JP4241443B2 - 音声信号処理装置、音声信号処理方法 - Google Patents

音声信号処理装置、音声信号処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4241443B2
JP4241443B2 JP2004067480A JP2004067480A JP4241443B2 JP 4241443 B2 JP4241443 B2 JP 4241443B2 JP 2004067480 A JP2004067480 A JP 2004067480A JP 2004067480 A JP2004067480 A JP 2004067480A JP 4241443 B2 JP4241443 B2 JP 4241443B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
level
audio signal
volume
correction amount
correction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004067480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005260470A (ja
Inventor
洋一 上原
圭祐 尾澤
康平 加納
真二 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004067480A priority Critical patent/JP4241443B2/ja
Priority to US11/074,519 priority patent/US7706552B2/en
Priority to DE602005021005T priority patent/DE602005021005D1/de
Priority to KR1020050019518A priority patent/KR101145941B1/ko
Priority to EP05251435A priority patent/EP1575164B1/en
Priority to CN2005100741480A priority patent/CN1681204B/zh
Publication of JP2005260470A publication Critical patent/JP2005260470A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4241443B2 publication Critical patent/JP4241443B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S7/00Indicating arrangements; Control arrangements, e.g. balance control
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D5/00Electroplating characterised by the process; Pretreatment or after-treatment of workpieces
    • C25D5/10Electroplating with more than one layer of the same or of different metals
    • C25D5/12Electroplating with more than one layer of the same or of different metals at least one layer being of nickel or chromium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25DPROCESSES FOR THE ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PRODUCTION OF COATINGS; ELECTROFORMING; APPARATUS THEREFOR
    • C25D1/00Electroforming
    • C25D1/0033D structures, e.g. superposed patterned layers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03GCONTROL OF AMPLIFICATION
    • H03G3/00Gain control in amplifiers or frequency changers
    • H03G3/20Automatic control
    • H03G3/30Automatic control in amplifiers having semiconductor devices
    • H03G3/3005Automatic control in amplifiers having semiconductor devices in amplifiers suitable for low-frequencies, e.g. audio amplifiers
    • H03G3/3026Automatic control in amplifiers having semiconductor devices in amplifiers suitable for low-frequencies, e.g. audio amplifiers the gain being discontinuously variable, e.g. controlled by switching
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03GCONTROL OF AMPLIFICATION
    • H03G3/00Gain control in amplifiers or frequency changers
    • H03G3/20Automatic control
    • H03G3/30Automatic control in amplifiers having semiconductor devices
    • H03G3/3089Control of digital or coded signals
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S2400/00Details of stereophonic systems covered by H04S but not provided for in its groups
    • H04S2400/13Aspects of volume control, not necessarily automatic, in stereophonic sound systems
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04SSTEREOPHONIC SYSTEMS 
    • H04S7/00Indicating arrangements; Control arrangements, e.g. balance control
    • H04S7/40Visual indication of stereophonic sound image

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Stereophonic System (AREA)
  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)

Description

本発明は、音量調整のための音声信号処理装置、及び音声信号処理方法に関する。
各種の音響再生装置では、出力音声の音量を抑制するようにして補正する機能を有するものが知られている。このような音量補正機能により、例えば、過大レベルに依る歪みの発生が防止される。また、不用意な音量操作などにより、必要以上の大きな音量により音声が出力されることもなくなって、ユーザが不快感を覚えることがない。また、音声出力回路系やスピーカなどが過大な信号入力により破壊されてしまうようなことも防止される。
特開2001−77645号公報 特開2002−84589号公報
ところで、上記した音量補正機能を主に音声の歪み防止や回路等の保護を目的として設けることとした場合において、例えば単純に或る一定の信号レベル以内となるように制限するような構成を採ることとした場合には、例えば、必要以上に音量抑制がはたらくなどして、ユーザが期待するような音量感が損なわれる場合がある。このようなことは、例えばユーザにとっては、魅力のない再生音であるとして捉えられることにつながり得る。
そこで、音量補正のための制御としては、歪みの防止効果と、聴感上充分とされる音量感が得られることの両立が図られるようにして適正に行われることが求められる、ということになる。また、例えばこのような音量補正のためのアルゴリズムとしても、回路規模やプログラム量に応じたメモリ使用量等を考慮すると、できるだけ簡略なものとされることが好ましい。
そこで本発明は上記した課題を考慮して、音声信号処理装置として次のように構成する。
つまり、音量可変操作に応じて設定される音声信号のレベル値である音量操作対応レベル値をαとし、この音量操作対応レベル値αについての補正量をβとして、入力される音声信号を、レベルα+βの音声信号として出力するレベル可変手段と、上記レベル可変手段から出力される音声信号が、一定以上のレベルであるか否かを、一定時間間隔ごとに検出するレベル検出手段と、上記音声信号のレベルα+βが過大とみなされる状態である、上記レベル検出手段により上記一定以上のレベルであるとの検出結果が所定回数以上連続して得られたことを判別した場合には、3段階以上による所定の段階数の範囲において、これまでの補正量βに対して一定の単位補正量を加算して得られる新たな補正量βを設定し、上記音声信号のレベルα+βが過大とみなされない状態である、上記レベル検出手段により上記一定以上のレベルであるとの検出結果が得られる回数が、所定の連続回数に対して所定以下の割合であることを判別した場合には、3段階以上による所定の段階数の範囲において、これまでの補正量βに対して一定の単位補正量を減算して得られる新たな補正量βを設定する、補正量設定手段と、現在の上記音量操作対応レベル値αと上記補正量設定手段により設定される補正量βとにより制御用信号レベル値α+βを求め、上記入力される音声信号が上記制御用信号レベル値α+βに対応するレベルの音声信号として出力されるように上記レベル可変手段を制御するレベル制御手段とを備えることとした。
また、音声信号処理方法としては、音量可変操作に応じて設定される音声信号のレベル値である音量操作対応レベル値をαとし、この音量操作対応レベル値αについての補正量をβとして、入力される音声信号を、レベルα+βの音声信号として出力するレベル可変手順と、上記レベル可変手順により出力される音声信号が、一定以上のレベルであるか否かを、一定時間間隔ごとに検出するレベル検出手順と、上記音声信号のレベルα+βが過大とみなされる状態である、上記レベル検出手順により上記一定以上のレベルであるとの検出結果が所定回数以上連続して得られたことを判別した場合には、3段階以上による所定の段階数の範囲において、これまでの補正量βに対して一定の単位補正量を加算して得られる新たな補正量βを設定し、上記音声信号のレベルα+βが過大とみなされない状態である、上記レベル検出手順により上記一定以上のレベルであるとの検出結果が得られる回数が、所定の連続回数に対して所定以下の割合であることを判別した場合には、3段階以上による所定の段階数の範囲において、これまでの補正量βに対して一定の単位補正量を減算して得られる新たな補正量βを設定する、補正量設定手順と、現在の上記音量操作対応レベル値αと上記補正量設定手順により設定される補正量βとにより制御用信号レベル値α+βを求め、上記入力される音声信号が上記制御用信号レベル値α+βに対応するレベルの音声信号として出力されるように上記レベル可変手順を制御するレベル制御手順とを実行するようにして構成することとした。
上記各構成によると、音量可変操作に応じた音声信号のレベル(音量)を可変するものとして、入力される音声信号を、音量操作に応じた音量操作対応レベル値αと補正量βとによるレベルα+βにより出力するレベル可変手段(手順)と、このレベル可変手段により出力される音声信号のレベルが過大であるか否かの判別に基づいて、これまでの補正量βに対して一定の単位補正量を加算又は減算して新たな補正量βを得る補正量設定手段(手順)と、現在の音量操作対応レベル値αと補正量βとにより求めた制御用信号レベル値α+βに応じた上記のレベルα+βとなるようにして制御するレベル制御手段(手順)を備えるものとしている。
このような構成では、先ず、音量補正がどのようにしてはたらくのかは、音声信号レベルが過大な状態であるかどうかと、単位補正量の設定により決まることになる。
また、補正量設定手段(手順)は、レベル可変手段から出力された後の音声信号のレベルに基づいて、レベル可変手段(手順)から出力される音声信号のレベルを変更するための補正量を設定するようにしている。つまり、レベル可変手段(手順)に対するフィードバック制御を行っているが、これは、音量可変操作に応じてレベル可変手段(手順)が設定した音声信号レベルに対して、補正量設定手段(手順)及びレベル制御手段(手順)によるレベル可変制御が有効になるということを意味する。
このことから、本発明としては、音量補正のためのレベル制御を実行させるための条件となる、音声信号のレベルが過大であるか否かの判別結果と、これに基づいた補正量の設定により、必要とする音量補正効果が容易、かつ、的確に得られることになる。つまり、例えば、歪みの防止と充分な音量感との両立が図られるような音量制御効果も、音声信号のレベルが過大であるか否かの判別と補正量とについて考慮すれば容易に得ることができる。さらには、音量補正の効果がはたらくときにも聴感上自然な音量変化を得ることが可能となる。また、このようにして聴感上有利とされる適正な音量補正効果を得るのにあたっても、簡略なアルゴリズムにより実現することが可能であり、従って、本発明に対応する機能は、例えば小規模回路や少ないプログラム量で実現することが可能となる。
また、本発明は、上記のようにして、補正量設定手段(手順)及びレベル制御手段(手順)によるレベル可変手段(手順)に対するレベル可変制御はフィードバック制御となっていることで、例えば音量可変操作による音声信号レベルの変化などに反応して、適切に補正が行われることになるものであり、これによっても、聴感上有利とされる音量補正効果が得られることとなる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という)について説明を行うこととする。本実施の形態としては、本発明に基づく音声信号処理装置を、マルチチャンネル方式での音響再生が可能な音響再生装置に適用した例を挙げることとする。
図1のブロック図は、本実施の形態としての音響再生装置の全体構成を示している。
先ず、この図に示す音響再生装置においては、音声ソース入力部1が備えられている。この音声ソース入力部1は、音響再生すべき音源(音声ソース)を入力、取得する部位とされる。
