JP4113023B2 - 自動販売機の商品払出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、箱形形状をなす複数の商品(例えばシガレット)を積層して収納する商品コラムの下部に組み込まれて、その最下位置の商品から順に該商品コラムの前面に払い出す自動販売機の商品払出装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
シガレット等の箱形形状の商品を販売する自動販売機は、図5に示すように箱形の自動販売機本体1の内部に、複数の商品を積み重ねて収納する複数の商品コラム2を備えている。そしてその前扉3に設けられた商品選択釦(図示せず)の選択的な操作に応じて該当商品をその最下位置のものから順に上記商品コラム2から払い出し、商品シュート4を介して前記前扉3に設けられた商品取出部5に導くように構成される。
【0003】
尚、前記各商品コラム2の下部には、商品払出装置6がそれぞれ組み込まれる。この商品払出装置6は、例えば図6にその内部を透視した構造図を示すように、その上面を商品の載置面とした装置本体11と、この装置本体11の上面からその内部に掛けて前後方向に周回軌道をなして設けられた無端状ベルト12と、この無端状ベルト12の外周に取り付けられた押圧部材(プッシャ)13とを備えている。そして商品の選択操作に応じて、その駆動系であるモータ14を作動させて無端状ベルト12を走行駆動し、上記押圧部材13を装置本体11の後端部からその上面に突出させて前端部に向けて走行させることで図7(a)(b)にその動作態様を示すように該装置本体11の上面に載置された商品Sを押出して、その前方(商品コラム2の前面側)に払い出す如く構成される(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
また最近では商品払出装置6に、前記押圧部材13の走行に連動して上下動して装置本体11の上面に載置された商品Sの不本意な落下を阻止するストッパ爪15を組み込んだものも開発されている(例えば特許文献2を参照)。ちなみにこのストッパ爪15は上下方向に揺動可能に設けられた略L字形のレバー体からなり、前記無端状ベルト12の駆動系(駆動プーリ)に連接されたカム機構(図示せず)により揺動駆動される。そして常時は図7(a)に示すようにその先端部を前記装置本体11の上面前端側に突出させて該装置本体11の上面に載置された商品Sの払い出しを阻止すると共に、前記押圧部材12の走行駆動に伴って図7(b)に示すように装置本体11の上面から退避することで前記商品Sの払い出しを許可する役割を担う。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−14539号公報
【特許文献2】
特願2002−219104号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで前述した商品コラム2の幅は、専ら、各種商品Sの最大幅よりも若干広い幅の商品収納空間を形成して設けられ、また商品コラム2の下部に組み込まれる商品払出装置6は、該商品コラム2の幅程度の大きさを有するものとして実現される。従って商品払出装置6(装置本体11)の幅は、概略的には商品Sの最大幅と同程度である。一方、上述したストッパ爪15は、押圧部材13の走行を妨げることのない位置、具体的には無端状ベルト12の周回軌道の側部の商品払出装置6の幅方向の中心から外れた偏った位置に設けられる。これ故、ストッパ爪15は、装置本体11の上面に載置された商品Sの前端の隅部に近い位置に突出して上記商品Sの落下を防ぐことになる。
【0007】
ところで商品Sの販売形態によっては、特にサイズの小さい商品Sを販売する場合、その商品コラム2を商品Sの幅の2倍に拡げて設定して該商品コラムに2列に亘って商品を積み重ねて収容し、その最下位置の商品Sを2個ずつ同時に払い出すことが要求される。この場合、通常、商品払出装置6を商品コラムの中心部に設け、この商品払出装置6上に商品Sを2列に積み重ねることで該商品払出装置6の押圧部材13により最下位置の2個の商品Sを同時に押圧して払い出すように設定される。しかしながらこのように商品コラムの中心位置に商品払出装置6を設けると、前述したストッパ爪15が片側の商品Sの前端部側にだけ突出するので、他方の商品Sの落下を防止することができないと言う問題が生じる。
【0008】
