以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る音制御装置(音制御回路416)について、スロットマシン(遊技台)に適用した場合を例にとって詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部両側には、後述する高音スピーカ272の音を外部に出力するための高音スピーカ用音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。また、スロットマシン100の下方に設けられた低音スピーカ用音孔180は、後述する低音スピーカ277の音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210およびリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置182(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置182の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置182の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード264を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード264が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)もそれぞれ設けるとともに、図柄表示窓113上部の高音スピーカ用音孔143に対応する位置には、それぞれ高音スピーカ272を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、図柄表示窓113下部の低音スピーカ用音孔180に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
<制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する遊技制御手段としての主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置182から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口134の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、ベットボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置182が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置182に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ340(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インターフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300による遊技制御に関連した音(遊技音など)の出力制御を行うため、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インターフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて、第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、第1副制御部400全体の制御を司るホストCPUであるCPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源データに基づく再生音を出力するための音量や音質等の各種設定(以下、これを再生音出力設定と称す)を行う音源集積回路(サウンドIC)としての音源IC418と、該設定した音源データをデジタル変換して増幅するアンプ425と、該アンプ425によって増幅された音源データにおける周波数のうち、特定帯域の周波数を減衰させるフィルタ回路としてのフィルタ430と、一時的に音源データを記憶するための記憶手段であるRAM424(以下、これをサウンドRAM424と称す)と、を備える音制御回路416が設けられている。音制御回路416は、音源データに基づく再生音の出力制御を行う音制御装置であって、基本回路402におけるCPU404に入出力端子を介して接続され、該CPU404によって、主制御部300の遊技制御に関連して制御される。