そして、この場合には、音声ソース入力部1を成す部位として、CDドライブ部11とDVDドライブ部12を備えるものとされる。CDドライブ部11は、装填されたオーディオCD(Compact Disc)に対する再生を行って、セレクタ2に対してデジタルオーディオ(音声)信号を出力するようにされる。また、DVDドライブ部12は、装填されたDVD(Digital Versatile Disc)を再生する。例えば映像/音声コンテンツが記録されるDVDでは、ビデオ(映像)信号及びオーディオ信号を再生時間を同期させた形式で、例えばMPEG2フォーマットなどにより圧縮符号化して記録している。ここでの、DVDドライブ部12では、このようなDVDに対する読み出しを行って、ビデオ信号に対応するデータとオーディオ信号に対応するデータを取得するようにされる。これらビデオ信号のデータとオーディオ信号のデータうち、ビデオ信号に対応するデータは、ここでは図示していない、復調処理回路系に対して入力されるようになっている。この復調処理回路系の処理によって、ビデオ信号のデータについて、上記圧縮符号化のフォーマットに対応する復調処理が行われて、デジタルビデオ信号が得られることとなる。また、オーディオ信号のデータは、セレクタ2に対して出力される。
また、この場合の音声ソース入力部1としては、外部アナログオーディオ信号も入力可能とされている。つまり、この音声ソース入力部1においては、外部からアナログオーディオ信号を入力するための音声信号入力端子を備えており、この音声信号入力端子から供給されるアナログオーディオ信号を入力して取得するようにされている。また、この場合の音声ソース入力部1としては、このようにして入力したアナログオーディオ信号については、A/D変換処理を行ってデジタルオーディオ信号に変換した後に、セレクタ2に対して入力することとしている。
なお、ここでは、音声ソース入力部1における各ドライブ部の動作などは、システム制御部6により制御されるようになっている。
また、音声ソース入力部1により入力、取得する音声ソースとしては、上記したCD、DVDから再生して得られるオーディオ信号、及び外部からアナログ形式で入力されたオーディオ信号に限定されるべきものではない。例えば、音声ソース入力部1にテレビジョンチューナを備えることで、テレビジョン放送を受信選局して得られたビデオ/オーディオ信号のうち、オーディオ信号を取得するように構成してもよい。また、外部から入力する音声ソースとしては、例えば所定の伝送フォーマットによりデジタルオーディオ信号を入力、取得するように構成されていてもよいものである。
セレクタ2は、上記のようにして、音声ソース入力部1から入力される複数系統のオーディオ信号について、システム制御部6の制御に応じて、1つのオーディオ信号を選択して、サラウンド処理部3に対して出力する。
サラウンド処理部3では、入力されたオーディオ信号について、マルチチャンネル化するための所要の信号処理を実行する。
先ず、入力されたオーディオ信号が、例えばDVDドライブ部12にて再生されたオーディオ信号のデータであり、元からマルチチャンネルに対応しているものである場合には、先ず、圧縮符号化に対する復調処理を実行し、この復調処理の出力として、各チャンネルに対応するデジタルオーディオ信号を得るようにされる。
また、CDから再生されたデジタルオーディオ信号などをはじめとして、例えば元はL(左),R(右)の2チャンネルのフォーマットであったり、モノラルのフォーマットであるような信号である場合には、所定の信号処理を行うことで、入力されたオーディオ信号から、各チャンネルに対応するデジタルオーディオ信号を擬似的に生成して得るようにされる。
本実施の形態においては、マルチチャンネルとして、フロント左(L)チャンネル(FL)、フロント右(R)チャンネル(FR)、フロントセンター(C)チャンネル(FC)、(サラウンド(リア)左チャンネル(SL)、及びサラウンド(リア)右チャンネル(SR)から成る5つのフルレンジチャンネルと、サブウーファー1(SW1)、サブウーファー2(SW2)の2つのサブウーファーチャンネルから成る、5.2chによる音響再生を行うように構成されており、サラウンド処理部3としても、これらの各チャンネルに対応するデジタルオーディオ信号(S_FL,S_FR,S_FC,S_SL,S_SR,S_SW1,S_SW2)を出力する。
そして、これらデジタルオーディオ信号(S_FL,S_FR,S_FC,S_SL,S_SR,S_SW1,S_SW2)は、それぞれ、各チャンネルごとに対応して設けられるデジタルオーディオ信号処理ブロック(4_FL,4_FR,4_FC,4_SL,4_SR,4_SW1,4_SW2)に対して入力されるようになっている。
デジタルオーディオ信号処理ブロック(4_FL,4_FR,4_FC,4_SL,4_SR,4_SW1,4_SW2)は、それぞれ、入力されたデジタルオーディオ信号について所要の信号処理を施すようにされる。ここでの信号処理としては、例えば、ユーザ操作若しくは所定の適応制御等に応じた音質可変に対応するイコライジング処理、音量(ボリューム)操作などに基づいた音量調整指示に応じたレベル可変処理などが行われる。なお、レベル可変に関する部位については、後述する。また、これらデジタルオーディオ信号処理ブロック(4_FL,4_FR,4_FC,4_SL,4_SR,4_SW1,4_SW2)の各々に対する動作制御も、システム制御部6が実行するようにされる。
そして、これらデジタルオーディオ信号処理ブロック(4_FL,4_FR,4_FC,4_SL,4_SR,4_SW1,4_SW2)にて信号処理が施されたデジタルオーディオ信号は、相互の信号出力タイミングが適正なものとなるようにして調整されたうえで、各チャンネルに対応するパワーアンプブロック(5_FL,5_FR,5_FC,5_SL,5_SR,5_SW1,5_SW2)に対して入力される。
また、デジタルオーディオ信号処理ブロック(4_FL,4_FR,4_FC,4_SL,4_SR,4_SW1,4_SW2)の各々は、同一とされる所定のサンプリング周波数及び量子化ビットによるデジタルオーディオ信号を出力するものとされる。
この場合、パワーアンプブロック(5_FL,5_FR,5_FC,5_SL,5_SR,5_SW1,5_SW2)の各々は、出力段にD級パワーアンプを備える、いわゆるデジタルアンプとしての構成を採る。また、この場合においては、パワーアンプブロック(5_FL,5_FR,5_FC,5_SL,5_SR,5_SW1,5_SW2)は、基本的には、共通の構成を採るものとされて良い。このパワーアンプブロックの基本構成については後述する。
パワーアンプブロック(5_FL,5_FR,5_FC,5_SL,5_SR,5_SW1,5_SW2)では、上記のようにして、各チャンネルに対応するデジタルオーディオ信号を入力してD級増幅動作を行って、それぞれ、スピーカ(SP_FL,SP_FR,SP_FC,SP_SL,SP_SR,SP_SW1,SP_SW2)を駆動する。これにより、スピーカ(SP_FL,SP_FR,SP_FC,SP_SL,SP_SR,SP_SW1,SP_SW2)の各々からは、対応するチャンネルの音声が出力されることになる。そして、このときに、各スピーカ(SP_FL,SP_FR,SP_FC,SP_SL,SP_SR,SP_SW1,SP_SW2)が適切な位置関係により配置されていれば、リスニングポジションとされる位置においては、良好なバランスによりサラウンド音声を聴取できることになる。
また、パワーアンプブロック(5_FL,5_FR,5_FC,5_SL,5_SR,5_SW1,5_SW2)についての所要の動作も、システム制御部6により制御可能とされている。
システム制御部6は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などから成るマイクロコンピュータを備えて構成されるもので、これまでの説明からも理解されるようにして、図1に示す各部に対する動作制御を含み、音響再生装置が適正に動作するための各種処理を実行する。
また、システム制御部6に対しては、ユーザインターフェイス部7が接続されている。このユーザインターフェイス部7は、ユーザが音響再生装置の動作を操作するために設けられる各種の操作子(リモートコントローラ及びそのための受信部なども含む)と、音響再生装置の動作状態などをはじめとする所要の情報を表示により提示する表示部(表示部を構成する表示デバイスは特に限定されない)7b等などの、いわゆるユーザインターフェイスとして機能する部位を総括して示している。
ユーザインターフェイス部7としては、所定の操作子に対して行われた所定操作に応じた操作コマンドをシステム制御部6に対して出力する。システム制御部6は、この入力された操作コマンドに応答して所要の制御処理を実行するようにされる。また、システム制御部6は、画像表示のための表示制御処理を実行する。これにより、表示部7bにおいて必要な内容の表示が行われる。なお、表示部7bを構成する表示デバイスは特に限定されるべきものではない。
また、このユーザインターフェイス部7においては、本実施の形態にかかわる操作子として、特に、音量操作子7aが示される。この音量操作子7aは、スピーカ(SP_FL,SP_FR,SP_FC,SP_SL,SP_SR,SP_SW1,SP_SW2)から出力される音声についての全体的な音量調整を行うための操作子とされる。つまり、この音量操作子7aに対する操作として、音量をアップ/ダウン(増減)させるための操作が行われたとすれば、このときの操作による音量増加量又は減少量に応じて、全てのスピーカ(SP_FL,SP_FR,SP_FC,SP_SL,SP_SR,SP_SW1,SP_SW2)からの出力音声によるサラウンド音声全体の音量が増加若しくは減少されるようにコントロールされる。これにより、サラウンド音声としては、各チャンネルの音量バランスが崩れることなく、全体的に音量の増減が行われることになる。
このような音量コントロールは、システム制御部6が実行する。システム制御部6には、音量操作子7aに対して行われた操作に応じて、音量の増減量を指示する操作コマンドが入力される。システム制御部6は、この操作コマンドに応じて、デジタルオーディオ信号処理ブロック(4_FL,4_FR,4_FC,4_SL,4_SR,4_SW1,4_SW2)の各々から出力されるオーディオ信号について、同等の音量の増減が得られるように制御を行なう。このためには、例えば、デジタルオーディオ信号処理ブロック(4_FL,4_FR,4_FC,4_SL,4_SR,4_SW1,4_SW2)の各々に対して、音声信号レベルの増減を指示する制御信号を共通に出力するようにされる。
また、音量操作子7aとしては、例えばダイヤル的な操作子とされて回転操作が可能なもの、あるいは、いわゆるアップ/ダウンキーの組み合わせによるものなどをはじめ、各種考えることができる。また、表示部7bに表示されるGUI画面に対する所定操作により、音量操作子7aとしての機能が実現できるようにしてもよい。つまり、音量操作子としての操作子のタイプと、これに応じた操作態様などは特に限定されるべきものではない。
なお、以降の説明にあたって、デジタルオーディオ信号処理ブロック(4_FL,4_FR,4_FC,4_SL,4_SR,4_SW1,4_SW2)、パワーアンプブロック(5_FL,5_FR,5_FC,5_SL,5_SR,5_SW1,5_SW2)、及びスピーカ(SP_FL,SP_FR,SP_FC,SP_SL,SP_SR,SP_SW1,SP_SW2)について、特にチャンネルを区別する必要がなく、共通化したもの、若しくは一括的なものとして説明する場合には、それぞれ、単に、デジタルオーディオ信号処理ブロック4、パワーアンプブロック5、及びスピーカSPと記述する。
また、この図1に示す実施の形態の音響再生装置の構成はあくまでも基本的な一例を示しているに過ぎないものであり、実際としては、必要に応じた機能部位を追加したり、また、所要部位が適宜変更されるなどしても構わないものである。
図2は、上記図1に示したパワーアンプブロック5の基本構成例を示している。つまり、パワーアンプブロック(5_FL,5_FR,5_FC,5_SL,5_SR,5_SW1,5_SW2)で共通となる基本的な構成である。前述のようにして、本実施の形態のパワーアンプブロック5は、D級動作の増幅段を備えるデジタルアンプとしての構成を採る。
この場合のパワーアンプブロック5としては、図示するようにしてデジタルフィルタ51、ΔΣ変調器52、PWM変調器53、増幅出力部54を備えて成るものとされる。
デジタルフィルタ51に対しては、デジタルオーディオ信号処理ブロック4から出力される、所定のサンプリング周波数及び量子化ビット数によるデジタルオーディオ信号が入力される。そして、デジタルフィルタ51では、入力されるデジタルオーディオ信号について、元のサンプリング周波数に対する所定倍のサンプリング周波数によりリサンプリングを行う、いわゆるオーバーサンプリング等をはじめとする所要のデジタル信号処理を施す。このようにしてデジタルフィルタ51にて信号処理が施されたデジタルオーディオ信号は、ΔΣ変調器52に対して出力される。
ΔΣ変調器52は、周知のようにして積分器、量子化器等を備えるとともに、量子化器の出力を積分器の入力に対して負帰還をかけるようにして構成される。このような構成により、入力されたデジタルオーディオ信号の量子化ビットの語長を所定ビット数に短くするようにされる。また、このときに生じる量子化ノイズ成分をオーディオ帯域よりも高い帯域に移動させる、いわゆるノイズシェイピングといわれる処理を実行する。これが、ΔΣ変調といわれ、このようにして、ΔΣ変調されたデジタルオーディオ信号としては、そのデジタルオーディオ信号を音声信号波形としてみたときに、この音声信号波形の振幅の時間軸的変化に応じて1,0の密度が変化する1ビットのパルス列となる。このようにして得られた1ビットのパルス列によるΔΣ変調信号は、PWM変調器53に対して入力される。
PWM変調器53では、入力されたΔΣ変調信号について、PWM(Pulse Width Modulation)変調処理を施す。前述もしたようにΔΣ変調信号は、音声信号波形の振幅に応じて"1","0"の密度が変化する1ビットのパルス列である。そして、この信号がPWMにより変調されることによっては、"1","0"の密度に応じてパルス幅が変化する(振幅は一定である)PWM信号が生成される。つまり、ΔΣ変調信号に対応する音声信号波形の振幅に応じて、パルス幅が可変された信号が得られる。
PWM変調器53から出力されたPWM信号は、増幅出力部54に入力される。
増幅出力部54は、周知のようにして、PWM信号をスイッチングして増幅するスイッチング増幅回路と、この増幅出力を音声信号波形とするためのローパスフィルタとから成る。スイッチング増幅回路は、例えば高電圧でスイッチングを行うことのできるNチャンネルのパワーMOS−FETを備えて構成することができる。また、ローパスフィルタは、周知のようにして、インダクタ及びコンデンサを備えて形成したLCローパスフィルタが採用される。
増幅出力部54においては、先ず、PWM変調器53から入力されたPWM信号についてスイッチング増幅回路がスイッチングを行って増幅し、ローパスフィルタに通過させるようにして増幅動作を行うようにされる。これにより、スピーカSPには、音声信号波形の駆動電流が流れることになり、スピーカSPからは例えば音声が出力されることになる。
図3のブロック図には、デジタルオーディオ信号処理ブロック4の内部構成として、対応チャンネルの出力音声についての音量可変に関連する部位を主に示している。この場合には、デジタルオーディオ信号処理ブロック4の音量可変に関する部位として、レベル切換部41及びレベルコントロール部42が備えられる。また、後述するようにしてレベルコントロール後のデジタルオーディオ信号レベルに適応した音量制御のためのオーバーフロー検出部43も備えられる。また、この図では、デジタルオーディオ信号処理ブロック4以外の部位として、システム制御部6と、ユーザインターフェイス部7における音量操作子7a、及び論理和演算回路8も示される。なお、図1においては説明の便宜上、この論理和演算回路8の図示は省略している。
デジタルオーディオ信号処理ブロック4におけるレベル切換部41及びレベルコントロール部42は何れもレベル可変に関する部位とされ、以降説明するようにして、レベル可変のための条件が異なっている。そして、レベル可変に関しては、レベル切換部41とレベルコントロール部42は、それぞれ前段と後段の関係となる。従って、サラウンド処理部3から出力された或るチャンネル対応のデジタルオーディオ信号は、レベル可変されるのにあたっては、先にレベル切換部41に入力されるものとなる。
