JP4257497B2 - 真空蒸着方法及び真空蒸着装置、並びにこの真空蒸着方法により製造したelパネル - Google Patents

真空蒸着方法及び真空蒸着装置、並びにこの真空蒸着方法により製造したelパネル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板の表面に真空蒸着によって所定のパターンの蒸着膜を形成するための真空蒸着方法及び真空蒸着装置に関するものであり、特にR,G,Bの各色で発色するEL素子のドットパターンを形成したELディスプレイ用パネルを製造するのに好適な真空蒸着方法及び真空蒸着装置と、さらに真空蒸着方法により製造したELディスプレイ用パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄型で消費電力も少ないディスプレイ装置として、ガラス基板にEL素子(エレクトロルミネッセンス素子)のドットパターンを形成したディスプレイ用パネル(以下、ELパネルという)が開発され、実用化も始まっている。ELパネルはR,G,Bの各色で発色するEL素子のドットパターンをガラス基板の表面に密に形成するが、パターンの微細化、ガラス基板への固着強度等の観点から、パターン形成は真空蒸着方式で行なわれる。真空蒸着は、内部を真空状態にしたチャンバの下部位置に蒸着源を配置し、またこの蒸着源の上部位置には蒸着される基板を着脱可能に保持するホルダ部材を設けたものであり、蒸着源としては、加熱手段を備えた坩堝に蒸着物質を入れ、この坩堝を加熱することによって、蒸着物質を蒸発させて、ホルダ部材に保持された基板の下面に蒸着物質を付着させるようにしたものである。
【0003】
ここで、ELパネルを形成する場合において、基板はガラス基板であり、このガラス基板の蒸着膜形成面にマスク板を正確に密着させた状態にして装着しなければならない。このために、ホルダ部材をシートマグネットで形成して、このシートマグネットの磁力でガラス基板とそのマスク板をホルダ部材に引き付けるようにして保持する構成としたものは従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このように、マグネット吸着によって、ガラス基板及びマスク板をホルダ部材に相対位置決めした状態でガラス基板のパターン形成面を下方に向けて配置することによって、マスク板のパターンを有する蒸着物質がガラス基板の蒸着膜形成面に成膜される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−105622号公報(第3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガラス基板に蒸着膜を形成するに当っては、それぞれパターンを変えてR,G,Bの3色の蒸着を行なわなければならない。つまり、1枚のガラス基板に蒸着膜を形成する場合、3枚のマスク板を交換して使用しなければならないことになる。しかも、マスク板のガラス基板からの取り外しは蒸着膜が形成された後に行なわれることになる。従って、従来技術で説明したように、ホルダ部材にマスク板をシートマグネットで吸着させるようにした場合には、ホルダ部材を真空蒸着チャンバの内部から取り出さなければ、マスク板の交換を行うことができないことになり、1枚のELパネルを製造するのに多大の時間と費用とが必要となるという問題点がある。また、マスク板を交換するに当っては、シートマグネットにより吸着されているマスク板を強制的に分離する必要があり、このマスク板を分離する際に、ガラス基板に形成した蒸着膜のパターンが損傷する可能性もある等といった不都合も生じる。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、マスク板を接合させたガラス基板からなるマスク接合基板をその支持部材に固定的に保持させて蒸着を行うに当って、マスク板への着脱を真空内で容易に、しかも確実に行え、しかも膜付けの精度が極めて高くなるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するために、本発明の真空蒸着方法に関する第1の方法としては、真空蒸着によりガラス基板の表面に磁性金属材からなるマスク板を装着して、このマスク板に形成したマスクパターンが転写されるように蒸着膜を形成するものであって、それぞれマスク板の複数箇所に対して磁力の作用で着脱可能に吸着する磁力吸着手段を設けたマスク搭載部材及び基板支持部材を真空蒸着チャンバの外部に配置し、前記基板支持部材にはガラス基板を、その蒸着膜形成面を上方に向けて、磁力による吸着力を作用させない状態にして設置し、また前記マスク搭載部材はガラス基板の上方位置で、マスク板に吸着力を作用させた状態で相対位置合わせし、前記マスク搭載部材に支持させたマスク板と前記基板支持部材に支持させたガラス基板とを当接させて、前記基板支持部材によりガラス基板を介してマスク板に対して磁力による吸着力を作用させて、マスク板をガラス基板の蒸着膜形成面に密着させてマスク接合基板となし、前記マスク搭載部材からマスク板に対する磁力を解除させ、前記基板支持部材に支持されているマスク接合基板をマスク板が下方に向くように反転させて搬送部材に移載して、この搬送部材によりマスク接合基板を前記真空蒸着チャンバ内に搬入するようになし、前記真空蒸着チャンバ内に磁力吸着手段を有するホルダ部材を配置して、前記搬送部材から前記マスク接合基板のマスク板を磁力で吸着させて、このマスク接合基板を蒸着源に対面する位置に変位させ、この蒸着源からこのマスク板を介してガラス基板の蒸着膜形成面に所定パターンの蒸着物質を付着させることをその特徴とするものである。
