JPH0712597Y2 - コントロールパネルの蓋部開閉機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、VTR等のコントロールパネルの蓋部を開閉す
るコントロールパネルの蓋部開閉機構に関する。

［考案の概要］ 本考案は、上部パネルとこの下方の蓋部とを有し、この
蓋部が閉位置と開位置の間でケース本体に対して回転自
在に支持され、この開位置で収納の基板が引き出される
コントロールパネルにおいて、 前記ケース本体と前記蓋部の上端とには一方に垂直方向
の長溝を他方にこの長溝内に挿入されるガイドピンをそ
れぞれ設けると共に、このガイドピンを前記長溝内で移
動させながら前記蓋部が回転するよう前記ケース本体と
前記蓋部とにリンク部材の両端を回転自在に支持するこ
とにより、 前記蓋部の上端が開位置では閉位置より下方に位置する
ため、前記上部パネルの操作つまみ等の配置状態に拘わ
らず前記蓋部の開位置を閉位置より90°の回転位置にで
き汎用性のある蓋部開閉機構を提供できる。

［従来の技術］ VTR等の電気機器内には電子部品をマウントした基板が
収納され、この基板はメインテナンスの便宜等のためケ
ースから引き出し可能に構成される。そして、メインテ
ナンスの便宜等よりコントロールパネルに基板引き出し
用の蓋部が設けられ、第５図〜第７図にその従来の構成
が示されている。

第５図及び第６図において、ケース本体２内には基板21
が複数収納され、このケース本体２の前面にコントロー
ルパネル３が配置されている。コントロールパネル３は
上部パネル４とこの下方に位置する蓋部５とさらにその
下方の下部パネル７から成る。上部パネル４はケース本
体２に固定され、この上部パネル４には操作部である操
作つまみ６等が設けられている。蓋部５は蓋部開閉機構
Ａにてケース本体２に対して回転自在に支持されている
と共にこの蓋部５にも操作つまみ６等が設けられてい
る。

蓋部開閉機構Ａは、第７図に詳しく示すように、蓋部５
の両側に蓋フレーム部材８を有すると共に、ケース本体
２の前面両側にケース側取付部材９をそれぞれ有し、蓋
フレーム部材８の上端位置で蓋フレーム部材８とケース
側取付部材９とが回転ピン20にて支持されている。又、
蓋フレーム部材８の略中央箇所には第１ロック用リンク
部材15の一端が軸支され、ケース側取付部材９の下方に
は第２ロック用リンク部材16の一端が軸支されている。
第１ロック用リンク部材15と第２ロック用リンク部材16
の双方の他端は回転ピン17を介して連結されており、こ
の回転ピン17の箇所にロック手段18が設けられている。
ロック手段18はロック解除位置で第１ロック用リンク部
材15と第２ロック用リンク部材16間の回転を許容し、ロ
ック位置で第１ロック用リンク部材15と第２ロック用リ
ンク部材16間の回転を不能とする。

而して、第５図の閉位置にあってロック手段18をロック
解除位置にして矢印方向に回転力を加えると、蓋部５が
回転ピン20を中心に回転して第６図に示す開位置の状態
になる。そして、ロック手段18をロック位置にして内部
の基板21を引き出すことができ、上記と反対の動作によ
って蓋部５を閉位置にすることができる。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、上記蓋部開閉機構Ａにおいては、蓋部５
が単に回転ピン20を中心として回転するので、蓋部５の
上端が上部パネル４の近接位置に位置するためにこの位
置に第５図及び第６図に示す如く操作つまみ６があると
蓋部５の開位置を閉位置より90°の回転位置（図面上で
は水平位置）にすることができない。すると、内部の基
板21を引き出すことが不可能となる場合があり、操作つ
まみ６の配置について制約を受けるため従来の蓋部開閉
機構Ａは汎用性のあるものではなかった。