このような不具合を解消するべく、1つの商品コラムに2個の商品払出装置6を組み込むことは不経済であり、自動販売機の構成が大掛かりなものとなることが否めない。また無端状ベルト12の周回軌道の両側部にそれぞれストッパ爪15を設けるようにすると、商品払出装置6の構成が複雑化することが否めない。更には2個同時払い出し用の専用の商品払出装置6を準備することも不経済である。
【0009】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、商品コラムへの組み付けの汎用性を損なうことなしに、商品の2個同時払い出しに容易に対処することのできる簡易な構成の自動販売機の商品払出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するべく本発明に係る自動販売機の商品払出装置は、複数の商品を積層して収納する商品コラムの下部に組み込まれて最下位置の商品から順に該商品コラムの前面に払い出すものであって、
上面を商品の載置部とした装置本体と、
この装置本体の上面に突出して該装置本体の後端側から前端側に向けて移動可能に設けられ、前記装置本体の上面に載置された商品の後端を押圧して該商品を押し出す押圧部材と、
常時は前記装置本体の上面前端側に突出して該装置本体の上面に載置された商品の払い出しを阻止すると共に、前記押圧部材の駆動機構により駆動されて該押圧部材による商品の押圧動作に連動して該装置本体の上面から退避して前記商品の払い出しを許可するストッパ部材と、
前記装置本体の側部に選択的に装着されて前記ストッパ部材に連接され、常時は前記装置本体の上面前端側に突出して前記装置本体の上面に載置された商品の払い出しを阻止すると共に、前記ストッパ部材の動きに連動して該装置本体の上面から退避して前記商品の払い出しを許可する補助ストッパ部材を備えることを特徴としている。
【0011】
好ましくは前記ストッパ部材および補助ストッパ部材は、それぞれ前記装置本体の上面に突出する爪部を先端に備えたL字形のレバー体からなり、前記装置本体への前記補助ストッパ部材の装着は、上記各レバー体の回動支点となる軸部を互いに連結して行われるように構成される。特にストッパ部材の軸部に設けられた軸孔に、補助ストッパ部材の軸部をその向きを合わせて嵌合させることで、これらのストッパ部材を互いに連結するように構成される。
【0012】
即ち、本発明に係る商品払出装置は、例えば装置本体の側部に設けられた補助ストッパ部材装着用の穴部を挿通させて補助ストッパ部材の長尺の軸部を嵌め込み、この軸部の先端を該商品払出装置に組み込まれているストッパ部材の軸部に設けられた軸孔に、その向きを合わせて嵌め込むことで、装置本体の側部に装着した補助ストッパ部材を前記ストッパ部材と連動されて駆動するようにしたことを特徴としている。特にこの補助ストッパ部材を、商品の2個同時払い出し用の商品払出装置を実現する場合にだけ装着することで、商品払出装置の汎用性を維持し得るようにしたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る自動販売機の商品払出装置について説明する。
図1はこの実施形態に係る商品払出装置の外観を示す図で、図2はその内部構造を示す図である。この商品払出装置は、合成樹脂製の箱体をなす装置本体21の上面を商品Sの載置部としたもので、その内部にモータ22およびこのモータ22によって駆動される複数の駆動プーリ23を内蔵している。装置本体21の上面からその内部に亘って前後方向に周回軌道を形成して設けられる所定幅の合成樹脂製の無端状ベルト24は、上記複数の駆動プーリ23間に掛け渡されており、装置本体21の上面中央部をその後端側から前端側に向けて走行駆動される。この無端状ベルト24にT字形の押圧部材(プッシャ)25が取り付けられており、押圧部材25は前記無端状ベルト24の1回の周回走行によって装置本体21の後端側からその上面に突出し、装置本体21上に載置される商品の後端を押圧しながらその前端側に移動する。そして押圧部材25は、商品Sを装置本体21上から払い出した後、装置本体21の内部に潜り込んだ位置を待機位置として停止する。
【0014】
尚、装置本体21の上面には、前記無端状ベルト24の走行経路の側部に位置して弓形の形状を有する売り切れ検出レバー26が設けられている。この売り切れ検出レバー26は、図示しないバネにより付勢されて前記装置本体21の上面に突出させて設けられており、装置本体21の上面に載置される商品Sの荷重を受けて装置本体21の内部に押し込まれる。この売り切れ検出レバー26の上下動によって図示しないスイッチがオン/オフされ、そのオン/オフタイミング(オン時間)から商品Sの売り切れと、商品の払い出しとがそれぞれ検出されるようになっている。
【0015】