【0009】
そして、ガラス基板の表面にR,G,Bの三原色で発光するEL素子のドットパターンを順次真空蒸着により形成する方法としては、第1のマスクパターンを有する第1のマスク板をガラス基板の蒸着膜形成面に位置合わせした状態で、複数箇所に磁力吸着手段を設けた基板搭載手段上で、ガラス基板を介して第1のマスク板を磁力により吸着させて、この第1のマスク板をガラス基板の蒸着膜形成面にほぼ全面で密着させ、前記基板搭載手段を反転させることによって、第1のマスク板が下側になるようになし、ガラス基板の蒸着膜形成面とは反対側の面を搬送部材に当接させて、真空蒸着チャンバ内に搬送し、次いでこの搬送部材から磁力吸着手段を有するホルダ部材の下面に、第1のマスク板に磁力を作用させて、第1のマスク板とガラス基板とからなるマスク接合基板をホルダ部材により固定的に保持させて、第1の蒸着物質による蒸着を行う工程と、この第1の蒸着物質による蒸着終了後に、前記ホルダ部材に保持されているマスク接合基板を移載手段に受け取って、このホルダ部材による磁力の作用を解除して、反転手段でマスク接合基板を反転させて、マスク接合基板の第1のマスク板が上方に向くように配置させて、このマスク板を上方から取り外す工程と、前記第1の蒸着物質を蒸着したガラス基板の蒸着膜形成面を、複数箇所に磁力吸着手段を設けた基板搭載手段上に配置して、第2のマスクパターンを有する第2のマスク板を位置合わせし、ガラス基板と第2のマスク板との間を磁力により吸着させて、この第2のマスク板を蒸着膜形成面にほぼ全面で密着させ、前記基板搭載手段を反転させることによって、第2のマスク板が下側になるようになし、ガラス基板の蒸着膜形成面とは反対側の面を搬送部材に当接させて、真空蒸着チャンバ内に搬送し、次いでこの搬送部材から磁力吸着手段を有するホルダ部材の下面に、第2のマスク板に磁力を作用させて、第2のマスク板とガラス基板とからなるマスク接合基板をホルダ部材により固定的に保持させて、第2の蒸着物質による蒸着を行う工程と、この第2の蒸着物質による蒸着終了後に、前記ホルダ部材に保持されているマスク接合基板を移載手段に受け取って、このホルダ部材による磁力の作用を解除して、反転手段でマスク接合基板を反転させて、マスク接合基板の第2のマスク板が上方に向くように配置させて、このマスク板を上方から取り外す工程と、前記第1,第2の蒸着物質を蒸着したガラス基板の蒸着膜形成面を、複数箇所に磁力吸着手段を設けた基板搭載手段上に配置して、第3のマスクパターンを有する第3のマスク板を位置合わせし、ガラス基板と第3のマスク板との間を磁力により吸着させて、この第3のマスク板を蒸着膜形成面にほぼ全面で密着させ、前記基板搭載手段を反転させることによって、第3のマスク板が下側になるようになし、ガラス基板の蒸着膜形成面とは反対側の面を搬送部材に当接させて、真空蒸着チャンバ内に搬送し、次いでこの搬送部材から磁力吸着手段を有するホルダ部材の下面に、第3のマスク板に磁力を作用させて、第3のマスク板とガラス基板とからなるマスク接合基板をホルダ部材により固定的に保持させて、第3の蒸着物質による蒸着を行う工程とからなることを特徴とする。
【0010】
さらに、真空蒸着によって、ガラス基板の表面に所定のパターンとなるように蒸着膜を形成する本発明の装置の構成としては、それぞれマスク板の複数箇所に対して磁力の作用で着脱可能に吸着する磁力吸着手段が設けられ、磁性金属材からなるマスク板を下面で磁力による吸着を行うマスク搭載部材と、ガラス基板を、その蒸着膜形成面を上に向けた状態で保持する基板支持部材とを備え、これらマスク搭載部材と基板支持部材との間で、マスク板とガラス基板とを位置合わせをして、前記基板支持部材の磁力吸着手段によってガラス基板を介してマスク板を吸着させ、前記マスク搭載部材による磁力を解除することによって、前記基板支持部材上でマスク板をガラス基板の蒸着膜形成面に密着させるマスク板搭載機構と、前記基板支持部材を反転可能な構成となし、マスク板をガラス基板に密着させたマスク接合基板に磁力による吸着力を作用させた状態で反転させたマスク板を当接させて保持し、このマスク接合基板を前記真空チャンバの外から内部に搬入する搬送部材と、前記真空チャンバ内に設けられ、磁力の作用で着脱可能に吸着する磁力吸着手段を有し、磁力による吸着力により前記搬送部材上のマスク接合基板をマスク板が下方に向く状態にして保持するホルダ部材とを備える構成としたことをその特徴とするものである。
【0011】
さらにまた、ガラス基板の表面にR,G,Bの三原色で発光するEL素子のドットパターンを順次真空蒸着により形成する装置の構成は、R,G,Bの各色の蒸着源を設置し、かつこれら各蒸着源が順次臨む位置の上部位置にマスク板を下方に向けガラス基板を当接させた状態で、このマスク板を磁力の作用で吸着し、かつ磁力の作用を解除することにより脱着可能なホルダ部材を配置した真空蒸着チャンバと、それぞれマスク板の複数箇所に対して磁力の作用で着脱可能に吸着する磁力吸着手段と、この磁力吸着手段によりマスク板に対する磁力の作用を解除する脱着手段とを備えたマスク搭載部材及び基板支持部材が設けられ、前記基板支持部材はガラス基板を、その蒸着膜形成面を上方に向けて、磁力による吸着力を作用させない状態にして設置し、また前記マスク搭載部材はガラス基板の上方位置で、マスク板を磁力による吸着力