JP4262786B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、前枠を外枠の前面に回動自在に装着すると共に該前枠にガラス扉枠を回動自在に装着してなるパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般的なパチンコ機は、四角く枠組みした外枠に、機構板や遊技板などの主要部品を組み付けた前枠を装着してなる。また、前枠には遊技板の遊技部に対応する位置にガラス扉枠が装着されている。
而して前記前枠は、片側の上下隅角部に固着した上部ヒンジ具と下部ヒンジ具を外枠に固着した上部ヒンジ具と下部ヒンジ具に夫々軸着し、以て外枠前面にドア状に回動自在なるように取り付けられている。一方、ガラス扉枠は、前枠の窓穴を囲う金枠にドア状に回動自在なるように軸着されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来のパチンコ機は、外枠と前枠、及び、前枠とガラス扉枠のヒンジ部品が夫々独立した構造であったため、ヒンジ部品の組み付けが煩雑になって作業能率が悪く、また、部品コストも高くつく、などの問題点があった。
【0004】
本発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は、ヒンジ部品の組み付け作業の簡便化を図ると共に部品コストの削減を可能にしたパチンコ機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、外枠の前面に前枠が回動自在に装着されると共に、該前枠にガラス扉枠が回動自在に装着され、
外枠の一側に上部ヒンジ具と下部ヒンジ具とが固着される一方、前枠の一側に上部ヒンジ具と下部ヒンジ具とが固着され、
前記前枠の上部ヒンジ具には、前記前枠に固着される取付基板と、該取付基板の上部か ら前向き突設され軸穴又は軸が設けられた上部板と、前記取付基板の下部から前向き突設され軸穴又は軸が設けられた下部板とが形成されるとともに、前記上部板の軸穴又は軸と前記下部板の軸穴又は軸との間において、前記取付基板に、前記前枠を開閉する場合に前記外枠の上部ヒンジ具が干渉しないように空間部が形成され、
前記前枠の上部ヒンジ具の上部板が前記外枠の上部ヒンジ具に軸着され、また、下部板が前記ガラス扉枠に軸着されるパチンコ機であって、
前記前枠の上部ヒンジ具の上部板が前記外枠の上部ヒンジ具に対してその上面側から軸着されるとともに、前記前枠の下部ヒンジ具が前記外枠の下部ヒンジ具に対してその上面側から軸着され、
前記ガラス扉枠の一側上部には、該ガラス扉枠の側辺の途中位置に設けられるスリットと、前記前枠の上部ヒンジ具の下部板が前記スリットに挿入された状態において前記下部板に設けられる軸穴又は軸が軸着される軸又は軸穴とが設けられているパチンコ機を提供する。
【0006】
【作用】
前枠に取り付けた一個の上部ヒンジ具で、外枠と前枠、及び、前枠とガラス扉枠の上部を軸着することができる。従って、ヒンジ部品を取付ける手間が従来に比べて大幅に短縮でき、且つ、部品コストの削減が可能になる。
【0007】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。なお、図1は各上部ヒンジ具を示す斜視図、図2はパチンコ機の正面図、図3は背面から見た前枠の斜視図、図4は要部を示すパチンコ機の一部断面平面図、図5は要部を示すパチンコ機の断面平面図、図6はガラス扉枠を開いて示す前枠上部の斜視図、図7はガラス扉枠を開いて示す前枠下部の斜視図である。
【0008】
パチンコ機Pは、四角く枠組みした外枠1と、該外枠1の前面に装着した前枠2とから構成される。外枠1は木製又は合成樹脂製であって、下側の前面に幕板3を配設してある。そして外枠1には、図2において正面向かって左側の上隅角部に上部ヒンジ具S1が、また、幕板3の左端上面に下部ヒンジ具S2が夫々固着されている。前記上部ヒンジ具S1は、図1に示したように、逆L字型の取付板S1aと、該取付板S1aから前向きに突設した軸プレートS1bと、その軸プレートS1bの上面に突設した上向きの受け軸S1cとからなり、前記取付板S1aを外枠1に固定的に固着してある。なお、下部ヒンジ具S2は、上部ヒンジ具S1と取付板の形状が若干相違するものの、構成要素は同一である。
【0009】
一方、前枠2は合成樹脂の成型品であって、大きな角型の窓穴4を有する額縁形態である。この前枠2の窓穴4の左右と上辺には周枠5が設けられ、さらに窓穴4の下辺には発射レール用の基盤6が設けられており、その周枠5と基盤6で囲われたスペースに遊技板7が嵌っている。周枠5には適宜な位置に回転型のクランプ8が軸着されており、該クランプ8により遊技板7が固定される。もちろん遊技板7は、クランプ8を回して係合を解くことにより自由に取り外し得る。
