JP4263280B2 - 移動式クレーンのブーム伸縮機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動式クレーンのブーム伸縮機構に関し、さらに詳しくは、単一の油圧シリンダを用いて複数段のブームを伸縮させる機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、トラッククレーンなどに用いられるブームの伸縮機構には、伸縮対象となるブーム同士に油圧シリンダをそれぞれ設け、各油圧シリンダの伸縮動作に応じて各段のブームを伸縮させる機構がある。
しかし、この機構では、油圧シリンダが複数必要となることから、各ブームに油圧シリンダを収容するためのスペースが必要となる。この結果、ブームが大型化し、ブームの重量増加によるブーム伸長時での曲げモーメントの増加や油圧シリンダに対する油圧供給系統の大型化を招く不具合がある。
そこで、単一の油圧シリンダを用いて複数段のブームを伸縮させる構成を備えた伸縮機構が提案されている(例えば、特開平7−267584号公報)。
上記公報には次のような開示がある。
複数段のブームを内部に収納し、ピストンロッドが基部側のブームに固定されている油圧シリンダを備えている。
油圧シリンダへの給油により伸縮動作する油圧シリンダのシリンダ側には、径方向に進退可能な伸縮動作用ロックピンが設けられている。
各ブームにおける伸長方向後部には上記伸縮動作用ロックピンと対向することができるブッシュとこのブッシュと直角な方向に位置する保持用ロックボルトとが設けられている。
ブッシュは、伸縮移動用ロックボルトを嵌合させることができる部材であり、ブームの伸縮時に伸縮移動用ロックボルトが嵌合すると嵌合したブームがピストンロッドの伸縮動作に連動する。保持用ロックボルトは、バネによって外側に向け突出する習性を付与され、ブームの内側に突出する円形盤を備えている。保持用ロックボルトは外側に位置するブームのロック孔に係合すると、伸長あるいは収縮した位置で保持される。
また保持用ロックボルトは、ピストンロッドに備えられているピストンシリンダユニットに係合することができ、係合したときにはピストンシリンダユニットが収縮する動作に連動して外側のブームのロック孔から外されてブームを伸縮移動させることができる。
【0003】
上記公報に開示されている伸縮機構によってブームを伸長する場合には、トップブームに相当する先端側のブームに設けられているブッシュに対してシリンダ側の伸縮動作用ロックボルトが嵌合され、さらに、ピストンシリンダユニットが保持用ロックボルトに係合する。保持用ロックボルトは、ピストンシリンダユニットの収縮動作に連動して外側のブームのロック孔から外れる。この結果、油圧シリンダのシリンダが伸長すると、トップブームは伸縮用ロックボルトを介して伸長される。伸長したブームは、ピストンシリンダユニットと保持用ロックボルトとの係合が解除され、保持用ロックボルトが外側のブームに設けられているロック孔に係合して伸長した位置に保持される。
以下、各段のブームに対して同じ動作を繰り返して各ブームを伸長させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、複数段のブームを伸縮させる場合には、上記公報にも示されているように、ブームの伸縮移動時には油圧シリンダとブーム側の伸縮動作用ロックボルトとの嵌合、そして保持用ロックボルトとピストンシリンダユニットとの係合解除が必要となる。また、伸縮位置に達したブームを保持して油圧シリンダの移動、つまりブームの掴み換えを許容する場合には、保持用ロックボルトとピストンシリンダユニットと保持用ロックボルトとの係合、そしてブーム側の伸縮動作用ロックボルトと油圧シリンダとの嵌合を解除することが必要となる。
上記動作を行うための機構としては、上記公報によれば、ピストンロッドの端部に設けられたカラー部材の内部に形成されているシリンダ部と、シリンダ部に挿嵌されてブームの伸縮動作の際に油圧シリンダに対して連結可能な伸縮動作用ロックボルトと保持用ロックボルトとが設けられ、これら各ロックボルトがブームの両側面方向と上面方向に伸縮する構成が用いられている。
しかし、このような構成においては、ピストンロッドの端部に位置するカラー自体のサイズが大きくなってしまう。このため、ブーム内での占有スペースも大きくなることから収容できるブームの段数も制約されてしまう。
しかも、上記伸縮動作用ロックボルトの係合動作と保持用ロックボルトの係合動作とはブームの伸縮時に関連づけて行われる関係上、油圧制御を用いた場合にはその制御機器や配管類が上記カラー内を占有することになり、制御機構の面からしてもカラー自体の大型化は否めない。従って、油圧シリンダの一部を仕様に応じて交換する場合には、カラー自体も含めて交換しなければならず、交換作業が大掛かりとなるばかりでなく、重量増加による労力の増大を招いてしまう。
【0005】
