JP4244158B2 - レーザ加工装置およびその冷却方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザ光を加工対象物に照射して印字などの加工を行うレーザ加工装置の冷却に関し、例えば熱電冷却加熱素子を使用して空冷で冷却するレーザ加工装置およびレーザ加工装置の冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ加工装置は、レーザ光を所定の領域内において走査して、部品や製品などの加工対象物(ワーク)の表面に対しレーザ光を照射して印字やマーキングなどの加工を行う。このようなレーザ加工装置では、レーザ光を励起させるレーザ励起光源や、励起光を固体レーザ媒質に照射して共振させる共振器等で激しい発熱を伴うため、これを効果的に冷却する機構が必要となる。特に高精度な加工を行うためには、レーザ光の出力を一定に制御する必要があり、そのためには固体レーザ媒質を励起するためのレーザ励起光源の波長を均一に制御することが要求される。レーザ励起光源の励起光は温度依存性があるため、安定して固体レーザ媒質を励起させるにはレーザ励起光源の温度制御が重要となる。同様に固体レーザ媒質の温度管理もレーザ出力を安定化させるために必要となる。レーザを長期にわたって安定して使用するためにも、これらを一定温度に維持して波長を安定化させレーザの寿命を長寿命化させることが重要となり、正確な温度制御を行う冷却機構が要求される。このようなレーザ加工装置の発熱部分を冷却する手法には、水冷、空冷等の様々な方式がある。例えば特許文献1に示すレーザ装置では、ペルチェ素子を用いてレーザ励起部を冷却している。ペルチェ素子は半導体のpn接合に電流を流すことで熱移動を生じさせる素子であり、通電量によって熱量を制御できるため温度制御に好適である。このペルチェ素子を放熱板に接触させ、放熱板を介してレーザ励起部を冷却する。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−166737号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、レーザ励起部を冷却すると、同時に放熱板表面が近辺の空気も冷却し、空気中の水分が凝固して結露が発生する。結露が生じると、ペルチェ素子に水分が浸入して絶縁が破壊され、冷却力が損なわれるおそれがある。また水分が電子回路の端子部分などに付着して腐食を引き起こし、動作不良の原因ともなる。接触不良が生じると装置を停止させて部品を交換する必要があるため、このようなトラブルが頻発すると作業能率が著しく低下する。トラブルの原因となる結露を防止するため、レーザ励起部をケース等に収納して外気から遮断して水分の浸入を防ぐ方法もあるが、ケーブルやリード線等を外部に引き出す貫通孔に僅かでも隙間があると、そこから空気中に含まれる水分がケース内に浸入して結露の原因となる。特に、放熱板等が冷却されて温度が下がると、この部分に触れる空気が冷却されて凝固する。気相が液化すると、体積が減少するため負圧となり、ケースの隙間から外気を吸引する状態となり、さらに外気に含まれる水分がケース内で凝縮して結露するという悪循環となり、結露が次々に発生する。
【0005】
さらにケースを完全に密閉したとしても、ケース内に存在する空気に含まれる水分が凝結してケース内に結露することがある。さらにまた、ケース内でレーザ励起部を冷却するに伴ってケース自体の温度も低下するため、ケースを取り巻く外気が冷却されたケース表面で結露する。これによって、励起モジュールを収納するケースの外部周辺で激しい結露が発生し、レーザ加工装置の内部に水分が溜まりレーザ励起部のみならず他の回路等にも悪影響を及ぼすおそれがあるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、発熱部分の周辺で結露の発生を有効に阻止し得るレーザ加工装置およびレーザ加工装置の冷却方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載されるレーザ加工装置は、レーザ媒質8を励起して誘導光を放出させるためのレーザ励起部6を備えるレーザ制御部1と、前記レーザ制御部1と光学的に結合され、ロッド状のレーザ媒質8と走査部9を備え、前 記レーザ励起部6からの光をレーザ媒質8のロッド状の一端面から照射してレーザ媒質8を励起し、他端面からレーザ光を出射し、走査部9で走査してレーザ光を出力するレーザ出力部2と、を備えるレーザ加工装置であって、前記レーザ制御部1が、上面に前記レーザ励起部6が固定され、前記レーザ励起部6と熱伝導するように装着された放熱器16と、前記放熱器16から熱伝導された熱を外部に放熱するためのヒートシンク20と、放熱面と吸熱面を備え、吸熱面を前記放熱器16と熱伝導するように装着し、放熱面を前記ヒートシンク20に装着した複数の熱電冷却加熱素子17と、前記レーザ励起部6、放熱器16および熱電冷却加熱素子17を外気と気密に遮断するように密閉状態で収納するケース19と、前記ケース19内部で前記放熱器16が前記熱電冷却加熱素子17との接触面以外で表出しないように、前記放熱器16の側面のすべてと、上面の内、レーザ励起部6との接触面以外の部分を被覆して熱的に遮断する断熱材18とを備えており、前記熱電冷却加熱素子17が前記放熱器16と前記ヒートシンク20とにより狭着された状態で、前記ヒートシンク20の放熱面を前記ケース19の外部に表出させる一方、前記放熱器16と前記熱電冷却加熱素子17とが前記ケース19内部で表出しないように、これらの周囲を囲むように断熱材18が固定されてなることを特徴とする。
