JP4282039B2 - 原木芯出し供給装置及び原木芯出し供給方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、切削用スピンドルにより原木をチャッキングして旋削する加工機における原木芯出し供給装置及び原木芯出し供給方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来の原木芯出し装置としては、例えば特公平4−60001号公報に示すように、上下方向に立設された機枠間を、X軸補正装置によって水平方向に進退自在とした一対の軸受箱に、その先端に把持爪が装着され、かつ回転角検知器が付設されたスピンドルを摺動自在に各々嵌挿すると共に、機枠上部の水平梁を案内として走行自在に横架された走行体に、Y軸補正装置によって昇降自在な搬送爪を両側より各々吊下し、一方、原木の長手方向に任意間隔をおいて複数個配設される各揺動腕の基端に、変位量検知器を各々付設してピン接し、さらに前記回転角検知器と変位量検知器の各データから演算される総体軸芯の座標値に基づき、前記軸受箱の前進補正量をX軸補正装置へ、また搬送爪の下降補正量をY軸補正装置へ各々出力して原木を芯出しする装置が知られている。
【0003】
この原木芯出し装置は、変位量検知器及び回転角検知器からのデータに基づいて演算された原木軸芯のデータによりX軸及びY軸の各補正装置に補正データを出力して原木をX軸及びY軸の方向へ移動して原木の軸芯をスピンドルに一致させて原木を芯出ししている。
【0004】
しかしながら、上記した原木芯出し装置は、把持爪(軸受箱)をX軸方向へ移動するX軸補正装置及び搬送爪をY軸方向へ移動するY軸補正装置の双方を必要とするため、原木芯出し装置自体が大型化すると共に構造が複雑化し、高コスト化していた。
【0005】
本発明は、上記した従来の欠点を解決するために発明されたものであり、その課題とする処は、上述したX軸補正専用の装置を省き、装置を小型化及び構造を簡易化して低コスト化することができる原木芯出し供給装置及び原木芯出し供給方法を提供することにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
このため請求項1は、原木をチャッキングするためのZ方向に軸中心線を持つ切削用スピンドルを少なくとも備えた加工機と共に用いられ、前記切削用スピンドルに前記原木を芯出しした状態で供給するための原木芯出し供給装置であって、
前記切削用スピンドルからX方向に所定距離を置いた箇所に配置され、且つ、前記切削用スピンドルと同じZ方向に軸中心線を持つ芯出し用スピンドルと、
該芯出し用スピンドルにチャッキングされた状態での原木の芯位置を検出する原木芯検出手段と、前記芯出し用スピンドルから前記原木を受け取り前記切削用スピンドルに引き渡すための前記Z方向及び前記Z方向に直交する成分を含むY方向に夫々移動可能な一対の原木搬送部材と、これら各部材の作動を制御する制御手段とを備えてなり、
前記原木搬送部材は、前記Y方向の基準仮想線が設定されており、
前記制御手段は、原木を保持した前記芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させ、前記原木芯検出手段により該原木の両木口面に想定される夫々の芯位置を演算処理する手段、前記Z方向から見て夫々の芯位置を通る仮想線の方向と前記原木搬送部材に設定された前記基準仮想線の方向とが一致するか平行となる様に前記芯出し用スピンドルを更に回転させる手段、前記一致するか平行となった状態で、前記原木を前記芯出し用スピンドルから前記原木搬送部材側へ移し替え、移し替えた後、前記一対の原木搬送部材を、前記芯位置を通る仮想線が前記切削用スピンドルの軸中心線を通る様に、X方向には一体的に、且つ保持している前記原木の前記芯位置の夫々を前記切削用スピンドルの回転中心に一致させる様に夫々制御する手段、及び、その状態で、前記原木を前記原木搬送部材から前記切削用スピンドル側にチャッキングされる様に前記原木搬送部材及び前記切削用スピンドルを制御する手段とを備えてなるものである。
また、前記一対の原木搬送部材の各々は、前記Z方向に移動可能なホルダと、該ホルダに備えられ、該ホルダに対し前記基準仮想線方向に移動可能とされた保持部材とを有する構成でも良い。
また、前記一対の原木搬送部材の前記基準仮想線は、前記保持部材を基準として設定されても良い。
また、前記一対の原木搬送部材は、前記X方向に向けて直線往復移動可能であっても良い。
また、前記一対の原木搬送部材は、任意の1点を中心として回動自在であっても良い。
また請求項6は、切削用スピンドルにより原木をチャッキングして旋削する加工機において、
切削用スピンドルから所定の距離をおいた箇所にて回転駆動可能で、切削用スピンドルの軸中心線と平行なZ方向へ移動可能に設けられた相対する一対の芯出し用スピンドルと、芯出し用スピンドルにチャッキングされた原木に対しZ方向に複数配置され、原木の芯位置を検出する原木芯検出手段と、切削用スピンドル側の所定位置即ち後述する保持部材の基準仮想線が切削用スピンドルの軸中心線を通る位置と、芯出し用スピンドル側の任意位置との間の方向の成分を含むX方向へ直線往復移動可能な可動フレームと、該可動フレームに備えられ、該可動フレームに対し前記Z方向へは夫々移動可能で、また前記Z方向に直交する成分を含むY方向に夫々移動可能でY方向と平行な基準仮想線が想定された一対の保持部材と、これら各部材の作動を制御する制御手段とからなり、
制御手段は、原木を保持した芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させ、原木芯検出手段により該原木の両木口面に想定される夫々の芯位置を演算処理し、次いで前記Z方向から見て夫々の芯位置を通る仮想線とY方向とが平行となるまで芯出し用スピンドルを更に回転させ、且つ可動フレームが待機している位置の保持部材の基準仮想線と該回転終了後の夫々の芯位置を通る仮想線との間のX方向の距離を演算し、
該演算された値により前記可動フレームを保持部材の基準仮想線が夫々の芯位置を通る仮想線と一致するまで移動させ、次に保持部材をZ方向で夫々が近接する方向へ移動させて保持部材により原木を両木口で保持させた後、芯出し用スピンドルによる原木のチャッキングを解除させ、
次に保持部材の基準仮想線が切削用スピンドルの軸中心線を通る位置まで可動フレームをX方向へ移動させると共に保持部材を可動フレームに対し夫々のY方向へ移動させて前記芯位置の夫々を切削用スピンドルの回転中心に一致させ、
次に切削用スピンドルにより前記原木をチャッキングさせるように制御するものであることを特徴としている。
【0007】
請求項7は、切削用スピンドルにより原木をチャッキングして旋削する加工機において、
切削用スピンドルから所定の距離をおいた箇所にて回転駆動可能で、切削用スピンドルの軸中心線と平行なZ方向へ移動可能に設けられた相対する一対の芯出し用スピンドルと、芯出し用スピンドルにチャッキングされた原木に対しZ方向に複数配置され、原木の芯位置を検出する原木芯検出手段と、切削用スピンドル側の任意位置と、芯出し用スピンドル側の所定位置即ち後述する保持部材の基準仮想線が切削用スピンドルの軸中心線から所定距離離れた位置との間の方向の成分を含むX方向へ直線往復移動可能な可動フレームと、該可動フレームに備えられ、該可動フレームに対し前記Z方向へは夫々移動可能で、また前記Z方向に直交する成分を含むY方向に夫々移動可能でY方向と平行な基準仮想線が想定された一対の保持部材と、これら各部材の作動を制御する制御手段とからなり、
