以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図11に基づいて説明する。尚、以下の説明では特に断りがない場合、図3に示す向きにおいて上下左右の方向を規定して説明を行う。
図3に示すように本実施形態のタイムスイッチAの器体10はメインケース11とサブケース12とを結合して形成されており、メインケース11は機械式の時計機能部1を収納し、サブケース12は端子ねじ付きの入出力端子部6を外面に露出させるとともに内部に後述する2個のリレー7a,7bとリレー駆動回路8とを収納してある。そして、このタイムスイッチAの器体10は、前面が開口した箱形の下ケース13と、下ケース13の開口に被着される上ケース(図示せず)とで構成される外ケース14の内部に収納される。下ケース13の底面には器体10を載置するとともに位置ずれを防止する複数個の載置リブ13aが突設され、さらに器体10の少なくとも3つの側面に形成した引掛溝10aに係合する引掛爪13bが下ケース13の内側面に突設され、さらに引掛溝10aと係合する引掛爪が先端に形成された係合フック(図示せず)が下ケース13の底面から立設されている。而して器体10は、載置リブ13a上に器体10を載置した状態で、引掛爪13bを引掛溝10a及び係合フックに係合させることによって、下ケース13の底面から浮いた状態で固定される。尚、器体10をねじ等の固定部材で外ケース14に固定しても良いことは言うまでもない。
このタイムスイッチAは図11に示すような回路を備えている。メインケース11に設けた時計機能部1は、商用電源の電源周波数に同期して回転する同期モータ2を備え、この同期モータ2は600rpmの一定速度で回転する。なお本実施形態では同期モータ2を用いているが、水晶発振回路の出力で回転を制御するステッピングモータを使用しても良いことは言うまでもない。
同期モータ2の出力は減速用の輪列3によって864000分の1に減速され、メインケース11の前面中央に設けたダイアル4を(1/1440)rpmで回転させる。つまり、ダイアル4は24時間で1回転するのであって、本実施形態では24時間型のタイムスイッチとして動作する。そして、ダイアル4に設けた設定子17によって適宜にタイムスケジュールを設定しておけば、そのタイムスケジュールに従って接点部5が開閉され、タイムスケジュールに応じた動作信号が発生する。
一方、サブケース12に設けた入出力端子部6は、商用電源が接続される1対の電源端子T11,T12を備え、また本実施形態では2個の負荷を制御することができるように2対の負荷端子T21〜T24を備えている。負荷端子T21,T22間、負荷端子T23,T24間にはそれぞれ負荷制御用のリレー7a,7bの接点が挿入されており、各リレー7a,7bはリレー駆動回路8によって開閉駆動される。リレー駆動回路8は、電源電圧を降圧するトランスのような交流降圧回路8aと、交流降圧回路8aの出力を整流して直流電圧を出力する整流回路8bと、整流回路8bの出力からリレー7a,7bを駆動するのに必要な電圧を得るために直流電圧を降圧し平滑するリレー電圧回路8cとを備える。このリレー駆動回路8の一方の入力端は電源端子T11に接点部5を介して接続され、他方の入力端は電源端子T12に接続されている。したがって、タイムスケジュールに従って接点部5がオンになると商用電源が給電されてリレー7a,7bが駆動されるように構成されている。
次に機械式の時計機能部1の構成を図面に基づいて説明する。図2はメインケース11の内部に組み込まれる時計機能部1の構成部品の分解斜視図であり、メインケースの裏側には、輪列3を構成する複数の歯車32〜41及び歯車軸42と、接点51a,52aがそれぞれ固着された接触ばね片51,52と、動作モードを切り替えるための切替部材53と、手動で接点を即断即入するとともに後述する設定子17のタイムスケジュールで接点を入切するスイッチカム部60とを、メインケース11の前壁に並行配置される中蓋30とメインケース11との間で挟み込むように配置している。なお、中蓋30の孔に通した固定ねじ25をメインケース11の裏面に立設されたボス26のねじ穴に螺入することによって中蓋30がメインケース11に固定されているが、中蓋30とメインケース11とを凹凸係止させることによって固定しても良い。
次に輪列3の構成について図2及び図4を参照して説明する。中蓋30の裏面側には同期モータ2が取り付けられており、この同期モータ2の出力軸に取り付けられた1番かな歯車31は中蓋30の孔を通して2番歯車32と噛合する。歯車32〜38は、両端がメインケース11及び中蓋30に支持された歯車軸42や、メインケース11の裏面に突設された歯車軸43に回転自在に軸支されている。また9番歯車39は分針軸24に対して回動自在に軸支されており、裏面には円形の凹部が設けられ、この凹部の内周面に三角波状の複数のスリップ歯39aが一定間隔で形成されている(図8(a)参照)。また9番かな歯車41は、圧入・接着・溶着などの適宜の方法で9番歯車39を回動自在に軸支する分針軸24に一体的に結合されており、先端部がスリップ歯39aと噛合するL字形のスリップ片41aが軸部の周面から一定間隔で突設されて、卍形に形成されている。ここで、スリップ歯39aの歯面及びスリップ片41aの先端部の端面は、それぞれ、9番歯車39の凹部内周面の接線方向と直交する直線L1に対して略同じ角度α(例えば45度)で斜めに傾斜するように形成されており、スリップ片41aの先端部をスリップ歯39aと係合させることでスリップ機構が構成され、9番かな歯車41の小径歯車41bは日の裏歯車40に噛合している。尚スリップ片41aの先端の角部からスリップ歯39aと噛合する爪が構成される。またメインケース11の表面にはダイアル4を収納するための円形に凹んだ凹所11aが形成されており、この凹所11aの底部に貫設された軸孔11cに日の裏歯車40の歯車40aが裏面側から挿入され、軸孔11cから表面側に突出する歯車40aが後述するダイアル台15の歯車15eと噛合している。