音源IC418は、再生音出力設定として、次の機能を有するモジュールを備えており、それら各種モジュールが1つにパッケージ(1パッケージ化)されることにより構成されている。すなわち、音源IC418は、音源データの入力レベル(入力音量)が所定の閾値(スレッショルドレベル)を超えた場合、当該閾値を超えた音源データに対し、該音源データに基づく再生音が予め規定される音量(最大出力音量)を超えて出力されることを抑制するための制限処理(圧縮処理)を施すコンプレッサ機能と、該コンプレッサ機能が作動した場合、当該コンプレッサ機能を作動させた音源データ(すなわち、所定の閾値を超えた音源データ)に関する再生音情報(例えば、アドレス情報等の後述するフレーズ番号等)を出力する情報出力機能と、を有している。
従って、音制御回路416は、音源IC418のコンプレッサ機能が作動した場合、その情報出力機能によって、当該コンプレッサ機能を作動させた音源データに関する再生音情報をCPU404へ出力する。すなわち、コンプレッサ機能の作動により、音源データに対し圧縮処理(ダイナミック・レンジ・コンプレッション(Dynamic Range Compression:DRC)が施されることに起因して、該音源データに基づく再生音の音質を変化させる(言い換えれば、出力する音を変質させる)場合がある。このため、CPU404は、音源IC418の情報出力機能により、コンプレッサ機能が作動した際の音源データに関する再生音情報を入力することで、該音源データに基づく再生音の音質が変化されたタイミング(つまり、出力する音が変質された時期)を把握することができるようになっている。
ここで、DRCとは、音源データの再現能力を表すための数値であるダイナミックレンジ(識別可能な音源データの最小値と最大値との比率)を圧縮する処理である。これにより、例えば、映画などを再生する際、全体の音量が小さくてもセリフなどを聞き取り易くしたり、効果音などが大音量で出力されるのを抑制したりする効果を有している。言い換えれば、DRCとは一般的に、出力される再生音のうち、最小出力音量と最大出力音量との比率を圧縮し、最小出力音量を所定値まで引き上げ、最大出力音量を所定値まで引き下げる、大小双方について処理されるものである。
本実施形態では、このDRCについて、音源データに基づく再生音の出力音量が、規定される最大出力音量を超えないように、入力レベルがスレッショルドレベルを超える音源データに対し、出力音量の上限を抑えるための制限処理(圧縮処理)を施すようにした場合についてのみ述べるが、本発明はこの限りではない。すなわち、DRCとしては、出力音量が小さい音源データを、最大出力音量となる音源データに近づけるように、入力レベルの低い音源データに対し、出力音量を増大させるための圧縮処理を施すようにする場合についても適用することができる。この場合、出力音量を増大させた音源データに基づく再生音の音質が変化されたタイミングを把握することができる利点がある。
また、音制御回路416には、出力インターフェースを介して音声出力部としてのスピーカ272、277が設けられている。これらスピーカ272、277は、CPU404による制御に応じて音制御回路416が出力する音源データに基づく音(再生音)を出力(出音)する。なお、本実施形態の場合、スピーカ272、277は、高音質のステレオ仕様を適用するため、本体101において向かって左側に配置される高音用音声出力部としての高音スピーカL272および、右側に配置される高音用音声出力部としての高音スピーカR272と、低音用音声出力部としての低音スピーカ277とを有して構成されている。
アンプ425は、高音スピーカL272および高音スピーカR272に対応した高音用のアンプ425と、低音スピーカ277に対応した低音用のアンプ425とで構成されている。また同様に、フィルタ430は、高音スピーカL272、高音スピーカR272および低音スピーカ277と、にそれぞれ対応して設けられている。そして、高音用のアンプ425に対し、フィルタ430を介して高音スピーカL272および高音スピーカR272が接続されており、低音用のアンプ425に対し、フィルタ430を介して低音スピーカ277が接続されている。
音源IC418は、CPU404からの命令(制御)に応じて、高音用のアンプ425と低音用のアンプ425および、これら各アンプ425に対応して設けられる高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277から出力する音(再生音)に対して出音するための設定を行う。音源IC418には、遊技に関連して出音される音(例えば、遊技音)の基となる音源データが記憶されたROM423(例えば、サウンドROM)が接続されている。そして、音源IC418は、CPU404からの命令に応じて、サウンドROM423から取得した音源データをアンプ425、425でPWM変換することによってパルス幅を変調させたPWM信号を生成することで増幅させ、対応するフィルタ430に送信する。