制御手段は、遅くとも芯出し用スピンドル側の所定位置に移動した可動フレームの保持部材がZ方向で夫々が近接する方向へ移動し原木を両木口で保持するまでに、原木を保持した芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させ、原木芯検出手段により該原木の両木口面に想定される夫々の芯位置を演算処理し、次いで前記Z方向から見て夫々の芯位置を通る仮想線とY方向とが平行となるまで芯出し用スピンドルを更に回転させ、且つ回転終了後にY方向と平行となる夫々の芯位置を通る仮想線と切削用スピンドルの軸中心線との間の距離を演算し、
次に可動フレームが前記所定位置の状態の保持部材をZ方向で夫々が近接する方向へ移動させて保持部材により原木を両木口で保持させた後、芯出し用スピンドルによる原木のチャッキングを解除させ、
次に、保持部材の基準仮想線が該演算された距離移動するまで可動フレームをX方向へ移動させると共に保持部材を可動フレームに対し夫々のY方向へ移動させて前記芯位置の夫々を切削用スピンドルの回転中心に一致させ、
次に切削用スピンドルにより前記原木をチャッキングさせるように制御するものである。
【0008】
請求項8は、切削用スピンドルにより原木をチャッキングして旋削する加工機において、
切削用スピンドルから所定の距離をおいた箇所にて回転駆動可能で、切削用スピンドルの軸中心線と平行なZ方向へ移動可能に設けられた相対する一対の芯出し用スピンドルと、芯出し用スピンドルにチャッキングされた原木に対しZ方向に複数配置され、原木の芯位置を検出する原木芯検出手段と、任意の一点を中心として回動自在な回動フレームと、該回動フレームに備えられ、該回動フレームに対し前記Z方向へは夫々移動可能で、また回動中心から所定の半径方向に夫々移動可能であり、該半径方向に基準仮想線が設定されている一対の保持部材と、これら各部材の作動を制御する制御手段とからなり、
制御手段は、原木を保持した芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させ、原木芯検出手段により該原木の両木口面に想定される夫々の芯位置を演算処理し、次いで前記Z方向から見て夫々の芯位置を通る仮想線が該回動中心を通る状態となるまで芯出し用スピンドルを更に回転させ、且つZ方向から見て回動フレームの回動中心と切削用スピンドルの軸中心線とを結ぶ第1仮想線に対し回転終了後の夫々の芯位置を通る仮想線が成す第1角度と、回動フレームが待機している位置の保持部材の基準仮想線に対し前記夫々の芯位置を通る仮想線が成す第2角度を演算し、
次いで該演算された第2角度に基づいて保持部材の基準仮想線が前記夫々の芯位置を通る仮想線と一致するまで該回動フレームを回動させ、次に保持部材をZ方向で夫々が近接する方向へ移動させて保持部材により原木を両木口で保持させた後、芯出し用スピンドルによる原木のチャッキングを解除させ、
次いで前記演算された第1角度に基づいて、保持部材の基準仮想線が切削用スピンドルの軸中心線を通る位置まで回動フレームを回動させると共に保持部材を前記半径方向へ夫々移動させて前記原木の芯位置の夫々を切削用スピンドルの回転中心に一致させ、
次に切削用スピンドルにより前記原木をチャッキングさせるように制御するものである。
【0009】
請求項9は、切削用スピンドルにより原木をチャッキングして旋削する加工機において、
切削用スピンドルから所定の距離をおいた箇所にて回転駆動可能で、切削用スピンドルの軸中心線と平行なZ方向へ移動可能に設けられた相対する一対の芯出し用スピンドルと、芯出し用スピンドルにチャッキングされた原木に対しZ方向に複数配置され、原木の芯位置を検出する原木芯検出手段と、任意位置の一点を回動中心として、後述する保持部材の基準仮想線が、回動中心と切削用スピンドルの軸中心線とを結ぶ第1仮想線に対し芯出し用スピンドル側へ所定角度となる位置と、該所定角度となる位置から第1仮想線側に任意角度となる位置との間を回動自在な回動フレームと、該回動フレームに備えられ、該回動フレームに対し前記Z方向へは夫々移動可能で、また回動中心から所定の半径方向に夫々移動可能であり、該半径方向に基準仮想線が設定されている一対の保持部材と、これら各部材の作動を制御する制御手段とからなり、
制御手段は、遅くとも保持部材の基準仮想線が該所定角度となる位置に回動フレームが回動待機した後保持部材をZ方向で夫々が近接する方向へ移動させて原木を両木口で保持するまでに、原木を保持した芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させ、原木芯検出手段により該原木の両木口面に想定される夫々の芯位置を演算処理し、次いで前記Z方向から見て夫々の芯位置を通る仮想線が所定角度の位置の状態の回動フレームの保持部材の基準仮想線と平行となるまで芯出し用スピンドルを更に回転させ、且つZ方向から見て回転終了後の夫々の芯位置を通る仮想線上であって、回動中心までの距離が該回動中心から切削用スピンドルの軸中心線までの距離と等しくなる位置と該回動中心とを結ぶ直線に対し、前記保持部材の基準仮想線が成す第3角度を演算し、
次に回動フレームが前記所定角度の位置の状態の保持部材をZ方向で夫々が近接する方向へ移動させて保持部材により原木を両木口で保持させた後、芯出し用スピンドルによる原木のチャッキングを解除させ、
次に前記所定角度と前記第3角度に基づいて回動フレームを切削用スピンドルに向けて回動させると共に保持部材を前記半径方向へ夫々移動させて前記芯位置の夫々を切削用スピンドルの回転中心に一致させ、
次いで切削用スピンドルにより前記原木をチャッキングさせるように制御するものである。
【0010】
請求項10は、一対の芯出し用スピンドルで原木の両木口をチャッキングした状態で、芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させて原木芯検出手段により該原木の両木口における芯位置を演算させ、
次に前記芯出し用スピンドルの軸中心線と平行なZ方向から見て、前記芯位置の両方を通る仮想直線が所定のY方向になるまで一対の芯出し用スピンドルを更に回転させ、
次いで一対の保持部材をZ方向で夫々原木の木口に接近するように移動させて原木を保持した後、前記芯出し用スピンドルを夫々原木の木口から遠ざかる様に移動させ、
次に原木を旋削する加工機の切削用スピンドルで前記原木をチャッキングさせるまでに、
前記芯出し用スピンドルから切削用スピンドルに向かう方向の成分を含むX方向に前記一対の保持部材を一体的に移動させると共にY方向には前記保持部材を夫々移動させて前記原木の両木口における芯位置の夫々を切削用スピンドルの回転中心に一致させることを特徴とする原木芯出し供給方法である。
【0011】
尚、軸中心線とは、回転体の回転中心を結ぶ仮想線即ち回転体の長手方向と直交する各断面での回転中心を結ぶ仮想線を言う。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図に従って説明する。
【0013】
実施形態1
図1はベニヤレースを含む原木芯出し装置の概略正面図である。
【0014】
図2は図1の左方から視た側面図である。
【0015】
従来公知のベニヤレース1のフレーム3には左右一対の水平フレーム5が、原木7をチャッキングして回転させる切削用スピンドル9の軸中心線の方向、即ち切削用スピンドル9の長手方向と直交する各断面での回転中心Pを結ぶ仮想線と直交し、該切削用スピンドル9側と原木の芯出し位置側とにわたる長さで水平方向のX方向へ延出して設けられている。該水平フレーム5には切削用スピンドル9の軸中心線と平行なZ方向へ延出する可動フレーム11の両端部が、切削用スピンドル9の軸中心線と直交するX方向へ移動可能に支持され、該可動フレーム11の両端部に設けられたナット(図示せず)には水平フレーム5に取付けられた電動モータ13に連結され、切削用スピンドル9の軸中心線と直交するX方向に軸中心線を有して軸支された送りねじ等の移動部材15が連結されている。そして可動フレーム11は電動モータ13により駆動される移動部材15により、切削用スピンドル9上方の供給位置と後述する芯出し用スピンドル29上方の芯出し位置との間で往復移動される。