具体的には装置本体21の上面に商品Sがなくなった場合には、上記スイッチが長時間に亘ってオン状態となることから商品Sの売り切れを検出し、また前記押圧部材25による商品Sの払い出しによって一時的に前記スイッチがオン状態となり、前記装置本体21の上面への次ぎ商品の落下によって前記スイッチが短時間の内にオフ状態に復帰することから、1回の商品の払い出しを検出するものとなっている。前述した無端状ベルト24の走行駆動は、商品の販売指令を受けてモータ22を通電することによって開始され、上記スイッチによって商品の払い出しが検出されてから、所定のタイミングを経て上記モータ22の通電を停止することによって行われる。これによって無端状ベルト24が、特にこの無端状ベルト24に取り付けられた押圧部材25がその走行軌道を1周することになる。
【0016】
一方、前記装置本体21の前端側には、前記無端状ベルト24の走行軌道の側部に位置して該装置本体21の上面に突出するストッパ爪27が設けられている。このストッパ爪27は、その先端に前記装置本体21の上面に突出する爪部27aを形成したL字状のレバー体からなり、その基部27bを回動自在に軸支されて上記爪部を上下動自在に設けたものからなる。このストッパ爪27は、前記無端状ベルト24を走行駆動する駆動プーリ23に連接されたカム機構28により駆動され、前記無端状ベルト24が1周する際、これに同期して所定のタイミングで装置本体21の上面に突出する位置から退避するようになっている。即ち、ストッパ爪27は、常時は前記装置本体21の上面に突出して位置付けられており、装置本体21上に載置された商品Sの該装置本体21の前端側からの落下を阻止している。そして無端状ベルト24を走行駆動して前記押圧部材25により装置本体21上の商品を押出して該商品を払い出す際にだけ、ストッパ爪27は上記突出位置から退避することで、商品の払い出しを妨げないものとなっている。
【0017】
ところでストッパ爪27の軸部27bには、補助ストッパ部材31を連結するための軸孔29が同軸に設けられている。この軸孔29は、例えば図3(a)に示すように丸孔の周囲に一対の切り込み溝を設けた形状の孔29a、或いは図3(b)に示すように断面D字状とした半円弧状の孔29bからなり、補助ストッパ部材31の軸部を、その周方向に位置規制して嵌合するものとなっている。また装置本体21の内部における前述した駆動プーリ23等の駆動機構は、このようなストッパ爪27の軸部27bの側部を避けて配置されている。そしてストッパ爪27の軸部27bから無端状ベルト24の周回軌道の内側を通り、更に装置本体21の側面板に至るまでの領域には、前記補助ストッパ部材31の軸部を挿通可能な空間が形成されている。そして上記装置本体21の側面板の前記ストッパ爪27の軸部27bに対峙する位置には、前記補助ストッパ部材31の後述する軸体32を挿通して該軸軸体32の基端部を軸支する補助ストッパ部材31の装着孔21aが設けられている。
【0018】
これに対して装置本体21の側部に選択的に装着される補助ストッパ部材31は、前記ストッパ爪27と略同一形状を有するL字状のレバー体と、このレバー体の軸部に同軸に設けられた所定長さの軸体32とを備えている。この軸体32は、前記装置本体21の幅と略等しい長さ、具体的には装置本体21の側板からストッパ爪27の軸部27bに至る長さを有するもので、その先端部には前記軸孔29に嵌合する形状の嵌合部32aが設けられている。そしてこの補助ストッパ部材31は、必要に応じてその軸部32を前記装着孔21aから装置本体21の内側に差し込むことで前記ストッパ爪27の軸部27bに連結されて装置本体21の側部に装着される。
【0019】
尚、ストッパ爪27の軸部27bと補助ストッパ部材31の軸体32との連結は、適度な摩擦力を以て容易に離れることなく互いに結合させて行われる。そして所定の力で補助ストッパ部材31をその軸方向に引き抜くことで、上記摩擦力に抗してその結合が解除され、補助ストッパ部材31の装置本体21からの取り外しを行い得るようになっている。
【0020】
かくしてこのような補助ストッパ部材31を装置本体21の側部に選択的に装着し、ストッパ爪27に連動させて動かし得るように構成された商品払出装置によれば、商品コラムへの組み込みの態様に応じて補助ストッパ部材31を装着するか否かを決定するだけで良い。従って図4(a)に示すように1列に積み重ねて収容した商品Sを1個ずつ払い出すだけで良い場合には、補助ストッパ部材31を装着することのない標準的な状態で商品コラムの下部に組み込むだけで、商品Sの不本意な落下を防止しながら商品の払い出しを行わせることができる。
