JP4275964B2 - 熱間鋼帯の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱間鋼帯の製造方法に関し、特に板幅変動が修正された熱間鋼帯を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、熱間鋼帯の製造設備列に板厚圧下プレスを配し、スラブを板厚方向に高圧下することにより熱間鋼帯を製造する熱間鋼帯の製造技術が考案されている。
【0003】
本技術で使用される板厚圧下プレスでは、従来のロール圧延機に比べ大きな圧下量が1パスで得られ、プレス1台で粗圧延機複数台分の能力がある。このため設備費の低減が図れ、また大圧下を施すため設備列が短くなるのでスラブ、粗バーおよび熱間鋼帯の温度降下が小さいなどの長所がある。
【0004】
また、板厚圧下プレスで用いられる金型はスラブと接触・離反を繰り返すためスラブとの接触時間が短く、ロールほど長時間高温・高負荷にさらされることはないため金型の疲労が少ないという利点もある。
【0005】
しかしながら板厚圧下プレスではスラブの圧下が圧延機のように連続的ではなく断続的であるため、プレスサイクルに応じて、図1に示すような「板幅変動長さ」100mm〜200mm、「板幅変動量」1〜25mmの、圧延方向の板中心線を対称軸として上下対称な板幅変動が生ずる。なお、「板幅変動長さ」とは、長手方向に周期的に変動する板幅変動の1単位長さをいう。
【0006】
板幅が長手方向に一定でない場合、通常、一定板幅の鋼帯とするために後の行程において板幅端部はトリムされる。しかし、このトリミングにおいては、長手方向に最小板幅にあわせてトリムされるため、板幅の変化量である板幅変動量が大きい場合にはトリム代が大きくなり歩留りが低下する。したがって、この長手方向に周期的な板幅変動量が最小になるように修正することが望まれる。
【0007】
このような長手方向に周期的な板幅変動に対して、従来、開示された技術では板厚圧下プレスの下流側に竪圧延機と水平圧延機とを設けて板幅変動の修正を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、板厚圧下プレスの下流側に板幅圧下プレスと水平圧延機を設けて板幅変動の修正を図っているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
特許文献2に示されている板幅変動修正方法を以下に説明する。まず板幅圧下プレスの開度を、水平圧延後の板幅が所望の板幅になるように設定する(ステップ1)。しかし、所望の板幅になるように開度を設定して板幅圧下プレスを行っても、その後の工程である水平圧延時に生じる幅戻りのため所望の板幅は得られない。この幅戻りは、スラブの材質、寸法、温度、板厚圧下プレスの圧下量、スラブの送り速度および目標板幅が影響する。この幅戻りに影響する条件を初期条件と称する。
【0010】
制御装置では入力されたこれらの初期条件から板幅圧下プレスの開度を演算する(ステップ2)。そして、この開度を板幅圧下プレスに指示する(ステップ3)。
【0011】
板幅圧下プレスはこの開度で板幅圧下を行い、その後に水平圧延機によって圧延が行われる。水平圧延機で圧延されたスラブは水平圧延機の下流側に設置された板幅計測器で板幅が計測される。その板幅計測値は制御装置に送られる(ステップ4)。制御装置では所望の板幅と板幅計測値との差を算出し(ステップ5)、この差と初期条件とから正しい板幅圧下プレスの開度を算出する(ステップ6)。ステップ3〜ステップ6を繰り返すことにより、所望の目標板幅を得る。
【0012】
またこの他に、あらかじめ竪圧延機あるいは板幅圧下プレスによってスラブに板幅変動を与える予成形を行うことにより、板厚圧下プレスによる減厚によって発生する板幅変動を相殺する板幅変動修正方法が創案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0013】
【特許文献1】
特開昭61−235002号公報
【0014】
【特許文献2】
特開2001−9502号公報
【0015】
【特許文献3】
