JPH10168135A - 塩化ビニル系グラフト共重合体 - Google Patents

塩化ビニル系グラフト共重合体

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JPH10168135A
JPH10168135A JP9593797A JP9593797A JPH10168135A JP H10168135 A JPH10168135 A JP H10168135A JP 9593797 A JP9593797 A JP 9593797A JP 9593797 A JP9593797 A JP 9593797A JP H10168135 A JPH10168135 A JP H10168135A
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JP
Japan
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weight
vinyl chloride
monomer
copolymer
graft
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Pending
Application number
JP9593797A
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English (en)
Inventor
Tadashi Shinko
忠 新子
Hidefumi Morita
英文 森田
Kenichi Matsumura
健一 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温時においても耐衝撃性に優れ、適度の可
撓性を有する成形品を与える塩化ビニル系グラフト共重
合体を提供する。 【解決手段】 単独重合体の二次転移点が−140〜−
20℃未満である(メタ)アクリレート系モノマー10
0重量部と、多官能モノマー0.1〜15重量部とから
なるアクリル系共重合体(A)50〜99.5重量%
と、単独重合体の二次転移点が−20℃以上である(メ
タ)アクリレート系モノマーからなるアクリル系重合体
(B)50〜0.5重量%からなるアクリル系重合体組
成物30〜60重量部に対し、塩化ビニル70〜40重
量部がグラフト共重合されてなることを特徴とする塩化
ビニル系グラフト共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩化ビニル系グラフ
ト共重合体に関し、更に詳しくは、低温時においても耐
衝撃性に優れ、適度の可撓性を有する成形品を与える塩
化ビニル系グラフト共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、耐候性、耐薬品性
に優れていること等から広範な用途に供されている。し
かし、撓み性や耐衝撃性に乏しく、これらの強度を要す
る用途、例えば、耐震性を要する配管等には用いること
ができない等の制約を有するものである。塩化ビニル系
樹脂に可撓性を与える方法として、例えば、特開昭49
−74727号公報等に、可塑剤を配合する方法が開示
されているが、この方法では、クリープ強度が低下し、
更に、低温時には耐衝撃性も十分に与えられないという
欠点がある。
【0003】又、塩化ビニル系樹脂の耐衝撃性を改善す
る方法として、例えば、特開昭60−255813号公
報に、架橋されたアクリル系共重合体に塩化ビニルがグ
ラフト共重合された塩化ビニル系樹脂の製造方法が開示
されている。しかし、特開昭60−255813号公報
に開示された方法によって得られる塩化ビニル系樹脂も
撓み性や耐衝撃性を十分に改善するに至っていない。
【0004】耐衝撃性を改善する他の方法として、例え
ば、特開昭51−6293号公報に、乳化重合によって
アクリル系共重合体に塩化ビニルをグラフト共重合する
塩化ビニル系樹脂の製造方法が開示されている。しか
し、特開昭51−6293号公報に開示された方法によ
って得られる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂の
改質剤を目的にした技術であって、上記塩化ビニル系樹
脂を単独で成形して得られる成形品の撓み性や耐衝撃性
は共に十分なものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の事実
に鑑みなされたものであって、その目的とするところ
は、低温時においても耐衝撃性に優れ、適度の可撓性を
有する成形品を与える塩化ビニル系グラフト共重合体を
提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
単独重合体の二次転移点が−140〜−20℃未満であ
る(メタ)アクリレート系モノマー100重量部と、多
官能モノマー0.1〜15重量部とからなるアクリル系
共重合体(A)50〜99.5重量%と、単独重合体の
二次転移点が−20〜180℃である(メタ)アクリレ
ート系モノマーからなるアクリル系重合体(B)0.5
〜50重量%よりなるアクリル系重合体組成物30〜6
0重量部に対し、塩化ビニル70〜40重量部がグラフ
ト共重合されてなることを特徴とする塩化ビニル系グラ
フト共重合体をその要旨とするものである。
【0007】上記単独重合体の二次転移点(Tg)が−
140〜−20℃未満である(メタ)アクリレート系モ
ノマーは、特に限定されるものではないが、例えば、エ
チルアクリレート(Tg=−24℃、以下括弧内に温度
のみ示す)、n−プロピルアクリレート(−37℃)、
n−ブチルアクリレート(−54℃)、イソブチルアク
リレート(−24℃)、sec−ブチルアクリレート
(−21℃)、n−ヘキシルアクリレート(−57
℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(−85℃)、
n−オクチルアクリレート(−85℃)、n−オクチル
メタクリレート(−25℃)、イソオクチルアクリレー
ト(−45℃)、n−ノニルアクリレート(−63
℃)、n−ノニルメタクリレート(−35℃)、イソノ
ニルアクリレート(−85℃)、n−デシルアクリレー
ト(−70℃)、n−デシルメタクリレート(−45
℃)、ラウリルメタクリレート(−65℃)等が挙げら
れる。
【0008】本発明においてアクリル系共重合体(A)
に用いられる(メタ)アクリレート系モノマーの単独重
合体のTgが−140未満であると、得られる塩化ビニ
ル系グラフト共重合体から成形される製品の引張強度、
曲げ弾性率等の機械的強度が充分に得られないおそれが
あり、−20℃以上であると、可撓性及び耐衝撃性が充
分に得られない。
【0009】上記多官能モノマーは、例えば、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリレート類、ジアリルフタレート、ジアリルマレー
ト、ジアリルフマレート、ジアリルサクシネート、トリ
アリルイソシアヌレート等のアリル化合物、ジビニルベ
ンゼン等のジビニル化合物、ブタジエン等のジエン類が
挙げられる。これらの多官能モノマーは単独で用いられ
てもよく、又、2種以上が併用されてもよい。
【0010】上記アクリル系共重合体(A)は、上記単
独重合体のTgが−140〜−20℃未満である(メ
タ)アクリレート系モノマー100重量部と、多官能モ
ノマー0.1〜15重量部のモノマー重量比で共重合し
て得られる。上記多官能モノマーの共重合比が、上記単
独重合体のTgが−140〜−20℃未満である(メ
タ)アクリレート系モノマー100重量部に対し、0.