【0008】
この構成によって、熱電冷却加熱素子17で放熱器16を介してレーザ発生源を冷却する一方、ケース19を気密に閉塞して外部からの水分の供給を断つことで、ケース19の内部で結露が発生することが防止される。さらに断熱材18で放熱器16を覆うことによって、ケース19内部の空気の冷却によるケース19自体が冷却されてケース19表面に結露が発生することが防止される。このようにレーザ発生源周辺やレーザ加工装置内部での結露の発生を有効に阻止できるので、結露に起因するコネクタ部分の腐食による不具合発生が防止される。さらに熱電冷却加熱素子17で移動された熱をヒートシンク20で効果的に放熱でき、ケース19の内部、外部での結露を効果的に防止できる。
【0009】
また、本発明の請求項2のレーザ加工装置は、請求項1に記載のレーザ加工装置であって、前記断熱材18は、前記熱電冷却加熱素子17の配置面積よりも大きい第1の開口部を有し、当該第1の開口部により前記熱電冷却加熱素子17の周囲を囲んだ状態で前記ヒートシンク20に固定される第1の断熱材18Bと、前記レーザ励起部6を挿通するための第2の開口部を有し、当該第2の開口部に前記レーザ励起部6を挿通して、前記放熱器16の上面でレーザ励起部6との接触面以外の部分を被覆する第2の断熱材18Aとを接着して構成されてなることを特徴とする。
【0010】
【0011】
さらに、本発明の請求項3のレーザ加工装置は、請求項2に記載のレーザ加工装置であって、前記第1の断熱材18Bの第1の開口部は、前記放熱器16の大きさよりも小さく、前記熱電冷却加熱素子17が前記放熱器16と前記ヒートシンク20により狭着された際に、前記第1の断熱材18Bの一部が前記放熱器16と前記ヒートシンク20に狭着されることで、前記第1の断熱材18Bの一部が前記放熱器16と前記ヒートシンク20との間の隙間を閉塞するよう構成されてなることを特徴とする。
【0012】
さらにまた、本発明の請求項4のレーザ加工装置は、請求項1から3のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記ケース19が断熱効果のある材質で構成されてなることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、本発明の請求項5のレーザ加工装置は、請求項から4のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記ヒートシンク20は両端を開口する中空状で、内部に複数のスリットを設けており、開口部に送風用のファン21を備え、ファン21を回転させてスリット表面に送風し空冷式でヒートシンク20を冷却するよう構成してなることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、本発明の請求項6のレーザ加工装置は、請求項から5のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記ケース19が前記ヒートシンク20との接合部を弾性部材25で気密に封止してなることを特徴とする。
【0015】
さらにまた、本発明の請求項7のレーザ加工装置は、請求項から6のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記レーザ励起部6に接続される一以上のケーブルは、防水型コネクタ30を介して前記ケース19外部と接続されてなることを特徴とする。
【0016】
さらにまた、本発明の請求項8のレーザ加工装置は、請求項から7のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記レーザ励起部6には熱電対27が接続され、前記熱電対27は前記ケース19に穿孔された貫通孔を通じて外部に引き出されると共に、貫通孔はシリコーンゴムによって気密に封止されてなることを特徴とする。
【0017】
さらにまた、本発明の請求項9のレーザ加工装置は、請求項1から8のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記ケース19内に吸湿材23を封入してなることを特徴とする。
【0018】
さらにまた、本発明の請求項10のレーザ加工装置は、請求項1から9のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記熱電冷却加熱素子17がペルチェ素子であることを特徴とする。
【0019】
