JP2002219507A - 寸法制御目標値の決定方法 - Google Patents

寸法制御目標値の決定方法

Info

Publication number
JP2002219507A
JP2002219507A JP2001013652A JP2001013652A JP2002219507A JP 2002219507 A JP2002219507 A JP 2002219507A JP 2001013652 A JP2001013652 A JP 2001013652A JP 2001013652 A JP2001013652 A JP 2001013652A JP 2002219507 A JP2002219507 A JP 2002219507A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
thickness
target value
width
dimension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001013652A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3485093B2 (ja
Inventor
Yoshiro Washikita
芳郎 鷲北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2001013652A priority Critical patent/JP3485093B2/ja
Publication of JP2002219507A publication Critical patent/JP2002219507A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3485093B2 publication Critical patent/JP3485093B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被圧延材の寸法制御目標値を決定する際の寸
法余裕代を適切に設定し、歩留りの向上が可能な寸法制
御目標値の決定方法を提供する。 【解決手段】 注文寸法に寸法余裕代を加算して一の被
圧延材の寸法制御目標値を決定するに際し、一の被圧延
材を圧延する以前に圧延された先の被圧延材の寸法制御
偏差の統計量に基づき寸法余裕代を決定する。一の被圧
延材を圧延するに際し、一の板材を圧延する以前に圧延
された先の板材における幅方向中央部の板厚制御偏差の
統計量と板クラウンの統計量とに基づいて板厚制御目標
値を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば板材などの
被圧延材を圧延する際の板幅や板厚などの寸法の制御目
標値を決定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、板材や管材などの被圧延材を圧
延するに際して、従来より、顧客からの注文寸法に寸法
余裕代を加算して被圧延材の寸法制御目標値を決定する
ことが行われている。
【0003】例えば、管材を製造する際には顧客より管
の長さが注文管長として指定されるが、圧延における管
長目標値は注文管長に寸法余裕代を加算して注文管長よ
り長く圧延し、その後、先後端部を切断することによ
り、切断後の管長と注文管長との差が管長公差範囲以内
になるようにして出荷される。
【0004】また、板材を製造する際には顧客より板幅
が注文板幅として指定されるが、特公平5−81325
号公報に開示されているように、圧延における板幅目標
値は注文板幅に余幅と呼ばれる寸法余裕代を加算して注
文板幅より幅広に圧延し、その後、トリム工程で幅方向
の端部を切り落とすことにより、トリム後の板幅と注文
板幅との差が板幅公差範囲以内になるようにして出荷さ
れる。
【0005】寸法余裕代が大きいほど、最低寸法を満足
できずにスクラップとなる可能性は低下するが、最低寸
法に必要以上の寸法余裕代をとると歩留りが低下する。
したがって、寸法余裕代を適切な値に設定することが重
要である。
【0006】また、板材を製造する際には顧客より板厚
が注文板厚として指定され、被圧延材の板厚偏差を板厚
公差によって定められる範囲以内にすることが要求され
る。板材の圧延では、圧延反力によってロールに弾性変
形が生じるため、幅方向端部の板厚が幅方向中央部の板
厚に比べて薄くなることが知られている。その板厚の差
を板クラウンと称している。幅方向中央部の板厚が注文
寸法に一致するように幅方向中央部の板厚制御目標値を
定めて圧延しても、板クラウンが板厚公差よりも大きけ