1重量部より少ないと、得られる塩化ビニル系グラフト
共重合体を用いて成形された製品の耐衝撃性を十分に改
善することができない。又、15重量部をより多いと、
堅く脆い成形品となって、耐衝撃性も低下し、可撓性が
著しく低下するので、上記の如く単独重合体のTgが−
20℃未満である(メタ)アクリレート系モノマー10
0重量部に対し、0.1〜15重量部に限定され、好ま
しくは0.1〜10重量部である。
【0011】上記単独重合体のTgが−20〜180℃
である(メタ)アクリレート系モノマーは、特に限定さ
れるものではないが、例えば、メチルアクリレート(T
g=103℃、以下括弧内に温度のみ示す)、メチルメ
タクリレート(105℃)、エチルメタクリレート(6
5℃)、n−プロピルメタクリレート(35℃)、イソ
プロピルアクリレート(−6℃)、イソプロピルメタク
リレート(81℃)、n−ブチルメタクリレート(20
℃)、イソブチルメタクリレート(53℃)、sec−
ブチルメタクリレート(107℃)、t−ブチルアクリ
レート(37℃)、t−ブチルメタクリレート(107
℃)、n−ヘキシルメタクリレート(−5℃)、シクロ
ヘキシルアクリレート(15℃)、シクロヘキシルメタ
クリレート(83℃)等のアルキル(メタ)アクリレー
ト類、2−ヒドロキシエチルアクリレート(−15
℃)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(55
℃)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(−7
℃)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(75
℃)、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸等が挙げ
られる。これらの(メタ)アクリレート系モノマーは単
独で用いられてもよく、又、2種以上が併用されてもよ
い。
【0012】上記アクリル系共重合体(B)に用いられ
る(メタ)アクリレート系モノマーの単独重合体のTg
が−20未満であると、得られる塩化ビニル系グラフト
共重合体から成形される製品の引張強度、曲げ弾性率等
の機械的強度が充分に得られないおそれがあり、180
℃を超えると、可撓性及び耐衝撃性が充分に得られな
い。
【0013】上記アクリル系共重合体(B)は、必要に
応じて、上記アクリル系共重合体(A)と同様に(メ
タ)アクリレート系モノマーと多官能モノマーを共重合
させたものであってもよい。上記アクリル系共重合体
(B)における多官能モノマーの共重合比は、上記アク
リル系共重合体(A)におけると同等かそれ以下、好ま
しくは上記(メタ)アクリレート系モノマー100重量
部に対し、5重量部以下である。
【0014】上記アクリル系共重合体(A)及びアクリ
ル系共重合体(B)を得る方法は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重
合法等が挙げられる。中でも乳化重合法は、得られるア
クリル系共重合体の粒子径を制御し易いので好ましい重
合法である。又、上記乳化重合法についても特に限定さ
れるものではなく、一括重合法、モノマー添加法、エマ
ルジョン滴下法等の公知方法が適宜選択使用できる。上
記重合に際し、必要に応じて、乳化分散剤、重合開始
剤、pH調整剤、酸化防止剤等が使用される。
【0015】上記乳化分散剤としては、例えば、アニオ
ン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、部分けん化ポ
リビニルアルコール、セルロース系分散剤、ゼラチン等
が挙げられる。重合開始剤としては、例えば、過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素等の水溶性重
合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド等の有機過酸化物系重合開始剤、アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物系重合開始剤が挙げら
れる。
【0016】上記の如くして得られたアクリル系共重合
体(A)を50〜99.5重量%とアクリル系共重合体
(B)を50〜0.5重量%の比率で配合され、アクリ
ル系共重合体組成物が作製される。上記アクリル系共重
合体組成物において、アクリル系共重合体(B)の配合
比率が、0.5重量%より少ないと、得られる塩化ビニ
ル系グラフト共重合体を用いて成形された製品のクリー
プ強度等の機械的強度が低下し、50重量%より多い
と、得られる上記成形品の耐衝撃性が低下するので上記
配合比率に限定される。
【0017】次いで、上記アクリル系共重合体組成物3
0〜60重量部に対し、塩化ビニル70〜40重量部が
グラフト共重合される。上記塩化ビニルのグラフト共重
合量が、上記アクリル系共重合体組成物30〜60重量
部に対し70重量部より多いと、得られる塩化ビニル系
グラフト共重合体を用いて成形された製品の耐衝撃性及
び可撓性が低下し、40重量部より少ないと、得られる
上記成形品のクリープ強度等の機械的強度が低下するの
で上記グラフト共重合量に限定される。更に好ましいグ
ラフト共重合量は、上記アクリル系共重合体組成物30
〜45重量部に対し、塩化ビニル70〜55重量部であ
る。
【0018】上記アクリル系共重合体組成物に塩化ビニ
ルをグラフト共重合する方法は、特に限定されるもので
はないが、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合
法等が挙げられる。就中、懸濁重合法は塩化ビニル系グ
ラフト共重合体の生産性が高いので好適に用いることが
できる。
【0019】上記グラフト共重合反応は、ラジカル重合
法で行うのが好ましい。使用されるラジカル重合開始剤
としては、例えば、ラウロイルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジオクチルパーオキシジカーボネート
等の有機過酸化物類、2,2−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル等のアゾ化合物等の油溶性重合開始剤が挙げられ
る。これらは単独で用いられてもよく、又、2種以上が
併用されてもよい。
【0020】上記アクリル系共重合体組成物に塩化ビニ
ルを懸濁重合法によってグラフト共重合させる場合、例
えば、ジャケット付き重合反応器内に純水、油溶性重合
開始剤、上記アクリル系共重合体組成物の乳化水、分散
剤等の懸濁安定剤、必要に応じて重合度調整剤を入れ、
反応器内を密封して内部の空気を排除した後、反応器内
を攪拌しながら塩化ビニルモノマー及び必要に応じてそ
の他のビニルモノマーを加え、反応器内を所定温度に昇
温してグラフト共重合を開始させる。ジャケット内の熱
媒によって反応器内を所定温度に調節しながら反応を終
了させる。反応終了後、未反応の塩化ビニルモノマー及
びその他のビニルモノマーを除去し、スラリー状の塩化
ビニル系グラフト共重合体を得る。これを脱水、乾燥し
て塩化ビニル系グラフト共重合体製品とする。
【0021】得られる塩化ビニル系グラフト共重合体の
重合度は、特に限定されるものではないが、上記重合度
が、小さ過ぎると得られる成形品の耐衝撃性が低下し、
大き過ぎると成形性が低下し、得られる成形品が堅く脆
くなるので、用いられる用途毎に、600〜2500の
範囲で適宜設定される。
【0022】上記塩化ビニル系グラフト共重合体は、単
独で成形材料として用いられるが、その他、塩化ビニル
系樹脂の改質剤として用いることもできる。又、上記塩
化ビニル系グラフト共重合体を成形材料として用いる場
合、該塩化ビニル系グラフト共重合体に、必要に応じ
て、安定剤、安定化助剤、滑剤、離型剤、充填剤、着色
剤や可塑剤等の各種加工助剤等が添加されるが、これら
の添加剤は、通常用いられている塩化ビニル系樹脂と同
様に添加することができる。又、上記塩化ビニル系グラ
フト共重合体は、押出成形法、射出成形法、吹込成形
法、真空成形法、カレンダー成形法、プレス成形法等、
通常用いられている塩化ビニル系樹脂と同様に成形でき
る。
【0023】請求項2記載の発明は、単独重合体の二次
転移点が−140〜−20℃未満である(メタ)アクリ
レート系モノマーを50〜99.9重量%と、1分子中
に重合性二重結合を少なくとも3個以上有する多官能モ
ノマー0.1〜10重量%を構成成分として有し、該多
官能モノマーによって架橋されたアクリル系重合体30
〜60重量部に対し、塩化ビニル70〜40重量部がグ
ラフト共重合されてなることを特徴とする塩化ビニル系
グラフト共重合体をその要旨とするものである。
【0024】上記単独重合体のTgが−140〜−20
℃未満である(メタ)アクリレート系モノマーは、請求
項1記載の発明で用いられた当該(メタ)アクリレート
系モノマーが同様に用いられる。又、用いられる(メ
タ)アクリレート系モノマーの単独重合体のTgが−1
40〜−20℃未満であるものに限定した理由も請求項
1記載の発明において述べた理由に因る。
【0025】上記(メタ)アクリレート系モノマー成分
の含有比率が50重量%より少ないと、得られる塩化ビ
ニル系グラフト共重合体を用いて成形した製品に適度の
可撓性と耐衝撃性を付与することが難しい。又、99.
9重量%より多いと、低温時の耐衝撃性を付与すること
が難しい。上記(メタ)アクリレート系モノマー成分の
好ましい含有比率は、80〜99.9重量%である。
【0026】上記単独重合体のTgが−140〜−20
℃未満である(メタ)アクリレート系モノマーの一部
を、これと共重合し得るコモノマーに替えて含んでいて
もよい。上記コモノマーとしては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー類、アクリロ
ニトリル等の不飽和ニトリル類、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等のビニルエステル類等が挙げられる。これ
らは、単独で用いられてもよいが、2種以上が併用され
てもよい。上記アクリル系重合体における上記コモノマ
ーの含有比率は、可撓性及び耐衝撃性強化等の観点か
ら、49.9重量%以下、好ましくは30重量%以下で
ある。
【0027】上記1分子中に重合性二重結合を少なくと
も3個以上有する多官能モノマーは、上記(メタ)アク
リレート系モノマーと共重合し得るものであれば特に限
定されるものではないが、例えば、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら
は、単独で用いられてもよいが、2種以上が併用されて
もよい。
【0028】上記アクリル系重合体は、上記単独重合体
のTgが−140〜−20℃未満である(メタ)アクリ
レート系モノマーを50〜99.9重量%と、1分子中
に重合性二重結合を少なくとも3個以上有する多官能モ
ノマー0.1〜10重量%のモノマー成分比で共重合し
て得られる。上記(メタ)アクリレート系モノマーの共
重合比が50重量%より少ないと、得られる塩化ビニル
系グラフト共重合体を用いて成形された製品の耐衝撃性
を十分に改善することができない。又、99.9重量%
より多いと、上記成形品の低温時の耐衝撃性を十分に改
善することができないし、加えて、上記成形品表面がべ
たついたり、曇りが生ずるおそれがある。上記(メタ)
アクリレート系モノマーのより好ましい共重合比は80
〜99.9重量%である。
【0029】又、上記多官能モノマーの共重合比が0.