輪列3は以上のような構成を有しており、モータ2の回転によってモータ2の出力軸に取り付けられた1番かな歯車31が回転すると、この回転が2番歯車32、3番歯車33、4番歯車34、5番歯車35、6番歯車36、7番歯車37および8番歯車38を介して9番歯車39に伝えられる。そして、9番歯車39がモータによる回転方向に回転して、9番歯車39のスリップ歯39aの歯面が9番かな歯車41のスリップ片41aの先端部の端面を押圧すると、9番かな歯車41が9番歯車39と同じ方向に回転し、9番かな歯車41の回転が分針軸24を介してサブダイアル20に伝えられるとともに、日の裏歯車40を介してダイアル4に伝えられ、サブダイアル20及びダイアル4が時計回りに回転する。ここで、同期モータ2は商用電源の周波数に同期して回転し、サブダイアル20が1時間で1回転し、ダイアル4が24時間で1回転するように輪列3の減速比が設定されている。尚、4番歯車34には回転方向規制カム44が取り付けられており、サブダイアル20及びダイアル4が時計回りに回転する方向のみにモータ2が回転するように、5番歯車35の回転方向を規制しているが、モータ2が常に一方向にしか回転しない場合はこの回転方向規制カム44は不要である。
次に接点部5及びスイッチカム部60の構成について図2及び図5〜図7に基づいて説明する。
接触ばね片51,52は金属の帯板の中間部をクランク型に折り曲げて形成され、この折曲部をメインケース11の屈曲溝27に圧入することで固定されており、一端側(自由端側)に固着した接点51a,52aが互いに対向するように配置されている。また接触ばね片51の一端側の下側部(メインケース11の前壁と反対側)からは後述するスイッチカム62の下側カム62cによって押圧される突片51bが突設され、接触ばね片52の一端側の上側部からはスイッチカム62の上側カム62bによって押圧される突片52bが突設されている。
切替部材53は合成樹脂成型品であって、摘み53aをメインケース11の窓孔11d内に挿入した状態で、メインケース11に対してスライド移動自在に取り付けられており、メインケース11に設けたスライド溝11eによって移動範囲が規制され、さらに位置決め突起53bがメインケース11に設けた3つの溝部11fと係合することでスライド位置が3箇所に切り替えられるようになっている。すなわち、摘み53aの位置が3つの位置に切り替えられるようになっており、摘み53aを中央の「自動」の位置に移動させると、ダイアル4の回転或いは手動操作によって後述するスイッチカム部60のスイッチカム62が回転することで、接触ばね片51,52が撓められて接点51a,52aが接触又は開離する(自動モード)。一方、摘み53aを「連続切」の位置に移動させると、切替部材53が移動範囲内の一端側にスライド移動して、切替部材53に設けた押圧突起が接触ばね片51を接触ばね片52から遠ざかる方向に押し撓めることによって、ダイアル4の周部に突出した設定子17やスイッチカム部60の操作に関係なく、接点51a,52a間が開離した状態となる(連続切状態)。また、摘み53aを「連続入」の位置に移動させると、切替部材53が移動範囲内の他端側にスライド移動して、切替部材53に設けた押圧突起が接触ばね片52を接触ばね片51に近づける方向に押し撓めることによって、スイッチカム部60の動作に関係なく、接点51a,52a間が接触した状態となる(連続入状態)。なおメインケース11の表面には「連続切」「自動」「連続入」或いは「OFF」「AUTO」「ON」といった表示が設けられており、これらの表示から摘み53aの切換位置を容易に判別できるようになっている。
またスイッチカム部60はカム軸61とスイッチカム62と設定子側カム63とポリスライダーワッシャー(商品名)のようなスラストワッシャー64とコイルばね65とE型止め輪66と摘み67とで構成される。カム軸61は、メインケース11の凹所11a周縁部に設けた軸受け孔28に一端部を挿入するとともに、中蓋30の孔にカム軸61の他端部を軸支させることで、メインケース11と中蓋30との間に回動自在に支持されている。なお凹所11aの内周面には軸受け孔28に対応する部位に設定子側カム63の入側カム63c及び切側カム63bを露出させるための窓孔29が形成されている。
スイッチカム62は合成樹脂成型品からなり、筒内にカム軸61が圧入される筒状の軸部62aを有し、軸部62aの軸方向一端側(上側)の周面からは接触ばね片52の突片52bと当接する4枚の上側カム62bが一定の間隔で径方向に突出するとともに、軸部62aの軸方向他端側(下側)の周面からは接触ばね片51の突片51bと当接する4枚の下側カム62cが一定の間隔で径方向に突出しており、軸部62aの軸方向一端側の端面(設定子側カム63との対向面)にはクラッチ歯62dが形成されている。ここに、上側カム62bと下側カム62cとで第2カムが構成され、上側カム62bと下側カム62cとは軸部62aの軸方向から見て約45度の間隔で交互に配置されている。
