JP4242316B2 - 耐熱性チーズ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は耐熱性を有するプロセスチーズ、チーズフード(原料としてナチュラルチーズ以外に蛋白質や脂肪類を添加して得られるプロセスチーズ様食品)、及び乳等を主要原料とする食品に含まれるチーズ様食品の製造方法に関し、電子レンジ加熱時、フライ油の中で素揚げするという油ちょう時、及び蒸し器またはオーブンによる加熱時に型くずれのない保形性を有する耐熱性チーズ類に関する。特に本発明は、原料チーズにカルシウム塩を添加することにより得られる、種々の加熱に対して保形性を有する耐熱性チーズ類に関する。
乳化、加工されるチーズ類に耐熱保形性を付与する方法としては、ナチュラルチーズにアルブミンを添加する方法(特許文献1、参照)、原料チーズに溶融塩と酸化澱粉、エステル化澱粉及びエーテル化澱粉から選ばれた1種以上の澱粉を添加することにより得られる冷凍耐性及び油ちょう性の良好なチーズ(特許文献2、参照)、αsカゼイン比率が25重量%以上のチーズを原料チーズ当たり、20重量%以上用い、これに安定剤及び溶融塩を添加し、加熱乳化することにより得られる油ちょう性及び耐熱保形性の良好なチーズ(特許文献3、参照)等が提案されている。
また、原料チーズにカルシウム塩を添加するプロセスチーズとしては、熟成を抑制した原料チーズに、カルシウム塩と溶融塩を加えて、加熱溶融して得られた流動性のあるチーズを、冷却しながら薄層状に引き出し、冷却、切断後、重ね合わせて包装することを特徴とするスライス型チーズの製造方法(特許文献4、参照)等が提案されている。
特開昭54−92654号公報 特開平6−153791号公報 特開平10−262558号公報 特開平4−179442号公報
しかしながら、特許文献1の方法により製造されるから揚げ用チーズは、高温の油中で良好にから揚げできるが、ナチュラルチーズにアルブミン等を添加し、加熱融解して製造するので、アレルゲン等の表示が必要となると共に、得られたチーズは、特に電子レンジ加熱においてチーズの内部より水分が蒸発することによるチーズの型くずれがあり、耐熱保形性に充分な効果が得られず、また、アルブミン等の添加物によりチーズ本来の風味を損ねたりする等の問題がある。
特許文献2の方法により製造される耐冷凍性及び耐油ちょう性を有するチーズは、原料チーズに酸化澱粉、エステル化澱粉及びエーテル化澱粉から選ばれた1種以上の澱粉を添加して、特許文献1の方法と同様に、加熱溶融して製造するものであり、得られたチーズは、電子レンジ加熱においてチーズの内部より水分が蒸発することによるチーズの型くずれが起こるので耐熱保形性に充分な効果が得られなかったり、各種澱粉の添加によるチーズ本来の風味を損ねたりする等の問題がある。
特許文献3の方法により製造される油ちょう性及び耐熱保形性を有するチーズは、原料チーズとしてαsカゼイン比率が25重量%以上のチーズを20重量%以上配合しなければならず、チーズ製造時の原料チーズや添加物の準備その他、加熱溶融前の製造工程が煩雑になる。
また、特許文献4のスライス型チーズの製造方法には、原料チーズにカルシウム塩を添加してチーズを製造する方法が記載されている。即ち、熟成を抑制した原料チーズに、カルシウム塩と溶融塩を加えて、加熱溶融して得られた流動性のあるチーズを、冷却しながら薄層状に引き出し、冷却、切断後、重ね合わせて包装することを特徴とするスライス型チーズの製造方法が記載されている。
しかし、特許文献4の目的とするところは、原料チーズとして熟成を抑制したナチュラルチーズを使用することにより製造したスライスチーズを重ね合わせて包装しても良好な剥離性を得ることにあり、本発明のチーズ類に耐熱性を付与する目的とは明らかに異なる。また、特許文献4には、その良好な剥離性のスライスチーズの耐熱性に関する記載はない。
従来の技術では、特に電子レンジによる加熱においてチーズの内部より水分が蒸発するため、チーズの耐熱保形性に充分な効果が得られなかったり、チーズ本来の風味を損ねたり、製造方法が複雑になったりする等の問題点がある。
本発明は従来の技術におけるこのような問題点に鑑みてなされたものであって 、通常のプロセスチーズ等の製法において、原料チーズにカルシウム塩を添加することにより、特に水酸化カルシウムを添加することにより、チーズを加熱溶融後、高温に保持し、又は高温に保持することなく急冷して得られる、電子レンジによる加熱、油ちょうによる加熱、蒸し器による加熱またはオーブンによる加熱に対して型くずれのない保形性を有する耐熱性チーズ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、通常のプロセスチーズ等の製法において、ナチュラルチーズ等の原料に対し、カルシウム塩、特に水酸化カルシウム、その他の食品を添加することによって、原料チーズを加熱溶融した後、高温で保持することにより徐冷し、又は高温に保持することなく急冷して電子レンジによる加熱、油ちょうによる加熱、蒸し器による加熱またはオーブンによる加熱に対して保形性を有する耐熱性チーズを得るものである。
具体的には、1種類または2種類以上のナチュラルチーズを粉砕して混合した原料チーズに対し、溶融塩1.0〜3.0重量%、及び水酸化カルシウム0.10〜0.80重量%を添加して常法により加熱、溶融し、均一に乳化した後、徐冷し又は徐冷することなく急冷して固化することにより耐熱性チーズを得る。ここに、徐冷とは、例えば、50℃、3時間保持した後に冷蔵することをいい、急冷とは、例えば、小型の200g入りカルトン(直方体の紙容器)にチーズを充填した直後に冷蔵庫内で単独で放置し冷却することをいう。
本発明において、ナチュラルチーズ等の原料として使用する原料チーズは、プロセスチーズに通常使用されるナチュラルチーズ、例えば、チェダーチーズやゴーダチーズ等又はこれらの混合物を用いる。耐熱性を付与するために、脂肪含量の低いナチュラルチーズや熟成度の低いナチュラルチーズを特に選んで使用する必要はない。その他、チーズフードや乳等を主要原料とする食品に使用するカゼインや大豆蛋白質等の蛋白質、大豆硬化油、ヤシ硬化油等の脂肪、その他糖質等を原料として使用できる。また、アーモンド、いかのくん製、ハム、ベーコン等の食品を副原料として使用できる。
また、溶融塩は、通常プロセスチーズに使用されるクエン酸塩、オルソリン酸塩、ポリリン酸塩の単品若しくはこれらを組み合わせたものを原料チーズ100重量%に対して1.0〜3.0重量%を添加する。原料チーズに対し溶融塩を0.5%添加した場合にはチーズは乳化しない。また、溶融塩を原料チーズに対し5.0%以上添加した場合は、チーズは乳化するが、塩辛い風味のチーズとなる。また、乳化溶融した高温のチーズを徐冷した場合に、相対に多い溶融塩の添加量4.0%〜5.0%でチーズの耐熱性の低下が認められる。
また、本発明において、耐熱性を有するチーズを得るために、原料チーズを加熱し、溶融乳化する際に、特にカルシウム塩を添加する必要がある。試験に用いた乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、クエン酸カルシウム、ピロリン酸二水素カルシウム、及びミルクカルシウム等のカルシウム塩のうち、特に、水酸化カルシウムを添加したもののみが溶融乳化したチーズに対して電子レンジによる加熱、油ちょうによる加熱、蒸し器による加熱またはオーブンによる加熱に対する耐熱性を顕著に付与するものである。硫酸カルシウムにやや耐熱性の効果が認められるが、その他のカルシウム塩はチーズの耐熱保形性に対して効果が認められない。
水酸化カルシウムの添加量は、溶融乳化後のチ−ズを徐冷した場合は、原料チーズ100重量%に対し水酸化カルシウム0.10%以上の添加でチーズの耐熱保形性が認められる。また、急冷の場合は、原料チーズ100重量%に対し水酸化カルシウム0.20%以上の添加量でチーズの耐熱保形性が認められ、原料チーズ100重量%に対し水酸化カルシウム0.10%の添加では耐熱保形性の効果はない。急冷の場合は、耐熱性のチーズを得るには、原料チーズに対して、徐冷の場合より多い水酸化カルシウムの添加量が必要である。
また、原料チーズに対し水酸化カルシウムの添加量が0.10%〜0.40%まで増加するにつれてチーズの耐熱保形性の効果が比例して増加する。その後、耐熱保形性の効果は水酸化カルシウムの添加量0.80%まで一定する。しかし、水酸化カルシウムの添加量が増えるに従って、硬くてもろい物性になる。これより、本発明のチーズの電子レンジによる加熱、油ちょうによる加熱、蒸し器による加熱またはオーブンによる加熱に対する耐熱保形性は、水酸化カルシウムの添加量を増減することにより適度に調整することができる。同様に、また、チーズの耐熱保形性は、乳化溶融した高温のチーズの冷却温度を制御することによっても調整することが可能になる。
次に、ナチュラルチーズ等の原料に、溶融塩及び水酸化カルシウムを添加して加熱溶融し、乳化するに際し、加熱は75〜90℃程度の通常のプロセスチーズ等の最終到達温度で行う。加熱溶融したチーズは、電子レンジによる加熱、油ちょうによる加熱、蒸し器による加熱またはオーブンによる加熱に対して耐熱保形性を有する。
乳化溶融に用いる乳化釜は通常のプロセスチーズの製造に使用する直接蒸気吹き込み式のものを用いることができ、加熱、乳化溶融時の乳化釜の攪拌回転数は60〜3000回転/分で行う。撹拌回転数が高いほど水に溶けにくい性質である水酸化カルシウムの分散がよくなる。
次に、上記の乳化溶融したチーズを小型のカルトン等に充填し、高温で保持することにより徐冷し、又は高温に保持することなく急冷し冷却して固化する。例えば、乳化溶融したチーズを200g詰めのカルトンに充填した後、50℃、3時間保持して徐冷し、または、10kgのコンテナに溶融チーズを流し込んだ状態で徐冷する。徐冷したチーズを5℃の冷蔵庫内で冷却して固化する。このように徐冷して得られたチーズは耐熱性の優れたものであった。また、乳化溶融したチーズを200g詰めのカルトンに充填した後、単体で5℃冷蔵庫で冷却して急冷する。急冷して得られたチーズも、同様に耐熱性に優れたものである。しかし、急冷したチーズに比較して徐冷したチーズの方が相対に耐熱保形性に優れている。
次に、本発明について、試験例を示す。
(試験例1)
試験方法
チェダーチーズ2000g、リン酸ナトリウム40g、カルシウム塩を5g、水100gを添加し、常法により加熱、溶融し、均一に乳化した後、急冷および徐冷して、試験に供するチーズを得た。得られたチーズの水分は約43%であった。急冷とはカルトンにチーズを取った直後に冷蔵したものをいい、また、徐冷とは50℃、3hr保持した後に冷蔵したものをいう。
得られたチーズについて、電子レンジおよび油ちょう性の耐熱試験を行った結果を表1及び表2に示す。試験の方法は以下に示す。
・電子レンジによる耐熱性の評価:
チーズを直径20mm、高さ15mmの円柱状に切断し、600Wで1分間加熱した。電子レンジ加熱の前後のチーズの底面積を測定し、その面積比を比較することと、目視でチーズの膨張度合いを判定することで行った。
面積比=(電子レンジ加熱後のチーズの底面積)/(電子レンジ加熱前のチーズの底面積)
この値が1に近いほど沸きあがりが少なく保形性が強く、電子レンジでの加熱耐性が強い。
・油ちょうによる耐熱性の評価
チーズを直径20mm、高さ15mmの円柱状に切断し、180℃の油中で2分間加熱した。
耐熱性の評価は、目視でチーズの形残りから判定した。
表中の記号(◎、○、△、×)は各試料に対する耐熱保形試験の目視での評価を示し、次の意味をなす。
◎:きれいに原形を保つ(角がある)
○:原形を保つ
△:原形がやや崩れる
×:原形が完全に崩れる
電子レンジによる加熱試験の結果を表1に、油ちょうによる加熱試験の結果を表2に示した。電子レンジ加熱の結果、8種類のカルシウム塩の中で、水酸化カルシウムを添加したチーズにのみ耐熱保形性が認められた。つまり、無添加のチーズの底面積比は急冷が3.82、徐冷が3.33であるのに対し、水酸化カルシウムを添加したチーズはそれぞれ2.12と1.47となり、保形性の向上が認められた。
油ちょう試験の結果も同様で、無添加のチーズが急冷で原形を留めず、油中で飛散したのに対し、水酸化カルシウム添加チーズは原形を保ち素揚げすることができ、保形性が認められた。徐冷チーズでは、無添加は原形がやや崩れながら揚げることができたのに対し、水酸化カルシウム添加は角が残った状態で素揚げでき、耐熱保形性の向上が認められた。
また、硫酸カルシウムを添加して急冷したチーズは油ちょうに対し、保形性の向上が認められた。
Figure 0004242316
Figure 0004242316
(試験例2)試験例1より、特に電子レンジ耐性および油ちょう性に対し効果が認められた水酸化カルシウムの添加量について試験を行った。
試験方法
チェダーチーズ2000g、リン酸ナトリウム40g、水酸化カルシウムを0〜32g(原料チーズに対し0〜1.60%)、水100gを添加し、常法により加熱、溶融し、均一に乳化した後、急冷および徐冷して、試験に供するチーズを得た。得られたチーズの水分は約43%であった。急冷はカルトンにチーズを取った後、直ぐに冷蔵し、徐冷は50℃、3hr保持した後に冷蔵した。
得られたチーズについて、電子レンジおよび油ちょう性の耐熱試験とクリープメーターで物性の測定を行った。
<物性の測定>
チーズを直径20mm、高さ15mmの円柱状に切断し、20℃でチーズを保持した後、クリープメーター((株)山電製)で圧縮試験を行った。
電子レンジによる加熱試験の結果を表3に、油ちょうによる加熱試験の結果を表4に示した。電子レンジ加熱および油ちょう共に、急冷では原料チーズに対し0.20%以上の添加で、徐冷の場合は0.10%以上の添加で、強い耐熱保形性が認められた。
これより、チーズを急冷しても、水酸化カルシウムを原料チーズに対し0.20%以上添加することで、電子レンジ耐性および油ちょう性をチーズに付与できることが分かった。また、水酸化カルシウムの添加量を減らす場合やより強い耐熱性を求められた時には徐冷が効果的であることも分かった。水酸化カルシウムを原料チーズに対し1.60%添加した場合にはチーズが乳化しなかった。また、耐熱試験に供したチーズのpH調整は、急冷の場合、水酸化カルシウム無添加のチーズのpHが5.67で、添加量が増えるに従いpHは上昇し、原料チーズに対し、0.80%添加したチーズは6.30であった。
Figure 0004242316
Figure 0004242316
物性の測定結果を表5に示した。これより、水酸化カルシウムの添加量が増えるに従って、硬くてもろい物性になることが分かった。原料チーズに対し、0.40%迄の添加量であれば食感や風味が悪いとは感じなかったが、これ以上の添加はもろさが大きくなり、食感が悪くなることが考えられた。
Figure 0004242316
(試験例3)乳化剤の添加量が耐熱性におよぼす影響について試験を行った。
試験方法
チェダーチーズ2000g、リン酸ナトリウム10〜100g、水酸化カルシウムを8g、水100gを添加し、常法により加熱、溶融し、均一に乳化した後、急冷および徐冷して、試験に供するチーズを得た。得られたチーズの水分は約43%であった。急冷はカルトンにチーズを取った後、直ぐに冷蔵し、徐冷は50℃、3hr保持した後に冷蔵した。
得られたチーズについて、電子レンジおよび油ちょう性の耐熱試験を行った。
電子レンジ加熱では、乳化剤が原料チーズに対し1.0%以上の添加で耐熱性を付与する効果が認められた。また急冷の場合は乳化剤の添加量に従って、耐熱性が向上したが、徐冷の場合は4.0および5.0%の添加で耐熱性が低下することが分かった。乳化剤の添加量が原料チーズに対し、0.5%では乳化しなかった。ただし、本試験ではpH調整を行ってなく、表6の通りとなった。
Figure 0004242316
油ちょうの結果もレンジ同様、1.0%以上で耐熱性の向上が見られ、4.0%、5.0%の添加で急冷に比べ徐冷は耐熱性が低下した(表7参照)。
Figure 0004242316
(試験例4)各種カルシウム塩の添加と得られたチーズの蒸し器及びオーブンによる加熱に対する耐熱保形性について試験を行った。
チェダーチーズ2000g、リン酸ナトリウム40g、カルシウム塩を5g、水300gを添加し、常法により加熱、溶融し、均一に乳化した後、200gに分取、冷蔵し試験に供するチーズを得た。得られたチーズについて、蒸し器及びオーブンによる加熱に対する耐熱保形性について試験をおこなった。蒸し器及びオーブンによる加熱条件と耐熱性の評価基準は以下の通り。
蒸し:チーズを直径20mm、高さ15mmの円柱状に切断し、蒸し器で100℃、10分間蒸した。
耐熱性の評価:(蒸し加熱後のチーズの高さ)/(蒸し加熱前のチーズの高さ)
オーブン:チーズを直径20mm、高さ15mmの円柱状に切断し、200℃のオーブンで10分間加熱した。
耐熱性の評価:(オーブン加熱後のチーズの高さ)/(オーブン加熱前のチーズの高さ) 表8に示すように、各種カルシウム塩の中でも、硫酸カルシウムの添加して得られたチーズに蒸しに対して効果は認められるものの、やはり水酸化カルシウムを添加して得られたチーズは、蒸し器及びオーブンによる加熱に対しても耐熱保形性は良好であった。
Figure 0004242316
表中の記号(◎、○、△、×)は各試料に対する耐熱保形試験の目視での評価を示し、次の意味をなす。
◎:きれいに原形を保つ ○:原形を保つ
△:原形がやや崩れる ×:原形が完全に崩れる
以上に説明したように、ナチュラルチーズ等の原料を加熱、溶融乳化するに際し、水酸化カルシウムを添加するだけで、電子レンジによる加熱、油ちょうによる加熱、蒸し器による加熱またはオーブンによる加熱に対して保形性を有する耐熱性チーズを製造することができる。
プロセスチーズ等の原料に水酸化カルシウムを添加して加熱溶融したチーズが、電子レンジによる加熱、油ちょうによる加熱、蒸し器による加熱またはオーブンによる加熱に対して耐熱保形性を有する実施例を以下に示す。
直接蒸気吹き込み式チーズ乳化釜に粉砕した原料のチェダーチーズ2000gを投入し、リン酸ナトリウム40g、水酸化カルシウム8g、及び水100gを添加し、乳化釜の蓋をして、100rpmで撹拌しながら、約5分間で75℃に到達させるように加熱、溶融し、乳化して得られたプロセスチーズを200g入りカルトンに充填した後、急冷または徐冷して、試験に供するチーズを得た。得られたプロセスチーズの水分は約42%であった。急冷とはカルトンにチーズを取った直後に冷蔵したものをいい、また、徐冷とは50℃、3hr保持した後に冷蔵したものをいう。
急冷または徐冷して得られたチーズについて、直径20mm、高さ15mmの円柱状のチーズを切断し、600Wで1分間電子レンジにより加熱をしたところ、電子レンジの加熱によるチーズ中の水分の気化による沸きあがりすくなく、きれいに円柱状の原形を保っていた。
また、急冷または徐冷して得られたチーズを直径20mm、高さ15mmの円柱状に切断したチーズを、180℃の油中で2分間加熱したところ、油中で飛散することなく原形を保ち、角が残った状態で素揚げができた。