【0016】
尚、電動モータ13には、例えばロータリーエンコーダ等の回転角検出器13aが取付けられ、電動モータ13の回転量に応じて可動フレーム11の移動量を数値制御する。
【0017】
可動フレーム11には相対する一対のホルダ17が可動フレーム11の長手方向のZ方向へ移動可能に支持され、各ホルダ17には可動フレーム11の中間部に垂設された取付け板11aに設けられた油圧シリンダー等の第1作動部材19が夫々連結されている。そして各ホルダ17は対応する夫々の第1作動部材19の作動により、Z方向の相互が近接する方向及び離間する方向へ夫々移動される。
【0018】
尚、図は鉛直線に沿って垂下する方向へ延出する各ホルダ17を示すが、各ホルダ17は鉛直線に対し、切削用スピンドル9側或いは芯出し用スピンドル29側へ傾斜して設けてもよい。
【0019】
各ホルダ17の相対面には保持部材21が図示する鉛直線Y方向へ移動可能に夫々支持されている。即ち、各保持部材21にはホルダ17に固定された電動モータ23に連結された送りねじ等の上下移動部材25が夫々連結され、各電動モータ23により駆動される上下移動部材25により鉛直線Y方向へ夫々昇降動される。
尚、保持部材21には、所定位置への移動のために基準となる線として、保持部材21に対し定まった位置に設定された任意の点、例えば本実施形態では図4における保持部材21の左右方向の中心となる点を通りホルダ17に対する保持部材21の昇降方向と平行となるような仮想線VL1、が予め設定されており、可動フレーム11の移動により保持部材21を移動させる場合は、回転角検出器13aの情報により保持部材21の該仮想線VL1の位置が希望する箇所に至る様に制御して移動させる。
【0020】
尚、各保持部材21の相対面下部には原木7の各木口に突刺して保持する爪21aが設けられている。又、各電動モータ23には、例えばロータリーエンコーダ等の回転角検出器23aが取付けられ、電動モータ23の回転量に応じて上下方向に対する保持部材21の移動量を数値制御する。
【0021】
切削用スピンドル9の軸中心線から芯出し位置側へ一定の距離をおいたフレーム3には該切削用スピンドル9の軸中心線と平行な軸中心線を有した相対する一対の芯出し用スピンドル29が、回転可能で、かつ軸中心線Z方向へ移動可能に支持され、図2で左側の芯出し用スピンドル29の中間部外周にはスプライン溝29bが所要の軸中心線幅で形成されている。そしてスプライン溝29bが形成された芯出し用スピンドル29にはフレーム3に取付けられた電動モータ31に連結された回転体33がスプライン溝29bに噛み合って軸中心線回りに回り止めされると共に軸中心線Z方向へ摺動可能に連結され、電動モータ31の駆動に伴って芯出し用スピンドル29を回転させる。また、各芯出し用スピンドル29の外側端部には油圧シリンダー等の第2作動部材35が回動自在に連結され、第2作動部材35の作動により各芯出し用スピンドル29を軸中心線Z方向へ移動させて芯出しする原木7の両木口7a、7bをチャッキングさせる。
【0022】
尚、図は一対の芯出し用スピンドル29の内、一方の芯出し用スピンドル29に電動モータ31を連結し、他方の芯出し用スピンドル29を従転させる構造を示すが、双方の芯出し用スピンドル29に電動モータ31を夫々連結した構造であってもよい。また、電動モータ31には、例えばロータリーエンコーダー等の回転角検出器31aが取付けられ、芯出し用スピンドル29の回転角を検出する。
【0023】
図示するフレーム3の左側面には、例えば3個の原木芯検出器37が、芯出し用スピンドル29とほぼ一致する高さで、芯出し用スピンドル29から所要の距離L1をおいて芯出し用スピンドル29にチャッキングされた原木7に対しZ方向の両木口7a、7b側及び中間部の外周面に相対して取付けられている。これら原木芯検出器37は原木7における各部の外周面に向かって光を照射する光源と、外周面からの反射光を受光する受光部材(何れも図示せず)とからなり、予め設定された芯出し用スピンドル29の軸中心線と原木芯検出器37との間隔L1及び各原木芯検出器37から照射された光が原木7外周面から反射して受光されるまでの時間に基づいて算出された原木7における夫々の外周面と原木芯検出器37の距離L2により夫々の箇所における芯出し用スピンドル29を中心とする原木7の最大及び最小外径を測定する。そして後述する制御手段はこれらの測定データに基づいて原木7の芯位置7c、7dを演算処理して各木口面における芯位置を想定する。
【0024】
図3は芯出し供給装置の制御手段を示す電気的ブロック図である。
【0025】
制御手段を構成するCPU41のROM43には後述する原木7を芯出しして切削用スピンドル9に供給するプログラムデータが記憶されている。CPU41のRAM45は第1〜第3記憶領域45a〜45cを有し、第1記憶領域45aには切削用スピンドル9の回転中心P、芯出し用スピンドル29及び原木芯検出器37の位置データが、また第2記憶領域45bには芯出し用スピンドル29の回転角に対応する各原木芯検出器37と原木7外周面との距離データL2が、更に第3記憶領域45cには第1記憶領域45a及び第2記憶領域45bに記憶された夫々のデータにより演算された原木7の両木口7a、7b面に想定される芯位置データが夫々記憶される。
【0026】
尚、図中の符号47は第1〜第3記憶領域45a〜45cに記憶された夫々のデータに基づいて演算処理された制御データを一時的に記憶するバッファメモリである。
【0027】
CPU41には駆動制御回路49が接続され、該駆動制御回路49はバッファメモリ47に記憶された夫々の制御データに基づいて夫々の電動モータ13・23・31を駆動制御したり、移動部材15や第1及び第2作動部材19・35を作動制御する。
【0028】
次に、原木の芯出し供給作用を説明する。
【0029】
図4〜図10は芯出し供給作用を示す説明図である。
【0030】
可動フレーム11は芯出しされる原木7と干渉しない切削用スピンドル9側へ予め移動待機されている。この状態にて、例えばベニヤレース1の芯出し位置側における原木7の両木口7a、7b側及び中間部にて昇降可能に設けられたV字フレーム(図示せず)により仮り芯出しされて芯出し用スピンドル29間に供給された原木7又は公知のログチャージャー(図示せず)により芯出し用スピンドル29間に供給された原木7の両木口7a、7bに対し、CPU41からの信号で第2作動部材35を作動して芯出し用スピンドル29を互いに近接する方向へ移動し、原木7をチャッキングさせる(図4参照)。
【0031】
次に、CPU41からの信号を受けた駆動制御回路49からの信号で(以下CPU41からの信号でという)電動モータ31を駆動して回転する芯出し用スピンドル29により原木7を、少なくとも1回転させながら各原木芯検出器37により原木7における両木口7a、7b側及び中間部の外周面と相対する原木芯検出器37との距離L2を測定して原木7の芯位置7c、7dを検出する。
【0032】
即ち、芯出し用スピンドル29の軸中心線と各原木芯検出器37との間隔は予め所定の距離L1に設定されている。この状態にて原木7を回転させながら夫々の原木芯検出器37により、芯出し用スピンドル29の各回転角毎に、原木7における両木口7a、7b側及び中間部の外周面と原木芯検出器37との距離L2を測定し、芯出し用スピンドル29を中心とする原木各箇所の最大及び最小外径に関するデータを第2記憶領域45bに記憶させる。そして原木7が少なくとも1回転されると、CPU41からの信号で第2記憶領域45bに記憶された原木の各箇所における回転角度と最大及び最小外径に関するデータに基づいて原木の芯位置7c、7dを演算してそのデータを第3記憶領域45cに記憶させる(図5及び図6参照、図6において実線は前側の木口7a面及び該木口7a面に想定される芯位置7cを、また破線は後側の木口7b面及び該木口7b面に想定される芯位置7dを夫々示す)。