を作用させた状態で対向配設して、ガラス基板の蒸着膜形成面にマスク板を位置合わせする位置合わせ手段を設けたマスク接合ステージと、前記マスク接合ステージと前記真空蒸着チャンバとの間に配置され、前記基板支持部材に反転手段を設けて、この反転手段によりマスク板を密着させたガラス基板からなるマスク接合基板を反転させて、反転後のマスク接合基板を前記真空チャンバ内に搬入する搬送部材を有する蒸着前反転ステージと、前記真空蒸着チャンバから取り出され真空蒸着終了後のマスク接合基板を磁力により吸着して反転させる反転させる部材が位置する蒸着後反転ステージと、前記マスク接合ステージには、新たなガラス基板を導入し、成膜後のガラス基板を搬出する基板導入・導出部と、新たなマスク板を供給し、使用済みのマスク板を排出するマスク板供給・排出部とを設ける構成としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の一形態について説明する。まず、図1に真空蒸着装置の全体構成図を示す。同図において、1は真空蒸着チャンバ、2はマスク交換チャンバ、3は蒸着前反転チャンバ、4は蒸着後反転チャンバをそれぞれ示す。そして、真空蒸着チャンバ1と蒸着前反転チャンバ3及び蒸着後反転チャンバ4との間は、それぞれシャッタ5,6を介して接続されており、またマスク交換チャンバ2と蒸着前反転チャンバ3及び蒸着後反転チャンバ4との間も、同様に、シャッタ7,8を介して接続されている。
【0013】
マスク交換チャンバ2には、基板搬入・搬出部2aとマスク板導入・排出部2bとが設けられている。基板搬入・搬出部2aの外部にはガラス基板10のストッカ部11が配置されると共に、搬送コンベア12が設けられている。従って、ストッカ部11からガラス基板10を1枚ずつ(若しくは複数枚同時に)マスク交換チャンバ2内に導入され、また膜付けが完了したガラス基板10は、搬送コンベア12に載置されて、次の工程に送り込まれるようになっている。ここで、ガラス基板10には3種類の蒸着パターンによる成膜が行なわれるようになっており、このためにマスク板導入・排出部2bには3種類のマスク板13R,13G,13B(以下において、マスク板の種類を特定しない場合には、符号13を用いる)が設けられている。
【0014】
マスク板13は、磁性金属材、例えばステンレス等の部材で構成される。そして、図2(a)及び(b)に示したように、マスク板13には多数のドットパターンの打ち抜き部14が形成されており、真空蒸着時にはこの打ち抜き部14のパターンがガラス基板10に転写される。この場合において、ドットパターンの転写精度を高めるには、マスク板13の厚みをできるだけ薄くする必要がある。マスク板13は極めて薄い金属板から構成されることから、このマスク板13の外周部には保形性を持たせるために金属製の補強枠15が取り付けられている。
【0015】
マスク交換チャンバ2にガラス基板10が導入されると、これら3種類のマスク板13R,13G,13Bのいずれか1枚が接合されて、マスク接合基板となし、このマスク接合基板は蒸着前反転チャンバ3を経て真空蒸着チャンバ1において、このマスクパターンが転写されるように成膜が行われて、蒸着後反転チャンバ4からマスク交換チャンバ2に移行させて、マスク板の交換(例えばマスク板13Rから13Gに)が行われる。その後に、再び蒸着前反転チャンバ3から真空蒸着チャンバ1に送り込まれて、2種類目のマスクパターンによる成膜が行われ、蒸着後反転チャンバ4を経てマスク交換チャンバ2に戻った後、3種類目のマスク板(例えばマスク板13B)と交換されて、前述と同様の動作を繰り返すことにより、ガラス基板10に対する膜付けが全て完了し、基板導入・導出部2aから搬出され、新たなガラス基板10が搬入される。なお、ガラス基板10のマスク交換チャンバ2への導入及び導出と、マスク板の搬入及び排出とは、それぞれの部位に設けたロボット(図示せず)により行われる。
【0016】
従って、マスク交換チャンバ2では、ガラス基板10の搬入及びその位置決め、マスク板13とのアライメント、マスク板13のガラス基板10への接合等の作業が行なわれる。また、マスク交換チャンバ2に蒸着後反転チャンバ4からガラス基板10が移行したときには、まず蒸着後のマスク板13を取り外す作業が行われる。なお、マスク板の取り外しと、新たなマスク板の装着とを別のチャンバで行うようにすることもできる。
【0017】
マスク交換チャンバ2には、図3に示したように、ガラス基板10とマスク板13との接合時の支持部材としての基板支持台20と、マスク板13を供給するマスク板搭載手段21と、テレビカメラ22とが設けられている。ガラス基板10がマスク交換チャンバ2内に搬入されると、基板支持台20上に載置される。なお、この基板支持台20には、ガラス基板10の位置決め手段を設けておくのが望ましい。マスク板搭載手段21は、その下面にマスク板13を保持して、テレビカメラ22からマスク板13及びガラス基板10に設けたアライメントマーク等を基準として、相互に位置ずれがある場合には、マスク板搭載手段21のX,Y,θ方向の位置調整を行うようにしている。なお、テレビカメラ22によってマスク板13のアライメントマークとガラス基板10のアライメントマークとを同時に視野に入れるために、マスク板搭載手段21には、テレビカメラ22の視野と一致する部位には通し孔21aが設けられている。
【0018】