伸縮動作用ロックボルトが嵌合を解除されてブームの掴み換え動作に移行する場合には、保持用ロックボルトはブームの各側面で保持状態を維持することが必要であるが、上記公報には、伸縮動作用ロックボルトが嵌合を解除される時には必ず保持用ロックボルトの抜けを防止できる構成に関しては開示されていない。但し、上記公報には、保持用ロックボルトの嵌合が解除されたことを光学センサによって検知することが開示されており、この検知が行われるのに連動して伸縮動作用ロックボルトを係合させることも考えられるが、このような構成では、光学センサの誤動作が起きた場合の対策がない。このため、伸縮動作用ロックボルトが嵌合を解除される時点で確実に保持用ロックボルトが係合されることに関する保証については何もないといえる。従って、一方の係合手段である伸縮動作用ロックボルトがその係合を解除される際に他方の係合手段である保持用ロックボルトの係合が保証されないと、特に、伸長状態にあるブームが滑落する危険がある。
【0006】
本発明の目的は、上記従来の移動式クレーンのブーム伸縮機構における問題に鑑み、ブームを伸縮させるためにブームに対して係脱可能なブーム間固定手段と伸縮状態にあるブームを保持するためにブームに対して係脱可能なシリンダ・ブーム連結手段を備えたブーム伸縮機構において、係脱機構の占有スペースを少なくできるとともに、相対的な係合動作を確実に行えるようにすることで伸縮状態にあるブームの滑落などを確実に防止することが可能な構成を備えた移動式クレーンのブーム伸縮機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ベースブーム内に複数の中間ブームおよび中間ブーム内にトップブームがそれぞれ順次伸縮自在に嵌挿されてなる多段伸縮ブームに内装され、そのロッド端部がベースブーム基端部に軸支された1段復動油圧シリンダと、前記一段復動油圧シリンダのシリンダ部材にガイドされてシリンダの半径方向かつブーム水平方向に進退可能な一対の連結ピンと、可動端が当該連結ピンにそして固定端が前記シリンダ部材の適所にそれぞれ連結された揺動可能な一対のリンクと、前記一対のリンクに挟まれ前記シリンダ部材の上側あるいは下側に位置し前記一対のリンクを拡縮可能な騒動シリンダと、前記中間ブーム各段およびトップブームの後端部内方に位置し前記連結ピンと対向して該ピンが連結可能な一対のボスとからなり、前記1段複動油圧シリンダのシリンダチューブロッド側端部と各段中間ブーム基端郡を選択的に連結するシリンダ・ブーム連結手段と、前記べースブームと各段中間ブームの隣り合うブーム同士を固定するブーム間固定手段であって、隣接する先段側ブームの基端部にあって前記シリンダ・チューブ連結手段における連結方向と異なる方向でブーム軸線に対し直交方向に外向きに進出付勢されたピンと、該ピンと対向し、隣接する基段側ブームの適所に設けられた穴よりなるブーム間固定手段と、前記1段複動油圧シリンダのシリンダチューブロッド側端部に設けられ、前記ブーム間固定手段のピンを駆動して当該ブーム間固定手段を解除するブーム間固定解除手段と、前記シリンダ・ブーム連結手段がブームとの連結を解除した状態では前記ブーム間固定解除手段によるブーム間固定手段の解除を禁止するブーム間固定解除手段側禁止手段と、前記ブーム間固定解除手段がブーム間固定手段を解除した状態では前記シリンダ・ブーム連結手段がブームとの連結解除を禁止するシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段とからなるインタロック機構を備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、ベースブーム内に複数の中間ブームおよび中間ブーム内にトップブームがそれぞれ順次伸縮自在に嵌挿されてなる多段伸縮ブームに内装され、そのロッド端部がベースブーム基端部に軸支された1段復動油圧シリンダと、前記一段復動油圧シリンダのシリンダ部材にガイドされてシリンダの半径方向かつブーム水平方向に進退可能な一対の連結ピンと、可動端が当該連結ピンにそして固定端が前記シリンダ部材の適所にそれぞれ連結された揺動可能な一対のリンクと、前記一対のリンクに挟まれ前記シリンダ部材の上側あるいは下側に位置し前記一対のリンクを拡縮可能な駆動シリンダと、前記中間ブーム各段およびトップブームの後端部内方に位置し前記連結ピンと対向して該ピンが連結可能な一対のボスとからなり、前記1段複動油圧シリンダのシリンダチューブロッド側端部と各段中間ブーム基端郡を選択的に連結するシリンダ・ブーム連結手段と、前記べースブームと各段中間ブームの隣り合うブーム同士を固定するブーム間固定手段であって、隣接する先段側ブームの基端部にあって前記シリンダ・チューブ連結手段における連結方向と異なる方向でブーム軸線に対し直交方向に外向きに進出付勢されたピンと、該ピンと対向し、隣接する基段側ブームの適所に設けられた穴よりなるブーム間固定手段とを備え、前記シリンダ・ブーム連結手段は、一方側が前記駆動シリンダのロッド側端部に接続され、他方側が前記駆動シリンダのシリンダチューブに接続されて前記駆動シリンダの伸縮にともなって先端部同士が接離可能な一対の部材(例えば、実施形態におけるシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