JP4267979B2 - 二液型ポリウレタンシーリング材組成物及びポリウレタン用遅延剤組成物 - Google Patents

二液型ポリウレタンシーリング材組成物及びポリウレタン用遅延剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、二液型ポリウレタンシーリング材組成物及びポリウレタン用の反応遅延剤(以下、遅延剤という)組成物に関し、特に硬化性及び作業性に優れた二液型ポリウレタンシーリング材組成物及び二液型ポリウレタンシーリング材組成物に好適に適用される遅延剤組成物に関する。
一般に、ポリウレタン系シーリング材として、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー成分を含有する主剤と、2以上の水酸基を有するポリオール成分、触媒、その他助剤等を含む硬化剤とからなるシーリング材が知られており、主剤、硬化剤両成分について多種のプレポリマー、ポリオールから適宜選択して組み合わせることにより様々な物性のものを得ることができるので、幅広い用途に用いられている。
前記硬化触媒としては、従来、有機カルボン酸鉛等の鉛系触媒が用いられてきた。しかしながら、近年、環境や安全性の面から鉛系触媒の使用が問題とされてきており、さらに、鉛系触媒は、可使時間がばらつく等の作業性にも問題があるため、鉛系触媒を用いることなく優れた硬化性及び作業性を示すポリウレタン組成物の開発が望まれてきた。
鉛系触媒を用いないポリウレタン組成物として、特許文献1は、末端イソシアネート含有ウレタンプレポリマー、硬化剤としてポリオール、及び硬化触媒として有機カルボン酸ビスマスと他の有機カルボン酸金属塩との混合物を含有するポリウレタン組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1記載の組成物は、ポリウレタンのゲルタイムが大きいため、硬化速度が小さく、硬化性に問題があった。
また、特許文献2は、イソシアネート基を有する化合物を含有する主剤と、活性水素化合物、有機酸ビスマス塩、脂肪酸アルカリ金属又は脂肪酸アルカリ土類金属塩、及び塩基性化合物からなる二液硬化型ポリウレタン組成物が開示されている。しかしながら、特許文献2記載のポリウレタン組成物は、硬化速度が向上している一方で、温度や添加量に応じて硬化速度が急激に変化する為、可使時間の調整が難しいといった問題があった。
特開2001−89549号公報 特開2003−40962号公報 特開昭54−138058号公報 特開平10−324863号公報 特開2000−328040号公報
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、鉛系触媒を使用せずに、優れた硬化性を有すると共に、任意に可使時間を調整できる二液型ポリウレタンシーリング材組成物、及び二液型ポリウレタンシーリング材組成物の性能に支障なく、任意に可使時間を調整可能な遅延剤組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の二液型ポリウレタンシーリング材組成物は、
(A)イソシアネート化合物とポリオールの生成物であるウレタンプレポリマー、
(B)有機酸ビスマス塩、
(C)スルホン酸陰イオン界面活性剤及び硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸、長鎖アルコール硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸、アルキルアリールエーテル硫酸、それらのアルカリ土類金属塩、及びそれらのアルカリ金属塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の遅延剤化合物、及び
(E)ポリオール
を含有することを特徴とする。
本発明のポリウレタン硬化性組成物に、(D)有機酸金属塩(但し、有機酸ビスマス塩を除く。)をさらに含有することもできる。
本発明のポリウレタン用遅延剤組成物は、
(A)イソシアネート化合物とポリオールの生成物であるウレタンプレポリマー、
(B)有機酸ビスマス塩、及び
(E)ポリオール
を含有する二液型ポリウレタンシーリング材組成物に用いられるポリウレタン用遅延剤組成物であって、
(C)スルホン酸陰イオン界面活性剤及び硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸、長鎖アルコール硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸、アルキルアリールエーテル硫酸、それらのアルカリ土類金属塩、及びそれらのアルカリ金属塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の遅延剤化合物を必須成分として含有することを特徴とする。
本発明の二液型ポリウレタンシーリング材組成物は、鉛系触媒を使用せずに、優れた硬化性を有すると共に、良好な環境の場合のみならず、高温度、高湿気等のこれまで調整の困難だった条件下においても、任意に可使時間を調整し、作業性を向上させることができる。本発明のポリウレタン用遅延剤組成物は、ポリウレタン硬化性組成物に添加することによって、その硬化を任意に遅延させることができ、可使時間の調整を自在とすることができる。
以下に本発明の実施の態様を説明するが、本発明の技術思想から逸脱しない限り説明例以外にも種々の変形を施すことができる。
本発明の二液型ポリウレタンシーリング材組成物は、
(A)イソシアネート化合物とポリオールの生成物であるウレタンプレポリマー、
(B)有機酸ビスマス塩、
(C)スルホン酸陰イオン界面活性剤及び硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸、長鎖アルコール硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸、アルキルアリールエーテル硫酸、それらのアルカリ土類金属塩、及びそれらのアルカリ金属塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の遅延剤化合物、及び