れば、幅方向端部の板厚と注文板厚の差が板厚公差範囲
外になり、幅方向端部で板厚外れが生じる。
【0007】このような幅方向端部の板厚外れを防ぐ方
法として、特開平7−185625号公報には、板クラ
ウンを予測し、予測した板クラウンだけ幅方向中央部の
板厚制御目標値を厚く設定しておく方法が開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、管長余
裕代や余幅などの寸法余裕代は、経験的すなわち試行錯
誤的に決定されており、必ずしも最適な値ではなく、歩
留りの低下などの問題を招いていた。
【0009】また、制御装置や制御方法の向上によって
圧延後の被圧延材の寸法精度が向上した場合は、寸法余
裕代を小さくすることによって歩留りの向上を図ること
ができるが、従来の試行錯誤的な寸法余裕代の決定方法
では寸法精度の考慮が不十分で寸法精度の向上が歩留り
の向上に繋がらないことがあった。
【0010】また、特開平7−185625号公報に開
示されている方法では、板厚の制御偏差が大きく幅方向
中央部の板厚が板厚制御目標値より薄くなる、あるい
は、板クラウンの制御偏差が大きく板クラウンが予測値
よりも大きくなると、幅方向端部の板厚が最小板厚を満
足しないという問題や、幅方向端部の板厚の目標値外れ
を防止するために幅方向中央部の板厚制御目標値を大き
くすると、幅方向中央部の板厚が最大板厚を満足しない
という問題が生じ、歩留りが低下することがある。
【0011】本発明の課題は、被圧延材の寸法制御目標
値を決定する際の寸法余裕代を適切に設定し、歩留りの
向上が可能な寸法制御目標値の決定方法を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、注文寸法に寸
法余裕代を加算して一の被圧延材の寸法制御目標値を決
定する方法であって、一の被圧延材を圧延する以前に圧
延された先の被圧延材の寸法制御偏差の統計量に基づき
寸法余裕代を決定することを特徴とする寸法制御目標値
の決定方法である。
【0013】この本発明に係る寸法制御目標値の決定方
法では、寸法余裕代の決定が、更に、寸法制御偏差の統
計量を注文寸法によって層別に分類した層別テーブルに
基づいて行われることが望ましい。
【0014】本発明に係る寸法制御目標値の決定方法で
は、寸法余裕代の決定が、更に、寸法制御偏差の統計量
と一の被圧延材の寸法公差とから演算される損失の期待
値に基づいて行われることが望ましい。
【0015】本発明に係る寸法制御目標値の決定方法で
は、寸法制御偏差の統計量として、平均値と標準偏差を
用いることが望ましい。また、本発明は、一の板材を圧
延する際の幅方向中央部の板厚制御目標値を決定する方
法であって、一の板材を圧延する以前に圧延された先の
板材の幅方向中央部の板厚制御偏差の統計量と板クラウ
ンの統計量とに基づいて前記板厚制御目標値を決定する
ことを特徴とする寸法制御目標値の決定方法である。
【0016】この本発明に係る寸法制御目標値の決定方
法では、板厚制御偏差と板クラウンの双方の統計量とし
て、平均値と標準偏差とを用いることが望ましい。以
下、本発明の原理を、板材圧延の際の板幅制御目標値の
決定方法と板材圧延の際の幅方向中央部の板厚制御目標
値の決定方法とを例に説明する。
【0017】最初に、板材圧延の際の板幅制御目標値の
決定方法について説明する。板幅の注文寸法(注文板
幅)がWO、板幅の公差上限値がuW(>0)、板幅の公差下
限値がdW(<0)の一の板材を圧延する際に、注文板幅WO
に板幅の寸法余裕代(余幅)MWを加算して板幅の寸法制
御目標値(板幅制御目標値)をWO+MWに設定したとす
る。板幅制御目標値WO+MWに対する板幅制御偏差ΔWを正
規確率変数とみなし、一の板材が圧延される以前に圧延
された先の板材の板幅制御目標値に対する板幅制御偏差
の統計量である平均値と標準偏差とをそれぞれEとσと
すると、一の板材の板幅Wは平均値がWO+MW+Eで、標準偏
差がσの正規確率変数とみなせ、その確率密度関数は次
式(1)で表される。
【0018】
【数1】
【0019】ここでπは円周率である。板幅Wと注文板
幅WOとの差(W−WO)が板幅の公差下限値dWよりも小さ
くなった場合にスクラップになることによる損失をa、
板幅Wと注文板幅WOとの差(W−WO)が板幅の公差上限値
Wよりも大きくなった場合にトリムによって幅端部を
切り捨てることによる損失をbとすると、損失の期待値
Jは次式(2)で表される。
【0020】
【数2】
【0021】したがって、期待値Jが最小となるように
余幅MWを決定して板幅制御目標値(W O+MW)を設定すれ
ば歩留りが向上する。具体的にJを最小にするMWは次式
(3)の解であるので、損失の期待値Jを最小にする余
