JP6044568B2 - オーディオ信号処理装置およびオーディオ信号処理方法 - Google Patents

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Description

本開示は、オーディオ信号処理装置およびオーディオ信号処理方法に関する。
近年、スピーカユニットの構造の効率化や、スピーカユニットから再生される音の音質の向上等を目的として、機械的なダンパーを用いないダンパーレス構造のスピーカユニットが提案されている。このようなダンパーレス構造のスピーカユニットの一例として、下記特許文献1および特許文献2には、ボイスコイルの周縁に形成された磁極空隙に、粘性をもった磁性流体を充填したスピーカユニットが提案されている。
特開平06−014394号公報
特開2013−046112号公報
一方で、上述したダンパーレス構造のスピーカユニットにおいても、高音圧でオーディオ信号を再生することが要求される。音圧を出すために振動板を振幅させると、振動板の振幅が設計限界値を超え、振動板が過振幅し得るという問題がある。
本開示の目的の一つは、再生される音の音圧をできるだけ維持しつつ、スピーカユニットにおける振動板が過振幅することを防止するオーディオ信号処理装置およびオーディオ信号処理方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本開示は、例えば、
ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更する第1のボリューム設定部と、
制御に応じて、オーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御するレベル制御部と
オーディオ信号における所定の帯域のレベルを検出する検出部
を有し、
検出部は、
ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更する第2のボリューム設定部と、
第2のボリューム設定部から出力されたオーディオ信号の所定の帯域を通過させるフィルタと、
フィルタを通過したオーディオ信号のレベルのピーク値を検出し、ピーク値を所定の時定数をもって保持し、最新のピーク値が保持するピーク値より大きい場合にはピーク値を更新するピーク保持部と
ピーク保持部により保持されるピーク値に応じて、制御値を設定する制御値設定部と
を有し、
レベル制御部は、制御値に基づいてオーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御するように構成された
オーディオ信号処理装置である。
本開示は、例えば、
第1のボリューム設定部が、ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更し、
レベル制御部が、制御に応じて、オーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御
検出部が、オーディオ信号における所定の帯域のレベルを検出し、
第2のボリューム設定部が、ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更し、
フィルタが、第2のボリューム設定部から出力されたオーディオ信号の所定の帯域を通過させ、
ピーク保持部が、フィルタを通過したオーディオ信号のレベルのピーク値を検出し、ピーク値を所定の時定数をもって保持し、最新のピーク値が保持するピーク値より大きい場合にはピーク値を更新し、
制御値設定部が、ピーク保持部により保持されるピーク値に応じて、制御値を設定し、
レベル制御部が、制御値に基づいてオーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御する
オーディオ信号処理装置におけるオーディオ信号処理方法である。
少なくとも一つの実施形態によれば、再生される音の音圧をできるだけ維持しつつ、スピーカユニットにおける振動板が過振幅することを防止できる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。また、例示された効果により本開示の内容が限定して解釈されるものではない。
磁性流体スピーカユニットの特性の一例を説明するための図である。 本開示の第1の実施形態におけるオーディオ信号再生システムの構成の一例を示すブロック図である。 2次元IIRフィルタの構成の一例を示す図である。 2次元IIRフィルタに設定されるパラメータの一例を示す図である。 2次元IIRフィルタの特性の一例を示す図である。 第1の実施形態におけるオーディオ信号処理装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図7Aおよび図7Bは、本開示の第1の実施形態の効果の一例を説明するための図である。 本開示の第2の実施形態におけるオーディオ信号処理装置の構成の一例を示すブロック図である。 ゲイン決定部の構成の一例を説明するためのブロック図である。 第2の実施形態におけるオーディオ信号処理装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図11Aは、ゲインの変化の一例を示し、図11Bは、オーディオ信号の一例を示す図である。
以下、本開示の複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
<1.第1の実施形態>
<2.第2の実施形態>
<3.変形例>
以下に説明する実施形態等は本開示の好適な具体例であり、本開示の内容がこれらの実施形態等に限定されるものではない。
