JP4280432B2 - 自動販売機の商品搬出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商品コラム内の最下位の商品から1個ずつ落下搬出する自動販売機の商品搬出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、サーペンタイン式自動販売機では、商品コラムの下部の商品通路に商品搬出装置を設置し、この商品搬出装置は次のようにして、商品を1個ずつ搬出している。
【0003】
即ち、商品搬出装置の下部には商品通路内で上下に回動するゲートレバーを設置し、商品搬出装置の上部にはこれまた商品通路に出没自在のロックレバーを設置している。販売待機時は、ゲートレバー上に商品を1個ずつ積み重ねた状態となっており、ゲートレバーにより商品コラム内に収納された商品全体が保持されている。販売時は商品通路の一側面から突出したロックレバーにより最下位から2番目の商品を保持するとともに、ゲートレバーが最下位の商品の荷重により下方に向かって回転して、ゲートレバー上の最下位の商品を落下搬出する。この最下位の商品が落下搬出された後、ゲートレバーが上方に向かって回転復帰して待機位置に戻る。その後、ロックレバーを商品通路から後退させて、最下位から2番目の商品をゲートレバー上に落下させ、待機状態に戻す。以上のような動作を繰り返すことにより、商品コラム内の商品が1個ずつ最下位の商品から搬出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、商品搬出時に最下位から2番目の商品を保持する際は、ロックレバーの先端側が最下位の商品と最下位から2番目の商品との間に入り込むことにより、最下位の商品が落下搬出した際でも最下位から2番目の商品がロックレバーにより保持される。
【0005】
このようなロックレバーの入り込み動作において、商品が円筒状の缶商品や同じく瓶商品のときは、上下に隣接する商品同士の間に左右に大きな隙間があるため、ロックレバーの先端側がこの隙間に容易に入り込み、商品を確実に保持することができる。
【0006】
しかしながら、商品が角柱状のペットボトル商品のときは、上下に隣接する商品同士の間で形成される隙間が、商品の各コーナのR形状部分に限られているため、ロックレバーがこの隙間に入り難くなっていた。
【0007】
特に、ペットボトル商品は軟質樹脂等で形成されているため、ペットボトルが変形してロックレバーと商品通路の側面との間を通り抜けてしまったり、或いは、商品にロックレバーが食い込んだ状態で保持され、商品詰まりの原因になっていた。
【0008】
本発明の目的は前記従来の課題に鑑み、角柱状のペットボトル商品であっても、最下位から2番目の商品を適正な姿勢でかつ確実に保持できる自動販売機の商品搬出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、商品コラム内に収納された商品のうち最下位の商品を搬出するとき、ゲートレバーが最下位の商品の保持状態を解除して落下搬出する一方、商品通路の一側面から突出したロックレバーにより上方から落下する最下位から2番目の商品を保持する自動販売機の商品搬出装置において、商品通路の他方の側面には落下する最下位から2番目の商品を支持する突起を設け、商品通路の一方の側面には他方の側面側に向かって最下位から2番目の商品を寄せるよう押圧するバネ手段を有する構造となっている。
【0010】
本発明によれば、例えば角柱状のペットボトル商品を搬出するときは、ゲートレバーが開放するとともに、ロックレバーが商品通路に入り込む。このゲートレバーの開放により商品コラム内の商品の支持状態が解除される一方、最下位から2番目の商品に対してバネ手段の押圧力が作用しているため、2番目の商品が商品通路の他側面に向かって押し出される。これにより、2番目の商品の下部コーナのうち、商品通路側の下部コーナが突起上に対向する位置となり、この突起によって2番目の商品の一部が支持される。この突起の支持機能により、この2番目の商品と落下中の最下位の商品との間に隙間ができ、この隙間にロックレバーが入り込み2番目の商品が確実に保持される。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は本発明の一実施形態に係る自動販売機の商品搬出装置を示すもので、図1は自動販売機の概略断面図、図2は商品搬出装置の正面斜視図、図3は商品搬出装置の背面斜視図、図4は小型商品搬出時の正面斜視図、図5は大型商品搬出時の正面斜視図、図6は大型商品の販売待機時の側面概略図、図7は大型商品の販売時の側面概略図である。
【0012】
まず、自動販売機の概略を図1を参照して説明する。この自動販売機はサーペンタイン式自動販売機を示すもので、前後に複数の商品コラム1を並設しており、商品コラム1の下部側の商品通路Aにそれぞれ商品搬出装置2が設置されている。
【0013】
この商品搬出装置2の構造を図2〜図5を参照して説明する。この商品搬出装置2は、縦に延在された基板21を有し、この基板21の上部略中央には図3に示すように売り切れ検知スイッチ20を設置しており、このスイッチ20により商品コラム1内の商品の有無を検知している。ここで、商品コラム1に収納されている商品は、角柱状のペットボトル商品であり、横断面積が小さな小型の商品S1,S2と横断面積が大きな大型の商品S11,S21が収納されている。
