JP4282712B2 - 防振ブッシュの製造方法及び防振ブッシュ - Google Patents

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Description

本発明は、防振ブッシュの製造方法及び防振ブッシュに関し、特に、加硫成形後の外筒の絞り加工を容易にすると共に、絞り加工に伴う接着界面の剥離を防止することができる防振ブッシュの製造方法及び防振ブッシュに関するものである。
従来より、自動車のサスペンション機構においては、車体とサスペンションとの連結部位、例えば、車輪側のサスペンションアームとフレーム等の車体側メンバとの連結部位に、振動減衰や緩衝などを目的として防振ブッシュが使用されている。
この防振ブッシュは、一般に、内筒(第1円筒部材)と、その内筒の外周側に間隔を置いて配置される外筒(第2円筒部材)と、それら内筒と外筒との間に介設され両者を弾性的に連結するゴム状弾性体(防振基体)とを備えて構成される(特許文献1)。
また、防振ブッシュの一例として、軸直角方向におけるばね定数を大きくしつつ、こじり方向におけるばね定数を小さくするべく、内筒の軸方向中央部に軸直角方向へ膨出する膨出部を設けた、いわゆるバルジタイプの防振ブッシュも知られている(特許文献2)。
更に、上述のような外筒を備える防振ブッシュにおいては、加硫成形後のゴム状弾性体(防振基体)の収縮を取り除いて耐久性を向上させるべく、加硫成形後に外筒を縮径方向へ絞り加工を行うことが通常行われる(特許文献3)。
特開2002−81479号 特開2004−144150号公報 特開平11−230224号公報
しかしながら、上述した防振ブッシュでは、加硫成形後、外筒に絞り加工を施す場合において、特に外筒の肉厚が大きいものについては、絞り加工が困難であるという問題点があった。また、上述した防振ブッシュでは、耐久性の向上を十分に図るべく、外筒に大きな絞り加工を施すと、外筒の塑性変形に伴って、防振基体の接着界面の歪みが大きくなり、防振基体と外筒との間に剥離が発生するという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、加硫成形後の外筒の絞り加工を容易にすると共に、絞り加工に伴う接着界面の剥離を防止することができる防振ブッシュの製造方法及び防振ブッシュを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の防振ブッシュの製造方法は、第1円筒部材と、前記第1円筒部材の外周側に間隔を隔てて配置される第2円筒部材と、前記第1円筒部材と第2円筒部材との間に介在しゴム状弾性材から構成される防振基体とを備える防振ブッシュの製造方法であって、金属材料から構成される円筒状のパイプ材を所定の長さで切断して前記第1円筒部材を形成する切断工程と、前記切断工程により形成された前記第1円筒部材に対し、前記第1円筒部材の外周面から軸直角方向へ向けて膨出し凸状球面をなす膨出部を形成する膨出部形成工程と、金属材料から構成される中実ブランクに打ち込みピンを打ち込んで底付き円筒部材を形成する打込み工程、前記打込み工程により形成された底付き円筒部材の底部を打ち抜いて円筒状の筒部材を形成する打抜き工程、前記打抜き工程により形成された筒部材の両端側を径小に絞る縮径工程、及び、前記縮径工程により両端側が径小に絞られた筒部材の中央を球面状に膨らませることで、前記膨出部よりも大径の凹状球面である凹設部を内周面に窪ませて前記第2円筒部材を形成する凹設部形成工程を有する鍛造工程と、前記鍛造工程により形成された第2円筒部材の内周面に軸方向へ延びる複数の凹溝を周方向へ分散させてNC加工により形成する凹溝形成工程と、前記凹溝形成工程により複数の凹溝が形成された第2円筒部材を、前記凸状球面をなす膨出部が前記凹状球面をなす凹設部により取り囲まれた状態で、前記第1円筒部材の外周側に同軸状に配置し、前記第2円筒部材の内周面と前記第1円筒部材の外周面との間をゴム状弾性材の加硫成形により加硫接着することで、前記第1円筒部材と第2円筒部材との間に前記防振基体を介在させる加硫工程と、前記加硫工程により防振基体が内周面に加硫接着された前記第2円筒部材に縮径方向への絞り加工を施す絞り工程と、を備え、前記膨出部形成工程は、中心が軸上に位置する凸状球面として前記膨出部を形成するものであり、前記鍛造工程の凹設部形成工程は、中心が軸から所定間隔だけ離れて位置する円弧を前記軸回りに回転させた軌跡がなす凹状球面として前記凹設部を形成するものであり、前記絞り工程は、前記凹設部を形成する前記円弧の中心が前記膨出部の中心と一致する分だけ前記第2円筒部材を縮径させ、前記第2円筒部材は、前記凹設部が形成されることで、軸方向中央部が両端部に対して薄肉状に形成されると共に、前記凹溝は、前記凹設部を除くその他の軸方向部分の全体にわたって形成され周方向に配置されることにより、前記凹溝が配置された周方向位置で薄肉に形成され、前記加硫工程は、前記凹状球面としての凹設部によって定められる仮想球面内において、前記第1円筒部材と第2円筒部材との間を前記防振基体が連結するように、前記ゴム状弾性材を加硫成形するものであり、前記仮想球面の軸方向外方側では、前記第1円筒部材と前記第2円筒部材との間に前記防振基体が充填されないように構成されると共に、前記防振基体に連なるゴム膜が前記第1円筒部材の外周面及び前記第2円筒部材の内周面に形成され、前記絞り行程後において、前記凹溝内に前記防振基体が充填された状態で残存している。