さらにまた、本発明の請求項11のレーザ加工装置は、請求項1から10のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記ケース19が透光性を有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項12のレーザ加工装置の冷却方法は、第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面とを備える放熱器16の、第1の面に複数の熱電冷却加熱素子17を固定し、第2の面にレーザ発生源を固定し、前記熱電冷却加熱素子17との接触面を除く、前記放熱器16の側面のすべてと、第2の面の内、レーザ発生源との接触面以外の部分を断熱材18で被覆して、前記放熱器16及び熱電冷却加熱素子17の周囲を囲み、前記熱電冷却加熱素子17が前記放熱器16と、外部に放熱するためのヒートシンク20とにより狭着された状態で、前記ヒートシンク20の放熱面を前記ケース19の外部に表出させる一方、前記放熱器16と前記熱電冷却加熱素子17とが前記ケース19内部で表出しないよう前記断熱材18を固定するステップと、前記レーザ発生源、放熱器16および熱電冷却加熱素子17をケース19内に収納し、ケース19を気密に封止するステップとを備えてなり、前記レーザ発生源を動作させたとき、前記熱電冷却加熱素子17で前記放熱器16を介して前記レーザ発生源の温度を所定温度に維持すると共に、ケース19内の空気をケース19外部と遮断することでケース19内への水分の浸入を阻止して結露を抑制し、なおかつ前記断熱材18によって前記熱電冷却加熱素子17の吸熱・放熱効果を前記レーザ発生源の温度制御に集中させ、他の部材への温度伝搬を抑制してケース19外部への結露を防止してなることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのレーザ加工装置およびレーザ加工装置の冷却方法を例示するものであって、本発明はレーザ加工装置およびレーザ加工装置の冷却方法を以下のものに特定しない。
【0022】
さらに、本明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0023】
本発明のレーザ加工装置およびレーザ加工装置の冷却方法は、穴あけ、マーキング、トリミング、スクライビング、表面処理などのレーザ加工に利用される。ただ、本発明はその名称に拘わらず、レーザ光源として他のレーザ応用分野、例えばDVD等の光ディスクの高密度記録再生用光源や通信用の光源、印刷機器、照明用光源、ディスプレイなどの表示装置用の光源、医療機器等において、好適に利用できる。以下の例では、レーザ加工装置の一例としてレーザマーカに適用する例について説明する。
【0024】
図1に、本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置を構成するブロック図を示す。この図に示すレーザ加工装置は、レーザ制御部1とレーザ出力部2と入力部3とを備える。
【0025】
[入力部3]
入力部3はレーザ制御部1に接続され、レーザ加工装置を操作するための必要な設定を入力してレーザ制御部1に送信する。設定内容はレーザ加工装置の動作条件や具体的な印字内容等である。入力部3はキーボードやマウス、コンソール等の入力デバイスである。また、入力部3は入力情報を確認したり、レーザ制御部1の状態等を表示する表示部を別途設けることもできる。表示部はLCDやブラウン管等のモニタであり、タッチパネル方式として入力部と表示部を兼用することもできる。これによって、コンピュータなどを外部接続することなく入力部でレーザ加工装置の必要な設定を行うことができる。
【0026】
[レーザ制御部1]
レーザ制御部1は、制御部4とメモリ部5とレーザ励起部6と電源7とを備える。入力部3から入力された設定内容をメモリ部5に記録する。制御部4は必要時にメモリから設定内容を読み込み、印字内容に応じた印字信号に基づいてレーザ励起部6を動作させてレーザ出力部2のレーザ媒質8を励起する。メモリ部5はRAMやROM等の半導体メモリが利用できる。またメモリ部5はレーザ制御部1に内蔵する他、挿抜可能なPCカードやSDカード等の半導体メモリカード、カード型ハードディスクなどのメモリカードを利用することもできる。メモリカードで構成されるメモリ部5は、コンピュータ等の外部機器で容易に書き換え可能であり、コンピュータで設定した内容をメモリカードに書き込み、レーザ制御部1にセットすることで、入力部をレーザ制御部に接続することなく設定を行うことができる。特に半導体メモリはデータの読み込み・書き込みが高速で、しかも機械的動作部分がないため振動等に強く、ハードディスクのようなクラッシュによるデータ消失事故を防止できる。
【0027】
さらに制御部4は、設定された印字を行うようレーザ媒質8で発振されたレーザ光をワークW上で走査させるため、レーザ出力部2の走査部9を動作させる走査信号を走査部9に出力する。電源7は、定電圧電源として、レーザ励起部6へ所定電圧を印加する。印字動作を制御する印字信号は、そのHIGH/LOWに応じてレーザ光のON/OFFが切り替えられ、その1パルスが発振されるレーザ光の1パルスに対応するPWM信号である。PWM信号は、その周波数に応じたデューティ比に基づいてレーザ強度が定められるが、周波数に基づいた走査速度によってもレーザ強度が変化するよう構成することもできる。
【0028】
(レーザ励起部6)
レーザ励起部6は、光学的に接合されたレーザ励起光源10と集光部11を備える。レーザ励起部6の内部の一例を図2の斜視図に示す。この図に示すレーザ励起部6は、レーザ励起光源10と集光部11をレーザ励起部ケーシング12内に固定している。レーザ励起部ケーシングは、熱伝導性の良い真鍮などの金属で構成され、レーザ励起光源10を効率よく外部に放熱する。レーザ励起光源10は半導体レーザ等で構成される。図2の例では、複数の半導体レーザダイオード素子を直線状に並べたレーザダイオードアレイを使用しており、各素子からのレーザ発振がライン状に出力される。レーザ発振は集光部11の入射面に入射されて、出射面から集光されたレーザ励起光として出力される。集光部11はフォーカシングレンズ等で構成される。集光部11からのレーザ励起光は光ファイバケーブル13等によりレーザ出力部2のレーザ媒質8に入射される。レーザ励起光源10と集光部11、光ファイバケーブル13は、空間あるいは光ファイバを介して光学的に結合されている。