なお、以下の説明における「音」には人の声、音楽など種々の音が含まれる。
<1.第1の実施形態>
「スピーカユニットの一例」
始めに、本開示におけるスピーカユニットの一例について説明する。一般的なスピーカユニットは、振動板が過振幅することをダンパーを使用して機械的に防止している。ここで過振幅とは、例えば、振動板が設計限界値を超えて振幅する現象を意味する。しかしながら、ダンパーを使用したスピーカユニットは、過振幅を防止できるものの物理的に振動板の振幅が抑制されるため、再生される音の歪みが発生する場合や、スピーカユニットユニットの効率が低下する場合がある。
そこで、上述したように、ダンパーを使用しない構造(ダンパーレス構造)のスピーカユニットが提案されており、その一例として、ボイスコイルの周縁に磁性流体が充填されたスピーカユニット(適宜、磁性流体スピーカユニットと称する)が提案されている。磁性流体は、例えば、界面活性剤を用いて水や油に磁性体の微粒子を分散させたものであり、飽和磁束が、例えば、30mT(ミリテスラ)〜40mTにされ、粘度が300cP(センチポアズ)(=3Pa・s(パスカル・秒)以下にされている。
磁性流体スピーカユニットに対して高音圧の音を出力できることが要求されている。音圧を出すためにボリュームを上げていき振動板を振幅させると、振動板の振幅が設計限界値を超え振動板が過振幅するおそれがある。振動板が過振幅した場合には、磁性流体が飛散し、スピーカユニットが破壊するおそれがある。
図1は、磁性流体スピーカユニットを使用した、バスレフ型スピーカ装置の周波数特性の一例を示す図である。図1において、横軸は周波数を示し、縦軸は振動板の振幅の大きさ(振動板の中立位置から正方向または負方向へ振幅した大きさ(単位はミリメートル(mm)))を示す。図1における複数の曲線A0,A1,A3・・A6は、それぞれボリューム(音量)の大きさに対応しており、A0からA6にかけてボリュームが大きくなる。なお、図1の例では、磁性流体スピーカユニットをミッドレンジ用のスピーカユニットとして使用した例であり、低域がHPF(High Pass Filter)により電気的にカットされている。また、100Hz付近がバスレフ型スピーカ装置のポート共振周波数である。
図1に示すように、ボリュームを上げていくにつれて振動板の振幅が大きくなる。そして、一定以上のボリューム(図1の例ではA5により示されるボリュームの大きさ)を超えると、振動板が200Hz付近の帯域で振動板の振幅が設計限界値を超える。すなわち、振動板が過振幅し、磁性流体の飛散が起こり得る。想定技術(従来技術ではない)として、最大ボリュームにおいて振動板の振幅が設計限界値を超えないようにアンプのゲインを落とすことが考えられる。しかしながら、この技術では、振動板が過振幅する帯域以外の音圧も低下するため、ユーザが期待するようなボリューム感が損なわれるおそれがある。このような問題に鑑みてなされた本開示について説明する。
なお、スピーカユニットの振動板の振幅の設計限界値は、例えば、以下のようにして得られる。まず、使用するアンプおよびスピーカ装置の組み合わせを用意し、アンプ等に対してテスト信号(トーンバースト信号)を入力する。そして、レーザ変位計等を使用して、スピーカユニットの振動板の振幅、アンプのボリューム、振幅値のゲインカーブ等を事前に測定することにより振動板の振幅の設計限界値を得ることができる。詳細は後述するが、振動板の振幅が設計限界値を超えないように、過振幅を抑制するフィルタの中心周波数、帯域幅、ゲインが決定される。
「オーディオ信号再生システムの一例」
図2は、第1の実施形態におけるオーディオ信号再生システムの構成の一例を説明するための図である。オーディオ信号再生システム1は、例えば、オーディオ信号処理装置10と、ソース音源150と、パワーアンプブロック160と、スピーカユニット170と、ユーザーインターフェース部180とを有する。
オーディオ信号処理装置10は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)100と、マイクロコンピュータからなるシステム制御部110とを有する。DSP100は、例えば、2次元IIR(Infinite Impulse Response)フィルタ101と、ボリューム設定部102とを有する。システム制御部110は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等からなるメモリ111を有する。メモリ111は、単一または複数のメモリから構成される。
オーディオ信号処理装置10にソース音源150が接続されており、ソース音源150からオーディオ信号処理装置10に対してデジタルオーディオ信号が供給される。ソース音源150から供給されるデジタルオーディオ信号に対してオーディオ信号処理装置10による所定の信号処理が施され、信号処理が施されたデジタルオーディオ信号がオーディオ信号処理装置10から出力される。なお、ソース音源150からオーディオ信号処理装置10に対して供給されるデジタルオーディオ信号を適宜、オーディオ信号と略称する。
オーディオ信号処理装置10にパワーアンプブロック160が接続されており、パワーアンプブロック160にはスピーカユニット170が接続されている。パワーアンプブロック160に対して、オーディオ信号処理装置10による信号処理が施されたオーディオ信号が供給される。パワーアンプブロック160により所定の増幅率による増幅処理が行われ、パワーアンプブロック160から出力されたアナログオーディオ信号によりスピーカユニット170が動作し、音が再生される。スピーカユニット170として、例えば、上述した磁性流体スピーカユニットが適用される。