1重量%より少ないと、得られる塩化ビニル系グラフト
共重合体を用いて成形された製品の耐衝撃性を十分に改
善することができないし、加えて、上記成形品表面がべ
たついたり、曇りが生ずるおそれがある。又、上記多官
能モノマーの共重合比が10重量%より多いと、堅く脆
い成形品となって、耐衝撃性も低下し、可撓性が著しく
低下する。上記多官能モノマーのより好ましい共重合比
は、0.1〜5重量%である。
【0030】上記アクリル系重合体を得る方法は、請求
項1記載の発明で用いた重合手段が同様に用いることが
できる。上記(メタ)アクリレート系モノマーと1分子
中に重合性二重結合を少なくとも3個以上有する多官能
モノマーの共重合反応によって得られるアクリル系重合
体は、上記多官能モノマーの種類や含有率によって分子
内や分子間の架橋の度合いが異なるが、これらの架橋の
度合い、即ち、架橋率は、例えば、溶剤としてテトラヒ
ドロフラン(THF)を用いて上記アクリル系重合体を
溶解した場合の不溶物量で評価することができる。上記
アクリル系重合体の架橋率は、30〜100重量%であ
ることが好ましい。上記架橋率が30重量%より少ない
場合は、得られる塩化ビニル系グラフト共重合体を用い
て成形された製品の耐衝撃性を十分に改善することがで
きないし、加えて、上記成形品表面がべたついたり、曇
りが生ずるおそれがある。
【0031】次いで、上記アクリル系重合体30〜60
重量部に対し、塩化ビニル70〜40重量部がグラフト
共重合される。上記アクリル系重合体に塩化ビニルをグ
ラフト共重合させて塩化ビニル系グラフト共重合体を得
る方法は、請求項1記載の発明で用いた重合手段が同様
に用いることができる。又、上記アクリル系重合体と塩
化ビニルのグラフト共重合量を上記の範囲に限定した理
由も、請求項1記載の発明において述べた理由に因る。
【0032】請求項3記載の発明は、単独重合体の二次
転移点が−140〜−60℃のアクリレート系モノマー
を少なくとも50重量%以上構成成分として有するアク
リル系重合体からなるコア部と、単独重合体の二次転移
点が−55〜180℃の(メタ)アクリレート系モノマ
ー50〜99重量%と、多官能モノマー1〜15重量%
を構成成分として有するアクリル系共重合体からなり、
上記コア部を覆い、且つ、架橋構造が形成されたシェル
部とからなるアクリル系共重合体粒子に、塩化ビニルが
グラフト共重合されてなる塩化ビニル系グラフト共重合
体の上記コア部におけるアクリル系重合体とシェル部に
おけるアクリル系重合体の重量比率が95〜30重量%
/5〜70重量%であり、且つ、アクリル系共重合体か
らなる樹脂粒子30〜60重量%に対しグラフト重合さ
れる塩化ビニルが40〜70重量%であることを特徴と
する塩化ビニル系グラフト共重合体をその要旨とするも
のである。
【0033】上記コア部のアクリル系重合体を構成する
単独重合体のTgが−140〜−60℃であるアクリレ
ート系モノマーは、特に限定さるものではないが、例え
ば、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチルアクリレ
ート(Tg=−65℃、以下括弧内に温度のみ示す)、
2−メチルヘプチルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート(−85℃)、n−ノニルアクリレート、
イソノニルアクリレート(−85℃)、2−メチルオク
チルアクリレート、2−エチルヘプチルアクリレート
(−60℃)、2−エチルオクチルアクリレート、2−
メチルノニルアクリレート、n−デシルアクリレート
(−70℃)、ラウリルメタクリレート(−65℃)等
があげられる。これらは、単独で用いられてもよいが、
2種以上が併用されてもよい。上記アクリレート系モノ
マーは、その単独重合体のTgが−60℃より高いと、
得られる塩化ビニル系グラフト共重合体を用いて成形さ
れた製品の低温における耐衝撃性を十分に改善すること
ができない。又、−140℃未満であると、引張強度等
の機械的強度が充分に得られないおそれがある。
【0034】上記アクリレート系モノマー成分の含有比
率が50重量%より少ないと、得られる塩化ビニル系グ
ラフト共重合体を用いて成形した製品に適度の可撓性と
耐衝撃性を付与することが難しい。又、99重量%より
多いと、低温時の耐衝撃性を付与することが難しい。上
記(メタ)アクリレート系モノマー成分の好ましい含有
比率は、80〜99重量%である。
【0035】上記コア部のアクリル系重合体を構成する
単独重合体のTgが−140〜−60℃であるアクリレ
ート系モノマーの一部を、これと共重合し得るコモノマ
ーに替えて含んでいてもよい。上記コモノマーとして
は、特に限定されるものではないが、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチルメタクリレート、n−プ
ロピルメタクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メ
タ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビ
ニルモノマー類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル
類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル類等が挙げられる。これらは、単独で用いられてもよ
いが、2種以上が併用されてもよい。上記アクリル系重
合体における上記コモノマーの含有比率は、耐衝撃性、
可撓性強化等の観点から、49.9重量%以下、好まし
くは30重量%以下である。
【0036】更に、上記コア部のアクリル系重合体を構
成する単独重合体のTgが−140〜−60℃であるア
クリレート系モノマーの一部を、これと共重合し得る多
官能モノマーに替えて含んでいてもよい。上記多官能モ
ノマーとしては、請求項1記載もしくは請求項2記載の
発明で用いられた多官能モノマーが同様に用いられる。
上記多官能モノマーの含有量は、多過ぎると、得られる
塩化ビニル系グラフト共重合体を用いて成形された製品
が堅く脆くなって、耐衝撃性も低下し、可撓性が著しく
低下するので、上記アクリル系重合体の2重量%以下で
あることが好ましい。
【0037】上記シェル部のアクリル系共重合体を構成
するTgが−55〜180℃である(メタ)アクリレー
ト系モノマーは、特に限定さるものではないが、例え
ば、メチルアクリレート(Tg=103℃、以下括弧内
に温度のみ示す)、メチルメタクリレート(105
℃)、エチルメタクリレート(65℃)、n−プロピル
メタクリレート(35℃)、イソプロピルアクリレート
(−6℃)、イソプロピルメタクリレート(81℃)、
n−ブチルメタクリレート(20℃)、イソブチルメタ
クリレート(53℃)、sec−ブチルメタクリレート
(107℃)、t−ブチルアクリレート(33℃)、t
−ブチルメタクリレート(107℃)、n−ヘキシルメ
タクリレート(−5℃)、シクロヘキシルアクリレート
(15℃)、シクロヘキシルメタクリレート(83
℃)、n−ヘプチルメタクリレート、2−メチルヘキシ
ルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、n−ノニルメタクリレ