21、21’)を有し、前記一段復動油圧シリンダとブームの連結時にはこれらの連結解除時と比較して一対の部材間の隙間が大きくなり、前記ブーム間固定手段は、前記ピンを移動させてブーム間の固定と解除を行うシリンダと、該シリンダの伸縮に連動して移動する移動部材(例えば、実施形態におけるブーム間固定解除手段側禁止手段20)を有し、前記一段復動油圧シリンダとブームの連結時には前記シリンダの伸縮により前記隙間に前記移動部材が入り込んでブーム間の連結状態を解除し、前記一段復動油圧シリンダとブームの連結解除時には前記シリンダの伸縮により前記移動部材が前記隙間から抜脱されるにともない、前記駆動シリンダの伸縮により前記一対の部材間の隙間が小さくなって前記移動部材の前記隙間への入り込みが規制されてブーム間を連結状態に維持することを特徴としている。
【0009】
【作用】
請求項1記載の発明では、シリンダ・ブーム連結手段がブームとの連結を解除した状態ではブーム間固定解除手段によるブーム間固定手段の解除を禁止するブーム間固定解除手段側禁止手段と、前記ブーム間固定解除手段がブーム間固定手段を解除した状態では前記シリンダ・ブーム連結手段がブームとの連結解除を禁止するシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段とからなるインタロック機構を備えていることにより、ブーム間固定手段がブーム間固定解除手段によりブーム間の固定を解除されるときには、その解除に応じてシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段によりシリンダ・ブーム連結手段の解除が規制される。この結果、ブームの掴み換え時には、禁止手段のいずれかが必ずブーム側と連結固定状態に維持されるので、特に伸長時でのブームの滑落を確実に防止することができる。しかも、シリンダ・ブーム連結手段側禁止手段とブーム間固定解除手段とは互いに直接作用し合って連動するので、ブーム間固定手段の解除およびシリンダ・ブーム連結手段の解除動作が互いに直接作用することになり、上記いずれかが解除されたことを検知して相対する手段の解除を禁止する場合に比べてあるいは油圧機構などの他の動力伝達手段を用いる場合に比べて誤動作がなく、確実にブームの滑落を防止することができる。
【0010】
また請求項2記載の発明では、一段復動油圧シリンダとブームの連結時にはブーム間固定手段の前記シリンダの伸縮により前記隙間に前記移動部材が入り込んでブーム間の連結状態を解除し、前記一段復動油圧シリンダとブームの連結解除時には前記シリンダの伸縮によりブーム間固定手段の前記移動部材が前記隙間から抜脱されるにともない、シリンダ・ブーム連結手段の前記駆動シリンダの伸縮により前記一対の部材間の隙間が小さくなって前記移動部材の前記隙間への入り込みが規制されてブーム間を連結状態に維持するので、ブームの掴み換え時には、固定手段又は連結手段が必ずブーム側と連結固定状態に維持されるので、特に伸長時でのブームの滑落を確実に防止することができる。しかも、固定手段及び連結手段は互いに直接作用し合って連動するので、ブーム間の固定解除およびシリンダ・ブーム間の解除動作が互いに直接作用することになり、上記いずれかが解除されたことを検知して相対する手段の解除を禁止する場合に比べてあるいは油圧機構などの他の動力伝達手段を用いる場合に比べて誤動作がなく、確実にブームの滑落を防止することができる。
【0011】
【実施例】
以下、図示実施例により本発明の詳細を説明する。
図1は、トップブームおよびベースブームを含めて6段の伸縮ブームを備えたブーム伸縮機構を説明するための側面視での部分的な断面図であり、同図においてベースブーム1の内部には、4段の中間ブーム3、4、5、6が伸縮自在に挿嵌され、それら中間ブームのうちで最先端側に位置する中間ブーム3内にはトップブーム2が伸縮自在に順次嵌挿されている。
ブームの内部には、伸縮自在のブームを移動させるための単一の1段復動油圧シリンダ7が配置されている。
1段復動油圧シリンダ7は、ピストンロッド7Aの端部がベースブーム1の基端部に固定され、ピストンロッド7Aが挿嵌されているシリンダチューブ7Bがピストンロッド7Aをガイドとして伸縮移動するようになっており、シリンダチューブ7Bのロッド側端部には、後述するシリンダ・ブーム連結手段8が設けられている。
【0012】
シリンダ・ブーム連結手段8は、ベースブーム1を除く各ブームの基端で両側面に形成されている係合穴を有するボス2A、3A、4A、5Aおよび6Aにそれぞれ連結可能な連結ピン8Aを備えており、その詳細が図2、図3および図6、図7に示されている。
図2および図3は、シリンダ・ブーム連結手段8のピン8Aが前記ボス2A〜6Aの係合穴より離脱した状態を示しており、図6および図7は、シリンダ・ブーム連結手段8のみを抽出してピン8Aが後退および進出している状態をそれぞれ示している。
図2および図3において、シリンダ・ブーム連結手段8は、1段復動油圧シリンダ7のシリンダチューブ7Bとともに移動することでブームの伸縮方向に移動可能な構成とされている。