設定子側カム63は合成樹脂成型品であってスイッチカム62と略同じ構造を有し、筒内にカム軸61が挿入される筒状の軸部63aを備え、軸部63aの軸方向一端側(上側)の周面からは、設定子17をダイアル4側に倒した場合に設定子17の爪17cと当接する4枚の切側カム63bが一定の間隔で径方向に突出するとともに、軸部63aの軸方向他端側(下側)の周面からは、設定子17を起こした場合に設定子17の爪17cと当接する4枚の入側カム63cが一定の間隔で径方向に突出しており、軸部63aの軸方向他端側の端面(スイッチカム62との対向面)にはクラッチ歯62dと噛合するクラッチ歯63dが形成されている。なお、切側カム63bと入側カム63cとで第1カムが構成され、切側カム63bと入側カム63cとは軸部63aの軸方向から見て約45度の間隔で交互に配置されている。
以上のようなスイッチカム部60を組み立てるに当たっては、クラッチ歯62dを上向きにして軸部62aの孔にカム軸61を圧入することによってスイッチカム62をカム軸61の下側部に圧入固定した後、クラッチ歯63dを下向きにして軸部63aの孔にカム軸61を挿入して設定子側カム63を軸方向に移動自在にカム軸61に取り付けた後、カム軸61にスラストワッシャー64とコイルばね65とを通して、E型止め輪66をカム軸61の溝(図示せず)に嵌合すれば良く、組立状態においては設定子側カム63がコイルばね65によってスイッチカム62側に付勢され、スイッチカム62のクラッチ歯62dと設定子側カム63のクラッチ歯63dとが噛合している。また設定子側カム63はコイルばね65によってスイッチカム62側に付勢されているので、設定子側カム63がカム軸61の軸方向において自由に移動することはなく、カム軸61の不要な動きを防止している。
ここに、スイッチカム62のクラッチ歯62dと設定子側カム63のクラッチ歯63dとでクラッチ機構が構成され、ダイアル4が時計回りに回転したときに設定子17の爪17cが当接することで設定子側カム63が反時計回りに回転した場合は、設定子側カム63のクラッチ歯63dとスイッチカム62のクラッチ歯62dとが噛み合って、スイッチカム62が反時計回りに回転するが、ダイアル4が反時計回りに回転したときに設定子17の爪17cが当接することで設定子側カム63が時計回りに回転した場合は、設定子側カム63がカム軸61の軸方向においてコイルばね65のばね力に抗してスイッチカム62と反対側に移動することによって、設定子側カム63のクラッチ歯63dとスイッチカム62のクラッチ歯62dとが噛み合わず、スイッチカム62は回転しない。
なおダイアル4が反時計回りに回動したときに設定子17の爪17cが当接することで設定子側カム63が時計回りに回転した場合は、設定子側カム63がカム軸61の軸方向に沿って移動することでクラッチ歯62d,63dの噛み合いが外れるのであるが、頭部17aが外側に起こされた設定子17の爪17cと入側カム63cとの係合、又は、頭部17aが内側に倒された設定子17の爪17cと切側カム63bとの係合が外れることがなく、しかも頭部17aが外側に起こされた設定子17の爪17cと切側カム63bとの干渉、又は、頭部17aが内側に倒された設定子17の爪17cと入側カム63cとの干渉がないようにスイッチカム部60が構成されている。
このスイッチカム部60のカム軸61はメインケース11と中蓋30との間で回動自在に軸支され、カム軸61の一端側はメインケース11の軸受け孔28を通して上方に突出し、軸受け孔28から上側に突出するカム軸61の先端部には摘み67が圧入、接着、溶着等の方法で結合されている。ここで、上述したようにスイッチカム62が圧入固定されたカム軸61に設定子側カム63、スラストワッシャー64、及びコイルばね65を組み込み、E型止め輪66をカム軸61に嵌め込むことでブロック化しているので、スイッチカム部60のメインケース11への組み込み作業を容易に行える。尚、E型止め輪66を無くして、スイッチカム62が圧入固定されたカム軸61に設定子側カム63、スラストワッシャー64、及びコイルばね65を組み込んだスイッチカム部60をメインケース11と中蓋30との間に挟みこむことによって、メインケース11の裏面でコイルばね65を押さえるようにしても良い。また本実施形態では設定子側カム63とコイルばね65との間に摩擦を低減する部材(スラストワッシャー64)を挿入することによって、設定子側カム63が回転した際にコイルばね65の弾発力によって設定子側カム63とコイルばね65との間に摩擦力が発生するのを防止して、設定子側カム63に加わる摩擦力を低減しているが、コイルばね65の弾発力によって発生する摩擦力が問題のない程度であれば、スラストワッシャー64を無くしても良い。また、本実施形態ではスイッチカム62をカム軸61に圧入固定し、設定子側カム63をカム軸61に対して回転自在としているが、設定子側カム63をカム軸61に圧入固定し、スイッチカム62をカム軸61に対して回転自在としても良い。
ここで、上述の切替部材53により自動モードに切り替えられている状態で、スイッチカム部60の摘み67を一方向(反時計回り)に回転させると、カム軸61の回転に伴ってスイッチカム62が回転し、図7(a)に示すように摘み67をオン位置まで回転させると、接触ばね片52の突片52bがスイッチカム62の上側カム62bの頂点から谷部におちて、接触ばね片52がばね復帰力によって接触ばね片51側に変位すると共に、スイッチカム62の下側カム62cが接触ばね片51の突片51bと当接して、接触ばね片51が接触ばね片52側に撓められることで、接点51a,52aが接触する。
