したものである。例えばAC型では図9に示すように対向する透明な前面基板1および背面基板2の間に形成した隔壁3によりセル(空間)を区画し、セル内には可視発光が少なく紫外線発光効率が高いHe+Xe、Ne+Xeなどのペニング混合ガスを封入する。
そしてセル内でプラズマ放電を発生させ、セル内壁の蛍光体層11を発光させて表示画面上に画像を形成させる。
この誘電体の侵食に対するITOの耐性を向上させるために、誘電体の成分を調整することで対応も可能である。しかし、この場合、同時に誘電体の本来の目的である絶縁能、プラズマからの侵食防止能が低下する可能性がある。従って、このITOに代わる材料や方法が望まれる傾向にある。
また、コントラストをさらに向上させて、画像を鮮明にするためにブラックストライプ4を付けることが提案されているが、表示電極5、バス電極6などとは別工程での製造となるために、その分、工程数が多くなってしまう。
ここで「一方主面」とは、透明基板の反射防止層およびマスク層を形成した面である。
また、従来、別々の工程で製造していた電極とブラックストライプとを、同一工程で製造することができる。
また、薄膜層の基板側に反射防止層を設けることにより、画像表示時に電極が目立たなくなる。よってパターニングされた電極を表示電極として利用することが可能である。さらに反射防止層は、マスク層に開口部を形成する際にマスクとしても作用する。よって余分なマスクを必要としないという効果を有する。また、薄膜層の厚さが厚いとレーザの出力と基板の強度との関係から直接のパターニングは困難となると考えられるが、本発明における薄膜層は、厚さを厚くしてもパターニングが可能である。
2 背面基板
3 隔壁
4 ブラックストライプ
5 表示電極
6 バス電極
7 アドレス電極
8 誘電体層
9 MgO保護層
11 蛍光体層
20 透明基板
22 第1反射防止層
23 第2反射防止層
24 フォトマスク
26 第1レーザ光
28 マスク層
29 光吸収薄膜
30 紫外線
32 第1薄膜層
34 第2レーザ光
36 保護層
40 電極(バス電極兼表示電極)
42 ブラックストライプ
60 スパッタ成膜装置
70 ガラス基板
72 第1反射防止層
74 第2反射防止層
76 フォトマスク
78 マスクフィルム
80 フィルムラミネータ
82 第1薄膜層
84 紫外線硬化装置
86 保護層
次に、第1反射防止層22および第2反射防止層23にフォトマスク24を介して第1レーザ光26を照射して、第1反射防止層22および第2反射防止層23に開口部を形成し(図1(c)、(d)、反射防止層開口部形成工程)、その後、透明基板20の該一方主面上および第2反射防止層23上にマスク層28を形成する(図1(e)、マスク層形成工程)。
そして、マスク層28に、透明基板20の他方主面側から紫外線30を照射して露光した後、現像し、マスク層28の、第2反射防止層23の上部分に開口部を形成する(図2(f)、(g)、マスク層開口部形成工程)。
さらに、第2反射防止層23上およびマスク層28上に第1薄膜層32を形成(図2(h)、第1薄膜層形成工程)した後、マスク層28に他方主面側から第2レーザ光34を照射して、透明基板20の該一方主面上からマスク層28を剥離する(図2(i)、(j)、剥離工程)。
このような製造工程により、透明基板20の該一方主面上に、第1反射防止層22、第2反射防止層23、第1薄膜層32を順次形成することができる。これらの層(積層体)は、プラズマディスプレイ用途の場合は、プラズマディスプレイ基板用の電極またはブラックストライプの役割を果たす。
前記透明基板20は、透明な材料(本発明においては可視光透過率(JIS R3106(1998年)に規定。以下同じ。)80%以上の材料)で構成されていれば特に限定されない。その具体例としては、ガラス基板が好適に挙げられる。特に、PDP用のガラス基板として従来から用いられている、厚さ0.7〜3mm程度のガラス基板が好ましい。
本発明のプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法の好適実施例において、反射防止層形成工程では、透明基板20の該一方主面上に、所定の膜厚を有するクロム酸化物および/またはチタン酸化物を含有する第1反射防止層22と、Crおよび/またはTiを含有する第2反射防止層23とを含む反射防止層を製造する。反射防止層は、後述するような第1レーザ光によりレーザアブレーションにより剥離できることが好ましい。
透明基板20の一方主面上に第1反射防止層22および第2反射防止層23を順次形成することで、各層からの反射光が干渉し、反射率が低下し、鮮明な画像が表示できる。