先に図1により説明したように、音声ソース入力部1において入力取得される音声ソースとしてのデジタルオーディオ信号はセレクタ2において選択され、後段に出力される結果、最終的に音声として出力されるようになっている。つまり、セレクタ2におけるデジタルオーディオ信号(つまり音声ソース)の選択は、音響再生装置におけるいわゆるファンクション切換の動作に相当する。つまり、ユーザとしては、例えば図1に示す構成の場合であれば、CD、DVD、外部入力(外部アナログオーディオ信号)などの間でファンクションの切り換えのための所定操作をユーザインターフェイス部7に対して行うようにされる。この操作に応じて、システム制御部6は、指定されたファンクション(音声ソース)に対応するデジタルオーディオ信号がセレクタ2にて選択出力されるように制御を実行する。
ここで、デジタルオーディオ信号のレベルは、ファンクションごとに異なっている場合がある。具体例として、オーディオCDの信号レベルは最大で0dBであるが、外部アナログオーディオ信号を元とするデジタルオーディオ信号は、これよりも一般に低い。このような信号レベル差が或る程度以上大きいような場合において、ファンクションを切り換えることとすれば、この切り換えに応じて再生出力される音量にも大きな差が出てくることとなって、例えば聴感上好ましくないなどの不都合が生じる。
そこで、レベル切換部41では、上記したようなファンクション間でのオーディオ信号レベルの差が一定以内となるようにして補正されるように、切り換えられたファンクションに応じてオーディオ信号レベルを、所定量シフトさせるようにしてレベル切り換えを行うようにされる。
例えばファンクションごとのオーディオ信号レベル差はほぼ決まっていることから、ファンクションごとに対応して必要となるシフトレベルも予め決定しておくことができる。そこで、例えばシステム制御部6は、ファンクション切り換えのための制御(つまりセレクタ2に対する制御)を実行するのに応じて、レベル切換部41に対して制御信号Sc1を出力することで、切り換えたファンクションに応じた信号レベルのシフトを指示するようにされる。レベル切換部41では、制御信号Sc1による指示に応じたシフトレベルを設定して、入力されるデジタルオーディオ信号についてレベルシフトを行って出力するようにされる。なお、実際にレベルをシフトするためには、例えばレベル切換部41は、シフトするレベルに応じてゲイン設定を変更するなどの処理を実行すればよい。このようにしてレベルシフトが行われる結果、音量操作子7aによる操作音量を固定とした条件での、ファンクションの切り換えに応じた再生音量は、一定範囲内に収めることが可能になる。
レベル切換部41から出力されたデジタルオーディオ信号は、必要に応じて所要の信号処理が施されたうえで、或る信号処理段階において、レベルコントロール部42に対して入力される。
レベルコントロール部42は、基本的な動作として、音量操作子7aに対して行われた音量アップ/ダウンの操作に応じたシステム制御部6の制御に従って、入力されたデジタルオーディオ信号のレベル(ゲイン)を増加或いは減少させるための信号処理を実行する。
また、特に本実施の形態では、このレベルコントロール部42から出力されるデジタルオーディオ信号のレベル状態についてシステム制御部6が所定の条件判断を行うようにされている。そして、この条件判断結果に応じた制御に従って、レベルコントロール部42における実際の設定レベルを可変するようにされている。これは、例えば音量操作子7aに対する操作などによって音量が或る程度以上大きくされたのに応じて、過大入力となって音声に歪みが生じないようにすることを目的とする音量制御(音量補正制御)となる。システム制御部6は、上記音量操作子7aに対する操作に応じたレベル可変制御、及び音量補正制御のためのレベル可変制御を、レベルコントロール部42に対して制御信号Sc2を出力することにより行うようにされる。つまり、制御信号Sc2としては、例えばレベルの増減ステップを指示するものとされ、レベルコントロール部42は、この制御信号Sc2が示す増減ステップに対応して、入力されるデジタルオーディオ信号に対するレベル可変処理を行うようにされる。
この場合においては、レベルコントロール部42にてレベル設定されたデジタルオーディオ信号は、パワーアンプブロック5に対して入力されることとなっている。なお、必要に応じて、レベルコントロール部42の出力とパワーアンプブロック5の入力との間に何らかの信号処理系が介在するような実際の構成とされても構わないものである。
そして、この場合におけるレベルコントロール部42の出力(パワーアンプブロック5の入力段階)となるデジタルオーディオ信号は、分岐してオーバーフロー検出部43に対して入力されるようにもなっている。
オーバーフロー検出部43は、パワーアンプブロック5に入力されるデジタルオーディオ信号がオーバーフローしているか否かについて検出を行う。
ここでのオーバーフローは、デジタルオーディオ信号処理のための演算結果の状態として、その信号レベルがいわゆる桁あふれとなっていることを指す。従って、このようなオーバーフローとされているデジタルオーディオ信号をパワーアンプブロック5に入力した場合には、過大入力となって出力音声が歪む状態となり得る。つまり、本実施の形態としては、パワーアンプブロック5に入力されるべきオーディオ信号が過大となって歪みが生じる状態となるか否かについての検出を、このオーディオ信号がデジタル形式であることに基づいて、オーバーフローの状態にあるか否かを検出することで行なっているものである。
また、ここで留意すべきことは、このオーバーフロー検出部43は、レベルコントロール部42にてレベル調整された後のデジタルオーディオ信号を検出対象としていることである。従って、このオーバーフロー検出部43にて検出されるデジタルオーディオ信号のレベル状態(つまり、オーバーフローの状態か否かということ)としては、音量操作子7aに対する音量操作に対応したレベルコントロール部42におけるレベル調整結果が反映されていることになる。つまり、レベルコントロール部42におけるレベルコントロール結果として、音量操作子7aに対する音量アップ操作に応じて増加された音量レベルが一定以上となると、オーバーフロー検出部43にてオーバーフローであることが検出されることにつながるという関係を有している、ということである。
そして、オーバーフロー検出部43によりオーバーフローしていることを検出したときには、検出フラグflgを立てることとしている。この検出フラグflgは論理和演算回路8に対して入力される。次に説明するようにして、論理和演算回路8は、所定の複数チャンネルごとのデジタルオーディオ信号処理ブロック4に備えられるオーバーフロー検出部43からの検出フラグflgの出力が入力される。システム制御部6は、後述するようにして、この論理和演算回路8の出力に演算結果に基づいて条件判断を行い、この条件判断結果に応じて、音量補正制御のためのレベルコントロールが行われるようにレベルコントロール部42に対する制御を実行する。
また、本実施の形態におけるオーバーフロー検出部43の仕様としては、一旦、オーバーフローであることを検出して、このことを示す検出フラグflgを出力開始したとされると、以降においては、オーバーフローの状態でなくなったとしても、リセットされない限りは、オーバーフローであることを示す検出フラグflgの出力を継続する。
そこで、システム制御部6は、リセット信号として制御信号Sc3を出力可能とされており、オーバーフロー検出部43は、この制御信号Sc3の入力に応じたタイミングで、検出フラグflgをリセットするようにされる。
なお、オーバーフロー検出部43は、例えばデジタルオーディオ信号処理ブロック4としてのIC内において、デジタルオーディオ信号処理ブロック4内にて実行すべき各種の処理に用いるオーバーフロー検出結果を得るために備えられる部位を利用すればよい。一般に、オーバーフローの検出は、一般に、デジタル信号処理としての演算結果としてキャリーといわれる実質的に最上位ビットの1桁上のビットの値と、ボロー(桁下がり/桁借り)の値を参照することで行うことができるが、オーバーフロー検出部43としても、このような検出の手法を採用した構成とされればよい。
図4は、本実施の形態の音響再生装置において、音量補正制御系としての全体構成を形成する部位を抜き出して示している。
この図においては、複数のレベルコントロール部42と複数のオーバーフロー検出部43が示されている。図3に示したように、レベルコントロール部42及びオーバーフロー検出部43は、デジタルオーディオ信号処理ブロック4に備えられるものであり、デジタルオーディオ信号処理ブロック4は、チャンネルごとに対応して備えられる。従って、レベルコントロール部42とオーバーフロー検出部43についても、それぞれ、チャンネルごとに対応して設けられることになる。これに応じて、図4においては、7つの各チャンネル(FL,FR,FC,SL,SR,SW1,SW2)ごとに対応して、各チャンネルごとのレベルコントロール部(42_FL,42_FR,42_FC,42_SL,42_SR,42_SW1,42_SW2)と、同じく各チャンネルごとのオーバーフロー検出部(43_FL,43_FR,43_FC,43_SL,43_SR,43_SW1,43_SW2)が示される。
また、先に図3に示した論理和演算回路8の実際としては、図4に示すようにして、第1論理和演算回路8−1と、第2論理和演算回路8−2との2つが備えられる。
この場合において、第1論理和演算回路8−1と第2論理和演算回路8−2は、それぞれ、フルレンジチャンネルとサブウーファーチャンネルとに対応する。
つまり、先ず第1論理和演算回路8−1に対しては、フルレンジチャンネル群(FL,FR,FC,SL,SR)に対応するオーバーフロー検出部(43_FL,43_FR,43_FC,43_SL,43_SR)の各々から出力される検出フラグ(flg_FL,flg_FR,flg_FC,flg_SL,flg_SR)が入力される。
第1論理和演算回路8−1では、これら検出フラグ(flg_FL,flg_FR,flg_FC,flg_SL,flg_SR)の論理和を演算して得られる出力を、システム制御部6側が読み込むべき検出フラグflg_Hとして、システム制御部6の検出入力ポートPt1に対して出力する。
また、第2論理和演算回路8−2に対しては、残るサブウーファーチャンネル群(SW1,SW2)に対応するオーバーフロー検出部(43_SW1,43_SW2)の各々から出力される検出フラグ(flg_SW1,flg_SW2)が入力される。第2論理和演算回路8−2も、検出フラグ(flg_SW1,flg_SW2)の論理和を演算して得られる出力を、システム制御部6側が読み込むべき検出フラグflg_Lとして、システム制御部6の検出入力ポートPt2に対して出力する。
このことから、検出フラグflg_Hはフルレンジチャンネル群に対応し、検出フラグflg_Lはサブウーファーチャンネル群に対応しており、システム制御部6では、これらの検出フラグflg_H,flg_Lについて、検出入力ポートPt1,Pt2をスキャンして取り込むことで、そのフラグ状態を認識できることになる。
この場合において、フルレンジチャンネル群に対応するオーバーフロー検出部(43_FL,43_FR,43_FC,43_SL,43_SR)は、それぞれ、オーバーフローを検出しない状態では"0"(Lレベル)を出力し、オーバーフローであることを検出したのに応じて"1"(Hレベル)の出力に切り換えるものとする。サブウーファーチャンネル群に対応するオーバーフロー検出部(43_SW1,43_SW2)も同様である。
従って、第1論理和演算回路8−1では、フルレンジチャンネル群(FL,FR,FC,SL,SR)を成すチャンネルの少なくとも何れか1つのチャンネルにおいて、オーバーフロー検出部43によりオーバーフローであることが検出されるのに応じて、演算出力である検出フラグflg_Hを、"0"から"1"の出力に切り換えるように動作することになる。
また、同様にして、第2論理和演算回路8−2では、サブウーファーチャンネル(SW1,SW2)の少なくとも何れか一方において、オーバーフロー検出部43によりオーバーフローであることが検出されるのに応じて、演算出力である検出フラグflg_Lを、"0"から"1"の出力に切り換える。
この場合のシステム制御部6は、検出入力ポートPt1,Pt2のそれぞれについて、50msec間隔のタイミングでスキャンを行なう。つまり、50msec間隔のタイミングで検出フラグflg_H,flg_Lの読み込みを行なう。
また、システム制御部6は、検出フラグflg_Hを読み込むごとに、例えばその直後とされるタイミングで制御信号(リセット信号)Sc3_Hを出力するようにされる。図4に示すようにして、制御信号(リセット信号)Sc3_Hは、システム制御部6の1つの出力ポートからオーバーフロー検出部(43_FL,43_FR,43_FC,43_SL,43_SR)に対して分岐して入力されるようになっており、従って、オーバーフロー検出部(43_FL,43_FR,43_FC,43_SL,43_SR)は、制御信号(リセット信号)Sc3_Hの出力に応じて同時タイミングでリセットされることになる。
同様にして、システム制御部6は、検出フラグflg_Lを読み込むごとに、例えばその直後とされるタイミングで制御信号(リセット信号)Sc3_Lを出力する。この制御信号(リセット信号)Sc3_Lも、システム制御部6の1つの出力ポートからオーバーフロー検出部(43_SW1,43_SW2)に対して分岐して入力されているから、オーバーフロー検出部(43_SW1,43_SW2)は、制御信号(リセット信号)Sc3_Lの出力に応じて同時タイミングでリセットされることになる。
また、この場合には、レベルコントロール部42に対してレベル可変制御を行うためにシステム制御部6から出力される制御信号Sc2は、システム制御部6の1つの出力ポートから全てのレベルコントロール部(42_FL,42_FR,42_FC,42_SL,42_SR,42_SW1,42_SW2)に対して分岐して入力されている。従って、制御信号Sc2によるレベル制御は、各チャンネルに対して共通に行われるものとなる。これは、制御信号Sc2によるオーディオ信号のレベル制御、つまり、音量操作子7aに対して行われた操作に応じたレベル制御と、音量補正制御のためのレベル制御は、前述もしたように、スピーカ(SP_FL,SP_FR,SP_FC,SP_SL,SP_SR,SP_SW1,SP_SW2)からの出力音声によるサラウンド音声全体の音量を可変するものとなることを意味する。
なお、図4においては図示していないが、例えば各チャンネル間での音量バランスをとるなどのために、個々のチャンネルの音量(オーディオ信号レベル)を独立して可変可能な構成も、実際には搭載されるべきものである。
上記図4に示した音量制御系の構成を前提として、システム制御部6が実行する音量補正制御のためのアルゴリズムについて説明していくこととする。
先ず、システム制御部6がレベルコントロール部42に対してレベル制御を行うのにあたっては、システム制御部6がレベルコントロール部42に対して、デジタルオーディオ信号に与えるべき信号レベルを指示するようにされるが、この信号レベルを決定する処理について説明しておく。
図5は、システム制御部6による、信号レベル決定のための処理を模式的に示している。
システム制御部6では、先ず、音量操作対応レベル値設定を行うこととしている。この音量操作対応レベル値設定の処理は、音量操作子7aに対して行われた操作のみに応じて、つまり、音量操作子7aに対する操作に応じて得られる音量操作情報のみに基づいて、レベルコントロール部42にて設定されるべき音量操作対応レベル値αを決定するようにされる。
また、システム制御部6は、実際にレベルコントロール部42から出力されるデジタルオーディオ信号のレベルに基づいて、つまり、先に図4により説明した検出フラグflg_H,flg_Lに基づいて、レベル補正のための補正量に相当する、レベル補正値(β)を設定する。