【0033】
次に、CPU41からの信号で第3記憶領域45cに記憶された原木両木口7a、7b面に想定される芯位置7c、7dデータに基づいて電動モータ31を駆動制御し原木7を更に回転させ、芯出し用スピンドル29の軸中心線と平行なZ方向より見て原木7の両木口7a、7b面に想定される芯位置7c、7dを共通に通る仮想線ML1を鉛直方向、即ちホルダ17に対する保持部材21の移動方向に一致させる。CPU41は同時にスピンドル9の回転中心Pから仮想線ML1までの距離を演算し、このデータの信号により、電動モータ13を駆動し、また回転角検出器13aで位置の情報を得て、可動フレーム11を切削用スピンドル9側から、保持部材21に定められた鉛直線VL1が上記仮想線ML1と一致するように移動させる(図7及び図8参照)。
【0034】
尚、上記説明は芯位置データに基づいて原木7を、各木口面における夫々の芯を通る仮想線ML1が鉛直方向と一致するように更に回転させた後に、保持部材21を芯出し位置側へ移動させて上記仮想線ML1に保持部材21の中心を通る鉛直線VL1に一致させたが、CPU41により芯位置データが演算されてから保持部材21を芯出し位置側へ移動させる途中又は保持部材21を芯出し用スピンドル29側へ移動させた後に、上記仮想線ML1を鉛直方向へ向けるように制御してもよい。
【0035】
次に、CPU41からの信号で第1作動部材19を作動してホルダ17を互いに近接する方向へ移動し、芯出し用スピンドル29にチャッキングされた原木7の両木口7a、7bに対応する保持部材21を圧接して保持させた後、第2作動部材35を復動して各芯出し用スピンドル29を、互いに離間する方向へ移動して原木7のチャッキングを解除させる。
【0036】
次に、CPU41からの信号で夫々の電動モータ23を、原木7の各木口面に想定される芯位置7c、7dデータと切削用スピンドル9の回転中心Pの位置データとに基づいて個別に駆動制御して、対応する夫々の保持部材21を昇降方向に移動させ、原木の両木口7a、7b面に想定される夫々の芯位置7c、7dを切削用スピンドル9の回転中心Pの高さに一致させる(図9参照)。
【0037】
尚、保持部材21にチャッキングされた原木7における両木口7a、7b面に想定される芯位置7c、7dを切削用スピンドル9の回転中心Pに一致させる作用は、後述するように保持部材21を切削用スピンドル9側へ移動させる途中又は移動させた後に行ってもよい。
【0038】
次に、CPU41からの信号で電動モータ13を駆動して各保持部材21により原木7を保持した状態で可動フレーム11を、原木7の木口に想定される夫々の芯位置7c、7dが切削用スピンドル9の回転中心Pを通る鉛直線VL2に至るまで移動させ、該夫々の芯位置7c、7dを切削用スピンドル9の回転中心Pに一致させる。次いでスピンドル作動部材(図示せず)を作動して各切削用スピンドル9を相互が近接する方向へ移動して原木7の両木口7a、7bを芯位置7c、7dにてチャッキングさせる(図10参照)。
【0039】
そして上記切削用スピンドル9による原木7のチャッキング後にCPU41からの信号で第1作動部材19を復動して保持部材21による原木7の保持を解除させた後、電動モータ23を駆動して各保持部材21を初期位置へ戻して原木7の芯出し供給作業を終了する。尚、実施形態1において、所定位置への移動のために基準となる線として保持部材21に設定した仮想線VL1は、保持部材に対し定まった位置にある点として、図4における保持部材21の左右方向の中心となる点を選択し、この点を通りホルダ17に対する保持部材21の昇降方向と平行となるような線としたが、該点は保持部材21に対して定まった位置にありさえすれば良く、保持部材21による原木7の保持に支障がなければ、例えば保持部材21の外に設定しても良い。即ち、前記左右方向の中心となる点以外に設定された点を通り保持部材21の昇降方向と平行となるような仮想線として、図4で仮想線VL1より右側にずれた仮想線VL3を保持部材21に設定するのである。ホルダ17を移動させる場合は、図7を用いて説明した仮想線ML1に仮想線VL3が一致するまでCPU41からの信号でホルダ17を移動させ、保持部材21で原木7を保持する。次いで仮想線VL3が仮想線VL2に一致するまでホルダ17を移動させ、該移動中又は移動後に、保持部材21を各々原木7の木口面に想定される芯位置7c、7dが切削用スピンドル9の回転中心Pの高さに一致するまで移動させ、次に切削用スピンドル9により原木7をチャッキングする様に制御するのである。
【0040】
実施形態2
実施形態1においては、ホルダ17を、保持部材21の基準仮想線VL1が切削用スピンドル9の回転中心Pを通る位置と、芯出し用スピンドル29側の任意位置との間を直線往復移動させたが、実施形態2はホルダ17を、切削用スピンドル9側の任意位置と、芯出し用スピンドル29側の保持部材21の基準仮想線が切削用スピンドル9の回転中心Pから所定距離離れた位置との間を直線往復移動させるものである。即ち実施形態2は、各部材の構成は実施形態1と同一であるが、ホルダ17に想定される基準仮想線と制御手段としてのCPUによる制御内容が実施形態1と異なるのである。
以下説明する。
実施形態1と同様に、CPU41からの信号で芯出し用スピンドル29により原木7を、少なくとも1回転させながら原木7の両木口7a、7bにおける芯位置7c、7dを検出し、次に原木7を更に回転させ、Z方向より見て原木7の両木口7a、7b面に想定される芯位置7c、7dを共通に通る仮想線ML1を鉛直方向に一致させる。
一方、CPU41からの信号で可動フレーム11の移動によりホルダ17が芯出し用スピンドル29側ヘ移動される場合は、図11に示す様にホルダ17の基準仮想線VL1が、切削用スピンドル9の回転中心Pから芯出し用スピンドル29側ヘ所定距離L4離れた定位置に常に移動させ該位置で待機させておく。
以上の様に仮想線ML1を鉛直方向に一致させ、またホルダ17を該定位置に待機させた後、CPU41によりホルダ17に想定された基準仮想線VL1と仮想線ML1との間の距離L5を演算し、また保持部材21の前記Z方向の移動により保持部材21で原木7を両木口7a、7bで保持させた後、芯出し用スピンドル29による原木7のチャッキングを解除させる。
次いでCPU41からの信号で、可動フレーム11を切削用スピンドル9側に、ホルダ17の基準仮想線VL1が図11において切削用スピンドル9の回転中心Pを通る鉛直線VL2より右側へ距離L5離れた位置となるまで移動させてから停止させる。この可動フレーム11の移動中又は移動終了後、実施形態1と同様に、夫々の電動モータ23を、原木7の各木口面に想定される芯位置7c、7dデータと切削用スピンドル9回転中心Pの位置データとに基づいて個別に駆動制御して、対応する夫々の保持部材21を昇降方向に移動させ、原木の両木口7a、7b面に想定される夫々の芯位置7c、7dを切削用スピンドル9の回転中心Pの高さに一致させる。
これら動作の終了後、スピンドル作動部材(図示せず)を作動して各切削用スピンドル9を相互が近接する方向へ移動して原木7の両木口7a、7bを芯位置7c、7dにてチャッキングさせる。
【0041】
実施形態3
図12は実施形態3に係る芯出し供給装置の概略正面図、図13は、図12の一点鎖線A−Aから矢印方向を見た拡大側面説明図である。
【0042】