請求項2記載の防振ブッシュの製造方法は、請求項1記載の防振ブッシュの製造方法において、前記凹溝形成工程は、前記第2円筒部材の内周面において、前記複数の凹溝を周方向へ等間隔に配置して形成するものである。
請求項3記載の防振ブッシュの製造方法は、請求項1又は2に記載の防振ブッシュの製造方法において、前記凹溝形成工程は、前記複数の凹溝をその溝幅よりも広い間隔で配置して形成するものである。
請求項記載の防振ブッシュの製造方法は、請求項1からのいずれかに記載の防振ブッシュの製造方法において、前記鍛造工程の凹設部形成工程により形成された前記第2円筒部材の中央における球面状の膨らみをNC加工により除去して、前記第2円筒部材の外周面を面一形状に構成する除去工程を少なくとも前記絞り工程の前に備えている。
請求項記載の防振ブッシュは、請求項1からのいずれかに記載の防振ブッシュの製造方法により製造されたものである。
請求項1記載の防振ブッシュの製造方法によれば、切断工程において、金属材料から構成される円筒状のパイプ材が所定の長さで切断され、第1円筒部材が形成されると共に、鍛造工程において、金属材料から構成される中実ブランクに鍛造加工が施され、第2円筒部材が形成される。そして、加硫工程において、第1円筒部材が第2円筒部材の外周側に同軸状に配置され、第1円筒部材の内周面と第2円筒部材の外周面との間がゴム状弾性材の加硫成形により加硫接着されると共に、加硫工程において、第1円筒部材に縮径方向への絞り加工が施されることで、第1円筒部材と第2円筒部材との間に防振基体が介在された防振ブッシュが製造される。
ここで、本発明の防振ブッシュの製造方法によれば、少なくとも加硫工程の前に、凹溝形成工程を備え、かかる凹溝形成工程において、第2円筒部材の内周面には、軸方向へ延びる複数の凹溝が周方向へ分散された状態で形成されるので、第2円筒部材の肉厚が大きい場合であっても、加硫成形後の絞り工程において、第2円筒部材に縮径方向への絞り加工を容易に施すことができるという効果がある。その結果、絞り工程における作業コスト及び装置コストの削減を図ることができると共に、加硫成形後の防振基体の収縮を十分に取り除いて耐久性の優れた防振ブッシュを製造することができる。
また、本発明によれば、凹溝形成工程において、第1円筒部材の内周面に軸方向へ延びる複数の凹溝が周方向へ分散された状態で形成されているので、防振基体の耐久性の向上を図るべく、絞り工程において、第2円筒部材に大きな絞り加工を施す場合であっても、各凹溝の形成部が変形することで、防振基体の接着界面における歪みを抑制することができるので、接着界面の破壊を防止して、その分、防振基体と第2円筒部材との間の剥離を防止することができるとい効果がある。
また、本発明によれば、鍛造工程により形成された第2円筒部材に対し、凹溝形成工程において、複数の凹溝をNC加工により形成するものであるので、例えば、予め凹溝が一面側に形成された平板状の板材に、その凹溝が内周面側となる方向へ巻き加工を施すと共に端部同士を溶接により接続して第2円筒部材を形成する場合と比較して、第2円筒部材自体の強度を確保することができると共に巻き加工に伴う寸法精度の低下を回避することができるという効果がある。その結果、絞り工程において、第2円筒部材により大きな絞り加工を施すことができるので、加硫成形後の防振基体の収縮を十分に取り除いて耐久性の優れた防振ブッシュを製造することができる。
同様に、本発明によれば、鍛造工程(凹設部形成工程)により第2円筒部材に凹設部を形成した後に、凹溝形成工程により第2円筒部材の内周面に凹溝を形成するという工程順であるので、これら凹設部及び凹溝をより高精度に形成することができるという効果がある。即ち、工程順を逆として、例えば、凹溝形成工程を鍛造工程の第3工程の後であって凹設部形成工程の前で行う場合には、凹設部形成工程における鍛造圧により薄肉の凹溝形成部が変形し、凹溝自体の寸法精度を低下させるだけでなく、その凹溝の変形に伴って筒部材の中央部が適正に膨らまず、凹設部の寸法精度の低下も招く。これに対し、本発明によれば、肉厚一定の筒部材に対して凹設部形成工程を行うので、筒部材の中央部を適正に膨らませることができ、その結果、凹設部及び凹溝を高精度に形成することができる。
ここで、本発明によれば、膨出部形成工程において、第1円筒部材の外周面から軸直角方向へ向けて膨出し凸状球面をなす膨出部が第1円筒部材の外周面に形成されると共に、鍛造工程(凹設部形成工程)において、第2円筒部材の内周面における窪みであって膨出部よりも大径の凹状球面をなす凹設部が第2円筒部材の内周面に形成され、加硫工程において、凸状球面をなす膨出部が凹状球面をなす凹設部により取り囲まれた状態で、第2円筒部材の内周面と第1円筒部材の外周面との間がゴム状弾性材の加硫成形により加硫接着されるので、こじり方向におけるばね定数の小さな防振ブッシュを製造することができるという効果がある。
即ち、従来のバルジタイプの防振ブッシュでは、第2円筒部材(外筒)の内周面がストレート形状であったため、こじり方向における変位に対しては、防振基体の軸方向端部が第2円筒部材(外筒)と第1円筒部材(内筒)との間で圧縮変形されることとなり、こじり方向のばね定数を十分に低減することができなかった。