ここで、マスク交換チャンバ2の内部は真空状態としている。そして、マスク板13はマスク板搭載手段21の下側に保持されることから、その保持力は磁力によるものとする。このために、マスク板搭載手段21には磁力吸着部材23が装着されている。また、基板支持台20は、後述するように反転する部材であり、この反転時にマスク板13に磁力による吸着力を発揮させる必要があるので、やはり磁力吸着部材23が装着される。さらに、真空蒸着を実行する際に、マスク接合基板16はホルダ部材50の下面に保持されるので、磁力吸着部材23が設けられる。
【0019】
そこで、磁力吸着部材23の具体的な一例を図4に示す。図中において、30は磁石であり、この磁石30は永久磁石であって、台板31(マスク板搭載手段21,基板支持台20及び後述するホルダ部材50)に設けた凹部32内に装着されている。磁石30には凹部32を覆う覆い板33との間にばね34が介装されており、このばね34の作用により最下降位置に保持されている。従って、この位置では台板31の表面31aにまで磁力による吸着力が及ぶ吸着可能状態になり、磁性金属材からなるマスク板13を間にガラス基板10を介さず、またはガラス基板10を介して保持できる。そして、磁石30には作動ロッド35が連結して設けられており、この作動ロッド35は台板31を貫通して外部に導出されている。
【0020】
作動ロッド35の先端部には解除板36が連結して設けられている。この解除板36を引っ張ると、磁石30はばね34の付勢力に抗して台板31の表面31aから離間する方向に変位して、ガラス基板10を分離できる脱着状態となる。その結果、マスク板13に対する磁力による吸着力が解除されて、マスク板13が脱着することになる。このために、磁石30の駆動部材37が設けられている。この駆動部材37は、駆動ロッド38の先端に解除板36を抱持可能な引き手39を連結したものから構成される。図4において、右側の状態では台板31の表面31aにマスク板13を吸着できる吸着可能状態となり、また左側に示したように、駆動部材37により磁石30を引き上げると、磁石30によるマスク板13への吸着力が解除される脱着状態となる。
【0021】
以上の磁力吸着部材23は、マスク板搭載手段21及び基板支持台20を構成する各台板31に縦横に複数設けられている。従って、マスク板13をマスク板搭載手段21に保持させる際には、台板31のほぼ中央に位置する磁力吸着部材23でマスク板13を吸着し、次いで順次周辺部の磁力吸着部材23による吸着力を作用させることによって、マスク板13はその全面にわたってマスク板搭載手段21の台板31に密着する。
【0022】
このようにして、マスク板搭載手段21の台板31にマスク板13を当接させて、磁力吸着部材23の作用によりマスク板13を保持し、テレビカメラ22によってガラス基板10に対してアライメントした上で、マスク板13側若しくはガラス基板10側の位置補正を行うようにする。そして、マスク板搭載手段21を下降させることによって、マスク板13をガラス基板10に当接させる。ここで、マスク板搭載手段21はマスク板13のほぼ全面にわたって当接していることから、マスク板搭載手段21によってマスク板13をガラス基板10に押圧することによって、マスク板13はガラス基板10に対して全面的に密着することになる。
【0023】
ここで、極めて薄いマスク板13をガラス基板10に完全に密着させるのは、ガラス基板10にマスク板13のドットパターンを形成する上で極めて重要である。もし、マスク板13が部分的にガラス基板10から浮いていると、このマスク板13の打ち抜き部14を通過した蒸着物質が周辺に拡散することになり、シャープなドットパターンを形成することができないからである。
【0024】
マスク板13がガラス基板10に実質的に完全に密着すると、マスク板搭載手段21側の磁力吸着部材23によるマスク板13への磁力の作用を解除する脱着状態とする。磁力吸着部材23は磁石30を有するものであり、この磁石30をマスク板13から遠ざけることにより、マスク板13への磁力の作用が失われる。一方、基板支持台20側の磁力吸着部材23は、マスク板13がガラス基板10に密着するまでは脱着状態に保持し、マスク板13がガラス基板10と密着して基板支持台20上に載置された後、マスク板搭載手段21側の磁気吸着部材23を脱着状態とする前若しくは脱着後に基板支持台20側の磁力吸着部材23によってマスク板13に磁力による吸着作用を発揮させる吸着可能状態とする。これによって、マスク板13をガラス基板10に接合したマスク接合基板16が基板支持台20に確実に固定されることになる。
【0025】
次に、基板支持台20は、シャッタ7を介して蒸着前反転チャンバ3内に送り込まれる。図5に示したように、蒸着前反転チャンバ3内には移載手段が設けられている。この移載手段は搬送台40を有し、この搬送台40は、図示しない駆動手段によって、蒸着前反転チャンバ3と真空蒸着チャンバ1との間を往復移動可能であると共に、昇降可能なものとなっている。マスク接合基板16を保持している基板支持台20がこの蒸着前反転チャンバ3内に導入されると、180°反転することになる。その結果、マスク接合基板16が下側に向いて、マスク板13が下面となる。そこで、搬送台40をこのマスク板13に当接する位置まで上昇させる。この状態で、磁石30を吸着可能状態から脱着状態に変位させて、基板支持台20における磁力吸着部材23によるマスク板13への磁力の作用を解除することによって、マスク接合基板16は自重の作用により搬送台40上に移行する。そして、必要に応じて、搬送台40にはクランプ部材を設けておき、搬送台40にマスク接合基板16が載置された状態で、このクランプ部材によりマスク板13の周囲に設けた補強枠15をクランプ保持させるのが望ましい。