【0029】
[レーザ出力部2]
レーザ出力部2は、レーザ媒質8と走査部9を備える。レーザ媒質8は、光ファイバケーブル13を介してレーザ励起部6から入射されるレーザ励起光で励起されてレーザ発振される。レーザ媒質8はロッド状の一方の端面からレーザ励起光を入力して励起され、他方の端面からレーザ光を出射する。あるいは、ロッドの側面から励起する方式としても良い。
【0030】
(レーザ媒質8)
上記の例では、レーザ媒質8としてロッド状のNd:YVOの固体レーザ媒質を用いた。また固体レーザ媒質の励起用半導体レーザの波長は、このNd:YVOの吸収スペクトルの中心波長である809nmに設定した。ただ、この例に限られず他の固体レーザ媒質として、例えば希土類をドープしたYAG、LiSrF、LiCaF、YLF、NAB、KNP、LNP、NYAB、NPP、GGG等も用いることもできる。また、固体レーザ媒質に波長変換素子を組み合わせて、出力されるレーザ光の波長を任意の波長に変換できる。
【0031】
さらに、固体レーザ媒質を使用せず、言い換えるとレーザ光を発振させる共振器を構成せず、波長変換のみを行う波長変換素子を使用することもできる。この場合は、半導体レーザの出力光に対して波長変換を行う。波長変換素子としては、例えばKTP(KTiPO)、有機非線形光学材料や他の無機非線形光学材料、例えばKN(KNbO)、KAP(KAsPO)、BBO、LBOや、バルク型の分極反転素子(LiNbO(Periodically Polled Lithium Niobate :PPLN)、LiTaO等)が利用できる。また、Ho、Er、Tm、Sm、Nd等の希土類をドープしたフッ化物ファイバーを用いたアップコンバージョンによるレーザの励起光源用半導体レーザーを用いることもできる。このように、本実施の形態においてはレーザ発生源として様々なタイプを適宜利用できる。
【0032】
(走査部9)
走査部9は、レーザ媒質8の出射端面から出射されたレーザ光を反射させて所望の方向に出力し、ワークWの表面でレーザ光を走査して印字する。走査部9はレーザ媒質8の出射側端面に隣接して設けられ、X・Yスキャナ14a、14b、fθレンズ15等から構成される。走査部9は、制御部4から与えられる走査信号に基づいて、X・Yスキャナ14a、14bに備えられたガルバノモータを動作させることにより、ガルバノモータの出力軸に設けられた全反射ミラーを回動させて、レーザ媒質8から発振されたレーザ光を偏向・走査する。偏向・走査されたレーザ光は、略偏向方向に設けられたfθレンズ15を介してワークWの表面に照射されてマーキングする。fθレンズ15は、スキャナがニュートラル位置にある状態において偏向されたレーザ光がその中央を平行光として入射されるように設けられている。
【0033】
次に、本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置のレーザ制御部1の分解斜視図を図3に、平面図を図4(a)に、図4(a)のIV−IV’線における縦断面図を図4(b)にそれぞれ示す。この図に示すレーザ制御部1は、レーザ励起部6と、レーザ励起部6の底面に固定された放熱器16と、放熱器16を介してレーザ励起部6を冷却する熱電冷却加熱素子17と、放熱器16の不要な熱伝導を抑制するように断熱する断熱材18と、これらの部材を収納して外部と気密に遮断するケース19と、熱電冷却加熱素子17の放熱面を面接触して固定したヒートシンク20と、ヒートシンク20の開口部に固定された送風用のファン21を備える。
【0034】
[放熱器16]
レーザ励起部6を放熱する放熱器16は、熱伝導性の良い金属製で、アルミニウムや真鍮製の放熱板が好適に利用できる。放熱器16の上面にはレーザ励起部6が固定され、下面は熱電冷却加熱素子17と面接触して、放熱器16を介してレーザ励起部6を放熱、冷却する。
【0035】
[熱電冷却加熱素子17]
熱電冷却加熱素子17は、ペルチェ素子等が利用できる。ペルチェ素子は異種金属の接触面を通電したとき熱が発生または吸収される現象を利用した板状の素子で、吸熱面と放熱面を備える。ペルチェ素子は可動部が無いので振動を生じず小型軽量であるなどの利点を備える反面、自己発熱が大きい。そのため、放熱面をヒートシンク20と接触させて放熱している。ペルチェ素子は、直流電流を流す方向を逆にすることにより、熱の移動方向も逆になるので、放熱面と吸熱面を逆転することが可能である。このためペルチェ素子は、加熱にも冷却にも利用することが出来、高精度の温度制御に適している。本明細書においては、レーザ励起部を所定の温度に維持するために熱電冷却加熱素子を制御するので、熱電冷却加熱素子は冷却する場合、加熱する場合のいずれも含み、また「冷却」は必要に応じて適宜「加熱」と読み替えることができる。
【0036】
図3の例では、2枚×3枚の6枚のペルチェ素子を同一平面に並べて配置している。ペルチェ素子は、吸熱面を上面にして放熱器16と面接触させ、放熱面を下面にしてヒートシンク20と面接触させて、放熱器16とヒートシンク20で狭着されるように面接触状態で保持される。ペルチェ素子に接触面で過度の押圧力が印加されないように、放熱器16とヒートシンク20との間にはスペーサ22が4箇所に配置される。