オーディオ信号処理装置10にユーザーインターフェース部180が接続されている。ユーザーインターフェース部180への操作に応じた操作信号が生成され、当該操作信号がオーディオ信号処理装置10のシステム制御部110に供給される。
各部について詳細に説明する。オーディオ信号処理装置10におけるシステム制御部110は、例えば、メモリ111に記憶されたプログラムを実行することにより、オーディオ信号処理装置10における各部を制御する。メモリ111は、このほかに、プログラムを実行する際のワークメモリ等として使用される。システム制御部110に対して、ユーザーインターフェース部180の操作に基づく操作信号が供給される。システム制御部110は、操作信号に基づく制御を実行する。
システム制御部110とDSP100との間で、例えば、シリアル通信が行われる。システム制御部110は、このシリアル通信を利用して、DSP100を動作させるための各種設定値や2次元IIRフィルタ101のフィルタ係数をDSP100に転送する。フィルタ係数等は、電源をオンしたときや、モードを切り替えるときや、ユーザーインターフェース部180に対する操作がなされたとき等、適宜なタイミングでもってDSP100に転送される。
DSP100に転送されるフィルタ係数は、例えば、メモリ111に予め格納されている。オーディオ信号処理装置10の外部からフィルタ係数等が供給され、メモリ111に記憶される構成としてもよい。
DSP100は、音質を可変するイコライジング処理等の公知の信号処理を実行する。図2では、第1の実施形態における処理に関係する機能ブロックとして、2次元IIRフィルタ101とボリューム設定部102とが示されている。2次元IIRフィルタ101は、ソース音源150から供給されるオーディオ信号における所定の帯域のレベルを、必要に応じて抑制する抑制フィルタとして機能する。所定の帯域とは、一定以上のボリュームでスピーカユニット170が過振幅する帯域であり、スピーカユニット170が磁性流体スピーカユニットの場合は200Hz付近である。なお、抑制フィルタとして2次元IIRフィルタ以外のフィルタが使用されてもよい。2次元IIRフィルタ101の係数は、例えば、システム制御部110の制御により設定される。
DSP100におけるボリューム設定部102は、設定されたボリュームでもって音が再生されるように、オーディオ信号のレベル(ゲイン)を設定する。例えば、ユーザーインターフェース部180に対する操作によってボリュームが新たに設定されると、システム制御部110が、変更後のボリュームを示すボリューム値をボリューム設定部102に転送する。ボリューム設定部102は、システム制御部110に指示されたボリューム値とソース音源150から供給されるオーディオ信号とを掛け合わせる。これにより、設定されたボリュームでもって音が再生される。
なお、ボリュームを変更する制御は、ユーザによる操作に限られず、装置が有する自動ボリューム変更機能によって実行される場合も有る。ボリュームを変更する制御に連動して、システム制御部110は、2次元IIRフィルタ101に対して係数を設定する制御を行う。
ソース音源150は、オーディオ信号処理装置10に対してオーディオ信号を供給する音源である。ソース音源150から供給されるオーディオ信号は、CD(Compact Disc)等の光記録媒体、搬型の小型メモリ、ハードディスク装置等から読み出された信号でもよく、インターネット等のネットワークを介して得られる信号でもよい。
ソース音源150からオーディオ信号は、例えば、R(Right)チャンネルの信号であり、かつ、所定のカットオフ周波数をもったHPFを通過した信号である。もちろん、ソース音源150から供給されるオーディオ信号がL(Left)チャンネルの信号でもよい。ソース音源150がステレオもしくはマルチチャンネルに対応し、チャンネル毎のオーディオ信号がオーディオ信号処理装置10に入力される場合には、各チャンネルに応じた同様の構成が設けられる。
パワーアンプブロック160は、例えば、D級動作の増幅段を備えるデジタルアンプとして構成される。パワーアンプブロック160は、例えば、デジタルフィルタ、ΔΣ変調器、PWM変調器、増幅出力部を含む構成を有する。
デジタルフィルタに対しては、オーディオ信号処理装置10から出力される、所定のサンプリング周波数および量子化ビットによるオーディオ信号が入力される。デジタルフィルタは、入力されるオーディオ信号に対して、元のサンプリング周波数を所定倍のサンプリング周波数にするリサンプリング処理等のデジタル信号処理を施す。このようにしてデジタルフィルタにて信号処理が施されたオーディオ信号が、ΔΣ変調器に対して出力される。
ΔΣ変調器は、例えば、積分器、量子化器等を備えるとともに、量子化器の出力を積分器の入力に対して負帰還をかけるようにして構成される。このような構成により、入力されたオーディオ信号の量子化ビットの語長を所定ビット数に短くするようにされる。また、このときに生じる量子化ノイズ成分をオーディオ帯域よりも高い帯域に移動させる、いわゆるノイズシェイピングといわれる処理を実行する。これが、ΔΣ変調といわれ、このようにして、ΔΣ変調されたオーディオ信号としては、そのオーディオ信号を音声信号波形としてみたときに、この音声信号波形の振幅の時間軸的変化に応じて1,0の密度が変化する1ビットのパルス列となる。このようにして得られた1ビットのパルス列によるΔΣ変調信号は、PWM変調器に入力される。