システム制御部6では、このようにして得られた音量操作対応レベル値α及びレベル補正値βについて、音量操作対応レベル値αに対してレベル補正値βを加算するようにして、制御用信号レベル値(α+β)を得るようにされる。そして、この制御用信号レベル値(α+β)によりデジタルオーディオ信号の出力が行われるように制御信号Sc2を出力して、レベルコントロール部42に対する制御を行なう。
そして、本実施の形態では、上記図5に示すようにしてシステム制御部6が音量補正制御のためのレベル補正値βを決定するのにあたり、レベルコントロール部42から出力されるオーディオ信号レベル(即ち再生出力される音量に相当する)の状態について、第1条件と第2条件との2つの条件を規定することとしている。
以降の説明から分かるように、第1条件を満たした状態となるのに応じては、そのときのレベル補正値βの絶対値を所定単位量増加させ、第2条件を満たした状態となるのに応じて、そのときのレベル補正値βの絶対値を所定単位量低下させるようにしている。
そして、これら第1条件と第2条件が満たされたか(成立したか)否かについての判定は、例えば図6及び図7に示すようにして、検出フラグflg_H,flg_Lの読み込み結果に基づいて行うようにされる。
先ず、第1条件が満たされるのは、検出フラグflg_Hの読み込み結果と、検出フラグflg_Lの読み込み結果との少なくとも何れか一方について、図6に示す状態が得られたときとなる。
図4により述べたように、システム制御部6は、検出入力ポートPt1について50msec間隔でスキャンを行って、検出フラグflg_Hを読み込むとともに、この直後とされるタイミングで、フルレンジチャンネル群に対応するオーバーフロー検出部(43_FL,43_FR,43_FC,43_SL,43_SR)をリセットするようにしている。同様にして、システム制御部6は、検出入力ポートPt2についても50msec間隔でスキャンを行い、検出フラグflg_Lを読み込むとともに、この直後とされるタイミングで、サブウーファーチャンネル群に対応するオーバーフロー検出部(43_SW1,43_SW2)をリセットする。
図6においては、この検出フラグflg_H,flg_Lの読み込みと、この読み込み直後に実行されるオーバーフロー検出部43のリセットを実行しているタイミングを、時点t(n)として同時的なものとして示している。この場合、時点t(n)として前後関係となる時点t(n)−時点t(n+1)で表される期間TDが50msecの時間幅を有するものとなる。
そして、各時点t(n)において読み込まれた検出フラグflg_H又はflg_Lの値が"0"又は"1"により示されている。
ここで、説明を簡単で分かりやすいものとするために、図6に示す読み込み結果は、フルレンジチャンネル群に対応する検出フラグflg_Hの読み込み結果であるとする。
図6において、時点t(0)のタイミングでは、検出フラグflg_Hの値として"0"を読み込んでいるが、その50msec後の時点t(1)では、読み込み値が"1"に変化したとする。そして、以降の時点t(2)〜時点t(20)の各タイミングにおいても、読み込み値は、全て"1"であったとする。検出フラグflg_Hの読み込み値が"1"である状態は、これまでの説明からも理解されるように、フルレンジチャンネル群において、少なくともいずれか1つのチャンネルのオーディオ信号レベルがオーバーフロー状態にあることを示している。なお、このような状態については、以降、アクティブ状態ということにする。
そして、図6に示す読み込み結果としては、時点t(1)を起点として時点t(20)まで20回連続して検出フラグflg_Hの読み込み値が"1"とされていたのであるから、20回連続してアクティブ状態であることが検出されたことになる。このことは、時点t(n)の間隔が50msecであることに基づけば、1秒間継続してアクティブ状態が得られたということを示している。このような状態が、第1の条件を満たしていることになる。
また、この図6に示す読み込み結果が、サブウーファーチャンネル群に対応する検出フラグflg_Lについて得られたときにも、第1の条件を満たすものとされる。
つまり、実施の形態における第1の条件としては、厳密には、「フルレンジチャンネル群に対応する検出フラグflg_Hの読み込み結果、又はサブウーファーチャンネル群に対応する検出フラグflg_Lの読み込み結果のうち、少なくとも何れか一方の読み込み結果が1秒間継続してアクティブ状態であること」となる。
なお、オーバーフロー検出部43は、検出フラグ(flg_H,flg_L)の読み込みが行われる度にリセットされるので、厳密なことをいえば、図6に示す検出の仕方では、実際のアクティブ状態は必ずしも1秒間継続しているとはいえない場合がある。つまり、時点t(n)において検出フラグ(flg_H,flg_L)の値がリセットされてから、次の時点t(n+1)となって読み込みが行われるまでの間において、一旦アクティブ状態が解消されて再びアクティブ状態となることが考えられるからである。しかしながら、本実施の形態としては、50msecごとの読み込みにより連続してアクティブ状態であることが検出されれば、アクティブ状態が継続したものとしてみなしている。50msecごとの読み込みにより連続してアクティブ状態であることが検出されるオーディオ信号のレベル状態は、実質的に、この50msecの期間において実際にアクティブ状態が継続している状態と同等であるとみて差し支えないからである。
ここで、上記第1条件を満たしていることについての意義としては次のようになる。
先ず、検出フラグflg_Hは、フルレンジチャンネル群(FL,FR,FC,SL,SR)ごとに対応する複数の検出フラグ(flg_FL,flg_FR,flg_FC,flg_SL,flg_SR)の論理和となる。従って、検出フラグflg_Hの読み込み結果として、図6に示すようにアクティブ状態が連続して20回得られたとする場合において、1回ごとのアクティブ状態は、1以上のいずれかのチャンネルに対応する検出フラグflgが"1"となっていれば得られるものであるといえる。また、特定の1つのチャンネルに対応する検出フラグflgが"1"を継続させなくとも、他のいずれかのチャンネルに対応する検出フラグflgが"1"となっていれば、全体として、アクティブ状態が20回連続するという結果は得られるということがいえる。
このことから、検出フラグflg_Hに基づいて第1条件についての判定を行なうということは、フルレンジチャンネル群(FL,FR,FC,SL,SR)の個々のチャンネルではなく、フルレンジチャンネル群の全体的な傾向として、アクティブ状態に在るか否かを判定しているものであるということがいえる。
逆の言い方をすれば、フルレンジチャンネル群全体としてアクティブ状態の傾向にあるか否かについての判定を行うために、先ずは、これらフルレンジチャンネル群を成す各チャンネルに対応する検出フラグflgの論理和を取るようにしており、さらに、条件判定のために例えば1秒(20回)という比較的長い検出期間(多めの検出回数)を設定することとしているものである。
上記したことについては、サブウーファーチャンネル群についても同様のことがいえる。つまり、検出フラグflg_Lの読み込み結果が第1条件を満足するということは、サブウーファーチャンネル群全体の傾向として、アクティブ状態にあるということを示している。
また、第1条件としては、検出フラグflg_Hの読み込み結果と、検出フラグflg_Lの読み込み結果との少なくともいずれか一方について、アクティブ状態が1秒間継続すれば成立するものとされている。これは、結果的に、第1条件を満たすか否かの判断は、フルレンジチャンネル群もサブウーファーチャンネル群も一括して、サラウンド音声の全体的な傾向として、アクティブ状態であるか否かを判定していることにつながる。そして、アクティブ状態であるということは、前述もしたように、少なくとも1チャンネルのオーディオ信号レベルについてオーバーフロー、つまり過大レベルに依る歪みが生じている状態ということになる。
このことから、本実施の形態のようにマルチチャンネルの構成を採った場合において、第1条件が満たされる状態では、サラウンド音声全体としてみた場合の傾向として、過大レベルによる歪みが生じる状態にある、ということを意味しているといえる。
ちなみに、検出フラグflg_Hの読み込み結果と、検出フラグflg_Lの読み込み結果の両者について、アクティブ状態が1秒間継続したことを以て、第1条件を満たすものとして規定したとする。すると、例えばフルレンジチャンネル群側における或るチャンネルの信号レベルが過大となっており、音量補正する必要があるのにかかわらず、サブウーファーチャンネル側の信号レベルが適正範囲内にあることで、サラウンド音声全体として、音量補正制御がはたらかないという不都合が生じる。また、逆に、フルレンジチャンネル群側としては適正な信号レベルであるのに対して、サブウーファーチャンネル群側では、信号レベルがオーバーフローしているような場合にも、同様の不都合は生じる。
図7は、第2条件が満たされる(成立する)場合の、検出フラグflg_H,flg_Lの読み込み結果を示している。
なお、この図においても、時点t(n)は、50msec間隔による検出フラグの読み込み、及びオーバーフロー検出部43のリセットタイミングである。
そして、図7においては、時点t(0)から時点t(60)までによる、連続で60回の検出フラグflg_H(flg_L)の読み込み結果として、アクティブ状態であることを示す検出フラグflg_H(flg_L)の値"1"が得られた回数が、60回中において、その20%に相当する12回以内となっている結果を示しているものとされる。また、このような読み込み結果を時間的に見れば、3秒(=50msec×60)間のうちに、アクティブ状態であるとされる総時間は、3秒の20%に相当する600msec(=50msec×12)以内となる結果が示されていることになる。
つまり、或る連続する単位回数(単位時間)による検出フラグflg_H(flg_L)の読み込み結果として、アクティブ状態を示す検出値となった回数(総合時間)が、単位回数(単位時間)に対して20%以内となっている結果が示されているものである。
本実施の形態において、第2条件は、検出フラグflg_Hと検出フラグflg_Lの両者について、この図7に示す読み込み結果が得られたとされるときに満たされるものとなる。
上記のようにして、単位時間あたりにおいてアクティブ状態となった総合時間が20%以内となる状態は、逆に言えば、非アクティブ状態の総合時間が80%以上となる状態である。このような状態は、デジタルオーディオ信号がオーバーフローとなる状態が或る一定以内で生じてはいるものの、全体としては、聴感上音質を損なうような音声の歪みは生じず、また、パワーアンプ、スピーカなどの破壊も生じないことが、或る一定のマージンを持って保証される、安全な音量状態に相当するものとして扱われる。
そして、このような状態に対応する図7に示す読み込み結果が、先ず、検出フラグflg_Hについて得られたということは、フルレンジチャンネル群(FL,FR,FC,SL,SR)の音声全体の傾向として、上記安全な音量状態にあるということになる。同様にして、図7に示す読み込み結果が、検出フラグflg_Lについて得られたのであれば、サブウーファーチャンネル群(SW1,SW2)の音声全体の傾向として、上記安全な音量状態にあるということになる。従って、検出フラグflg_H,flg_Lの両者について図7に示す読み込み結果となる、第2条件を満足する状態では、フルレンジチャンネル群とサブウーファーチャンネル群のいずれについても、安全な音量状態が得られているということになる。
なお、本実施の形態において、検出フラグflg_H,flg_Lの読み込み(及びオーバーフロー検出回路43のリセット)のタイミングについて、50msecとしているのは、例えば、システム制御部6を構成するとされるマイクロコンピュータの処理能力、及び、上記図6及び図7により説明した第1条件及び第2条件の判定結果を得るための例えば1秒、若しくは3秒という判定期間と、この判定期間内において判定結果の信頼性を得るのに足るとされる検出フラグflg_H,flg_Lについてのサンプル数(読み込み回数)などを考慮したものである。
図8は、上記した第1条件及び第2条件についての判定結果に従ったレベル補正値βの決定処理、つまり、音量補正制御の状態遷移について模式的に示している。
先ず、本実施の形態の音響再生装置のメイン電源がオフ状態からオン状態になったときには、レベル補正値設定の動作についてはオフ状態を設定する。従って、このときにおけるレベル補正値βには0が設定される。また、レベル補正値設定動作がオフの状態を、次に説明する補正ステップの一段階としてみ場合には、「補正レベル0」の段階にあると見ることができる。
ただし、メイン電源がオンとなって以降、音量操作子7aに対する操作に応じてのレベルコントロール部42に対するレベルコントロールは行われる。つまり、システム制御部6は、音量操作子7aに対する操作に応じて入力される音量操作情報に基づいて、図5に示した音量操作対応レベル値αの設定を行い、レベルコントロール部42に対するレベル設定制御を実行するようにされる。
そして、この段階では、レベル補正値β=0であるから、システム制御部6としては、実質的に、操作対応ステップ値αのみに基づいて、レベルコントロール部42に対するレベル設定制御を行うようにされる。つまり、このときには、音量操作子7aに対する操作がそのまま反映されるようにして、レベルコントロール部42におけるレベル可変が行われ、出力音声の音量変化についても、音量操作子7aに対する操作そのものに応じたものとなる。
そして、例えば上記のようにしてレベル補正値設定がオフとされる状態のもとで、図7により説明した第1条件を満たしたとされると、制御状態としては先ず補正ステップ1に移行する。この場合には、上記したレベル補正値設定の動作がオフの状態である補正ステップ0を含み、補正ステップ0〜補正ステップ16までの17段階の補正ステップが設けられている。このうち補正ステップ1〜補正ステップ16による16段階のステップが、レベル補正値設定オンの状態であり、実際に音量補正制御が有効となる。
ここで、レベル補正値β及び音量操作対応レベル値αとしてはdB単位による値を取ることとしている。そして、補正ステップ1では、レベル補正値βとして、−1dBを設定するようにされる。これを図5の説明に対応させれば、制御用信号レベル値(α+β)としては、(α−1)dBとなる。この制御用信号レベル値によりシステム制御部6がレベル制御を行う結果、レベルコントロール部42からは、音量操作に応じて設定される本来のオーディオ信号レベルに対して、1dBによるレベル低減(減衰)がされたデジタルオーディオ信号が出力されることになる。
そして、上記補正ステップ1による音量補正制御を行っているときに、さらに第1条件を満たしたとされると、補正ステップ2に移行することになる。
ここで、本実施の形態としては、補正ステップの1段階ごとの遷移に対応するレベル補正値βの変化量(単位補正量)として、−1dBを設定することとしている。そして、上記補正ステップ1から補正ステップ2に移行した場合には、補正ステップ1に対応するレベル補正値β=−1dBに対してさらに−1dBを加算して、新たにレベル補正値β=−2dBを設定する。このようにして補正ステップ2において設定されるレベル補正値β=−2dBに基づいて得られる制御用信号レベル値(α−2dB)によりレベル制御を行うことで、レベルコントロール部42からは、音量操作に応じて設定される本来のオーディオ信号レベルに対して、2dB分のレベル低減(減衰)がされたデジタルオーディオ信号が出力される。
そして、この補正ステップ2による音量補正制御を行っている状態において、第1条件を満たしたとされると、次の補正ステップ3に移行する。補正ステップ3においては、上記補正ステップ2にて設定されたレベル補正値β=−2dBに対して、さらに−1dBを加算するようにして、レベル補正値β=−3dBを設定する。
