JP4275802B2 - 紡績準備機械で、木綿、化学繊維の如き、空中を浮遊して移送される繊維塊を案内する装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紡績準備機械でメイン導管から２つの分岐導管のうちの少なくとも一方へ達する、たとえば木綿、化学繊維など、空中を浮遊して移送される繊維塊を案内する装置に関するものであって、その場合に分岐導管の一方または両方への移送を可能にする２つの切換えフラップが設けられており、かつ分岐導管の領域に空気供給開口部が設けられており、その空気供給開口部を閉鎖する閉鎖部材は、駆動的に切換えフラップの駆動と接続されている繊維塊を案内する装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
空気によって繊維塊、すなわちフロックを移送する場合には、フロックとなって存在する繊維材料が移送手段、たとえば空気流によって導管を通して移送されて、後段に接続されている加工機械へ供給される。多くは、１本のメイン移送導管の後段に、たとえばオープナ、クリアラ、カードフィーダ、カードなどそれぞれ多数の機械からなる、２つ以上の並列に作動する設備が接続されている。２つの設備へ供給する場合には、メイン導管から２本の吸引される分岐導管が分岐しており、その場合にメイン導管と２本の分岐導管との間に、２ルート分配装置が配置されている。
【０００３】
２ルート分配装置は２つの切換えフラップを有しており、その切換えフラップによってメイン導管内の移送流（繊維塊と空気流）を第１の分岐導管へ（第２の分岐導管を遮断して）、あるいは第２の分岐導管へ（第１の分岐導管を遮断して）、あるいは２本の分岐導管へ案内することができる。メイン導管と２本の分岐導管は、ほぼ等しい横断面を有する。全移送流を第１の分岐導管のみへ、あるいは第２の分岐導管のみへ案内する場合には、メイン導管内とそれぞれの分岐導管内の移送空気量は一定であり、すなわちメイン導管内の全移送空気量を分岐導管への移送に使用することができる。しかし、移送流を２本の分岐導管へ分配して案内する場合には、各分岐導管については、メイン導管内に存在する移送空気量の半分しか使用できないので、各分岐導管内の移送空気量は著しく減少して、後段に配置された機械へ移送するには十分ではない。従って２ルート分配装置の領域には、通常少なくとも１つの空気供給開口部が配置されており、それを通して、２本の分岐導管内にそれぞれメイン導管内とほぼ同一の空気量が存在するような空気量が流入する（供給流）。空気供給開口部は、繊維塊が両方の分岐導管へ流入する場合にだけ開放される。２本の分岐導管のうちの一方のみへ繊維塊を移送する場合には、空気供給開口部は閉鎖されている。
【０００４】
公知の装置においては、空気供給開口部は、２ルート分配装置の天井面に配置されている。２つの切換えフラップは、それぞれ片側で回動可能に軸承されており、その場合に各回転軸受にそれぞれカバー部材が接続されている。移送流を２本の分岐導管の一方のみへ案内する場合には、他方の分岐導管は切換えフラップによって遮断され、その場合に同時に付属のカバー部材が空気供給開口部を閉鎖する。他方の分岐導管についても、同様なことが当てはまる。移送流が２本の分岐導管へ流入し、その場合に２つの切換えフラップが分岐導管を解放する場合には、同時に、切換えフラップと結合されている２つのカバー部材が空気供給開口部から除去される。付加的なカバー部材の使用とその機械的な操作は、設備的に煩雑である。特別な構造、組立ておよびスペース需要も欠点となる。さらに、平面的なカバー部材が重ねて配置されて、ある程度の漏れ損失が存在することも障害となる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
それに対して本発明の課題は、上述した欠点を回避し、特に構造的に簡単で、より良好な空気ガイドが可能な、冒頭で挙げた種類の装置を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決は、請求項１に記載の特徴によって行われる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
各空気供給開口部が付属の切換えフラップによって開放可能および閉鎖可能であることによって、各切換えフラップは同時に多数の機能を満たす。すなわち、繊維流の案内、分岐導管の遮断または解放並びに付属の空気供給開口部の開放または閉鎖。公知の装置とは異なり、独立したカバー部材とそれを切換えフラップに結合することが省かれる。構造および組立てが簡略化されて、スペースが削減される他に、漏れ損失が防止される。というのは、各切換えフラップが、それのみに付属している空気供給開口部の確実なカバーを可能にするからである。