幅MWは次式(4)で与えられる。
【0022】
【数3】
【0023】
【数4】
【0024】先の板材の板幅制御目標値に対する板幅制
御偏差は、制御モデルの高精度化や制御装置の改善など
によって減少したり、外乱の増大によって増加したりす
るので、先の板材の内で至近に圧延された板材の板幅制
御偏差を重視して余幅を決定することが望ましい。この
ためには、予め所定数を定めておき、至近に圧延された
所定数の板材の板幅制御偏差の統計量を1つの板材の圧
延が完了する毎に逐次更新して集計し直し、更新した統
計量を用いて一の板材の余幅を決定するのがよい。
【0025】また、板幅制御偏差は、板幅制御の制御量
を決定している制御モデルの精度に依存するため、注文
板幅に依存することが多い。したがって、板幅制御偏差
を注文板幅によって層別に分類し、層別毎に板幅制御偏
差の統計量を求めた層別テーブルを準備し、一の板材の
圧延に際しては、層別テーブルから一の板材の注文板幅
が該当する層の統計量を呼び出し、その統計量に基づき
余幅を決定するのがよい。
【0026】以上の説明では、板幅制御目標値に対する
板幅制御偏差ΔWを最も一般的な確率分布である正規確
率変数とみなしたが、これに限るものではなく、確率密
度関数が次式(5)で表されるパラメータm、kを有す
るコーシー分布や、その他の確率分布であってもよく、
実際の板幅制御偏差の発生状況に応じて確率密度関数P
(W)を選択すればよい。なお、板幅制御偏差の発生状況
をコーシー分布とみなす場合は、平均値と標準偏差の代
わりに上記パラメータm、kを統計量として用いる。
【0027】
【数5】
【0028】次に、板材圧延の際の幅方向中央部の板厚
制御目標値の決定方法について説明する。注文板厚がh
O、板厚の公差上限値がuh(>0)、板厚の公差下限値がd
h(<0)の一の板材を圧延する際に、注文板厚hOに板厚余
裕代Mhを加算して幅方向中央部の板厚制御目標値を(h
O+Mh)に設定したとする。幅方向中央部の板厚制御目標
値に対する板厚制御偏差ΔhCを正規確率変数とみな
し、一の板材を圧延する前に圧延された先の板材の幅方
向中央部の板厚制御目標値に対する幅方向中央部の板厚
制御偏差の平均値をEC、標準偏差をσCとすると、一の
板材の幅方向中央部の板厚hCは平均値がhO+Mh+ECで、
標準偏差がσCの正規確率変数とみなせ、その確率密度
関数は次式(6)で表される。
【0029】
【数6】
【0030】また、先の板材の板クラウンの平均値を
Ee、標準偏差をσeとすると、一の板材の板クラウンCr
は平均値がEeで、標準偏差がσeの正規確率変数とみな
せ、その確率密度関数は次式(7)で表される。
【0031】
【数7】
【0032】ここで、hCとCrが互いに独立であると仮
定すると、幅方向端部の板厚he(=hC−Cr)は平均値
がhO+Mh+EC−Eeで、標準偏差が√(σC 2+σe 2)の正
規確率変数であるから、heの確率密度関数は、次式
(8)で表される。
【0033】
【数8】
【0034】板厚余裕代Mhを大きくしていくと幅方向端
部の板厚と注文板厚の差が板厚公差下限値より小さくな
る可能性は低くなるが、逆に幅方向中央部の板厚と注文
板厚の差が板厚公差上限値より大きくなる可能性が大き
くなるというトレードオフの関係にあるので、例えば、
幅方向中央部の板厚と注文板厚の差が板厚公差上限値よ
り大きくなる確率と、幅方向端部の板厚と注文板厚の差
が板厚公差下限値より小さくなる確率が等しくなる、す
なわち、次式(9)を満たすように板厚余裕代Mhを定め
れば、幅方向の板厚分布全体が板厚公差範囲内に入る可
能性を増大させることができる。
【0035】
【数9】
【0036】上式(9)において、両辺の被積分関数が
等しくなるように積分変数を変換すると次式(10)が
導かれる。
【0037】
【数10】
【0038】したがって、前式(9)は次式(11)と
等価となり、板厚余裕代Mhは次式(12)で表される。
【0039】
【数11】
【0040】
【数12】
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、統計量と
して平均値と標準偏差とを用い、板材圧延の際の板幅制
御目標値の決定方法と板材圧延の際の幅方向中央部の板
厚制御目標値の決定方法を例に説明する。
【0042】図1は、本発明の一の実施形態の板幅制御
目標値の決定方法に係る熱間圧延設備の構成例を示す概
要図である。本実施形態の熱間圧延設備は、竪型圧延機
10、水平圧延機11、生産管理計算機50、統計処理
装置60,寸法目標値演算器70、設定計算機80およ
び板幅計20を備える。
【0043】竪型圧延機10は、ロール間隙を調整して