ここで、アンプ425は、例えば、増幅方式がD級増幅に分類される、所謂クラスDのデジタルパワーアンプとして構成され、オーディオ信号源としての音源IC418から入力されるデジタルオーディオ信号としての音源データを、パルス幅変調させたPWM信号である音源データとして生成させ、単純な「ON」/「OFF」のスイッチング動作によって、パルス化された音源データにおけるパルス波の振幅を増幅し、フィルタ430に供給する。
なお、アンプ425は、各種操作キーや音量調整用のボリュームつまみ等で構成される操作部(図示省略する)を内蔵または別体に設け、この操作部の操作状況をCPU404が判断することにより、CPU404が音量調整などの各種制御を行うようにしてもよい。
また、アンプ425は、フィルタ430において非常時、過電流が流れることを検知すると、当該アンプ425に前記所定以上の電流が流れることを停止するためのリセット信号を、CPU404に対し出力する保護機能(過電流保護機能)を備えている。これにより、CPU404は、アンプ425からリセット信号が入力されることで、フィルタ430に過電流が流れたことを検知することができる。すなわち、アンプ425は、この過電流保護機能が働いた場合、CPU404に対してリセット信号を出力することで、アンプ425に対し過電流が流れるのを防止するようになっている。
フィルタ430は、例えば共振回路の一種であるLC回路を用いたローパスフィルタ(LPF:Low-pass filter)で構成され、入力される音源データに対し並列に設けられるコンデンサCと、入力される音源データに対し直列に設けられるコイルLとを有している。
フィルタ430は、アンプ425から送信された音源データ(つまり、スイッチングにより増幅された音源データ)における周波数のうち、特定帯域の周波数を減衰(カット)させ、増幅された音源データに発生したスイッチング周波数に相当する高周波成分を除去するカットオフ処理を行う。
言い換えれば、フィルタ430は、低周波を良く通し、所定の帯域より高い帯域の周波数(特定帯域の周波数)を通さない(減衰させる)LPFであり、音源データに含まれる必要のない高周波成分を取り除くのに有用なフィルタである。 なお、フィルタ430において減衰させる特定帯域の周波数、すなわち遮断すべき周波数(以下、これを遮断周波数と称する)は、フィルタの設計者が任意に選ぶことができる。
そして、フィルタ430は、該カットオフ処理を果たすことで、音源データからオーディオ信号成分だけを抽出し、該抽出されたオーディオ信号成分からなる音源データを、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277に供給する。
高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277は、フィルタ430を介して入力された特定帯域の周波数を減衰させ、上述のように抽出されたオーディオ信号成分からなる音源データに基づく再生音を、所定の音量で出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インターフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ等)が接続されている。
これに加えて、第1副制御部400には、スイッチ回路434が基本回路402に接続されて設けられ、例えば、音源IC418のコンプレッサ機能(DRC)を作動させるか否かを設定する(すなわち、DRCのON/OFFを切り換える)ためのDIPスイッチ等で構成される設定スイッチ432による操作を、スイッチ回路434を介して基本回路402に伝達するようになっている。
また、CPU404は、出力インターフェースを介して後述する第2副制御部500へ信号の送受信を行う。かかる第2副制御部500は、遊技に関連して演出画像を表示するように、表示装置である演出画像表示装置157の表示制御を施す表示制御手段であると共に、演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インターフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インターフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略する)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インターフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
第2副制御部500のCPU504は、上述した第1副制御部400にてCPU404が音源IC418における情報出力機能の作動によって、該音源IC418からコンプレッサ機能を作動させた音源データに関する再生音情報を入力された場合、該CPU404が当該再生音情報を入力されるタイミングで、該第1副制御部400から当該再生音情報に基づいて、コンプレッサ機能を作動させた音源データに関して報知するための報知指示信号(報知指示コマンド)が入力される。これに応じてCPU504は、VDP534に対し、演出画像表示装置157にコンプレッサ機能を作動させた音源データを識別可能な表示態様で報知するための報知画像を表示するように命令(制御)する。このとき、報知画像は、通常遊技等に対応した表示画像(遊技演出画像)と一緒に演出画像表示装置157に表示されることが好ましいが、この限りではない。
従って、演出画像表示装置157が第1副制御部400の音源IC418から出力された再生音情報に基づいて、コンプレッサ機能を作動させた音源データを識別可能な表示態様で表示するため、スロットマシン100の再生音に関する設定を行う作業者に対し、コンプレッサ機能により、音源データに基づき出力する音(再生音)が変質された時期を視覚的にも把握させることができるようになっている。さらに、このとき、再生音情報として、音源データのフレーズ番号に関する情報を識別可能な音源識別信号を用いれば、前記作業者に対して、該コンプレッサ機能を作動させた音源データを、フレーズ番号まで特定して視覚的に把握させることができる。
<第1副制御部400の音源IC418>
次に図4を用いて、上述の第1副制御部400における音制御回路416に搭載された音源IC418について説明する。なお、図4(a)は音源IC418を概略的に示すブロック図であり、図4(b)は音源IC418の再生音出力設定における各種処理を概略的に示すブロック図である。
本実施形態の場合、音源IC418は、所謂DSP(Digital Signal Processor)として、後述する各種モジュールを有して1パッケージで構成されている。図4(a)に示すように、音源IC418は、再生音出力設定の制御を司る制御部1が、I/F2およびSPI (Serial Peripheral Interface)を介して外部のホストCPUであるCPU404と接続されている。
また、制御部1はエンコードデータ入力部3と接続され、該エンコードデータ入力部3は、EMIF(External Memory Interface)を介して外部のサウンドROM423と接続されている。また、エンコードデータ入力部3は、デコード処理、ミキシング処理、立体音響処理、シーケンサ処理、フィルタ処理等の各種処理を行う各種処理部4と接続されている。各種処理部4は、PCM出力部5と接続され、PCM出力部5はインターフェースとしてのMcASPを介して外部のスピーカ(高音スピーカ272、低音スピーカ277)と接続されている。そして、制御部1は、上述したI/F2、エンコードデータ入力部3、各種処理部4、PCM出力部5とバスを介して接続され、それぞれにおける処理の制御を行うようになっている。
ここで、音源IC418において制御部1が行う再生音出力設定について、より詳細に説明する。まず、制御部1がCPU404の制御に基づき、サウンドROM423から取得した音源データを、EMIFを介してエンコードデータ入力部3に入力した後、各種処理部4に取り込む。各種処理部4は、入力される音源データに対し、上述した各種処理を施す。
かかる各種処理を具体的に説明すると、図4(b)に示すように、まず、EMIFを介して取り込まれた音源データに対し、チャネル・モジュール41においてチャネル処理を施す。本実施形態の場合、制御部1は、0〜15の計16チャネルを有し、サウンドROM423から呼び出された複数のデータのそれぞれにチャネルを割り当てることで、複数の音源データを同時に管理することが可能となっている。なお、本発明における音源データの出力処理は、かかる制御部1によって制御されるようになっている。
ここでチャネル処理は、図5(a)に示すように、まず入力される音源データ(フレーズデータ)に対しデコード(再生)処理を行う(ステップS1)。フレーズデータは、Muzip形式に圧縮されたファイルであり、ステレオ音源と、モノラル音源と、バイノーラル音源(3Dサウンド処理が適用されているステレオ音源)などのタイプの音源データを有している。
そして、次にデコードしたフレーズデータに対し、フレーズまたはスロットのボリューム調整を実行する(ステップS2)。ここで、スロットとは、フレーズ番号と、モノラル1chの移動情報を記述したデータである移動情報コード番号と、再生範囲指定情報などを含むデータであり、フレーズ番号と移動情報コード番号とが指定されているスロットとしての3D音源の再生および再生範囲指定を行うために使用される。この3D音源は、音源IC418内で3Dサウンド処理されることにより、バイノーラル音源となる。
次いで、ボリューム調整したフレーズデータに対し、フレーズまたはスロットのパン調整を実行する(ステップS3)。このとき、パン調整は、モノラル音源を再生する場合にのみ適用され、ステレオ音源および3D音源には適用されない。そして、かかるステップS3において、パン調整後のフレーズデータに対し、再生、停止、一時停止、一時停止解除などのフェード処理を追加し、次いで、1〜65,535回のループ、または無限ループを指定可能なループ処理を行い、さらに、再生中のフレーズの再生が完了したら、別のフレーズを自動的に再生することで、複数のフレーズを隙間なく連続で再生可能なフレーズ・チェーン再生を行った後、ステレオ音源/モノラル音源として出力する。なお、フレーズ・チェーン再生を実行する場合、所望のフレーズ番号とループ回数とを予め設定することができるようになっている。
このとき、制御部1は、チャネル処理におけるステップS1〜S3を処理する際に並行して、コンプレッサ動作(コンプレッサ機能が作動しているか否か)を監視しており、以下に説明するコンプレッサ動作監視処理を行う。
すなわち、制御部1は、かかるコンプレッサ動作監視処理において、まず、入力されるフレーズデータ(音源データ)の入力レベルが所定の閾値(スレッショルドレベル)を超えているか否か判断する(ステップS11)。このとき、入力されるフレーズデータの入力レベルが所定の閾値を超えていない否定結果を得た場合(No)、このルーチンを繰り返し、該閾値を超える入力レベルのフレーズデータが入力されるまで待機している。
一方、制御部1は、このステップS11において、入力されるフレーズデータの入力レベルが所定の閾値を超える肯定結果を得た場合(Yes)、次のステップS12に移行して、図6(a)に示すように、当該閾値を超えた(すなわち、コンプレッサ機能としての圧縮処理を実行(作動)させた)デコード(再生)中のフレーズデータにおけるフレーズ番号をサウンドRAM424に用意されたフレーズデータに関するアドレスポートに書き込み(エンキュー)、コンプレッサ機能を作動させたフレーズデータに関する再生音情報(ステータス情報)をDRCステータス情報のキュー(以下、これをDRCステータスキューと称する)として作成する。
次いで、制御部1は、ステップS13に移行し、ステップS11において閾値を超えたフレーズデータに関する各種情報(詳細は後述する)をサウンドRAM424に用意されたフレーズデータに関するデータポートに書き込み(エンキュー)、DRCステータスキューとして完成させる。
そして、制御部1は作成したDRCステータスキューを、コンプレッサ機能を作動させたフレーズデータ(音源データ)に関する再生音情報として、第1副制御部400のCPU404へと出力し(ステップS14)、ステップS11に戻り、このルーチンを繰り返す。
ここで、サウンドRAM424に記憶されたDRCステータスキューは、DRC作動時のフレーズ番号(すなわち、コンプレッサ機能である後述のDRCモジュール48a、48bを作動させたフレーズデータ(音源データ)におけるフレーズ番号)、DRCのステータス(0:高域未動作/低域未動作、1:高域動作/低域未動作、2:高域未動作/低域動作、3:高域動作/低域動作)等からなる項目(テーブル)で構成されており、これら各項目はCPU404によって任意に設定可能となっている。
但し、このDRCステータスキューは、自動でゼロクリアされることはなく、ゼロクリアするためには、ホストCPUとしてのCPU404がサウンドRAM424に記憶(格納)されたDRCステータスキューに「0」を書き込まなければならないようになっている。また、DRCモジュール48a、48bが作動中(コンプレッサ機能が作動中)にDRCステータスキューをゼロクリアした場合には、DRCステータスキューは再度設定されるため、DRCステータスキューがゼロクリアされたことを確認してから音源(フレーズ)を再生開始しなければならない。
制御部1は、かかるチャネル・モジュール41でのデコード処理後のフレーズデータをミキサー・モジュール43に入力し、該ミキサー・モジュール43によって、入力したフレーズデータ(音源データ)に対しマスター・ボリュームを乗算するマスター・ボリューム調整を行った後、ステレオ音源およびパン調整後のモノラル音源をミキシングする一方、3D音源に対し3Dゲインを乗算してモノラル・バッファに格納する3D音源のゲイン調整を行うミキシング処理を施す。
なお、本実施形態の場合、ミキサー・モジュール43は、ミキシング処理後の3D音源に対し、移動情報を付加する定位&移動処理を施し、該定位&移動処理の出力に対し、ミキシング時のゲインが0dBとなるバイノーラル・ミキサー処理を行った後、該バイノーラル・ミキサーの出力に対して仮想ヘッドホン処理を実行する立体音響処理モジュールとしての立体音響処理を行うようになっている。
一方、制御部1は、かかるミキサー・モジュール43でのミキシング処理後のフレーズデータを、モノラル・ミックス処理するためのエフェクト・モジュール44に入力し、ミキサー・モジュール43によるミキシング処理後のステレオ音源(ステレオ信号)をモノラル・ミックスする。このとき、モノラル・ミックス処理は、(Lchデータ+Rchデータ)÷2で実行される。