シリンダ・ブーム連結手段8には、図6および図7に示すように、1段復動油圧シリンダ7の半径方向およびブーム(図6では、1段復動油圧シリンダ7のシリンダチューブ7Bが示されている)の水平方向に進退可能でボス2A〜6Aに有する係合穴に対して係脱可能な一対の連結ピン8Aと、連結ピン8Aに可動端がそして固定端が枢軸8B1を介して支持ブラケット50に支持されている揺動可能な一対のリンク部材8Bと、前記リンク8B間に挟まれた状態で配置され、シリンダチューブ7Bの上側に位置して一対のリンク部材8Bに拡縮ロッド8C1および連動部材8C2を介して連結されている駆動シリンダ8Cとが備えられている。
【0013】
図2においてシリンダ・ブーム連結手段8は、シリンダチューブ7Bのロッド側端部近傍に設けられ、伸縮シリンダにより伸縮状態とするために用いられる。このため、駆動シリンダ8Cの拡縮ロッド8C1が拡張されると、リンク部材8Bをシリンダチューブ7Bの半径方向で外側に向け揺動させ、連結ピン8Aをボス2A〜6Aのうちで伸縮対象となるブームのボス(図2では符号2Aで示すボス)に有する係合穴に向け進入させて係合させるようになっている。
シリンダ・ブーム連結手段8は、図2および図6に示すようにシリンダチューブ7Bの近傍で連結ピン8Aよりも上方位置に連結ピン8Aの駆動手段であるリンク8Bおよび駆動シリンダ8Cを配置することに限らず、連結ピン8Aよりも下方位置に上記リンク部材8Bおよび駆動シリンダ8Cを配置することも可能である。
【0014】
ブーム間固定手段9は、ベースブーム2および各段で隣り合うブーム3〜6同士を固定するための手段として用いられる。
このため、ブーム間固定手段9は、図1および図2に示すように、ベースブーム1および各段の中間ブーム3〜6の基端部および適所に形成されている穴1B、3〜6Bと、この穴1B、3B〜6Bに対向して進出付勢されたピン9Aとを備えている。図1(B)では、各ブームのうちで、ベースブーム1の上面から見た穴1Bとピン9Aとの挿嵌状態が示されている。
ピン9Aの進出方向は、図2に示すように、シリンダ・ブーム連結手段8における連結ピン8Aの連結方向と異なる方向でシリンダチューブ7Bの軸線方向と直交する方向であり、図1に示す例では垂直方向とされている。
また、ピン9Aの進出付勢はピン9Aとこれが挿嵌されている有底筒体9Bとの間に配置されているバネ9Cによって設定されている。
ピン9Aには、シリンダ・ブーム連結手段8側と対向する端部に水平方向に延長された係止片9Dが設けられており、この係止片9Dが後述するブーム間固定解除手段10に対向できるようになっている。
【0015】
ブーム間固定解除手段10は、図2に示すように、シリンダチューブ7Bの近傍でシリンダチューブ7Bのロッド側端部上面に支持されているシリンダ10Aと、シリンダ10Aから伸縮可能なロッド10B1の先端に設けられている断面形状がチャンネル状の係合部材10Bとを備えている。
ブーム間固定解除手段10は、ブーム間固定手段9のピン9Aに有する係止片9Dが嵌入した状態でシリンダ10Aが収縮すると、バネ9Cの付勢に抗してピン9Aをブーム側に形成されている穴(1B、3B〜6Bのいずれか)から抜き出してブーム間固定手段9によるブームとの間の連結状態を解除する。
なお、図2および図3において符号51,51’および52,52’はリミットセンサを示しており、これらリミットセンサは、シリンダ・ブーム連結手段8およびブーム間固定手段9での伸縮状態を検出するものである。
【0016】
本実施例は以上のような構成であるから、シリンダチューブ7Bの近傍でシリンダ・ブーム連結手段8の連結ピン8Aよりも上方位置にシリンダ・ブーム連結手段8およびブーム間固定解除手段10が設けられている。このため、シリンダチューブ7Bには、そのロッド側端部の内部にシリンダ・ブーム連結手段8およびブーム間固定解除手段10を設けないで済み、ロッド側端部はピストンロッド7Aを挿嵌するに必要なサイズ以上に大きくしないですむ。
選択されたブームを伸長させる場合には、ブーム間固定手段9により隣り合うブーム同士を固定した状態でシリンダ・ブーム連結手段8の連結状態を解除し、選択されたブームを対象として新たにシリンダ・ブーム連結手段8を連結する、いわゆる、掴み換えが行われる。
シリンダ・ブーム連結手段8は、駆動シリンダ8Cが収縮することにより、リンク部材8Bを介して連結ピン8Aをブーム側のボスに有する係合穴から離脱させる。
図2および図6はこのときの状態を示しており、駆動シリンダ8Cが収縮すると、拡縮ロッド8C1が収縮してこれに連結されているリンク部材8B(図6では、左側のリンク部材8B)が枢軸8B1を介して連結ピン8Aを係合穴から引き抜く方向に揺動すると共に、リンク部材8Bの揺動が停止されると駆動シリンダ8Cが拡縮ロッド8C1側に向け相対的に収縮移動して他方のリンク部材8Bを連結ピン8Aが係合穴から引く抜く方向に揺動する。
【0017】
一方、ブームを掴み換えるとき、係合穴から連結ピン8Aが隣り合うブームあるいはこれ以外で選択されたブームを対象として連結ピン8Aを係合穴に挿入することになる。