【0037】
ヒートシンク20は、両端を開口する中空状で、内部に複数のスリットを設けることで表面積を大きくして放熱性を上げると共に、空気を通りやすくして熱交換による放熱を促進する。ヒートシンク20も熱伝導性の良いアルミニウムや真鍮等の金属で構成され、好ましくは放熱器16と同じ材質で構成する。ヒートシンク20の開口部には送風用のファン21を備える。ファン21は、いずれかの開口部に一設けることも可能であるが、好ましくはヒートシンク20の空気の吸入側と排出側の開口部にそれぞれ設けられる。吸入用と排出用にそれぞれファンを設け、2つのファンによってスリット表面での空気の流れをよくし効率良く放熱する。このように空冷式で熱電冷却加熱素子17、レーザ励起部6を冷却することで、水冷式のレーザ加工装置に比べて水冷用の外部チラーなどの冷却ユニットを省略できる。これによって冷却水の供給設備や水そのものが不要で、省資源化、省スペース化と装置構成の簡素化が実現される。ただ、放熱量が多く空冷式では冷却が不十分な場合等、必要に応じて空冷式に代わって、あるいはこれに加えて水冷式を本発明に適用できることは言うまでもない。
【0038】
[ケース19]
ヒートシンク20の上面には熱電冷却加熱素子17、放熱器16、レーザ励起部6を気密に閉塞するケース19が固定される。ケース19は、熱電冷却加熱素子17で冷却される放熱器16が結露しないよう、放熱器16周辺を外気と完全に遮蔽する。外部から水分を含む空気がケース19に浸入することを防止することで、ケース19内の結露が防止される。ケース19内部にはさらに吸湿材23が封入される。これによって、装置の組み立て時にケース19に取り込まれて存在する空気に含有される水分で結露することが防止される。吸湿材23にはゼオライトなどが利用できる。
【0039】
ケース19は略直方体形状で上方を開口した本体カバー19Aと、開口部を閉塞する上カバー19Bで構成される。ケース19の上方を開口させることによって、メンテナンス作業時にこの部分のみを開放して作業できる。本体カバー19Aと上カバー19Bの接合部分は、パッキン等の弾性部材24を狭着してネジ止めされる。本体カバー19Aと上カバー19Bの接合時に弾性部材24が弾性変形して接合部分の隙間を塞ぎ、気密に閉塞される。弾性部材24は、ニトリルブチルラバー(NBR)製やシリコーンゴム製のパッキン等が好適に利用できる。同様に、本体カバー19Aとヒートシンク20との接合面においても、弾性部材25を狭着してネジ止めしており、これによって気密に閉塞される。なおケース19は複数部材で構成することなく、一体のケース19で放熱器16などを収納するよう構成しても良い。またケース19は熱電冷却加熱素子17、放熱器16、レーザ励起部を外部と気密に閉塞できる構造であれば良く、図3のような下方を開口する箱形に限定されない。例えば半円形のドーム状としてヒートシンク上に固定する構造や、一端面を開口する角柱状、円筒状として開口部を封止する構造等を利用することもできる。
【0040】
ケース19は熱伝達を抑制し断熱効果のあるプラスチックやポリカーボネートで構成される。特にポリカーボネートは透湿度が低く、湿度の浸入を抑制でき好ましい。さらにケース19は透光性部材とすることで、内部の状態が確認でき、組み立てやメンテナンス時の作業を容易にできる。例えば配線がケース19内部で絡まったりケース19の接合面で配線を挟み込むといったトラブルの発生を外部から容易に確認できる。
【0041】
[コネクタ30]
レーザ励起部6に電源7から電力を供給するための電源線や、その他の信号線などのケーブル26は、防水型コネクタ30を介してケース19外部と電気的に接続される。これによってケース19からケーブル26を引き出す穴から空気がケース19内に浸入し水分がケース19内部に供給されるのを防止できる。コネクタ30は通気性がなく防水仕様のものを使用する。コネクタ30は図4の断面図に示すように、ケース19との締結部分をゴム等の弾性体で構成されたOリング31で封止し、かつコネクタ30に接続される光ファイバケーブル13との間をシーリングテープ32で密閉している。コネクタ30にケーブル26を接続することで、信号や電力などがレーザ励起部6とケース19外部とでやりとりされる。なお、防水型のコネクタを使用することなく、例えばケースにケーブルを通すための貫通孔を設け、貫通孔にケーブルを通した後孔を気密にシールする構成としてもよい。
【0042】
[熱電対27]
レーザ励起部6には、レーザ励起光源の温度を測定するための熱電対27が接続される。熱電対27はレーザ励起部6の表面に接触するように固定される。図1に示すように熱電対27で測定された温度は制御部4で検出され、レーザ励起部6を一定温度に保つように制御部4は熱電冷却加熱素子17の通電量を制御して放熱器16を冷却する。放熱器16とレーザ励起部6の温度関係が判明している場合は、熱電対27を放熱器16に接触するように設けても良い。例えば、レーザ励起部6の温度を30℃に維持するために、熱電冷却加熱素子17は放熱器16の温度を20℃に冷却する。このように制御部4は、レーザ励起部6の駆動時にペルチェ素子に通電して、放熱器16を冷却または加熱し、放熱器16によってレーザ励起部6の温度を一定に維持する。
【0043】