【０００８】
好ましくは切換えフラップを揺動させるために、少なくとも１つの空気シリンダが設けられている。好ましくは空気供給開口部の大きさが、調節可能である。好ましくは各空気供給開口部に、スライダなどが付設されている。好ましくは各切換えフラップと付属の空気供給開口部との間に、シールが設けられている。好ましくはシールは、内壁面の空気供給開口部の領域に配置されている。好ましくはシールは、ゴムなどからなる。好ましくはシールは、切換えフラップの、空気供給開口部側の面に配置されている。好ましくは、両方の分岐導管へ移送する場合には、空気供給開口部を有する壁面と付属の切換えフラップが互いに対して鋭角で配置されている。好ましくは一方の分岐導管へ移送する場合には、一方の切換えフラップが一方の分岐導管を気密に遮断して、他方の切換えフラップが付属の空気供給開口部を気密に閉鎖する。
【０００９】
【実施例】
図面に示す実施例を用いて、本発明を以下詳細に説明する。
図１には、自動的な開俵機１、たとえばツリュツラー社のＢＬＥＮＤＯＭＡＴＢＤＴ０２０、高出力コンデンサ２、繊維材料移送ベンチレータ３、マルチミキサ４、クリアラ５、本発明に基づく２ルート分配装置６、繊維材料移送ベンチレータ７、繊維材料移送ベンチレータ８、マルチミキサ９、クリアラ１０、マルチミキサ１１およびクリアラ１２を有する紡績準備設備が概略的に図示されている。設備の諸機械は、空気式のパイプ導管によって互いに接続されており、開俵機１が繊維俵１ａから掻き取ったフロックがそのパイプ導管を通して移送される。フロックは、まず共通のメイン導管１３を通過する。切換え可能な分配装置６によってフロックは分岐導管１４のみへ、あるいは分岐導管１５のみへ、あるいは両方の分岐導管１４と１５へ移送される。符号Ａは、作業方向を示している。
【００１０】
２ルート分配装置６は、図２（Ａ）に示すように、１本のメイン導管１３と２本の分岐導管１４と１５を有する。矢印Ｂで示すフロック・空気混合物は、メイン導管１３から符号１６のところで分配装置６へ流入し、分配装置６を貫流して、符号１６のところで繊維・空気混合物Ｃとして分岐導管１４へ、そして／あるいは符号１７のところで繊維・空気混合物Ｄとして分岐導管１５へ流入する。分岐装置６の内部空間には２つの切換えフラップ１８、１９が設けられており、その切換えフラップはそれぞれ片側で垂直の回転リンク装置２０ないし２１に軸承されている。側壁３ａ内に空気供給開口部２２が、そして側壁３ｂ内には空気供給開口部２３が形成されている（図２Ｂと図３（Ａ）〜図３（Ｃ）を参照）。このようにして、各切換えフラップ１８、１９に対して、付属の分岐導管１４ないし１５の壁領域３ａないし３ｂ内に空気供給開口部２２ないし２３が設けられている。
【００１１】
図２（Ｂ）に示すように、空気供給開口部２３にはスライダ２４が付設されており、その場合にスライダ２４を矢印Ｇ、Ｈ方向へスライドさせることによって、空気供給開口部２３の大きさを調節することができる。同様にして（図示されていないが）空気供給開口部２２にはスライダ２５が付設されている。
【００１２】
図２（Ｃ）に示すように、天井面３ｃの上方には空気シリンダ２６が設けられており、その空気シリンダの押圧ロッド２６ａが切換えフラップ１８のための回転リンク装置２０に作用する。このようにして、切換えフラップ１８は、矢印Ｉ、Ｋ方向に揺動することができる（図３（Ｃ）を参照）。同様にして（図示されていないが）天井面３ｃの上方に他の空気シリンダ２７が設けられており、その押圧ロッド２７ａが回転リンク装置２１に作用し、それによって切換えフラップ１９の矢印Ｌ、Ｍ方向の揺動が可能になる（図３（Ｃ）を参照）。空気シリンダ２６と２７は、（図示されていない）電子的な制御および調節装置ないし切換え装置と接続されており、それによって切換えフラップ１８と１９の位置を図３（Ａ）から図３（Ｃ）に示すように調節することができる。
【００１３】