板材の板幅を圧下する機能を有し、水平圧延機11は、
複数のスタンド(図では7基のスタンド:F1〜F7)
から構成され、それぞれのスタンドはロール間隙を調整
して板材の板厚を圧下する機能を有する。
【0044】仕上圧延機11の出側には圧延された板材
の板幅を測定する板幅計20が設けられ、板幅計20で
測定された板幅測定値は統計処理装置60に出力され
る。統計処理装置60には、注文寸法、例えば板幅によ
って層別に分類した層別テーブルが設定されており、板
幅測定値が入力されるたびに板幅制御目標値に対する板
幅測定値の偏差(板幅制御偏差)を計算して層別テーブ
ルに格納するとともに、層別テーブルの層毎に板幅制御
偏差の平均値と標準偏差を集計し直して更新し、層別テ
ーブルに先の板材の最新値として記憶する。
【0045】生産管理計算機50は、一の板材の圧延に
際し、注文板幅、板幅公差を寸法目標値演算器70に出
力し、竪型圧延機に送給される板材である素材の板幅を
設定計算機80に出力する。
【0046】寸法目標値演算器70には、予め前式
(4)が設定されており、統計処理装置から先の板材の
平均値と標準偏差の最新値を呼び出し、これらの最新値
と注文板幅と板幅公差とに基づき式(4)で余幅を求
め、板幅制御目標値を決定して設定計算機80に出力す
る。
【0047】設定計算機80は、F7スタンド出側の板
幅が板幅制御目標値に一致するように竪型圧延機10の
ロール間隙設定値を計算して竪型圧延機10に出力す
る。本実施形態に係る熱間圧延設備は、以上のように構
成される。
【0048】次に、上記熱間圧延設備による板幅制御目
標値の決定方法を添付図面を参照して説明する。図2は
本発明に係る寸法目標値演算器の処理内容を示すフロー
チャートである。
【0049】S1:一の板材の圧延が開始される前に、
生産管理計算機50から一の板材の注文板幅WO、板幅公
差上限値uW、板幅公差下限値dWが寸法目標値演算器7
0に、また、一の板材の素材の板幅Wmが設定計算機8
0に出力される。
【0050】統計処理装置60には、前述したように、
一の板材の圧延前に圧延された先の板材の板幅制御偏差
の平均値と標準偏差が記憶されている。なお、この平均
値と標準偏差は新たに板幅制御偏差が入力されるたびに
再計算され更新されて記憶される。
【0051】S2:寸法目標値演算器70では、板材の
線膨張を考慮し、注文板幅に対応するF7スタンド出側
の板幅WOHOTを次式(13)で求める。
【0052】
【数13】
【0053】ここでαは線膨張係数、ΔTは熱間圧延の
温度と常温の温度差である。 S3〜S4:次いで、先の板材の板幅制御偏差の平均値
の最新値Eと標準偏差の最新値σを統計処理装置60か
ら読み出し、これらの最新値、板幅公差上限値uWおよ
び板幅公差下限値dWから前式(4)で余幅MWを算出す
る。
【0054】S5:余幅MWと板幅WOHOTとからF7スタ
ンド出側の板幅制御目標値Waimを次式(14)で求
め、設定計算機80に出力する。
【0055】
【数14】
【0056】設定計算機80は、F7スタンド出側の板
幅が板幅制御目標値Waimに一致するように、竪型圧延
機10のロール間隙設定値を計算して竪型圧延機10に
出力する。竪型圧延機10では、ロール間隙をロール間
隙設定値に設定して一の板材の圧延が開始される。ここ
で、ロール間隙設定値の計算は、竪型圧延機10での板
幅圧下による板幅変化と、F1〜F7スタンドでの板厚
圧下による板幅変化と、F1〜F7スタンドの各スタン
ド間の張力による板幅変化と、F1〜F7スタンドでの
板クラウン変化に起因する板幅変化を考慮して決定する
公知の方法で行うことができる。
【0057】図3は、本発明の別の実施形態の板厚制御
目標値の決定方法に係る熱間圧延設備の構成例を示す概
要図である。本実施形態の熱間圧延設備は、水平圧延機
11、生産管理計算機50、統計処理装置60,寸法目
標値演算器70、設定計算機80および板厚計30、板
クラウン計40を備える。
【0058】水平圧延機11は、複数のスタンド(図で
は7基のスタンド:F1〜F7)から構成され、それぞ
れのスタンドはロール間隙を調整して板厚を圧下する機
能を有する。水平圧延機11の出側には圧延された板材
の幅中央部の板厚と板クラウンをそえぞれ測定する板厚
計30と板クラウン計40が設けられ、板厚計30で測
定された板厚と板クラウン計40で測定された板クラウ
ンは統計処理装置60に出力される。
【0059】統計処理装置60には、注文寸法、例えば
板厚と材質とによって層別に分類された層別テーブルが
設定されており板厚測定値と板クラウン測定値が入力さ
れるたびに幅中央部の板厚制御目標値に対する板厚の偏
差(板厚制御偏差)と板クラウンのそれぞれの平均値と