PWM変調器では、入力されたΔΣ変調信号について、PWM(Pulse Width Modulation)変調処理を施す。前述もしたようにΔΣ変調信号は、音声信号波形の振幅に応じて"1","0"の密度が変化する1ビットのパルス列である。そして、この信号がPWMにより変調されることによっては、"1","0"の密度に応じてパルス幅が変化する(振幅は一定である)PWM信号が生成される。つまり、ΔΣ変調信号に対応する音声信号波形の振幅に応じて、パルス幅が可変された信号が得られる。
PWM変調器から出力されたPWM信号は、増幅出力部に入力される。増幅出力部は、周知のようにして、PWM信号をスイッチングして増幅するスイッチング増幅回路と、この増幅出力を音声信号波形とするためのローパスフィルタとから成る。スイッチング増幅回路は、例えば高圧でスイッチングを行うことのできるNチャンネルのパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を有する。また、ローパスフィルタは、周知のようにして、インダクタ及びコンデンサを備えて形成したLCローパスフィルタが採用される。
増幅出力部においては、先ず、PWM変調器から入力されたPWM信号についてスイッチング増幅回路がスイッチングを行って増幅し、ローパスフィルタに通過させるようにして増幅動作を行うようにされる。これにより、スピーカユニット170には、音声信号波形の駆動電流が流れることになり、スピーカユニット170からは例えば音声が出力されることになる。
パワーアンプブロック160は、D級動作の増幅段を備えるデジタルアンプに限定されることはなく、他の動作(B級,AB級等)の増幅段を備えるアンプでもよい。また、DSP100とパワーアンプブロック160との間にD/A(Digital to Analog)変換器を設け、アナログオーディオ信号入力のアンプであってもよい。
スピーカユニット170は、例えば、ミッドレンジを再生する磁性流体スピーカユニットとして構成される。スピーカユニット170を含む複数のスピーカユニットによりスピーカ装置が構成される。例えば、ウーハー用のスピーカユニットと、サブウーハー用のスピーカユニットと、ミッドレンジ用のスピーカユニットと、ツィーター用のスピーカユニットとがエンクロージャーに取り付けられることにより、スピーカ装置が構成される。
なお、スピーカ装置を構成する個々のスピーカユニットの構造が同一である必要はない。例えば、ウーハー用のスピーカユニットおよびサブウーハー用のスピーカユニットとして機械的なダンパーを有するスピーカユニットが使用され、ミッドレンジ用のスピーカユニットおよびツィーター用のスピーカユニットとして磁性流体スピーカユニットが使用されてもよい。また、個々のスピーカユニットにより再生される音の帯域が重複してもよい。
ユーザーインターフェース部180は、ユーザがオーディオ信号処理装置10を操作するためのボタンやダイヤル等の操作子である。ユーザーインターフェース部180は、例えば、ボリュームを変更する操作子を含む。ユーザーインターフェース部180は、オーディオ信号処理装置10を遠隔操作するためのリモートコントロール装置でもよい。ユーザーインターフェース部180が表示部を含む構成でもよい。当該表示部に、オーディオ信号処理システムによる音の再生状態等が表示されてもよい。表示部がタッチパネルとして構成されてもよい。
ユーザーインターフェース部180は、操作に応じた操作信号を生成する。この操作信号がシステム制御部110に供給される。操作信号を受信したシステム制御部110は、操作に対応する機能が実行されるように、オーディオ信号処理装置10の各部を制御する。
以上、オーディオ信号処理装置を含む、オーディオ信号再生システムの一例について説明した。なお、図2により示される構成は一例であって、図示した構成と異なる構成や機能ブロックが適宜、追加されてもよい。
「2次元IIRフィルタについて」
図3は、2次元IIRフィルタ101の構成の一例を示す。2次元IIRフィルタ101は、乗算器120と、乗算器121と、乗算器122と、乗算器123と、乗算器124とを有する。また、2次元IIRフィルタ101は、遅延素子130と、遅延素子131と、遅延素子132と、遅延素子133とを有する。
乗算器120は、入力信号x(n)に対して係数a0を乗算する。遅延素子130は、入力信号x(n)を所定期間、遅延し、遅延素子131は、遅延素子130により遅延された信号をさらに、所定期間、遅延する。乗算器121は、遅延素子130から出力される信号に対して係数a1を乗算する。乗算器122は、遅延素子131から出力される信号に対して係数a2を乗算する。
遅延素子132は、出力信号y(n)を所定期間、遅延し、遅延素子133は、遅延素子132により遅延された信号をさらに、所定期間、遅延する。乗算器123は、遅延素子132から出力される信号に対して係数b1を乗算する。乗算器124は、遅延素子133から出力される信号に対して係数b2を乗算する。加算器135は、各乗算器から出力される信号を加算して出力する。各乗算器の係数(係数a0,係数a1,係数a2,係数b1および係数b2)は、例えば、システム制御部110の制御によって設定される。
2次元IIRフィルタ101のパラメータは、スピーカユニット170の振動板の振幅が設計限界値を超え、過振幅しないように決定される。2次元IIRフィルタ101のパラメータとしては、中心周波数f0、帯域幅Q、ゲイン(カットゲイン)が挙げられる。ここでは、一例として、中心周波数f0が200Hz(スピーカユニット170の振動板が一定以上のボリュームで過振幅しうる帯域)に設定され、帯域幅Qが2に設定される。ゲインは、ボリュームに応じて設定される。
図4は、2次元IIRフィルタ101に設定されるパラメータの一例を示す。図4に例示するパラメータは、例えば、テーブルとしてメモリ111に記憶されている。オーディオ信号処理装置10の外部機器からパラメータが供給され、記憶されるようにしてもよい。