そこで、本考案は上部パネルの操作部の配置状態にかか
わらず蓋部の開位置が閉位置より90°の回転位置となり
汎用性のあるコントロールパネルの蓋部開閉機構を提供
することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するための本考案にかかるコントロール
パネルの蓋部開閉機構は、上部パネルとこの上部パネル
の下方に位置する蓋部とを有し、前記上部パネルには操
作部が設けられ、前記上部パネルがケース本体に対して
固定され、前記蓋部が前記ケース本体に対して閉位置と
開位置の間で回転自在に支持され、この開位置で前記ケ
ース本体内に収納された基板が引き出し可能なコントロ
ールパネルにおいて、 前記ケース本体と前記蓋部の上端とには一方に垂直方向
に延びる長溝を他方にこの長溝内に挿入されたガイドピ
ンをそれぞれ設けると共に、前記ケース本体と前記蓋部
にはリンク部材の両端をそれぞれ回転自在に設け、前記
ガイドピンが前記長溝内を移動しながら前記蓋部が回転
するよう構成したものである。

［作用］ 閉位置にある蓋部に回転力を与えると、リンク部材が回
転位置を変えガイドピンが長溝内を移動しながら蓋部が
リンク部材の回転支点を中心に回転する。この回転に際
して蓋部の上端に位置するガイドピン又は長溝が徐々に
下方に変位するので、蓋部の上端は開位置では閉位置の
ときよりも下方に位置するため上部パネルの操作部の配
置状態に拘わらず蓋部の開位置を閉位置より90°の回転
位置にできる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面を用いて説明する。

第１図乃至第４図には本考案の一実施例が示されてい
る。

第２図にはコントロールパネル３の正面図が、第３図に
は蓋部５が閉位置にある状態を示す側面図が、第４図に
は蓋部５が開位置にある状態を示す側面図がそれぞれ示
されている。第２図乃至第４図において、ケース１はケ
ース本体２とこのケース本体２の開口前面を塞ぐコント
ロールパネル３とから成り、ケース１内には複数の基板
21が間隔を隔てて並設されている。この各基板21はケー
ス本体２にスライド自在に支持され、下記する蓋部５か
ら挿入・引き出し可能に設けられている。

コントロールパネル３は上部パネル４とこの上部パネル
４の下方に位置する蓋部５とさらにその下方の下部パネ
ル７とから成る。上部パネル４はケース本体２に例えば
ネジを用いて固定され、この上部パネル４の表面には操
作部である操作つまみ６等が設けられている。蓋部５は
蓋部開閉機構Ａにてケース本体２に対して回転自在に支
持されている。

第１図には蓋部開閉機構Ａの側面図が示されている。第
１図において、蓋部５の両側には蓋フレーム部材８がそ
れぞれ取り付けられ、又、ケース本体２の前面部両側に
はケース側取付部材９がそれぞれ取り付けられている。
蓋フレーム部材８の上端にはガイドピン10が設けられ、
このガイドピン10がケース側取付部材９の長溝11に挿入
されている。ガイドピン10はこの長溝11内を移動可能で
あり、この長溝11は垂直方向に延びている。また、蓋フ
レーム部材８の前記ガイドピン10の近傍にはリンク部材
12の一端が回転ピン13を介して連結されている。このリ
ンク部材12の他端はケース側取付部材９の前記長溝の下
方位置に回転ピン14を介して連結されており、ガイドピ
ン10が長溝11内を移動しながら蓋部５が回転されるべく
構成されている。さらに、蓋フレーム部材８の略中央箇
所には第１ロック用リンク部材15の一端が軸支され、
又、ケース側取付部材９の下方には第２ロック用リンク
部材16の一端が軸支されている。第１ロック用リンク部
材15と第２ロック用リンク部材16の双方の他端は回転ピ
ン17にて連結されていると共にこの回転ピン17の箇所に
はロック手段18が設けられている。ロック手段18はロッ
ク解除位置で第１ロック用リンク部材15と第２ロック用
リンク部材16間の回転を許容し、ロック位置で第１ロッ
ク用リンク部材15と第２ロック用リンク部材16間の回転
を不能とする。