【0026】
移載手段を構成する搬送台40に移載されたマスク接合基板16はゲート5を通って真空蒸着チャンバ1内に搬入される。真空蒸着チャンバ1内には、図6に示したように、蒸着時におけるマスク接合基板16の支持部材としてのホルダ部材50が設けられている。そこで、マスク接合基板16を載置した搬送台40を上昇させて、このマスク接合基板16をホルダ部材50の下面に当接させる。搬送台40上のマスク接合基板16は、ガラス基板10が上部側に位置しているので、ホルダ部材50にはガラス基板10が当接する。
【0027】
ホルダ部材50にも磁力吸着部材23が設けられており、搬送台40によって、マスク接合基板16のガラス基板10がホルダ部材50に当接するまでは、磁力吸着部材23の磁石30は脱着状態に保持し、ガラス基板16が完全に当接した後に、磁力吸着部材23の磁石30を吸着可能状態に変位させる。これによって、マスク接合基板16は、ガラス基板10がホルダ部材50に当接し、このガラス基板10の下面に密着したマスク板13が磁力吸着部材23の作用でホルダ部材50に吸着された状態に保持される。なお、このホルダ部材50には、マスク板13の補強枠15をクランプするクランプ部材を装着して、このホルダ部材50に保持させたマスク接合基板16をより安定的に保持することができる。
【0028】
図1に示したように、真空蒸着チャンバ1には3つの蒸着ユニット1R,1G,1Bが設けられており、いずれかの蒸着ユニットが真空蒸着チャンバ1におけるホルダ部材50の下部位置にまで変位する。ここで各蒸着ユニット1R,1G,1Bは、それぞれ異なる蒸着物質51を収容させた坩堝52と、この坩堝52を加熱するヒータ53とから構成され、ヒータ53によって坩堝52内の蒸着物質51を加熱することにより、この蒸着物質51が蒸発することになる結果、ホルダ部材50の下面に保持させたマスク接合基板16に付着する。
【0029】
ここで、ホルダ部材50に保持されているマスク接合基板16を構成するマスク板13はガラス基板10に全面的に密着しているので、蒸着物質の転写精度が極めて良好となり、高精度な膜付けを行うことができる。即ち、ドットパターンが不揃いになったり、周辺部がぼやけたりするおそれはない。しかも、ガラス基板10とマスク板13とは相互にアライメントされた後には、マスク接合基板16として常に密着状態に保持されて、実質的に一体物となるので、マスク板13の厚みを極めて薄いものとすることができ、マスク板13の転写精度をより高くすることができる。
【0030】
真空蒸着チャンバ1内でガラス基板10に対する蒸着膜の形成がなされると、蒸着後反転チャンバ4側から移載手段がこの真空蒸着チャンバ1内におけるホルダ部材50の下部位置に配置されて、この移載手段を上昇させて、蒸着終了後のマスク接合基板16のマスク板13と当接させる。そして、ホルダ部材50の磁力吸着手段23によるマスク接合基板16を脱着することによって、マスク接合基板16を移載手段に移載し、この移載手段を蒸着後反転チャンバ4に移行させる。従って、移載手段にはマスク接合基板16は、ガラス基板10が上を向いた状態となっている。
【0031】
そこで、蒸着後反転チャンバ4内に設けた基板支持台20(または独自の基板反転台)をガラス基板10の上に当接させて、磁力吸着部材23を作動させることによって、ガラス基板10を介してマスク板13を磁力により吸着させる。そして、基板支持台20を移載手段から離間させて、180°反転させる。これによって、マスク板13が上を向く。そこで、基板支持台20をマスク交換チャンバ2に移行させる。そして、マスク板搭載手段21若しくは別途設けたマスク板取外し手段によりマスク板13を吸着させ、基板支持台20の磁力吸着部材23を脱着状態とする。これによって、マスク板13を取り外すことができる。しかも、このマスク板13の取外し時には、それを真直ぐ持ち上げるようにすれば良いことから、ガラス基板10に既に形成されたドットパターンからなる蒸着膜が損傷する等の不都合を生じることはない。
【0032】
以上のようにして、1色のドットパターンがガラス基板10に形成されるが、次にマスク板搭載手段21によって、異なるマスク板13をガラス基板10上に接合させ、前述と同様の方法でこのガラス基板10にドットパターンからなる蒸着膜を形成し、さらにもう一度同じ動作を繰り返すことによって、ガラス基板10に3種類のドットパターンからなる膜付けが行われる。例えば、最初にマスク板13Rを装着した場合には、真空蒸着チャンバ1では蒸着ユニット1Rによる膜付けを行い、次いでマスク板13Gに交換して、真空蒸着チャンバ1で蒸着する際には、蒸着ユニット1Gによる膜付けを行う。さらに、マスク板13Bに交換した後には、真空蒸着チャンバ1内では蒸着ユニット1Bによる真空蒸着を行う。
【0033】
以上の一連の動作を行うに当って、マスク交換チャンバ2へのガラス基板10の搬入、各々のマスク板13R,13G,13Bの導入及び排出、蒸着後のガラス基板10の排出時にのみ装置の内外を通じさせるだけで済む。しかも、マスク交換チャンバ2と真空蒸着チャンバ1との間には、蒸着前反転チャンバ3及び蒸着後反転チャンバ4が介在しており、それぞれの間にシャッタ5〜8が設けられているので、真空蒸着チャンバ1の内部の真空圧が低下するのを極力抑制することができ、1色の膜付け毎に真空蒸着チャンバを開放する必要がない。