(E)ポリオール
を含有することを特徴とする。
本発明において用いられる前記成分(A)イソシアネート基を有する化合物は、通常のポリウレタン硬化性組成物に使用されるイソシアネート化合物を用いることができ、特に限定されないが、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーが好ましい。成分(A)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
前記ウレタンプレポリマーは、イソシアネート化合物とポリオールとの反応生成物であり、通常のポリウレタン硬化性組成物に使用し得るものであれば良い。
イソシアネート化合物としては、ウレタン樹脂等の合成に利用される公知のポリイソシアネートがすべて利用可能である。具体的には、パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、オクタデシルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、p−MDI,トリフェニルメタントリイソシアネート、及びこれらの変性品等が例示される。このようなポリイソシアネート化合物は、単独でも2種以上を併用してもよい。
ウレタンプレポリマーを製造するのに用いるポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレンポリオール(PPG)、ポリエチレンポリオール(PEG)等のポリエーテルポリオール等が挙げられる。
また、ポリエステルポリオールとしては前記ポリエーテルポリオールで例示したアルコール類とアジピン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等の多塩基性カルボン酸との縮合物;ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコールとの反応生成物等のヒドロキシカルボン酸と前記多価アルコールとの縮合物;カプロラクトン、バレロラクトン等を適当な重合開始剤で開環重合させたラクトンの重合物等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、特許文献3〜5に示されているものが挙げられ、具体的には、前記ポリエーテルポリオールあるいはポリエステルポリオールに、アクリロニトリル、スチレン、メチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和化合物を重合させたものを用いることができる。
これらのポリオール類は、単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用してもよいが、いずれの場合においても、好ましくは、重量平均分子量400〜10000、特に、1000〜5000のものを使用するとバランスの良い物性が得られる。
前記ウレタンプレポリマーは、上述のポリオールにイソシアネートをNCO/OH比が1.0〜2.5、特に1.5〜2.0になるように反応させて得ることが好ましい。
本発明において、硬化触媒として用いられる前記成分(B)有機酸ビスマス塩としては、特に限定はないが、有機カルボン酸ビスマスが好ましい。有機カルボン酸ビスマスとしては、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、ロジン酸ビスマス等が好適である。
成分(B)の配合割合は、特に限定されるものではないが、成分(A)100質量部に対して0.5〜5.0質量部、特に1.5〜3.5質量部であるのが、作業時間を確保しつつ良好な硬化性を付与するので好ましい。前記有機酸ビスマス塩は、単独で用いても良く、2種以上併用してもよい。
本発明において、前記成分(C)を用いることにより、その配合量によって可使時間を適当に調整することができる。前記成分(C)は、スルホン酸型陰イオン界面活性剤及び硫酸エステル型陰イオン界面活性剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物である。
スルホン酸型陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸(例えば、ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸等)、アルキルアリールスルホン酸(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸等)、スルホコハク酸、スルホコハク酸エステル(例えば、ジアルキルスルホコハク酸エステル等)、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、N−アシルスルホン酸、及びそれらのアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩等)、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム塩等)等が挙げられる。
硫酸エステル型陰イオン界面活性剤としては、例えば、長鎖アルコール硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸等)、アルキルアリールエーテル硫酸(例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸等)、アルキル硫酸エステル(例えば、ポリオキシアルキル硫酸エステル等)、アルキルアリール硫酸エステル(例えば、ポリオキシアルキルフェニル硫酸エステル等)、アルキルアミド硫酸エステル(脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル等)、硫酸化油、及びそれらのアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩等)、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム塩等)等が挙げられる。
成分(C)の配合割合は、特に限定されず、必要に応じて適宜選択することができるが、成分(C)としてアルカリ土類金属塩を用いる場合は、成分(A)100質量部に対して、0.5〜11.0質量部が好ましく、さらに好ましくは1.0〜5.5質量部、特に好ましくは1.0〜3.0質量部である。成分(C)としてアルカリ金属塩を用いる場合は、成分(A)100質量部に対して、0.5〜25.0質量部が好ましく、特に好ましくは1.0〜20.0質量部である。成分(C)として金属塩以外のものを用いる場合は、成分(A)100質量部に対して、0.1〜10.0質量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5.5質量部、特に好ましくは0.5〜2.0質量部である。前記成分(C)は、1種のみで用いても良く、2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、その組み合わせも特に限定されず、スルホン酸型陰イオン界面活性剤又は硫酸エステル型陰イオン界面活性剤から2種以上選択しても良く、スルホン酸型陰イオン界面活性剤及び硫酸エステル型陰イオン界面活性剤を混合して用いても良い。
成分(C)の配合方法は特に限定されない。例えば、本発明のポリウレタン硬化性組成物を二液型で用いる場合、硬化剤成分に含有して用いても良く、また、遅延剤として、主剤成分と硬化剤成分の混合時に添加しても良い。また、成分(C)で処理した炭酸カルシウムやバルーン等を添加して使用することもできる。
本発明の二液型ポリウレタンシーリング材組成物は、硬化触媒として、有機酸ビスマス塩に加えて、さらに、有機酸ビスマス塩以外の有機酸金属塩(D)を添加することもできる。有機酸ビスマス塩以外の有機酸金属塩としては、特に限定はないが、有機カルボン酸金属塩が好ましい。有機カルボン酸金属塩としては、オクチル酸、ネオデカン酸、ナフテン酸、ロジン酸などの金属塩、例えば、カルシウム、錫、チタン、ジルコニウム、亜鉛、鉄、コバルト塩等が挙げられ、特に、オクチル酸カルシウムやネオデカン酸カルシウム等の有機カルボン酸カルシウムが好ましい。
成分(D)の配合割合は、特に限定されないが、成分(A)100質量部に対して、成分(D)0.03〜3.0質量部が好ましく、さらに好ましくは1.5〜3.0質量部である。これらの有機酸金属塩は、1種のみで用いても良く、2種以上併用してもよい。
さらに本発明の二液型ポリウレタンシーリング材組成物は、可塑剤を添加して使用することもできるが、実質的に可塑剤を含まないのが好ましい。可塑剤を配合すると、外部添加剤による軟化のため、硬化後の表面タックが強く、煤、ゴミなどの付着が生じる欠点を与える。また、低温下で硬化する際に可塑剤がバインダーとなり硬化が遅くなることがある。さらに、通常、ポリウレタン系シーリング材の表面に塗装することを日常的におこなっているが、時間とともにシーリング材中の可塑剤が浸出(ブリージング)するため、塗装面の変色、黒ずみ、ゴミの付着がおこることが問題となっている。
本発明の二液型ポリウレタンシーリング材組成物は、可塑剤を含まずに望ましい物性を得ることができるため、硬化物の体積収縮が小さく、かつ硬化後に仕上げ塗料を軟化・変色させるなどの可塑剤の移行(ブリード)による問題を生じないので、被塗装性をさらに向上させることができる。さらには、フタル酸系可塑剤等の可塑剤を配合しなければ、それらによる環境や人体への悪影響をも抑制することができる。なお実質的に可塑剤を含まないとは、一般的に可塑剤として使用される可塑性を付与する化合物を添加しないことを意味する。このような組成物の揮発成分は通常3重量%以下である。
本発明の二液型ポリウレタンシーリング材組成物は、上記した成分に加えて、必要に応じて、可塑剤、充填剤、チクソトロピー付与剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着付与剤、分散剤、溶剤、粘着付与剤、発泡抑制剤等の通常配合される添加剤や補助原料を配合しても良い。
充填剤としては、各種形状の有機または無機のものがあり、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;カーボンブラック;シラスバルーン、サランバルーン、フェノールバルーン等の無機質バルーン、有機質バルーン等;あるいはこれらの脂肪酸、脂肪酸エステル処理物等が挙げられる。充填剤の配合量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、150〜250質量部であることが、良好な物性と作業性が得られるので好ましい。これらの充填剤は、硬化剤成分の中に適量の範囲で添加しても良い。
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン;亜リン酸トリフェニル等を挙げることができる。老化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系等の化合物が挙げられる。
顔料には、無機顔料と有機顔料とがあり、無機顔料としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。有機顔料としては、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
本発明の二液型ポリウレタンシーリング材組成物は、二液型で用いるが、その場合、硬化剤として用いる(E)ポリオールとしては、ポリプロピレンポリオール(PPG)、ポリエチレンポリオール(PEG)等のポリエーテルポリオールや、上述のウレタンプレポリマーの原料として用いるのと同じポリオールを用いることができる。このようなポリオールの重量平均分子量は、400〜12000、特に3000〜7000であるのが、バランスの良い物性が得られるので好ましい。
本発明のポリウレタン用遅延剤組成物は、前記スルホン酸型陰イオン界面活性剤及び硫酸エステル型陰イオン界面活性剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を必須成分として含有するものである。本発明のポリウレタン用遅延剤組成物は、環境及び必要に応じて、任意に添加して、可使時間を調整することができる。
以下に、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(実施例1〜10及び比較例1)
表1に示した如く、主剤として、ウレタンプレポリマー(NCO%3.0)を用いた。また、硬化剤として、PPG(分子量5000)、炭酸カルシウム及びオクチル酸ビスマス(Bi25%)(*1)を表1に示す配合割合で混合したものを用いた。
Figure 0004267979
表1における配合物質の配合量は質量部で示され、(*1〜*5)は次の通りである。
*1:商品名「プキャット25」、日本化学産業株式会社製
*2:商品名「テイカパワーBC2070M−A」、テイカ株式会社製
*3:商品名「エマール270J」、花王株式会社製
*4:商品名「ネオペレックスGS」、花王株式会社製
*5:商品名「プキャットCa−5B」、日本化学産業株式会社製
1.可使時間の測定
表2に示す条件下、表1に示す配合割合により、前記硬化剤に対し、主剤、成分(C)として、スルホン酸型陰イオン界面活性剤[実施例1〜6:ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(*2)、実施例9及び10:ドデシルベンゼンスルホン酸(*4)]又は硫酸エステル型陰イオン界面活性剤[実施例7及び8:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(*3)]、及び成分(D)として、ネオデカン酸カルシウムとオクチル酸カルシウムの混合物(*5)(実施例6)を添加した後、専用の混合機で15分間混合し、硬化性組成物を得た。
上記得られた硬化性組成物をコーキングガンで吸い込み、且つ、押し出すことができる時間を30分毎に測定した。測定条件及びその結果を併せて表2に示した(可使時間1と示す)。
また、上記得られた硬化性組成物を、直径50mm、深さ5mmの容器に充填し、表面に薄い皮膜が形成されるまでの時間を5分毎に測定した。測定条件及びその結果を併せて表2に示した(可使時間2と示す)。
2.硬度の測定
表1に示す配合割合により各成分を20℃で混合した後、20℃1週間、及び50℃1週間の養生を行い、試料を得た。得られた試料について、JIS K6253のタイプEに準拠して、アスカーC型硬度計を用いて硬度を測定した。結果を表2に示した。
Figure 0004267979
表2に示した如く、実施例1〜10の硬化性組成物では、十分な硬度を有し、且つ比較例1の硬化性組成物に比べ可使時間が延長しており、特に、実施例1〜5の硬化性組成物ではドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムの配合量に依存して可使時間が延長していた。
本発明の二液型ポリウレタンシーリング材組成物は、鉛系触媒を使用せずに、優れた硬化性を有すると共に、良好な環境の場合のみならず、高温度、高湿気等のこれまで調整の困難だった条件下においても、任意に可使時間を調整し、作業性を向上させることができるので、特に建築、土木、自動車製造などの分野で使用されるポリウレタンシーリング材として好適に用いられる。本発明のポリウレタン用遅延剤組成物は、二液型ポリウレタンシーリング材組成物に添加することによって、二液型ポリウレタンシーリング材組成物の性能を損なうことなく、良好な環境の場合のみならず、高温度、高湿気等のこれまで調整の困難だった条件下においても、その硬化を任意に遅延させることができ、可使時間の調整を自在とすることができるので、特に建築、土木、自動車製造などの分野で使用されるポリウレタンシーリング材用の遅延剤組成物として好適に用いられる。

Claims (3)

  1. (A)イソシアネート化合物とポリオールの生成物であるウレタンプレポリマー、
    (B)有機酸ビスマス塩、
    (C)アルキルベンゼンスルホン酸、長鎖アルコール硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸、アルキルアリールエーテル硫酸、それらのアルカリ土類金属塩、及びそれらのアルカリ金属塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の遅延剤化合物、及び
    (E)ポリオール
    を含有することを特徴とする二液型ポリウレタンシーリング材組成物。
  2. (D)有機酸金属塩(但し、有機酸ビスマス塩を除く。)をさらに含有することを特徴とする請求項1記載の二液型ポリウレタンシーリング材組成物。
  3. (A)イソシアネート化合物とポリオールの生成物であるウレタンプレポリマー、
    (B)有機酸ビスマス塩、及び
    (E)ポリオール
    を含有する二液型ポリウレタンシーリング材組成物に用いられるポリウレタン用遅延剤組成物であって、
    (C)アルキルベンゼンスルホン酸、長鎖アルコール硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸、アルキルアリールエーテル硫酸、それらのアルカリ土類金属塩、及びそれらのアルカリ金属塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の遅延剤化合物を必須成分として含有することを特徴とするポリウレタン用遅延剤組成物。
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