そして、さらに補正ステップ3による制御状態のもとで第1条件が満たされたのであれば補正ステップ4に移行し、同様にして、補正ステップ3にて設定されるレベル補正値β=−3dBから−1dBを加算したレベル補正値β=−4dBを設定する。
補正ステップ4以降においても、同様にして、そのときの補正ステップn(nは自然数であり、この場合にはn=1〜16となる)による制御状態のもとで、第1条件を満たされたのであれば、次の1段階上の補正ステップn+1に移行するという状態遷移が行われるようにされる。また、補正ステップ数が1段階ずつ上がっていくごとに、レベル補正値βは、単位補正量である−1dBを加算していくようにして設定変更されていく。これは、補正ステップの段階数が進むほど、音量操作に応じて設定される本来のオーディオ信号レベルに対する減衰効果が強いものとなっていくことを意味する。
また、本実施の形態としては、最高で補正ステップ16までの段階によりステップ変更を行うものとして構成している。この補正ステップ16では、レベル補正値β=−16dBとなる。補正ステップ1〜補正ステップ16のうちで、この最終段階の補正ステップ16のレベル補正量が最大となる。
なお、例えばこの最終段階の補正ステップ16による制御状態において、仮に第1条件が満たされたとしても、これ以上の補正ステップは無いことから、補正ステップ16による制御状態を維持する。
ただし、この最終段階の補正ステップ16に対応するレベル補正値は、仮に最大音量とするための音量操作子7aに対する操作が行われたとしても、聴感として歪みが音質劣化として認識されたり、また、回路やスピーカを破壊する可能性があるような過大入力の状態にはならないことが保証されるようにして設定されている。
また、最終段階となる補正ステップ16の制御状態において、第2条件が満たされたとする。この場合には、1つ下の段階の補正ステップ15に戻るようにされる。また、補正ステップ15の制御状態において、さらに第2条件が満たされれば、その1つ下の段階の補正ステップ14に戻るようにされる。
そして、この補正ステップ14以降も同様であり、そのときの補正ステップnによる制御状態のもとで第2条件を満足すると、これより1段階下の補正ステップn−1に移行するようにされる。また、これに伴って、レベル補正値βは、−1dBずつの減算となるようにして設定変更されていくことで、1dBずつ減少していくようにされ、レベル減衰効果として段階的に弱まっていく。
そして、最終的には、補正ステップ1の制御状態の下で第2条件を満たして、レベル補正値設定がオフの状態に移行したとされる場合には、レベル補正値βとしては0となり、レベル補正を行わない状態に戻るようにされる。
なお、このレベル補正値設定がオフの状態において、第2条件を満足したとしても、例えばレベルを増加させる傾向で補正を行うようなことはせずに、このレベル補正を行わないままの状態を維持する。
このようにして、本実施の形態では、第1条件及び第2条件に応じて、音量補正制御のための制御状態として補正ステップの遷移が1段階ずつ行われる。そして、このように補正ステップが1段階ごとに遷移するのに応じて、レベル補正値βとしては、単位補正量(ー1dB)が加算/減算されるようにして新たに設定される。
また、本実施の形態における音量補正制御の状態遷移として、図8には、次のようなパターンも示されている。
先ず、ファンクション(音声ソース)の切り換えや、ファンクションがCD再生であるときに、CDの入れ換えがあった場合には、それまでの補正ステップの段階数にかかわらず、レベル補正値設定の動作をオフとする状態に移行するようにされる。
ファンクションの切り換えや、CDの入れ換えに際しては、その前後で音声ソースそのもののレベルが異なる場合がある。このような場合に、ファンクション切り換え後若しくはCDの入れ換え後においても、ファンクション切り換え前若しくはCDの入れ換え前の補正ステップが有効になっていると、必要以上に小さな音声で再生出力されてしまうような不都合が生じる。そこで、上記のようにして、ファンクション切り換えやCDの入れ換えが行われた場合に対応しては、レベル補正値設定の動作をオフとして初期状態としておけば、上記のような不都合を回避できることになる。
また、メイン電源がオフ状態とされた場合には、例えば、レベルコントロール部42には電源が供給されないことで動作が停止するようにされている。つまり、実質的に、レベル補正値設定の動作はオフ(補正ステップ0)となる。
ところで、この図8に示されるアルゴリズムでは、レベル補正値を実際に設定するのにあたって、補正ステップ1〜補正ステップ16までの16段階としたうえで、1段階ごとに対応するレベル補正量として1dBとしているが、これは、例えばCDに記録されるデジタルオーディオ信号などに代表される音声ソースのレベル設定に対応しているものである。
つまり、上記のようにしてCDなどに記録されるデジタルオーディオ信号は、最大レベルとして0dBが設定されているのが一般的である。ただし、このレベルのままで再生出力すると、実際に音声として出力されるレベルも小さいものとなってしまう。そこで、実際においては、或る一定のゲインを与えてレベルを高くシフトしておいたうえで、再生出力させることがしばしば行われる。本実施の形態の実際としては、CDをはじめ、最大レベルとして0dBが設定されている音声ソースがファンクションとして選択されたときには、例えば図3に示したレベル切換部41により、15dBのレベルシフトを行うようにしている。そこで、この場合のレベル補正としては、これに対応させて、最大で−16dBによるレベル低減が行われるようにすることで、最大の補正ステップ(16)による音量補正が行われている状態では、確実に安全な補正状態が得られるようにしているものである。また、音量補正制御がかけられるときの聴感上自然な出力音声の減衰が得られることと、制御アルゴリズムの簡易さなどのバランスを考慮して、補正ステップの段階に応じたレベルの単位補正量を、1dBで一定としたことに応じて、−1dBから−16dBまでに対応して補正ステップ1〜補正ステップ16までの16段階で区切ることとしたものである。
従って、図8に示されるレベル補正の段階数、及び段階遷移に応じたレベル補正量などは、実際に応じて適宜変更されて構わない。
つづいて、上記図8に示した音量補正制御(レベル補正値決定処理)を含む音量制御に関してシステム制御部6が実行するとされる処理動作について、図9及び図10のフローチャートを参照して説明する。なお、これらの図に示す処理は、システム制御部6において、CPUが、例えばROMに記憶されたプログラムに従った処理を実行することで実現される。
先ず、システム制御部6では、音量操作子7aに対して行われた操作に応じて、図9に示す処理を実行することとしている。この図9に示す処理は、例えばメイン電源がオンとされている状態のもとで、循環的に行われるべきものとされる。
図9に示す処理において、ステップS101では、現在の音量操作対応レベル値αに応じて、音量表示のための表示制御を実行することとしている。
これは、換言すれば、補正ステップの変更に伴ってレベル補正値βが変更されることで実際の音量(α+βに対応)が変化したとしても、この変化は、音量表示には反映されないということを意味する。つまり、音量表示は、ユーザによる音量操作子7aに対する操作に応じてのみ変化し、補正ステップの変更に伴って実際の音量が変化しても、音量表示が示すレベルについては変化が無いようにされている。
そして、次のステップS102においては、音量操作子7aに対する操作として音量アップ(増加)のための操作が行われか否かについて判別している。また、ステップS102において音量アップのための操作が行われなかったとして否定結果が得られた場合には、ステップS104において音量ダウン(減少)のための操作が行われたか否かについて判別する。
ここで、例えば本実施の形態のユーザインターフェイス部7としては、音量操作子7aに対する音量アップのための操作が行われた場合に、その操作回数や操作継続時間などに応じて、1ステップごとによるオーディオ信号のレベルアップを要求するコマンドをシステム制御部6に対して送信することとする。また、音量操作子7aに対する音量ダウンのための操作が行われた場合にも、その操作回数や操作継続時間などに応じて、1ステップごとによるオーディオ信号のレベルダウンを要求するコマンドをシステム制御部6に対して送信することとする。
上記ステップS102においては、上記1ステップのオーディオ信号のレベルアップの要求コマンドが受信されるごとに肯定結果が得られるものとされる。そして、ステップS102において肯定結果が得られたのであれば、システム制御部6は、先ず、ステップS103により、現在設定されている音量操作対応レベル値αが最大値であるか否かについての判別を行なう。
このステップS103において、現在の音量操作対応レベル値αが最大値であるとして肯定の判別結果が得られた場合には、次に述べるステップS104の処理はスキップしてステップS101の処理に戻るようにされる。これにより、音量操作に対応して設定される音量レベルは最大のままで変更されないようにされ、また、音量表示が示す音量レベルは最大のままで変化しない。
これに対して、ステップS103において現在の音量操作対応レベル値αが最大値ではないとして否定の判別結果が得られた場合には、ステップS104に進んで、現在設定されている音量操作対応レベル値αについて1インクリメントして、ステップS101の処理に戻るようにされる。
また、同様にして、ステップS105においては、上記1ステップのオーディオ信号のレベルダウンの要求コマンドが受信されるごとに肯定結果が得られるものとされ、システム制御部6は、このステップS105において肯定結果が得られたのであれば、ステップS106により、現在設定されている音量操作対応レベル値αが最小値であるか否かについて判別する。
ステップS106において、現在設定されている音量操作対応レベル値αが最小値であるとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS107をスキップしてそのままステップS101の処理に戻るようにされる。これに対して、ステップS106にて否定の判別結果が得られた場合には、ステップS107に進むことで、現在設定されている音量操作対応レベル値αについて1デクリメントして、ステップS101の処理に戻るようにされる。このステップS107の処理を経た場合には、音量操作に対応して設定される音量レベルは最小のままで変更が無く、また、音量表示が示す音量レベルも最小のままで変化しない。
このような処理の流れによると、音量操作子7aに対する操作として音量アップのための操作が行われた場合には、そのときの操作回数、操作継続時間に応じて、音量操作対応レベル値αが最大値以内の範囲であるかぎり、ステップS102→ステップS103→S104→S101の処理が繰り返されることになる。これにより、音量アップのための音量操作子7aに対する操作回数、操作継続時間に応じて、ステップS103が繰り返し実行された回数に応じて、音量操作対応レベル値αの値が増加されることになる。つまり、音量アップ操作に応じた音量操作対応レベル値αの設定が行われたこととなる。
また、ステップS103により音量操作対応レベル値αが1ステップずつ増加されるごとに、ステップS101の処理に戻るようにされていることで、例えば表示部7bにおける音量表示も、この音量操作対応レベル値αのステップ増加に応じたレベル増加を示すようにして変更されることになる。
同様にして音量ダウンのための操作が行われたときには、その操作回数、操作継続時間に応じて、音量操作対応レベル値αが最小値以内の範囲であるかぎり、ステップS105→ステップS106→S107→S101の処理が繰り返されることになるから、上記操作回数、操作継続時間に応じて、ステップS105の実行が繰り返された回数に応じて、音量操作対応レベル値αの値が減少されるようにして、音量操作対応レベル値αの設定が行われる。
また、ステップS105により音量操作対応レベル値αが1ステップずつ減少された場合にも、ステップS101の処理に戻るようにされているから、表示部7bにおける音量表示も、この音量操作対応レベル値αのステップ減少に応じたレベル低減を示すようにして変更される。このようにして、音量表示が示す音量レベルは、最小から最大の範囲内でユーザが行った音量操作子7aに対する操作に応じて変化するものとなる。
図10は、音量制御全体についての処理動作例を示している。図9に示した処理は、メイン電源がオンのときに、この図10に示す処理と併行して行われるべきものとされる。
先ず、ステップS201においては、メイン電源がオフとされている状態において、メイン電源がオンとされるのを待機している。メイン電源のオン/オフ状態は、例えばユーザインターフェイス部7において備えられるものとされる、メイン電源オン/オフのための操作子に対する操作に応じて切り換わるようにされている。メイン電源がオフの状態では、例えばシステム制御部6としてのマイクロコンピュータ(及びリモートコントローラの受信部など)などのように、スタンバイ電源が供給されている部位のみが動作可能な、いわゆるスタンバイ状態である。
そして、メイン電源がオンとされたことに応じてステップS201において肯定結果が得られたとされると、ステップS202以降の、メイン電源がオンとされた状態での処理が実行される。
メイン電源がオンとなったことに対応した場合の、ステップS202と、これに続けて実行されるステップS203としての処理は、音量制御に関しての初期設定動作のためのものとなる。
例えば、メイン電源がオフとされるのに応じては、そのときの所要の各種設定値を、例えば不揮発性の記憶領域(例えばフラッシュメモリ、ハードディスクなど)に記憶保持しておくようにされるが、このような動作、あるいはこのような動作によって得られた情報をラストメモリという。次にメイン電源がオン状態となったときに、このラストメモリの情報を参照して、各種の設定を行うようにすれば、前回のメイン電源オン状態と同じ設定環境が得られることとなる。
本実施の形態では、このようなラストメモリの1つとして、音量操作対応レベル値αも記憶保持することとされている。ステップS202では、このラストメモリの音量操作対応レベル値αを読み込んで保持するようにされる。
また、ステップS203においては、レベル補正値設定についてはオフとする。つまり、図8にて説明したように、音量補正のための補正ステップとしては0を設定し、これに伴って、レベル補正値βとしても0を設定するようにされる。
次のステップS204においては、現在の制御用信号レベル値(α+β)を求めた上で、この制御用信号レベル値(α+β)に対応するデジタルオーディオ信号レベルとなるように、レベルコントロール部42に対する制御を実行する。
なお、このステップS204によるレベルコントロール部42に対する制御は、制御信号Sc2によるものであり、各チャンネルのレベルコントロール部42に対して共通に行うものとなる(図4参照)。
次のステップS205では、所定時間長として、50msecが経過するのを待機している。これは、図6及び図7により説明した期間TD、つまり、検出フラグflg_H,flg_Lを検出して、各チャンネルごとに対応するオーバーフロー検出部43をリセットするタイミングを作るための処理となる。
そして、ステップS205において所定時間(50msec)が経過したとして肯定の判別結果が得られるごとに、ステップS206以降の処理が実行される。
ステップS206においては、システム制御部6は、図4にて説明したようにして検出入力ポートPt1,Pt2から検出フラグflg_H,flg_Lの読み込みを行ない、続くステップS207において、制御信号Sc3_H,Sc3_Lを出力することで、オーバーフロー検出部43についてリセットを行うようにされる。
なお、この図では、ステップS206における検出フラグflg_H,flg_Lの取り込みタイミング、つまり、検出入力ポートPt1,Pt2のスキャンタイミングの実際は、例えばクロックに従った所定タイミングにより順次的に行われるものとされて構わない。同様にして、ステップS207における、オーバーフロー検出部43のリセットタイミング、つまり、制御信号Sc3_H,Sc3_Lのポートからの出力タイミングの実際についても、クロックに従った所定タイミングにより順次的に行われるものとされてよい。