切削用スピンドル9から第2作動部材35に至る上方に位置する水平フレーム5には、電動モータ53に連結された軸51が回動可能に軸支され、該軸51には回動フレーム54が固定されている。電動モータ53には、例えばロータリーエンコーダ等の回転角検出器53aが設けられ、該回転角検出器53aからの検出信号に基づいて後述する様に軸51を回動するように数値制御させる。
また図13に示す様に、回動フレーム54には、相対する一対のホルダ57が所要の間隔をおいて軸中心線回りに回り止めされると共に軸51の軸中心線方向へは移動可能に支持され、夫々のホルダ57には回動フレーム54に取り付けられた油圧シリンダー等の第1作動部材19が夫々連結されている。そして夫々のホルダ57は対応する夫々の第1作動部材19の作動に伴って,本実施形態1でZ方向となる相互が近接する方向及び離間する方向へ移動される。
各ホルダ57には実施形態1と同様の爪55aを有する保持部材55が、上下方向へ移動可能に支持され、夫々の保持部材55にはホルダ57に取り付けられた電動モータ23に連結された送りねじ等の上下移動部材25が連結されている。そして夫々の保持部材55は対応するホルダ57に対し、夫々の電動モータ23の駆動に伴って本実施形態1でY方向となる上下方向へ移動される。
尚、保持部材55には、所定位置への回動のために基準となる線、例えば本実施形態では図12における保持部材55の左右方向の中心となる点を通り軸51の半径方向の仮想線ML2、が予め設定されており、回動フレーム54の回動により保持部材55を本実施形態1でX方向となる回動方向に回動させる場合は、後述する様に回転角検出器53aからの情報により保持部材55の該仮想線ML2の位置が希望する箇所に至る様に制御して回動させる。
【0043】
尚、夫々の電動モータ23には、例えばロータリーエンコーダ等の回転角検出器23aが設けられ、該回転角検出器23aからの検出信号に基づいて保持部材55の移動量を数値制御させる。又、本実施形態における他の構成は実施形態1と同様であるため、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0044】
次に、本実施形態による原木の芯出し供給作用を説明する。
【0045】
図14〜図17は芯出し供給作用を示す正面説明図である。
【0046】
ホルダ57及び保持部材55は、軸51を駆動制御して芯出しされる原木7と干渉しない、例えば保持部材55の仮想線ML2が鉛直方向を向くように回動待機されている(図12参照)。尚、ホルダ57及び保持部材55の待機状態としては、上記仮想線ML2が切削用スピンドル9側に傾いた状態であってもよい。尚CPU41には、軸51の中心Rと切削用スピンドル9の回転中心Pとの間の距離rの値と、該中心Rと回転中心Pを結ぶ仮想線ML4と仮想線ML2とがなす角度θ1の値とが入力されている。
【0047】
次に、実施形態1と同様に、この状態にてCPU41からの信号で、例えばV字フレームやログチャージャーにより芯出し用スピンドル29間に供給された原木7の両木口7a、7bに対して芯出し用スピンドル29を互いに近接する方向へ移動させて原木7をチャッキングさせた後、電動モータ31を駆動して回転する芯出し用スピンドル29にチャッキングされた原木7を、少なくとも1回転させながら各原木芯検出器37により原木7の両木口7a、7b側及び中間部における芯出し用スピンドル29を中心とする最大及び最小外径を測定する。そしてCPU41は、原木7の各箇所における最大及び最小外径のデータに基づいて原木7の両木口7a、7b面での芯位置7c、7dを演算処理する。
【0048】
次に、CPU41からの信号で第3記憶領域45cに記憶された原木7の各木口面に想定される芯位置データに基づいて電動モータ31を駆動し、芯出し用スピンドル29の軸中心線と平行に見て原木7の両木口7a、7b面に想定される芯位置7c、7dを共通に通る仮想線ML3が軸51の中心Rを通る様に、即ち仮想線ML3が軸51の半径方向の仮想線に一致するように原木7を更に回転させる。(図14参照)またCPU41は、図14の状態において仮想線ML2と仮想線ML3とがなす角度θ2を演算して信号を出し、該信号により電動モータ53を駆動して軸51を回動し、ホルダ57及び保持部材55を、図14に示す位置から左側に回動させる。更にCPU41は、軸51が角度θ2回動したことを回転角検出器53aからの検出信号で検出すると、電動モータ53を停止させる信号を出し、このことにより保持部材55の仮想線ML2が上記仮想線ML3に一致する(図15参照)。
【0049】
次に、CPU41からの信号で第1作動部材19を作動してホルダ57を互いに近接する方向へ移動して保持部材55により芯出し用スピンドル29にチャッキングされた原木7の両木口7a、7bを保持させた後、第2作動部材35を復動して各芯出し用スピンドル29を互いに離間する方向へ移動して原木7のチャッキングを解除させる。次いでCPU41は、軸51の中心Rから原木7の各木口面に想定される芯位置データまでの各距離と前記距離rのデータとに基づいて該各距離を前記距離rと等しくするために必要な各保持部材55の半径方向の移動量を演算する。該演算された結果により出されたCPU41からの信号により、個別に各電動モータ23を駆動制御し、回転角検出器23aにより各保持部材55が該演算された量移動したことが確認されると、CPU41からの信号により電動モータ23の駆動を各々停止させる。その結果、該保持部材55に保持された原木7の両木口7a、7b面に想定される芯位置7c、7dが、軸51の中心Rを中心とし切削用スピンドル9の回転中心Pを通る円弧上に一致することになる(図16参照)。
【0050】
尚、保持部材55に保持された原木7における両木口7a、7b面に想定される芯位置7c、7dを切削用スピンドル9の回転中心Pを通る円弧上に一致させる作動は、後述するように原木7を保持部材55により保持した状態でホルダ57を切削用スピンドル9側へ回動させた後又は回動途中に実行してもよい。
【0051】
次に、CPU41からの信号で電動モータ53を駆動して軸51を図16で反時計方向に回動させてホルダ57を回動させ、仮想線ML2がθ1とθ2を合わせた角度回動したことが回転角検出器53aにより確認されると、CPU41は電動モータ53を停止する信号を出して該回動を停止させる。その結果、ホルダ57は仮想線ML2が該中心Rと回転中心Pを結ぶ仮想線ML4と、また原木7における両木口7a、7b面に想定される芯位置7c、7dが切削用スピンドル9の回転中心Pと一致することになる(図17参照)。
次いでスピンドル作動部材(図示せず)を作動して各切削用スピンドル9を原木7の両木口7a、7b側に移動し圧接させることで、前記想定される芯位置7c、7dと切削用スピンドル9の回転中心Pとが一致した状態で、原木7が切削用スピンドル9にチャッキングされる。
次に、CPU41からの信号で第1作動部材19を復動して保持部材55による原木7の保持を解除させた後、夫々の電動モータ53を駆動して図17で軸51を時計方向に回動させ、角度θ1回動したことが回転角検出器53aにより確認されると、CPU41は電動モータ53に停止する信号を出して電動モータ53を停止させると、各保持部材55は、図12に示す初期位置へ戻り原木7の芯出し供給作業を終了する。
【0052】
実施形態4
図18〜図21は芯出し供給作用を示す説明図である。
【0053】