特開2000−254708号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、長手方向の板幅変動を修正する場合、竪圧延機のロール開度を一定で圧延を行うと、竪圧延を行った後の鋼帯である粗バーの板幅端部にはドッグボーンと呼ばれる局所的に板厚が大きい部分が形成される。そして、板幅の広い部分の圧下量は大きく、板幅の狭い部分の圧下量は小さくなるが、板幅の圧下量が大きいほどドッグボーンの大きさは大きくなるため、板幅変動のうち板幅が広い部分のドッグボーンは大きくなり、逆に板幅が狭い部分のドッグボーンは小さくなる。この結果、板幅方向、長手方向共に板厚変動が生ずることになる。
【0017】
ドッグボーンを平坦にして板厚変動のない熱間鋼帯とするためには水平圧延を行う必要があるが、大きいドッグボーンが存在する部分の水平圧延を行うと水平圧延後の板幅の戻り量は大きくなり、逆に小さいドッグボーンが存在する部分の水平圧延を行うと水平圧延後の板幅の戻り量は小さくなり、板幅変動が生ずる。即ち、板厚圧下プレスの下流側に板幅圧下プレスと水平圧延機を設けた構成であっても、竪圧延機のロール開度を一定で圧延し水平圧延を行ったのでは、板幅変動は修正されない。
【0018】
しかしながら、特許文献1には、板厚圧下プレスによって発生した板幅変動の計測方法や竪圧延機のロール開度の設定方法について明確には記載されていない。このため板幅変動を助長するような竪圧延機のロール開度設定で板幅圧下を行い、板幅変動を逆に増大させることも有り得る。
【0019】
また特許文献2では、長手方向に周期的に存在する板幅変動に対して板幅圧下プレスの金型の開度変更をどのように行うのか明確にされていない。またステップ3〜ステップ6を繰り返すことにより所望の板幅を得る方式を採用しているため、粗バーの先端から所定長さは目標の板幅が得られない場合もある。
【0020】
また特許文献3に記載された技術では板厚圧下プレスの前に板幅の圧下を行う。ここで、この予成形について検討すると、板厚250mmのスラブを板厚圧下プレスにより90mmまで減厚を行った後の板幅変動長さが200mmとすると予成形を行うべき板幅変動長さは72mmとなる。圧延機によって板幅圧下を行う場合、圧下量20mm、板幅変動長さ72mmの板幅予成形を行うとすると幾何学的関係より圧延に用いられるロール半径は70mm以下となり、一般の圧延用ロールとしては極めてロール径が小さい。径が小さいロールを用いる場合には、圧延荷重によってロールにたわみが発生するため精度の高い圧延が行うことができない。このため圧下を行うロールを補強するためのバックアップロールが必要となり、圧延設備が大型化するとともに設備費が大きくなるという問題が生ずる。
【0021】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、鋼帯の長手方向の板幅変動や板厚変動が高い精度で修正された熱間鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、連続鋳造設備によって鋳造した熱間スラブ、あるいはスラブを減厚した後の粗バーを竪圧延機で板幅方向に圧下し、続いて水平圧延機で板厚方向に圧下する熱間鋼帯の製造方法において、竪圧延前の板幅W0、竪圧延前の板厚t0、水平圧延後の板幅Wh、水平圧延後の板厚th、前記竪圧延機のロール径De、前記水平圧延機のロール径Dh、前記粗バーの温度T、板幅圧下前の最小板幅W0min、前記粗バーの長手方向の単位長さあたりの板幅変化である板幅変化率S、係数a、係数bの間の下記式で表される関係を用いて、板幅圧下過程での前記粗バーの搬送速度に対する前記竪圧延機の板幅圧下速度の比である圧下速度比Vと最小板幅圧下量ΔWminを算出し、該圧下速度比Vと該最小板幅圧下量ΔWminから前記竪圧延機のロール開度と開閉圧下速度を設定して板幅圧下を行う熱間鋼帯の製造方法である。
{S−(1−a)(S−V)}=0
Wh−{W0min−(1−a)ΔWmin+b}=0
係数aは、t0、th、W0、De、Dh、T、S、Vを因子とし、係数bは、t0、th、Δt(=t0−th)、W1、De、Dh、T、S、Vを因子とする。
【0024】