標準偏差とを集計し直して更新し、更新した平均値と標
準偏差を先の板材の最新値として記憶する。
【0060】生産管理計算機50は、一の圧延に際し、
注文板厚と板厚公差を寸法目標値演算器70に出力し、
F1スタンドに送給する板材である素材の板厚を設定計
算機80に出力する。
【0061】寸法目標値演算器70には、予め前式(1
2)が設定されており、統計処理装置60から先に板材
の板厚制御偏差と板クラウンのそれぞれの平均値と標準
偏差の最新値を呼び出し、これらの最新値と注文板厚と
板厚公差とに基づき、式(12で板厚余裕代Mhを求め、
幅方向中央部の板厚制御目標値を決定して設定計算機8
0に出力する。
【0062】設定計算機80は、F7スタンド出側の幅
方向中央部の板厚が幅方向中央部の板厚制御目標値に一
致するようにF1〜F7スタンドのそれぞれのロール間
隙設定値を計算してF1〜F7スタンドに出力する。
【0063】本実施形態に係る熱間圧延設備は、以上の
ように構成される。次に、上記熱間圧延設備による板厚
制御目標値の決定方法を添付図面を参照して説明する。
【0064】図4は本発明に係る寸法目標値演算器の処
理内容を示すフローチャートである。 T1:一の板材の圧延が開始される前に、生産管理計算
機50から一の板材の注文板厚hO、板厚公差上限値
h、板厚公差下限値dhが寸法目標値演算器70に、ま
た、一の板材の素材の板厚hmが設定計算機80に出力
される。
【0065】統計処理装置60には、前述したように、
一の板材の圧延前に圧延された先の板材の板厚制御偏差
と板クラウンのそれぞれの平均値と標準偏差が記憶され
ている。なお、この平均値と標準偏差は新たに板厚制御
偏差と板クラウンが入力されるたびに再計算され更新さ
れて記憶される。
【0066】T2:寸法目標値演算器70は、板材の熱
膨張を考慮し、注文寸法に対応する水平圧延機出側の板
厚hOHOTを次式(15)で求める。
【0067】
【数15】
【0068】ここでαは線膨張係数、ΔTは熱間圧延の
温度と常温の温度差である。 T3〜T4:次いで、先の板材の幅方向中央部の板厚制
御偏差の平均値の最新値ECと標準偏差の最新値σC、な
らびに板クラウンの平均値の最新値Eeと標準偏差の最新
値σeとを統計処理装置60から読み出し、これらの最
新値、板厚公差上限値uhおよび板厚公差下限値dhとか
ら、前式(12)で板厚余裕代Mhを算出する。
【0069】T5:板厚余裕代Mhと板厚hOHOTとから次
式(16)でF7スタンド出側の幅方向中央部の板厚制
御目標値haimを求め、設定計算機80に出力する。
【0070】
【数16】
【0071】設定計算機80は、F7スタンド出側の板
厚がhaimに一致するようにF1〜F7スタンドのそれ
ぞれのロール間隙設定値を計算してF1〜F7スタンド
に出力し、F1〜F7スタンドではロール間隙をロール
間隙設定値に設定して圧延が開始される。ここで、ロー
ル間隙設定値の計算は、まず、F1〜F7スタンドのそ
れぞれのスタンド出側における幅方向中央部の板厚目標
値を求め、F1〜F7スタンドのそれぞれの圧延荷重を
計算し、圧延荷重による圧延機の弾性変形を考慮して決
定する公知の方法で行うことができる。
【0072】以上で説明した2つの例においては、板
幅、幅方向中央部の板厚、板クラウンを熱間圧延の出側
で測定しているがこれに限るものではなく、常温まで温
度が低下してから測定しても良い。この場合は、板幅制
御偏差、幅方向中央部の板厚制御偏差を算出する基準と
なる板幅制御目標値、幅方向中央部の板厚制御目標値も
常温における値とすればよい。
【0073】
【実施例】(実施例) 図1に示した圧延設備を用い
て、図2に示したフローチャートに従って板幅制御目標
値を決定して熱間圧延を実施した。このとき、図2のス
テップS2では、圧延材を注文板幅に応じて4つの層
(層1:注文板幅900mm未満、層2:注文板幅90
0mm以上1200mm未満、層3:注文板幅1200
mm以上1500mm未満、層4:注文板幅1500m
m以上)に分類して、圧延材の注文板幅が該当する層の
中で至近に圧延された20本分に対して求められた板幅
制御偏差の平均値と標準偏差を用いた。
【0074】従来、経験的に決定した余幅を用いて板幅
制御目標値を決定した場合とを1ヶ月間ずつ比較する
と、注文板幅に対する板幅偏差が公差範囲外となる不良
率が0.84%から0.73%に減少した。
【0075】(実施例2) 図3に示した圧延設備を用
いて、図4に示したフローチャートに従って幅方向中央
部の板厚制御目標値を決定して熱間圧延を実施した。こ
のとき、板クラウンは幅方向端部から25mm位置の値
(幅方向中央部の板厚−幅方向端部から25mm位置の