【0034】
さらに、基板支持台20、移載手段を構成する搬送台40、ホルダ部材50の面積を大きくし、かつこれら基板支持台20及びホルダ部材50に装着される磁力吸着部材23の数を多くすれば、大判のガラス基板に対して、極めて薄いマスク板を確実に全面密着させているので、大判のガラス基板への蒸着膜の膜付けを行うのに極めて有利なものとなる。
【0035】
ここで、前述した実施の形態においては、マスク接合基板16を基板支持台20から搬送台40に移載して、この搬送台40を真空蒸着チャンバ1内にまで搬送させて、この真空蒸着チャンバ1内に設けたホルダ部材50に保持させるように構成している。そして、搬送台40では、マスク接合基板16は、ガラス基板10が上を向いた状態となっているので、このガラス基板10は自由状態となる。ただし、マスク板13がガラス基板10に密着しているので、搬送台40によってマスク接合基板16が搬送される間にガラス基板10とマスク板13との間で相対位置ずれが生じるおそれはない。
【0036】
しかしながら、ガラス基板10とマスク板13との接合状態を確実に保持させて、ガラス基板10とマスク板13との間のずれを完全に規制するには、ガラス基板10とマスク板13とを位置合わせして接合させた後、真空蒸着が終了するまで磁力による吸着状態を維持させるようにする。つまり、ガラス基板10とマスク板13との接合時の支持部材と、蒸着時の支持部材とを別部材で構成し、その間に搬送台40を介在させて、この搬送台40ではマスク接合基板16に対して吸着力を作用させない状態が生じないようにする方が、ガラス基板10とマスク板13との相対位置ずれ防止機能を発揮させる上でより望ましい。このためには、図8及び図9に示したように、搬送支持台20と同様に、磁力吸着部材23を縦横に複数箇所設けた支持ブロック60を支持部材として、この支持ブロック60によりマスク接合基板16を吸着させて、蒸着前反転チャンバ3において反転させ、さらに真空蒸着チャンバ1内搬入して、この真空蒸着チャンバ1内に設けた支軸(図示せず)に装架させる構成とする。
【0037】
そして、蒸着前反転チャンバ3内には移載用ロボット61が設けられており、この移載用ロボット61は、支持ブロック60の側部等をクランプ保持するハンドリング手段62を有し、このハンドリング手段62はロボット本体63に設けた回動軸63aに取り付けられている。従って、回動軸63aを反転、つまり180°往復若しくは一方向に回動させることによって、支持ブロック60を、そのマスク接合基板16の吸着面60aが上を向いた状態と、下を向いた状態とに変位させるようにしている。そして、支持ブロック60のマスク交換チャンバ2から蒸着前反転チャンバ3への移行は、移載用ロボット61により行うか、または別の搬送手段により行うことができる。
【0038】
支持ブロック60を反転させた後、つまりこの支持ブロック60に設けた磁力吸着部材23によって吸着保持されたマスク接合基板16が下を向いた状態で、移載用ロボット61のハンドリング手段62により真空蒸着チャンバ1内に搬入される。そして、この真空蒸着チャンバ1内に設けた支軸に係脱可能に係合させ、その後に移載用ロボット61は蒸着前反転チャンバ3内に戻される。また、この移載ロボット61と同様の機構が蒸着後反転チャンバ4内にも設けられており、支持ブロック60に吸着保持させたマスク接合基板16に対して真空蒸着が終了した後には、蒸着後反転チャンバ4側の移載用ロボットによって支持ブロック60と共に蒸着後反転チャンバ4内に移載させて、支持ブロック60の反転及びマスク板13の取外しが行われる。
【0039】
以上のように構成することによって、支持ブロック60上にガラス基板10を載置して、その上からマスク搭載手段21によりマスク板13がこのガラス基板10に対して位置合わせした状態で接合された後に、真空蒸着が終了するまでは、支持ブロック60に設けた磁力吸着部材23の作用で固定的に保持されるので、真空蒸着チャンバ1内において、支軸に装架されて真空蒸着が終了するまでの間に、ガラス基板10とマスク板13とが相対的な位置ずれを起こすことは全くなくなる。従って、ガラス基板10への蒸着物質の転写精度は極めて高くなり、より高精度で安定した膜付けを行うことができる。
【0040】
そして、マスク接合基板16は支持ブロック60により吸着保持されているが、支持ブロック60は反転させられること等から、より強力に保持するためには、例えば図9に示したように、マスク板13の周囲に設けた補強枠15をクランプ部材64によってクランプ保持させるようにする。このクランプ部材64は、支持ブロック60の側面に設けたブラケット65に回動自在に連結したクランプレバー66を有し、このクランプレバー66は捩りコイルばね(図示せず)等により、補強枠15を押圧する方向に付勢されている。その結果、支持ブロック60のマスク接合基板16の吸着面60aにはガラス基板10の厚みに相当する受け枠67を設けておき、補強枠15は従ってこの受け枠67に圧接されることになる。また、クランプレバー66には、その回動中心を挟んで補強枠15への当接面とは反対側には解除レバー68が設けられており、この解除レバー68を押動すると、クランプレバー66は支持ブロック60に設けた受け枠67から離間したクランプ解除状態になる。
【0041】
