JP4283702B2 - アクリル系共重合体ラテックスの製造方法及びそれを用いた塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

アクリル系共重合体ラテックスの製造方法及びそれを用いた塩化ビニル系樹脂の製造方法 Download PDF

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本発明は、アクリル系共重合体ラテックスの製造方法及びそれを用いた塩化ビニル系樹
脂の製造方法に関する。
本来、塩化ビニル系樹脂は機械的強度、耐薬品性等に優れた特性を有する材料として幅
広い用途に使いられている。しかし、耐候性や耐衝撃性が劣るため種々の改良が行われて
いる。
例えば、耐候性、耐衝撃性の改良された塩化ビニル系樹脂の製造方法として、アルキル
(メタ)アクリレートを界面活性剤の存在下で乳化重合して得られたアクリル系共重合体
ラテックスに塩化ビニルをグラフト共重合する塩化ビニル系樹脂の製造方法が提案されて
いる(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、アクリル系共重合体ラテックスの乳化重合及びそれに塩化ビニルをグラ
フト共重合する際においては、重合装置の器壁、拡販翼等にスケールと呼ばれるゴム状の
ポリマーが付着し、収率が低下し廃棄物の量が多くなり、又、スケールを剥離するのに非
常に時間がかかり、製造時間が長くなる等の問題があった。
これらの問題を改良するために、アクリル(メタ)アクリレートと多官能性モノマーに
、界面活性剤として反応性界面活性剤やノニオン系界面活性剤を添加し、乳化重合してア
クリル系共重合体ラテックスを得、得られたアクリル系共重合体ラテックスに塩化ビニル
をグラフト重合する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
上記重合方法では、塩化ビニルをグラフト重合する際のスケール付着量の低減は改良さ
れているが、アクリル系共重合体ラテックスの乳化重合の際のスケール付着量の低減は依
然として改良されていなかった。
特公昭39−17067号公報 特開平7−309917号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、乳化重合の際に重合装
置の器壁、拡販翼等にスケールの付着量の少ないアクリル系共重合体ラテックスの製造方
法を提供することを目的とする。
又、上記アクリル系共重合体ラテックスを用いて、耐衝撃性の優れた塩化ビニル系樹脂
を重合装置の器壁、拡販翼等にスケールの付着量が少なく製造する方法を提供することを
目的とする。
請求項1記載のアクリル系共重合体ラテックスの製造方法は、アルキル(メタ)アクリレート90〜99.9重量%と多官能性モノマー10〜0.1重量%からなる反応性モノマー100重量部を、疎水部にベンゼン環を有し、親水部にエチレンオキサイドが2〜9モル付加重合されてなる、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩又はポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム塩であるアニオン系界面活性剤0.1〜10重量部の存在下に乳化重合することを特徴とする。
上記アクリル系共重合体は塩化ビニルがグラフト重合された際に、塩化ビニル系樹脂に
耐衝撃性を付与するものであるから、上記アルキル(メタ)アクリレートは、その単独重
合体は室温で柔軟性を有するのが好ましく、単独重合体のガラス転移温度が−140℃〜
0℃のアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
従って、上記アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、n−
ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、クミルアクリレート、n−ヘプチル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−メチルヘプチル(メタ
)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリ
レート、2−メチルオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘプチル(メタ)アクリ
レート、n−デシル(メタ)アクリレート、2−メチルノニル(メタ)アクリレート、2
−エチルオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、
これらは単独で使用されてもよいし又は2種以上が併用されてもよい。
尚、本発明において、単独重合体のガラス転移温度は、高分子学会編「高分子データ・
ハンドブック(基礎編)」(1986年、培風館社)によった。
上記多官能性モノマーは、上記アルキル(メタ)アクリレートを架橋し、塩化ビニルを
主成分とするビニルモノマーをグラフト共重合して得られる塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性