また本発明は、上記記載の発明である熱間鋼帯の製造方法において、熱間スラブあるいは粗バーの板幅を予め板幅計測手段により測定し、この測定された板幅から板幅変化率を算出する熱間鋼帯の製造方法である。
【0025】
また本発明は、上記記載の発明である熱間鋼帯の製造方法において、粗バーは、粗圧延機群による減厚を行った後の粗バーである熱間鋼帯の製造方法である。
【0026】
また本発明は、上記記載の発明である熱間鋼帯の製造方法において、粗バーは、板厚圧下プレスによる減厚を行った後の粗バーである熱間鋼帯の製造方法である。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に係る熱間鋼帯の製造方法に使用される板幅変動修正方法について説明する。
図1は、板幅変動修正方法が適用される粗バーの板幅変動を示す図である。想定される板幅変動は板幅変動長さ100mm〜200mm、板幅変動量1〜25mmであって、粗バーは中心線に対して対称な形状である。なお板幅変化率を図2に示すように長手方向の単位長さあたりの板幅の変化として定義する。
【0028】
前述したように、板幅変動を修正するためには板幅圧下条件と水平圧延条件から水平圧延後の板幅を予測する必要がある。そうすれば、この予測方法に基づいて水平圧延後に板幅変動が修正されるように竪圧延機のロール開度を変更することが可能となる。
【0029】
板幅圧下とそれに引き続く水平圧延を行ったあとの板幅に影響する因子としては、これまで以下のものが知られている。即ち、板厚:t、板幅:W、板幅圧下量:△W、板厚圧下量:△t、竪圧延機ロール径:De、水平圧延機ロール径:Dh、粗バーの温度:Tである。
【0030】
竪圧延機のロール径が板幅に影響する理由は、圧下中の竪圧延機のロールと粗バーとの接触長さ(以下、接触弧長と呼ぶ)がドッグボーンの形状に影響するためである。即ちロール径が大きいほど接触弧長は大きくなるが、接触弧長が大きいほどドッグボーンのうち最も板厚の厚い部分は板幅方向の中央部に寄り、その高さも小さくなる。またドッグボーンの存在する範囲も広くなる。そしてこのようなドッグボーンが形成された粗バーを水平圧延した場合、水平圧延時の幅広がりは比較的小さなものとなる。
【0031】
これまで板幅圧下とそれに続く水平圧延を行った後の板幅の予測方法においては、板幅圧下前の粗バーの板幅変動形状や、板幅圧下の過程については考慮されていなかった。
【0032】
本発明者らは板幅変形とこれらの関係について鋭意研究した結果、板幅圧下前の粗バーの板幅変動形状を表わす長手方向の板幅変化率、板幅圧下の過程を表わす長手方向の粗バーの搬送速度に対する竪圧延機の圧下速度の比(以下、「圧下速度比」という)が水平圧延後の板幅に影響することを見出した。以下にその詳細を示す。
【0033】
図3は、板幅変動及び圧下パターンによる接触弧長を示す模式図である。図3の(A)は、板幅変化率および圧下速度比がゼロの場合の接触弧長を示している。図3の(B)に示すように板幅が長手方向後端部に向かって増加し(板幅変化率方向とする)かつ竪圧延機のロール開度が減少する(圧下速度方向とする)場合、接触弧長は大きくなる。逆に図3の(C)のように板幅が長手方向後端部に向かって増加し、竪圧延機のロール開度が増加する場合では接触弧長は小さくなる。従って前述したように、接触弧長がドッグボーンの形状に影響するため、長手方向の板幅変化率および圧下速度比が水平圧延後の板幅に影響することが結論付けられた。
【0034】
そこで発明者らは、この理論を実証するための実験を行った。実験には竪圧延モデル試験機と水平圧延モデル試験機を用いて、板厚11mm、板幅140〜160mm、長さ400mmの純鉛を竪圧延モデル試験機により0.1〜10mmの板幅圧下を行い、水平圧延モデル試験機により圧下量3.5mmの水平圧延を行った。その際、板幅変化率および圧下速度比を種々変更して実験を行うことにより、板幅圧下量と幅戻り量の関係に及ぼす板幅変化率と圧下速度比の影響を調査した。
【0035】
図4は、実験から得た板幅圧下量と幅戻り量の関係を示す図である。なお幅戻り量とは水平圧延後の板幅から板幅圧下後の板幅を減じたものである。
【0036】
水平圧延後の板幅は板幅圧下前の板幅、板幅圧下量および幅戻り量とから式(1)で表される関係にある。