さらに摘み67を一方向に回転させて、図7(b)に示すようにオフ位置まで回転させると、接触ばね片51の突片51bがスイッチカム62の下側カム62cの頂点から谷部におちて、接触ばね片51がばね復帰力によって接触ばね片52から離れる方向に変位すると共に、スイッチカム62の上側カム62bが接触ばね片52の突片52bと当接して、接触ばね片52が接触ばね片51から離れる方向に撓められることで、接点51a,52aが開離する。なお摘み67を、ダイアル4の周部から突出する設定子17の爪17cによってカム軸61が回される方向(反時計回り)と反対方向に回そうとすると、接点ばね片51又は52の突片51b,52bがカム62c,62bの先端部に当接してカム軸61を回すことができず、反時計回りにのみ回転可能となっており、摘み67を手動で回す場合にはダイアル4は回らないので、クラッチ歯63dがスイッチカム62のクラッチ歯62d上をスリップすることによって、設定子側カム63は回転しないようになっている。ここで、摘み67の先端面には矢印などの表示が設けられ、メインケース11の表面にはオン操作位置(ON)やオフ操作位置(OFF)を示す表示が設けられているので、摘み67の回転位置から接点部5のオン/オフ状態を容易に判別することができる。尚、本実施形態では手動で接点部5の即断即入が可能なように摘み67を設けているが、手動による即断即入操作が不要の場合には摘み67を無くしても良い。
次に時計機能部1の構成について説明する。時計機能部1はダイアル4とサブダイアル目盛板18と時針19とサブダイアル20とを主たる構成要素として有する。
ダイアル4はダイアル台15とダイアルカバー16と複数個の設定子17とで構成される。ダイアル台15は合成樹脂成型品であって、メインケース11の凹所11a中央部に突設された円筒状の軸受け部11bが挿入される軸孔15bが中央に開口するドーム形の突台15aと、突台15aの側壁後縁から上方に突出する側部15cとを備えている。ダイアルカバー16は合成樹脂成型品であって、突台15aに載置される円板状の主部16aと、主部16aの周縁部から下方に突出する側部16bとを有し、主部16aの裏面に突設された係止爪16cをダイアル台15の孔15dに係止させることによってダイアル台15に結合される。一方、設定子17は合成樹脂によりh字形に形成されており、頭部17aと、頭部17aの下部より下方に突出するL字形の取付脚17bと、頭部17aの下部より外側方へ延出形成された爪17cとで構成されている。そして複数個(本実施形態では96個)の設定子17はダイアル台15の円周部に沿って配置され、取付脚17bの横片をダイアル台15とダイアルカバー16の側部16b下縁との間で挟むことによって、ダイアル台15に対して起伏自在に取り付けられている。すなわち、設定子17の頭部17aを内側(ダイアル台15の中心側)に倒すと、爪17cの先端が上側に移動して設定子側カム63の切側カム63bに接触し、頭部17aを外側に起こすと、爪17cの先端が下側に移動して設定子側カム63の入側カム63cに接触するようになっている。なお、ダイアルカバー16の主部16aにはダイアル台15の軸孔15bに連通する丸孔16dが開口し、主部16aの外周部には各々の設定子17に対応する位置に24時間を一定時間(例えば15分)で区切った目盛が形成されている。
このダイアル4は、メインケース11の軸受け部11bをダイアル台15の軸孔15bに挿入するようにして凹所11a内に収納され、軸孔15bの内周面に形成された係止爪(図示せず)を軸受け部11bに係止させることで遊嵌されており、上側から見て時計回り又は反時計回りに回転できるようになっている。また凹所11aの底部に設けた軸孔11cを通してメインケース11の表面側に突出する日の裏歯車40の歯車40aと、ダイアル台15の突台15a裏面に形成した歯車15eとが噛合しており、モータ2の回転が輪列3を介して日の裏歯車40に伝達されると、日の裏歯車40の回転に応じてダイアル4が回転するようになっている。
またダイアルカバー16の主部16aには円形の凹所が形成され、この凹所内に円板状のサブダイアル目盛板18が配置されており、サブダイアル目盛板18はメインケース11に対して固定されている(すなわちサブダイアル目盛板18は回転しない)。サブダイアル目盛板18の中心には丸孔18aが形成され、この丸孔18aの周りに丸孔18aと同心に外歯歯車18bが設けられている。なお、サブダイアル目盛板18の上面には12時間を一定時間で区切った時刻目盛が形成されている。
サブダイアル20は透光性を有する合成樹脂によりドーム形に形成されており、上面には分指針21が形成されるとともに、上面略中央に上面視略小判形の孔20aが形成されている。そして、サブダイアル20の孔20aに分針軸24の上端部に設けた上面視略小判形の軸部24aを嵌合することによって、サブダイアル20が分針軸24と一体化され、分針軸24と共にサブダイアル20が回転する。サブダイアル20の孔20aから上側に突出する分針軸24の先端部には止め輪22が取り付けられ、サブダイアル20の抜けを防止している。なおサブダイアル20と分針軸24とを圧入や接着などで固定するようにすれば、止め輪22は不要である。また本実施形態ではサブダイアル20の上面に飾り蓋23を固着して、止め輪22や分針軸24の先端部を見えないようにしており、デザイン性を高めている。