【0014】
基板21の略中央には下端をシャフト221で軸支した板状のメインロックレバー22が横方向に延在している。このメインロックレバー22はシャフト221を軸に商品通路Aに出没自在に回動する。また、メインロックレバー22は左右に2つの貫通孔222を有し、後述するサブロックレバー23の爪234が嵌り込むようになっている。また、メインロックレバー22の裏面には図3に示すように後方に突出した支持板223が間隔をおいて複数有しており、この支持板223には後方に向かって開口した案内溝224を形成している。この案内溝224には回転付与シャフト225が架設されており、回転付与シャフト225が上下動するとき、回転付与シャフト225が案内溝224をなぞって支持板223を上下に回転させ、メインロックレバー22に対して上下の回転力が付与される。
【0015】
サブロックレバー23はフレーム231により方形状に形成したもので、その基部がメインロックレバー22の上方に位置するシャフト232に軸支され、商品通路A内で上下に回動できるようになっている。シャフト232にはバネ233が巻回しており、バネ力によりフレーム231全体が上方に付勢されている。また、フレーム231のうち前側フレームには後方に向かって突出した爪234が2個形成されており、この爪234がメインロックレバー22の貫通孔222に嵌め込み可能となっている。また、サブロックレバー23の回動中心から先端までの長さ寸法は、図4に示すように、サブロックレバー23がメインロックレバー22の先端に当たる際に、サブロックレバー23の先端がメインロックレバー22の上端から前方に突出するように大きく設計している。
【0016】
このように構成されたメインロックレバー22及びサブロックレバー23により最下位から2番目の商品S2,S21を保持するロックレバー24を構成している。
【0017】
基板21の下部には最下位の商品S1,S11を保持するゲートレバー25が設置されている。このゲートレバー25は最下位の商品S1,S11を載せて支持する受け板250を有し、受け板250の一端がシャフト251により基板21に軸支されており、受け板250がシャフト251を回転軸として上下方向に回動自在となっている。シャフト251にはバネ252が巻回しており、バネ252の弾発力により受け板250を上方に向かって付勢している。また、受け板250の裏面には斜め後方に向かってストッパーアーム253が延びている。更に、シャフト251には商品位置調整部材254が固着されており、受け板250上に落下した2番目の商品S2,S21を商品位置調整部材254により受け板250の前側に移動させるようにしている。
【0018】
基板21の上部裏面には図3に示すようにソレノイド26が設置されている。このソレノイド26のプランジャ261は下方に向かって延在されており、プランジャ261の下端には上下に延在された作動板262が連結している。
【0019】
この作動板262はその下端に復帰用バネ263が連結しており、ソレノイド26が吸引するときは作動板262が上方に向かって引き上げられ、一方、ソレノイド26の吸引動作が終了したときは、復帰用バネ263の付勢力により作動板262が下方に移動する。また、この作動板262の上部側には前記回転付与シャフト225が連結しており、作動板262の上下動により、図6及び図7に示すように、メインロックレバー22が商品通路Aに出没するよう回動する。また、作動板262の下端にはストッパーシャフト264が固着されている。このストッパーシャフト264が下位にあるときは(ゲートレバー25の待機状態のときは)、図3に示すようにストッパーアーム253の下端がこれに当たり、ゲートレバー25の下方への回転を規制している。一方、ストッパーシャフト264が上方に移動するときは、この規制が解除され、ゲートレバー25の下方への回動を許容する。
【0020】
基板21の裏面には図3に示すように作動板262を間にして左右には回転付与シャフト225とストッパーシャフト264を上下に案内する案内部材27,28が形成されている。各案内部材27,28のうち、図3に向かって左側の案内部材27は基板21の側板となっており、一方、右側の案内部材28は上下に延びる棒体で構成している。各案内部材27,28の上部側には回転付与シャフト225を案内する上案内孔271,281を有し、下部側にはストッパーシャフト264を案内する下案内孔272,282を有している。
【0021】
基板21の上面には前記売り切れ検知器20のアクチュエータ(図示しない)の前面を覆うバネ手段29を設置している。このバネ手段29はバネ取り付け基板291とバネ板292とを有している。このバネ取り付け基板291の上端は商品搬出装置2を商品通路Aに固定する支持シャフト2aに回動自在に吊着され、下端はV字状に折り曲げている。バネ板292は略U字状に形成されており、上端をシャフト292aを介してバネ取り付け基板291に取り付けられている。また、バネ取り付け基板291の左右の切欠291aにバネ板292の左右のアーム部292bが貫通するようになっている。また、シャフト292aにはコイルバネ292cが取り付けられており、バネ板292がコイルバネ292cの付勢力により前方に向かって付勢されるよう設定されている。
【0022】