ここで、クランプレバー66を解除するのは、マスク板13をガラス基板10に接合させたり、取り外したりする際であり、このときには支持ブロック60の吸着面60aが上を向いているときである。従って、クランプ解除を行うのは、上方から押動ロッド69によって解除レバー68を押圧することになるので、図9に仮想線で示したように解除レバー68を昇降駆動するように構成する。そして、クランプ解除を行った状態でマスク板13をガラス基板10に接合させることから、押動ロッド69はマスク板搭載手段21と一体に設けるようにしても良い。
【0042】
なお、マスク接合基板を反転させるために、蒸着前及び蒸着後反転チャンバを設けるように構成したが、ロボットを用いて真空蒸着チャンバ内で支持ブロックを反転させることも可能である。この場合には、ロボットは真空蒸着チャンバとマスク交換チャンバとの間に往復移動させるように構成すれば良い。従って、このように構成した場合には、蒸着前及び蒸着後反転チャンバを設ける必要がなくなる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、マスク板を接合させたガラス基板を支持部材に固定的に保持させて蒸着を行うに当って、サイズの大きなガラス基板であっても、マスク板への着脱を真空内で容易に、しかも確実に行え、しかも接合時にはガラス基板とマスク板とを全面で密着させることができ、膜付けの精度が極めて高くなる等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す真空蒸着装置の概略構成図である。
【図2】マスク板の断面図である。
【図3】マスク板とガラス基板とのアライメント機構の構成説明図である。
【図4】磁力吸着部材の構成説明図である。
【図5】反転支持台の作動説明図である。
【図6】ホルダ部材によりマスク接合基板を装着した状態を示す構成説明図である。
【図7】真空蒸着を行っている状態を示す作用説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示すものであって、マスク接合基板を反転及び真空蒸着チャンバへの移載を行う移載ロボットの構成説明図である。
【図9】支持ブロックによるマスク接合基板のクランプ機構の構成説明図である。
【符号の説明】
1 真空蒸着チャンバ 2 マスク交換チャンバ
3 蒸着前反転チャンバ 4 蒸着後反転チャンバ
10 ガラス基板 13 マスク板
16 マスク接合基板 20 基板支持台
21 マスク板搭載手段 23 磁力吸着部材
30 磁石 31 台板
60 支持ブロック 61 移載用ロボット

Claims (7)

  1. 真空蒸着によりガラス基板の表面に磁性金属材からなるマスク板を装着して、このマスク板に形成したマスクパターンが転写されるように蒸着膜を形成する真空蒸着方法であって、
    それぞれマスク板の複数箇所に対して磁力の作用で着脱可能に吸着する磁力吸着手段を設けたマスク搭載部材及び基板支持部材を真空蒸着チャンバの外部に配置し、前記基板支持部材にはガラス基板を、その蒸着膜形成面を上方に向けて、磁力による吸着力を作用させない状態にして設置し、また前記マスク搭載部材はガラス基板の上方位置で、マスク板に吸着力を作用させた状態で相対位置合わせし、
    前記マスク搭載部材に支持させたマスク板と前記基板支持部材に支持させたガラス基板とを当接させて、前記基板支持部材によりガラス基板を介してマスク板に対して磁力による吸着力を作用させて、マスク板をガラス基板の蒸着膜形成面に密着させてマスク接合基板となし、前記マスク搭載部材からマスク板に対する磁力を解除させ、
    前記基板支持部材に支持されているマスク接合基板をマスク板が下方に向くように反転させて搬送部材に移載して、この搬送部材によりマスク接合基板を前記真空蒸着チャンバ内に搬入するようになし、
    前記真空蒸着チャンバ内に磁力吸着手段を有するホルダ部材を配置して、前記搬送部材から前記マスク接合基板のマスク板を磁力で吸着させて、このマスク接合基板を蒸着源に対面する位置に変位させ、この蒸着源からこのマスク板を介してガラス基板の蒸着膜形成面に所定パターンの蒸着物質を付着させる
    ことを特徴とする真空蒸着方法。
  2. マスク板は補強枠を有するものであり、前記マスク接合基板を反転させる前の段階で、この補強枠を前記基板支持部材にクランプさせることを特徴とする請求項1記載の真空蒸着方法。
  3. ガラス基板の表面にR,G,Bの三原色で発光するEL素子のドットパターンを順次真空蒸着により形成する方法であって、
    第1のマスクパターンを有する第1のマスク板をガラス基板の蒸着膜形成面に位置合わせした状態で、複数箇所に磁力吸着手段を設けた基板搭載手段上で、ガラス基板を介して第1のマスク板を磁力により吸着させて、この第1のマスク板をガラス基板の蒸着膜形成面にほぼ全面で密着させ、前記基板搭載手段を反転させることによって、第1のマスク板が下側になるようになし、ガラス基板の蒸着膜形成面とは反対側の面を搬送部材に当接させて、真空蒸着チャンバ内に搬送し、次いでこの搬送部材から磁力吸着手段を有するホルダ部材の下面に、第1のマスク板に磁力を作用させて、第1のマスク板とガラス基板とからなるマスク接合基板をホルダ部材により固定的に保持させて、第1の蒸着物質による蒸着を行う工程と、
    この第1の蒸着物質による蒸着終了後に、前記ホルダ部材に保持されているマスク接合基板を移載手段に受け取って、このホルダ部材による磁力の作用を解除して、反転手段でマスク接合基板を反転させて、マスク接合基板の第1のマスク板が上方に向くように配置させて、このマスク板を上方から取り外す工程と、