【0021】
また図4(b)に示すように2列に積み重ねて収容した商品Sを、その最下位置のものから順に2個ずつ同時に払い出すだけで良い場合には、装置本体21の側部に補助ストッパ部材31を装着し、これを商品コラムの下部の略中央部に組み込むようにすれば良い。すると装置本体21に予め組み込まれているストッパ爪27によって片方の列の商品Sの不本意な落下を防止し、同時に補助ストッパ部材31によって他方の列の商品Sの不本意な落下を防止することが可能となる。この結果、商品コラムからの商品Sの2個同時払い出し要求に対して効果的に対処することが可能となる。
【0022】
また上述した構成によれば所定の長さの軸体32を備えた補助ストッパ部材31を準備しておくだけで、商品コラムの仕様に応じて装置本体21の側部にもストッパ爪(補助ストッパ部材31)を備えた商品払出装置を実現することができるので、商品払出装置の汎用性を維持しながら、その製作コスト自体を安価に抑えることができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【0023】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば装置本体21の大きさ(横幅)については、商品コラムの幅と商品サイズとに応じて設定しおけば良いものである。一般的には装置本体21の幅を商品コラムの最小幅と略等しく設定しておけば、幅の狭い商品Sを2個同時払い出す場合であっても、これらの商品を2個並べて装置本体21の上面に載置することが可能である。また装置本体21に補助ストッパ部材31を装着する際、ストッパ爪27が装置本体21の上面に突出している状態でのみ行い得るようにしておけば、その軸部を結合する際の位置合わせを容易に行うことが可能となる。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、装置本体の側部に選択的に装着されて、装置本体に組み込まれたストッパ部材の軸部に連結される補助ストッパ部材を備えるので、商品コラムからの商品の2個同時払い出しを行うような場合であってもこれらの商品の不本意な落下を確実に防止することのできる商品払出装置を実現することができる。しかも簡易な構成であるのでその製造コストを低く抑えることができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施形態に係る自動販売機の商品払出装置の外観を示す図。
【図2】図1に示す商品払出装置の内部構造を示す図。
【図3】図1に示す商品払出装置におけるストッパ爪の軸孔形状の例を示す図。
【図4】図1に示す商品払出装置の商品コラムへの組み込み形態を示す図。
【図5】自動販売機の概略構成を示す図。
【図6】商品払出装置の一般的な内部構造の例を示す図。
【図7】図6に示す商品払出装置の作用を示す図。
【符号の説明】
21 装置本体
23 駆動プーリ
24 無端状ベルト
25 押圧部材(プッシャ)
26 売り切れ検出レバー
27 ストッパ爪
28 軸部
31 補助ストッパ部材
32 軸体
Claims (2)
- 複数の商品を積層して収納する商品コラムの下部に組み込まれて最下位置の商品から順に該商品コラムの前面に払い出す自動販売機の商品払出装置であって、
上面を商品の載置部とした装置本体と、
この装置本体の上面に突出して該装置本体の後端側から前端側に向けて移動可能に設けられ、前記装置本体の上面に載置された商品の後端を押圧して該商品を押し出す押圧部材と、
常時は前記装置本体の上面前端側に突出して該装置本体の上面に載置された商品の払い出しを阻止すると共に、前記押圧部材の駆動機構により駆動されて該押圧部材による商品の押圧動作に連動して該装置本体の上面から退避して前記商品の払い出しを許可するストッパ部材と、
前記装置本体の側部に選択的に装着されて前記ストッパ部材に連接され、常時は前記装置本体の上面前端側に突出して前記装置本体の上面に載置された商品の払い出しを阻止すると共に、前記ストッパ部材の動きに連動して該装置本体の上面から退避して前記商品の払い出しを許可する補助ストッパ部材を備えることを特徴とする自動販売機の商品払出装置。 - 前記ストッパ部材および補助ストッパ部材は、それぞれ前記装置本体の上面に突出する爪部を先端に備えたレバー体からなり、
前記装置本体への前記補助ストッパ部材の装着は、上記各レバー体の回動支点となる軸部を互いに連結して行われるものである請求項1に記載の自動販売機の商品払出装置。
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