JP4267904B2 - 回路装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に用いられる回路装置であって、特に、制御用の電気部品を実装する回路基板が一対のケースで形成される内部空間に取り付けられる構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ機やスロットマシンなどの遊技機に用いられる回路装置は、制御用の電気部品を実装した回路基板が一方のケースの内部にゴムまたは軟質合成樹脂を介在させて止ねじで固定されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−28862号公報(第1頁、要約、図9)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例は回路基板をケースに止ねじで固定した構造であるので、回路基板をケースに取り付ける場合、止ねじを締結する作業が必要となり、組立作業が面倒である。また、パチンコ店から使用済遊技機として破棄された廃棄台を分解して構成部品ごとに分別し、有効利用のリサイクルを考えた場合、回路装置の解体に際し、止ねじを取り外す作業が必要となり、解体作業が面倒であるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、取付作業および解体作業の容易な回路装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にあっては、底部を有する一方のケースと、天井部を有する他方のケースとが互いに向き合わされて形成される内部空間に回路基板を格納した遊技機の回路装置において、一方のケースが底部の内部空間側に設けられる複数の結合部と、結合部に嵌め合わされる緩衝材料からなる支持体と、底部の前縁に形成される複数の切欠部と、底部の後縁から立設される後壁と、後壁に形成される第一の基板逃部と、後縁後壁との連接部に形成される複数の受部とを備え、他方のケースが複数の結合部と対応する位置における天井部の下面から内部空間側へ突出する複数の押さえ部と、複数の切欠部の周りに係合するフックを有する掛止部と、天井部の後縁から突設される後壁と、後壁に形成され、第一の基逃部とにより回路基板を外側に突出させる隙間を形成する第二の基逃部と、後壁に形成され、前記複数の受部に挿入される差込部とを備えることによりケースと支持体とが嵌め合いで組み合わせられるとともに、回路基板と支持体とが嵌め合いで組み合わせられるので、回路基板のケースへの組立および解体の双方、及び、一方のケースと他方のケースとの組立および解体の双方でドライバーのような工具の使用が不用となり、それらの作業を容易に行うことができる。
また、本発明にあっては、回路基板が結合部と対応する位置に取付孔を備え、支持体が前記一方のケースに装着される基部と、基部よりも細く形成され、基部から突出する突起とを備え、突起が取付孔に挿入され、基板より突出した突起の先端部が他方のケースに押し潰されることにより回路基板を保持すれば、回路基板がケースと支持体とで上下左右にがたつくことなく安定した姿勢に取り付けられる。
また、本発明にあっては、回路基板が前記結合部と対応する位置に取付孔を備え、支持体が前記一方のケースに装着される基部と、基部よりも細く形成され、基部から突出する突起と、突起の先端部に形成され、取付孔よりも大きな外径の規制部とを備えることによりケースで規制部を押し潰さなくても、規制部が回路基板の取付部周りに配置されることにより回路基板がケースと支持体とで上下左右にがたつくことなく安定した姿勢に取り付けられる。
また、本発明にあっては、回路基板が結合部と対応する位置に取付孔を備え、支持体が一方のケースに装着される基部と、基部の外周面に形成された溝部と、溝部を挟む格好に形成された鍔部とを備え、溝部が取付孔に嵌め込まれることにより、ケースで規制部を押し潰さなくても、溝部が回路基板の取付部に嵌め込まれ、鍔部が回路基板の取付部周りに配置されることで回路基板がケースと支持体とで上下左右にがたつくことなく安定した姿勢に取り付けられる。
また、本発明にあっては、基部が他方のケースに凹凸嵌合で装着されれば、支持体の姿勢が一層安定する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1−図4は第1実施形態であって、図1は回路装置の取付工程を示し、図2は回路装置を分解して示し、図3は回路装置を左右方向で切断した断面を示し、図4は回路装置を前後方向で切断した断面を示す。