ート、2−メチルオクチルメタクリレート、2−エチル
ヘプチルメタクリレート、n−デシルメタクリレート
(−45℃)等のアルキル(メタ)アクリレート類、2
−ヒドロキシエチルアクリレート(−15℃)、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート(55℃)、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート(−7℃)、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート(75℃)等が挙げられる。こ
れらは、単独で用いられてもよいが、2種以上が併用さ
れてもよい。上記(メタ)アクリレート系モノマーは、
その単独重合体のTgが−55℃より低いと、得られる
塩化ビニル系グラフト共重合体を用いて成形された製品
の表面にべたつきが生じ、又、成形時に金型の成形面を
汚染する等の恐れがある。又、180℃を超えると上記
可撓性及び耐衝撃性が充分に得られない。
【0038】上記シェル部のアクリル系共重合体を構成
するTgが−55〜180℃である(メタ)アクリレー
ト系モノマーの含有比率は、シェル部を構成するアクリ
ル系共重合体の50重量%より少ないと、上記コア部を
一体に被覆する際のグラフト共重合反応の反応性が低下
して、充分なるグラフト共重合反応が行われず、得られ
る塩化ビニル系グラフト共重合体粒子に、必要な3次元
架橋構造を形成することが困難になる。その結果、上記
塩化ビニル系グラフト共重合体の分散性が悪く、組成が
不均一なものとなるため、これを用いて成形された成形
品の耐衝撃性が低下する。
【0039】又、上記シェル部のアクリル系共重合体を
構成するTgが−55〜180℃である(メタ)アクリ
レート系モノマーの一部を、これと共重合し得るコモノ
マーに替えて含んでいてもよい。上記コモノマーとして
は、特に限定されるものではないが、例えば、前記する
コア部のアクリレート系モノマーのコモノマーとして用
いられたモノマーが同様に使用することができる。上記
コモノマー成分の含有比率は、上記可撓性及び耐衝撃性
の観点から、上記シェル部のアクリル系共重合体の49
重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
【0040】又、上記シェル部のアクリル系共重合体を
構成する多官能モノマーとしては、請求項1記載もしく
は請求項2記載の発明で用いられた多官能モノマーが同
様に用いられる。上記多官能モノマーの含有比率は、上
記アクリル系共重合体の1〜15重量%である。上記含
有比率が1重量%より少ないと、充分な架橋が行われな
いので、上記シェル部のアクリル系共重合体の3次元架
橋構造が充分に形成されず、そのため上記アクリル系共
重合体の層状粒子の形成が不安定なものとなる。よっ
て、得られる塩化ビニル系グラフト共重合体の組成が不
均一なものとなり、分散性が悪く、これを用いて成形さ
れた成形品の耐衝撃性が低下する。又、上記含有比率が
15重量%より多いと、架橋密度が過多となり、上記ア
クリル系共重合体の柔軟性、衝撃吸収性が低下し、上記
成形品の適度の可撓性と低温時の耐衝撃性が損なうおそ
れがある。上記多官能モノマーの好ましい含有比率は、
上記アクリル系共重合体の1.5〜6重量%である。
【0041】上記コア部と該コア部の表面に三次元架橋
構造を形成してなるシェル部のアクリル系共重合体を得
る方法は、特に限定されるものではないが、例えば、乳
化重合法、懸濁重合法、分散重合法によって得ることが
できるが、中でも、乳化重合法が、上記アクリル系共重
合体の分散安定性を高めるので好ましい。上記乳化重合
法としは、特に限定されるものではなうが、モノマーの
滴下方法で分類される一括重合法、モノマー添加法、エ
マルジョン滴下法等がいずれも用いることができる。
【0042】上記アクリル系重合体のコア/シェルの多
層構造の粒子を形成するためには、は、例えば、コア部
からシェル部に到る複数層を構成する乳化モノマー液を
その構成の順序で供給し、逐次重合していく方法が挙げ
られる。即ち、上記コア部を構成するアクリル系モノマ
ー、必要に応じて多官能モノマー、純水及び乳化剤等か
ら調製された乳化モノマーを反応容器内に投入し、重合
反応を行い、コア部となるアクリル系共重合体を形成す
る。次いで、シェル部を構成するアクリル系モノマー、
多官能モノマー、純水及び乳化剤等から調製された乳化
モノマーを添加し、上記コア部となるアクリル系共重合
体にグラフト共重合させる。このようにして作製された
アクリル系共重合体粒子は、上記コア部の表面をシェル
部を構成するアクリル系共重合体が三次元的に覆い、コ
ア部の表層とシェル部の内層において両アクリル系共重
合体が部分的に重合すると共に、上記シェル部のアクリ
ル系共重合体は、三次元架橋構造を形成する。上記シェ
ル部のアクリル系共重合体グラフト重合反応は、上記コ
ア部のアクリル系共重合体の重合過程で連続して行われ
てもよい。
【0043】上記アクリル系重合体のコア/シェルの多
層構造の粒子のコア/シェル重量比率は、コア部を構成
するアクリル系共重合体95〜30重量%、シェルを構
成するアクリル系共重合体5〜70重量%に限定され
る。上記シェルを構成するアクリル系共重合体が5重量
%より少ない場合、得られる塩化ビニル系グラフト共重
合体を用いて成形された製品の表面にベタツキを生じた
り、成形に際して成形機の汚染が著しくなる。又、70
重量%より多いと、特に、上記成形品の低温下での耐衝
撃性が低下する。シェルを構成するアクリル系共重合体
の好ましい重量比率は、30〜60重量%である。
【0044】次いで、上記アクリル系重合体30〜60
重量部に対し、塩化ビニル70〜40重量部がグラフト
共重合される。上記アクリル系重合体に塩化ビニルをグ
ラフト共重合させて塩化ビニル系グラフト共重合体を得
る方法は、請求項1記載の発明で用いた重合手段が同様
に用いることができる。又、上記アクリル系重合体と塩
化ビニルのグラフト共重合量を上記の範囲に限定した理
由も、請求項1記載の発明において述べた理由に因る。
【0045】請求項4記載の発明は、単独重合体の二次
転移点が−140〜−20℃未満である(メタ)アクリ
レート系モノマーを50〜99.9%と、多官能モノマ
ー0.1〜10重量%からなるアクリル系共重合体30
〜60重量部に対し、塩化ビニル70〜40重量部がグ
ラフト共重合されてなり、塩化ビニルがグラフト共重合
されるアクリル系共重合体の粒子が、平均粒子径0.1
μm未満の粒子10〜90重量%と、平均粒子径0.1
2μm以上の粒子90〜10重量%の混合物からなるこ
とを特徴とする塩化ビニル系グラフト共重合体をその要
旨とするものである。
【0046】単独重合体のTgが−140〜−20℃未
満である(メタ)アクリレート系モノマーは、請求項1
記載の発明で用いられた当該(メタ)アクリレート系モ
ノマーが同様に用いられる。又、用いられる(メタ)ア
クリレート系モノマーの単独重合体のTgが−140〜
−20℃未満であるものに限定した理由も、請求項1記
載の発明において述べた理由に因る。
【0047】上記(メタ)アクリレート系モノマー成分
の含有比率が50重量%より少ないと、得られる塩化ビ
ニル系グラフト共重合体を用いて成形した製品に適度の
可撓性と耐衝撃性を付与することが難しい。又、99.