実施形態3は、保持部材55により芯出しされた原木7を保持させる際に芯出し用スピンドル29により原木7を回転させて両木口7a、7b面に想定される夫々の芯位置7c、7dを共通に通る仮想線ML3に保持部材55の中心を通る基準仮想線ML2を一致させ、保持部材55に原木7を保持させた後に保持部材55を基準仮想線ML2の方向へ移動して夫々の木口面に想定される夫々の芯位置7c、7dを軸51のRを中心として切削用スピンドル9の回転中心Pを通る円弧上に一致させて芯出し供給する構成としたが、本実施形態は、実施形態3に示す芯出し供給装置において、保持部材55により、芯出しされた原木7を保持させる際に、芯出し用スピンドル29により原木7を回転させて両木口7a、7b面に想定される夫々の芯位置7c、7dを共通に通る仮想線ML3と保持部材55に設定した基準仮想線ML2とを一致させず平行になるようにする構成からなる。
【0054】
即ち、保持部材55の基準仮想線ML2が、図18で芯出し用スピンドル29の回転中心Sと軸51の中心Rとを結ぶ仮想線ML5より時計回りに所要の角度αずれた位置と、該所要の角度αずれた位置から反時計回りに任意角度ずれた位置との間で、往復回動可能に設けられている。但しこの所要の角度αは芯出し用スピンドル29によりチャッキングされた原木7の保持が可能な範囲に設定される。
尚、CPU41には予め、図18において仮想線ML4と仮想線ML5とがなす角度θ3の値が入力されている。
【0055】
そして実施形態3と同じ原木7を芯出し用スピンドル29でチャッキングし同様の作用で少なくとも1回転させ原木7の両木口7a、7b面での芯位置7c、7dを演算処理し、またCPU41からの信号で電動モータ53を駆動制御して図12の初期状態から軸51を時計方向に回動させ、図18に実線で示す様に保持部材55に設定した基準仮想線ML2が仮想線ML5に対し所要の角度αずれた位置に回動したことを回転角検出器53aにより確認されると、CPU41は電動モータ53に停止する信号を出して電動モータ53を停止させる。次いで、図18に示す様に電動モータ31を駆動して芯出し用スピンドル29に保持された原木7を、両木口7a、7b面に想定される夫々の芯位置7c、7dを共通に通る仮想線ML3が基準仮想線ML2と平行になるように回動させる。
尚、ホルダ57が図18における芯出し用スピンドル29側に回動し待機した際の保持部材55に設定してある基準仮想線ML2は、上記の様に常に定位置となるため、前記の様に芯出し用スピンドル29で原木7を回転させ両木口7a、7b面での芯位置7c、7dを演算処理した後、ホルダ57を芯出し用スピンドル29側に回動させる前に、芯出し用スピンドル29により夫々の芯位置7c、7dを共通に通る仮想線ML3が基準仮想線ML2と平行になるように回動させても良い。
【0056】
次に、CPU41からの信号で実施形態3と同様に第1作動部材19の作動で保持部材55により原木7を保持し、そして芯出し用スピンドル29による原木7のチャッキングを解除させる。次いで原木7における両木口7a、7b面の各芯位置データに基づいて演算された制御データにより夫々の電動モータ23を駆動制御し且つ移動量を回転角検出器23aに検出することで保持部材55を軸51の半径方向に各々移動させ、保持部材55に保持された原木7の両木口7a、7b面に想定される芯位置7c、7dを、軸51の中心Rを中心とし切削用スピンドル9の回転中心Pを通る円弧上に一致させる(図19参照)。
また、この状態でCPU41は、芯位置7c、7dと中心Rを結ぶ仮想線ML6と仮想線ML2とがなす角度βを演算する。
【0057】
次にCPU41からの信号で電動モータ53により軸51を回転駆動してホルダ57を反時計方向に回動させ、回転角検出器53aからの信号で軸51がα+θ3−βの角度回動したことを検出すると電動モータ53の作動を停止する信号を出し、軸51の回動を停止させる。その結果、図20に示す様に原木7の芯位置7c、7dが切削用スピンドル9の回転中心Pに一致する。この状態で、切削用スピンドル9を軸中心線方向へ移動して原木7を、チャッキングさせる。
【0058】
また、実施形態3及び4における保持部材55の中心を通る基準仮想線ML2は軸51の中心Rを通る想定としたが、図21に示すように軸51の中心Rを通らない線を想定し、ホルダ57に対する保持部材55を該基準仮想線ML2と平行に移動可能と構成すれば良い。
即ち、夫々の芯位置7c、7dを通る仮想線ML3と基準仮想線ML2とが平行又は一致するように制御し、次いで各芯位置データに基づいて演算された制御データにより夫々の電動モータ23を駆動制御し且つ移動量を回転角検出器23aに検出することで保持部材55を軸51の半径方向に各々移動させ、原木7の両木口7a、7b面に想定される芯位置7c、7dを、軸51の中心Rを中心とし切削用スピンドル9の回転中心Pを通る円弧上に一致させる。次いで、芯位置7cと中心Rを結ぶ仮想線とML4とがなす角度を演算し、該角度だけ軸51を反時計方向に回動させ、以下同様に切削用スピンドル9で原木をチャッキングすれば良いのである。
【0059】
尚、ベニヤレースには、図22で示すように、切削用スピンドル9と芯出し用スピンドル29の間となる位置に、切削中の原木が撓むことを防ぐために原木の周面に圧接されるバックアップロールBR及びこれを支持し且つ適宜移動させるための装置XSを設けるものもある。
この様なベニヤレースでは、例えば図16に示す位置から図17に示す位置へとホルダ57を回動させると、原木7が前記バックアップロールBR等の装置XSに当たってしまう。
そこでこの様なベニヤレースの場合は、軸51、保持部材55及びホルダ57等からなり原木を芯出し用スピンドル29側から切削用スピンドル9へと移動する部材を、上方に移動させた位置即ち芯出し用スピンドル29及び切削用スピンドル9から上方に更に遠ざかった位置に備える。更に該位置においても芯出し用スピンドル29にチャッキングされた原木7を保持部材55で保持でき、また保持部材55で保持した原木を切削用スピンドル9の必要な位置に供給できる様に、保持部材55のホルダ57に対する仮想線ML2の方向の移動可能な長さを十分に長く構成する。
この様な装置において、実施形態3と同様に保持部材55の仮想線ML2を芯位置7c、7dを共通に通る仮想線ML3に一致させる(図23参照)。次に、芯位置7c、7dを共通に通る仮想線ML3が軸51の中心Rを通る状態で芯出し用スピンドル29にチャッキングされている原木7を、ホルダ57に対し仮想線ML2の方向に十分に長く伸ばした状態の保持部材55で保持する(図24参照)。次いで芯出し用スピンドル29を原木7から遠ざかる方向に移動させた後、保持部材55を仮想線ML2の方向で軸51の中心R側に、軸51が切削用スピンドル9側に回動しても原木7が前記バックアップロール等の装置に当たらない様な位置まで後退させる(図25参照)。次に軸51を、保持部材55の仮想線ML2上に切削用スピンドル9の回転中心Pが位置するまで回動(図26参照)させ該回動を停止してから、保持部材55を各々仮想線ML2の方向で原木7の芯位置7c、7dが該スピンドル9の回転中心Pに一致するまで伸ばした(図27参照)後、各々停止させ、次いで切削用スピンドル9を各々原木7に向かう方向に移動させチャッキングするのである。
実施形態1及び2においても、芯位置7c、7dを通る仮想線ML1が鉛直方向となった状態の原木7を保持部材21で保持した後、ホルダ17が切削用スピンドル9側に移動しても原木7が前記バックアップロールBR等の装置XSに当たらない様な位置まで保持部材21を仮想線VL1の方向で上方に後退させる。次いで、仮想線ML1が切削用スピンドル9の回転中心Pを通る位置までホルダ17を移動させてから、保持部材21を各々仮想線VL1の方向で原木7の芯位置7c、7dが該回転中心Pに一致するまで伸ばした後停止し、以下同様に切削用スピンドル9で原木7をチャッキングすれば良い。
【0060】
実施形態1から4はベニヤレースの切削用スピンドルに原木を供給する場合であるが、図28に示すように、回転駆動されるカッターKTにて原木の外周の凹凸部分を排除する加工機の切削用スピンドルに原木を供給しても良い。
