JPS6021828Y2 - タイマ−類の時刻設定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はタイマー類の時刻設定装置に関する。

一般にタイマーにおいて、設定ダイヤルを所望の時隔に
設定したが、改めて設定時刻を修正したい場合等があり
、スイッチングを起すことな（設定ダイヤルを左右両方
向に自在に回転可能にしたいことがある。

そこで従来、皿バネ等を用いて正逆両方向にスリップ可
能とした方式、あるいは一方向ラチェット方式等がとら
れていたが、前者の方式では皿バネの寸法等の変動要素
によってスリップトルクのバラツキが大きく操作性が悪
かつり、あるいは逆に置回りの恐れがあった。

また後者の方式では、ラチェット歯車の回転方向と同一
方向（ラチェットが外れる方向）の時刻設定しかできず
、反対方向の設定はできないという欠点があった。

本考案は上記欠点を改善しようとするもので、その１的
は大歯車の回転方向と逆方向の時刻設定ができ、しかも
正逆（左右）両方向の時刻設定ができ、また置回りを防
止できる設定装置を提供しようとするものである。

以下本考案を図面に示す実施例によって説明すると、１
はケースで、その前面には時刻表示２が付されている。

ケース１の前方には軸３に固着された設定狐４が設けら
れ、この設定孤４を回転させて時刻設定を行うようにな
っている。

また軸３はケース１の前壁と１ａと支持壁５との間にお
いて跨って支承されている。

６は大歯車で、軸３に軸支されている。

７はモータで、その回転力は伝動減速歯車群８およびピ
ニオン９を回転させ、このピニオン９と噛合する大歯車
６を回転させる。

また軸３には太陽歯車１０が固着されている。

１１は遊星歯車で、ラチェツト歯１１ａおよび噛合歯１
１ｂが形成され、大歯車６の軸孔とこれに支持された支
持板１２の長孔１２ａとで軸支されている。

そしてラチェツト歯１１ａは、大歯車６の内壁から突設
されたラチェツト爪６ａと係合し、噛合歯１１ｂは太陽
歯車１０と噛合している。

一方、軸３には切欠部１３ａを有するカム板１３が固着
されており、これに対向して係合爪１４ａを有する作動
レバー１４が配置されている。

作動レバー１４の他端はスイッチ１５と対向しており、
作動レバー１４の作動によってスイッチ１５の作動片を
動作させるようになっている。

さらに、前述の噛合１１ｂの歯形は、第３図に示すよう
に、インボリュート歯形であるが、太陽歯車１０の歯形
はインボリュート歯形の破線で示す部分の片側を切除し
た歯形となっている。

このように構成された装置において、いまモータ７の回
転方向に伴ってピニオン９が右回転（時計方向）し大歯
車６が左回転するようになっているとする。

時刻設定に当って、設定孤４を右回転させると、軸３と
ともに太陽歯車１０が右回転し、遊星歯車１１がその軸
周りに左回転する。

その結果、ラチェツト歯１１ａはラチェツト爪６ａから
外れるため、設定爪４を所望の時刻に設定すべく右回転
できる。

一方、設定時刻を変更するために設定孤４を左回転させ
ると、遊星歯車１１はその軸周りに右回転しようとする
が、ラチェツト歯１１ａがラチェツト爪６ａに係合する
ため自転はしない。

にもかかわらず太陽歯車１０を左回転させるため、遊星
歯車１１には長孔１２ａが形成されているので、遊星歯
車１１が太陽歯車１０から逃げ噛合が外れる。

したがって、設定孤４を左回転できる。ここで、遊星歯
車１１は常時スプリング等により太陽歯車１０側へ押し
付けられて噛合しており、上述のように太陽歯車１０の
左回転時のみ噛合が外れ、その回転終了時にはスプリン
グにって復帰する。

またタイマーの設定をすると、軸３と一体となったカム
板１３は右回転するから、第５図のような切欠部１３ａ
と係合爪１４ａとの係合状態が外れ、第６図のように係
合爪１４ａがカム板１３の周面に乗り、スイッチ１５の
接点が切換えられる。

このような設定状態から、モータ７の回転に伴ってピニ
オン９を介して大歯車６が左回転すると、ラチェツト爪
６ａがラチェツト歯１１ａに係合する。

そして遊星歯車１１も左方向に自転しようとするが、太
陽歯車１０の歯形の一部は上述のように一部が切除され
ているため、噛合歯１１ａと太陽歯車１０とが突っ張る
こととなり、遊星歯車１１は自転せず太陽歯車１０の周
りを左方向に公転するだけである。

その結果、太陽歯車１ｏは左方向に自転し、設定時間経
過後はカム板１３の回転によって再び第５図のように係
合爪１４ａが切欠部１３ａに入り込み、スイッチングが
行なわれる。

なお、一旦設定孤４を設定すると、太陽歯車１０の左回
転は、ラチェツト歯１１ａがラチェツト爪６ａと係合す
るためロックされる。

以上の通り、本考案によれば、大歯車の回転方向とは逆
方向に時刻設定を行うことができるとともに、噛合およ
び係合が確実であるため、所定の時間に正確に作動させ
ることができ、従来のような置回りのトラブルを完全に
防止できる。

そして、特に遊星歯車に長孔を形成すれば、−頁設定し
た時刻を逆方向に回転させ変更できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一部断面平面図、第２図は要部正
面図、第３図はその一部拡大図、第４図は正面図、第５
図および第６図はカム板とスイッチとの関係を示す概要
図である。 １・・・・・・ケース、３・・・・・・軸、４・・・・
・・設定孤、６・・・・・・大歯車、６ａ・・・・・・
ラチェツト爪、７・・・・・・モータ、１０・・・・・
・太陽歯車、１１・・・・・・遊星歯車、１１ａ・・・
・・・ラチェツト歯、１１ｂ・曲・噛合歯、１２ａ・・
・・・・長孔、１３・・・・・・カム板、１４・・・・
・・作動レバー、１５・・・・・・スイッチ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１） 内壁にラチェツト爪を有する大歯車と、この
   大歯車と軸心を同じくし大歯車内方に配置されかつ設定
   孤の回転に同伴する太陽歯車と、大歯車と太陽歯車との
   間にあって大歯車に軸支され、かつ太陽歯車と噛合する
   噛合歯およびこれと一体的のラチェツト爪と係合するラ
   チェツト歯を有する遊星歯車とを備え、前記太陽歯車お
   よび噛合歯は、太陽歯車の回転方向に関係なく噛合歯は
   従動回転し、太陽歯車は噛合歯の一方の回転方向のみ従
   動回転するよう歯形したことを特徴とするタイマー類の
   時刻設定装置。
2. （２）遊星歯車の軸孔を長孔とし外方に移動可能とした
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のタイマー類の時刻
   設定装置。