ところでサブダイアル目盛板18とサブダイアル20との間には、外歯歯車18bと噛合する内歯歯車19aが形成された時針19が回動自在に保持されている。サブダイアル20の裏面には時針19の中央の孔に嵌合する円形突起(図示せず)が突設されており、この円形突起は分針軸24に対して偏心しているので、サブダイアル20の回転に伴って時針19が分針軸24の周りを公転しながら自転するような動きをする(所謂偏心公転)。ここで、サブダイアル20が1回転する毎に時針19が1時間分(約30度)進むように、外歯歯車18bと内歯歯車19aとの歯数が設定されているので、サブダイアル目盛板18の時刻目盛と、時針19と、サブダイアル20の分指針21とで12時間型の時計を構成し、現在の時刻表示を行うのである。
次に本実施形態のタイムスイッチの動作について説明を行う。所望の設定時刻で負荷に所望の動作を行わせるように任意の設定子17を起伏させた状態でダイアル4が時計回りに定速回転すると、図6(a)に示すようにダイアル4の周部に突出した設定子17の爪17cが窓孔29から露出する設定子側カム63の切側カム63b又は入側カム63cと当接することによって、カム軸61を45度ずつ回転させる。
ここで、図7(b)に示すように接点51a,52aが開離している状態で設定子17の爪17cが設定子側カム63の下側の入側カム63cと当接して(この場合設定子17の頭部17aは外側に起こしてある)、カム軸61を45度回転させると、スイッチカム62の上側カム62bが接触ばね片52の突片52bから外れるとともに、下側カム62cが接触ばね片51の突片51bを押して接触ばね片51を接触ばね片52側に撓ませることで、接点51a,52a間が接触する。
一方、図7(a)に示すように接点51a,52aが接触している状態で、設定子17の爪17cが設定子側カム63の上側の切側カム63bと当接して(この場合設定子17の頭部17aは内側に倒れている)、カム軸61を45度回転させると、スイッチカム62の下側カム62cが接触ばね片51の突片51bから外れて、接触ばね片51が接触ばね片52から離れる方向に変位するとともに、上側カム62bが接触ばね片52の突片52bを押して接触ばね片52を接触ばね片51から離れる方向へ撓ませることによって、接点51a,52a間が開離するのである。
このように設定子17によって所望の設定時間で負荷に所望の動作を行わせることができるのであるが、現在の時刻を設定する場合にはサブダイアル20を手動で時計回り又は反時計回りに回転させて時刻設定を行えば良い。
サブダイアル20を手動で時計回り(モータ2による回転方向)に回転させる場合は、サブダイアル20に分針軸24を介して結合された9番かな歯車41が時計回りに回転しようとするが、モータ2の出力軸に取り付けられた1番かな歯車31から9番歯車39までの歯車が噛み合っており、9番歯車39はモータ2による回転方向にはモータ2によって回される回転速度よりも速い速度で回転することができないため、9番かな歯車41のスリップ片41aが撓んでスリップ歯39aを乗り越えることで、9番かな歯車41が空転し、9番かな歯車41の小径歯車41bに噛合する日の裏歯車40のみが反時計回りに回転する。日の裏歯車40が反時計回りに回転すると、ダイアル4が時計回りに回転するので、所望の時刻までサブダイアル20を回転させることで、時刻を設定することができる。またこの時ダイアル4の回転に伴ってダイアル4の周部に突出する設定子17の爪17cが設定子側カム63の切側カム63b又は入側カム63cと当接することで、接点部5が開閉される。
一方、サブダイアル20を手動で反時計回り(モータ2による回転方向と逆回り)に回転させる場合、サブダイアル20に分針軸24を介して結合された9番かな歯車41が反時計回りに回転しようとするが、モータ2の出力軸に取り付けられた1番かな歯車31から9番歯車39までの歯車が噛み合っており、4番歯車34の回転方向が回転方向規制カム44によって一方向に規制されているので、9番歯車39はモータ2による回転方向と逆回りには回転することができず、スリップ歯39aの歯面によってスリップ片41aの先端部の端面が押されることになる。この時、モータ2の回転によって9番歯車39を回転させる回転力よりも大きく、且つ、スリップ片41aが撓んでスリップ歯39aを乗り越えることができるような回転力をサブダイアル20に与えると、スリップ片41aが撓んでスリップ歯39aを乗り越えることができ、9番かな歯車41が反時計回りに空転する。すなわち、モータ2による回転方向と逆回りに手動で回転させた場合は、モータによる回転方向に手動で回転させた場合に比べてより大きな操作感覚が与えられることになり、スリップ歯39aとスリップ片41aとで操作感覚付与手段が構成される。またこの時、上述と同様に9番かな歯車41の小径歯車41bに噛合する日の裏歯車40のみが時計回りに回転し、日の裏歯車40が時計回りに回転すると、ダイアル4が反時計回りに回転するので、所望の時刻までサブダイアル20を回転させることで、時刻を設定することができる。またこの時ダイアル4の回転に伴ってダイアル4の周部に突出する設定子17の爪17cが設定子側カム63の切側カム63b又は入側カム63cと当接することで、設定子側カム63が時計回りに回転するが、設定子側カム63が時計回りに回転すると、クラッチ歯63dとスイッチカム62のクラッチ歯62dとの噛み合いが外れるので、スイッチカム62は回転せず、接点部5も開閉しない。尚、図8の例では4本のスリップ片41aが裏側から見て卍形に配置されているので、9番かな歯車41がモータ2による回転方向と逆回り(裏側から見た場合は時計回り)に回転する場合は、スリップ片41aが撓みにくい方向で、しかもスリップ片41aの先端面がスリップ歯39aの歯面を略垂直に押すことになるから、スリップ片41aが座屈しないようにスリップ歯39aの歯面とスリップ片41aの端面の角度やスリップ片41aの厚みなどを設定する必要がある。