本発明のプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法において、第1反射防止層22の材料はクロム酸化物および/またはチタン酸化物を含有することが好ましい。特に耐久性が高く、電極の材料となるCuの酸化を防止でき、かつ反射性能を出しやすい点で、第1反射防止層22の材料はクロム酸化物であることが好ましい。第1反射防止層22を形成する材料の全体に対して、クロム酸化物およびチタン酸化物の合計含有量が95質量%以上であれば、本発明における反射防止層として好ましい。
ここで、クロム酸化物とは、酸素欠損型のCrOX(1.0≦X<1.5)、Cr2O3などを意味する。クロム酸化物が酸素欠損型のCrOX(1≦X<1.5)であると、反射特性が良好となり特に好ましい。
また、チタン酸化物とは、酸素欠損型のTiOX(1.0≦X<2.0)、TiO2などを意味する。チタン酸化物が酸素欠損型のTiOX(1.0≦X<2.0)であると、反射特性が良好となり特に好ましい。
また、クロム酸化物および/またはチタン酸化物は、さらに炭素、窒素等を含有していてもよい。特に炭素および/または窒素を、第1反射防止層22を形成する材料に含有させることにより、消衰係数、膜の屈折率を微調整できるため、第2反射防止層23の光学特性と整合させることで可視域から本発明で使用されるレーザ波長範囲において反射防止特性を良好とできる点で好ましい。クロム酸化物に窒素を含有している場合、この酸窒化クロム膜の組成は、Cr1−Y−ZOYNZと表す場合に、0.3≦Y≦0.55、0.03≦Z≦0.2であることが好ましい。
また、第1反射防止層22は複数の膜であってもよい。具体的には、透明基板20の一方主面から酸化クロム、窒化クロムを順に積層したものが例示される。
本発明のプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法において、第2反射防止層23はCrおよび/またはTiを含有することが好ましい。特に耐久性が高く、電極の材料となるCuの酸化を防止でき、かつ反射性能を出しやすい点で、第2反射防止層23の材料はCrであることが好ましい。第2反射防止層23を形成する材料の全体に対して、CrおよびTiの合計含有量が95質量%以上であれば、本発明の反射防止層としての機能を果たす。また、第2反射防止層23をCrおよび/またはTiとすることで、後述するような第1薄膜層を保護することができる点で好ましい。
また、Crおよび/またはTiは、さらに炭素、窒素等を含有していてもよい。特に炭素および/または窒素を、第2反射防止層23を形成する材料に含有させることにより、消衰係数、膜の屈折率を微調整できるため、第1反射防止層22の光学特性と整合させることで可視域から本発明で使用されるレーザ波長範囲において反射防止特性を良好とできる点で好ましい。
本発明のプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法の好適実施例において、反射防止層開口部形成工程では、第1反射防止層22および第2反射防止層23にフォトマスク24を介して第1レーザ光26を照射して、第1反射防止層22および第2反射防止層23に開口部を形成する。
尚、本発明の好適実施例である図1(c)において、第1レーザ光26を、第1反射防止層22および第2反射防止層23に他方主面側から照射しているが、本発明においては該一方主面側から照射してもよい。
本発明のプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法の好適実施例において、マスク層形成工程では、透明基板20の該一方主面上および第2反射防止層23上にマスク層28を形成する。
このような有機材料を用いることで、後述する剥離工程において、波長が500〜1500nm、エネルギー密度が0.1J/cm2以上で1J/cm2未満である第2レーザ光34を1〜5パルス照射するだけで、透明基板20の該一方主面上に残存させる第1反射防止層22、第2反射防止層23、および第1薄膜層32等にダメージを与えることなく、確実にマスク層28を透明基板20から剥離することができる。なお、パターニング精度の点で、第2レーザ光のエネルギー密度は、第1レーザ光のエネルギー密度よりも0.8J/cm2以上低いことが好ましい。
マスク層28および光吸収薄膜29に含有させる顔料としては黒色顔料が好ましく、染料としては黒色染料が好ましい。
また、エネルギー密度が低い(例えば、0.1J/cm2以上1J/cm2未満程度)レーザ光を照射してもレーザアブレーションが生じ、透明基板20からマスク層28の剥離ができる。
マスク層28は、黒色顔料もしくは黒色染料をこのような範囲で含有する材料によって形成されていれば、レーザアブレーションが生じやすくなるために、透明基板20からの剥離が容易となり、かつ、紫外線がマスク層28を透過するために、後述するマスク層開口部形成工程において十分に硬化される。
また、エネルギー密度の低い(例えば、0.1〜0.5J/cm2程度)レーザ光を照射してもレーザアブレーションが生じ、透明基板20からのマスク層28の剥離ができる。尚、光吸収薄膜29自体も、レーザアブレーションによって、透明基板20から剥離する。
光吸収薄膜29が黒色顔料もしくは黒色染料をこのような範囲で含有する材料によって形成されていれば、マスク層28では、光吸収薄膜29との界面でのレーザ光の吸収が増加する。したがって、マスク層28は、光吸収薄膜29との界面でレーザアブレーションが生じやすくなるために、透明基板20からの剥離が容易となる。
光吸収薄膜29は、このような厚さであれば、光吸収薄膜29中の黒色顔料または黒色染料の含有量が上記範囲である場合に、紫外線30が光吸収薄膜29を透過する。したがって、マスク層28は、後述するマスク層開口部形成工程において十分に硬化される。
本発明のプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法の好適実施例において、マスク層開口部形成工程では、マスク層28に透明基板20の他方主面側から紫外線30を照射して露光する。ここで、第1反射防止層22および第2反射防止層23は紫外線30を透過しないので、第2反射防止層23の上部分のマスク層28は、露光によって光重合して硬化することはない。したがって、露光の後の現像によって、第2反射防止層23の上部分のマスク層28に開口部が形成される(図2(g))。この開口部に薄膜層が最終的に形成される。
従来、マスク層に開口部を設ける場合には、開口部の形状を有するマスクが必要である。しかし、本発明では、上記のとおり、マスクがなくとも、必要とする形状にマスク層を加工することができ、効率がよく好ましい。
本発明のプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法の好適実施例において、第1薄膜層形成工程では、第2反射防止層23上およびマスク層28上に第1薄膜層32を形成する。
該保護層36を形成する方法は、第1反射防止層22および第2反射防止層23を形成する方法と同様である。
該保護層36の厚さは、0.05〜0.2μmであることが好ましい。この厚さであれば、第1薄膜層32が誘電体により侵食されるのを防止、または抑制することができる。この厚さに調整する方法も、前記第1反射防止層22および第2反射防止層23を形成する方法と同様である。
Crおよび/またはTiが第1薄膜層32を構成する材料の全体に対して5〜15質量%含有していると、第1薄膜層32は誘電体に対して十分な耐性を有し、かつ導電性が保たれるので好ましい。
該Crおよび/またはTiを含有した第1薄膜層32を形成するには、Crおよび/またはTiを含有した前記第1薄膜層形成材料を用いて、前記反射防止層を形成する方法と同様の方法を適用すればよい。
本発明のプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法の好適実施例において、剥離工程では、マスク層28に第2レーザ光34を照射して、マスク層28を透明基板20から剥離する。マスク層28に第2レーザ光34を照射すると、アブレーションと熱エネルギーとの併用によってマスク層28が蒸発する。この結果、マスク層28は透明基板20から剥離する。
ここで第2レーザ光34の種類は、前述の反射防止層開口部形成工程と同様にエキシマレーザ光やYAGレーザ光等を用いることができる。
また第2レーザ光34の強度は、波長が500〜1500nm、エネルギー密度が0.1J/cm2以上で1J/cm2未満、好ましくは0.6J/cm2以上で1J/cm2未満とする。第2レーザ光34の強度がこの範囲であれば、透明基板20の該一方主面上に残存させる第1反射防止層22、第2反射防止層23、および第1薄膜層32等にダメージを与えることなく、確実にマスク層28を透明基板20から剥離することができる。
尚、マスク層28を剥離する場合、第2レーザ光34を遮蔽するフォトマスクを使用する必要はない。しかしフォトマスクを使用することで、より高いエネルギー密度を有する第2レーザ光34を用いることができるため、フォトマスクを使用することも可能である。
尚、第1レーザ光26と第2レーザ光34との種類は同じであっても違っていてもよい。装置のコスト等を考慮すれば、同じであることが好ましい。
また、図2(i)では、マスク層28上に、第1薄膜層32が形成されているが、このような場合は、透明基板20の他方主面側から第2レーザ光34を照射したほうが、より確実に、かつ、残渣が少なくマスク層28を透明基板20から剥離することができるので好ましい。
尚、剥離工程の直前にマスク層28と透明基板20との接着性を低下させる、または無くす(以下、これらをまとめて単に「接着性を低下させる」という)ために、光によってこれらの接着性を低下させる工程(以下、「接着力低下工程」という)を設けてもよい。
マスク層28上の第1薄膜層32を成膜した後、透明基板20の他方主面側から光を照射する。ここで光は紫外光が好ましい。これにより、マスク層形成材料が分解・劣化する。その結果、マスク層28と透明基板20との接着性が低下する。従って、この場合、マスク層形成材料としては、光の照射により分解・劣化を起こす成分を含む材料を用いればよい。さらに、マスク層形成材料の種類が異なる場合には、それら各マスク層形成材料に対応した波長の光を用いて照射すればよい。これにより、マスク層28を透明基板20から剥離しやすくするとともに、剥離した後の残渣を減少させることができる。
本発明では、上記の第1反射防止層22、第2反射防止層23、および第1薄膜層32の他に、さらに薄膜層を形成することができる。例えば、さらにもう1層の薄膜層(第2薄膜層)を形成する場合、第1反射防止層22の形成前、第1反射防止層22の形成と第2反射防止層23の形成との間、第2反射防止層23の形成の後であってマスク層28の形成前、または、上記剥離工程の後に、透明基板20の該一方主面側に、さらに第2薄膜層を形成することができる。そして、剥離工程の後に第2薄膜層を形成する場合は、該第2薄膜層に第3レーザ光を照射することによって、第2薄膜層の一部を直接除去加工(ダイレクトパターニング)する。このようなダイレクトパターニングを利用することにより、第2薄膜層を容易に形成することができる。また、第2薄膜層は複数の薄膜層であってもよい。
一方、第1反射防止層22の形成前、第1反射防止層22の形成と第2反射防止層23の形成との間、第2反射防止層23の形成の後であってマスク層28の形成前に第2薄膜層の形成を行った場合には、前述の第1レーザ光の照射により、第1反射防止層22および第2反射防止層23と共に加工することが好ましい。
また、第2薄膜層に用いることのできる材料は、前記の第2薄膜層をダイレクトパターニングするためのレーザ光の照射によって直接除去加工が可能な材料であればよく、具体的には、In2O3、SnO2等の酸化物やCr、Ti等の金属およびこれらの酸化物が好適に例示される。すなわち、第2薄膜層の材料および用いるレーザ光とは組合せに応じて適宜選択すればよい。
本発明の電極および/またはブラックストライプを備えるプラズマディスプレイ前面基板において、第1反射防止層と、第2反射防止層と、薄膜層とは、この順に透明基板の一方主面上に積層されているが、各層の間に、他の層が形成されていてもよい。
図4は、本発明のプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法により形成された、プラズマディスプレイ基板用の電極40およびブラックストライプ42を備える透明基板20の一例を示している。また、図5は図4のA−A’線断面図を示している。
また、電極40は、第1反射防止層22と第2反射防止層23とを備えるために、透明基板20の他方主面側から入射した可視光の反射を防止する。このため、本発明のプラズマディスプレイ前面基板は、外光等の反射の抑制効果が高いものとなる。また、本発明のプラズマディスプレイ前面基板を用いてなるPDP表示装置上に鮮明な画像を形成することができる。
これらの層の全体(積層体)の、透明基板20の他方主面側からの可視光反射率は50%以下、特に40%以下であることが好ましく、10%以下であることがさらに好ましい。この範囲の可視光反射率となるようにすれば、これを用いてなるPDP表示装置上により鮮明な画像を形成することができる。
従って、本発明のプラズマディスプレイ前面基板用電極を備えるプラズマディスプレイ基板を用いてなるPDPも、同様に、より低コストで製造することができる。
実施例に係るプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法を図6〜図8に基づき説明する。
図6〜図8に示すように、実施例に係るプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法は、(1)反射防止層形成工程(図6(a)・(b))、(2)反射防止層開口部形成工程(図6(c))、(3)マスクフィルムの貼り付け工程(図7(d))、(4)紫外線照射・現像によるマスク層開口部形成工程(図7(e)、(f))、(5)薄膜層および保護層形成工程(図8(g)・(h))、(6)レーザ光照射によるマスク層の剥離工程(図8(i))を具備する。
次に、ガラス基板70に、第1レーザ光として、波長が1064nm、エネルギー密度が1.2J/cm2のYAGレーザ光を、フォトマスク76を介して照射する(図6(c))。これにより、第1反射防止層72および第2反射防止層74に開口部が形成される。そして、ガラス基板70の、第1反射防止層72および第2反射防止層74を形成した側に、厚さ10μmのマスクフィルム78をフィルムラミネータ80で均一に貼り付ける(図7(d))。そして、ガラス基板70の、第1反射防止層72および第2反射防止層74を形成していない側から、紫外線硬化装置84を用いて、マスクフィルム78に、紫外線を照射する(図7(e))。そして、現像して第2反射防止層74の表面のマスクフィルム78を除去した後(図7(f))、再度、ガラス基板70をスパッタ成膜装置60に入れ、第2反射防止層74上に第1薄膜層82であるCu層を、さらにその上に保護層86であるCr層をスパッタ成膜により形成する(図8(g)、(h))。この第1薄膜層82、保護層86の厚さは、各々、約3μm、約0.1μmであり、パターン幅は30μmである。尚、この層の全体の可視光反射率は10%である。
そして最後に、第2レーザ光として、波長が1064nm、エネルギー密度が0.25J/cm2のYAGレーザ光を、ガラス基板70の側からマスクフィルム78に照射して、マスクフィルム78をガラス基板70から剥離する(図8(i))。
本出願は、2004年12月2日出願の日本特許出願2004−371879に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
Claims (17)
- 透明基板の一方主面上に反射防止層を形成する反射防止層形成工程と、
前記反射防止層に第1レーザ光を照射して開口部を形成する反射防止層開口部形成工程と、
前記透明基板の該一方主面上および前記反射防止層上にマスク層を形成するマスク層形成工程と、
前記マスク層に開口部を形成するマスク層開口部形成工程と、
前記反射防止層上および前記マスク層上に第1薄膜層を形成する第1薄膜層形成工程と、
前記マスク層を前記透明基板の該一方主面上から剥離する剥離工程と、
を具備するパターン形成方法。 - 前記剥離工程では、前記マスク層に第2レーザ光を照射して、前記マスク層を前記透明基板の該一方主面上から剥離する、請求項1に記載のパターン形成方法。
- 前記反射防止層が、クロム酸化物および/またはチタン酸化物を含有する第1反射防止層と、Crおよび/またはTiを含有する第2反射防止層とを具備する請求項1または2に記載のパターン形成方法。
- 前記マスク層が、有機材料を用いて形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のパターン形成方法。
- 前記マスク層が、黒色顔料もしくは黒色染料を10〜95質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載のパターン形成方法。
- 前記第1レーザ光が、波長が500〜1500nm、エネルギー密度が1〜40J/cm2のレーザ光である、請求項1〜5のいずれかに記載のパターン形成方法。
- 前記第2レーザ光が、波長が500〜1500nm、エネルギー密度が0.1J/cm2以上で1J/cm2未満のレーザ光である、請求項2〜6のいずれかに記載のパターン形成方法。
- 前記第1薄膜層は、Crおよび/またはTiと、Cuとを含有する請求項1〜7のいずれかに記載のパターン形成方法。
- 前記第1薄膜層形成工程の後に、保護層形成工程を具備する請求項1〜8のいずれかに記載のパターン形成方法。
- 前記剥離工程の後に、第2薄膜層を形成し、該第2薄膜層に第3レーザ光を照射することによって該第2薄膜層の一部を除去する工程を具備する、請求項1〜9のいずれかに記載のパターン形成方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のパターン形成方法を用いて製造される電子回路。
- 請求項11に記載の電子回路を有する電子機器。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のパターン形成方法によりパターンを形成する工程を含む、プラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法。
- 請求項13に記載のプラズマディスプレイ基板用の電極および/またはブラックストライプの製造方法により製造される、電極および/またはブラックストライプを備えるプラズマディスプレイ前面基板。
- 透明基板上に、
クロム酸化物および/またはチタン酸化物を含有する第1反射防止層、
Crおよび/またはTiを含有する第2反射防止層、および
Cuを含有する第1薄膜層、
を備える積層体を電極および/またはブラックストライプとして有する、プラズマディスプレイ前面基板。 - 前記電極および/または前記ブラックストライプは、前記透明基板の他方主面側から入射した可視光反射率が50%以下である請求項14または15に記載のプラズマディスプレイ前面基板。
- 請求項14〜16のいずれかに記載のプラズマディスプレイ前面基板を備えるプラズマディスプレイパネル。
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