板厚)とし、図4のステップS2では、被圧延材を注文
板厚に応じて4つの層(層1:注文板厚2mm未満、層
2:注文板厚2mm以上4mm未満、層3:注文板厚4
mm以上7mm未満、層4:注文板厚7mm以上)に、
また、材質に応じて5つの層に分類して、被圧延材の注
文板厚と材質が該当する層の中で至近に圧延された20
本分に対して求められた幅方向中央部の板厚制御偏差の
平均値と標準偏差、および板クラウンの平均値と標準偏
差を用いた。
【0076】従来、経験的に決定した板厚余裕を用いて
幅方向中央部の板厚制御目標値を決定した場合とを1ヶ
月間ずつ比較すると、注文板厚に対する幅方向中央部の
板厚偏差、または注文板厚に対する幅方向端部の板厚偏
差が公差範囲外となる不良率が0.56%から0.40
%に減少した。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、被圧延材の寸法制御偏
差の統計量を用いて寸法余裕代を決定して寸法制御目標
値を設定するので、寸法外れとなる確率が低減し、歩留
まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施形態の板幅制御目標値の決定
方法に係る熱間圧延設備の構成例を示す概要図である。
【図2】本発明に係る寸法目標値演算器の処理内容を示
すフローチャートである。
【図3】本発明の別の実施形態の板厚制御目標値の決定
方法に係る熱間圧延設備の構成例を示す概要図である。
【図4】本発明に係る寸法目標値演算器の処理内容を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
10:竪型圧延機、 11:水平圧延機 20:板幅計、 30:板厚計、 40:板クラウン計、 50:生産管理計算機、 60:統計処理装置、 70:寸法目標値演算器、 80:設定計算機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注文寸法に寸法余裕代を加算して一の被
    圧延材の寸法制御目標値を決定する方法であって、前記
    一の被圧延材を圧延する以前に圧延された先の被圧延材
    の寸法制御偏差の統計量に基づき前記寸法余裕代を決定
    することを特徴とする寸法制御目標値の決定方法。
  2. 【請求項2】 前記寸法余裕代の決定は、更に、前記寸
    法制御偏差の統計量を注文寸法によって層別に分類した
    層別テーブルに基づいて行われることを特徴とする請求
    項1に記載の寸法制御目標値の決定方法。
  3. 【請求項3】 前記寸法余裕代の決定は、更に、前記寸
    法制御偏差の統計量と前記一の被圧延材の寸法公差とか
    ら演算される損失の期待値に基づいて行われることを特
    徴とする請求項1または2に記載の寸法制御目標値の決
    定方法。
  4. 【請求項4】 前記寸法制御偏差の統計量として、平均
    値と標準偏差とを用いることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の寸法制御目標値の決定方法。
  5. 【請求項5】 一の板材を圧延する際の幅方向中央部の
    板厚制御目標値を決定する方法であって、前記一の板材
    を圧延する以前に圧延された先の板材における幅方向中
    央部の板厚制御偏差の統計量と板クラウンの統計量とに
    基づいて前記板厚制御目標値を決定することを特徴とす
    る寸法制御目標値の決定方法。
  6. 【請求項6】 前記板厚制御偏差と板クラウンの双方の
    統計量として、平均値と標準偏差とを用いることを特徴
    とする請求項5に記載の寸法制御目標値の決定方法。
JP2001013652A 2001-01-22 2001-01-22 寸法制御目標値の決定方法 Expired - Fee Related JP3485093B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001013652A JP3485093B2 (ja) 2001-01-22 2001-01-22 寸法制御目標値の決定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001013652A JP3485093B2 (ja) 2001-01-22 2001-01-22 寸法制御目標値の決定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002219507A true JP2002219507A (ja) 2002-08-06
JP3485093B2 JP3485093B2 (ja) 2004-01-13