次のステップS208においては、これまでの所定時間(50msec)ごとのステップS206による検出フラグflg_H,flg_Lの読み込み結果として、図6により説明した第1条件を満足したか否かについての判別が行われる。このステップS208において、第1条件を満足したとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS209に進む。
ステップS209においては、現在設定されている補正ステップの段階を示す変数nについて、nが最大値(図8の例では16が最大値となる)であるか否かについての判別を行なう。ここで、変数nは最大値であるとして肯定の判別結果が得られた場合には、次に説明するステップS210をスキップしてそのままステップS204の処理に戻るようにされる。つまり、このときには補正ステップは既に最終段階にまで至っているので、これ以上の補正ステップの段階を進めることはせずに、これまでの補正ステップを維持するようにされる。なお、前述もしたように、最終段階による補正ステップの状態では、出力音声は問題となるような歪みが生じない程度に音量補正されることになるので、実際としては、このステップS209において肯定結果が得られることはほとんどない。
そして、ステップS209において変数nは最大値ではないとして否定の判別結果が得られた場合にはステップS210の処理に進むようにされる。
ステップS210においては、これまで設定されていた補正ステップnについて1インクリメントした段階数を設定する。つまり、補正ステップについて1段階進めるようにされる。これに応じて、例えば図8に示すようにして、これまで設定されていたレベル補正値βについては、単位補正量である−1dBが加算された新規の値が設定されることになる。
このステップS210の処理が実行されると、ステップS204の処理に戻るようにされる。
また、ステップS208において、現段階では第1条件を満足しないとして否定の判別結果が得られた場合には、ステップS211により、これまでの所定時間(50msec)ごとのステップS206による検出フラグflg_H,flg_Lの読み込み結果として、図7により説明した第2条件を満足したか否かについての判別を行なう。このステップS208において、未だ現段階では第2条件を満足していないとして否定の判別結果が得られた場合には、補正ステップを変更することなく、そのままステップS204に戻るようにされる。これに対して、第2条件を満足しているとして肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS212に進む。
ステップS212においては、現在の補正ステップの段階を示す変数nについて、n=0であるか否か、つまり補正ステップ0であるか否かについて判別する。補正ステップ0とは、図8により説明したように、レベル補正値設定が実質的にオフの状態であり、従って、レベル補正値βとしても0となる場合である。
このステップS212において肯定結果が得られた場合には、これよりも補正ステップの段階を戻すことが出来ないので、補正ステップの変更を行うことなく、そのままステップS204に進むようにされる。
これに対して。ステップS212において否定結果が得られた場合には、ステップS213の処理に進む。
ステップS213においては、これまで設定されていた補正ステップnについて1デクリメントした段階数を設定する。つまり、補正ステップについて1段階前の段階に移行させる。これに応じて、これまで設定されていたレベル補正値βについては、単位補正量である−1dBが減算された新規の値が設定されることになる。そして、ステップS213の処理が実行されると、ステップS204の処理に戻る。
上記ステップS210又はステップS213の処理を経た後にステップS204の処理に戻ることにより、制御用信号レベル値(α+β)は、補正ステップの段階の変更に伴って変更されたレベル補正値βが反映されるようにして可変されることになる。
この結果、レベルコントロール部42から出力されるオーディオ信号としては、常に、音量操作子7aに対する操作に応じて設定されるレベル(音量操作対応レベル値αに基づく)に対して、補正ステップに対応する補正量(レベル補正値βに基づく)により補正したレベルにより出力されることになる。
また、先のステップS205において、所定時間(50msec)が経過したことが判別されるまでの待機期間においては、ステップS214以降の処理が実行される。
先ず、ステップS214においては、ファンクションの切り換えが行われたか否かについての判別が行われており、また、このステップS214において否定結果が得られた場合には、次のステップS215により、CDの入れ換え(ファンクションモードがCDである場合において)が行われたか否かについて判別している。
これらステップS214又はステップS215のいずれかについて、肯定の判別結果が得られた場合にはステップS203の処理に戻るようにされる。これにより、図8により説明したように、ファンクション切り換え、又はファンクションモードがCDである場合においてCDの入れ換えが行われた場合には、レベル補正値設定がオフとされることで、レベル補正値βについてのリセットが行われるようにされる。
また、ステップS214,S215のいずれについても否定結果が得られた場合には、ステップS216においてメイン電源がオフとされたか否かについての判別を行うようにしており、メイン電源がオフとされたことで、肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS201の処理に戻って、メイン電源がオンの状態に移行するのを待機する。このようにして、メイン電源オフの状態では、特にレベル補正値設定のための処理は実行することなく、メイン電源がオン状態となるのを待機している。従って、メイン電源オフの状態は、レベル補正値設定がオフとされている状態と実質的に同様であるということになる。
また、メイン電源がオフとされないことでステップS216において否定の判別結果が得られた場合には、ステップS217により、ファンクションモードがCDである場合において、例えば再生の進行、又はユーザインターフェイス部7に対する操作に応じて、CDのトラックについての変更が行われたか否かを判別する(CD再生停止、CD再生一時停止の状態のときも含む)。ここでいうトラックとは、例えば楽曲ごとに対応したコンテンツの管理単位である。
このステップS217において、トラックの変更は無いとして否定の判別結果が得られた場合には、そのままステップS204の処理に戻るようにされるが、トラックの変更があったとして、肯定の判別結果が得られた場合には、ステップS213の処理を実行してからステップS204に戻るようにされる。これにより、CDのトラックの変更があった場合には、補正ステップが1段階戻されることとなり、従って、レベルコントロール部42から出力されるオーディオ信号レベルとしても−1dB減算されたものとなる。
例えばトラックの開始部分に相当する楽曲の冒頭あたりでは、いきなり大きなレベルとなることは可能性として少なく、また、小さなレベル状態のことも実際に多い。このために、トラック再生開始時直前の補正ステップの設定のままでは、トラックの開始部分の再生音量が小さくなりすぎてしまうような不都合が生じ得る。上記ステップS217からステップS213の処理に至るシーケンスは、このような不都合を回避することを考慮して行うこととしているものである。
なお、この図に示す処理に基づけば、例えばファンクションモードがCDとされて、再生が停止、又は一時停止されている状態では、再生停止又は一時停止が開始される直前に設定されていた補正ステップ(レベル補正値β)が変更されることなく維持される。ただし、再生停止又は一時停止の状態において、トラック変更の操作が行われた場合には、ステップS217にて肯定の判別結果が得られることとなって、ステップS213により補正ステップを1段階戻すことになる。
また、図9及び図10に示す処理から分かるように、音量表示は、音量操作子7aに対する操作に応じて設定される音量操作対応レベル値αのみに基づいて変更され、そのときの補正ステップnに応じて補正された、実際のレベルコントロール部42からのオーディオ信号の出力レベルは反映されないようになっている。
仮に、補正ステップnに応じて補正されたオーディオ信号レベル(α+β)に基づいて音量表示を行うこととすると次のような不都合が生じる。
例えばユーザが音量操作子7aを操作して相当に大きな音を出力させていたとする。このときに音量補正機能がはたらいたとすれば、ユーザは音量操作を行っていないのに音量表示の示す音量レベルは低下していくというように、ユーザインターフェイスとしては、好ましくない動作となってしまう。そこで、本実施の形態としては、上記のように構成することで、このような不都合を回避しているものである。
これまでの説明のようにして音量補正制御が行われることで、本実施の形態としては、例えば音質を損なうと感じられる歪みを生じたり、また、回路やスピーカなどの破壊につながるようなパワーアンプ側への過大入力を抑制することが可能となる。
ここで、図3により説明したように、本実施の形態の音量補正制御系の全体構成としては、レベルコントロール部42の出力についてのオーバーフローの有無の検出結果に基づいた、レベルコントロール部42に対する制御の系となっており、従って、フィードバックによる制御系が形成されている。また、レベルコントロール部42の主たる機能は、音量操作に応じたオーディオ信号のレベル設定である。
従って、本実施の形態としては、音量操作が行われた結果として、オーディオ信号レベルが過大となったような場合に、音量を抑制する方向に音量補正がはたらくように動作することとなる。
例えば、従来からの音量補正制御系を本実施の形態の構成に対応させたとすれば、レベルコントロール部42に入力されるオーディオ信号のレベル、つまり、音量操作に応じたレベル設定が行われる前段階のレベルについて検出を行った結果に基づいて、音量抑制の制御を行う構成となる。この構成では、音量操作にかかわらず、音声ソースそのものとしてのレベルが過大であるとされれば音量レベルが抑制されることになる。
これに対して、本実施の形態では、音声ソースそのもののレベルが比較的大きいものであっても、そのときの音量設定によっては、特に過大入力とならないような状態なのであれば、音量レベルの抑制は効かないことになる。
これにより、例えば同程度の音量操作レベルで同じ音声ソースを再生させた場合には、本実施の形態のほうが不用意に音量抑制されることが無い分、例えば音量感の豊かな良好な音質によって聴くことができる。
また、音量補正制御のための補正レベル値設定にあたっては、図10のフローチャートからも理解されるように、主としては、補正ステップを進めるための第1条件、又は補正ステップを戻すための第2条件を満たしたか否かについての判別処理と、この判別処理に従って、補正ステップ値を1インクリメントする(補正ステップを1段階進める)又は1デクリメントする(補正ステップを1段階戻す)、という処理によって実現している。そして、補正ステップの1インクリメント/1デクリメントに対応するレベル補正値βの変化量(単位補正量)は、絶対値としては1dBで一定としている。
例えば、音量補正動作として、多様な条件設定を行って、その条件判定の結果に応じて適宜異なる補正レベル値を得るという補正レベル値設定の構成とすることも考えられるが、この場合には、条件設定が多様であることから、条件判断も複雑なものとなる。この結果、例えばシステム制御部6が実行する音量補正のためのアルゴリズムも複雑となって、プログラムも肥大化し、例えばプログラムを格納するROMの容量を圧迫するなどの弊害を招く。
これに対して本実施の形態のような補正レベル値設定のためのアルゴリズムであれば、上記している従来の場合と比較して、より簡易なプログラム構成となる。これにより、音量補正制御のためのプログラムを記憶させておくROMの容量についても、より少なくすることが可能になる。
また、本実施の形態では、図6に示したように、第1条件の判断にはほぼ1秒間の期間を要する。また、第2条件については、ほぼ3秒間の期間を要する。つまり、補正ステップを1段階進める、あるいは戻すだけでも、1秒若しくは3秒という比較的長い時間を要する。そして、例えばパワーアンプ側に入力されるオーディオ信号レベルが相当に過大或いは過小であって、補正ステップを数段階連続して進める、あるいは戻す必要がある場合にも、数秒から十数秒、若しくはそれ以上の時間を要することになる。つまり、実際のオーディオ信号レベルが過大若しくは過小となった状態に対応して音量制御がはたらくための感度としては、相当に低いものとして設定されているといえる。
例えば、上記した条件判断に要する時間についてはより短いものとして、オーディオ信号レベルの状態に対してより速く反応させるようにして、いわゆるリミッタに近いレベル制御動作が得られるように構成することも可能である。しかしながら、この場合には、例えばユーザが歪みが生じることを承知で大きな音量を出させようと思って音量操作を行ったとしても、音量抑制が早期から効くために、聴感としては、自分が行った音量操作の操作量に対して、実際の音量は非常に小さいと感じることになる。これは、例えばユーザにとっては、音質的に迫力が無いという否定的な印象を持つことにつながる。
これに対して、本実施の形態の場合であれば、ユーザが大きな音量を出させようと思って音量操作を行ってしばらくは、この音量操作にほぼ応じて大きくなった音量による出力が行われることになる。これにより、ユーザが、例えば聴感上迫力が無いという不満を感じることはない。そして、例えば数秒間にわたって、パワーアンプに対する入力がオーバーフローしないレベル状態にまでレベル低減されていくことで、回路、スピーカなどが保護されることになる。また、このレベル低減も長時間により徐々に段階的に行われることで、例えば不自然な音量変化としてユーザに認識されることも無い。
なお、本発明としては、これまでに説明してきた実施の形態としての構成に限定されるべきではない。
例えば、上記実施の形態では、図6及び図7に示した第1条件及び第2条件の判定にあたり、オーディオ信号出力についてのオーバーフローの有無をその基準としている。これは、オーディオ信号がデジタルであることで、過大入力とみなされる所定レベル以上となる状態を、オーバーフローの状態に対応させることができるからである。つまり、本実施の形態としては、例えばオーディオ信号の過大入力な状態とみなされるような所定レベル以上であるか否かについての判定結果を得るのにあたっては、オーバーフロー検出以外の手段も採用可能である。例えば実際にオーディオ信号のレベルを検出して、この検出レベルと閾値とを比較することに基づいて、過大入力とされる一定以上のレベル状態であると判定するような構成とすることも可能である。
また、第1条件及び第2条件の判定に用いる、検出フラグflg_H,Flg_Lのサンプルタイミングについては、50msecごととされているが、これ以外のサンプルタイミングであっても構わない。また、第1条件及び第2条件についての判定期間は、例えばそれぞれほぼ1秒間、3秒間とされているが、この判定期間の時間長についても、適宜変更されてよい。また、このことから、第1条件及び第2条件を満たすと判定するための要素についても、図6及び図7により説明した内容に限定されるべきではない。