これに対し、本発明によれば、第2円筒部材の内周面に形成された凹状球面(凹設部)が第1円筒部材の外周面に形成された凸状球面(膨出部)を取り囲んだ状態で、ゴム状弾性材(防振基体)を加硫工程により加硫成形するので、こじり方向における変位に対しては、凹状球面と凸状球面との間に介設された防振基体は剪断変形を受けるのみとなり、その結果、こじり方向におけるばね定数の小さな防振ブッシュを製造することができる。
また、本発明によれば、第2円筒部材の凹設部を、鍛造工程(第1工程から凹設部形成工程)において、鍛造加工により形成するものであるので、例えば、切削加工により凹設部を形成する場合と比較して、製造能率の向上を図ることができると共に、鍛造加工による鍛流線によって高強度で耐久性に優れた第2円筒部材を製造することができるという効果がある。
ここで、第2円筒部材の内周面に凹設部(凹状球面)を形成する場合には、その凹設部の凹設深さ分だけ、第2円筒部材の肉厚を大きくする必要が生じ、絞り工程において、第2円筒部材の絞り加工が困難になるところ、本発明によれば、上述したように、第2円筒部材の内周に、凹溝形成工程により、複数の凹溝が形成されているので、絞り加工において、第2円筒部材に縮径方向への絞り加工を容易に施すことができるという効果がある。その結果、凹設部の深さをより深く設定することができるので、こじり方向におけるばね定数のより小さな防振ブッシュを製造することができる。
即ち、従来のバルジタイプの防振ブッシュではこじり方向におけるばね定数を十分に低減することができないところ、第2円筒部材(外筒)の内周面に凹設部(凹状球面)を形成するのみの構成では、絞り工程において、第2円筒部材の絞り加工が不可能であり、本発明のように、鍛造工程により凹設部を形成すると共に、凹溝形成工程により複数の凹溝を形成することで、初めて達成可能となったものであり、これにより、こじり方向におけるばね定数の低減と絞り加工の容易化とを同時に達成することができる。
また、膨出部形成工程は、中心が軸上に位置する凸状球面として膨出部を形成すると共に、鍛造工程の凹設部形成工程は、中心が軸から所定間隔だけ離れて位置する円弧を軸回りに回転させた軌跡がなす凹状球面として凹設部を形成するものであり、絞り工程は、凹設部を形成する円弧の中心が膨出部の中心と一致する分だけ第2円筒部材を縮径させるものであるので、こじり方向における変位に対して、凹状球面と凸状球面との間に介設された防振基体の変形を剪断変形のみとし易くすることができ、その結果、こじり方向におけるばね定数のより小さな防振ブッシュを製造することができるという効果がある。
また、加硫工程は、凹状球面としての凹設部によって定められる仮想球面内において、第1円筒部材と第2円筒部材との間を防振基体が連結するように、ゴム状弾性材を加硫成形するものであるので、絞り工程により、第2円筒部材に縮径方向への絞り加工が施された防振ブッシュは、こじり方向における変位に対して、防振基体の軸方向端部が圧縮変形されないので、こじり方向におけるばね定数のより小さな防振ブッシュを製造することができるという効果がある。
また、第1内側部材及び第2内側部材の軸方向でのばね定数を高くして、操縦安定性の向上を図ることができ、その結果、乗り心地性と操縦安定性の両立を図ることができるという効果がある。
請求項2記載の防振ブッシュの製造方法によれば、請求項1記載の防振ブッシュの製造方法の奏する効果に加え、凹溝形成工程は、第2円筒の内周面において、複数の凹溝を周方向へ等間隔に配置して形成するものであるので、防振基体の接着界面の一部(即ち、複数の凹溝の隣接間部分であってその隣接間隔が広い部分)に、絞り加工に伴う歪みが集中することを防止することができる。その結果、絞り工程において、接着界面の破壊を防止して、その分、防振基体と第2円筒部材との間の剥離を防止することができるとい効果がある。
請求項3記載の防振ブッシュの製造方法によれば、請求項1又は2に記載の防振ブッシュの製造方法の奏する効果に加え、凹溝形成工程は、複数の凹溝をその溝幅よりも広い間隔で配置して形成するものであるので、絞り加工の容易性の向上や接着界面の破壊の防止を図りつつ、各凹溝の隣接間部分によって、第2円筒部材全体としての強度を確保することができるという効果がある。
請求項記載の防振ブッシュの製造方法によれば、請求項1からのいずれかに記載の防振ブッシュの製造方法の奏する効果に加え、鍛造工程の凹設部形成工程により形成された前記第2円筒部材の中央における球面状の膨らみをNC加工により除去して、第2円筒部材の外周面を面一形状に構成する除去工程を備えるので、第2円筒部材の外周面をストレート形状に構成して、その第2円筒部材を保持するブラケットの構造を簡素化することができる。その結果、ブラケットへの取付けが容易で且つブラケットに強固に保持される防振ブッシュを製造することができるという効果がある。
また、本発明によれば、絞り工程の前に除去工程を備えるので、除去工程において、上述したようにストレート形状に構成された第2円筒部材に縮径方向への絞り加工を施すことができる。これにより、球面状の膨らみを有したままの状態で絞り加工を施す場合と比較して、第2円筒部材の軸方向各位置をより均等に絞ることができる。