この場合には、図4および図7に示すように、シリンダ・ブーム連結手段8の駆動シリンダ8Cが伸長する。これにより、拡縮ロッド8C1が伸長することでこれに連結されているリンク部材8B(図7において左側のリンク部材8B)が連結ピン8Aを新たなブームのボスに有する係合穴に挿入する方向に揺動すると共に、連結ピン8Aが係合穴に挿入し終わると、駆動シリンダ8Cが拡縮ロッド8C1の伸長方向と反対側に伸長移動してリンク部材8Bを連結ピン8Aが新たなブームのボスに有する係合穴に挿入させる方向に揺動する。
【0018】
シリンダ・ブーム連結手段8によるブームの掴み換えが終了するのに合わせてブーム間固定手段9がブーム間固定解除手段10によって固定を解除される。
つまり、ブーム間固定手段9に有する係止片9Dには、ブーム間固定解除手段10の係合部材10Bが対峙しており、シリンダ10Aが収縮することにより係止片9Dが係合部材10Bにより穴から引き抜かれる。
これにより、隣り合うブーム同士の固定が解除され、1段復動油圧シリンダ7の伸長動作に連動してシリンダ・ブーム連結手段8が移動するので、新たなブームが伸縮される。
【0019】
本実施例によれば、シリンダ・ブーム連結手段8およびブーム間固定解除手段10がシリンダチューブ7Bのロッド側端部内ではなく、その上方位置に配置されて、いわゆる、上記各手段をシリンダチューブ7Bの水平方向でオーバーラップさせた配置構成としているので、シリンダチューブ7B内に上記各手段を設けた場合に比べて水平方向での占有スペースを小さくすることができる。これにより、シリンダチューブ7Bの水平方向に余剰スペースを設けることができるので、この余剰スペース内に既存の段数に対して新たに加えたブームを収納することができる。
【0020】
次に本発明の別実施例について説明する。
本発明の別実施例は、シリンダ・ブーム連結手段8とブーム固定解除手段10との動作を連動させて各手段の不用意な解除を防止することを特徴としている。
つまり、シリンダ・ブーム連結手段8およびブーム間固定解除手段10には、互いの動きを規制する禁止手段20,21,21’が設けられている。
図2乃至図6において、ブーム間固定解除手段10の係合部材10Bには、その下面に垂下された角棒で構成されたブーム間固定解除手段側禁止手段20が設けられており、シリンダ・ブーム連結手段8の駆動シリンダ8Cおよび拡縮ロッド8C1には、ブーム間固定解除手段側禁止手段20をはさんで対峙する折り曲げ片で構成されたシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21、21’が設けられている。
ブーム間固定解除手段側禁止手段20は、係合部材10Bの伸縮動作に連動して昇降することができ、シリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21、21’は駆動シリンダ8Cの伸縮動作に連動して対向する先端部を接離させることができる。
ブーム間固定解除手段側禁止手段20は、図2に示すように、ブーム間固定解除手段10のシリンダ10Aが非収縮状態にあるときに先端20Aがシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21、21’の間から遠ざかっており、このときにはシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21、21’は対向する端部同士を密着させている。
つまり、ブームの掴み換えが行われる際にシリンダ・ブーム連結手段8の駆動シリンダ8Cが収縮することで連結ピン8Aがブーム側のボス(便宜上、図2ではトップブーム2を対象として符号2Aで示されている)の係合穴から抜き出されると、シリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21、21’が互いに接近して当接するようになるので、その端部間にブーム間固定解除手段側禁止手段20が入り込むことができない。
【0021】
一方、ブームの掴み換えの際に新たなブームのボスに有する係合穴にシリンダ・ブーム連結手段8の連結ピン8Aが挿入され、これに連動してブーム間固定解除手段10によってブーム間固定手段9の固定が解除されるときには、駆動シリンダ8Cの拡縮ロッド8C1が拡張されると共に駆動シリンダ8C自体も拡張方向に移動するので、この動きに連動してシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21、21’が互いに離間する。この結果、シリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21,21’の端部同士が離間して隙間ができるので、ブーム間固定解除手段10のシリンダ10Aが収縮動作するのにあわせて下降するブーム間固定解除手段側禁止手段20の先端20Aがシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21、21’の端部間の隙間に入り込むことができる。
【0022】