【0061】
【発明の効果】
このため本発明は、従来のようにX軸補正専用の装置を省き、装置を小型化及び構造を簡易化して低コスト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベニヤレースを含む原木芯出し装置の概略正面図である。
【図2】図1の左方から視た側面図である。
【図3】保持アームの移動機構を示す斜視図である。
【図4】芯出し供給装置の制御手段を示す電気的ブロック図である。
【図5】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図6】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図7】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図8】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図9】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図10】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図11】実施形態2に係るベニヤレースを含む芯出し供給装置の概略正面図である。
【図12】実施形態3に係るベニヤレースを含む芯出し供給装置の概略正面図である。
【図13】図12の一点鎖線A−Aから矢印方向を見た拡大側面説明図である。
【図14】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図15】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図16】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図17】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図18】実施形態4の芯出し供給作用を示す説明図である。
【図19】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図20】芯出し供給作用を示す説明図である。
【図21】変更実施形態を示す説明図である。
【図22】バックアップロールがある場合の芯出し供給作用を示す説明図である。
【図23】バックアップロールがある場合の芯出し供給作用を示す説明図である。
【図24】バックアップロールがある場合の芯出し供給作用を示す説明図である。
【図25】バックアップロールがある場合の芯出し供給作用を示す説明図である。
【図26】バックアップロールがある場合の芯出し供給作用を示す説明図である。
【図27】バックアップロールがある場合の芯出し供給作用を示す説明図である。
【図28】ベニヤレース以外の加工機を含む芯出し供給装置の概略正面図である。
【符号の説明】
1 ベニヤレース
7 原木
9 切削用スピンドル
17 ホルダ
21 保持部材
29 芯出し用スピンドル
37 原木芯検出器
41 制御手段としてのCPU
Claims (10)
- 原木をチャッキングするためのZ方向に軸中心線を持つ切削用スピンドルを少なくとも備えた加工機と共に用いられ、前記切削用スピンドルに前記原木を芯出しした状態で供給するための原木芯出し供給装置であって、
前記切削用スピンドルからX方向に所定距離を置いた箇所に配置され、且つ、前記切削用スピンドルと同じZ方向に軸中心線を持つ芯出し用スピンドルと、
該芯出し用スピンドルにチャッキングされた状態での原木の芯位置を検出する原木芯検出手段と、
前記芯出し用スピンドルから前記原木を受け取り前記切削用スピンドルに引き渡すための前記Z方向及び前記Z方向に直交する成分を含むY方向に夫々移動可能な一対の原木搬送部材と、
これら各部材の作動を制御する制御手段とを備えてなり、
前記原木搬送部材は、前記Y方向の基準仮想線が設定されており、
前記制御手段は、
原木を保持した前記芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させ、前記原木芯検出手段により該原木の両木口面に想定される夫々の芯位置を演算処理する手段、
前記Z方向から見て夫々の芯位置を通る仮想線の方向と前記原木搬送部材に設定された前記基準仮想線の方向とが一致するか平行となる様に前記芯出し用スピンドルを更に回転させる手段、
前記一致するか平行となった状態で、前記原木を前記芯出し用スピンドルから前記原木搬送部材側へ移し替え、移し替えた後、前記一対の原木搬送部材を、前記芯位置を通る仮想線が前記切削用スピンドルの軸中心線を通る様に、X方向には一体的に、且つ保持している前記原木の前記芯位置の夫々を前記切削用スピンドルの回転中心に一致させる様に夫々制御する手段、
及び、
その状態で、前記原木を前記原木搬送部材から前記切削用スピンドル側にチャッキングされる様に前記原木搬送部材及び前記切削用スピンドルを制御する手段とを備えた原木芯出し供給装置。 - 前記一対の原木搬送部材の各々は、前記Z方向に移動可能なホルダと、該ホルダに備えられ、該ホルダに対し前記基準仮想線方向に移動可能とされた保持部材とを有している請求項1記載の原木芯出し供給装置。
- 前記一対の原木搬送部材の前記基準仮想線は、前記保持部材を基準として設定されている請求項2記載の原木芯出し供給装置。
- 前記一対の原木搬送部材は、前記X方向に向けて直線往復移動可能とされている請求項1または2記載の原木芯出し供給装置。
- 前記一対の原木搬送部材は、任意の1点を中心として回動自在とされている請求項1又は2記載の原木芯出し供給装置。
- 切削用スピンドルにより原木をチャッキングして旋削する加工機において、
切削用スピンドルから所定の距離をおいた箇所にて回転駆動可能で、切削用スピンドルの軸中心線と平行なZ方向へ移動可能に設けられた相対する一対の芯出し用スピンドルと、
芯出し用スピンドルにチャッキングされた原木に対しZ方向に複数配置され、原木の芯位置を検出する原木芯検出手段と、
切削用スピンドル側の所定位置即ち後述する保持部材の基準仮想線が切削用スピンドルの軸中心線を通る位置と、芯出し用スピンドル側の任意位置との間の方向の成分を含むX方向へ直線往復移動可能な可動フレームと、
該可動フレームに備えられ、該可動フレームに対し前記Z方向へは夫々移動可能で、また前記Z方向に直交する成分を含むY方向に夫々移動可能でY方向と平行な基準仮想線が想定された一対の保持部材と、
これら各部材の作動を制御する制御手段とからなり、
制御手段は、原木を保持した芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させ、原木芯検出手段により該原木の両木口面に想定される夫々の芯位置を演算処理し、
次いで前記Z方向から見て夫々の芯位置を通る仮想線とY方向とが平行となるまで芯出し用スピンドルを更に回転させ、且つ可動フレームが待機している位置の保持部材の基準仮想線と該回転終了後の夫々の芯位置を通る仮想線との間のX方向の距離を演算し、該演算された値により前記可動フレームを保持部材の基準仮想線が夫々の芯位置を通る仮想線と一致するまで移動させ、
次に保持部材をZ方向で夫々が近接する方向へ移動させて保持部材により原木を両木口で保持させた後、芯出し用スピンドルによる原木のチャッキングを解除させ、
次に保持部材の基準仮想線が切削用スピンドルの軸中心線を通る位置まで可動フレームをX方向へ移動させると共に保持部材を可動フレームに対し夫々のY方向へ移動させて前記芯位置の夫々を切削用スピンドルの回転中心に一致させ、