Family

ID=18880469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001013652A Expired - Fee Related JP3485093B2 (ja) 2001-01-22 2001-01-22 寸法制御目標値の決定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3485093B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008276620A (ja) * 2007-05-01 2008-11-13 Nippon Steel Corp 鋼板トリム代設計支援システム、鋼板トリム代設計支援方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP2009524743A (ja) * 2006-01-26 2009-07-02 アルヴェーディ、ジョヴァンニ 冷間圧延鋼板の特徴を備えた熱延二相鋼板

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7352378B2 (ja) 2019-05-23 2023-09-28 株式会社東芝 製造制御装置、製造制御方法及びプログラム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009524743A (ja) * 2006-01-26 2009-07-02 アルヴェーディ、ジョヴァンニ 冷間圧延鋼板の特徴を備えた熱延二相鋼板
JP2008276620A (ja) * 2007-05-01 2008-11-13 Nippon Steel Corp 鋼板トリム代設計支援システム、鋼板トリム代設計支援方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3485093B2 (ja) 2004-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5647917B2 (ja) 制御装置及び制御方法
JP2002219507A (ja) 寸法制御目標値の決定方法
JP2001269706A (ja) 連続冷間圧延時の形状制御方法
JP4009625B2 (ja) 圧延荷重の予測方法とそれを用いた圧延制御方法
JP2829697B2 (ja) 厚板圧延方法
JP4623738B2 (ja) 冷間圧延における形状制御方法
JP2001252709A (ja) 熱間圧延の仕上圧延機出側温度予測方法
JP4162622B2 (ja) 冷間圧延におけるエッジドロップ制御方法
JP3520868B2 (ja) 鋼板の製造方法
JP4330134B2 (ja) 冷間圧延における形状制御方法
JP4227686B2 (ja) 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法
JP4275964B2 (ja) 熱間鋼帯の製造方法
JP3886412B2 (ja) 可逆式圧延機における圧延パス条件設定の決定方法
KR20040056284A (ko) 압연판 형상 제어 방법
JP3719226B2 (ja) 板プロフィルの良好な金属板の製造方法
JP3520188B2 (ja) 異厚鋼板の圧延方法
JP3516726B2 (ja) 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法
KR100929013B1 (ko) 밀상수와 게이지미터 오차의 자동예측에 의한 압연기의롤갭설정방법
JP2000301221A (ja) 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法
JP4427872B2 (ja) タンデム圧延設備の板プロフィル制御方法
JPH08238509A (ja) 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法
JPH07236905A (ja) クラウン制御方法
JP2719216B2 (ja) 板圧延のエッジドロップ制御方法
JP4164306B2 (ja) 冷間圧延におけるエッジドロップ制御方法
JP2003236605A (ja) 複数パス圧延における板厚及び平坦度制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3485093

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081024

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091024

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091024

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101024

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111024

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121024

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131024

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees