JP5262103B2 - アロファネート化反応停止剤組成物およびそれを用いたアロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents
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特に、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートは、耐候性、耐熱性、耐久性に優れる塗膜等を与える硬化剤であることが知られているが、このポリイソシアネートは有機溶剤に対する溶解性がそれほど大きくなく、また、粘度も高いという問題がある。
このアロファネート変性ポリイソシアネートは、一般的に、ポリイソシアネートと、アルコールとを、カルボン酸金属塩などのアロファネート化触媒の存在下で反応させて製造されている(例えば、特許文献1〜4参照)。この際、反応停止剤として、リン酸,塩酸等の無機酸や、スルホン酸等の有機酸などが用いられている。
特に、これらの問題は、側鎖の炭素数が少ない低分子ポリオールを用いた多官能アロファネートの場合に顕著であった。
1. リン酸とアルキルベンゼンスルホン酸とを、アルキルベンゼンスルホン酸/リン酸=2.5以上(質量比)で含むことを特徴とするアロファネート化反応停止剤組成物、
2. 前記アルキルベンゼンスルホン酸が、炭素数10〜16アルキルベンゼンスルホン酸である1のアロファネート化反応停止剤組成物、
3. ポリイソシアネートと、アルコールとを、アロファネート化触媒の存在下で反応させた後、反応停止剤を添加するアロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法において、前記反応停止剤として、1または2のアロファネート化反応停止剤組成物を用いることを特徴とするアロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法
を提供する。
本発明に係るアロファネート化反応停止剤組成物は、リン酸とアルキルベンゼンスルホン酸とを、アルキルベンゼンスルホン酸/リン酸=2.5以上(質量比)で含むものである。
ここで、上記混合比が2.5未満であると、アルキルベンゼンスルホン酸とリン酸とを併用する効果、すなわち、得られるアロファネート変性ポリイソシアネートの液濁りを抑制する効果が十分に発揮されない。
より優れた液濁り抑制効果を発揮させることを考慮すると、リン酸とアルキルベンゼンスルホン酸との混合比は、アルキルベンゼンスルホン酸/リン酸=2.7以上(質量比)であることが好ましく、3.0以上であることがより好ましい。一方、その上限は、特に限定されるものではないが、4.0以下が好ましく、3.5以下がより好ましい。
その具体例としては、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上混合して用いてもよい。
これらの中でも、液濁りおよび溶剤希釈性の改善効果をより高めることを考慮すると、炭素数10〜16アルキルベンゼンスルホン酸が好ましく、具体的には、ネオペレックスGS(花王(株)製)やライポンLH−200(ライオン(株)製)などが挙げられる。
一方、リン酸としては、一般的な75〜85質量%水溶液を用いることが好適である。
有機溶剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸およびリン酸と相溶するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン,メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶剤などが挙げられる。
有機溶剤の使用量は特に制限はないが、組成物中において、アルキルベンゼンスルホン酸およびリン酸の総量が、20〜80質量%程度となる量が好適である。
すなわち、ポリイソシアネートと、アルコールとを、アロファネート化触媒の存在下で反応させた後、反応停止剤を添加するという一連の工程を備える一般的なアロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法において、上述したアロファネート化反応停止剤組成物を用いるものである。
アロファネート化は、ウレタン化と同時に行っても、ウレタン化後に行ってもよい。ウレタン化とアロファネート化とを同時に行う場合、アロファネート化触媒の存在下で反応を行えばよく、ウレタン化後にアロファネート化を行う場合、アロファネート化触媒の非存在下で、所定時間ウレタン化反応を行った後、アロファネート化触媒を添加してアロファネート化反応を行えばよい。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽和脂環式カルボン酸;ビシクロ(4.4.0)デカン−2−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪族カルボン酸;ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族カルボン酸;安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。
また、カルボン酸の金属塩を構成する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属;マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム等の遷移金属等が挙げられる。
中でも、アルキルカルボン酸のジルコニウム、亜鉛、鉛等の金属塩が好ましく、特に、オクチル酸ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム等のアルキルカルボン酸のジルコニウム塩が好ましい。
なお、アロファネート化触媒の使用量は、ポリイソシアネートとアルコールとの合計質量に対して0.0005〜1質量%が好ましく、0.001〜0.1質量%がより好ましい。
この際、反応停止剤の使用量は特に限定されるものではないが、リン酸がアロファネート化触媒に対して2当量になる量で使用することが好ましい。
反応停止後は、薄膜蒸留等の公知の手法により未反応成分を除去して目的とするアロファネート変性ポリイソシアネートを得ることができる。
攪拌装置、温度計、冷却管、および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート(NCO含量:49.9質量%)950g、および3−メチル−1,5−ペンタンジオール50gを仕込み、これらを撹拌しながら60℃に加熱した。60℃に到達後、ウレタン化/アロファネート化触媒であるオクチル酸ジルコニウム(Zr含量:12質量%)0.1gを添加した。触媒の添加直後、反応液は発熱し、90℃付近まで上昇した。発熱が納まった後、反応液を110℃まで加熱し、この温度で2時間保持し、次いで120℃に加熱して約1時間反応を行った。
その後、反応停止剤であるリン酸/ネオペレックスGS(花王(株)製、アルキルベンゼンスルホン酸混合物)(質量比1/3の混合液)の50質量%酢酸エチル溶液0.18gを、反応液中に添加し、50℃で1時間停止反応を行った。停止後の反応液のNCO含量は40.2質量%であった。
この反応生成物から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、NCO含量19.2質量%、粘度(25℃)2,200mPa・s、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含量0.1質量%のアロファネート変性ポリイソシアネートを得た。
反応停止剤として、リン酸の20質量%酢酸エチル溶液0.15gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアロファネート化反応を行った。停止後の反応液のNCO含量は40.1質量%であった。
この反応生成物から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、NCO含量19.2質量%、粘度(25℃)2,300mPa・s、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含量0.1質量%のアロファネート変性ポリイソシアネートを得た。
反応停止剤として、ネオペレックスGSの50質量%酢酸エチル溶液0.15gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアロファネート化反応を行った。停止後の反応液のNCO含量は40.2質量%であった。
この反応生成物から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、NCO含量19.2質量%、粘度(25℃)2,300mPa・s、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含量0.1質量%のアロファネート変性ポリイソシアネートを得た。
反応停止剤として、リン酸/ネオペレックスGS(質量比1/2.4の混合液)の50質量%酢酸エチル溶液0.18gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアロファネート化反応を行った。停止後の反応液のNCO含量は40.2質量%であった。
この反応生成物から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、NCO含量19.2質量%、粘度(25℃)2,300mPa・s、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含量0.1質量%のアロファネート変性ポリイソシアネートを得た。
反応停止剤として、リン酸/ネオペレックスGS(1/1.2の混合液)の50質量%酢酸エチル溶液0.15gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアロファネート化反応を行った。停止後の反応液のNCO含量は40.1質量%であった。
この反応生成物から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、NCO含量19.2質量%、粘度(25℃)2,300mPa・s、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含量0.1質量%のアロファネート変性ポリイソシアネートを得た。
反応停止剤として、リン酸モノエステル/ジエステル混合物(2−エチルヘキシルエステル)(JP−508、城北化学工業(株)製)0.11gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアロファネート化反応を行った。停止後の反応液のNCO含量は40.2質量%であった。
この反応生成物から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、NCO含量19.3質量%、粘度(25℃)2,200mPa・s、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含量0.1質量%のアロファネート変性ポリイソシアネートを得た。
反応停止剤として、リン酸ジエステル(2−エチルヘキシルエステル)(LB−58R、城北化学工業(株)製)0.13gを用いた以外は、実施例1と同様にしてアロファネート化反応を行った。停止後の反応液のNCO含量は40.1質量%であった。
この反応生成物から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、NCO含量19.2質量%、粘度(25℃)2,300mPa・s、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含量0.1質量%のアロファネート変性ポリイソシアネートを得た。
反応停止剤を用いない以外は、実施例1と同様にしてアロファネート化反応を行った。反応後の反応液のNCO含量は40.0質量%であった。
この反応生成物から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のヘキサメチレンジイソシアネートを除去し、NCO含量19.3質量%、粘度(25℃)2,400mPa・s、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート含量0.1質量%のアロファネート変性ポリイソシアネートを得た。
(1)停止効果
得られたアロファネート変性ポリイソシアネートについて、50℃における1ヶ月後の貯蔵安定性を測定し、下記手法により評価した。
○:顕著なNCO低下および増粘が認められない
×:顕著なNCO低下および増粘が認められる
(2)液濁り
得られたアロファネート変性ポリイソシアネートについて、JIS K0101に従って、濁度を測定した。
○:クリア
×:濁度2以上
(3)溶剤希釈性
酢酸エチル溶液を調製し、その濁度によって溶剤希釈性を評価した。酢酸エチル溶液の固形分(濃度)は、80質量%、60質量%、40質量%の3水準にて評価した。なお、濁度の測定方法は上述のとおりである。
これに対し、リン酸やリン酸エステルを単独で用いた比較例1,5,6や、リン酸とアルキルベンゼンスルホン酸を本発明に規定される範囲外の混合比で用いた比較例3,4では、液濁りが発生していることがわかる。
また、アルキルベンゼンスルホン酸を単独で用いた場合(比較例2)は、停止効果が不十分であることがわかる。
Claims (3)
- リン酸とアルキルベンゼンスルホン酸とを、アルキルベンゼンスルホン酸/リン酸=2.5以上(質量比)で含むことを特徴とするアロファネート化反応停止剤組成物。
- 前記アルキルベンゼンスルホン酸が、炭素数10〜16アルキルベンゼンスルホン酸である請求項1記載のアロファネート化反応停止剤組成物。
- ポリイソシアネートと、アルコールとを、アロファネート化触媒の存在下で反応させた後、反応停止剤を添加するアロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法において、
前記反応停止剤として、請求項1または2記載のアロファネート化反応停止剤組成物を用いることを特徴とするアロファネート変性ポリイソシアネートの製造方法。
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