【0010】
前枠2の前面には、前記遊技板7の遊技部7aに対応する位置にガラス扉枠10が装着されている。このガラス扉枠10は、図2に細点を付して塗り分けたように前枠2のほぼ上半分を占める大きさであり、合成樹脂製の本体10a裏面に金属パネル10bを貼った二重構造である。ガラス板11を差し込むための溝12は該金属パネル10bを曲げて作られている。
【0011】
前記ガラス扉枠10の片側上部には上部ヒンジ具G1が、また、同下部には下部ヒンジ具G2が設けられている。上部ヒンジ具G1は図1に示したように、L字型の可動軸G1aと、該可動軸G1aを上下動自在に支持するコ字型の昇降ガイド体G1bと、前記可動軸G1aを上向きに付勢するコイルスプリングなどの弾性体G1cとからなり、常態において可動軸G1aが弾性体G1cの付勢で上動位置にあってその頭部がガラス扉枠10の横スリット13内に臨み、また、可動軸G1aを弾性体G1cの付勢に抗して下動させると頭部が横スリット13内から退く。なお、図6に示したように昇降ガイド体G1bは金属パネル10bの内面にビス止めされており、前記弾性体G1cが金属パネル10bに形成した爪片14と可動軸G1aの間に引張り状態にて掛け渡されている。一方、下部ヒンジ具G2は図7に示すように軸穴G2aを穿設した軸受板形状である。
【0012】
前枠2の片側の上下部には上部ヒンジ具M1と下部ヒンジ具M2が取着されている。上部ヒンジ具M1は、図1に示したように、前枠2裏面にビス止めして固着する取付基板M1aと、該取付基板M1aの上部に前向き突設した上部板M1bと、取付基板M1aの下部に前向き突設した下部板M1cとにより形成される。上部板M1bには前記外枠1の上部ヒンジ具S1の受け軸S1cが嵌まる軸穴M1dが穿設され、また、下部板M1cにはガラス扉枠10の可動軸G1aが嵌まる軸穴M1eが穿設されている。一方、下部ヒンジ具M2は、外枠1の下部ヒンジ具S2の受け軸に対応する軸穴M2aを穿設した軸受板形状である。なお、図1に示したように、上部板M1bと下部板M1cは、取付基板M1aより横長であり、取付基板M1aの端からはみ出た部分に前記軸穴M1d,M1eがある。
【0013】
その他、前枠2には、図7に示したようにガラス扉枠10の下部ヒンジ具G2に対応する中間ヒンジ具15が形成されており、該中間ヒンジ具15に前記下部ヒンジ具G2の軸穴G2aに嵌まる受け軸15aが突設されている。また、前枠2の窓穴4には、ガラス扉枠10の下側に、上球皿16を有する前面板17が回動自在に軸着されている。
【0014】
而して、前枠2は、自己の上部ヒンジ具M1の上部板M1bに穿った軸穴M1dに外枠1の上部ヒンジ具S1の受け軸S1cを遊嵌し、また、自己の下部ヒンジ具M2の軸穴M2aに外枠1の下部ヒンジ具S2の受け軸S1cを遊嵌し、以て外枠1前面に回動自在に装着される。一方、ガラス扉枠10は、自己の上部ヒンジ具G1の可動軸G1aを前枠2の上部ヒンジ具M1の下部板M1cに穿った軸穴M1eに遊嵌し、また、自己の下部ヒンジ具G2に穿った軸穴G2aに前枠2の中間ヒンジ具15の受け軸15aを遊嵌し、以て前枠2前面に回動自在に装着される。なお、ガラス扉枠10の上部ヒンジ具G1と前枠2の上部ヒンジ具M1の結合は、先ず、可動軸G1aを弾性体G1cの付勢に抗して引き下げ、その状態で横スリット13内に前枠2の上部ヒンジ具M1の下部板M1cを滑り込ませ、軸穴M1eの中心と可動軸G1aの軸線を一致させて可動軸G1aを解放すればよい。この操作を逆の手順で行えばガラス扉枠10を前枠2から外すこともできる。
【0015】
ところで、前枠2の上部ヒンジ具M1は、図4に示したように上部板M1bと下部板M1cの軸穴M1d,M1eの位置をずらしてある。すなわち、第一に下部板M1cの軸穴M1eを、上部板M1bの軸穴M1dより外枠1からの突出寸法が小さくなるように設定してある。こうすることにより下部板M1cがガラス扉枠10の中にすっきりと収まる。第二に下部板M1cの軸穴M1eを、上部板M1bの軸穴M1dより内寄りにずらし、さらに、ガラス扉枠10の回動中心より外側にはみ出している部分Zが旋回するための遊び空間Sが前枠2のヒンジ側の側縁前面に溝状に形成してある。こうすることにより、図5二点鎖線で示したごとく、ガラス扉枠10を台間球貸機18の球出し部18aに邪魔されることなく90度以上に広く開放することができる。因に、下部板M1cの軸穴M1eをガラス扉枠10の縁に寄せると、ガラス扉枠10が台間球貸機18の球出し部18aにぶつかって開き角度が90度以下と小さくなる。
【0016】