上記構成において、蓋部５を閉位置から開位置にするに
は、先ず、第３図の閉位置にあってロック手段18をロッ
ク解除位置にして第３図の矢印方向に回転力を与える。
すると、リンク部材12が回転位置を変え、且つ、ガイド
ピン10が長溝11内を下方に移動しながら蓋部５がリンク
部材12の回転ピン13を中心に回転する。この回転に際し
て、蓋部５の上端が下方に変位し、蓋部５の上端が上部
パネル４の操作つまみ６等に衝突することなく回転され
るため、蓋部５が第４図に示す如く水平方向となる開位
置（閉位置から90°回転位置）になる。次に、ロック手
段18をロック位置として蓋部５をこの位置で固定すれば
よい。そして、内部の基板21を外部に引き出してメイン
テナンス等を行い、メインテナンス等が終わると上記と
逆の動作によって第３図の閉位置に戻すことができる。

尚、この実施例においては、蓋フレーム部材８にガイド
ピン10を、ケース側取付部材９に長溝11をそれぞれ設け
たが、反対に蓋フレーム部材８に長溝11を、ケース側取
付部材９にガイドピン10をそれぞれ設けてもよい。

尚、また、この実施例においては、第１ロック用リンク
部材15と第２ロック用リンク部材16とを設け、これらに
ロック手段18を設けて蓋部５のロックを行うよう構成し
たが、リンク部材12の回転ピン13,14の箇所、又はガイ
ドピン10の箇所にロック手段18を設ければ部品点数の削
減、構成の簡略化となる。

［考案の効果］ 以上述べたように本考案によれば、ケース本体と蓋部の
上端とに一方に長溝を他方にガイドピンを設け、このガ
イドピンを長溝内で移動させながら蓋部が回転するよう
ケース本体と蓋部とにリンク部材の両端を回転自在に支
持したので、蓋部の上端が開位置では閉位置より下方に
位置するために上部パネルの操作部配置状態に拘わらず
蓋部の開位置を閉位置より90°の回転位置にできるた
め、汎用性があるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例を示し、第１図は
蓋部開閉機構の側面図、第２図はコントロールパネルの
正面図、第３図は蓋部が閉位置にある状態を示す側面
図、第４図は蓋部が開位置にある状態を示す側面図であ
り、第５図乃至第７図は従来例を示し、第５図は蓋部が
閉位置にある状態を示す側面図、第６図は蓋部が開位置
にある状態を示す側面図、第７図は蓋部開閉機構の側面
図である。 Ａ……蓋部開閉機構、３……コントロールパネル、４…
…上部パネル、５……蓋部、６……操作つまみ、10……
ガイドピン、11……長溝、12……リンク部材、21……基
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上部パネルとこの上部パネルの下方に位置
   する蓋部とを有し、前記上部パネルには操作部が設けら
   れ、前記上部パネルがケース本体に対して固定され、前
   記蓋部が前記ケース本体に対して閉位置と開位置の間で
   回転自在に支持され、この開位置で前記ケース本体内に
   収納された基板が引き出し可能なコントロールパネルに
   おいて、 前記ケース本体と前記蓋部の上端とには一方に垂直方向
   に延びる長溝を他方にこの長溝内に挿入されたガイドピ
   ンをそれぞれ設けると共に、前記ケース本体と前記蓋部
   にはリンク部材の両端をそれぞれ回転自在に設け、前記
   ガイドピンが前記長溝内を移動しながら前記蓋部が回転
   するよう構成し、前記蓋部の回転をロック解除位置で許
   容し、ロック位置で阻止するロック手段を設けたことを
   特徴とするコントロールパネルの蓋部開閉機構。