JP4186412B2 - 自動販売機の商品搬出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動販売機の商品搬出装置に関し、さらに詳しくは、サーペンタイン式商品ラック等の商品通路寸法を調整しなくても、形状や外径寸法の異なる商品(缶飲料やペットボトル飲料の商品)を販売できる自動販売機の商品搬出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の自動販売機の商品搬出装置が提供されており、例えば、特開平6−295384号公報などにも開示されている。これらの自動販売機の商品搬出装置は、最下端の商品を受け止める主フラップと、その上方に位置し搬出時に下から2番目の商品を受け止める副フラップとを備えて商品通路の下部に配設され、これらのフラップを商品通路側に交互に回動突出させることによって商品の搬出を制御するものである。
【0003】
すなわち、これらの商品搬出装置は、上記フラップの突出の有無(突出量が常に一定)によって商品通路寸法を規制するものであるから、形状や外径寸法が異なる商品を販売する場合には、あらかじめ商品通路にその通路幅を規制する部材を別途設けたり、あるいは、当該商品寸法等に適合する専用の商品搬出装置を設けるなどして対処していた。
【0004】
しかしながら、周知の通り、缶飲料やペットボトル飲料の容器は、形状や外径寸法が異なる種々の物が流通しているため、商品容器の形状等が異なるものを販売しようとすると、上述したような商品通路の寸法調整等をしなければならず、手間がかかるとともに、容器の形状によっては商品搬出装置の機構に適さず、販売できない場合も生じ得るという課題があった。
【0005】
そこで、本願出願人は、特願2000−140853号において、商品通路寸法を調整しなくても、形状や外径寸法の異なる商品を販売できる自動販売機の商品搬出装置を提供するに至った。以下、この商品搬出装置について説明する。
【0006】
図9は、特願2000−140853号にかかる自動販売機の商品搬出装置を示す背面斜視図、図10は、自動販売機の商品搬出装置を示す正面斜視図、図11は、基板開口部の受け部を示す斜視図、図12は、小径商品の販売待機状態を示す説明図、図13は、小径商品の販売状態を示す説明図、図14は、大径の角形商品の販売状態を示す説明図である。
【0007】
基板1は、図示しない商品ラックの下部に配置され、商品通路の一の面を形成するものである。商品通路の他の面には、商品出口調整板20が配設されており、商品通路は、大径の商品を収納できる寸法に設定されている。また、基板1には、開口部1a,1bが設けられている。基板1の背面には、開口部1aの両側縁に一対の軸受部1cが立設されている。軸受部1cには、上ペダル2の軸3をスライド自在に保持する長穴1dが設けられている。基板1の背面には、キャリア7の動作範囲に沿って、カバー部材17が設けられている。
【0008】
上ペダル2は、開口部1aから商品通路に向かって進退自在に形成され、商品通路に積み上げられた商品のうち、下から2番目の商品を支持するためのものである。この上ペダル2は、ギヤボックスを有するモータユニット25によって回転するナピアネジ部材6に螺合し、これに沿って上下動するキャリア7とばね10を介して連結されており、このキャリア7の動作によって開口部1aから進退するように形成されている。
【0009】
開口部1aには、上ペダル2の裏面と当接する受け部1gが設けられている。この開口部1aは、下ペダル4に支持された一番下の商品Gと基板1との両者に当接する商品G2に対しても、これに妨げられることなく進退できる位置に設けられている。ここで、商品G1は商品Gの真上に位置し、商品G2は商品Gに対して対角に位置している場合を示している。
【0010】
キャリア7は、ナピアネジ部材6と螺合するネジ穴7aと、ばね10の下端部を連結するピン7bとを備え、下降時に軸保持部材8を介してストッパ軸9をばね11の張力に抗して押圧するように形成されている。また、キャリア7が上昇したときには、ばね11の張力によってストッパ軸9が上方に移動するようになっている。このストッパ軸9は、軸保持部材8によって保持され、ばね11によって軸受部1eと連結されている。この軸保持部材8は長穴(図示せず)を備え、この長穴に挿通する段付きネジ等(図示せず)によって軸受部1eに上下動自在に保持されている。