Wh=W0−△W+Wr ・・・(1)
ここで、Wh:水平圧延後の板幅、W0:板幅圧下前の板幅
ΔW:板幅圧下量、Wr:幅戻り量
尚、前述の水平圧延後の板幅に影響する因子および板幅変化率および圧下速度比は上式のWrの項に関するものである。
【0037】
図4に示す実験結果より、幅戻り量に板幅変化率および圧下速度比が影響することは明白である。したがって、水平圧延後の板幅を予測するためには板幅変化率および圧下速度比を考慮する必要があることが実証された。
【0038】
本発明者らはさらに幅戻り量に及ぼす竪圧延前の板幅、竪圧延前の板厚、竪圧延機のロール径、水平圧延機のロール径および粗バー温度の影響について詳細に研究を行った結果、式(2)で表される水平圧延後の板幅予測式を完成させた。
【0039】
F(W0,W0min,Wh,△Wmin,t0,th,De,Dh,
T,S,V,x) = 0 ・・・(2)
ここで、W0:板幅圧下前の板幅、Wh:水平圧延後の板幅、
W0min:板幅圧下前の最小板幅
ΔWmin:最小板幅圧下量、t0:板幅圧下前の板厚、
th:水平圧延後の板厚、De:竪圧延機ロール径、
Dh:水平圧延機ロール径、T:粗バー温度、
S:板幅変化率、V:圧下速度比、x:粗バーの長手方向位置
式(2)より板幅変化率および圧下速度比を考慮した水平圧延後の板幅が予測可能である。ここで、式(2)において、従来の板幅予測式と異なる諸量を用いている点について説明する。
【0040】
板幅圧下前の板幅をW0、板幅圧下後の板幅をW1とすると、板幅変動がない場合は、W0、W1は長手方向によらず一定であるが、板幅変動が存在する場合には、粗バーの長手方向位置をxとすると、W0、W1はxの関数として表わされる。そこで、W0、W1を板幅変化率S、圧下速度比V、板幅圧下前の最小板幅W0min、最小板幅圧下量をΔWminで表わす。
【0041】
図5は、各諸量の関係を示す図である。
W0、W1は式(3)、(4)で表わされる。
【0042】
W0=Sx + W0min …(3)
W1=Vx + (W0min−ΔWmin) …(4)
ここで、板幅変化率S、圧下速度比Vは図5に示すように形状の変化をxの一次関数として近似している。
【0043】
すると、板幅圧下量ΔWは式(5)で表わされる。
ΔW=W0−W1=(S−V)x +ΔWmin …(5)
従来は板幅に影響する因子として板幅圧下量ΔWが用いられていたが、本発明においては以上の考察から導かれる式(5)に基き、目標板幅を調整することとした。
【0044】
式(2)に基づいて、板幅変動を修正して長手方向の位置xによらず水平圧延後に一定の板幅Whを得るための最小板幅圧下量△Wminと竪圧延機の圧下速度比Vを求める方法について説明する。
【0045】
図4に示すように、幅戻り量Wrは板幅圧下量ΔWに比例し、式(6)で表わされる。
Wr =aΔW +b …(6)
ここで係数a、bに影響を及ぼす因子は発明者らの研究によれば以下のとおりである。
a:t0、th、W0、De、Dh、T、S、V
b:t0、th、Δt(=t0−th)、W1、De、Dh、T、S、V
式(5)と式(6)を、式(1)に代入すると式(7)を得る。
【0046】
Wh=W0− ΔW+(aΔW +b)
=W0−(1−a)ΔW+b
=(Sx+W0min)−(1−a){(S−V)x+ΔWmin}+b
={S−(1−a)(S−V)}x
+{W0min−(1−a)ΔWmin+b} …(7)
尚、式(7)を変形して得られる式(8)は、上述の式(2)に対応するものである。
【0047】
F ={S−(1−a)(S−V)}x
+{W0min−(1−a)ΔWmin+b−Wh}=0…(8)
そこで、式(7)において、水平圧延後の板幅Whが長手方向位置xによらず一定となるためには式(9)、(10)が成立することが条件である。
【0048】
{S−(1−a)(S−V)}= 0 …(9)
Wh−{W0min−(1−a)ΔWmin+b}=0 …(10)
この式(9)、(10)を変形して一般的な関数の形式で表現するとそれぞれ式(11)、(12)を得る。
【0049】
V=f(W0,t0,th,De,Dh,T,S) ・・・(11)