これにより、膨出部に対する凹設部の相対位置を所望位置へより高精度に位置させて、静的及び動的な特性の優れた防振ブッシュを製造することができるという効果がある。また、絞り工程において、第2円筒部材の軸方向の一部に変形が集中することを抑制することができるので、第2円筒部材の破損等を抑制して、歩留まりの向上を図ることができると共に、変形が偏ることによる第2円筒部材の強度低下を防止して、耐久性に優れた防振ブッシュを製造することができるという効果がある。
請求項記載の防振ブッシュによれば、請求項1からのいずれかに記載の防振ブッシュの製造方法により製造された防振ブッシュと同様の効果を奏する。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の一実施の形態における防振ブッシュ100の上面図であり、図1(b)は、図1(a)のIb−Ib線における防振ブッシュ100の断面図である。また、図2は、防振ブッシュ100の部分拡大断面図であり、図1(b)に示す断面図の一部に対応する。
なお、図1中の矢印Xは軸Oに平行な方向(軸方向X)を、矢印Yは軸Oに直角な方向(軸直角方向Y)を、矢印Zは位置P1を中心とする回転方向(こじり方向Z)を、それぞれ図示している。
防振ブッシュ10は、自動車のサスペンションアームに取り付けられる部品であり、図1に示すように、内筒10と、その内筒10の外周側に間隔を隔てて配置される外筒20と、これら内筒10と外筒20との間に介在しゴム状弾性材から構成される防振基体30とを備えて構成される。
ここで、図3を参照して、内筒10の詳細構成について説明する。図3(a)は、内筒10の上面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線における内筒10の断面図である。なお、図3中の矢印X,Yは、図1で説明した通りであるので、その説明は省略する。以降の各図においても同様である。
内筒10は、鉄鋼材料又はアルミ合金などから軸Oを有する円筒状に構成される部材であり、図3に示すように、軸方向X(図3(b)左右方向)中央部に、軸直角方向Yへ向けて全周にわたって膨出する膨出部11を備える。即ち、内筒10は、軸O回りに対称な形状とされている。
図3に示すように、膨出部11は、凸状球面をなしており、この凸状球面は、軸O上に中心P1を有する球面(図3(b)においては2点鎖線で示す)の軸方向X中央部を構成する球帯状に形成されており、内筒10の軸方向両端部を構成する筒部の外周面12になだらかに接続されている。
次いで、図4を参照して、外筒20の詳細構成について説明する。図4(a)は、外筒20の上面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb線における外筒20の断面図である。なお、図4中の矢印Cは軸Oを中心とする回転方向(周方向C)を図示している。
外筒20は、鉄鋼材料又はアルミ合金などから軸Oを有する円筒状に構成される部材であり、図4に示すように、軸方向Xに沿って外形が一定となる円柱面状(ストレート形状)の外周面を有して構成されている。また、外筒20は、軸方向X(図4(b)左右方向)中央部に、軸直角方向Yへ向けて全周にわたって窪む凹設部21を備える。即ち、外筒20は、軸O回りに対称な形状とされている。
図4に示すように、凹設部21は、凹状球面をなしており、この凹状球面は、中心P2を有する球面(図4(b)においては2点鎖線で示す)の軸方向X中央部を構成する球帯状に形成されており、外筒20の軸方向両端部を構成する筒部の内周面22になだらかに接続されている。外筒20は、凹設部21が形成されることで、軸方向X中央部が両端部に対して薄肉状に形成されている。
なお、外筒20は、後述するように、絞り加工が施される部位である。そのため、絞り加工前の状態では、外筒20の内周面22における軸方向X中央部(凹設部21)は厳密な凹状球面ではなく、図4(b)に示すように、中心P2が外筒20の軸Oから軸直角方向Yにずれた位置にあり、外筒20に縮径方向への絞り加工が施されることで、凹設部21は中心P2が中心P1に一致する球帯体に形成される(図1参照)。
即ち、外筒20の内周面15における軸方向X中央部は、後述するように、外筒20に縮径方向への絞り加工が施されることで、上述した内筒10の膨出部11(凸状球面)を取り囲む部位(凹設部21)が、内筒10の膨出部11と同心状の(即ち、共通の中心P2を持つ)凹状球面をなす。これにより、外筒20の凹設部21は、内筒20の膨出部11に対し、一定の間隔を隔てて沿う形状に形成される(図1参照)。
図4に示すように、外筒20の内周面22には、軸方向Xに延設される複数の凹溝24が周方向Cに等間隔に分散して配置されている。これにより、外筒20は、凹溝24が配置された周方向位置で薄肉に形成されている。
ここで、本実施の形態では、凹溝24は、周方向Cに対して30°毎の等間隔に合計12個が配置されると共に、これら複数の凹溝24間の隣接間隔Dは、溝幅Wよりも広く(具体的には、約2.5倍)に設定されている。なお、凹溝24は15°〜45°毎の範囲内で等間隔に配置することが好ましく、隣接間隔Dは溝幅Wの2倍〜3倍の範囲内に設定することが好ましい。