本実施例は以上のような構成であるから、ブーム間固定手段9によってブーム同士が固定され、ブームの掴み換えを行うためにシリンダ・ブーム連結手段8の連結ピン8Aをブーム側のボスから引き抜く場合には、図2および図3に示すように、シリンダ・ブーム連結手段8の駆動シリンダ8Cが収縮動作するので、連結ピン8Aがボス(図2及び図3では符号2Aで示すボス)の係合穴から引き抜かれる。駆動シリンダ8Cが収縮した場合には駆動シリンダ8Cおよび拡縮ロッド8C1にそれぞれ一体となっているシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21,21’がその端部同士を当接させるので、ブーム間固定解除手段20が入り込めないようになる。このため、ブーム間固定解除手段10のシリンダ10Aが誤動作により収縮しようとしてもシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21,21’によってその収縮動作を禁じられるので、不用意にブーム間固定手段8の固定状態が解除されることがない。
【0023】
一方、シリンダ・ブーム連結手段8によって掴み換えられたブームを1段復動油圧シリンダ7の伸縮動作に連動して移動させる場合には、図4および図5に示すように、シリンダ・ブーム連結手段8の連結ピン8Aがブーム側のボス(図4および図5では符号2Aで示すボス)の係合穴に挿入された状態とされている。このため、シリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21,21’は端部同士が離間して隙間を形成している。
ブーム間固定解除手段10のシリンダ10Aが収縮することにより係合部材10Bがブーム間固定手段9のピン9Aをブーム側から引き抜くと、ブーム間固定解除手段10の係合部材10Bに連動するブーム間固定解除手段側禁止手段20がその先端20Aをシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21,21’の端部間に入り込ませる。これにより、シリンダ・ブーム連結手段8の駆動シリンダ8Aが誤作動して収縮しようとしても、シリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21,21’がブーム間固定解除手段側禁止手段20によって収縮動作を禁じられるので、不用意にシリンダ・ブーム連結手段8による連結状態を解除することがない。
【0024】
上記実施例によれば、ブーム間固定解除側禁止手段20とシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21,21’との動作を直接関連づけることで途中に伝達部材などを介在させないので伝達部材などの誤動作の影響を受けることが無く、確実な禁止動作を行わせることができる。
【0025】
なお、上記実施例では、シリンダ・ブーム連結手段8の構成として、図8乃至図11に示す構成とすることも可能である。なお、図8乃至図11において、それ以前の図面に示したものと同様な構成部材に関しては同符号で示す。
図8および図9に示す構成は、シリンダ・ブーム連結手段8の駆動シリンダ8Cに初期付勢を与える様にしたことを特徴としている。
つまり、駆動シリンダ8Cのロッド側端部と拡縮ロッド8C1の鍔との間にはコイルバネ55が配置されており、常時、連結ピン8Aをブーム側のボス(図8では符号2Aで示すボス)の係合穴に向け進出させる初期付勢が与えられている。
このような構成によれば、駆動シリンダ8Cに対する流体制御は収縮方向への制御のみですむ。しかも、連結ピン8Aがボスの係合穴に対して強制的に進出することができるので、シリンダ・ブーム連結手段側禁止手段21,21’の端部同士が離間してブーム間固定手段側禁止手段20の先端20Aを受け入れる態位を自動的に設定することができる。
【0026】
図10および図11に示す構成は、図8および図9に示した構成と異なり、駆動シリンダ8Cを両ロッド型とし、初期付勢として、シリンダ・ブーム連結手段8の連結ピン8Aを上記ブーム側のボス(図10では符号2Aで示すボス)の係合穴に向け進出させる付勢を与えるようになっている。
つまり、シリンダ・ブーム連結手段8の駆動シリンダ8Cは、一対の拡縮ロッド8C1を備えており、この拡縮ロッド8C1には、シリンダチューブを挟んで相対位置にそれぞれコイルバネ56,56’が配置されている。
この構成によれば、一対の拡縮ロッド8C1を同時に伸縮動作させることができ、両側に位置する連結ピン8Aの進退動作を短時間で行わせることができる。
【0027】
また、駆動シリンダ8Cの向きを変更して図12および図13に示す構成とすることも可能である。
つまり、駆動シリンダ8Cは、拡縮ロッド8C1の伸縮方向を垂直方向とされ、拡縮ロッド8C1の先端には水平方向に延びる駆動レバー57が連結されている。
駆動レバー57の延長方向両端にはリンク部材8Bに一端が連結されている副リンク部材58,58’の他端が連結されており、駆動シリンダ8Cの伸縮動作に連動して副リンク部材58,58’が拡縮する。
駆動シリンダ8Cの伸縮動作を連結ピン8Aの進退動作に変換するために、副リンク部材58,58’は垂直方向の動作を水平方向の動作に変換してリンク部材8Bを引きあるいは押し動かすことができるように駆動レバー57からリンク部材8Bに向け張り出した状態に傾斜させて連結されている。これにより、リンク部材8Bが連結ピン8Aをブーム側のボスの係合穴に対して進退することができる。
図12は、駆動シリンダ8Cの拡縮ロッド8C1が伸長した状態を示しており、この状態では副リンク部材58、58’が縮径されるのに連動してリンク部材8Bが連結ピン8Aを係合穴から引き抜く方向に揺動する。
図13は、図12の場合と逆に駆動シリンダ8Cが収縮した状態を示しており、この状態では副リンク部材58,58’がリンク部材8Bを引き動かして連結ピン8Aを係合穴に係合させることができる。
このような構成によれば、駆動シリンダ8Cの伸縮ストロークが垂直方向であるので、図2乃至図7に示した構成に比べてさらにブームの幅方向で駆動シリンダ8Cが占有するスペースを小さくすることができる。このため、ブーム内に余剰スペースを確保することも可能となり、この余剰スペース内で新たなブームを増設することも可能である。
なお、本発明では、シリンダ・ブーム連結手段8の駆動シリンダ8Cの向きを図12に示した例のように垂直方向とすることに限らず、1段復動油圧シリンダ7の軸線に平行させることも勿論可能である。
【0028】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、シリンダ・ブーム連結手段がブームとの連結を解除した状態ではブーム間固定解除手段によるブーム間固定手段の解除を禁止するブーム間固定解除手段側禁止手段と、前記ブーム間固定解除手段がブーム間固定手段を解除した状態では前記シリンダ・ブーム連結手段がブームとの連結解除を禁止するシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段とからなるインタロック機構を備えていることにより、ブーム間固定手段がブーム間固定解除手段によりブーム間の固定を解除されるときには、その解除に応じてシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段によりシリンダ・ブーム連結手段の解除が規制される。この結果、ブームの掴み換え時には、禁止手段のいずれかが必ずブーム側と連結固定状態に維持されるので、特に伸長時でのブームの滑落を確実に防止することができる。しかも、シリンダ・ブーム連結手段側禁止手段とブーム間固定解除手段とは互いに直接作用し合って連動するので、ブーム間固定手段の解除およびシリンダ・ブーム連結手段の解除動作が互いに直接作用することになり、上記いずれかが解除されたことを検知して相対する手段の解除を禁止する場合に比べてあるいは油圧機構などの他の動力伝達手段を用いる場合に比べて誤動作がなく、確実にブームの滑落を防止することが可能となる。
【0029】
請求項2記載の発明では、一段復動油圧シリンダとブームの連結時にはブーム間固定手段のシリンダの伸縮により隙間に移動部材が入り込んでブーム間の連結状態を解除し、一段復動油圧シリンダとブームの連結解除時にはシリンダの伸縮によりブーム間固定手段の移動部材が隙間から抜脱されるにともない、シリンダ・ブーム連結手段の駆動シリンダの伸縮により一対の部材間の隙間が小さくなって移動部材の隙間への入り込みが規制されてブーム間を連結状態に維持するので、ブームの掴み換え時には、固定手段又は連結手段が必ずブーム側と連結固定状態に維持されるので、特に伸長時でのブームの滑落を確実に防止することができる。しかも、固定手段及び連結手段は互いに直接作用し合って連動するので、ブーム間の固定解除およびシリンダ・ブーム間の解除動作が互いに直接作用することになり、上記いずれかが解除されたことを検知して相対する手段の解除を禁止する場合に比べてあるいは油圧機構などの他の動力伝達手段を用いる場合に比べて誤動作がなく、確実にブームの滑落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例による移動式クレーンのブーム伸縮機構の要部構成を説明するための図であり、(A)は側面視的な部分断面図、(B)は(A)中、符号(B)で示す方向の矢視図である。
【図2】図1に示したブーム伸縮機構を正面から見た断面図である。
【図3】図2示したブーム伸縮機構の要部構成を説明するための平面視的な部分図である。
【図4】図1に示したブーム伸縮機構の一態様を説明するための図2相当の断面図である。
【図5】図4に示した状態におけるブーム伸縮機構の要部構成を説明するための図3相当の図である。
【図6】図1に示したブーム伸縮機構に用いられるシリンダ・ブーム連結手段の構成を説明するための図である。
【図7】図6に示したシリンダ・ブーム連結手段の一態様を説明するための図である。
【図8】図1に示した要部構成の一部変形例を説明するための図2相当の断面図である。
【図9】図8に示した一部変形例の平面視的な図である。
【図10】図1に示した要部構成に関する一部の他の変形例を説明するための図2相当の図である。