次に切削用スピンドルにより前記原木をチャッキングさせるように制御することを特徴とする原木芯出し供給装置。 - 切削用スピンドルにより原木をチャッキングして旋削する加工機において、
切削用スピンドルから所定の距離をおいた箇所にて回転駆動可能で、切削用スピンドルの軸中心線と平行なZ方向へ移動可能に設けられた相対する一対の芯出し用スピンドルと、
芯出し用スピンドルにチャッキングされた原木に対しZ方向に複数配置され、原木の芯位置を検出する原木芯検出手段と、
切削用スピンドル側の任意位置と、芯出し用スピンドル側の所定位置即ち後述する保持部材の基準仮想線が切削用スピンドルの軸中心線から所定距離離れた位置との間の方向の成分を含むX方向へ直線往復移動可能な可動フレームと、
該可動フレームに備えられ、該可動フレームに対し前記Z方向へは夫々移動可能で、また前記Z方向に直交する成分を含むY方向に夫々移動可能でY方向と平行な基準仮想線が想定された一対の保持部材と、
これら各部材の作動を制御する制御手段とからなり、
制御手段は、遅くとも芯出し用スピンドル側の所定位置に移動した可動フレームの保持部材がZ方向で夫々が近接する方向へ移動し原木を両木口で保持するまでに、原木を保持した芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させ、原木芯検出手段により該原木の両木口面に想定される夫々の芯位置を演算処理し、次いで前記Z方向から見て夫々の芯位置を通る仮想線とY方向とが平行となるまで芯出し用スピンドルを更に回転させ、且つ回転終了後にY方向と平行となる夫々の芯位置を通る仮想線と切削用スピンドルの軸中心線との間の距離を演算し、
次に可動フレームが前記所定位置の状態の保持部材をZ方向で夫々が近接する方向へ移動させて保持部材により原木を両木口で保持させた後、芯出し用スピンドルによる原木のチャッキングを解除させ、
次に、保持部材の基準仮想線が該演算された距離移動するまで可動フレームをX方向へ移動させると共に保持部材を可動フレームに対し夫々のY方向へ移動させて前記芯位置の夫々を切削用スピンドルの回転中心に一致させ、
次に切削用スピンドルにより前記原木をチャッキングさせるように制御することを特徴とする原木芯出し供給装置。 - 切削用スピンドルにより原木をチャッキングして旋削する加工機において、
切削用スピンドルから所定の距離をおいた箇所にて回転駆動可能で、切削用スピンドルの軸中心線と平行なZ方向へ移動可能に設けられた相対する一対の芯出し用スピンドルと、
芯出し用スピンドルにチャッキングされた原木に対しZ方向に複数配置され、原木の芯位置を検出する原木芯検出手段と、
任意の一点を中心として回動自在な回動フレームと、
該回動フレームに備えられ、該回動フレームに対し前記Z方向へは夫々移動可能で、また回動中心から所定の半径方向に夫々移動可能であり、該半径方向に基準仮想線が設定されている一対の保持部材と、
これら各部材の作動を制御する制御手段とからなり、
制御手段は、原木を保持した芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させ、原木芯検出手段により該原木の両木口面に想定される夫々の芯位置を演算処理し、次いで前記Z方向から見て夫々の芯位置を通る仮想線が該回動中心を通る状態となるまで芯出し用スピンドルを更に回転させ、且つZ方向から見て回動フレームの回動中心と切削用スピンドルの軸中心線とを結ぶ第1仮想線に対し回転終了後の夫々の芯位置を通る仮想線が成す第1角度と、回動フレームが待機している位置の保持部材の基準仮想線に対し前記夫々の芯位置を通る仮想線が成す第2角度を演算し、
次いで該演算された第2角度に基づいて保持部材の基準仮想線が前記夫々の芯位置を通る仮想線と一致するまで該回動フレームを回動させ、
次に保持部材をZ方向で夫々が近接する方向へ移動させて保持部材により原木を両木口で保持させた後、芯出し用スピンドルによる原木のチャッキングを解除させ、
次いで前記演算された第1角度に基づいて、保持部材の基準仮想線が切削用スピンドルの軸中心線を通る位置まで回動フレームを回動させると共に保持部材を前記半径方向へ夫々移動させて前記原木の芯位置の夫々を切削用スピンドルの回転中心に一致させ、
次に切削用スピンドルにより前記原木をチャッキングさせるように制御することを特徴とする原木芯出し供給装置。 - 切削用スピンドルにより原木をチャッキングして旋削する加工機において、
切削用スピンドルから所定の距離をおいた箇所にて回転駆動可能で、切削用スピンドルの軸中心線と平行なZ方向へ移動可能に設けられた相対する一対の芯出し用スピンドルと、
芯出し用スピンドルにチャッキングされた原木に対しZ方向に複数配置され、原木の芯位置を検出する原木芯検出手段と、
任意位置の一点を回動中心として、後述する保持部材の基準仮想線が、回動中心と切削用スピンドルの軸中心線とを結ぶ第1仮想線に対し芯出し用スピンドル側へ所定角度となる位置と、該所定角度となる位置から第1仮想線側に任意角度となる位置との間を回動自在な回動フレームと、
該回動フレームに備えられ、該回動フレームに対し前記Z方向へは夫々移動可能で、また回動中心から所定の半径方向に夫々移動可能であり、該半径方向に基準仮想線が設定されている一対の保持部材と、
これら各部材の作動を制御する制御手段とからなり、
制御手段は、遅くとも保持部材の基準仮想線が該所定角度となる位置に回動フレームが回動待機した後保持部材をZ方向で夫々が近接する方向へ移動させて原木を両木口で保持するまでに、原木を保持した芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させ、原木芯検出手段により該原木の両木口面に想定される夫々の芯位置を演算処理し、次いで前記Z方向から見て夫々の芯位置を通る仮想線が所定角度の位置の状態の回動フレームの保持部材の基準仮想線と平行となるまで芯出し用スピンドルを更に回転させ、且つZ方向から見て回転終了後の夫々の芯位置を通る仮想線上であって、回動中心までの距離が該回動中心から切削用スピンドルの軸中心線までの距離と等しくなる位置と該回動中心とを結ぶ直線に対し、前記保持部材の基準仮想線が成す第3角度を演算し、
次に回動フレームが前記所定角度の位置の状態の保持部材をZ方向で夫々が近接する方向へ移動させて保持部材により原木を両木口で保持させた後、芯出し用スピンドルによる原木のチャッキングを解除させ、
次に前記所定角度と前記第3角度に基づいて回動フレームを切削用スピンドルに向けて回動させると共に保持部材を前記半径方向へ夫々移動させて前記芯位置の夫々を切削用スピンドルの回転中心に一致させ、
次いで切削用スピンドルにより前記原木をチャッキングさせるように制御することを特徴とする原木芯出し供給装置。 - 一対の芯出し用スピンドルで原木の両木口をチャッキングした状態で、芯出し用スピンドルを少なくとも1回転させて原木芯検出手段により該原木の両木口における芯位置を演算させ、
次に前記芯出し用スピンドルの軸中心線と平行なZ方向から見て、前記芯位置の両方を通る仮想直線が所定のY方向になるまで一対の芯出し用スピンドルを更に回転させ、
次いで一対の保持部材をZ方向で夫々原木の木口に接近するように移動させて原木を保持した後、前記芯出し用スピンドルを夫々原木の木口から遠ざかる様に移動させ、
次に原木を旋削する加工機の切削用スピンドルで前記原木をチャッキングさせるまでに、
前記芯出し用スピンドルから切削用スピンドルに向かう方向の成分を含むX方向に前記一対の保持部材を一体的に移動させると共にY方向には前記保持部材を夫々移動させて前記原木の両木口における芯位置の夫々を切削用スピンドルの回転中心に一致させることを特徴とする原木芯出し供給方法。
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