図３（Ａ）によれば、壁面３ａと付属の切換えフラップ１８並びに壁面３ｂと付属の切換えフラップ１９は、それぞれ互いに鋭角αないしβを有する。それによってフロック・空気混合物Ｂが同時に２本の分岐導管１４と１５へ移送される。さらにそれによって、空気供給開口部２２と２３が解放されて、それを通って供給空気流ＥないしＦが分配装置３の内部空間へ流入する。このようにしてメイン導管１３内の移送空気量が、両分岐導管１４と１５内で一定に維持される。図３（Ｂ）に示すように、切換えフラップ１９が壁３ｂから離れるように揺動して、分岐導管１５を気密に遮断する。切換えフラップ１８は壁３ａに添接しているので、フロック−空気混合物Ｂは分岐導管１４のみへ流入する。同時に切換えフラップ１８は空気供給開口部２２を閉鎖する。図３（Ｃ）によれば、切換えフラップ１８が壁３ａから離れるように揺動して、分岐導管１４を気密に閉鎖する。切換えフラップ１９は壁３ｂに添接するので、フロック−空気混合物Ｂはメイン導管１３から分岐導管１５へ流入する。同時に切換えフラップ１９が空気供給開口部２３を閉鎖する。図３（Ｂ）に示すように、壁３ａにおいては空気供給開口部２２の回りに、そして壁３ｂにおいては空気供給開口部２３の回りにそれぞれたとえばゴムからなるシール２８ないし２９が配置されている。それによって、切換えフラップ１８が図３（Ｂ）に示すように空気供給開口部２２を遮断し、切換えフラップ１９が図３（Ｃ）に示すように空気供給開口部２３を遮断した場合に、気密の閉鎖が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による繊維塊を案内する装置を具備した紡績準備装置の平面図である。
【図２】本発明の繊維塊を案内する装置を示す図であって、図２（Ａ）は上断面図、図２（Ｂ）は側面図、図２（Ｃ）は図２（Ａ）の線Ｉ−Ｉによる側断面図である。
【図３】本発明の繊維塊を案内する装置の各種作用態様を示す略示斜視図であって、図３（Ａ）は繊維空気流がメイン導管から２本の分岐導管へ案内される場合、図３（Ｂ）は繊維空気流がメイン導管から一方の分岐導管へ案内される場合、図３（Ｃ）は繊維空気流がメイン導管から他方の分岐導管へ案内される場合をそれぞれ示す。
【符号の説明】
３ａ，３ｂ…壁領域
６…２ルート分配装置
１３…メイン導管
１４，１５…分岐導管
１８，１９…切換えフラップ
２２，２３…空気供給開口部
２４，２５…スライダ
２８，２９…シールド

Claims (8)

1. 紡績準備機械で空気によってメイン導管から２本の分岐導管の少なくとも一方へ達する、空中を浮遊して移送される繊維塊を案内する装置であって、その場合に分岐導管の一方または両方への移送を許可する２つの切換えフラップが設けられており、かつ分岐導管の領域に空気供給開口部が形成されており、その空気供給開口部の閉鎖部材が駆動的に切換えフラップの駆動と接続されている繊維塊を案内する装置において、
   各切換えフラップ（１８、１９）に対して、付属の分岐導管（１４、１５）の壁領域（３ａ、３ｂ）に空気供給開口部（２２、２３）が設けられており、その空気供給開口部が付設されている切換えフラップ（１８、１９）によって開放可能または閉鎖可能であり、
   各切換えフラップ（１８、１９）と付属の空気供給開口部（２２、２３）との間に、シール（２８、２９）が設けられており、
   メイン導管（１３）から両方の分岐導管（１４と１５）へ移送する場合に、空気供給開口部（２２、２３）を有する壁面（３ａ、３ｂ）と付属の切換えフラップ（１８、１９）が互いに対して鋭角（α、β）で配置されており、
   メイン導管（１３）から一方の分岐導管（１４または１５）へ移送する場合に、一方の切換えフラップ（１８、１９）が一方の分岐導管（１４、１５）を気密に遮断し、他方の切換えフラップ（１８、１９）が付属の空気供給開口部（２２、２３）を気密に閉鎖することを特徴とする空中を浮遊して移送される繊維塊を案内する装置。
2. 切換えフラップ（１８、１９）を揺動させるために（Ｉ、Ｋ；Ｌ、Ｍ）、少なくとも１つの空気シリンダ（２６、２７）が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 空気供給開口部（２２、２３）の大きさが、調節可能であることを特徴とする請求項１または２に記載の装置。
4. 各空気供給開口部（２２、２３）に対して、スライダ（２４、２５）が設けられていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の装置。
5. シール（２８、２９）が、内壁（３ａ、３ｂ）の供給開口部（２２、２３）の領域に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
6. シール（２８、２９）が、ゴムの如き弾性材料からなることを特徴とする請求項１に記載の装置。
7. シール（２８、２９）が、切換えフラップ（１８、１９）の、空気供給開口部（２２、２３）側の面に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の装置。
8. 空気シリンダ（２６、２７）が、切換えフラップ（１８、１９）の回転リンク装置（２０、２１）と接続されていることを特徴とする請求項２に記載の装置。

Images