熱電対27と制御部4とを接続するリード線28は、図3の破線に示すようにケース19に穿孔された貫通孔29を通じてケース19外部に引き出される。貫通孔29はテフロン(登録商標)やシリコーンゴム等によって気密に封止される。熱電対27に防水型のコネクタを使用すると、コネクタ部分の接触抵抗などにより電圧値が変化することがあるため、コネクタを使用せず直接接続としたものである。
【0044】
以上のようにケース19で、レーザ励起部6と放熱器16、熱電冷却加熱素子17を外部と遮断し気密に閉塞することで、ケース19内部に水分を含んだ空気が入り込むのが阻止され、ケース19内部での結露を効果的に防止することができる。これによってペルチェ素子等の熱電冷却加熱素子17の冷却能力が水分で損なわれることが防止され、長期にわたって安定した冷却能力が維持されて信頼性の向上と長寿命化が図られる。
【0045】
[断熱材18]
さらに上記のレーザ制御部1は、断熱材18で放熱器16及び熱電冷却加熱素子17を覆っている。ケース19内で放熱器16や熱電冷却加熱素子17と接する空気が冷却されると、ケース19内部の空気の温度が低下し、これによってケース19自体が冷却されて、ケース19の外部との温度差によってケース19表面で結露が発生する。ケース19表面で結露が発生すると、ケース19の外側でレーザ加工装置の内部に水分が溜まるため、これによって接点部分の腐食などが発生し、仮にケース19内部での結露が抑制されたとしても、レーザ加工装置全体の不具合を回避することができない。そこで本発明の実施の形態においては、ケース19による閉塞に断熱材18による断熱を組み合わせることで、ケース19内外の結露を効果的に防止している。具体的には、断熱材18で放熱器16及び熱電冷却加熱素子17を覆い断熱することにより冷気を封じ込め、外部に漏れる冷気が結露を引き起こすのを阻止し、かつ冷気をレーザ励起部6の冷却に集中させて効率的に冷却する。
【0046】
断熱材18は断熱性に優れたあらゆる素材が利用できるが、好ましくはスポンジ状の弾性変形する部材を使用する。断熱材18の材質としては、例えば発泡ポリエチレン、発泡ポリオレフィン、発泡ポリスチレン等が利用できる。断熱材18は、図4(b)に示すように放熱器16がケース19内部で表出しないように表面を被覆して、これを熱的に遮断する。具体的には、放熱器16の上面ではレーザ励起部6との接触面以外の部分を覆うように、断熱材18Aの中央付近にレーザ励起部6の外周とほぼ同じ大きさか、若干これよりも小さい開口部を形成した断熱材18Aで、開口部にレーザ励起部6を挿通して放熱器16の上面を断熱材18で被覆する。弾性変形する断熱材18を使用すれば、開口部をレーザ励起部6の外周よりも若干小さく成型することで開口部にてレーザ励起部6に対し押圧力が印加され隙間なく閉塞できる。
【0047】
また放熱器16の側面部分は、放熱器16とヒートシンク20が熱電冷却加熱素子17を狭着する状態で、この隙間を含めた側面部分を被覆するように断熱材18で周囲を覆っている。側面部分は、上面を被覆する断熱材18と別部材で構成しても良いし、一体形成で成型しても良い。図3の例では、断熱材18Aを下方を開口して放熱器16を挿入できる大きさに成型した一体型としている。ただ、上面と側面四方をそれぞれ覆う大きさに断裁したシート状の5枚の断熱材で構成したり、側面を一枚のシートで折曲して一巡させて覆うように構成しても良い。側面を被覆する断熱材18は、ヒートシンク20の上面に接着されて放熱器16とヒートシンク20の隙間を閉塞する。一方、図3の例では、放熱器16とヒートシンク20の隙間を閉塞するための断熱材として、別部材の断熱材18Bを設けている。断熱材18Bは、大きさを放熱器16よりも大きくし、断熱材18Aとほぼ同じ大きさとしている。また厚さは、熱電冷却加熱素子17が狭着される放熱器16とヒートシンク20との隙間、すなわちスペーサ22の厚さよりも厚くする。さらに断熱材18Bは中央を開口し、複数並べられた熱電冷却加熱素子17を囲むように配される。開口部の大きさは、熱電冷却加熱素子17の配置面積よりも大きく、かつ放熱器16の大きさよりも小さくする。断熱材18Bは6枚のペルチェ素子を囲む状態で接着剤などでヒートシンク20の上面に固定される。
【0048】
この状態でスペーサ22を介して熱電冷却加熱素子17を放熱器16で狭着する。この際、断熱材18Bの開口部を放熱器16が閉塞するように配置することで、放熱器16よりも開口部が小さいため断熱材18Bの一部が放熱器16とヒートシンク20で狭着される。断熱材18Bは弾性変形して放熱器16とヒートシンク20との間の隙間を閉塞するので、この隙間から熱電冷却加熱素子17がケース19内に表出しないように閉塞することができる。ヒートシンク20上に固定された断熱材18Bは、さらに断熱材18Aと接着剤などで固定される。このように断熱材18を別部材に分割することで、放熱器16の固定時にヒートシンク20との隙間を簡単かつ確実に閉塞できるというメリットが得られる。
【0049】
断熱材18は、熱電冷却加熱素子17が放熱器16を介してレーザ励起部6のみを冷却し、ケース19内の空気など他の部分を冷却しないようにすることが好ましい。言い換えると、ケース19内部で放熱器16が露出しないように断熱材18で覆い他の部分から断熱することで、熱電冷却加熱素子17による熱交換がレーザ励起部6の冷却以外に用いられることを抑制して、熱交換のエネルギーがレーザ励起部6の冷却に集中され、効率的な冷却が行われる。ただ、放熱器16の表面の全面を完全に被覆する必要は必ずしもなく、断熱材18による放熱器16表面部分の断熱効果が十分に得られる程度であれば、放熱器16の表面の一部が露出することを妨げない。例えば製造時における微細な隙間から放熱器16が僅かに表出することは、断熱効果に鑑みて許容され得る。