【図11】図10に示した変形例の平面視的な図である。
【図12】図1に示した要部構成に関するさらに別の変形例を説明するための図6相当の図である。
【図13】図12に示した変形例の一態様を示す図である。
【符号の説明】
1 ベースブーム
1B 穴
2 トップブーム
3〜6 中間ブーム
2A〜6A 係合穴を有するボス
7 1段複動油圧シリンダ
7A シリンダチューブ
7B ピストンロッド
8 シリンダ・ブーム連結手段
8A 連結ピン
8B リンク部材(リンク)
8C 駆動シリンダ
9 ブーム間固定手段
9A ピン
9D 係止片
10 ブーム間固定解除手段
10A シリンダ
10B 係合部材
20 ブーム間固定解除手段側禁止手段
20A 先端
21,21’ シリンダ・ブーム連結手段側禁止手段
Claims (2)
- ベースブーム内に複数の中間ブームおよび中間ブーム内にトップブームがそれぞれ順次伸縮自在に嵌挿されてなる多段伸縮ブームに内装され、そのロッド端部がベースブーム基端部に軸支された1段復動油圧シリンダと、
前記一段復動油圧シリンダのシリンダ部材にガイドされてシリンダの半径方向かつブーム水平方向に進退可能な一対の連結ピンと、
可動端が当該連結ピンにそして固定端が前記シリンダ部材の適所にそれぞれ連結された揺動可能な一対のリンクと、前記一対のリンクに挟まれ前記シリンダ部材の上側あるいは下側に位置し前記一対のリンクを拡縮可能な駆動シリンダと、前記中間ブーム各段およびトップブームの後端部内方に位置し前記連結ピンと対向して該ピンが連結可能な一対のボスとからなり、前記1段複動油圧シリンダのシリンダチューブロッド側端部と各段中間ブーム基端郡を選択的に連結するシリンダ・ブーム連結手段と、
前記べースブームと各段中間ブームの隣り合うブーム同士を固定するブーム間固定手段であって、隣接する先段側ブームの基端部にあって前記シリンダ・チューブ連結手段における連結方向と異なる方向でブーム軸線に対し直交方向に外向きに進出付勢されたピンと、該ピンと対向し、隣接する基段側ブームの適所に設けられた穴よりなるブーム間固定手段と、
前記1段複動油圧シリンダのシリンダチューブロッド側端部に設けられ、前記ブーム間固定手段のピンを駆動して当該ブーム間固定手段を解除するブーム間固定解除手段と、
前記シリンダ・ブーム連結手段がブームとの連結を解除した状態では前記ブーム間固定解除手段によるブーム間固定手段の解除を禁止するブーム間固定解除手段側禁止手段と、
前記ブーム間固定解除手段がブーム間固定手段を解除した状態では前記シリンダ・ブーム連結手段がブームとの連結解除を禁止するシリンダ・ブーム連結手段側禁止手段とからなるインタロック機構を備えたことを特徴とする移動式クレーンの伸縮機構。 - ベースブーム内に複数の中間ブームおよび中間ブーム内にトップブームがそれぞれ順次伸縮自在に嵌挿されてなる多段伸縮ブームに内装され、そのロッド端部がベースブーム基端部に軸支された1段復動油圧シリンダと、
前記一段復動油圧シリンダのシリンダ部材にガイドされてシリンダの半径方向かつブーム水平方向に進退可能な一対の連結ピンと、
可動端が当該連結ピンにそして固定端が前記シリンダ部材の適所にそれぞれ連結された揺動可能な一対のリンクと、前記一対のリンクに挟まれ前記シリンダ部材の上側あるいは下側に位置し前記一対のリンクを拡縮可能な駆動シリンダと、前記中間ブーム各段およびトップブームの後端部内方に位置し前記連結ピンと対向して該ピンが連結可能な一対のボスとからなり、前記1段複動油圧シリンダのシリンダチューブロッド側端部と各段中間ブーム基端郡を選択的に連結するシリンダ・ブーム連結手段と、
前記べースブームと各段中間ブームの隣り合うブーム同士を固定するブーム間固定手段であって、隣接する先段側ブームの基端部にあって前記シリンダ・チューブ連結手段における連結方向と異なる方向でブーム軸線に対し直交方向に外向きに進出付勢されたピンと、該ピンと対向し、隣接する基段側ブームの適所に設けられた穴よりなるブーム間固定手段とを備え、
前記シリンダ・ブーム連結手段は、一方側が前記駆動シリンダのロッド側端部に接続され、他方側が前記駆動シリンダのシリンダチューブに接続されて前記駆動シリンダの伸縮にともなって先端部同士が接離可能な一対の部材を有し、前記一段復動油圧シリンダとブームの連結時にはこれらの連結解除時と比較して一対の部材間の隙間が大きくなり、
前記ブーム間固定手段は、前記ピンを移動させてブーム間の固定と解除を行うシリンダと、該シリンダの伸縮に連動して移動する移動部材を有し、前記一段復動油圧シリンダとブームの連結時には前記シリンダの伸縮により前記隙間に前記移動部材が入り込んでブーム間の連結状態を解除し、前記一段復動油圧シリンダとブームの連結解除時には前記シリンダの伸縮により前記移動部材が前記隙間から抜脱されるにともない、前記駆動シリンダの伸縮により前記一対の部材間の隙間が小さくなって前記移動部材の前記隙間への入り込 みが規制されてブーム間の連結状態を維持することを特徴とする移動式クレーンの伸縮機構。
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