    前記第1の蒸着物質を蒸着したガラス基板の蒸着膜形成面を、複数箇所に磁力吸着手段を設けた基板搭載手段上に配置して、第2のマスクパターンを有する第2のマスク板を位置合わせし、ガラス基板と第2のマスク板との間を磁力により吸着させて、この第2のマスク板を蒸着膜形成面にほぼ全面で密着させ、前記基板搭載手段を反転させることによって、第2のマスク板が下側になるようになし、ガラス基板の蒸着膜形成面とは反対側の面を搬送部材に当接させて、真空蒸着チャンバ内に搬送し、次いでこの搬送部材から磁力吸着手段を有するホルダ部材の下面に、第2のマスク板に磁力を作用させて、第2のマスク板とガラス基板とからなるマスク接合基板をホルダ部材により固定的に保持させて、第2の蒸着物質による蒸着を行う工程と、
    この第2の蒸着物質による蒸着終了後に、前記ホルダ部材に保持されているマスク接合基板を移載手段に受け取って、このホルダ部材による磁力の作用を解除して、反転手段で マスク接合基板を反転させて、マスク接合基板の第2のマスク板が上方に向くように配置させて、このマスク板を上方から取り外す工程と、
    前記第1,第2の蒸着物質を蒸着したガラス基板の蒸着膜形成面を、複数箇所に磁力吸着手段を設けた基板搭載手段上に配置して、第3のマスクパターンを有する第3のマスク板を位置合わせし、ガラス基板と第3のマスク板との間を磁力により吸着させて、この第3のマスク板を蒸着膜形成面にほぼ全面で密着させ、前記基板搭載手段を反転させることによって、第3のマスク板が下側になるようになし、ガラス基板の蒸着膜形成面とは反対側の面を搬送部材に当接させて、真空蒸着チャンバ内に搬送し、次いでこの搬送部材から磁力吸着手段を有するホルダ部材の下面に、第3のマスク板に磁力を作用させて、第3のマスク板とガラス基板とからなるマスク接合基板をホルダ部材により固定的に保持させて、第3の蒸着物質による蒸着を行う工程と
    からなる真空蒸着方法。
  4. 真空蒸着によって、ガラス基板の表面に所定のパターンとなるように蒸着膜を形成する装置において、
    それぞれマスク板の複数箇所に対して磁力の作用で着脱可能に吸着する磁力吸着手段が設けられ、磁性金属材からなるマスク板を下面で磁力による吸着を行うマスク搭載部材と、ガラス基板を、その蒸着膜形成面を上に向けた状態で保持する基板支持部材とを備え、これらマスク搭載部材と基板支持部材との間で、マスク板とガラス基板とを位置合わせをして、前記基板支持部材の磁力吸着手段によってガラス基板を介してマスク板を吸着させ、前記マスク搭載部材による磁力を解除することによって、前記基板支持部材上でマスク板をガラス基板の蒸着膜形成面に密着させるマスク板搭載機構と、
    前記基板支持部材を反転可能な構成となし、マスク板をガラス基板に密着させたマスク接合基板に磁力による吸着力を作用させた状態で反転させたマスク板を当接させて保持し、このマスク接合基板を前記真空チャンバの外から内部に搬入する搬送部材と、
    前記真空チャンバ内に設けられ、磁力の作用で着脱可能に吸着する磁力吸着手段を有し、磁力による吸着力により前記搬送部材上のマスク接合基板をマスク板が下方に向く状態にして保持するホルダ部材と
    を備える構成としたことを特徴とする真空蒸着装置。
  5. 前記磁力吸着手段は前記支持部材の前記マスク接合基板への搭載面に近接・離間する磁石で構成したことを特徴とする請求項4記載の真空蒸着装置。
  6. ガラス基板の表面にR,G,Bの三原色で発光するEL素子のドットパターンを順次真空蒸着により形成する装置であって、
    R,G,Bの各色の蒸着源を設置し、かつこれら各蒸着源が順次臨む位置の上部位置にマスク板を下方に向けガラス基板を当接させた状態で、このマスク板を磁力の作用で吸着し、かつ磁力の作用を解除することにより脱着可能なホルダ部材を配置した真空蒸着チャンバと、
    それぞれマスク板の複数箇所に対して磁力の作用で着脱可能に吸着する磁力吸着手段と、この磁力吸着手段によりマスク板に対する磁力の作用を解除する脱着手段とを備えたマスク搭載部材及び基板支持部材が設けられ、前記基板支持部材はガラス基板を、その蒸着膜形成面を上方に向けて、磁力による吸着力を作用させない状態にして設置し、また前記マスク搭載部材はガラス基板の上方位置で、マスク板を磁力による吸着力を作用させた状態で対向配設して、ガラス基板の蒸着膜形成面にマスク板を位置合わせする位置合わせ手段を設けたマスク接合ステージと、
    前記マスク接合ステージと前記真空蒸着チャンバとの間に配置され、前記基板支持部材に反転手段を設けて、この反転手段によりマスク板を密着させたガラス基板からなるマスク接合基板を反転させて、反転後のマスク接合基板を前記真空チャンバ内に搬入する搬送部材を有する蒸着前反転ステージと、
    前記真空蒸着チャンバから取り出され真空蒸着終了後のマスク接合基板を磁力により吸着して反転させる反転させる部材が位置する蒸着後反転ステージと、
    前記マスク接合ステージには、新たなガラス基板を導入し、成膜後のガラス基板を搬出する基板導入・導出部と、新たなマスク板を供給し、使用済みのマスク板を排出するマスク板供給・排出部とを設ける
    構成としたことを特徴とする真空蒸着装置。
  7. 請求項1乃至請求項3の蒸着方法によって、順次R,G,Bの各色に発色するEL素子のドットパターンを形成したELディスプレイ用パネル。
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