直接蒸気吹き込み式チーズ乳化釜に粉砕した原料のチェダーチーズ1000g、ゴーダチーズ1000gを投入し、テトラポリリン酸ナトリウム40g、クエン酸ソーダ10g、水酸化カルシウム16g、及び水100gを添加し、乳化釜の蓋をして、200rpmで撹拌しながら、約5分間で90℃に到達させるように加熱、溶融し、乳化して得たプロセスチーズを、200g入りカルトンに充填した後、急冷または徐冷して、試験に供するチーズを得た。得られたプロセスチーズの水分は約43%であった。急冷とはカルトンにチーズを取った直後に冷蔵したものをいい、また、徐冷とは50℃、3hr保持した後に冷蔵したものをいう。
急冷または徐冷して得られたチーズについて、直径20mm、高さ15mmの円柱状のチーズを切断し、600Wで1分間電子レンジにより加熱をしたところ、電子レンジの加熱によるチーズ中の水分の気化による沸きあがりすくなく、きれいに円柱状の原形を保っていた。
また、急冷または徐冷して得られたチーズを直径20mm、高さ15mmの円柱状に切断したチーズを、180℃の油中で2分間加熱したところ、油中で飛散することなく原形を保ち、角が残った状態で素揚げができた。
直接蒸気吹き込み式チーズ乳化釜に粉砕した原料チーズのゴーダーチーズ20kgを投入し、リン酸ナトリウム500g、クエン酸ナトリウム100g、水酸化カルシウム40g、および水2kgを添加し、200rpmで攪拌しながら約5分間で、80℃に到達させるように加熱、溶融し、乳化した後、200gに分取し、急冷および徐冷して、試験に供するチーズを得た。得られたチーズの水分値は45%であった。急冷とはチーズを200gに分取後、直ぐに冷蔵したものをいい、また、徐冷とは50℃で3hr保持した後に冷蔵したものをいう。
得られたチーズについて、直径20mm、高さ15mmの円柱状のチーズを切断し、蒸し器で10分間加熱したところ、形崩れすることなく、きれいに原形を保っていた。
また、同様に試料調製し、200℃のオーブンで10分間加熱したところ、溶けることなく、角が残った状態で原形を保っていた。
直接蒸気吹き込み式チーズ乳化釜に粉砕した原料チーズのチェダーチーズ2000g、大豆硬化油500gとカゼイン300gを投入し、リン酸ナトリウム60g、水酸化カルシウム12gおよび水1000gを添加し、乳化釜の蓋をして、100rpmで攪拌しながら、約5分間で80℃に到達させるように加熱、溶融し、乳化して得られたものを200g入りカルトンに充填した後、急冷または徐冷した。得られた製品の水分値は約45%であった。急冷とはカルトンに取った直後に冷蔵したものをいい、また、徐冷とは50℃、3hr保持した後に冷蔵したものをいう。
急冷または徐冷して得られたものについて、直径20mm、高さ15mmの円柱状に切断し、600Wで1分間電子レンジにより加熱をしたところ、水分の気化による沸きあがりが少なく、きれいに円柱状を保っていた。
急冷または徐冷して得られたものについて、直径20mm、高さ15mmの円柱状に切断し、180℃の油中で2分間加熱したところ、油中で飛散することなく原形を保ち、角が残った状態で素揚げできた。
急冷または徐冷して得られたものについて、直径20mm、高さ15mmの円柱状に切断し、蒸し器で10分間加熱したところ形くずれすることなくきれいに原形を保っていた。また、同様に切断し、200℃のオーブンで10分間加熱したところ、溶けることなく、角が残った状態で原形を保っていた。

Claims (1)

  1. ナチュラルチーズ等の原料100重量%に、溶融塩1.0〜3.0重量%、及び水酸化カルシウム0.10%〜0.40%を添加して加熱、溶融乳化し、冷却して固化した耐熱性チーズの製造方法。
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