を向上させるために配合するものである。
上記多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート
、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(
メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート
;ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ
)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、その他の多官能性モノマーとしては、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、
ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリアリルイソシアヌレート等のジもしく
はトリアリル化合物、ジビニルベンゼン、ブタジエン等のジビニル化合物等が挙げられる
。これらの多官能性モノマーは単独で使用されてもよいし又は2種以上が併用されてもよ
い。
上記反応性モノマーは、上記アルキル(メタ)アクリレート90〜99.9重量%と多
官能性モノマー10〜0.1重量%からなる。
上記多官能性モノマーの配合量が、0.1重量%未満では、塩化ビニルを主体とするビ
ニルモノマーをグラフト重合した際に、得られたアクリル系共重合体が塩化ビニル系樹脂
中で独立した粒子形状を保てなくなるため、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性が低下する。一
方、10重量%を越えると、アクリル系共重合体の架橋密度が高くなり、有効な耐衝撃性
が得られなくなるため上記範囲に限定される。
上記反応性モノマーには、上記アクリル(メタ)アクリレートと共重合可能な単官能性
モノマーが、アクリル系共重合体の物性を低下しない範囲で添加されてもよい。
上記アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な単官能性モノマーとしては、例えば
、エチレン、プロピレン、ヘキセン等のαーオレフィン類;スチレン、αーメチルスチレ
ン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不
飽和ニトリル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アク
リル酸、無水マレイン酸、塩化ビニリデンなどがあげられ、これらは単独で使用されても
よいし又は2種以上が併用されてもよい。
上記アニオン系界面活性剤は、疎水部にベンゼン環を有し、親水部にエチレンオキサイ
ドが2〜9モル付加重合されてなるポリオキシエチレン部を有するアニオン系界面活性剤
である。
上記アニオン系界面活性剤が疎水部にベンゼン環を有さない場合、例えば、アルキル基
である場合はアルキル(メタ)アクリレートに対する親和力が不足し、界面活性剤の液滴
表面への吸着力が弱くなり乳化重合の際にスケールの発生量が多くなる。
又、エチレンオキサイドの付加重合が1モル以下の場合には、疎水性が強くなりすぎて
、乳化重合の際に重合体粒子の粒子径制御が困難になり、9モル以上の場合には親水性が
高くなりすぎて、アルキル(メタ)アクリレートに対する親和力が不足し乳化重合の際に
スケールの発生量が多くなる。
上記アニオン系界面活性剤としては、内分泌攪乱作用のないものが好ましく、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム塩が使用される。これらのアニオン系界面活性剤は単独で使用されてもよいし又は併用されてもよい。
上記アニオン系界面活性剤のアニオン部位、例えば、ポリオキシエチレンジスチレン化
フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩の場合、硫酸アンモニウム部を除いた部分(以下、
「ノニオン部」という。)のH.L.B.は4〜13が好ましい。
H.L.B.とは、Hydrophile−Lipophile Balanceの略
で、親水性と疎水性の強さのバランスを示す数値であり、アニオン系界面活性剤で親水基
がエチレンオキサイドのみの場合のH.L.B.は下記式で表される。
H.L.B.=E/5
(Eはポリオキシエチレン部分の重量分率(%))
上記H.L.B.が4未満であると、疎水性が高くなりすぎて、乳化重合の際に重合体
粒子の粒子径制御が困難になり、13を超えると親水性が高くなりすぎて、アルキル(メ
タ)アクリレートに対する親和力が不足し乳化重合の際にスケールの発生量が多くなるの
で、上記アニオン系界面活性剤のノニオン部のH.L.B.は4〜13が好ましい。
上記反応性モノマーを上記アニオン系界面活性剤の存在下に乳化重合することによりア
クリル系共重合体ラテックスが得られるが、アニオン系界面活性剤の添加量は少なくなる
と乳化効果が低減し、乳化重合が均一に進まなくなり、多すぎると得られたアクリル系共