このように構成された商品搬出装置2は図6及び図7に示すように、商品通路Aの一側面A1に設置されており、商品通路Aの他側面A2には突起30が設置されており、断面三角形状に形成され、メインロックレバー22の上端とほぼ対向する位置となっている。
【0023】
次に、主に図6及び図7を参照して大型の商品S11,S21が収容されているときの動作を説明する。販売待機時においては、図6に示すように、大型の商品S11,S21の横断面積が大きい分、サブロックレバー23の基部と商品S11,S21との間隔が狭くなり、これにより、サブロックレバー23の回動角度が小さくなっている。一方、受け板250の上には最下位の商品S11が載っており、販売待機状態となっている。
【0024】
この状態で商品の販売信号が入力されたときは、ソレノイド26が励磁しプランジャ261を上方に引き上げ、メインロックレバー22が、図7に示すように、商品通路Aに向かって突出する。一方、プランジャ261の引き上げ動作により、図7に示すように、ストッパーシャフト264がストッパーアーム253から外れ、ゲートレバー25が商品荷重により下方に向かって回転する。これにより、最下位の商品S11が落下搬出される。
【0025】
この最下位の商品S11の落下搬出により、この商品S11の上に積まれていた最下位から2番目の商品S21が図7に示すように下方に向かって落下する。このとき、バネ手段29のバネ板292が最下位から2番目の商品S21を商品通路Aの他方の側面A2に向かって押圧しているため、2番目の商品S21が突起30の真上に押し出され、突起30により商品S21の一部が支持される。これにより、商品S21の下方への落下が規制され最下位の商品S11と2番目の商品S21が離れる。そして、商品S11と商品S21との間隙にメインロックレバー22が入り込み2番目の商品S21を支持する。このようにして、メインロックレバー22と突起30との間に2番目の商品S21が保持される。なお、サブロックレバー23は、図5に示すように、爪222がメインロックレバー22の貫通孔234に嵌り込み、メインロックレバー22の回転を規制している。
【0026】
その後、ゲートレバー25がバネ252の付勢力により待機位置に戻る一方、ソレノイド26の励磁時間が終了して作動板262、ストッパーシャフト264及び回転付与シャフト225が元の待機位置に戻る。また、メインロックレバー22及びサブロックレバー23が元の待機位置に戻って、最下位から2番目の商品S21がゲートレバー25の受け板250上に落下する。これにより、最下位から2番目の商品S21が最下位の商品S11となって、再び販売待機状態となる。
【0027】
以上のように本実施形態に係る商品搬出装置によれば、最下位の商品S11を搬出する際、最下位から2番目の商品S21がバネ手段29により突起30側に押圧されて最適な保持位置に移動するため、搬出不良を起こすことがない。
【0028】
また、最下位の商品S11を搬出する際、2番目の商品S21が突起30に支持され、最下位の商品S11と最下位から2番目の商品S21とが離隔するため、メインロックレバー22が2番目の商品S21と最下位の商品S11との間に円滑に入り込み、メインロックレバー22と突起30により2番目の商品S21が確実に保持される。
【0029】
なお、前記実施形態ではバネ板292のアーム部292bをシャフト292aに回動自在に吊着しているが、このアーム部292bの長さ寸法を長くしてコイルバネ292cを介して支持シャフト2aに回動自在に吊着するようにしてもよい。
【0030】
本実施形態では、小型商品S1,S2を搬出する際もバネ手段29が同様に作用するため、その説明を省略する。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、最下位の商品を搬出する際、最下位から2番目の商品が突起側に押圧され、最適な保持位置に移動するため、搬出不良を起こすことがない。
【0032】
また、最下位の商品を搬出する際、最下位から2番目の商品が突起に支持され、最下位の商品と最下位から2番目の商品とが離隔するため、ロックレバーが最下位から2番目の商品と最下位の商品との間に円滑に入り込み、ロックレバーと突起により最下位から2番目の商品が確実に保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動販売機の概略断面図
【図2】商品搬出装置の正面斜視図
【図3】商品搬出装置の背面斜視図
【図4】小型商品搬出時の正面斜視図
【図5】大型商品搬出時の正面斜視図
【図6】大型商品販売待機時の側面概略図
【図7】大型商品販売時の側面概略図
【符号の説明】
1…商品コラム、2…商品搬出装置、24…ロックレバー、25…ゲートレバー、29…バネ手段、30…突起、S11,S21…大型商品、A…商品通路。
Claims (1)
- 商品コラム内に収納された商品のうち最下位の商品を搬出するとき、ゲートレバーが最下位の商品の保持状態を解除して落下搬出する一方、商品通路の一側面から突出したロックレバーにより上方から落下する最下位から2番目の商品を保持する自動販売機の商品搬出装置において、
前記商品通路の他方の側面には落下する最下位から2番目の商品を支持する突起を設け、
前記商品通路の一方の側面には他方の側面側に向かって最下位から2番目の商品を寄せるよう押圧するバネ手段を有する
ことを特徴とする自動販売機の商品搬出装置。
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