【0011】
自走スイッチ13は、キャリア7の待機位置を検知するためのものである。下ペダル4は、商品通路に積み上げられた商品のうち、下から1番目の商品を支持するためのものであり、開口部1bの背面の軸受部1eに設けた軸5によって回動自在に支持されている。下ペダル4の背面に設けられた扇状のストッパ部4aは、軸受部1eの長穴1f内を上下にスライドするストッパ軸9と当接することによって、下ペダル4の回動範囲を規制するためのものである。
【0012】
すなわち、ストッパ軸9が長穴1fの上部に位置するときには、ストッパ部4aとストッパ軸9とが圧接して、下ペダル4が開くのを規制できるように形成されている(図12参照)。一方、ストッパ軸9が長穴1fの下部に位置するときには、ストッパ部4aとストッパ軸9との圧接が解除されて、下ペダル4は商品荷重によって開くように形成されている(図13参照)。
【0013】
また、商品Gが売り切れ、下ペダル4に商品荷重がかからなくなった場合には、ばね12の付勢により、閉状態に復帰するようになっている。なお、商品の売り切れ状態は、下ペダル4の根元部に設けられた売切スイッチ(図示せず)によって検知されるようになっている。
【0014】
つぎに動作について図12および図13に基づいて説明する。販売待機状態では、図12に示すようになっている。図示しない主制御部からの販売指令を受けてモータユニット25を動作させ、ナピアネジ部材6が回転することによりキャリア7が下降を始め、これとばね10で連結された上ペダル2が開口部1aから突出し、その先端部が下から1番目の商品に当接すると販売開始状態となる。
【0015】
そして、上ペダル2が下から1番目の商品に当接した後も、キャリア7がばね10を伸ばしながら下降を続け、軸保持部材8を押圧する。図13に示すように、キャリア7が下限位置まで下降すると、軸保持部材8がストッパ軸9を押し下げるので、下ペダル4のストッパ部4aとの当接が解除されて下ペダル4が開き、下から1番目の商品が落下する。
【0016】
商品が落下すると、上ペダル2は、伸びたばね10の張力によって商品通路側に最大限度まで突出し、つぎなる商品を支持する。すなわち、下から1番目の商品の落下動作に追従して上ペダル2が突出するので、商品通路寸法よりも大幅に小さい径の商品であっても、確実に支持できる。
【0017】
その後下ペダル4は、ばね12の付勢によって図12に示した待機位置に戻る。キャリア7は、ナピアネジ部材6の回転により上昇するので、上ペダル2を押し上げて開口部1a内に後退させて、待機位置に戻る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このように構成された商品搬出装置をラックに配設する場合、ラックに架設されたピンを、基板1の下端部に直角に形成した係止爪(図示せず)と弾性部材たるホルダ(図示せず)とで挟持することによって、基板1下端部の固定を行っていた。しかしながら、当該係止爪の直角度の精度を出すのが加工上困難であり、この精度が出ていない状態のまま、装置をラックに配設しようとすると、装置が振動等によって商品通路側に出てきて、商品を押圧するようになり、商品詰まりの原因となり易いという課題があった。
【0019】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ラックへの良好な取付性を確保しつつ、商品通路側への位置ずれを防止できる自動販売機の商品搬出装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明にかかる自動販売機の商品搬出装置は、商品通路の下端部に配設され、商品ラックに架設された上下一対のピンに取り付けてなる商品搬出装置であって、前記商品通路の一の内壁をなすとともにその上端部が前記商品ラックに架設された上方のピンに係止される基板と、前記基板の開口部から突出自在に形成され、最下端に位置する商品を支持する下ペダルと、前記基板の開口部から突出自在に形成され、下から2番目に位置する商品を支持する上ペダルと、前記基板の一部を下方に傾斜するように折曲形成した係止爪および前記係止爪に対向配置されるとともに前記基板に設けられた弾性変形可能なホルダと、を備え、前記係止片と弾性変形可能なホルダとの間に前記商品ラックに架設された下方のピンを挟持することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる自動販売機の商品搬出装置の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0022】
図1は、この発明の実施の形態にかかる自動販売機の商品搬出装置の要部を示す拡大断面図、図2は、商品搬出装置を示す背面斜視図、図3は、商品搬出装置を示す正面斜視図、図4は、商品搬出装置を示す背面図、図5は、1つの商品搬出装置をラックに配設した状態を示す説明図、図6は、2つの商品搬出装置を抱き合わせてラックに配設した状態を示す説明図、図7は、図6に示した商品搬出装置を示す平面図、図8は、図6に示した商品搬出装置を示す底面図である。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一もしくは相当する部材には同一の符号を付して、基本の構成および動作の重複説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0023】
上ペダル2は、基板1上を摺動自在に形成された連結部材14を介してキャリア7と連結されている。上ペダルストッパ機構部30は、上ペダル2の開閉動作に連動して開口部1aから進退するとともに、上ペダル2を背面から支持し、商品荷重を受けることができるようになっている。下ペダルストッパ機構部50は、キャリア7の下降時の当接によって下ペダル4を開状態とし、それ以外の時には、下ペダル4を閉状態に維持するように形成されている。キャリア7の動作開始時と動作終了時は、位置検知スイッチ60によって検知されるようになっている。売切スイッチ70は、アクチュエータ76の開閉動作を検知して商品Gの売り切れを検知するものである。
【0024】
つぎに商品搬出装置の基本動作の概略を説明する。販売待機状態では、上ペダル2が開き、下ペダル4が閉じた状態となっており、ラック内に積み上げられた商品は、この下ペダル4によって支持されている。そして、図示しない制御部からの販売指令により、モータユニット25が動作し、ナピアネジ部材6が回転する。
【0025】
すると、ナピアネジ部材6に螺合したキャリア7が下降し、連結部材14を介して連結した上ペダル2が開口部1aから突出し始めるとともに、上ペダルストッパ機構部30が上ペダル2を下方から支持する。このとき、上ペダル2は軸16によって突出方向を規制されており、下ペダル4に支持された下から1番目の商品と下から2番目の商品との間に向かって突出する。
【0026】
キャリア7がさらに下降するに従って、上ペダル2の突出量も増していく。そして、キャリア7が下限に来たときに、上ペダル2の突出量が最大となって下から2番目の商品を支持するとともに、キャリア7が下ペダルストッパ機構部50によるロックを解除して下ペダル4を開き、下から1番目の商品を搬出する。
【0027】
そして、ナピアネジ部材6の作用により、キャリア7が下限位置から上昇を開始する。すると、下ペダル4は、付勢手段により閉状態に自動復帰するとともに、下ペダルストッパ機構部50によって閉状態でロックされる。
【0028】
キャリア7が上昇するに従って、上ペダル2が開口部1aから後退するとともに、上ペダルストッパ機構部30も上ペダル2を支持しながらこれと連動して後退する。すると、それまで上ペダル2に支持されていた商品が支持を失って下ペダル4上に落下し、再び販売待機状態となる。以上が本発明にかかる商品搬出装置の基本動作である。続いて、本実施の形態の要部について説明する。
【0029】
本発明は、図1、図2、図4および図5に示すように、ピン123を挟持するために基板1の一部を下方に傾斜するように折曲形成した係止爪1tと、基板1に設けられた弾性変形可能なホルダ120とを備えて構成したものである。ホルダ120には、係止部120a,120bを形成してあり、基板1の係止穴1u,1vに嵌入係止してある。
【0030】
このように構成したことで、傾斜角度の精度が出ていない場合であっても、対向配置されたホルダ120の弾性力によってほぼ一定の挟持力が得られる。したがって、従来のような直角状の係止爪の加工精度が要求されず、図5および図6に示すように、ラックへの良好な取付性を確保しつつ、商品通路内壁21側への位置ずれを防止できる。なお、図6〜図8は、2つの商品搬出装置を抱き合わせて配置した例を示しており、この場合も同様の効果がある。基板1の上部は、ピン122に対して周知慣用手段によって固定されている。
【0031】
なお、上記実施の形態において示した係止爪1tは、ラックに架設されたピン部材に対し、弾性変形可能なホルダとともに挟持して配設する構成であれば、上記実施の形態において示した商品搬出装置に限定されず、他の商品搬出装置に適用してもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる自動販売機の商品搬出装置は、商品通路の下端部に配設され、商品ラックに架設された上下一対のピンに取り付けてなる商品搬出装置であって、前記商品通路の一の内壁をなすとともにその上端部が前記商品ラックに架設された上方のピンに係止される基板と、前記基板の開口部から突出自在に形成され、最下端に位置する商品を支持する下ペダルと、前記基板の開口部から突出自在に形成され、下から2番目に位置する商品を支持する上ペダルと、前記基板の一部を下方に傾斜するように折曲形成した係止爪および前記係止爪に対向配置されるとともに前記基板に設けられた弾性変形可能なホルダと、を備え、前記係止片と弾性変形可能なホルダとの間に前記商品ラックに架設された下方のピンを挟持するように構成したことにより、従来のような係止爪の加工精度が要求されず、ラックへの良好な取付性を確保しつつ、商品通路側への位置ずれを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる自動販売機の商品搬出装置の要部を示す拡大断面図である。
【図2】商品搬出装置を示す背面斜視図である。
【図3】商品搬出装置を示す正面斜視図である。
【図4】商品搬出装置を示す背面図である。
【図5】1つの商品搬出装置をラックに配設した状態を示す説明図である。
【図6】2つの商品搬出装置を抱き合わせてラックに配設した状態を示す説明図である。
【図7】図6に示した商品搬出装置を示す平面図である。
【図8】図6に示した商品搬出装置を示す底面図である。
【図9】特願2000−140853号にかかる自動販売機の商品搬出装置を示す背面斜視図である。
【図10】自動販売機の商品搬出装置を示す正面斜視図である。
【図11】基板開口部の受け部を示す斜視図である。
【図12】小径商品の販売待機状態を示す説明図である。
【図13】小径商品の販売状態を示す説明図である。
【図14】大径の角形商品の販売状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板
1a 開口部
1t 係止爪
1u、1v 係止穴
2 上ペダル
4 下ペダル
6 ナピアネジ部材
7 キャリア
G 商品
14 連結部材
16 軸
21 商品通路内壁
25 モータユニット
30 上ペダルストッパ機構部
50 下ペダルストッパ機構部
60 位置検知スイッチ
70 売切スイッチ
76 アクチュエータ
120 ホルダ
120a、120b 係止部
122、123 ピン
Claims (1)
- 商品通路の下端部に配設され、商品ラックに架設された上下一対のピンに取り付けてなる自動販売機の商品搬出装置であって、
前記商品通路の一の内壁をなすとともにその上端部が前記商品ラックに架設された上方のピンに係止される基板と、
前記基板の開口部から突出自在に形成され、最下端に位置する商品を支持する下ペダルと、
前記基板の開口部から突出自在に形成され、下から2番目に位置する商品を支持する上ペダルと、
前記基板の一部を下方に傾斜するように折曲形成した係止爪および前記係止爪に対向配置されるとともに前記基板に設けられた弾性変形可能なホルダと、
を備え、
前記係止片と弾性変形可能なホルダとの間に前記商品ラックに架設された下方のピンを挟持することを特徴とする自動販売機の商品搬出装置。
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