重合体の粒子径が小さくなりすぎたり、廃液の処理が困難になるので、反応性モノマー1
00重量部に対しアニオン系界面活性剤の添加量は0.1〜10重量部である。
上記アクリル系共重合体ラテックスは、アルキル(メタ)アクリレートと多官能性モノ
マーからなる反応性モノマーを、上記アニオン系界面活性剤の存在下に乳化重合するので
あるが、乳化重合方法は、従来公知の任意の方法で行うことができ、例えば、必要に応じ
て、重合開始剤、pH調整剤、酸化防止剤等を添加して重合してもよい。
乳化重合方法としては、例えば、
(1)ジャケット付き重合反応器内にイオン交換水、界面活性剤及び水溶性重合開始剤を
供給し、窒素気流加圧下でアルキル(メタ)アクリレート及び多官能性モノマーを加え乳
化後、反応器内をジャケットに熱媒を供給して昇温し、重合を開始する一括重合方法、
(2)ジャケット付き重合反応器内にイオン交換水、界面活性剤及び水溶性重合開始剤を
供給し、反応器内をジャケットに熱媒を供給して昇温し、窒素気流加圧下でアルキル(メ
タ)アクリレート及び多官能性モノマーを滴下して重合を開始するモノマー滴下重合方法
(3)ジャケット付き重合反応器内にイオン交換水及び水溶性重合開始剤を供給し、反応
器内をジャケットに熱媒を供給して昇温し、アルキル(メタ)アクリレート、多官能性モ
ノマー及び界面活性剤を高速攪拌して乳化した乳化液を、窒素気流加圧下で滴下して重合
を開始するエマルション滴下重合方法
等があげられる。
尚、上記一括重合方法及びモノマー滴下重合方法の場合、界面活性剤の添加方法は、重
合初期に一括添加してもよいし、重合開始前から重合終了後まで適宜分割して添加しても
よい。
上記重合開始剤としては、乳化重合で一般に使用されている重合開始剤であれば特に限
定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素水、酒石酸等の水
溶性重合開始剤が挙げられる。
上記アクリル系共重合体は、上記反応性モノマーを乳化重合した重合体であるが、コア
ーシェル構造からなる共重合体であってもよい。
柔軟な共重合体であるコア部と、その周囲にグラフト重合されたコア部の共重合体より
硬いグラフト共重合体よりなるシェル部を有するコアーシェル構造からなるアクリル系共
重合体に、塩化ビニルをグラフト重合した塩化ビニル系樹脂は、耐衝撃性が優れているの
で好ましい。
請求項2記載のアクリル系共重合体ラテックスの製造方法は、単独重合体のガラス転移温度が−140℃〜−60℃であるアルキル(メタ)アクリレート99〜99.9重量%と多官能性モノマー1〜0.1重量%とからなる反応性モノマー100重量部を、疎水部にベンゼン環を有し、親水部にエチレンオキサイドが2〜9モル付加重合されてなる、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩又はポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム塩であるアニオン系界面活性剤0.1〜10重量部の存在下に乳化重合した後、得られたコア重合体40〜90重量%に、単独重合体のガラス転移温度が−55℃〜0℃であるアルキル(メタ)アクリレート90〜98.5重量%と多官能性モノマー10〜1.5重量%よりなる混合モノマー60〜10重量%を、コア重合体と混合モノマーの合計100重量部に対し、疎水部にベンゼン環を有し、親水部にエチレンオキサイドが2〜9モル付加重合されてなる、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩又はポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム塩であるアニオン系界面活性剤0.1〜10重量部の存在下にグラフト共重合してシェル層を形成することを特徴とする。
上記多官能性モノマーと共重合され、グラフト共重合体粒子のコア部を形成するアルキ
ル(メタ)アクリレートは、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を向上させるものであり、高速
の歪みに対しても充分な柔軟性を要するのが好ましいので、単独重合体のガラス転移温度
は−60℃以下であって、工業的に一般に使用されるアルキル(メタ)アクリレート重合
体のガラス転移温度を鑑みて−140℃以上である。
上記単独重合体のガラス転移温度が−140℃〜−60℃であるアルキル(メタ)アク
リレートとしては、例えば、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2
−メチルヘプチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレ
ート、2−メチルオクチルアクリレート、2−エチルヘプチルアクリレート、n−デシル
アクリレート、2−メチルノニルアクリレート、2−エチルオクチルアクリレート等が挙
げられ、これらは単独で使用されてもよいし又は2種以上が併用されてもよい。
上記多官能性モノマーとしては、前述の多官能性モノマーが使用される。アルキル(メ