図4の例では、ソース音源150から供給されるオーディオ信号の最大の信号レベルを0dB(デシベル)とし、最大レベルに対するレベル差に応じて、大きい方からレベルL5,レベルL4,レベルL3,・・レベルL0とボリュームのレベルを6段階に区分している。ボリュームレベルの各ステップは、例えば、2dBとしている。各ボリュームレベルに対応して、2次元IIRフィルタ101のパラメータが設定されている。パラメータは、例えば、2次元IIRフィルタ101の中心周波数、帯域幅、ゲイン、各乗算器に設定される係数である。図4の例は、ボリュームレベルがレベルL0より小さい範囲では振動板の振幅が設計限界値の範囲内に収まる例である。
なお、図4の例では、オーディオ信号のサンプリング周波数fsに応じた係数が設定されている。これにより、オーディオ信号のサンプリング周波数fsに応じて適切な係数を設定することができる。なお、必ずしもオーディオ信号のサンプリング周波数fsに応じた係数が設定される必要ない。例えば、元のオーディオ信号のサンプリング周波数をある周波数にリサンプリングし、リサンプリング後の周波数に対応する係数のみを記憶するようにしてもよい。また、オーディオ信号のサンプリング周波数、2次元IIRフィルタ101の中心周波数、帯域幅およびゲインから適切な係数をその都度、演算するようにしてもよい。さらに、基準となる係数のみを保持し、その係数を補正するようにしてもよい。
例えば、最大のボリュームのレベルであるボリュームレベルL5(MAX(0d)−2.0dBより大きい範囲)では、2次元IIRフィルタ101のパラメータとして、中心周波数が200Hz,帯域幅2,ゲインとして−10dBが設定される。すなわち、オーディオ信号における所定の帯域のレベルを大きく抑圧する。ソース音源150からのデジタルオーディオ信号のサンプリング周波数fsが48kHzの場合には、以下の各係数が選択され、設定される。
a0=0.986135372
a1=−1.9587752
a2=0.973311277
b1=1.958775195
b2=−0.95944665
ボリュームが1ステップ下がったボリュームレベルL4では、2次元IIRフィルタ101のパラメータとして、中心周波数が200Hz,帯域幅2,ゲインとして−8dBが設定される。ソース音源150から供給されるデジタルオーディオ信号のサンプリング周波数fsが48kHzの場合には、以下の各係数が選択され、設定される。
a0=0.990265114
a1=−1.96697816
a2=0.977387314
b1=1.966978162
b2=−0.96765243
ボリュームが5ステップ下がったボリュームレベルL0(MAX(0d)−10.0dB以下の範囲)では、2次元IIRフィルタ101のパラメータとして、中心周波数が200Hz,帯域幅2が設定される。ボリュームレベルL0では、スピーカユニット170が200Hz付近において過振幅を起こさないため、ゲインは0dBに設定される。すなわち、オーディオ信号における所定の帯域のレベルを抑圧しない。ソース音源150からのデジタルオーディオ信号のサンプリング周波数fsが48kHzの場合には、以下の各係数が選択され、設定される。
a0=1
a1=−1.98631471
a2=0.986995603
b1=1.986314709
b2=−0.9869956
もしくは、オーディオ信号が2次元IIRフィルタ101をスルーするように、以下の各係数が選択され、設定される。
a0=1.0
a1=0.0
a2=0.0
b1=0.0
b2=0.0
図5は、2次元IIRフィルタ101の周波数特性を模式的に示したものである。200Hz付近において、ボリュームレベルを上げるにしたがって2次元IIRフィルタ101のカットゲイン量が増加するようになされる。
以上のように、ボリュームが設定値(上述した例では、ボリュームレベルL0)より大きい場合に、オーディオ信号における所定の帯域のレベルを抑制する制御が行われるボリュームのレベルが設定値より小さい場合には、オーディオ信号における所定の帯域のレベルを抑制する制御は行われない。上述した実施形態のように、ボリュームのレベルが設定値より大きい場合に、大きい度合いに応じて、オーディオ信号における所定の帯域のレベルが段階的に抑制される制御が行われてもよい。
「オーディオ信号処理装置の動作の一例」
図6を参照して、オーディオ信号処理装置10の動作の一例について説明する。ステップST101では、例えば、ユーザーインターフェース部180を使用して、ユーザによるボリューム変更操作がなされる。そして、処理がステップST102に進む。
ステップST102において、ボリューム変更操作に応じたボリュームになるように、ボリューム設定部102がシステム制御部110により制御される。そして、処理がステップST103に進む。
ステップST102の制御に連動して、ステップST103の制御が行われる。ステップST103では、2次元IIRフィルタ101の適切な係数が選択され設定される。変更後のボリュームが設定値より大きい場合には、オーディオ信号の所定の帯域のレベルを抑制するように2次元IIRフィルタ101の係数が設定されるため、スピーカユニット170が過振幅することを防止できる。さらに、オーディオ信号の所定の帯域のみのレベルを抑制し他の帯域のレベルを抑制しないいため、音圧を最大限、確保できる。また、所定の帯域のみのレベルを抑制することにより、ユーザが音質の低下や音量の低下を感じることを防止できる。
なお、機械的なダンパーを有する構造のスピーカユニットでは、オーディオ信号における200Hzを含む帯域のレベルを抑制する必要がない。すなわち、スピーカユニット170を含むスピーカ装置が、200Hzを含む帯域を再生し、ダンパーを有する構造のスピーカユニットを有する場合には、200Hz付近の信号のレベルが低下することを防止できる。
図7Aは、本開示の第1の実施形態の処理を適用しなかった場合の振動板の振幅の一例を示す。図7Bは、本開示の第1の実施形態の処理を適用した場合の振動板の振幅の一例を示す。図7における横軸は時間を示し、縦軸は振動板の振幅の大きさを示す。両図から明らかなように、本開示の第1の実施形態の処理を適用することにより振動板の振幅が設計限界値の範囲内に収まり、スピーカユニットの振動板が過振幅することを防止できる。また、スピーカユニットの振動板が過振幅する帯域以外の帯域のレベルを抑制しないため、最大限、音圧を維持することができる。
<2.第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一の参照符号を付し、その構成に関する説明は、適宜、省略する。また、特に断りがない場合は、第1の実施形態で説明した事項は、第2の実施形態に適用できるものである。
「オーディオ信号再生システムの構成の一例」
図8は、第2の実施形態におけるオーディオ信号再生システムの構成の一例を示す。第2の実施形態では、ボリュームを変更する制御に応じて、ソース音源からのデジタルオーディオ信号のレベルが検出される。その検出結果に応じて2次元IIRフィルタのゲインがダイナミックに制御される。
オーディオ信号再生システム2は、ソース音源150と、オーディオ信号処理装置20と、パワーアンプブロック160と、スピーカユニット170と、ユーザーインターフェース部180とを有する。オーディオ信号処理装置20は、システム制御部110と、DSP200とを有する。DSP200は、2次元IIRフィルタ101と、ボリューム設定部102と、検出部201とを有する。検出部201は、ボリューム設定部210と、ゲイン決定部211とを有する。ソース音源150からのオーディオデータが分岐され、一方のオーディオデータが2次元IIRフィルタ101に、他方のオーディオデータが検出部201のボリューム設定部210に入力されるように構成されている。
図9は、ゲイン決定部211の詳細な構成の一例を説明するための図である。ゲイン決定部211は、バンドパスフィルタ(BPF)220と、絶対値回路221と、ピーク検出/ホールド部222と、比較器223とを有する。
例えば、ユーザによるボリュームを変更する操作に応じて、システム制御部110は、ボリュームを変更する処理を実行する。システム制御部110は、変更後のボリュームを示すボリューム値をボリューム設定部102およびボリューム設定部210に対して転送する。ボリューム設定部210は、オーディオ信号と転送されたボリューム値とを掛け合わせることによりオーディオ信号のレベルを変更する。ボリューム設定部102においても同様の処理が行われる。ボリューム設定部210における処理により、ボリューム設定部102からパワーアンプブロック160に供給されるオーディオ信号と同様のオーディオ信号が生成される。
バンドパスフィルタ220は、ボリューム設定部210から供給されるデジタルオーディオ信号の、所定の帯域の信号を抽出する。所定の帯域は、スピーカユニットの振動板が一定以上のボリュームで過振幅し得る付近の帯域である。バンドパスフィルタ220のパラメータは、例えば、中心周波数f0が200Hzに,帯域幅Qが1に設定される。バンドパスフィルタ220によるフィルタ処理がなされたデジタルオーディオ信号が絶対値回路221に供給される。
絶対値回路221は、正負の成分をもつデジタルオーディオ信号の絶対値をとる。絶対値回路221は、オーディオ信号のレベルを2乗する2乗回路であってもよい。
ピーク検出/ホールド部222は、絶対値回路221から供給される絶対値をピーク値として所定の時定数をもって記憶する。ピーク検出/ホールド部222は、保持するピーク値と絶対値回路221から供給される最新の絶対値とを比較し、絶対値が大きい場合にはその絶対値を新たなピーク値として保持する。そして、保持しているピーク値(ピークホールド値)を所定の時定数(例えば、リリースタイムとして0.5s(秒))でもって減衰させていく。
比較器223は、ピーク検出/ホールド部222から供給されるピーク値を設定レベルと比較する。設定レベルは、スピーカユニット170の振動板の振幅の設計限界値に対応するレベルである。ピーク値が設定レベルより大きい場合には、DSP200は、設定レベルを超えた分に応じて必要なゲインを演算する。そして、DSP200は、演算により得られたゲインを実現するための係数(制御値)を求める。この係数が2次元IIRフィルタ101に設定される。2次元IIRフィルタ101により、必要に応じて、オーディオ信号の所定の帯域における信号のレベルが抑制される。
なお、ゲイン決定部211の各部における処理は、例えば、周期的になされる。例えば、ある周期でもって取り込まれたオーディオ信号における所定の帯域の信号のレベルの絶対値が取得される。取得された絶対値がピークホールド値と比較され、ピーク値を更新するか否かが判断される。ピーク値が更新される場合には更新後のピーク値が比較器223に供給され、ピーク値が更新されない場合にはピークホールド値またはピークホールド値を減衰させた値が比較器223に供給するようになされる。
「オーディオ信号処理装置の動作の一例」
図10のフローチャートを参照して、オーディオ信号処理装置20の動作の一例について説明する。ステップST201では、ユーザによるボリューム変更操作がなされる。ボリューム変更操作に応じてシステム制御部110は、ボリューム設定部102およびボリューム設定部210にボリューム値を設定する。そして、処理がステップST202に進む。