凹溝24は、絞り加工前の形状として、断面円弧状に窪む形状に形成されている(図1参照)。また、上述の通り、外筒20の内周面22には、軸方向X中央部に凹設部21が設けられているので、凹溝24は、図4に示すように、凹設部21を除くその他の軸方向X部分の全体にわたって形成されている。なお、本実施の形態では、凹溝24の凹設深さは、凹設部21の凹設深さよりも浅く(具体的には、2/3倍)に設定されている。
図1及び図2に戻って説明する。防振基体30は、内筒10の外周面12と外筒20の内周面22との間をゴム状弾性材の加硫成形により加硫接着することで、内筒10の膨出部11と外筒20の凹設部21との間に介設される部位であり、図1又は図2に示すように、絞り加工が施された形状においては、略一定の肉厚を持つ球帯体の形状に形成されている。
ここで、図2に示すように、防振基体30は、外筒20の凹設部21(凹状球面)によって定められる仮想球面26内において、内筒10と外筒20との間を連結する。即ち、仮想球面26の軸方向外方側X1では、内筒10と外筒20との間に防振基体30が充填されないように構成されている。なお、軸方向外方側X1においては、防振基体30に連なるゴム膜31が内筒10の外周面12及び外筒20の内周面22に形成されている。
次いで、以上のように構成される防振ブッシュ100の製造方法について説明する。図5は、防振ブッシュ100の製造工程を示すフローチャートである。
防振ブッシュ100を製造するに際しては、図5に示すように、まず、切断工程(S1)から刻設工程(S3)の各工程をそれぞれ行うことで、内筒10及び外筒20を形成する。具体的には、内筒10の製造に際しては、まず、切断工程(S1)を行い、金属材料から構成される円筒状のパイプ材を所定の長さで切断した後、その切断工程により切断されたパイプ材15に対し、刻設工程(S3)を行うことで、内筒10を形成する。即ち、内筒10に関しては、鍛造工程(S2)は省略する。
ここで、図6を参照して、刻設工程(S3)について説明する。図6は、内筒10の製造工程を模式的に図示する模式図であり、図6(a)は、パイプ材15の上面図であり、図6(b)は、図6(a)のVIb−VIbにおけるパイプ材15の断面図である。
内筒10の製造に際しては、図6に示すように、切断工程(S1、図5参照)により切り出された円筒状のパイプ材15に対し、NC加工を施すことで(刻設工程S3、図5参照)、軸方向X(図6(b)左右方向)中央部において軸直角方向Yへ向けて全周にわたって膨出する膨出部11と、その膨出部になだらかに接続されると共に内筒10の軸方向両端部を構成する筒部の外周面12を形成する(図3参照)。なお、刻設工程(S3)では、内筒10の軸方向端面を面取りする工程も行われる。
図5に戻って説明する。外筒20の製造に際しては、切断工程(S1)を行い、金属材料から構成される円柱状のブランク材(中実ブランク)を所定の長さで切断した後、その切断工程により切断された中実ブランクに対し、鍛造工程(S2)及び刻設工程(S3)を行うことで、凹設部21及び凹溝24を有すると共に外周面が面一形状(ストレート形状)となる外筒20を形成する。即ち、刻設工程(S3)には、後述する凹溝形成工程及び除去工程が含まれている。
ここで、図7から図10を参照して、鍛造工程(S2)について説明する。図7及び図8は、中実ブランクから筒状部品に至る素材の塑性変形過程を段階的に示す断面図であり、各部材の右側半分のみを断面視して図示している。
また、図9及び図10は、第1から第6工程の各工程における素材の鍛造過程を段階的に示す断面図である。なお、図7(a)から図7(c)に示す各塑性変形過程は図9(a)から図9(c)に示す各鍛造過程に、図8(a)から図8(c)に示す各塑性変形過程は図10(a)から図10(c)に示す各鍛造過程に、それぞれ対応している。
鍛造工程(S3)では、まず、図9(a)に示す第1工程により、1番ダイス131の1番型穴141に、1番パンチ151によって円柱状のブランク材(中実ブランク、図示せず)を打込み、この1番パンチ151の先端の食込み及びノックアウトピン167の食込みによって、素材111aの両端面に浅い凹み113を形成すると共に、素材の型穴141の奥側先端外周縁に丸み111を形成する(図7(a)及び図9(a)参照)。
第1工程の後は、図9(b)に示す第2工程により、上述した第1工程における素材111aを反転して、2番パンチ152によって、2番ダイス132の型穴142に打込み、素材111bの型穴142の奥側先端外周縁に丸み112を形成する(図7(b)及び図9(b)参照)。
第2工程の後は、図9(c)に示す第3工程(打込み工程)により、上述した第2工程における素材111bを再び反転して、3番パンチ153によって、3番ダイス133の型穴143に打込み、この型穴143内に待機する打込みピン106を3番パンチ133側端面に接近する程度に深く食い込ませて、素材(底付き円筒部材)111cを形成する(図7(c)及び図9(c)参照)。なお、素材111cの底部114は、素材111cの3番パンチ133側先端近傍に位置し、後述する略球状の湾曲部117の形成領域から外れている。
第3工程の後は、図10(a)に示す第4工程(打抜き工程)により、上述した第3工程における素材111cを、筒状の4番パンチ154によって、4番ダイス134の型穴144に打込み、4番ダイス134の型穴144中央に待機する孔抜きピン161によって素材(底付き円筒部材)111cの底部114を打ち抜き、両端開口の素材(筒部材)111dを形成する(図8(a)及び図10(a)参照)。なお、底部114であった抜きカス119は、筒状の4番パンチ154の内孔155を通過して外部へ排出される。