その他、図3において、19は周枠5に設けた機構板取付用の軸受金具、20は機構板固定用の蝶型摘み、21は前枠2を外枠1に固定するための係合片、22は発射モータ、23は補強用並びに防犯用に前枠2裏面に設けた金属製の剛性板、24は入賞したパチンコ球を集めて機構板の入賞球処理装置に導くための入賞球集合カバーである。また、図6,図7において、25は前枠2のヒンジ側の縁に設けられた前枠2側の防犯板、26はガラス扉枠10のヒンジ側の縁に設けられた防犯板である。前記前枠2側の防犯板25は、外側縁をガラス扉枠10側に捲り上げた形態の誘導部25aを有し、前枠2とガラス扉枠10の隙間に合成樹脂製の帯板(所謂セル板)が不正に差し込まれた場合に、その帯板を誘導部25aに誘い込んで前記周枠5の側面に衝突させ、それ以上帯板を入らせないようにして動きを封じるものである。また、前記ガラス扉枠10側の防犯板26は、ガラス扉枠10と前枠2の隙間をガラス扉枠10側から塞ぐもので、前記帯板の侵入を阻止する機能を果たす。このガラス扉枠10側の防犯板26と前記前枠2側の防犯板25とを組み合わせることによって帯板(セル板)による不正行為を最も効果的に防止することができる。なお、両防犯板25,26は、ガラス扉枠10の幅を本実施例のように前枠2の幅一杯に拡張した場合の不正防止策として有効に機能する。
【0017】
また、図2において、27はガラス扉枠10の上部に被せたランプカバーである。該ランプカバー27の内部は中空であって、照明用のランプ28は前枠2側に取り付けられている。そして、ガラス扉枠10の金属パネル10bに穿設した通孔29を介してランプ28がランプカバー27内に臨む。係る照明構造にすれば、ランプ28が前枠2側にあって固定的であるため、ガラス扉枠10側にランプ28を組み込む場合に比べて配線が容易であると共に断線などのトラブルが起こり難い。
【0018】
以上本発明を実施例について説明したが、もちろん本発明は上記実施例に限定されるものではない。例えば、各ヒンジ具の軸と軸穴の関係を逆転させるようにしてもよい。
【0019】
【発明の効果】
本発明のパチンコ機は、前枠に取り付けた一個の上部ヒンジ具で、外枠と前枠、及び、前枠とガラス扉枠の各上部を軸着することができるため、ヒンジ部品を取付ける手間を従来に比べて大幅に短縮することができる。また、前枠の上部ヒンジ具は構造が簡単であるから安価に製造することができ、且つ、部品点数の減少をもたらすため、部品コストの削減が可能になる、などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 各上部ヒンジ具を示す斜視図である。
【図2】 パチンコ機の正面図である。
【図3】 背面から見た前枠の斜視図である。
【図4】 要部を示すパチンコ機の一部断面平面図である。
【図5】 要部を示すパチンコ機の断面平面図である。
【図6】 ガラス扉枠を開いて示す前枠上部の斜視図である。
【図7】 ガラス扉枠を開いて示す前枠下部の斜視図である。
【符号の説明】
P …パチンコ機
1 …外枠
2 …前枠
10…ガラス扉枠
13 …スリット
M1…前枠の上部ヒンジ具
M1a…取付基板
M1b…上部板
M1c…下部板
M1d…軸穴
M1e…軸穴
M2…前枠の下部ヒンジ具
S1 …外枠の上部ヒンジ具
S2 …外枠の下部ヒンジ具
G1e…軸
Claims (1)
- 外枠の前面に前枠が回動自在に装着されると共に、該前枠にガラス扉枠が回動自在に装着され、
外枠の一側に上部ヒンジ具と下部ヒンジ具とが固着される一方、前枠の一側に上部ヒンジ具と下部ヒンジ具とが固着され、
前記前枠の上部ヒンジ具には、前記前枠に固着される取付基板と、該取付基板の上部から前向き突設され軸穴又は軸が設けられた上部板と、前記取付基板の下部から前向き突設され軸穴又は軸が設けられた下部板とが形成されるとともに、前記上部板の軸穴又は軸と前記下部板の軸穴又は軸との間において、前記取付基板に、前記前枠を開閉する場合に前記外枠の上部ヒンジ具が干渉しないように空間部が形成され、
前記前枠の上部ヒンジ具の上部板が前記外枠の上部ヒンジ具に軸着され、また、下部板が前記ガラス扉枠に軸着されるパチンコ機であって、
前記前枠の上部ヒンジ具の上部板が前記外枠の上部ヒンジ具に対してその上面側から軸着されるとともに、前記前枠の下部ヒンジ具が前記外枠の下部ヒンジ具に対してその上面側から軸着され、
前記ガラス扉枠の一側上部には、該ガラス扉枠の側辺の途中位置に設けられるスリットと、前記前枠の上部ヒンジ具の下部板が前記スリットに挿入された状態において前記下部板に設けられる軸穴又は軸が軸着される軸又は軸穴とが設けられていることを特徴とするパチンコ機。
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