ステップST202では、ボリューム設定部210がソース音源150からのオーディオ信号と設定されたボリューム値とを掛け合わせる処理を実行する。これにより、ボリューム設定部102からパワーアンプブロック160に供給されるオーディオ信号と同様のオーディオ信号が生成される。そして、処理がステップST203に進む。
ボリューム設定部210によりレベルが変更されたオーディオ信号がバンドパスフィルタ220に供給される。バンドパスフィルタ220により、オーディオ信号における所定の帯域が抽出される。所定の帯域は、例えば、スピーカユニット170の振動板が一定以上のボリュームで過振幅する200Hz付近の帯域である。そして、絶対値回路221によりバンドパスフィルタ220を通過したオーディオ信号のレベルの絶対値がとられる。そして、処理がステップST204に進む。
ステップST204では、ピーク検出/ホールド部222が、絶対値回路221から供給される絶対値をピーク値として所定の時定数をもって保持する(ピークホールド)。そして、処理がステップST205に進む。
ステップST205では、最新の絶対値が、ピーク検出/ホールド部222が保持しているピーク値を上回ったか否かが判断される。最新の絶対値がピーク値を上回った場合には、処理がステップST206に進む。
ステップST206ではピーク値が更新される。ピーク検出/ホールド部222は、更新後のピーク値を保持する。
ステップST205において最新の絶対値がピーク値を下回る場合には、処理がステップST207に進む。ステップST207では、比較器223によりピーク値が設定レベルより大きいか否かが判断される。そして、ピーク値が設定レベルより大きい場合には、デジタルオーディオ信号における所定の帯域のレベルを抑制するように、2次元IIRフィルタ101の係数が設定される。
図11Aは、第2の実施形態の処理を適用した場合の2次元IIRフィルタ101のゲインの変化を示し、図11Bは、実際のオーディオ信号を示す。図11Aおよび図11Bの横方向は時間の経過を示している。図11Aにおける縦軸は、ゲイン大きさを示し、図11Bの縦軸は、オーディオ信号のレベルを示している。図11Aおよび図11Bから明らかなように、2次元IIRフィルタ101のゲインをダイナミックに変化させることができる。
以上、説明したように、第2の実施形態では、振動板が過振幅し得る帯域内においてソース信号とボリューム値とを掛け合わせたレベルが過振幅するレベルを上回る場合にのみ、即座にその帯域の信号のレベルを抑圧するようにしている。これにより、振動板が過振幅することを防止できる。さらに、振動板が過振幅し得る帯域以外の帯域では、信号のレベルを抑圧しないため、振動板が過振幅することを防止しつつ、最大限、音圧を維持することができる。
<3.変形例>
以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
上述の説明では、磁性流体スピーカユニットを例にして説明したが、本開示が適用可能なスピーカユニットはそれに限定されることはない。また、磁性流体スピーカユニットを使用したスピーカ装置は、バスレフ型に限定されることはなく他の型式(例えば、密閉型)であってもよい。さらに、スピーカユニットの異音(びびり音)の防止にも本開示を適用することができる。例えば、びびり音が発生する共振周波数とボリュームに応じた抑制フィルタを使用することにより、本開示と同様の効果を得ることができる。
本開示におけるオーディオ信号処理装置は、例えば、テレビジョン装置、車載機器、携帯型のオーディオプレーヤ、携帯機器(スマートホンやノート型のコンピュータ)に対して適用することができる。
本開示は、装置に限らず、方法、プログラム、システム等により実現することができる。プログラムは、例えば、ネットワークを介して、若しくは、光ディスクや半導体メモリ等の可搬型のメモリを介してユーザに提供し得る。
なお、実施形態および変形例における構成および処理は、技術的な矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせることができる。例示した処理の流れにおけるそれぞれの処理の順序は、技術的な矛盾が生じない範囲で適宜、変更できる。
本開示は、例示した処理が複数の装置によって分散されて処理される、いわゆるクラウドシステムに対して適用することもできる。実施形態および変形例において例示した処理が実行されるシステムであって、例示した処理の少なくとも一部の処理が実行される装置として、本開示を実現することができる。
本開示は、以下の構成もとることができる。
(1)
ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更するボリューム設定部と、
前記制御に応じて、前記オーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御するレベル制御部と
を有するオーディオ信号処理装置。
(2)
前記レベル制御部は、
前記変更後のボリュームが設定値より大きい場合に、前記オーディオ信号における前記所定の帯域のレベルを抑制するように構成された
(1)に記載のオーディオ信号処理装置。
(3)
前記レベル制御部は、
前記変更後のボリュームが前記設定値より大きい度合いに応じて、前記オーディオ信号における前記所定の帯域のレベルを段階的に抑制するように構成された
(2)に記載のオーディオ信号処理装置。
(4)
前記レベル制御部は、
前記変更後のボリュームが前記設定値より小さい場合に、前記オーディオ信号における前記所定の帯域のレベルを変更しないように構成された