△Wmin=f(W0,Wh,t0,th,De,Dh,T,S,V) ・・・(12)
このようにして求めた、最小板幅圧下量△Wminによって竪圧延機の開度の最大値が決定され、竪圧延機の圧下速度比Vによって竪圧延機の開度変更方法が決定される。従って、これらによって板幅変動を修正するための竪圧延機の開度設定方法が決定される。
【0050】
次に、板幅変動を修正する場合の手順を説明する。
本板幅変動修正方法では、熱間スラブ、粗バーあるいは板厚圧下プレス後の粗バーの板幅を板幅計測器で計測し、計測した板幅に基づいて長手方向の板幅変化率を算出する。そして、板幅変化率、スラブ寸法、スラブ温度、板厚圧下プレスの圧下条件、板幅圧下後の水平圧延条件に基づいて、竪圧延機のロール開度および板幅圧下速度を決定する。
【0051】
まず板厚圧下プレスにより減厚された粗バーの板幅を、板厚圧下プレスの下流側に配置された板幅計測器により長手方向に連続的に測定する。そして、この測定結果に基づいて、板幅圧下前の板幅W0と板幅変化率Sを算出する。
【0052】
次に板厚圧下プレスの圧下条件から、板厚圧下プレス後すなわち板幅圧下前の板厚t0を得る。また加熱炉でのスラブの加熱条件および板厚圧下プレスの圧下条件等から板厚圧下プレス後の粗バーの温度T、水平圧延後の板厚thを得る。さらに操業データから竪圧延機および水平圧延機のロール径De、Dhを得る。
【0053】
そして、これらの情報と式(11)より板幅変動を修正するための圧下速度比Vを計算し、圧下速度比Vと粗バーの搬送速度から竪圧延機の竪圧延機の圧下速度を計算する。また式(11)で計算された圧下速度比Vと式(11)の計算に使用した情報から式(12)により最小板幅圧下量△Wminを計算する。
【0054】
以上の手順により、最小板幅圧下量から竪圧延機の初期開度が計算でき、また圧下速度比から竪圧延機の開閉圧下速度を決定することができる。即ち、圧下速度比Vにより振幅変動を修正し、ΔWminにより目標幅に合せ込み板幅の絶対値を決定することができる。
【0055】
続いて、板幅予測式をもとに板厚圧下プレス後の板幅変動を修正する実験を行った。板幅変動量約20mm、板幅変動長さ約300mmの板幅変動がある板厚90mmの熱間鋼を板幅予測式に基づいて水平圧延によって板幅変動が修正されるように最大圧下量40mmの竪圧延を行い、圧下量30mmの水平圧延を行った。
【0056】
図6は、粗バーの長手方向のある一部分における竪圧延前、竪圧延後、水平圧延後の長手方向板幅プロファイルを示す図である。水平圧延後は板厚減少分長さが長くなるが、図6では比較しやすいように板厚減少分を計算で割り戻し、竪圧延前後と並べて表示した。竪圧延前に約20mmあった板幅変動は水平圧延後1mm以下に修正され、この予測式により歩留まりが大きく向上することが確認された。
【0057】
本実施の形態では、板幅圧下条件と水平圧延条件から水平圧延後の板幅を予測し、この予測に基づいて水平圧延後に板幅変動が修正されるように板幅変動に応じて竪圧延機のロール開度を変更している。
【0058】
修正すべき板幅変動形状を予め板幅計測器により測定しているため、プレスサイクルやプレスピッチなどの板厚圧下プレスの圧下条件の変化、スラブあるいは板厚圧下プレス後の粗バーの温度変化によって長手方向の板幅変動の周期が変化した場合であっても、高い精度で板幅変動を修正することができる。
【0059】
尚、本実施の形態では、粗バーの板幅変動を修正するための竪圧延機のロール開度の設定方法について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されず、熱間スラブの長手方向の板幅変動を修正する場合においても同様に適用することができる。
【0060】
続いて、本発明の板幅変動修正方法の実施例について説明する。
図7は、本発明の板幅変動修正方法が適用される設備構成を示す図である。
【0061】
連続鋳造設備1あるいは加熱炉2から搬送された板厚300mm以下、板幅500〜2500mmのスラブ11は板幅圧下プレス3により板幅方向に圧下調整された後、板厚圧下プレス4により板厚方向に圧下されて板厚100mm以下の粗バー12に成形される。
【0062】