第4工程の後は、図10(b)に示す第5工程(凹設部形成工程の一部)により、上述した両端開口の素材(筒部材)111dを、5番のパンチ側ダイス107にて、5番ダイス135の型穴145に打込む。5番ダイス135の型穴145は、奥側の丸穴145a及びこの丸穴145aに連続すると共に少し拡大して開口する拡大穴145bからなり、型穴145の中央にはピン163が臨出しており、丸穴145aと拡大穴145bとの境界部は、テーパ面145cとなっている(図10(b)参照)。
5番のパンチ側ダイス107にも、上述した5番ダイス135と同様に、丸穴175a及び拡大穴175bからなる型穴175とこの型穴175に臨出するピン174とが設けられている。5番のパンチ側ダイス107によって、5番ダイス135に打ち込まれた両端加工の素材111eの両端は、型穴145,175のピン163,174と丸穴145a,175aとの環状空間に対応して円筒体に絞られ、中央部は、拡大穴145b,175bに対応して断面台形状に形成される。ピン163,174は、筒状ノックアウトピン164,173に嵌っており、この筒状ノックアウトピン164,173の突き出しにより、5番ダイス135とパンチ側ダイス107とから素材111eを外す(図8(b)及び図10(b)参照)。
第5工程の後は、図10(c)に示す第6工程(凹設部形成工程の一部)により、上述した素材111eを、6番のパンチ側ダイス108にて、6番ダイス136の型穴146に打込む。6番ダイス136の型穴146は、奥側の丸穴146a及びこの丸穴146aに連続すると共に少し拡大して開口する球面穴146bからなり、型穴146の中央にはピン165が臨出しており、ピン165と丸穴146との環状空間は、成形すべき素材(筒状部品)111fの形状に対応している。丸穴146aの径は、素材111fの外径に一致し、球面穴146bは、素材111fの略球状の湾曲部117の球面に対応している(図8(c)及び図10(c)参照)。
6番のパンチ側ダイス108にも、上述した6番ダイス136と同様に、丸穴185a及び球面穴185bからなる型穴185とこの型穴185に臨出するピン184とが設けられている。6番のパンチ側ダイス108によって、6番ダイス136に打ち込まれた素材(筒状部品)111fの中央部は、球面穴146b,185bに対応して球面に膨らむ(図8(c)及び図10(c)参照)。これにより、素材(筒状部品)111fの内周面22に凹設部21が形成される。
図5に戻って説明する。鍛造工程(S2)により筒状部品111f(図10(c)参照)を形成した後は、上述したように、刻設工程(S3)を行うことで、筒状部品111fから外筒20を形成する。
ここで、図11を参照して、刻設工程(S3)について説明する。図11は、外筒20の製造工程を模式的に図示する模式図であり、図11(a)は、筒状部品111fの上面図であり、図11(b)は、図11(a)のXIb−XIbにおける筒状部品111fの断面図である。
刻設工程(S3)では、上述したように、凹溝形成工程及び除去工程が行われる。凹溝形成工程は、図11に示すように、筒状部品111fの内周面22に複数の凹溝24をNC加工により形成する工程であり、これにより、外筒20の内周面22には、軸方向Xに延びる複数の凹溝24が周方向Cに等間隔に分散して配置される(図4参照)。
一方、除去工程は、図11に示すように、鍛造工程(S2)の第6工程(凹設部形成工程、図8(c)及び図10(c)参照)において、筒状部品111fの中央に形成された球面状の膨らみ(湾曲部117の一部)をNC加工により除去する工程であり、これにより、外筒20の外周面が面一形状(ストレート形状)に形成される(図4参照)。
なお、外筒20は、上述したように、絞り加工前の状態では、外筒20の内周面22における軸方向X中央部(図7(b)に2点鎖線で示す凹設部21)が厳密な凹状球面にはなっておらず、図11(b)に示すように、中心P2が外筒20の軸Oから軸直角方向Yにずれた位置にある。
即ち、上述した鍛造工程(S2)における第6工程は、図11(b)に示すように、中心P2が軸Oからずれた位置にある円弧(図11(b)2点鎖線)を前記ずれ量(中心P2と軸Oとの距離)が維持された状態で軸O回りに回転させた際の軌跡としての形状(凹設部21)で、筒状部品111fの内周面22を窪ませる加工である。
そして、後述する絞り工程(S5)において、外筒20に縮径方向への絞り加工を施すことで、凹設部21は中心P2が中心P1に一致する球帯体に形成される(図1参照)。なお、刻設工程(S3)では、凹溝形成工程及び除去工程と共に、外筒20の軸方向端面を面取りする加工も行われる(図4参照)。
図5に戻って説明する。図5に示すように、刻設工程(S3)により、内筒10及び外筒20を製造した後は、次いで、加硫工程(S4)に移行する。ここで、図12を参照して、加硫工程(S4)について説明する。図12は、絞り加工前における加硫成形体の断面図である。
加硫工程(S4)では、上述した刻設工程(S3)により製造された内筒10及び外筒20を図示しない加硫金型内に配置すると共に、この加硫金型内へゴム状弾性材を注入し、内筒10の外周面12と外筒20の内周面22との間をゴム状弾性材の加硫成形により加硫接着することで、内筒10と外筒20との間に防振基体30を介在させる。これにより、図12に示す絞り加工前の加硫成形体(防振ブッシュ100)が得られる。
図5に戻って説明する。図5に示すように、加硫工程(S4)により、加硫成形体を製造した後は、次いで、絞り工程(S5)に移行する。ここで、図13を参照して、絞り工程(S5)について説明する。図13は、絞りダイス52及び加硫成形体の断面図であり、絞り工程(S5)を説明する図である。
絞り工程(S5)は、加硫工程(S4)により成形された加硫成形体の外筒20に縮径方向への絞り加工を施す工程であり、図13に示すように、放射状に分割された複数のダイス片50を持つダイス52を用いて行われる。
ダイス52は、本実施の形態では、図13に示すように、外筒20の凹溝24と同数の12個に分割されており、各ダイス片50の周方向中央に凹溝24が位置するように加硫成形体を設置し、各ダイス片50を径方向内方(加硫成形体側)へ向けて移動させることで、外筒20に縮径方向への絞り加工が施される。
これにより、防振ブッシュ100が製造される(図1又は図2参照)。なお、凹溝24は、絞り加工後も完全につぶれることはなく、凹溝24内に防振基体30(ゴム状弾性材)が充填された状態で残存する。
次いで、図14を参照して、防振ブッシュ100の車両への組み付け状態について説明する。図14は、防振ブッシュ100の車両への組み付け状態を示す断面図である。
図14に示すように、防振ブッシュ100の内筒10は、その両端面が車体側のブラケット1に挟まれた状態で、ボルトなどの図示しない締結部材で締め付けることにより、ブラケット1に固定されると共に、外筒20は、サスペンションアーム2の筒状のホルダ3に圧入固定され、これにより、防振ブッシュ100は、サスペンションアーム2と車体側のブラケット1とを防振的に連結する。
以上のように構成された防振ブッシュ100によれば、外筒20の内周面22に、内筒10の膨出部11の凸状球面と同心状の凹状球面(凹設部21)を設けたことで(図1参照)、こじり方向Zへの変位時には、膨出部11と凹設部21との間に介設された防振基体30の受ける力の大部分がせん断変形となるので、こじり方向Zにおけるばね定数を効果的に低減することができる。
一方、軸方向Xについては、膨出部11と凹設部21との間で防振基体30がせん断変形だけでなく、圧縮変形も受けることとなるので(図2参照)、ばね定数の増加を図ることができる。
そのため、図14に示すように、防振ブッシュ100をサスペンションアーム2に取り付けた場合には、こじり方向Zでのばね定数を低減して乗り心地性の向上を図りつつ、軸方向Xでのばね定数を高くして、操縦安定性の向上を図ることができ、その結果、乗り心地性と操縦安定性の両立を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施の形態で挙げた数値(例えば、各構成の数量や寸法・角度など)は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施の形態では、内筒10に設ける膨出部11を金属材料から筒部と一体に構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、筒部の外周面に樹脂材料からなる環状被覆体を取着することで、膨出部11を構成するようにしても良い。
或いは、内筒10を鍛造加工により形成しても良い。即ち、図8(c)に示す素材(筒状部品)111fと同様の鍛造加工により形成した部品を内筒10として利用するのである。この場合には、湾曲部117の最外周部に形成される凸部のみをNC加工により除去して、湾曲部117を面一の湾曲面に構成すれば良い。
上記実施の形態では、切断工程(S1)で切断した円柱状のブランク材(中実ブランク)に対して、鍛造工程(S2)を行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、円筒状のパイプ材に対して、鍛造工程を行うように構成しても良い。この場合には、切断工程(S1)により円筒状のパイプ材を所定長さに切り出すと共に(図8(a)参照)、その切り出したパイプ材(素材)に対し、上述した鍛造工程の第1工程から第3工程を省略し、第4工程からの工程を行うことで、筒状部品111fを得ることができる。
(a)は本発明の一実施の形態における防振ブッシュの上面図であり、(b )は図1(a)のIb−Ib線における防振ブッシュの断面図である。 防振ブッシュの部分拡大断面図である。 (a)は内筒の上面図であり、(b)は図3(a)のIIIb−IIIb線 における内筒の断面図である。 (a)は外筒の上面図であり、(b)は図4(a)のIVb−IVb線にお ける外筒の断面図である。 防振ブッシュの製造工程を示すフローチャートである。 (a)はパイプ材の上面図であり、(b)は図6(a)のVIb−VIbに おけるパイプ材の断面図である。 中実ブランクから筒状部品に至る素材の塑性変形過程を段階的に示す断面図 である。 中実ブランクから筒状部品に至る素材の塑性変形過程を段階的に示す断面図 である。 第1から第3工程の各工程における素材の鍛造過程を段階的に示す断面図で ある。 第4から第6工程の各工程における素材の鍛造過程を段階的に示す断面図 である。 (a)は筒状部品の上面図であり、(b)は図7(a)のXIb−XIb における筒状部品の断面図である。 絞り加工前における加硫成形体の断面図である。 絞りダイス及び加硫成形体の断面図である。 防振ブッシュの車両への組み付け状態を示す断面図である。
100 防振ブッシュ
10 内筒(第1円筒部材)
11 膨出部
12 外周面
15 パイプ材
20 外筒(第2円筒部材)
21 凹設部
22 内周面
24 凹溝
111f 筒状部品
26 仮想球面
30 防振基体
S1 切断工程
S2 鍛造工程
S4 加硫工程
S5 絞り工程
X 軸方向
Z こじり方向
C 周方向
O 軸
W 溝幅
D 隣接間隔(凹溝の配置間隔)
P1 中心(凸状球面の中心)
P2 中心(凹状球面の中心)

Claims (5)

  1. 第1円筒部材と、前記第1円筒部材の外周側に間隔を隔てて配置される第2円筒部材と、前記第1円筒部材と第2円筒部材との間に介在しゴム状弾性材から構成される防振基体とを備える防振ブッシュの製造方法において、
    金属材料から構成される円筒状のパイプ材を所定の長さで切断して前記第1円筒部材を形成する切断工程と、
    前記切断工程により形成された前記第1円筒部材に対し、前記第1円筒部材の外周面から軸直角方向へ向けて膨出し凸状球面をなす膨出部を形成する膨出部形成工程と、
    金属材料から構成される中実ブランクに打ち込みピンを打ち込んで底付き円筒部材を形成する打込み工程、前記打込み工程により形成された底付き円筒部材の底部を打ち抜いて円筒状の筒部材を形成する打抜き工程、前記打抜き工程により形成された筒部材の両端側を径小に絞る縮径工程、及び、前記縮径工程により両端側が径小に絞られた筒部材の中央を球面状に膨らませることで、前記膨出部よりも大径の凹状球面である凹設部を内周面に窪ませて前記第2円筒部材を形成する凹設部形成工程を有する鍛造工程と、
    前記鍛造工程により形成された第2円筒部材の内周面に軸方向へ延びる複数の凹溝を周方向へ分散させてNC加工により形成する凹溝形成工程と、
    前記凹溝形成工程により複数の凹溝が形成された第2円筒部材を、前記凸状球面をなす膨出部が前記凹状球面をなす凹設部により取り囲まれた状態で、前記第1円筒部材の外周側に同軸状に配置し、前記第2円筒部材の内周面と前記第1円筒部材の外周面との間をゴム状弾性材の加硫成形により加硫接着することで、前記第1円筒部材と第2円筒部材との間に前記防振基体を介在させる加硫工程と、
    前記加硫工程により防振基体が内周面に加硫接着された前記第2円筒部材に縮径方向への絞り加工を施す絞り工程と、を備え
    前記膨出部形成工程は、中心が軸上に位置する凸状球面として前記膨出部を形成するものであり、
    前記鍛造工程の凹設部形成工程は、中心が軸から所定間隔だけ離れて位置する円弧を前記軸回りに回転させた軌跡がなす凹状球面として前記凹設部を形成するものであり、
    前記絞り工程は、前記凹設部を形成する前記円弧の中心が前記膨出部の中心と一致する分だけ前記第2円筒部材を縮径させ、
    前記第2円筒部材は、前記凹設部が形成されることで、軸方向中央部が両端部に対して薄肉状に形成されると共に、前記凹溝は、前記凹設部を除くその他の軸方向部分の全体にわたって形成され周方向に配置されることにより、前記凹溝が配置された周方向位置で薄肉に形成され、
    前記加硫工程は、前記凹状球面としての凹設部によって定められる仮想球面内において、前記第1円筒部材と第2円筒部材との間を前記防振基体が連結するように、前記ゴム状弾性材を加硫成形するものであり、
    前記仮想球面の軸方向外方側では、前記第1円筒部材と前記第2円筒部材との間に前記防振基体が充填されないように構成されると共に、前記防振基体に連なるゴム膜が前記第1円筒部材の外周面及び前記第2円筒部材の内周面に形成され、
    前記絞り行程後において、前記凹溝内に前記防振基体が充填された状態で残存することを特徴とする防振ブッシュの製造方法。
  2. 前記凹溝形成工程は、前記第2円筒部材の内周面において、前記複数の凹溝を周方向へ等間隔に配置して形成するものであることを特徴とする請求項1記載の防振ブッシュの製造方法。
  3. 前記凹溝形成工程は、前記複数の凹溝をその溝幅よりも広い間隔で配置して形成するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の防振ブッシュの製造方法。
  4. 前記鍛造工程の凹設部形成工程により形成された前記第2円筒部材の中央における球面状の膨らみをNC加工により除去して、前記第2円筒部材の外周面を面一形状に構成する除去工程を少なくとも前記絞り工程の前に備えていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の防振ブッシュの製造方法。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の防振ブッシュの製造方法により製造されたものであることを特徴とする防振ブッシュ。
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