上述のように、日の裏歯車40(ダイアル側)を回転させるのに必要な回転トルクではスリップせずに、9番歯車39(モータ側)を回転させる際にはスリップするようなスリップ機構を輪列3の途中に設けているので、モータ2の回転によって9番歯車39が回転した場合は、9番歯車39の回転によって9番かな歯車41が回転して、ダイアル4及びサブダイアル20を回転させることができ、また手動でサブダイアル20を時計回り及び反時計回りに回転させて時刻を設定する場合には、サブダイアル20と共に9番かな歯車41が回転すると、スリップ機構が働いて9番かな歯車41の回転は9番歯車39に伝達されず、ダイアル4のみが回されるので、サブダイアル20を時計回り及び反時計回りに回転させることで、時刻の設定を行うことができる。しかもサブダイアル20をモータ2による回転方向と逆回りに回転させる場合は、モータ2による回転方向に回転させる場合に比べて、より大きな力が必要になるので、サブダイアル20が重たく感じられ、その結果操作感覚から時刻を進める方向か時刻を戻す方向かを容易に判別できる。また更にサブダイアル20を反時計回りに回転させた場合には、スイッチカム部60に設けたクラッチ機構によって設定子側カム63が空回りし、スイッチカム62は回転しないので、サブダイアル20が反時計回りに回転する際に接点部5が開閉されることはなく、接触ばね片51,52に対して通常回転時と反対方向に無理な力が加わって、接触ばね片51,52が破損する虞もない。尚、輪列3の構成は上記の構成に限定する趣旨のものではなく、モータ2からサブダイアル20までの間に上述のようなスリップ機構を設ければ、輪列3の構成はどのような構成でも良く、またダイアル4及びサブダイアル20が反時計回りに回転するように輪列3を構成しても良い。
また、本実施形態では9番歯車39の裏側面の凹部内周面に、三角波状のスリップ歯39aを形成するとともに、軸部の周面からL字形の4本のスリップ片41aを卍形に突出させて9番かな歯車41を形成しており、スリップ歯39aの内周円の接線方向に対して斜め45度の方向から矩形板状のスリップ片41aをスリップ歯39aに当接させることで、スリップ片41aの先端の角部(歯)をスリップ歯39aに歯面に噛合させているが、スリップ機構を上記の構成に限定する趣旨のものではなく、例えば図9(a)(b)に示すように軸部の周面からクランク型に形成された4本のスリップ片41cを一定の間隔で突出させて9番かな歯車41を形成し、スリップ歯39aの内周円の接線方向に対して略垂直な方向から、三角形状の歯が先端部に設けられたスリップ片41cをスリップ歯39aに噛合させることでスリップ機構を構成しても良い。ここで、スリップ歯39aの歯面とスリップ片41cの先端部の歯の端面とは、スリップ歯39aの内周円の接線方向と直交する直線L1に対して略同じ角度α(例えば45度)で斜めに傾斜するように形成されており、スリップ片41cの先端部の歯をスリップ歯39aと係合させることでスリップ機構が構成される。このスリップ機構の動作は、上述した図8のスリップ機構の動作と同様であるが、図9に示すスリップ機構では、スリップ片41cがスリップ歯39aの内周円の接線方向に対して略垂直な方向からスリップ歯39aに当接しているので、図8に示すスリップ機構に比較してスリップ片41cが撓みやすく、またスリップ片41cの端面がスリップ歯39aの歯面に斜め45度の角度(鋭角)で当接して歯面を押すことになるので、手動でサブダイアルを回転させた際にスリップ片41cを座屈させるような力がかかることは無く、スリップ歯39aの歯面とスリップ片41cの端面の角度やスリップ片41cの厚みなどを比較的自由に設定することができる。なおこの場合もモータ2による回転方向と逆回りに手動で回転させた場合は、モータによる回転方向に手動で回転させた場合に比べてより大きな操作感覚が与えられることになり、スリップ歯39aとスリップ片41cとで操作感覚付与手段が構成される。
また、図10(a)(b)に示すように9番かな歯車41の軸部に連結片41d,41dを介してリング状のスリップ片41eを連結し、スリップ片41eにおける連結片41d,41dとの連結部位の略中間部に三角形状の歯41f,41fをそれぞれ形成し、これらの歯41fをスリップ歯39aに噛合させることでスリップ機構を構成しても良い。ここで、スリップ歯39aの歯面は、スリップ歯39aの内周面の接線方向に対して略垂直な直線L1に対し非対称な形状に形成されており、直線L1に対して図中右側の歯面は直線L1に対して角度αだけ傾斜し、図中左側の歯面は直線L1に対して角度β(α≠β)だけ傾斜している。一方、スリップ片41eに設けた歯41fは、スリップ歯39aの内周面の接線方向に対して略垂直な直線L1に対し左右対称な形状に形成されている。
而して、サブダイアル20を手動で時計回り(モータ2による回転方向)に回転させた場合には、サブダイアル20に分針軸24を介して結合された9番かな歯車41が時計回りに回転しようとするが、モータ2の出力軸に取り付けられた1番かな歯車31から9番歯車39までの歯車が噛み合っており、9番歯車39はモータ2による回転方向にはモータ2によって回される回転速度よりも速い速度で回転することができないため、9番かな歯車41のスリップ片41eが撓んで歯41fがスリップ歯39aを乗り越えることで、9番かな歯車41が空転し、9番かな歯車41の小径歯車41bに噛合する日の裏歯車40のみが反時計回りに回転する。日の裏歯車40が反時計回りに回転すると、ダイアル4が時計回りに回転するので、所望の時刻までサブダイアル20を回転させることで、時刻を設定することができる。