9重量%より多いと、低温時の耐衝撃性を付与すること
が難しい。上記(メタ)アクリレート系モノマー成分の
好ましい含有比率は、80〜99.9重量%である。
【0048】上記単独重合体のTgが−140〜−20
℃未満である(メタ)アクリレート系モノマーの一部
を、これと共重合し得るコモノマーに替えて含んでいて
もよい。上記コモノマーとしては、請求項1記載の発明
において、当該コモノマーとして用いられコモノマー同
様に用いられる。上記アクリル系重合体における上記コ
モノマーの含有比率は、可撓性及び耐衝撃性強化等の観
点から、49.9重量%以下、好ましくは30重量%以
下である。
【0049】又、多官能モノマーは、請求項1記載もし
くは請求項2記載の発明で用いられた多官能モノマーが
同様に用いられる。上記多官能モノマーの共重合比が
0.1重量%より少ないと、得られる塩化ビニル系グラ
フト共重合体を用いて成形された製品の耐衝撃性を十分
に改善することができないし、加えて、上記成形品表面
がべたついたり、曇りが生ずるおそれがある。又、上記
多官能モノマーの共重合比が10重量%より多いと、堅
く脆い成形品となって、耐衝撃性も低下し、可撓性が著
しく低下する。上記多官能モノマーのより好ましい共重
合比は、0.1〜5重量%である。
【0050】上記アクリル系重合体は粒子状に形成され
る。このアクリル系重合体粒子を得る方法は、請求項1
記載の発明で用いた重合手段が同様に用いることができ
る。上記アクリル系重合体粒子は、単一層からなるアク
リル系重合体粒子であってもよいが、アクリル系重合体
粒子の表層部と内部のモノマー組成や架橋構造が異な
る、請求項3記載の発明において用いられた所謂コア/
シェル構造のアクリル系重合体粒子であってもよい。
【0051】上記塩化ビニル系グラフト共重合体は、上
記塩化ビニルがグラフト共重合されるアクリル系重合体
粒子の平均粒子径が0.1μm未満のもの(小粒子径粒
子)10〜90重量%と、平均粒子径が0.12μm以
上のもの(大粒子径粒子)90〜10重量%とからなる
平均粒子径が異なる2つの群のアクリル系重合体粒子の
混合物30〜60重量部に対し、塩化ビニル70〜40
重量部がグラフト共重合されてなるものである。
【0052】上記平均粒子径が0.1μm未満のアクリ
ル系重合体粒子の混合比率が10重量%より少なくて
も、又、90重量%より多くても、得られる塩化ビニル
系グラフト共重合体を用いて成形した製品の引張り強さ
及びクリープ強度が低下する。又、特に、上記アクリル
系重合体粒子の大粒子径粒子の平均粒子径が大きくなり
過ぎると、分散性が悪く、上記成形品の機械強度が低下
するので、大粒子径粒子の平均粒子径は、0.12〜
0.25μmが好ましい。
【0053】上記アクリル系重合体粒子の粒子径の制御
は、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル
系重合体の乳化重合のモノマー滴下法もしくはエマルジ
ョン滴下法において、モノマーもしくはエマルジョン液
の一部を部分重合し、次いで残部のモノマーもしくはエ
マルジョン液を重合する方法等が挙げられる。
【0054】上記アクリル系重合体粒子に塩化ビニルを
グラフト共重合させて塩化ビニル系グラフト共重合体を
得る手段は、請求項1記載の発明で用いた重合手段が同
様に用いることができる。又、上記アクリル系重合体粒
子と塩化ビニルのグラフト共重合量を上記の範囲に限定
した理由も請求項1記載の発明において述べた理由に因
る。
【0055】請求項5記載の発明は、単独重合体の二次
転移点が30〜180℃である(メタ)アクリレート系
モノマーと多官能モノマーとからなる共重合体(X)の
粒子表面層に、単独重合体の二次転移点が−140〜3
0℃未満である(メタ)アクリレート系モノマーと多官
能モノマーがグラフト共重合され、グラフト共重合体層
(Y)が形成されてなり、更に、上記グラフト共重合体
層(Y)の表面層に、単独重合体の二次転移点が30℃
以上である(メタ)アクリレート系モノマーと多官能モ
ノマーがグラフト共重合され、グラフト共重合体層
(Z)が形成されてなる構成成分が異なる共重合体層が
3層のコア/シェル状に積層された粒子表面に、該3層
のコア/シェル状に積層された粒子を構成するアクリル
系共重合体30〜60重量%に対し、塩化ビニル70〜
40重量%がグラフト共重合されてなることを特徴とす
る塩化ビニル系グラフト共重合体をその要旨とするもの
である。
【0056】本発明で用いられる上記単独重合体のTg
が30〜180℃であるラジカル重合性モノマーは、特
に限定されるものではないが、例えば、請求項1記載の
発明において、単独重合体のTgが−20℃以上である
(メタ)アクリレート系モノマーとして例示した、メチ
ルアクリレート、t−ブチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタ
クリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチル
メタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−
ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートやスチレン(Tg=100
℃、以下括弧内に温度のみ示す)、α−メチルスチレン
(168℃)、p−メチルスチレン(93℃)、p−ク
ロロスチレン(130℃)等の芳香族ビニルモノマー、
アクリロニトリル(97℃)等の不飽和ニトリル、酢酸
ビニル(32℃)等のビニルエステル等が挙げられる。
【0057】第1層(X)及び第3層(Z)に用いられ
る上記単独重合体のTgが30〜180℃であるラジカ
ル重合性モノマーは同じものであっても異なったもので
あってもよい。
【0058】上記単独重合体のTgが30〜180℃で
あるラジカル重合性モノマーと後述する多官能性モノマ
ーとからなる共重合体は、得られる塩化ビニル系グラフ
ト共重合体のハードセグメントを構成し、上記塩化ビニ
ル系グラフト共重合体から成形される製品の常温の靱性
と可撓性を同時に付与し得るものであるが、上記第1層
(X)及び第3層(Z)を構成するラジカル重合性モノ
マーが、その単独重合体のTgが30℃未満であると、
上記常温の靱性が十分に得られないおそれがあり、又、
180℃を超えると、可撓性及び耐衝撃性が充分に得ら
れない。
【0059】又、上記単独重合体のTgが−140〜3
0℃未満である(メタ)アクリレート系モノマーは、特
に限定されるものではないが、例えば、請求項1〜請求
項4記載の発明において、単独重合体のTgが−140
〜−60℃である(メタ)アクリレート系モノマーとし
て例示した、n−ヘプチルアクリレート、n−オクチル
アクリレート、2−メチルヘプチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレー
ト、イソノニルアクリレート、2−メチルオクチルアク
リレート、2−エチルヘプチルアクリレート、2−エチ
ルオクチルアクリレート、2−メチルノニルアクリレー
ト、n−デシルアクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、単独重合体のTgが−55〜180℃である(メ
タ)アクリレート系モノマーとして例示した、n−デシ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロ
ヘキシルアクリレート、n−ブチルメタクリレート等が
挙げられる。
【0060】上記単独重合体のTgが−140〜30℃
未満である(メタ)アクリレート系モノマーと後述する
多官能性モノマーとからなる共重合体(Y)は、得られ
る塩化ビニル系グラフト共重合体のソフトセグメントを
構成し、上記単独重合体のTgが30℃以上であるラジ
カル重合性モノマーと多官能性モノマーとからなる共重
合体のハードセグメントが(X)/(Y)/(Z)と3
段に連なり、上記塩化ビニル系グラフト共重合体から成
形される製品の常温の靱性と可撓性を同時に付与し得る
ものであるが、上記第2層(Y)を構成する(メタ)ア
クリレート系モノマーが、その単独重合体のTgが30
℃以上であると、上記可撓性及び耐衝撃性が十分に得ら
れない。又、−140℃未満であると引張強度等の機械
的強度が十分に得られないおそれがある。
【0061】上記多官能モノマーは、上記単独重合体の
Tgが30〜180℃であるラジカル重合性モノマー及
び単独重合体のTgが−140〜30℃未満である(メ
タ)アクリレート系モノマーと共重合し得るものであれ
ば特に限定されるものではなく、例えば、請求項1〜請
求項4の発明において用いられたものを同様に用いるこ
とができる。
【0062】上記第1層(X)及び第3層(Z)を構成
する上記単独重合体のTgが30〜180℃であるラジ
カル重合性モノマーに対する上記多官能モノマーの添加
量は、少ないと上記第1層(X)〜第3層(Z)の相混
合が起き易くなり、得られる塩化ビニル系グラフト共重
合体の耐衝撃強度が低下し、多くなると架橋密度が大き
くなり耐衝撃強度が得られにくくなるため、上記ラジカ
ル重合性モノマー100重量部に対して、多官能モノマ
ー0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.