【0008】
図2を参照し、回路装置について説明する。回路装置における一方のケース1は方形板状の底部2における左右縁から上方に向けて左右側壁3;4を平行に立設し、底部2における前縁に複数の切欠部5を形成し、底部2における後縁から上方に後壁6を立設し、底部2と後壁6との連接部分に基板逃部7および複数の受部8を形成し、左右側壁3;4と後壁6とを互いに接続し、底部2の上面に台座9を備え、台座9の上面に台座9よりも細い凸状の結合部10を備える。回路装置における他方のケース11は方形板状の天井部12における周縁から下方に向けて前後壁13;14と左右側壁15;16を突設し、前後壁13;14と左右側壁15;16とを互いに接続し、前壁13にフック17の有る複数の掛止部18を形成し、後壁14に基板逃部19および複数の差込部20を形成し、天井部12の下面に複数の押さえ部21を複数の結合部10と対応する位置に突出する。
【0009】
そして、底部2の上面と天井部12の下面とが互いに向き合わされる格好で、差込部20と受部8とが互いに挿入され、ケース1とケース11とが互いに近づけられ、フック17が切欠部5から外力を受けることで、掛止部18が外側に撓み、さらに、ケース1とケース11との近づき合いで、フック17が切欠部5を底部2の上面の側から外側面の方向に越えると、掛止部18が自身の弾性で復元し、フック17が底部2の切欠部5の周りに係合する。これによって、ケース1とケース11とが互いに組み合わされる。このようにケース1とケース11とが組み合わされた場合、結合部10と押さえ部21とが互いに上下方向で向き合わされ、図3に示すように、左右側壁3;4の内側と左右側壁15;16の外側面とが互いに接触するかまたは接触する程度に、左右側壁3;4と左右側壁15;16とが互いに左右方向で向き合わされ、底部2と左右側壁3;4が互いに上下方向で突き合わせられる一方、図4に示すように、後壁6と後壁14とが互いに前後方向で向き合わせられ、基板逃部7と基板逃部19とが互いに隙間を形成し、底部2と前壁13とが互いに上下方向で突き合わせられた形態となり、ケース1とケース11とで内部空間22が形成される。
【0010】
図2に戻り、回路装置の回路基板23は内部空間22(図3;図4参照)に収納可能な方形部24の後縁に横幅の狭い接続部25を突出した形態であって、方形部24に複数の取付部としての取付孔26を結合部10と対応する位置に備える。方形部24には図3および図4に示す制御用の電気部品Aが実装され、接続部25には図4に示すコネクタBが実装される。このコネクタBには回路装置と接続される図外の相手側部品の配線に結合されたコネクタが嵌め込まれる。そして、取付孔26が結合部10と位置合わせされた場合、方形部24が内部空間22に収まり、接続部25が基板逃部7と基板逃部19との間における隙間から外側に突出する。回路装置の支持体27はゴムまたは弾性を有する合成樹脂のような緩衝材料で、基部28と突起29と結合部30とからなる単一体である。
【0011】
図1を参照し、回路装置の組立について説明する。ステップ101は回路装置の組立前の形態であり、ステップ102は回路装置の組立後の形態である。回路装置を組み立てるには、先ず、台座9の結合部10と支持体27の結合部30とが互いに嵌め合わせられる。この場合、結合部10と結合部30とがまたは台座9と支持体27とが接着剤で互いに結合されてもよい。また、支持体27の突起29と回路基板23の取付孔26とが互いに嵌め合わされるのに伴い、突起29の先端部が取付孔26から上方に突出し、回路基板23の取付孔26周りの下面と基部28の上面とが互いに接触する。支持体27が緩衝材料で形成されているので、突起29と取付孔26とが互いに嵌め合わされる場合、ケース1;11や回路基板23および支持体27のそれぞれにおける寸法誤差が支持体27の撓みで吸収される。
【0012】
その後、ケース1とケース11とが互いに組み合わせられる過程において、ケース11における押さえ部21が支持体27における回路基板23の上面よりも上方に突出した突起29を押圧する。この押圧に伴い、突起29における回路基板23の上面よりも上方に突出した先端部が押さえ部21で押し潰される。このように、突起29の先端部が押し潰されることで、回路基板23は内部空間22に位置決めされつつ格納された状態でケース1とケース11とが支持体27を介して上下左右にがたつくことなく安定した姿勢に取り付けられる。
【0013】
一方、回路装置を解体する場合について説明すると、例えば、作業者が図2のフック17を外側に押して掛止部18を外側に広げるとともにケース1とケース11とを互いに離す方向に操作することで、フック17と切欠部5との係合を解除する。そして、フック17が切欠部5から底部2の上面の側に移動したら、作業者がケース11を前側に横にずらすことで、差込部20が受部8から引き抜かれる。これによって、ケース1とケース11との組み合わせが分解される。その後、回路基板23の取付孔26と支持体27の突起29との嵌め合いを解除し、さらに、支持体27と台座9の嵌め合いを解除することで、回路装置が解体される。
【0014】
要するに、第1実施形態の構造によれば、ケース1とケース11とが受部8と掛止部18と差込部20とを利用した嵌め合いで組み合わされるので、ケース1とケース11との組立および解体の双方でドライバーのような工具の使用が不用となり、それらの作業を容易に行うことができる。回路基板23がケース1とケース11とに支持体27を利用した嵌め合いで組み合わせられるので、回路基板23のケース1とケース11とへの組立および解体の双方でドライバーのような工具の使用が不用となり、それらの作業を容易に行うことができる。支持体27が緩衝材料で形成されているので、回路基板23をケース1とケース11との内部空間22に支持体27で取り付けた回路装置が遊技機に取り付けられて使用された場合において、遊技機の製造会社から遊技店への販売のための運搬中、遊技店での遊技中などで振動が回路装置に伝達しても、振動を支持体27が負担するので、回路基板23に実装された電気部品を振動から保護することができる。
【0015】
図5は第2実施形態に係る回路装置の取付工程を示す。ステップ201は回路装置の組立前の形態であって、ケース1における台座9の上面には凸状の結合部10に代わる凹状の結合部31を備える。支持体27における突起29が先端に規制部32を備える。規制部32は取付孔26よりも大きな横の外形を有する。支持体27における基部28が底部に凹状の結合部30に代わる凸状の結合部33を備える。そして、結合部31と結合部33とが互いに嵌め合わされることで、台座9と支持体27とが結合される。
【0016】
ステップ202は回路装置の組立後の形態であって、規制部32が取付孔26に挿入されるのに伴い横に縮まり、取付孔26から上方に抜けるのに伴い取付孔26よりも大きな横の外形に復元する。この復元によって、規制部32が回路基板23の取付孔26周りに配置されることで、規制部32が回路基板23の突起29らの抜けを防止し、支持体27が回路基板23をケース1に保持する。ケース1とケース11とが互いに組み合わせられることで、押さえ部21が規制部32を押し潰してもよいが、押さえ部21が規制部32の真上に接触するかまたは接触する程度に配置されることで、支持体27が台座9に接着されていなくとも台座9から抜けるのを防止し、回路基板23の取り付けられた姿勢を適切に保持することができる。押さえ部21が規制部32を押し潰さなければ、ケース1とケース11との嵌め合わせ力も少なくなり、ケース1とケース11との組み合わせ作業も楽になる。
【0017】
図6は第3実施形態に係る回路装置の取付工程を示す。ステップ301は回路装置の組立前の形態であり、ステップ302は回路装置の組立後の形態である。第3実施形態では台座9と支持体27とが結合部10と結合部30とを利用することは図1と同じ形態であり、支持体27と回路基板23とが取付孔26と突起29および規制部32を使用することは図5と同じ形態ある。つまり、第3実施形態は第1実施形態の一部と第2実施形態の一部とを合体した形態である。
【0018】
図7は第4実施形態に係る回路装置の取付工程を示す。ステップ401は回路装置の組立前の形態であり、ステップ402は回路装置の組立後の形態である。第4実施形態では台座9と支持体27とが結合部31と結合部33とを利用することは図5と同じ形態であり、支持体27と回路基板23とが取付孔26と突起29とを使用することは図1と同じ形態ある。つまり、第4実施形態は第1実施形態の一部と第2実施形態の一部とを合体した形態である。
【0019】
図8は第5実施形態に係る回路装置の取付工程を示す。ステップ501は回路装置の組立前の形態であって、ケース1は図1と同じ形態である。ケース11における押さえ部21の下面には凸状の結合部34を備える。支持体27は基部28の上面から下面に貫通する内孔35と、基部28の外周面に形成された溝部36と、溝部36を挟む格好に形成された鍔部37;38とを備える。ステップ502は回路装置の組立後の形態であって、内孔35と結合部10とが互いに嵌め合わされることで、台座9と支持体27とが結合される。鍔部37;38の一方が取付孔26に挿入されるのに伴い横に縮まり、取付孔26から上方に抜けるのに伴い取付孔26よりも大きな横の外形に復元する。この復元によって、鍔部37;38が回路基板23の取付孔26周りに配置されることで、鍔部37;38が回路基板23の突起29らの抜けを防止し、支持体27が回路基板23をケース1に保持する。ケース1とケース11とが互いに組み合わせられることで、結合部34と支持体27の内孔35とが互いに嵌め合わされることで、ケース11と支持体27とが結合される。
【0020】
取付部は回路基板23の外側面から内側に窪む溝であっても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の回路装置の取付工程を示すフローチャート。
【図2】 第1実施形態の回路装置を示す分解斜視図。
【図3】 第1実施形態の回路装置を示す左右方向断面図。
【図4】 第1実施形態の回路装置を示す前後方向断面図。
【図5】 第2実施形態の回路装置の取付工程を示すフローチャート。
【図6】 第3実施形態の回路装置の取付工程を示すフローチャート。
【図7】 第4実施形態の回路装置の取付工程を示すフローチャート。
【図8】 第5実施形態の回路装置の取付工程を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 ケース、10 結合部、11 ケース、22 内部空間、23 回路基板、26 取付孔、27 支持体、28 基部、29 突起、31 結合部、
32 規制部、36 溝部、37 鍔部、38 鍔部。

Claims (5)

  1. 底部を有する一方のケースと、天井部を有する他方のケースとが互いに向き合わされて形成される内部空間に回路基板を格納した遊技機の回路装置において、
    前記一方のケースが前記底部の内部空間側に設けられる複数の結合部と、
    前記結合部に嵌め合わされる緩衝材料からなる支持体と、
    前記底部の前縁に形成される複数の切欠部と、
    前記底部の後縁に立設される後壁と、
    前記後壁に形成される第一の基板逃部と、
    前記後縁と前記後壁との連接部に形成される複数の受部とを備え、
    前記他方のケースが前記複数の結合部と対応する位置における前記天井部の下面から内部空間側へ突出する複数の押さえ部と、
    前記複数の切欠部の周りに係合するフックを有する掛止部と、
    前記天井部の後縁から突設される後壁と、
    前記後壁に形成され、前記第一の基逃部とにより前記回路基板を外側に突出させる隙間を形成する第二の基逃部と、
    前記後壁に形成され、前記複数の受部に挿入される差込部とを備えることを特徴とする遊技機の回路装置。
  2. 前記回路基板が前記結合部と対応する位置に取付孔を備え、
    前記支持体が前記一方のケースに装着される基部と、
    前記基部よりも細く形成され、前記基部から突出する突起とを備え、
    前記突起が取付孔に挿入され、基板より突出した前記突起の先端部が他方のケースに押し潰されることを特徴とする請求項1記載の回路装置。
  3. 前記回路基板が前記結合部と対応する位置に取付孔を備え、
    前記支持体が前記一方のケースに装着される基部と、
    前記基部よりも細く形成され、前記基部から突出する突起と、
    前記突起の先端部に形成され、前記取付孔よりも大きな外径の規制部とを備えることを特徴とする請求項1記載の回路装置。
  4. 前記回路基板が前記結合部と対応する位置に取付孔を備え、
    前記支持体が前記一方のケースに装着される基部と、
    前記基部の外周面に形成された溝部と、
    前記溝部を挟む格好に形成された鍔部とを備え、
    前記溝部が取付孔に嵌め込まれることを特徴とする請求項1記載の回路装置。
  5. 前記基部が前記他方のケースに嵌め合いで装着されることを特徴とする請求項2乃至請求項4いずれかに記載の回路装置。
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