粗バー12の幅端部には波形の板幅変動が生ずるが、この板幅変動は板厚圧下プレスの下流側に配置された板幅計測器5により計測される。板幅計測器5の計測(サンプリング)周期は、例えば板幅変動長さが500mm、粗バーの搬送速度を30m/minとすると最低でも0、5秒以下、好ましくは0.1秒以下である。計測された板幅情報は制御装置6に送られ板幅変化率が計算され、さらに上述した板幅予測式にもとづき竪圧延機7の初期開度および開閉圧下速度が設定される。
【0063】
竪圧延機7により板幅圧下された粗バー12はその後水平圧延機8によって板厚80mm以下に減厚され、さらに次工程で種々の加工および冷却が行われ熱間鋼帯として巻き取られる。
【0064】
なお図7では板厚圧下プレス4の前の板幅調整手段を板幅圧下プレス3としたが、この実施形態に限定されずVSB(バーティカルスケールブレーカー)等の竪圧延機を用いて構成しても良い。
【0065】
なお水平圧延機8の下流側に板幅計測器5を設置し、水平圧延後の長手方向の板幅を制御装置6にフィードバックし、竪圧延機7のロール開度および圧下速度を修正することにより、さらに板幅精度を向上させることができる。
【0066】
また板厚圧下プレス4の下流側に配置され、粗バーの幅圧下を行う竪圧延機7のロールにカリバーとよばれる孔型を有するロールを用いても良い。
【0067】
本実施の形態によれば熱間スラブや粗バーの板幅変動の修正が効果的に行え、熱間鋼帯の製造を歩留り良く行うことが可能になる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば鋼帯の長手方向の板幅変動や板厚変動が高い精度で修正された熱間鋼帯を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】板幅変動修正方法が適用される粗バーの板幅変動を示す図。
【図2】板幅変化率の定義を示す図。
【図3】板幅変動及び圧下パターンによる接触弧長を示す模式図。
【図4】板幅圧下量と幅戻り量の関係を示す図。
【図5】各諸量の関係を示す図。
【図6】本発明に係る板幅予測式を用いて板幅変動を修正した結果を示す図。
【図7】本発明の板幅変動修正方法が適用される設備構成を示す図。
【符号の説明】
1…連続鋳造設備
2…加熱炉
3…板幅圧下プレス
4…板厚圧下プレス
5…板幅計測器
6…制御装置
7…竪圧延機
8…水平圧延機
11…スラブ
12…粗バー

Claims (4)

  1. 連続鋳造設備によって鋳造した熱間スラブ、あるいはスラブを減厚した後の粗バーを竪圧延機で板幅方向に圧下し、続いて水平圧延機で板厚方向に圧下する熱間鋼帯の製造方法において、
    竪圧延前の板幅W0、竪圧延前の板厚t0、水平圧延後の板幅Wh、水平圧延後の板厚th、前記竪圧延機のロール径De、前記水平圧延機のロール径Dh、前記粗バーの温度T、板幅圧下前の最小板幅W0min、前記粗バーの長手方向の単位長さあたりの板幅変化である板幅変化率S、係数a、係数bの間の下記式で表される関係を用いて、板幅圧下過程での前記粗バーの搬送速度に対する前記竪圧延機の板幅圧下速度の比である圧下速度比Vと最小板幅圧下量ΔWminを算出し、該圧下速度比Vと該最小板幅圧下量ΔWminから前記竪圧延機のロール開度と開閉圧下速度を設定して板幅圧下を行うことを特徴とする熱間鋼帯の製造方法。
    {S−(1−a)(S−V)}=0
    Wh−{W0min−(1−a)ΔWmin+b}=0
    係数aは、t0、th、W0、De、Dh、T、S、Vを因子とし、係数bは、t0、th、Δt(=t0−th)、W1、De、Dh、T、S、Vを因子とする。
  2. 前記熱間スラブあるいは前記粗バーの板幅を予め板幅計測手段により測定し、
    この測定された板幅から前記板幅変化率を算出することを特徴とする請求項1に記載の熱間鋼帯の製造方法。
  3. 前記粗バーは、粗圧延機群による減厚を行った後の粗バーである請求項1または2に記載の熱間鋼帯の製造方法。
  4. 前記粗バーは、板厚圧下プレスによる減厚を行った後の粗バーである請求項1または2に記載の熱間鋼帯の製造方法。
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