3〜8重量部である。
【0063】上記3層のコア/シェル状に積層された粒
子を構成するアクリル系共重合体の第1層(X)〜第3
層(Z)の各層の重量比は、得られる塩化ビニル系グラ
フト共重合体の用途に応じて適宜設定されるが、耐衝撃
性に優れた製品を得るためには、第2層(Y)を構成す
るアクリル系共重合体100重量部に対し、好ましくは
第1層(X)を構成する共重合体5〜150重量部、第
3層(Z)を構成する共重合体10〜200重量部であ
る。
【0064】上記3層のコア/シェル状に積層されたア
クリル系共重合体粒子を得る手段は、特に限定されるも
のではないが、例えば、乳化重合法、懸濁重合法等が挙
げられるが、耐衝撃性のより優れた塩化ビニル系グラフ
ト共重合体を得るために、又、アクリル系共重合体粒子
の粒子径を制御し易いこと等から乳化重合法が好適に用
いられる。
【0065】又、上記乳化重合法によって、上記単独重
合体のTgが30〜180℃であるラジカル重合性モノ
マーと多官能モノマー、単独重合体のTgが−140〜
30℃未満である(メタ)アクリレート系モノマーと多
官能モノマーを、第1層(X)から第3層(Z)に順次
上記添加量及び各層の重量比に従って重合反応容器にフ
ィードしていき、共重合反応される。上記共重合反応に
おけるモノマー混合物の添加法等は、請求項1〜請求項
4の発明において用いられるいずれの方法も同様に用い
ることができる。
【0066】即ち、上記第1層(X)から第3層(Z)
の共重合反応は、連続して行われてもよいが、各層の共
重合反応が、各層毎に区切られて行われてもよい。しか
し、各層の共重合反応が、各層毎に区切って行い、重合
反応容器から重合中間体を回収したとき、その都度新た
に重合開始剤等を反応容器に添加する必要がある。又、
上記共重合反応において用いられる重合開始剤、pH調
製剤、酸化防止剤等は、請求項1〜請求項4の発明にお
いて用いられたものが同様に用いることができる。
【0067】請求項1記載の発明の塩化ビニル系グラフ
ト共重合体は、耐衝撃性成分として作用するアクリル系
共重合体(A)と剛性成分として作用するアクリル系共
重合体(B)の叙上の如きアクリル系共重合体組成物
に、塩化ビニルをグラフト共重合させることによって、
可撓性と剛性のバランスに優れ、且つ、低温時の耐衝撃
性に優れたものとなっている。
【0068】請求項2記載の発明の塩化ビニル系グラフ
ト共重合体は、特に、単独重合体のTgが−140〜−
20℃未満である(メタ)アクリレート系モノマーのコ
モノマーとして、1分子中に重合性二重結合を少なくと
も3個以上有する多官能モノマーを叙上の構成で用いる
ことにより、多量のゴム成分を有することに由来する表
面のベタツキ等を抑制した衛生的な材料であり、且つ、
可撓性と剛性のバランスに優れ、低温時の耐衝撃性に優
れるものとなっている。
【0069】請求項3記載の発明の塩化ビニル系グラフ
ト共重合体は、特に、叙上の構成のコア/シェル構造の
多層粒子とすることにより、就中、シェル部の多官能モ
ノマーによるアクリル系共重合体の架橋が、該アクリル
系共重合体粒子の安定化に寄与し、塩化ビニル系グラフ
ト共重合体中での分散性を高める作用を有し、結果とし
て、可撓性と剛性のバランスに優れ、且つ、低温時の耐
衝撃性に優れるものとなっているものと推定される。
【0070】請求項4記載の発明の塩化ビニル系グラフ
ト共重合体は、特に、叙上の構成の異なる2つの平均粒
子径のアクリル系共重合体粒子を用いることにより、就
中、上記小粒子径アクリル系共重合体粒子と大粒子径ア
クリル系共重合体粒子の二峰性分布のバランスを最適範
囲に設定することにより、該アクリル系共重合体粒子の
安定化に寄与し、塩化ビニル系グラフト共重合体中での
分散性を高める作用を有し、結果として、可撓性と剛性
のバランスに優れ、且つ、低温時の耐衝撃性に優れるも
のとなっているものと推定される。
【0071】請求項5記載の発明の塩化ビニル系グラフ
ト共重合体は、特に、叙上の構成成分の異なる共重合体
層が3層のコア/シェル状に積層されたアクリル系共重
合体粒子を用いることにより、就中、上記3層のコア/
セル状に積層されたアクリル系共重合体粒子の上記3層
を、剛−柔−剛の構成とすることにより、該アクリル系
共重合体を用いて成形された製品が、可撓性と剛性のバ
ランスに優れ、且つ、低温時の耐衝撃性に優れるものと
なっているものと推定される。
【0072】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。 (実施例1〜7)、(比較例1〜6) [アクリル系共重合体の調製]攪拌機、温度調整機を備
えた反応容器に、純水240重量部、表1及び表2に示
す種類と配合重量部数(表中、wt部と略記)のアルキ
ル(メタ)アルキレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート(以下、TMPAと略称する)と、高級ア
ルコール硫酸エステル塩1重量部及び過硫酸アンモニウ
ム0.1重量部を入れ、反応容器内を窒素置換後、攪拌
下に反応容器内を65℃に昇温し、5時間反応させて、
固形分30重量%のアクリル系共重合体(A)ラテック
スを得た。同様にして、表1に示す種類と配合(重量)
部数のアルキル(メタ)アルキレート(b)とTMPA
から、固形分30重量%のアクリル系共重合体(B)ラ
テックスを得た。
【0073】[塩化ビニル系グラフト共重合体の作製]
得られたアクリル系共重合体(A)及び(B)を表1に
示す配合(重量)部数で混合した後、攪拌機、温度調整
機を備えた反応容器に仕込み、更に、純水950重量
部、部分けん化ポリビニルアルコール1.5重量部、凝
集剤、t−ブチルパーオキシネオデカノエート及びα−
クミルパーオキシネオデカノエートを各々0.1重量部
添加し、反応容器内を真空ポンプで排出した後、攪拌下
に塩化ビニルモノマー310重量部を添加した。次い
で、反応容器内を50℃に昇温して重合を開始した。反
応容器内の圧力が所定の圧力に降下することで反応の終
了を確認し、未反応の塩化ビニルモノマーを排出して塩
化ビニル系グラフト共重合体スラリーを得た。これを脱
水、乾燥して塩化ビニル系グラフト共重合体を作製し
た。尚、塩化ビニル系グラフト共重合体中のアクリル系
共重合体量は、JIS K7229に準拠して塩化ビニ
ル系グラフト共重合体の塩素含有量から計算して求め
た。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】(試験片の作成)得られた塩化ビニル系グ
ラフト共重合体の各々100重量部に、以下に示す安定
剤1重量部及び滑剤0.3重量部を添加し、2本ロール
を用いて混練し、プレス成形機を用いて成形温度200
℃において厚さ2mmのシートを成形し、評価用の試験
片を作成した。 安定剤:有機錫系安定剤(三共有機社製、商品名「St
ann ONZ−142F」 滑剤:モンタン酸エステル(ヘキスト社製、商品名「W
AX OP」
【0077】(性能評価)上記塩化ビニル系グラフト共
重合体の性能を評価するため、上記試験片について、引
張クリープ、撓み性及び耐衝撃性を以下に示す方法で試
験した。試験結果は表3に示す。 1.引張クリープ:JIS K 7115に準拠し、3
0℃で150kgf/cm2 の負荷をかけた際の破断時
間を測定した。 2.撓み性:JIS K 7203に準拠し、曲げ弾性
率を測定した。 3.耐衝撃性:JIS K 7110に準拠し、−10
℃におけるアイゾット衝撃試験を行い、衝撃強度を測定
した。
【0078】
【表3】
【0079】実施例1〜7の塩化ビニル系グラフト共重
合体から得られたシートは、いずれも適度の撓み性を有
し、且つ、高い引張クリープと低温時においても高い耐
衝撃性を示している。これに対し、比較例1、3及び5
〜6の塩化ビニル系グラフト共重合体、就中、アクリル
系重合体(A)構成モノマーとして、メチルアクリレー
ト(Tg=103℃)を用いた比較例5の塩化ビニル系
グラフト共重合体は、高い引張クリープは示すものの、
耐衝撃性が極端に低く、逆に、比較例2及び4の塩化ビ
ニル系グラフト共重合体は、引張クリープが低いもので
あった。
【0080】(実施例8〜14)、(比較例7〜13) [アクリル系共重合体の調製]攪拌機、温度調整機を備
えた反応容器に、純水240重量部、表4及び表5に示
す種類と配合部数のアルキル(メタ)アルキレート、T
MPA及びペンタエリスリトールテトラアクリレート
(以下、PTAと略称する)を用いたこと以外、実施例
1と同様にして、固形分30重量%のアクリル系共重合
体ラテックスを得た。得られたアクリル系共重合体の架
橋度は各々おおの表4及び表5に示す通りであった。
【0081】尚、アクリル系共重合体の架橋度は、テト
ラヒドロフラン(THF)100g中に、乾燥したアク
リル系共重合体1gを3時間浸漬し、金属メッシュ上で
濾過し、新しいTHFで数回洗浄して不溶物を回収し、
乾燥して乾燥重量を測定し、下式によって架橋度を求め
た。 架橋度(重量%)={〔不溶物の乾燥重量(g)〕/
〔試験に供したアクリル系共重合体の重量(1g)〕}
×100
【0082】[塩化ビニル系グラフト共重合体の作製]
得られたアクリル系共重合体に、実施例1と同様にして
塩化ビニルをグラフト共重合して表4及び表5に示す塩
化ビニル成分含有率の塩化ビニル系グラフト共重合体を
作製した。
【0083】得られた塩化ビニル系グラフト共重合体中
のアクリル系共重合体量は、公知の滴定法によって求め
た塩化ビニル系グラフト共重合体の塩素含有量から計算
して求めた。
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】上記塩化ビニル系グラフト共重合体の性能
評価の為の試験は、以下に示す成形品の表面の性質(表
面性)を加えたこと以外、実施例1と同様にして行っ
た。試験結果は表6に示す。
【0087】4.表面性:成形されたシートの表面の手
触りによるベタツキの度合いを、○:ベタツキが殆ど感
じられない程度、△:僅かにベタツキが感じられる程
度、×:ベタツキが明瞭に感じられるもの、の3段階の
官能テストによって表面性を評価した。
【0088】
【表6】
【0089】実施例8〜14の塩化ビニル系グラフト共
重合体から得られたシートは、いずれも適度の撓み性を
有し、且つ、高い引張クリープと低温時においても高い
耐衝撃性を示すと共に、優れた表面性を有している。こ
れに対し、比較例7〜13の塩化ビニル系グラフト共重
合体は、高い引張クリープは示すものは、耐衝撃性が極
端に低く、逆に、比較例9の塩化ビニル系グラフト共重
合体は、引張クリープや曲げ弾性率が低く、比較例11
及び比較例12の塩化ビニル系グラフト共重合体は、表
面性も悪いものであった。
【0090】(実施例15〜23)、(比較例14〜2
1) [アクリル系共重合体の調製]攪拌機、温度調整機を備
えた反応容器に、純水を入れた反応容器内を窒素置換
後、攪拌下に反応容器内を65℃に昇温した。これと平
行して、コア部形成用及びシェル部形成用の乳化アルキ
ル(メタ)アルキレートは、表7及び表8に示すアルキ
ル(メタ)アルキレート、TMPA及び乳化剤を高速攪
拌して調製され、該乳化モノマーは、アルキル(メタ)
アルキレート及びTMPAの合計量100重量部に対し
て、乳化剤の高級アルコール硫酸エステル塩1重量部、
純水100重量部、過硫酸アンモニウム0.1重量部を
入れ、反応容器内に先ず、コア部形成用乳化モノマーを
一定速度で滴下し、該コア部形成用乳化モノマーの滴下
が終了した後、シェル部形成用乳化モノマーを一定速度
で滴下した。
【0091】上記反応において、最初に反応容器に仕込
む純水の量及び滴下するコア部形成用及びシェル部形成
用の各乳化モノマーの量は、コア/シェルの重量比率が
表7及び表8に示されるようになるように、又、得られ
るアクリル系共重合体ラテックスの固形分濃度が30重
量%となるように、個々に調整した。コア部形成用及び
シェル部形成用乳化モノマーの全てを2.5時間以内に
滴下する。その後、更に1時間攪拌を続けた後、反応容
器内を室温にまで冷却して重合を終了させ、アクリル系
共重合体ラテックスを調製した。
【0092】[塩化ビニル系グラフト共重合体の作製]
得られたコア/シェル構造を有するアクリル系共重合体
に、実施例1と同様にして塩化ビニルをグラフト共重合
して表7及び表8に示す塩化ビニル成分含有率の塩化ビ
ニル系グラフト共重合体を作製した。上記塩化ビニル成
分含有率は、実施例1と同様にして測定された。
【0093】
【表7】
【0094】
【表8】
【0095】上記塩化ビニル系グラフト共重合体の性能
評価の為の試験は、実施例8と同様にして行った。試験
結果は表9に示す。
【0096】
【表9】
【0097】実施例15〜23の塩化ビニル系グラフト
共重合体から得られたシートは、いずれも適度の撓み性
を有し、且つ、高い引張クリープと低温時においても高
い耐衝撃性を示すと共に、優れた表面性を有している。
これに対し、比較例14〜21の塩化ビニル系グラフト
共重合体は、高い引張クリープは示すものは、耐衝撃性
が極端に低いか、さもなくば、比較例16の塩化ビニル
系グラフト共重合体のように、引張クリープや曲げ弾性
率が低く、又、比較例19及び比較例21の塩化ビニル
系グラフト共重合体のように、表面性が悪いものであっ
た。
【0098】(実施例24〜31)、(比較例22〜2
7) [アクリル系共重合体の調製]表10及び表11に示す
アクリル系共重合体小粒子径粒子用及び大粒子径粒子用
のアルキル(メタ)アルキレート及びTMPAの合計量
100重量部と、乳化剤(第一工業製薬社製、商品名
「ハイテノールN−08」)0.1重量部及び純水10
0重量部を添加し、各々高速攪拌して乳化モノマー液が
調製される。攪拌機、温度調整機を備えた反応容器に、
上記乳化モノマー100重量部に対し133重量部の純
水を入れた反応容器内を窒素置換後、攪拌下に反応容器
内を70℃に昇温し、上記乳化モノマー液の内、2〜4
0重量%を一括投入し、更に、上記乳化モノマー100
重量部に対し1重量部の重合開始剤(過硫酸アンモニウ
ム)を添加して部分重合を開始した。一定時間後、残部
の乳化モノマー液を一定速度で2時間かけて滴下し続
け、全乳化モノマー液滴下後、更に1時間攪拌を続け
た。攪拌1時間後、反応容器内を室温まで冷却して重合
を完了して小粒子径及び大粒子径のアクリル系共重合体
を各々作製した。得られた小粒子径及び大粒子径のアク
リル系共重合体ラテックスを、表10及び表11に示す
粒子径小/大混合比率となるように混合して、各々アク
リル系共重合体を調製した。
【0099】[塩化ビニル系グラフト共重合体の作製]
得られた粒子径小/大混合体からなるアクリル系共重合
体に、実施例1と同様にして塩化ビニルをグラフト共重
合して表10及び表11に示す塩化ビニル成分含有率の
塩化ビニル系グラフト共重合体を作製した。上記塩化ビ
ニル成分含有率は、実施例1と同様にして測定された。
【0100】
【表10】
【0101】
【表11】
【0102】上記塩化ビニル系グラフト共重合体の性能
評価の為の試験は、実施例1の曲げ弾性率及び耐衝撃強
度に加えて、引張強度及びクリープ強度を、以下に示す
方法で試験した。試験結果は表12に示した。 5.引張強度:JIS K 7113に準拠して引張強
度を測定した。 6.クリープ強度:JIS K 7115に準拠し、引
張クリープにより140kgf/cm2 の連続負荷をか
けた場合の500時間後の伸びを測定した。
【0103】
【表12】
【0104】実施例24〜31の塩化ビニル系グラフト
共重合体から得られたシートは、いずれも適度の撓み性
を有し、且つ、高い引張クリープと低温時においても高
い耐衝撃性を示すと共に、優れた表面性を有している。
これに対し、比較例22〜27の塩化ビニル系グラフト
共重合体は、高い引張クリープは示すものは、耐衝撃性
が極端に低いか、さもなくば、比較例25及び比較例2
6の塩化ビニル系グラフト共重合体のように、クリープ
強度が低く(伸びが大きい)、又は、比較例24の塩化
ビニル系グラフト共重合体のように、引張強度が小さく
クリープ強度で破断してしまったりした。
【0105】(実施例32〜36) [3層に積層されたアクリル系共重合体粒子の調製] (第1層=中心層用乳化混合モノマーの調製)表13に
示す種類と配合部数の単独重合体のTgが30〜180
℃であるラジカル重合性モノマー(メチルメタクリレー
ト:Tg=105℃、以下、MMAと略称する。スチレ
ン:Tg=100℃)及び多官能性モノマー(トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、以下、TMPTAと
略称する。)からなるモノマー混合物の各々に対し、そ
の100重量部当たり1重量部の乳化分散剤(ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル)を攪拌混合して第
1層=中心層用乳化混合モノマーを調製した。
【0106】(第2層用乳化混合モノマーの調製)第1
層と同様に表13に示す種類と配合部数の単独重合体の
Tgが−140〜30℃未満である(メタ)アクリレー
ト及び多官能性モノマーからなるモノマー混合物の各々
に対し、その100重量部当たり1重量部の乳化分散剤
を攪拌混合して第2層用乳化混合モノマーを調製した。
【0107】(第3層用乳化混合モノマーの調製)第1
層と同様に表13に示す種類と配合部数の単独重合体の
Tgが30〜180℃であるラジカル重合性モノマー及
び多官能性モノマーからなるモノマー混合物の各々に対
し、その100重量部当たり1重量部の乳化分散剤を攪
拌混合して第3層用乳化混合モノマーを調製した。
【0108】次に、攪拌機、還流冷却器を備えた反応容
器に、純水を入れ、容器内の酸素を窒素により置換した
後、攪拌下に反応容器を70℃に昇温した。昇温した反
応容器に、重合開始剤の過硫酸アンモニウム(以下、A
PSと略称する。)の全量及び第1層用乳化混合モノマ
ーの半分を一括して投入し、重合を開始し、第1層用乳
化混合モノマーの残半分は、続いて、滴下ロートから滴
下して重合させた。
【0109】第1層用乳化混合モノマーの全量を滴下し
終えた後、直ちに、第2層用乳化混合モノマーを滴下し
て重合させた。次いで、第2層用乳化混合モノマーと同
様に、第2層用乳化混合モノマーの全量を滴下し終えた
後、直ちに、第3層用乳化混合モノマーを滴下して重合
させた。上記モノマー混合物の3次にわたる滴下の時間
は、3時間であり、更にこの状態で加熱攪拌を続け、上
記滴下終了後1時間後、重合を終了して固形分濃度約3
0重量%の3層構造のアクリル系共重合体粒子を調製し
た。
【0110】[塩化ビニル系グラフト共重合体の作製]
得られた3層構造のアクリル系共重合体粒子に、実施例
1と同様にして塩化ビニルをグラフト共重合して表14
に示す塩化ビニル成分含有率の塩化ビニル系グラフト共
重合体を作製した。
【0111】(比較例28、29)表13に示す如く、
実施例32〜36における3層構造のアクリル系共重合
体粒子の第1層=中心層を欠くアクリル系共重合体粒
子、第1層及び第3層を欠くアクリル系共重合体粒子を
調製し、これらの各々に、実施例1と同様にして塩化ビ
ニルをグラフト共重合して表14に示す塩化ビニル成分
含有率の塩化ビニル系グラフト共重合体を作製した。
【0112】
【表13】
【0113】
【表14】
【0114】上記塩化ビニル系グラフト共重合体の性能
評価の為の試験は、以下に示すシャルピー衝撃強度を加
えたこと以外、実施例1と同様にして曲げ弾性率及び引
張強度について行った。試験結果は表14に示した。
【0115】7.シャルピー衝撃強度:JIS K 7
111に準拠し、シャルピー衝撃強度を測定した。
【0116】実施例32〜36の塩化ビニル系グラフト
共重合体から得られたシートは、いずれも適度の曲げ弾
性性を有し、且つ、高い引張強度を示している。これに
対し、比較例28及び29の塩化ビニル系グラフト共重
合体は、適度の曲げ弾性性は示すものの、引張強度が低
下している。
【0117】
【発明の効果】請求項1記載の発明の塩化ビニル系グラ
フト共重合体は、叙上の如く構成されているので、高度
の耐衝撃性と適度の撓み性・クリープ強度を有するもの
であるので、特に強度を有する耐震用パイプ、継手等の
管材、窓枠等の建築材料、その他に好適に用いることが
できる。
【0118】請求項2記載の発明の塩化ビニル系グラフ
ト共重合体は、叙上の如く構成されているので、高度の
耐衝撃性と適度の撓み性・クリープ強度を有し、特に多
量のゴム成分を有することに由来する表面のベタツキ等
を抑制した衛生的な材料であって、特に強度を有する耐
震用パイプ、継手等の管材の他、表面の美麗さが求めら
れる窓枠等の建築材料、その他に好適に用いることがで
きる。
【0119】請求項3記載の発明の塩化ビニル系グラフ
ト共重合体は、叙上の如く構成されているので、特に樹
脂の分散性に優れ、高度の耐衝撃性と適度の撓み性・ク
リープ強度を有するものであるので、特に強度を有する
耐震用パイプ、継手等の管材、窓枠等の建築材料、その
他に好適に用いることができる。
【0120】請求項4記載の発明の塩化ビニル系グラフ
ト共重合体は、叙上の如く構成されているので、特に樹
脂の分散性に優れ、高度の耐衝撃性と適度の撓み性・ク
リープ強度を有するものであるので、特に強度を有する
耐震用パイプ、継手等の管材、窓枠等の建築材料、その
他に好適に用いることができる。
【0121】請求項5記載の発明の塩化ビニル系グラフ
ト共重合体は、叙上の如く構成されているので、特に樹
脂の剛−柔−剛構造に由来する高度の耐衝撃性と適度の
撓み性・クリープ強度を有するものであるので、特に地
中に埋設される給排水用の地盤変動への追従性、衝撃波
に対する靱性及び内部を流れる流体の内圧に対する抗張
力に優れた高強度の耐震用パイプ、継手等の管材、その
他として好適に用いることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独重合体の二次転移点が−140〜−
    20℃未満である(メタ)アクリレート系モノマー10
    0重量部と、多官能モノマー0.1〜15重量部とから
    なるアクリル系共重合体(A)50〜99.5重量%
    と、単独重合体の二次転移点が−20〜180℃である
    (メタ)アクリレート系モノマーからなるアクリル系重
    合体(B)50〜0.5重量%よりなるアクリル系重合
    体組成物30〜60重量部に対し、塩化ビニル70〜4
    0重量部がグラフト共重合されてなることを特徴とする
    塩化ビニル系グラフト共重合体。
  2. 【請求項2】 単独重合体の二次転移点が−140〜−
    20℃未満である(メタ)アクリレート系モノマーを5
    0〜99.9重量%と、1分子中に重合性二重結合を少
    なくとも3個以上有する多官能モノマー0.1〜10重
    量%を構成成分として有し、該多官能モノマーによって
    架橋されたアクリル系重合体30〜60重量部に対し、
    塩化ビニル70〜40重量部がグラフト共重合されてな
    ることを特徴とする塩化ビニル系グラフト共重合体。
  3. 【請求項3】 単独重合体の二次転移点が−140〜−
    60℃のアクリレート系モノマーを少なくとも50重量
    %以上構成成分として有するアクリル系重合体からなる
    コア部と、単独重合体の二次転移点が−55〜180℃
    の(メタ)アクリレート系モノマー50〜99重量%
    と、多官能モノマー1〜15重量%を構成成分として有
    するアクリル系共重合体からなり、上記コア部を覆い、
    且つ、架橋構造が形成されたシェル部とからなるアクリ
    ル系共重合体粒子に、塩化ビニルがグラフト共重合され
    てなる塩化ビニル系グラフト共重合体の上記コア部にお
    けるアクリル系重合体とシェル部におけるアクリル系重
    合体の重量比率が95〜30重量%/5〜70重量%で
    あり、且つ、アクリル系共重合体からなる樹脂粒子30
    〜60重量%に対しグラフト重合される塩化ビニルが4
    0〜70重量%であることを特徴とする塩化ビニル系グ
    ラフト共重合体。
  4. 【請求項4】 単独重合体の二次転移点が−140〜−
    20℃未満である(メタ)アクリレート系モノマーを5
    0〜99.9重量%と、多官能モノマー0.1〜10重
    量%からなるアクリル系共重合体30〜60重量部に対
    し、塩化ビニル70〜40重量部がグラフト共重合され
    てなり、塩化ビニルがグラフト共重合されるアクリル系
    共重合体の粒子が、平均粒子径0.1μm未満の粒子1
    0〜90重量%と、平均粒子径0.12μm以上の粒子
    90〜10重量%の混合物からなることを特徴とする塩
    化ビニル系グラフト共重合体。
  5. 【請求項5】 単独重合体の二次転移点が30〜180
    ℃であるラジカル重合性モノマーと多官能モノマーとか
    らなる共重合体(X)の粒子表面層に、単独重合体の二
    次転移点が−140〜30℃未満である(メタ)アクリ
    レート系モノマーと多官能モノマーがグラフト共重合さ
    れ、グラフト共重合体層(Y)が形成されてなり、更
    に、上記グラフト共重合体層(Y)の表面層に、単独重
    合体の二次転移点が30〜180℃であるラジカル重合
    性モノマーと多官能モノマーがグラフト共重合され、グ
    ラフト共重合体層(Z)が形成されてなる構成成分が異
    なる共重合体層が3層のコア/シェル状に積層された粒
    子表面に、該3層のコア/シェル状に積層された粒子を
    構成するアクリル系共重合体30〜60重量%に対し、
    塩化ビニル70〜40重量%がグラフト共重合されてな
    ることを特徴とする塩化ビニル系グラフト共重合体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1106649A1 (en) 1998-07-14 2001-06-13 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Impact modifier, process for production, and resin composition containing the same
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