例として、図6に示した第1条件が満たされた場合には、これまでの説明のようにして補正ステップを1段階ずつ進めるのに対して、図7に示した第2条件の判定は行わないことで、信号レベルが一定以下に戻っても、補正ステップを戻す動作は実行されないように構成することも考えられる。ちなみに、このようなシーケンスは、図7に示した第2条件の判定にあたって、例えば、3秒間の判定期間について無限大を設定しているものとしてみることができる。このようなシーケンスとした場合には、例えば比較的短時間のうちにソース音量が小さくなっても、これに追随して補正ステップが戻ることはないので、再び大きなソース音量に戻ったときに、以前と同じ補正ステップにより有効に音量を抑制することができる。また、このような場合において、補正ステップを1段階戻す(なお、2段階以上戻すことも考えられる)ときとは、例えば図10のステップS217により示したようにして、CDについてのトラック変更があった場合などとなる。また、図10では、ファンクション切り換え又はCDの入れ換えがあった場合などには、ステップS203に戻ることで、補正ステップを初期化しているが、上記CDのトラック変更の場合と同様にして、補正ステップを所定段階数戻すようなシーケンスとしてもよい。
また、図4に示したように、本実施の形態としては、フルレンジチャンネル群に対応する検出フラグ(flg_FL,flg_FR,flg_FC,flg_SL,flg_SR)の論理和を演算する第1論理和演算回路8−1と、サブウーファーチャンネル群に対応する検出フラグ(flg_SW1,flg_SW2)の論理和を演算する第2論理和演算回路8−2とを設け、システム制御部6は、これら第1論理和演算回路8−1、第2論理和演算回路8−2の出力である検出フラグflg_H,flg_Lを取り込むこととしている。
このような構成に代えて、例えば、フルレンジチャンネル群に対応する検出フラグ(flg_FL,flg_FR,flg_FC,flg_SL,flg_SR)の各々と、サブウーファーチャンネル群に対応する検出フラグ(flg_SW1,flg_SW2)の各々とを、全てシステム制御部6が読み込むようにして、これらの検出フラグについての論理和を、システム制御部6内で演算する構成とすることも考えられる。
しかしながら、このような構成を採るとすれば、音量補正制御のために、システム制御部6としてのマイクロコンピュータの入力ポートが7つ必要となってしまい、有限数のポートを有効に使い回し出来なくなる可能性がある。これに対して、本実施の形態の構成を採れば、必要な入力ポートは2つで済むことになるという利点がある。また、場合によっては、論理和演算回路は1つ設けることとして、この論理和演算回路によりフルレンジチャンネル群に対応する検出フラグ(flg_FL,flg_FR,flg_FC,flg_SL,flg_SR)とサブウーファーチャンネル群に対応する検出フラグ(flg_SW1,flg_SW2)の全てを入力させる構成とすることも考えられる。この場合には、この論理和演算回路の演算出力としての1つの検出フラグのみに基づいて、システム制御部6が第1条件及び第2条件についての条件判定を行うようにされる。
また、上記実施の形態では、フルレンジが5チャンネル、サブウーファーが2チャネルのマルチチャンネルの音響再生装置に適用した場合を例に挙げているが、マルチチャンネルの構成については特に限定されるべきものではない。通常のL,Rステレオに対応する音響再生装置であっても、さらには、モノラル対応の音響再生装置であっても、本発明は適用できる。
また、実施の形態の構成としては、音量操作に対応するオーディオ信号のレベル可変と、音量補正のためのオーディオ信号のレベル可変とについて、ともにレベルコントロール部42に対する制御により行うようにしている。しかしながら、本実施の形態としては、例えば音量操作に応じたレベルのオーディオ信号出力についてレベル補正を行なう制御系が形成されさえすれば、音量操作に対応するオーディオ信号のレベル可変と、音量補正のためのオーディオ信号のレベル可変とは、同じ回路部位により実行する必要はない。例えば、本実施の形態の音響再生装置の構成の場合であれば、音量補正のためのレベルコントロールは、パワーアンプブロック5内のPWM変調器53等に対する制御によっても行うことが可能である。この場合には、例えばPWM変調に用いる基準レベルをシフトすることなどによりレベルを決定することができる。
さらに、実施の形態では、パワーアンプについて、いわゆるデジタルパワーアンプ(D級アンプ)としているが、パワーアンプ段の構成についても特に限定されるべきものではない。従って、本発明としては、音量補正制御の対象がアナログオーディオ信号とされる場合にも適用可能である。
本発明の実施の形態の音響再生装置の全体構成を示すブロック図である。 実施の形態の音響再生装置におけるパワーアンプブロックの構成例を示すブロック図である。 デジタルオーディオ信号処理ブロックの内部構成として、音量可変に関する部位を抜き出して示すブロック図である。 実施の形態の音響再生装置における、音量補正制御系の構成を抜き出して示すブロック図である。 実施の形態における音量補正制御の処理手順を模式的に示す図である。 第1条件についての成立要件を説明するための図である。 第2条件についての成立要件を説明するための図である。 音量補正制御における状態遷移(補正ステップの遷移)を模式的に示す図である。 音量操作に応じてシステム制御部が実行する処理動作を示すフローチャートである。 音量制御全体について、システム制御部が実行する処理動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 音声ソース入力部、2 セレクタ、3 サラウンド処理部、4(4_FL,4_FR,4_FC,4_SL,4_SR,4_SW1,4_SW2) デジタルオーディオ信号処理ブロック、5(5_FL,5_FR,5_FC,5_SL,5_SR,5_SW1,5_SW2) パワーアンプブロック、6 システム制御部、7 ユーザインターフェイス部、7a 音量操作子、7b 表示部、SP(SP_FL,SP_FR,SP_FC,SP_SL,SP_SR,SP_SW1,SP_SW2) スピーカ、51 デジタルフィルタ、52 ΔΣ変調器、53 PWM変調器、54 増幅出力部、41 レベル切換部、42(42_FL,42_FR,42_FC,42_SL,42_SR,42_SW1,42_SW2) レベルコントロール部、43(43_FL,43_FR,43_FC,43_SL,43_SR,43_SW1,43_SW2) オーバーフロー検出部、8 論理和演算回路、(8−1 第1論理和演算回路,8−2 第2論理和演算回路)

Claims (5)

  1. 音量可変操作に応じて設定される音声信号のレベル値である音量操作対応レベル値をαとし、この音量操作対応レベル値αについての補正量をβとして、入力される音声信号を、レベルα+βの音声信号として出力するレベル可変手段と、
    上記レベル可変手段から出力される音声信号が、一定以上のレベルであるか否かを、一定時間間隔ごとに検出するレベル検出手段と、
    上記音声信号のレベルα+βが過大とみなされる状態である、上記レベル検出手段により上記一定以上のレベルであるとの検出結果が所定回数以上連続して得られたことを判別した場合には、3段階以上による所定の段階数の範囲において、これまでの補正量βに対して一定の単位補正量を加算して得られる新たな補正量βを設定し、
    上記音声信号のレベルα+βが過大とみなされない状態である、上記レベル検出手段により上記一定以上のレベルであるとの検出結果が得られる回数が、所定の連続回数に対して所定以下の割合であることを判別した場合には、3段階以上による所定の段階数の範囲において、これまでの補正量βに対して一定の単位補正量を減算して得られる新たな補正量βを設定する、補正量設定手段と、
    現在の上記音量操作対応レベル値αと上記補正量設定手段により設定される補正量βとにより制御用信号レベル値α+βを求め、上記入力される音声信号が上記制御用信号レベル値α+βに対応するレベルの音声信号として出力されるように上記レベル可変手段を制御するレベル制御手段と、
    を備える音声信号処理装置。
  2. 上記補正量設定手段は、
    さらに、上記レベル可変手段に入力される音声信号のソースそのもののレベルが異なる可能性のある変更が行われる場合に応じては、現在の補正量βを初期値とするようにされている、
    請求項1に記載の音声信号処理装置。
  3. 上記補正量設定手段は、
    さらに、上記レベル可変手段に入力される音声信号のソースの変更として、コンテンツとしての管理単位が変更される場合に応じては、これまでの補正量βから所定量による補正量βの変更を行う、
    請求項1に記載の音声信号処理装置。
  4. 上記レベル可変手段は、互いに同期した再生時間により出力されるべき複数チャンネルの音声信号ごとに対応して複数設けられるとともに、
    上記レベル可変手段から出力される各音声信号が、一定以上のレベルであるか否かを検出し、その検出結果の論理和を出力するレベル検出手段をさらに備え、
    上記補正量設定手段は、
    上記レベル検出手段から出力される論理和に基づいて、上記複数のレベル可変手段から出力される音声信号についてのレベルが過大とみなされる状態であるか否かの判別を行い、この判別に基づいて、これまでの補正量βに対して一定の単位補正量を加算又は減算して得た新たな補正量βを設定し、
    上記レベル制御手段は、上記入力される音声信号が上記制御用信号レベル値α+βに対応するレベルの音声信号として出力されるように、上記複数のレベル可変手段のそれぞれを制御する、
    請求項1に記載の音声信号処理装置。
  5. 音量可変操作に応じて設定される音声信号のレベル値である音量操作対応レベル値をαとし、この音量操作対応レベル値αについての補正量をβとして、入力される音声信号を、レベルα+βの音声信号として出力するレベル可変手順と、
    上記レベル可変手順により出力される音声信号が、一定以上のレベルであるか否かを、一定時間間隔ごとに検出するレベル検出手順と、
    上記音声信号のレベルα+βが過大とみなされる状態である、上記レベル検出手順により上記一定以上のレベルであるとの検出結果が所定回数以上連続して得られたことを判別した場合には、3段階以上による所定の段階数の範囲において、これまでの補正量βに対して一定の単位補正量を加算して得られる新たな補正量βを設定し、
    上記音声信号のレベルα+βが過大とみなされない状態である、上記レベル検出手順により上記一定以上のレベルであるとの検出結果が得られる回数が、所定の連続回数に対して所定以下の割合であることを判別した場合には、3段階以上による所定の段階数の範囲において、これまでの補正量βに対して一定の単位補正量を減算して得られる新たな補正量βを設定する、補正量設定手順と、
    現在の上記音量操作対応レベル値αと上記補正量設定手順により設定される補正量βとにより制御用信号レベル値α+βを求め、上記入力される音声信号が上記制御用信号レベル値α+βに対応するレベルの音声信号として出力されるように上記レベル可変手順を制御するレベル制御手順と、
    を実行する音声信号処理方法。
JP2004067480A 2004-03-10 2004-03-10 音声信号処理装置、音声信号処理方法 Expired - Fee Related JP4241443B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004067480A JP4241443B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 音声信号処理装置、音声信号処理方法
US11/074,519 US7706552B2 (en) 2004-03-10 2005-03-08 Sound signal processing apparatus and sound signal processing method
DE602005021005T DE602005021005D1 (de) 2004-03-10 2005-03-09 Verfahren zur Verarbeitung von Tonsignalen und Vorrichtung zur Durchführung des Verfahrens
KR1020050019518A KR101145941B1 (ko) 2004-03-10 2005-03-09 음성 신호 처리 장치, 음성 신호 처리 방법
EP05251435A EP1575164B1 (en) 2004-03-10 2005-03-09 Sound signal processing apparatus and sound signal processing method
CN2005100741480A CN1681204B (zh) 2004-03-10 2005-03-10 声音信号处理装置和声音信号处理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004067480A JP4241443B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 音声信号処理装置、音声信号処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005260470A JP2005260470A (ja) 2005-09-22
JP4241443B2 true JP4241443B2 (ja) 2009-03-18

Family

ID=34824576

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004067480A Expired - Fee Related JP4241443B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 音声信号処理装置、音声信号処理方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7706552B2 (ja)
EP (1) EP1575164B1 (ja)
JP (1) JP4241443B2 (ja)
KR (1) KR101145941B1 (ja)
CN (1) CN1681204B (ja)
DE (1) DE602005021005D1 (ja)

Families Citing this family (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005099304A1 (ja) * 2004-04-06 2005-10-20 Rohm Co., Ltd 音量制御回路、半導体集積回路および音源機器
JP4298613B2 (ja) * 2004-09-03 2009-07-22 三菱電機株式会社 オーディオ装置
CN101350604B (zh) * 2007-07-19 2012-07-04 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 自动切换音量调节模式的装置及方法
TWI347135B (en) * 2007-11-01 2011-08-11 Avermedia Tech Inc Method and apparatus for volume adjustment
JP2009225391A (ja) * 2008-03-19 2009-10-01 Sanyo Electric Co Ltd 音声再生システム
EP2392072A4 (en) * 2009-02-02 2014-09-03 Hewlett Packard Development Co METHOD FOR LEVELING A PLURALITY OF AUDIO SIGNALS
JP5490512B2 (ja) * 2009-02-09 2014-05-14 ローム株式会社 入力セレクタ
US9831843B1 (en) 2013-09-05 2017-11-28 Cirrus Logic, Inc. Opportunistic playback state changes for audio devices
US9525940B1 (en) 2014-03-05 2016-12-20 Cirrus Logic, Inc. Multi-path analog front end and analog-to-digital converter for a signal processing system