(1)乃至(3)のいずれかに記載のオーディオ信号処理装置。
(5)
前記オーディオ信号における前記所定の帯域のレベルを検出する検出部を有し、
前記レベル制御部は、前記検出部による検出結果に応じて前記オーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御するように構成された
(1)に記載のオーディオ信号処理装置。
(6)
前記検出部は、
前記ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更する第2のボリューム設定部と、
前記第2のボリューム設定部から出力されたオーディオ信号の前記所定の帯域を通過させるフィルタと、
前記フィルタを通過したオーディオ信号のレベルのピーク値を検出し、前記ピーク値を所定の時定数をもって保持し、最新のピーク値が前記保持するピーク値より大きい場合には前記ピーク値を更新するピーク保持部と
前記ピーク保持部により保持されるピーク値に応じて、制御値を設定する制御値設定部と
を有する
(5)に記載のオーディオ信号処理装置。
(7)
前記所定の帯域は、ボリュームが一定以上になると前記オーディオ信号を再生するスピーカユニットが過振幅する帯域である
(1)乃至(6)のいずれかに記載のオーディオ信号処理装置。
(8)
前記スピーカユニットは、ダンパーレス構造を有する
(7)に記載のオーディオ信号処理装置。
(9)
前記スピーカユニットは、ボイスコイルの周縁に磁性流体が使用されたスピーカユニットであり、前記所定の帯域は200Hz(ヘルツ)付近の帯域である
(8)に記載のオーディオ信号処理装置。
(10)
ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更し、
前記制御に応じて、前記オーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御する
オーディオ信号処理装置におけるオーディオ信号処理方法。
1,2・・・オーディオ信号再生システム
10,20・・・オーディオ信号処理装置
100,200・・・DSP
101・・・2次元IIRフィルタ
102・・・ボリューム設定部
110・・・システム制御部
170・・・スピーカユニット
201・・・検出部
211・・・ゲイン決定部

Claims (5)

  1. ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更する第1のボリューム設定部と、
    前記制御に応じて、前記オーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御するレベル制御部と
    前記オーディオ信号における前記所定の帯域のレベルを検出する検出部
    を有し、
    前記検出部は、
    前記ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更する第2のボリューム設定部と、
    前記第2のボリューム設定部から出力されたオーディオ信号の前記所定の帯域を通過させるフィルタと、
    前記フィルタを通過したオーディオ信号のレベルのピーク値を検出し、前記ピーク値を所定の時定数をもって保持し、最新のピーク値が前記保持するピーク値より大きい場合には前記ピーク値を更新するピーク保持部と
    前記ピーク保持部により保持されるピーク値に応じて、制御値を設定する制御値設定部と
    を有し、
    前記レベル制御部は、前記制御値に基づいて前記オーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御するように構成された
    オーディオ信号処理装置。
  2. 前記所定の帯域は、ボリュームが一定以上になると前記オーディオ信号を再生するスピーカユニットの振動板が過振幅する帯域である
    請求項1に記載のオーディオ信号処理装置。
  3. 前記スピーカユニットは、ダンパーレス構造を有する
    請求項に記載のオーディオ信号処理装置。
  4. 前記スピーカユニットは、ボイスコイルの周縁に磁性流体が使用されたスピーカユニットであり、前記所定の帯域は200Hz(ヘルツ)付近の帯域である
    請求項2または3に記載のオーディオ信号処理装置。
  5. 第1のボリューム設定部が、ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更し、
    レベル制御部が、前記制御に応じて、前記オーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御
    検出部が、前記オーディオ信号における前記所定の帯域のレベルを検出し、
    第2のボリューム設定部が、前記ボリュームを変更する制御に応じて、オーディオ信号のボリュームを変更し、
    フィルタが、前記第2のボリューム設定部から出力されたオーディオ信号の前記所定の帯域を通過させ、
    ピーク保持部が、前記フィルタを通過したオーディオ信号のレベルのピーク値を検出し、前記ピーク値を所定の時定数をもって保持し、最新のピーク値が前記保持するピーク値より大きい場合には前記ピーク値を更新し、
    制御値設定部が、前記ピーク保持部により保持されるピーク値に応じて、制御値を設定し、
    前記レベル制御部が、前記制御値に基づいて前記オーディオ信号における所定の帯域のレベルを制御する
    オーディオ信号処理装置におけるオーディオ信号処理方法。
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