タ)アクリレートと多官能性モノマーの重合比率は、アルキル(メタ)アクリレート99
〜99.9重量%と多官能性モノマー1〜0.1重量%である。
上記多官能性モノマーの重合比率が、0.1重量%未満では、コア重合体がシェル層中
又は塩化ビニル系樹脂中で独立した粒子形状を保つのが困難になるので、塩化ビニル系樹
脂の耐衝撃性が低下する。一方、1重量%を越えると、コア重合体の架橋密度が高くなり
、有効な耐衝撃性が得られなくなるため上記範囲に限定される。
上記反応性モノマーには、前述のアクリル(メタ)アクリレートと共重合可能な単官能
性モノマーが、アクリル系共重合体の物性を低下しない範囲で添加されてもよい。
上記単独重合体のガラス転移温度が−55℃〜0℃であるアルキル(メタ)アクリレー
トと多官能性モノマーよりなる混合モノマーは、コア重合体の存在下でグラフト重合され
、重合体粒子のシェル層を形成し、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を向上させると共に低ガ
ラス転移温度のコア重合体を被覆して共重合体粒子の粘着性を低減させる。
従って、上記アルキル(メタ)アクリレートは、単独重合体のガラス転移温度が−55
℃以上であることが好ましく、ある程度の柔軟性を保持する上で0℃以下が好ましい。
上記単独重合体のガラス転移温度が−55℃〜0℃であるアルキル(メタ)アクリレー
トとしては、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルア
クリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチ
ルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、クミルアクリ
レート、n−ヘプチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−メチルヘプチ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、2
−メチルオクチルメタクリレート、2−エチルヘプチルメタクリレート、n−デシルメタ
クリレート、2−メチルノニルメタクリレート、2−エチルオクチルメタクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよいし又は2種
以上が併用されてもよい。
上記多官能性モノマーとしては、前述の多官能性モノマーが使用される。混合モノマー
中のアルキル(メタ)アクリレートと多官能性モノマーの混合比率は、多官能性モノマー
の混合比率が少なくなると共重合体の粒子が合着しやすくなり、塩化ビニル系樹脂の耐衝
撃性が低下し、多くなると、アクリル系共重合体の架橋密度が高くなり、有効な耐衝撃性
が得られなくなるので、アルキル(メタ)アクリレート90〜98.5重量%と多官能性
モノマー10〜1.5重量%である。
上記混合モノマーには、前述のアクリル(メタ)アクリレートと共重合可能な単官能性
モノマーが、アクリル系共重合体の物性を低下しない範囲で添加されてもよい。
又、コア−シェル構造からなる共重合体のコア重合体とシェル層のグラフト共重合体の
比率は、コア重合体が多くなりすぎると柔らかくなって塩化ビニル系樹脂中で独立した粒
子形状を保てなくなるため耐衝撃性が低下し、又、少なくなりすぎるても耐衝撃性が低下
するので、コア重合体40〜90重量%に、混合モノマー60〜10重量%がグラフト重
合されてシェル層が形成される。
上記アニオン系界面活性剤は、前述のアニオン系界面活性剤と同一であり、疎水部にベンゼン環を有し、親水部にエチレンオキサイドが2〜9モル付加重合されてなる、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩又はポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム塩であるアニオン系界面活性剤である。
上記アニオン系界面活性剤の添加量は、少なくなると乳化効果が低減し、乳化重合が均
一に進まなくなり、多すぎると得られたコア重合体及びグラフト重合体の粒子径が小さく
なりすぎたり、廃液の処理が困難になるので、コア重合体を乳化重合する際の反応性モノ
マー100重量部に対しても、又、グラフト共重合する際のコア重合体と混合モノマーの
合計100重量部に対しても0.1〜10重量部である。
上記コア−シェル構造の共重合体の製造方法は、乳化重合であれば特に限定されず、例
えば、先ず、コア重合体を形成するアルキル(メタ)アクリレート、多官能性モノマー、
界面活性剤、イオン交換水及び重合開始剤を用いて乳化重合反応を行い、コア重合体粒子
を形成し、次いでシェル層を構成するアルキル(メタ)アクリレートと多官能性モノマー
を添加し、上記コア重合体にシェル層をグラフト重合させる方法が挙げられる。
上記製造方法において、上記シェル層のグラフト共重合は、上記コア重合体の重合と同
一の重合工程で連続して行ってもよい。
このようにして得られた共重合体は、上記コア重合体の表面を上記シェル層が三次元的
に覆い、上記シェル層を構成する共重合体と上記コア重合体とが部分的に共有結合し、上
記コア重合体及びシェル層はそれぞれ三次元的な架橋構造を形成している。
上記したような重合方法において、反応終了後に得られるアクリル系共重合体ラテック
スの固形分比率は、アクリル系共重合体の生産性、重合反応の安定性の点から10〜60
重量%が好ましい。
又、得られたアクリル系共重合体の平均粒子径は10nm〜1μmが好ましい。平均粒
子径が10nmより小さくなると微粒子を多数含むことになりスケールの原因となり、ま
た平均粒子径が大きすぎると塩化ビニルをグラフト重合した塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性
、機械的強度がともに低下する。
請求項記載の塩化ビニル系樹脂の製造方法は、請求項1または2記載のアクリル系共重合体1〜30重量%に塩化ビニルを主成分とするビニルモノマー99〜70重量%をグラフト共重合すること特徴とする。
上記塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーは、塩化ビニルモノマーを主体とする。
即ち、塩化ビニルモノマー若しくは塩化ビニルモノマーを主体(50重量%以上含む)と
する、塩化ビニルモノマーと重合可能なビニルモノマーとの混合物である。
上記ビニルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエ
ステル類;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸エステル類;エチレン、プロピレン、ブチレン等のαーオ
レフィン類などがあげられる。これらは単独で使用されてもよいし又は2種以上が併用さ
れてもよい。
上記アクリル系共重合体と塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーのグラフト共重合
体の比率は、アクリル系共重合体の比率が1重量%未満では、得られる塩化ビニル系樹脂
が充分な耐衝撃性を得ることができず、30重量%を越えると、得られる塩化ビニル系樹
脂の曲げ強度や引張強度等の機械的強度が低くなるため上記範囲に限定され、より好まし
くは4〜20重量%である。
上記塩化ビニル系樹脂中のグラフト重合された塩化ビニル樹脂の重合度は、小さすぎて
も大きすぎても成形性が低下するので、300〜2000が好ましく、より好ましくは4
00〜1600である。
上記アクリル系共重合体に、塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーをグラフト共重
合する方法としては、特に限定されず、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法、
塊状重合法等が挙げられ、懸濁重合法が好ましい。
上記懸濁重合法としては、例えば、温度調整機及び撹拌機を備えた反応容器に、上記ア
クリル系共重合体ラテックス、分散剤、油溶性重合開始剤及び必要に応じてイオン交換水
、水溶性増粘剤、重合度調節剤、凝集剤等を投入し、その後、真空ポンプで重合器内の空
気を排出し、更に撹拌条件下で塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーを投入した後、
反応容器内を加熱し、グラフト共重合を行う方法が挙げられる。
このとき、重合温度は30〜90℃、重合時間は2〜20時間が好ましい。
反応終了後は、未反応の塩化ビニル等を除去しスラリー状にし、更に脱水乾燥すること
により塩化ビニル系樹脂が得られる。
上記分散剤は、上記アクリル系共重合体の分散安定性を向上させ、塩化ビニルを主成分
とするビニルモノマーのグラフト共重合を効率的に行う目的で添加される。
上記分散剤としては、一般に塩化ビニルの懸濁重合の際に使用されている分散剤であれ
ば、特に限定はされないが、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸塩、(メタ)アクリル酸塩
−アルキルアクリレート共重合体、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニル及びその部分ケン化
物、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、デンプン、無水マレイン酸−スチレン共重合体等
が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、又は2種類以上組み合わせて使用してよ
い。
上記油溶性重合開始剤としては、塩化ビニルの懸濁重合の際に使用されている油溶性重
合開始剤であれば、特に限定されないが、ラジカル重合開始剤がグラフト共重合に有利で
あるという理由から好適に用いられる。例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオキ
シジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、 α−クミルパーオキシネ
オデカノエート等の有機パーオキサイド類、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。これら
は単独で使用してもよいし、又は2種類以上組み合わせて使用してよい。
上記水溶性増粘剤としては、塩化ビニルの懸濁重合の際に使用されている水溶性増粘剤
であれば、特に限定されず、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリ
レートーアクリル酸共重合体、カゼイン及びこれらの金属塩等があげられ、これらは単独
で使用してもよいし、又は2種類以上組み合わせて使用してよい。
上記重合度調節剤としては、塩化ビニルの懸濁重合の際に使用されている重合度調節剤
であれば、特に限定されず、例えば、メルカプトメタノール、メルカプトエタノール、メ
ルカプトプロパノール等の連鎖移動剤;ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタク
リレート等の架橋剤等があげられ、これらは単独で使用してもよいし、又は2種類以上組
み合わせて使用してよい。
上記凝集剤としては、乳化重合されたラテックスを凝集するために一般に使用されてい
る凝集剤であれば、特に限定されず、例えば、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム等があ
げられ、これらは単独で使用してもよいし、又は2種類以上組み合わせて使用してよい。
更に、必要に応じて、pH調整剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
請求項記載の塩化ビニル系樹脂の製造方法で得られた塩化ビニル系樹脂は、アクリル系共重合体に塩化ビニルを主成分とするビニルモノマーのグラフト共重合体の一部が直接結合しているので、得られた塩化ビニル系樹脂から成形された成形体は耐衝撃性に優れているとともに機械的強度にも優れている。
得られた塩化ビニル系樹脂を成形する際には、従来より、塩化ビニル系樹脂を成形する
際に使用されている熱安定剤、安定化助剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤、顔
料、無機充填剤、可塑剤等を必要に応じて添加し、公知の任意の成形方法で成形すればよ
い。
請求項1記載のアクリル系重合体ラテックスの製造方法の構成は上述の通りであり、アルキル(メタ)アクリレート90〜99.9重量%と多官能性モノマー10〜0.1重量%からなる反応性モノマー100重量部を、疎水部にベンゼン環を有し、親水部にエチレンオキサイドが2〜9モル付加重合されてなる、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩又はポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム塩であるアニオン系界面活性剤0.1〜10重量部の存在下に乳化重合するので、重合装置の器壁、拡販翼等にスケールの付着量を減少して乳化重合することができ、収率が高く、廃棄物の量も少ない。又、スケールを剥離する時間が短縮でき、製造時間が短縮できる。
請求項2記載のアクリル系重合体ラテックスの製造方法は、コアーシェル構造のアクリ
ル系重合体を疎水部にベンゼン環を有し、親水部にエチレンオキサイドが2〜9モル付加重合されてなる、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩又はポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム塩であるアニオン系界面活性剤0.1〜10重量部の存在下に乳化重合するので、重合装置の器壁、拡販翼等にスケールの付着量を減少して乳化重合することができ、収率が高く、廃棄物の量も少ない。又、スケールを剥離する時間が短縮でき、製造時間が短縮できる。
ニオン系界面活性剤のノニオン部のH.L.B.が4〜12であると、より重合装置の器壁、拡販翼等にスケールの付着量を減少して乳化重合することができ、より収率が高く、廃棄物の量もより少なくすることができる。又、スケールを剥離する時間もより短縮でき、製造時間がより短縮できる。
請求項記載の塩化ビニル系樹脂の製造方法は、請求項1または2記載のアクリル系アクリル系共重合体1〜30重量%に塩化ビニルを主成分とするビニルモノマー99〜70重量%をグラフト共重合すること特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法であるから、塩化ビニル系樹脂を重合する際にも重合装置の器壁、拡販翼等にスケールの付着量を減少して重合することができ、収率が高く、廃棄物の量も少なくすることができる。
又、スケールを剥離する時間も短縮でき、製造時間が短縮できる。
又、得られた塩化ビニル系樹脂は、アクリル系共重合体1〜30重量%に塩化ビニルを
主成分とするビニルモノマー99〜70重量%がグラフト共重合されているので、塩化ビ
ニル系樹脂の特徴を有しつつ、耐衝撃性が改良されている。
更に、アクリル系共重合体が、単独重合体のガラス転移温度が−140℃〜−60℃で
あるアルキル(メタ)アクリレート99〜99.9重量%と多官能性モノマー1〜0.1
重量%とからなるアクリル系共重合体40〜90重量%に、単独重合体のガラス転移温度
が−55℃〜0℃であるアルキル(メタ)アクリレート90〜98.5重量%と多官能性
モノマー10〜1.5重量%の混合モノマー60〜10重量%をグラフト共重合したコア
ーシェル構造からなる共重合体であると、得られた塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性はより優
れている。
従って、得られた塩化ビニル系樹脂は、雨樋、窓枠部材等の住宅資材、硬質塩化ビニル
管、継手などの管工機材等の用途で、特に、耐衝撃性を必要とする用途に好適に用いられ
る。
以下、本発明の実施例について説明するが、下記の例に限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例で使用した界面活性剤は下記の通りである。
(1)界面活性剤1 ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウ
ム塩(エチレンオキサイド付加モル数:8、ノニオン部のH.L.B.:11)
(2)界面活性剤2 ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム
塩(エチレンオキサイド付加モル数:4、ノニオン部のH.L.B.:8)
(3)界面活性剤3 ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩(エチレン
オキサイド付加モル数:2、ノニオン部のH.L.B.:6)
(4)界面活性剤4 ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム塩(エチレ
ンオキサイド付加モル数:9、ノニオン部のH.L.B.:14)
(5)界面活性剤5 ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム
塩(エチレンオキサイド付加モル数:12、ノニオン部のH.L.B.:13)
(実施例1〜4、比較例1〜6)
乳化モノマーの調製
表1及び表2に示した所定量の2−エチルヘキシルアクリレート (以下「2−EHA」
という)、トリメチロールプロパントリアクリレート(以下「TMPTA」という)、
界面活性剤及びイオン交換水を攪拌混合して、コア層形成用乳化モノマーを調製した。
又、表1及び表2に示した所定量のn−ブチルアクリレート (以下「n−BA」 とい
う)、TMPTA、界面活性剤及びイオン交換水を攪拌混合して、シェル層形成用乳化モ
ノマーを調製した。
アクリル共重合体の作製
次に撹拌機及び還流冷却器を備えたステンレス製の400リットル反応器に、イオン交
換水200kgを供給し、反応器内の酸素を窒素により置換した後、撹拌下でイオン交換
水の温度を70℃まで昇温した。昇温終了後、反応器に過硫酸アンモニウム0.1kgと
コア層形成用乳化モノマー20kgを投入し、重合を開始した。
重合が開始したところで、コア層形成用乳化モノマー80kgを滴下し、滴下終了に続
いて、シェル層形成用乳化モノマー100kgを順次滴下した。
全ての乳化モノマーの滴下を3時間で終了し、その後、1時間の熟成期間をおいた後、
重合を終了して固形分濃度30重量%のアクリル共重合体ラテックス(以下「ラテックス
」という)を得た。
塩化ビニル系樹脂の作製
ついで、撹拌機及びジャケットを備えた重合器に、イオン交換水170kg、上記アク
リル共重合体ラテックス17kg(アクリル共重合体固形分5.1kg)、部分けん化ポ
リビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールL−8)の3重量%水溶液5kg、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学社製、メトローズ60SH50)の3重量
%水溶液2. 5kg、t−ブチルパーオキシピバレート0. 03kg及び硫酸アルミをア
クリル共重合体固形分5.1kgに対してアルミニウムイオンが3000ppmとなるよ
う一括投入した。
その後、真空ポンプで重合器内の空気を排出し、更に攪拌条件下で塩化ビニルモノマー
100kgを投入した。次いで、ジャケット温度の制御により重合温度57.0℃にてグ
ラフト重合を開始した。
重合器内の圧力が0.72MPaの圧力まで低下したところで塩化ビニルモノマーの重
合率が80%になるので反応終了を確認し、消泡剤(東レ社製、東レシリコンSH551
0)を加圧添加した後に反応を停止した。
その後、未反応の塩化ビニルモノマーを除去し、更に脱水乾燥することにより塩化ビニ
ル系樹脂を得た。
(実施例5、6、比較例7、8)
表3に示した所定量のn−BA、TMPTA、界面活性剤及びイオン交換水を攪拌混合
して、乳化モノマーを調製した。
次に撹拌機及び還流冷却器を備えたステンレス製の400リットル反応器に、イオン交
換水200kgを供給し、反応器内の酸素を窒素により置換した後、撹拌下でイオン交換
水の温度を70℃まで昇温した。昇温終了後、反応器に過硫酸アンモニウム0.1kgと
乳化モノマー20kgを投入し、重合を開始した。
重合が開始したところで、乳化モノマー180kgを3時間かけて滴下し、その後、1
時間の熟成期間をおいた後、重合を終了して固形分濃度30重量%のラテックスを得た。
得られたラテックスを用いて、実施例1で行ったと同様にして塩化ビニルモノマーをグ
ラフト重合して塩化ビニル系樹脂を得た。
物性測定
得られたアクリル共重合体の平均粒子径及び反応器と攪拌機に付着したスケール量を測
定し、結果を表1、表2及び表3に示した。
又、得られた塩化ビニル系樹脂の、アクリル共重合体と塩化ビニル樹脂の比率、平均粒
子径及びシャルピー衝撃強度を測定し、結果を表1及び表2に示した。
尚、物性の評価方法は以下の通りである。
(1)アクリル共重合体の平均粒子径 レーザー回析/散乱粒度分布計(堀場製作所社製
)を用いて測定した。
(2)スケール量 アクリル共重合体ラテックスの作製後、重合器器壁及び攪拌機に付着
しているスケールを採取し、オーブンで70℃、 24時間乾燥した後の重量を測定した
(3)塩化ビニル系樹脂のアクリル共重合体と塩化ビニル樹脂の比率 得られた塩化ビニ
ル系樹脂の塩素含有量C(重量%)をJIS K7229に準拠して測定し、下記式によ
りアクリル共重合体の比率(重量%)を算出した。
アクリル共重合体の比率(重量%)=(1−1.762C)×100
尚、塩化ビニル樹脂の比率(重量%)は、[100−アクリル共重合体の比率]である。
(4)塩化ビニル系樹脂の平均粒子径 レーザー回析/散乱粒度分布計(堀場製作所社製
)を用いて測定した。
(5)シャルピー衝撃強度 得られた塩化ビニル系樹脂100重量部、有機錫系安定剤
(三共有機合成社製、商品名「ONZ−6F」)1重量部、滑剤(理研ビタミン社製、商
品名「OPL−01」)0.8重量部、滑剤(日本油脂社製、商品名「モノグリMB」)
0.4重量部及び滑剤(三井化学社製、商品名「Hiwax2203A」)0.6重量部
を攪拌混合して塩化ビニル系樹脂組成物を得た。
得られた塩化ビニル系樹脂組成物を8インチミキシングロール(安田製作所社製)に供
給し、195℃で3分間混練して、樹脂シートを得、得られた樹脂シートを熱プレス成型
機(東邦マシナリー社製)に供給し、205℃、200MPaで3分間プレスして、厚さ
3mmの板状体を得た。
得られた板状体を用い、硬質プラスチックのシャルピー衝撃試験方法(JIS K 7
111)に準拠し、エッジワイズ衝撃試験片でシャルピー衝撃強度を測定した。測定温度
は0℃であり、単位は「KJ/m2 」である。
SI単位換算:1Kgf・cm/cm2 =0.9807KJ/m2
Figure 0004283702
Figure 0004283702
Figure 0004283702

Claims (3)

  1. アルキル(メタ)アクリレート90〜99.9重量%と多官能性モノマー10〜0.1重量%からなる反応性モノマー100重量部を、疎水部にベンゼン環を有し、親水部にエチレンオキサイドが2〜9モル付加重合されてなる、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩又はポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム塩であるアニオン系界面活性剤0.1〜10重量部の存在下に乳化重合することを特徴とするアクリル系共重合体ラテックスの製造方法。
  2. 単独重合体のガラス転移温度が−140℃〜−60℃であるアルキル(メタ)アクリレート99〜99.9重量%と多官能性モノマー1〜0.1重量%とからなる反応性モノマー100重量部を、疎水部にベンゼン環を有し、親水部にエチレンオキサイドが2〜9モル付加重合されてなる、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩又はポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム塩であるアニオン系界面活性剤0.1〜10重量部の存在下に乳化重合した後、得られたコア重合体40〜90重量%に、単独重合体のガラス転移温度が−55℃〜0℃であるアルキル(メタ)アクリレート90〜98.5重量%と多官能性モノマー10〜1.5重量%よりなる混合モノマー60〜10重量%を、コア重合体と混合モノマーの合計100重量部に対し、疎水部にベンゼン環を有し、親水部にエチレンオキサイドが2〜9モル付加重合されてなる、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム塩又はポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸ナトリウム塩であるアニオン系界面活性剤0.1〜10重量部の存在下にグラフト共重合してシェル層を形成することを特徴とするアクリル系共重合体ラテックスの製造方法。
  3. 請求項1または2記載のアクリル系共重合体1〜30重量%に塩化ビニルを主成分とするビニルモノマー99〜70重量%をグラフト共重合すること特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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