US9774342B1 (en) 2014-03-05 2017-09-26 Cirrus Logic, Inc. Multi-path analog front end and analog-to-digital converter for a signal processing system
JP6044568B2 (ja) 2014-03-11 2016-12-14 ソニー株式会社 オーディオ信号処理装置およびオーディオ信号処理方法
US9306588B2 (en) 2014-04-14 2016-04-05 Cirrus Logic, Inc. Switchable secondary playback path
US10785568B2 (en) 2014-06-26 2020-09-22 Cirrus Logic, Inc. Reducing audio artifacts in a system for enhancing dynamic range of audio signal path
US9596537B2 (en) 2014-09-11 2017-03-14 Cirrus Logic, Inc. Systems and methods for reduction of audio artifacts in an audio system with dynamic range enhancement
US9503027B2 (en) 2014-10-27 2016-11-22 Cirrus Logic, Inc. Systems and methods for dynamic range enhancement using an open-loop modulator in parallel with a closed-loop modulator
US9584911B2 (en) 2015-03-27 2017-02-28 Cirrus Logic, Inc. Multichip dynamic range enhancement (DRE) audio processing methods and apparatuses
US9959856B2 (en) 2015-06-15 2018-05-01 Cirrus Logic, Inc. Systems and methods for reducing artifacts and improving performance of a multi-path analog-to-digital converter
US9955254B2 (en) * 2015-11-25 2018-04-24 Cirrus Logic, Inc. Systems and methods for preventing distortion due to supply-based modulation index changes in an audio playback system
US9543975B1 (en) 2015-12-29 2017-01-10 Cirrus Logic, Inc. Multi-path analog front end and analog-to-digital converter for a signal processing system with low-pass filter between paths
US9880802B2 (en) 2016-01-21 2018-01-30 Cirrus Logic, Inc. Systems and methods for reducing audio artifacts from switching between paths of a multi-path signal processing system
WO2017168936A1 (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 ソニー株式会社 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
US9998826B2 (en) 2016-06-28 2018-06-12 Cirrus Logic, Inc. Optimization of performance and power in audio system
US10545561B2 (en) 2016-08-10 2020-01-28 Cirrus Logic, Inc. Multi-path digitation based on input signal fidelity and output requirements
US10263630B2 (en) 2016-08-11 2019-04-16 Cirrus Logic, Inc. Multi-path analog front end with adaptive path
US9813814B1 (en) 2016-08-23 2017-11-07 Cirrus Logic, Inc. Enhancing dynamic range based on spectral content of signal
US9780800B1 (en) 2016-09-19 2017-10-03 Cirrus Logic, Inc. Matching paths in a multiple path analog-to-digital converter
US9762255B1 (en) 2016-09-19 2017-09-12 Cirrus Logic, Inc. Reconfiguring paths in a multiple path analog-to-digital converter
US9929703B1 (en) 2016-09-27 2018-03-27 Cirrus Logic, Inc. Amplifier with configurable final output stage
US9967665B2 (en) 2016-10-05 2018-05-08 Cirrus Logic, Inc. Adaptation of dynamic range enhancement based on noise floor of signal
US10321230B2 (en) 2017-04-07 2019-06-11 Cirrus Logic, Inc. Switching in an audio system with multiple playback paths
US10008992B1 (en) 2017-04-14 2018-06-26 Cirrus Logic, Inc. Switching in amplifier with configurable final output stage
US9917557B1 (en) 2017-04-17 2018-03-13 Cirrus Logic, Inc. Calibration for amplifier with configurable final output stage
JP7106913B2 (ja) * 2018-03-22 2022-07-27 ヤマハ株式会社 音響機器、音響制御システム、音響制御方法、及びプログラム
JP2021072465A (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 セイコーエプソン株式会社 回路装置、音再生装置及び電子機器

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS601317B2 (ja) 1982-08-23 1985-01-14 紀博 柿本 親水性及び親油性を併せ有する有機ゲルマニウム化合物
US4747065A (en) 1985-10-11 1988-05-24 International Business Machines Corporation Automatic gain control in a digital signal processor
JPS6386907A (ja) * 1986-09-30 1988-04-18 Yamaha Corp 利得調整回路
US5666424A (en) * 1990-06-08 1997-09-09 Harman International Industries, Inc. Six-axis surround sound processor with automatic balancing and calibration
DE69332359T2 (de) * 1992-07-23 2003-03-06 Aisin Aw Co Leitungsgerät für Fahrzeuge
US5706352A (en) * 1993-04-07 1998-01-06 K/S Himpp Adaptive gain and filtering circuit for a sound reproduction system
FI97001C (fi) 1993-05-05 1996-09-25 Nokia Mobile Phones Ltd Kytkentä puhesignaalin käsittelemiseksi
DE4336609A1 (de) * 1993-10-27 1995-05-04 Klippel Wolfgang Prädikative Schutzschaltung für elektroakustische Schallsender
US5907622A (en) * 1995-09-21 1999-05-25 Dougherty; A. Michael Automatic noise compensation system for audio reproduction equipment
US5838807A (en) 1995-10-19 1998-11-17 Mitel Semiconductor, Inc. Trimmable variable compression amplifier for hearing aid
US5642075A (en) * 1995-12-21 1997-06-24 Itt Corporation Sampled data automatic gain control
US5790671A (en) * 1996-04-04 1998-08-04 Ericsson Inc. Method for automatically adjusting audio response for improved intelligibility
KR100188264B1 (ko) 1996-06-17 1999-06-01 윤종용 소스전환에 따른 사운드 출력레벨 자동보상장치 및 보상방법
BR9806443B1 (pt) * 1997-06-11 2010-05-18 processo e aparelho para automaticamente compensar o volume de som.
EP1172020B1 (en) 1999-02-05 2006-09-06 Hearworks Pty Ltd. Adaptive dynamic range optimisation sound processor
JP4438135B2 (ja) 1999-09-08 2010-03-24 ソニー株式会社 音声信号処理装置及び音声信号処理方法
US6473604B1 (en) * 1999-11-11 2002-10-29 Daimlerchrysler Corporation Audio level matching of different radio input sources
JP2001238300A (ja) 2000-02-23 2001-08-31 Fujitsu Ten Ltd 音量値算出方法
WO2002013572A2 (en) * 2000-08-07 2002-02-14 Audia Technology, Inc. Method and apparatus for filtering and compressing sound signals
JP2002084589A (ja) 2000-09-06 2002-03-22 Sony Corp 音響再生装置
US20030023429A1 (en) * 2000-12-20 2003-01-30 Octiv, Inc. Digital signal processing techniques for improving audio clarity and intelligibility
JP2003348682A (ja) 2002-05-24 2003-12-05 Mitsubishi Electric Corp 自動音量調整回路

Also Published As

Publication number Publication date
EP1575164A3 (en) 2007-09-26
US7706552B2 (en) 2010-04-27
KR20060043577A (ko) 2006-05-15
DE602005021005D1 (de) 2010-06-17
US20050207594A1 (en) 2005-09-22
EP1575164B1 (en) 2010-05-05
CN1681204B (zh) 2010-06-16
EP1575164A2 (en) 2005-09-14
KR101145941B1 (ko) 2012-05-15
JP2005260470A (ja) 2005-09-22
CN1681204A (zh) 2005-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4241443B2 (ja) 音声信号処理装置、音声信号処理方法
US20100040242A1 (en) In-vehicle sound control system
US6501717B1 (en) Apparatus and method for processing digital audio signals of plural channels to derive combined signals with overflow prevented
JP7143852B2 (ja) 制御装置、制御方法、プログラム
KR20090083066A (ko) 오디오 볼륨 자동 조절 방법 및 장치
JP5554624B2 (ja) 音響装置および信号制御方法
JP2001036999A (ja) 音声信号処理装置及び方法
JP2007158873A (ja) 音声補正装置
JP2008294953A (ja) 音量制御装置及びコンピュータプログラム
JP2006042027A (ja) 音量制御装置
JP5067240B2 (ja) 遅延制御装置
EP2605403B1 (en) Sound output device and method of adjusting sound volume
JP2011234076A (ja) 音響装置および信号制御方法
JP2006350132A (ja) オーディオ再生装置、オーディオ再生方法及びオーディオ再生プログラム
JP2011066604A (ja) 音量制御装置
JP6127782B2 (ja) 音声信号増幅器
WO2020255601A1 (ja) 出力音制御装置、および出力音制御方法、並びにプログラム
JP2007033507A (ja) 音響再生装置
JP2009060336A (ja) 増幅装置
JP2019161333A (ja) 音声処理装置
JP2007208668A (ja) Av機器
JP2005166188A (ja) ディジタルオーディオ信号処理装置及びディジタルオーディオ信号処理方法
JP5067242B2 (ja) 遅延制御装置
JP2006279194A (ja) ミキシング装置
JP5841737B2 (ja) 音響装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees