JP4276457B2 - コンクリート製品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート製品に関し、詳細には道路等に設置され、上部開口部にグレーチングが設けられた側溝、暗渠及び集水ますなどのグレーチングが設けられたコンクリート製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般道路、高速道路等を問わず、通常、道路等の側方には雨水を排水するためにコンクリート製の側溝、あるいは暗渠や集水ますなどが設けられている。これらコンクリート製の側溝、暗渠、集水ますなどは規模の大きなものは、地面に溝を掘削後に型枠を形成し、コンクリートを打設して施工されるが、比較的規模の小さなものは、近年、ミニショベルカーが汎用されるようになり、幅1m程度の溝を精度良く掘削できるようになったこともあって工場でコンクリート製品として製造し、その後に施工現場に運搬して施工されることが多くなった。
【0003】
一方、上記コンクリート製品は、規模が比較的小さくなったものとはいえ重量物でもあるため、その運搬にロープを巻き付けただけの玉掛けではロープがずれたり外れるおそれがあり、安全上の問題が懸念される。そこで、工場でコンクリート製品を打設して製造する際に特開2000−229317号公報(特許文献1)に記載されているようなコンクリート埋設孔開け具なるものの提案がなされている。この孔開け具を埋設しそこに吊上治具を設け、その吊上治具を介して吊上げることで安全な運搬が期待される。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−229317号公報(段落0017、図5、6)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように側溝、暗渠及び集水ますなどを工場でコンクリート製品として製造し、その後に施工現場に運搬して施工する場合、雨水などが流入する上部開口部に取付けられるグレーチングは、コンクリート製品とは別に製造され、コンクリート製品の施工後に、その開口部に形成されたグレーチング受部に落とし込んで取付けられる。
【0006】
上記コンクリート製品においては、グレーチングの取付けが受部へ落とし込むだけであるため着脱が容易であり、コンクリート製品内にごみが詰まっている場合に清掃などが容易である利点を有するが、グレーチングを受部に落とし込んだだけではグレーチングと受部の間にかなりの隙間があるため、グレーチング上を自転車や自動車などの車が走行したり、人が通ってもカタカタと音を発することがあり、特に住宅街においてはこの音が耳障りで問題となる。また車の走行ではグレーチングが跳ね上がる危険が懸念される。
【0007】
本発明は、上記の如き問題を解消するためになしたものであって、その目的は、車などの走行でカタカタといった音を発することが無く、かつ車の走行でグレーチングが跳ね上がるといった懸念の無い、グレーチングが設けられたコンクリート製品を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明(請求項1)に係るコンクリート製品は、グレーチングを設ける開口部を有するコンクリート製品本体と、その開口部の下方内壁部に埋め込まれ、内壁面に向けて開口するとともに内部にめねじと外部にアンカーが形成された埋設部材と、この埋設部材に螺合して取付けられた頭部が直方体に形成されたTの字状の係合具と、前記開口部に開閉可能に設置されると共に、前記係合具に係合し前記グレーチングの底部にブラケットを介して進退可能に取付けられ、中央部から後端部の上面に突起あるいは溝が形成された金具を備えるグレーチングとを備えてなるものである。
【0009】
上記の構成では、コンクリート製品本体の受部に落とし込まれたグレーチングは、コンクリート製品本体の開口部の下方内壁部に埋め込まれ、内壁面に向けて開口するとともに内部にめねじと外部にアンカーが形成された埋設部材と、この埋設部材に螺合して取付けられた頭部が直方体に形成されたTの字状の係合具とグレーチングの底部にブラケットを介して進退可能に取付けられ、中央部から後端部の上面に突起あるいは溝が形成された金具とを係合させることができるので、コンクリート製品本体に対してグレーチングを固定でき、コンクリート製品の施工後に、その上を車などが走行してもカタカタといった音を発することが無い。また車の走行でグレーチングが跳ね上がるといった懸念も無い。また更に、コンクリート製品本体とグレーチングとは、別々に施工現場へ運搬し施工現場でコンクリート製品本体の開口部に係合具を介在させてグレーチングを設けコンクリート製品とした後で埋設することもできるし、あるいはコンクリート製品の製造現場や建材屋で、予めコンクリート製品本体の開口部に係合具を介在させてグレーチングを設けコンクリート製品とした後で運搬、埋設することもでき、側溝、暗渠、集水ますなどのグレーチングが設けられたコンクリート製品の施工作業の改善が期待できる。
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るコンクリート製品の説明図であって、aは全体斜視図、bはaのA矢視図、cはbのB−B断面図、図2は、図1のC部の拡大断面説明図、図3は、図2のD−D断面図である。図において、1はコンクリート製品本体、2はグレーチングを示す。
【0013】
コンクリート製品本体1は、本例では側溝(U字溝)を例としたものであって、常法により型枠を製作し、その型枠内にコンクリートを打設して製造される。コンクリート製品本体1の上部開口部3の両側はグレーチング2を落とし込んで設けるための受部4が形成されている。そして、その受部4の下方に当たる位置の壁部5には、内壁面に向けて開口し、内部にめねじが形成された埋設部材6が埋設されている。また、その埋設部材6には、先端におねじを有し、頭部7が直方体に形成されたTの字状の係合具8が、頭部7を内壁面に突き出して取付けられ、この係合具8と埋設部材6によりコンクリート製品本体1側の係合部材9が構成されている。なお、埋設部材6は、樹脂製や金属製の何れであってもよいし、あるいは特許文献1に提案されているようなコンクリート埋設孔開け具なども用いることができる。
【0014】
グレーチング2は、平鋼からなる主部材10を幅方向を上下にして所定間隔に配設し、その長手方向両端にエンドプレート11を溶接固定し、更に主部材10に交差させてスクリューバーからなる横部材12を主部材10同様に所定間隔に配設するとともに、その横部材12をプロジェクション溶接により主部材10の間に押し込むように且つ面一となるように溶接して製造されたものである。そして、前後のエンドプレート11と左右端の主部材10とにより外枠が構成されている。
【0015】
上記グレーチング2の四隅近傍の底面には、主部材10、10間に跨ってグレーチング2側の係合部材13がベース部14を溶接して設けられている。この係合部材13は、主部材10に溶接固定されたベース部14を含めて断面四角形の角管形状に形成されたブラケット15と、このブラケット15に、コンクリート製品本体1の壁部5に向かって進退移動可能に設けられた棒鋼16とにより構成されている。そして、棒材16を壁部5に向かって押出すことで上記係合部材9の頭部7の下側と係合し、引き戻すことで係合が解除される。なお、この押引きは、例えば、棒材16の中央部から後端部の上面に突起あるいは溝などを形成し、この突起又は溝に、グレーチング2の主部材10、10間より挿しいれた棒状の操作具17などを係合させて行える。
【0016】
上記構成からなる本発明に係るコンクリート製品は次の要領で組立てられる。すなわち、コンクリート製品本体1の上部開口部3の受部4の下方に当たる位置の壁部5に埋設された埋設部材6に、頭部7を内壁面に突き出してTの字状の係合具8を取付け、係合具8と埋設部材6によりコンクリート製品本体1側の係合部材9を構成する。次いで、コンクリート製品本体1の上部開口部3の受部4にグレーチング2を落とし込んで載置する。この後、グレーチング2の四隅近傍の底面に設けた係合部材13の棒材16を壁部5に向かって押出し前記係合部材9の頭部7の下側と係合させて、コンクリート製品本体1の上部開口部3の受部4にグレーチング2を設ける。
【0017】
従って、上記構成のコンクリート製品では、コンクリート製品本体1の受部4に落とし込まれたグレーチング2は、コンクリート製品本体1側の係合部材9とグレーチング2側の係合部材13とを係合させることができるので、コンクリート製品本体1に対してグレーチング2を固定でき、コンクリート製品の施工後に、その上を車などが走行してもカタカタといった音を発することが無い。また車の走行でグレーチングが跳ね上がるといった懸念も無い。また更に、コンクリート製品本体1とグレーチング2とは、別々に施工現場へ運搬し施工現場でコンクリート製品本体1の上部開口部3に係合部材9、13を介在させてグレーチング2を設けコンクリート製品とした後で埋設することもできる。
【0018】
なお、上記例では、係合部材9、13を、コンクリート製品本体1の上部開口部3(グレーチング2)の四隅に設ける場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、中央部の両側に1箇所ずつ、あるいは一方の側は中央部に1箇所他方の側は両端に1箇所ずつ設けてもよい。
【0019】
また、上記例では、係合部材13を棒材16が壁部5に向かって進退するようにグレーチング2に設けた場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、棒材16が壁部5と平行する方向に進退するように設け、係合部材9と係合するように設けてあってもよい。
【0020】
また、上記例では、コンクリート製品本体1側の係合部材9を、埋設部材6と係合具8を用いて係合具8の頭部7を内壁面に突き出して取付けた例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図4に示すように、コンクリート製品本体1の上部開口部3の受部4の下方に当たる位置の壁部5に、コンクリート打設時に管材18を埋設するだけ、あるいは単に穴のみを形成するだけの構成とし、この管材18内、あるいは穴内にグレーチング2の係合部材13の棒材16を進退させて係合するように構成してもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るコンクリート製品によれば、コンクリート製品の施工後に、その上を車などが走行してもカタカタといった音を発することが無いし、また車の走行でグレーチングが跳ね上がるといった懸念も無い。また更に、コンクリート製品本体とグレーチングとは、別々に施工現場へ運搬し施工現場でコンクリート製品本体の開口部に係合部材を介在させてグレーチングを設けコンクリート製品とした後で埋設することもできるし、あるいはコンクリート製品の製造現場や建材屋で、予めコンクリート製品本体の開口部に係合部材を介在させてグレーチングを設けコンクリート製品とした後で運搬、埋設することもでき、側溝、暗渠、集水ますなどのグレーチングが設けられたコンクリート製品の施工作業性の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るコンクリート製品の説明図であって、aは全体斜視図、bはaのA矢視図、cはbのB−B断面図である。
【図2】 図1のC部の拡大断面説明図である。
【図3】 図2のD−D断面図である。
【図4】 本発明に係るコンクリート製品の別の実施形態の要部のみの断面説明図である。
【符号の説明】
1:コンクリート製品本体 2:グレーチング
3:開口部 4:受部 5:壁部
6:埋設部材 7:頭部 8:係合具
9:係合部材 10:主部材 11:エンドプレート
12:横部材 13:係合部材 14:ベース部
15:ブラケット 16:棒鋼 17:操作具
18:管材
Claims (1)
- グレーチングを設ける開口部を有するコンクリート製品本体と、その開口部の下方内壁部に埋め込まれ、内壁面に向けて開口するとともに内部にめねじと外部にアンカーが形成された埋設部材と、この埋設部材に螺合して取付けられた頭部が直方体に形成されたTの字状の係合具と、前記開口部に開閉可能に設置されると共に、前記係合具に係合し前記グレーチングの底部にブラケットを介して進退可能に取付けられ、中央部から後端部の上面に突起あるいは溝が形成された金具を備えるグレーチングとを備えてなることを特徴とするコンクリート製品。
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