一方、サブダイアル20を手動で反時計回り(モータ2による回転方向と逆回り)に回転させる場合には、サブダイアル20に分針軸24を介して結合された9番かな歯車41が反時計回りに回転しようとするが、上述のように9番歯車39はモータ2による回転方向と逆回りには回転することができないため、モータ2の回転によって9番歯車39を回転させる回転力よりも大きく、且つ、スリップ片41eが撓んで歯41fがスリップ歯39aを乗り越えることができるような回転力をサブダイアル20に与えると、スリップ片41eが撓んで歯41fがスリップ歯39aを乗り越えることができ、9番かな歯車41が反時計回りに空転する。この時、上述と同様に9番かな歯車41の小径歯車41bに噛合する日の裏歯車40のみが時計回りに回転し、日の裏歯車40が時計回りに回転すると、ダイアル4が反時計回りに回転するので、所望の時刻までサブダイアル20を回転させることで、時刻を設定することができる。また、手動でサブダイアル20を回転させる場合には、モータ2による回転方向に回転させる場合に比べて、モータ2による回転方向と逆回りに回転させる場合の方が、サブダイアル20を重く感じるので、操作感覚から時刻を進める方向か時刻を戻す方向かを容易に判別できる。なお、図10に示すスリップ機構では、スリップ片41eの爪41fが直線L1に対して左右対称な形状に形成されているので、9番かな歯車41を何れの方向に回転させても、スリップ片41eは同じように撓むが、スリップ歯39aの形状を左右非対称として、歯面の角度α、βを異ならせているので(例えばβ>α)、サブダイアル20をモータ2による回転方向に回転させる場合の操作力よりも、モータ2による回転方向と逆回りに回転させる場合の操作力がより大きくなるように、操作力を容易に設定できる。ここに、スリップ歯39aとスリップ片41eとで操作感覚付与手段が構成される。
また本実施形態では図6に示すようにスイッチカム62のクラッチ歯62dの歯数、及び、設定子側カム63のクラッチ歯63dの歯数を、それぞれ、設定子側カム63の切側カム63b及び入側カム63cの歯数の合計数(8枚)と同数にしており、クラッチ歯62d,63dの歯数を8枚とすることによって、手動でダイアル4を反時計回りに逆転させた後、ダイアル4を手動或いはモータ2で時計回りに回転させると、ダイアル4の周部に突出する設定子17の爪17cで設定子側カム63の入側カム63c又は切側カム63bが押圧されて、接点部5を開閉させることができる。
すなわち、手動或いはモータ2によりダイアル4を正転させた時は、ダイアル4の周部に突出する設定子17の爪17cで設定子側カム63の入側カム63c又は切側カム63bが押圧されて、設定子側カム63と共にスイッチカム62が回転し、スイッチカム62の上側カム62b又は下側カム62cによって接点部5が開閉されるのであるが、1本のカム軸61にスイッチカム62と設定子側カム63とを取り付けているので、スイッチカム62の上側カム62b及び下側カム62cの歯数の合計数(8枚)と、設定子側カム63の入側カム63c及び切側カム63bの歯数の合計数(8枚)とは同数に設定しなければならない。本実施形態では設定子側カム63に入側カム63cと切側カム63bを4枚ずつ設けているので、爪17cにカム63c,63bが押されることで設定子側カム63が45度ずつ回転するのであるが、例えば設定子側カム63に入側カム63cと切側カム63bを3枚ずつ設けた場合は爪17cに入側カム63c又は切側カム63bが押されることで設定子側カム63が60度回転することになり、設定子側カム63の回転によってスイッチカム62も60度ずつ回転するため、スイッチカム62により接点部5を開閉できなくなる。そこで、本実施形態ではスイッチカム62の上側カム62b及び下側カム62cの歯数の合計数を、設定子側カム63の入側カム63c及び切側カム63bの歯数の合計数の整数倍(本実施形態では1倍)の数に設定しており、設定子側カム63の回転によってスイッチカムが同じ角度だけ回転し、接点部5をオン/オフできるように構成している。尚、スイッチカム62と設定子側カム63とが別々の軸に軸支されている場合はカムの歯数を異ならせても良い。
またダイアル4を手動で反時計回りに回転させた場合は、クラッチ機構が働いて設定子側カム63のみが45度ずつ回転するのであるが、スイッチカム62のクラッチ歯62dの歯数及び設定子側カム63のクラッチ歯63dの歯数を、設定子側カム63の入側カム63c及び切側カム63bの歯数の合計数の整数倍(本実施形態では1倍)の数に設定すれば、設定子側カム63が回転を完了した時点で、スイッチカム62のクラッチ歯62dと設定子側カム63のクラッチ歯63dとが常に噛み合うので、その後ダイアル4を手動或いはモータ2で時計回りに回転させる際に、ダイアル4の周部から突出する設定子17の爪17cが設定子側カム63の切側カム62b又は入側カム62cと当接することで、スイッチカム62を即座に回転させることができる。
すなわち、オン位置にある爪17cによって接点部5がオン状態に切り替えられた状態で、ダイアル4を手動で反時計回り(モータ2による回転方向と逆回り)に回転させ、接点部5をオンにした爪17cが設定子側カム63を通過し、さらにオフ位置にある爪17cが設定子側カム63を通過して、オン位置にある爪17cの位置までダイアル4を回転させると、この間に設定子側カム63は、接点部5をオンにした爪17cで約45度回転し、その後オフ位置にある爪17cで約45度回転して、合わせて約90度回転しているが、接点部5はオンのままで、設定子側カム63の位置にある爪17cもオン位置にある。この時、手動或いはモータ2の回転によってダイアル4が時計回り(モータ2による回転方向)に回転すると、スイッチカム62と設定子側カム63のクラッチ歯62d,63dが噛合しているので、オフ位置にある爪17cが設定子側カム63の切側カム63bと当接して、設定子側カム63と共にスイッチカム62を約45度回転させることで、接点部5がオフ状態に切り替わる。
また例えば、オン位置にある爪17cによって接点部5がオン状態に切り替えられた状態で、ダイアル4を手動で反時計回りに回転させ、接点部5をオンにした爪17cが設定子側カム63を通過し、さらにオフ位置にある爪17cが設定子側カム63を通過し、その次のオン位置にある爪17cが設定子側カム63を通過して、オフ位置にある爪17cの位置までダイアル4を回転させると、この間に設定子側カム63は、接点部5をオンにした爪17cで約45度回転し、その後オフ位置にある爪17cで約45度回転し、さらにその次のオン位置にある爪17cによって約45度回転して、合わせて約135度回転しているが、接点部5はオンのままで、設定子側カム63の位置にある爪17cはオフ位置にある。この時、設定子側カム63の位置にある爪17cの切換位置から判断すれば、接点部5はオフ状態であることが望ましく、本実施形態では手動で接点部5を即断即入するための摘み67を設けているので、摘み67を操作してスイッチカム62を強制的に回転させることで接点部5をオフさせることができる。その後、ダイアル4が手動又はモータ2の回転によって時計回りに回転すると、スイッチカム62と設定子側カム63のクラッチ歯62d,63dが噛合しているので、オン位置にある爪17cが設定子側カム63の入側カム63cと当接して、設定子側カム63と共にスイッチカム62を約45度回転させることで、接点部5がオン状態に切り替わる。
なお、手動で接点部5を即断即入するための摘み67が無い場合は、オン位置にある爪17cによって接点部5がオン状態に切り替えられた状態で、ダイアル4を手動で反時計回りに回転させて時刻を合わせる場合には希望の時刻を過ぎた次のオン位置にある爪17cまでダイアル4を回転させた後、手動でダイアル4を希望の時刻まで時計回りに回転させて時刻を合わせれば不都合は生じない。またオフ位置にある爪17cによって接点部5がオフ状態に切り替えられた状態で、ダイアル4を手動で反時計回りに回転させて時刻を合わせる場合には希望の時刻を過ぎた次のオフ位置にある爪17cまでダイアル4を回転させた後、手動でダイアル4を希望の時刻まで時計回りに回転させて時刻を合わせれば不都合は生じない。
また本実施形態ではスイッチカム62及び設定子側カム63のクラッチ歯62d,63dの歯数を同じ数にしているが、スイッチカム62のクラッチ歯62dの歯数を設定子側カム63の切側カム63b及び入側カム63cの合計数(8枚)の2倍の16枚として、設定子側カム63のクラッチ歯63dの歯数を8枚(切側カム63b及び入側カム63cの合計数と同じ数)にしても、ダイアル4を手動で反時計回りに回転させると、ダイアル4の周部に突出する爪17cによって設定子側カム63のみがスイッチカム62のクラッチ歯63dの2枚分に相当する角度(約45度)だけ回転し、設定子側カム63が回転を完了した時点では、スイッチカム62と設定子側カム63のクラッチ歯62d,63dが噛み合っているため、その後ダイアル4を手動或いはモータ2の回転によって時計回りに回転させて、ダイアル4の周部に突出する爪17cによって設定子側カム63を回転させ始めた時点でスイッチカム62を同時に回転させることができる。
このようにスイッチカム62のクラッチ歯62dの歯数を、設定子側カム63の切側カム63b及び入側カム63cの合計の歯数の整数倍とすることによって、ダイアル4を手動で反時計回りに回転させた後に、ダイアル4が手動或いはモータ2の回転によって時計回りに回転すると、設定子側カム63が回転を完了した時点でスイッチカム62と設定子側カム63のクラッチ歯62d,63dが噛み合っているため、現在時刻位置以降の設定子17の爪17cによって接点部5を開閉させることができる。尚、設定子側カム63のクラッチ歯63dの歯数を設定子側カム63の切側カム63b及び入側カム63cの合計数(8枚)の2倍の16枚として、スイッチカム62のクラッチ歯62dの歯数を8枚(切側カム63b及び入側カム63cの合計数と同じ数)にしても、上述と同様の効果が得られる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図12及び図13に基づいて説明する。実施形態1では手動で接点を即断即入するためにスイッチカム部60を手動で回転させるための摘み67を備えているが、本実施形態のタイムスイッチでは、手動で接点を即断即入するための摘み67を無くしている。また実施形態1ではタイムスイッチの器体10が時計機能部1を収めたメインケース11と入出力機能部を収めたサブケース12とに分かれていたが、本実施形態ではメインケース11とサブケース12を一体化した器体10の内部に、時計機能部と入出力機能部の両方を収納しており、また器体10を収める外ケースも備えていない。また、図13は本実施形態の回路構成を示すブロック図であり、本実施形態では接点部5を直接負荷端子T21,T22に接続しており、接点部5がオン/オフすることで、負荷のオン/オフを制御している。尚、上記の点以外の構成及び動作は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。