【0050】
[レーザ出力部2における結露防止]
さらに図示しないが、レーザ制御部1のみならず、レーザ出力部2においても断熱材を使用することもできる。ただ、レーザ出力部2においては制御温度がレーザ励起部6よりも高いため、一般に室温との差により結露するおそれが少なく、レーザ制御部1と同様の密閉構造は必要でない。ただ使用時の環境温度などの使条件に応じて適宜断熱、あるいは密閉構造を採用することも可能であることはいうまでもない。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明のレーザ加工装置およびその冷却方法は、簡単な構成で発熱するレーザ励起光源やレーザ媒質等のレーザ発生源を効率的に冷却する一方で結露の発生を抑止し、回路に損傷を生じることなく安定してレーザ光を得ることができる。それは、本発明のレーザ加工装置およびその冷却方法が、ケースでレーザ発生源を外部から気密に閉塞して水分の供給を断つことでケース内部での結露を防止し、かつ断熱材で冷却エネルギーが不要な部分に漏れるのを抑止してケース外部表面での結露発生を抑止しているからである。このようにケースによる封止と断熱材による断熱を組み合わせるという簡単な構成によって、ケース内外の結露が効果的に実現され、結露に起因する不具合を回避して装置の信頼性が向上する。かつ冷却のためのエネルギーも効率よくレーザ発生源で消費されるので、消費電力の低減にも寄与し得るという優れた特長が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のレーザ励起部の内部構造の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るレーザ加工装置のレーザ制御部を示す分解斜視図である。
【図4】図3のレーザ制御部の平面図及びIV−IV’線における縦断面図である。
【符号の説明】
1・・・レーザ制御部
2・・・レーザ出力部
3・・・入力部
4・・・制御部
5・・・メモリ部
6・・・レーザ励起部
7・・・電源
8・・・レーザ媒質
9・・・走査部
10・・・レーザ励起光源
11・・・集光部
12・・・レーザ励起部ケーシング
13・・・光ファイバケーブル
14a、14b・・・X・Yスキャナ
15・・・fθレンズ
16・・・放熱器
17・・・熱電冷却加熱素子
18、18A、18B・・・断熱材
19・・・ケース
19A・・・本体カバー
19B・・・上カバー
20・・・ヒートシンク
21・・・ファン
22・・・スペーサ
23・・・吸湿材
24・・・弾性部材
25・・・弾性部材
26・・・ケーブル
27・・・熱電対
28・・・リード線
29・・・貫通孔
30・・・コネクタ
31・・・Oリング
32・・・シーリングテープ

Claims (12)

  1. レーザ媒質(8)を励起して誘導光を放出させるためのレーザ励起部(6)を備えるレーザ制御部(1)と、
    前記レーザ制御部(1)と光学的に結合され、ロッド状のレーザ媒質(8)と走査部(9)を備え、前記レーザ励起部(6)からの光をレーザ媒質(8)のロッド状の一端面から照射してレーザ媒質(8)を励起し、他端面からレーザを出射し、走査部(9)で走査してレーザ光を出力するレーザ出力部(2)と、
    を備えるレーザ加工装置であって、前記レーザ制御部(1)が
    上面に前記レーザ励起部 (6) が固定され、前記レーザ励起部(6)と熱伝導するように装着された放熱器(16)と、
    前記放熱器 (16) から熱伝導された熱を外部に放熱するためのヒートシンク(20)と、
    放熱面と吸熱面を備え、吸熱面を前記放熱器(16)と熱伝導するように装着し、放熱面を前記ヒートシンク(20)に装着した複数の熱電冷却加熱素子(17)と、
    前記レーザ励起部(6)、放熱器(16)および熱電冷却加熱素子(17)を外気と気密に遮断するように密閉状態で収納するケース(19)と、
    前記ケース(19)内部で前記放熱器(16)が前記熱電冷却加熱素子(17)との接触面以外で表出しないように前記放熱器(16)の側面のすべてと、上面の内、レーザ励起部 (6) との接触面以外の部分を被覆して熱的に遮断する断熱材(18)と、
    を備えており、
    前記熱電冷却加熱素子 (17) が前記放熱器 (16) と前記ヒートシンク (20) とにより狭着された状態で、前記ヒートシンク (20) の放熱面を前記ケース (19) の外部に表出させる一方、前記放熱器 (16) と前記熱電冷却加熱素子 (17) とが前記ケース (19) 内部で表出しないように、これらの周囲を囲むように断熱材 (18) が固定されてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ加工装置であって、
    前記断熱材 (18) は、
    前記熱電冷却加熱素子 (17) の配置面積よりも大きい第1の開口部を有し、当該第1の開口部により前記熱電冷却加熱素子 (17) の周囲を囲んだ状態で前記ヒートシンク (20) に固定される第1の断熱材 (18B) と、
    前記レーザ励起部 (6) を挿通するための第2の開口部を有し、当該第2の開口部に前記レーザ励起部 (6) を挿通して、前記放熱器 (16) の上面でレーザ励起部 (6) との接触面以外の部分を被覆する第2の断熱材 (18A) と、
    を接着して構成されてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  3. 請求項2に記載のレーザ加工装置であって、
    前記第1の断熱材 (18B) の第1の開口部は、前記放熱器 (16) の大きさよりも小さく、
    前記熱電冷却加熱素子 (17) が前記放熱器 (16) と前記ヒートシンク (20) により狭着された際に、前記第1の断熱材 (18B) の一部が前記放熱器 (16) と前記ヒートシンク (20) に狭着されることで、前記第1の断熱材 (18B) の一部が前記放熱器 (16) と前記ヒートシンク (20) との間の隙間を閉塞するよう構成されてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記ケース (19) が断熱効果のある材質で構成されてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  5. 請求項から4のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記ヒートシンク(20)は両端を開口する中空状で、内部に複数のスリットを設けており、開口部に送風用のファン(21)を備え、ファン(21)を回転させてスリット表面に送風し空冷式でヒートシンク(20)を冷却するよう構成してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  6. 請求項から5のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記ケース(19)が前記ヒートシンク(20)との接合部を弾性部材(25)で気密に封止してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  7. 請求項から6のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記レーザ励起部(6)に接続される一以上のケーブルは、防水型コネクタ(30)を介して前記ケース(19)外部と接続されてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  8. 請求項から7のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記レーザ励起部(6)には熱電対(27)が接続され、前記熱電対(27)は前記ケース(19)に穿孔された貫通孔を通じて外部に引き出されると共に、貫通孔はシリコーンゴムによって気密に封止されてなることを特徴とするレーザ加工装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記ケース(19)内に吸湿材(23)を封入してなることを特徴とするレーザ加工装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記熱電冷却加熱素子(17)がペルチェ素子であることを特徴とするレーザ加工装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一に記載のレーザ加工装置であって、前記ケース(19)が透光性を有するポリカーボネート樹脂であることを特徴とするレーザ加工装置。
  12. レーザ加工装置の冷却方法であって、
    第1の面と、前記第1の面と対向する第2の面とを備える放熱器(16)の、第1の面に複数の熱電冷却加熱素子(17)を固定し、第2の面にレーザ発生源を固定し、前記熱電冷却加熱素子(17)との接触面を除く、前記放熱器 (16) の側面のすべてと、第2の面の内、レーザ発生源との接触面以外の部分を断熱材(18)で被覆して、前記放熱器 (16) 及び熱電冷却加熱素子 (17) の周囲を囲み、前記熱電冷却加熱素子 (17) が前記放熱器 (16) と、外部に放熱するためのヒートシンク (20) とにより狭着された状態で、前記ヒートシンク (20) の放熱面を前記ケース (19) の外部に表出させる一方、前記放熱器 (16) と前記熱電冷却加熱素子 (17) とが前記ケース (19) 内部で表出しないよう前記断熱材 (18) を固定するステップと、
    前記レーザ発生源、放熱器(16)および熱電冷却加熱素子(17)をケース(19)内に収納し、ケース(19)を気密に封止するステップと、
    を備えてなり、前記レーザ発生源を動作させたとき、前記熱電冷却加熱素子(17)で前記放熱器(16)を介して前記レーザ発生源の温度を所定温度に維持すると共に、ケース(19)内の空気をケース(19)外部と遮断することでケース(19)内への水分の浸入を阻止して結露を抑制し、
    なおかつ前記断熱材(18)によって前記熱電冷却加熱素子(17)の吸熱・放熱効果を前記レーザ発生源の温度制御に集中させ、他の部材への温度伝搬を抑制してケース(19)外部への結露を防止してなることを特徴とするレーザ加工装置の冷却方法。
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