そして、制御部1は、モノラル・ミックス処理後のフレーズデータをLPF45に入力すると共に、ミキシング処理後のフレーズデータをHPF46に入力する。ここで、LPF45は、所定の周波数成分(遮断周波数)より高い周波数の帯域を遮断する(減衰させる)ローパスフィルタ(Low-Pass Filter:LPF)であり、図7(a)に示すLPFコントロール情報のテーブルに従ってフィルタ処理を実行する。また、HPF46は、所定の周波数成分(遮断周波数)より低い周波数の帯域を遮断する(減衰させる)ハイパスフィルタ(High-Pass Filter:HPF)であり、図7(b)に示すHPFコントロール情報のテーブルに従ってフィルタ処理を実行する。
このとき、LPFコントロール情報は、低域側カットオフ周波数、低域側遷移域幅×100、低域側フィルタ次数(0の場合はOFF)、高域側カットオフ周波数、高域側遷移域幅×100、高域側フィルタ次数(0の場合はOFF)等の項目について、それぞれ、初期値が、80Hz、160、6、1200Hz、190、4に設定されており、各々必要に応じてCPU404によって任意に設定可能となっている。
また、HPFコントロール情報は、カットオフ周波数、遷移域幅×100、フィルタ次数(0の場合はOFF)等の項目について、それぞれ、初期値が、1000Hz、170、6に設定されており、各々必要に応じてCPU404によって任意に設定可能となっている。ここで、遷移域幅を大きく設定した場合、遷移域が急峻になるが、リプルが大きくなる。また、遷移域幅を小さく設定した場合、遷移域が緩やかになるが、リプルが小さくなる。さらに、フィルタ次数の有効な範囲は、0〜18であり、フィルタ次数には2の倍数を指定することが望ましい。フィルタ次数が0の場合には、フィルタ(HPF46)がOFFになるようになっている。
本実施形態の場合、LPF45およびHPF46は、帯域分割フィルタとして機能するようになっている。これにより、モノラル・ミックス処理後のフレーズデータ、および、ミキシング処理後のフレーズデータを、それぞれ高音スピーカ272と、低音スピーカ277とに出力させるために、所望の周波数帯に分割したフレーズデータを生成することができるようになっている。
なお、実際上、フィルタ処理は、図5(b)に示すような、HPFによって遮断される周波数帯域と、LPFによって遮断される周波数帯域とが重なり合うクロスオーバ領域が生じる。このため、所謂バンドパスフィルタ(Band-Pass Filter: BPF)によるフィルタ処理が仮想的に行われることにより、中域の周波数帯域のフレーズデータを通すことが可能となるが、本発明においては、このBPF機能は必須の限りではない。
この後、制御部1は、LPF45およびHPF46による帯域分割したフィルタ処理後のフレーズデータを、それぞれ対応するボリューム調整部47a、47bに入力し、出力チャネル・ボリュームを乗算する。そして、制御部1は、かかるボリューム調整後のフレーズデータを、それぞれ対応するDRCモジュール48a、48bに入力する。
制御部1は、DRCモジュール48a、48bによって、ボリューム調整後のフレーズデータのうち、入力レベルが所定の閾値(スレッショルドレベル)を超えるフレーズデータに対し、図8(a)に示すようなコンプレッサ機能としての圧縮処理を施した後、フレーズデータを、McASPを介して対応するスピーカ(高音スピーカ2272、低音スピーカ277)へと出力させる。
ここで、コンプレッサ機能(圧縮処理)とは、フレーズデータ(音源データ)の入力レベル(入力音量)が予め設定した一定の閾値(スレッショルドレベル)を超えた場合、該フレーズデータに基づく再生音の出力音量の変化を設定した比率(レシオ、レイシオ、圧縮比)で抑え、所定の設定した時間で解放(リリース)するプロセスによって、当該再生音における出力音量の最大と最小の差(ダイナミックレンジ)を圧縮する処理である。
なお、図8(a)におけるリダクションレベル(傾き)は、図8(b)に示すように、時間軸に対するアタックレベル(すなわち、圧縮が始まるまでの時間(アタックタイム))、またはリリースレベル(圧縮を解放するための設定された時間)によって設定されるようになっている。例えば、図8(a)では、閾値を−10dB(T=−1000)と設定し、この場合、当該−10dBを超えるフレーズデータが、−10dBに圧縮されて出力されていることが見て取れる。このとき、傾き(リダクションレベル)は、0.0(K=0)となっている。
ここで、DRCモジュール48a、48bは、図6(b)に示すようなサウンドRAM424に記憶されるDRCコントロール情報のテーブルに基づき、コンプレッサ機能(DRC:圧縮処理)を作動(実行)するようになっている。このとき、DRCコントロール情報は、DRCオン/オフ(0:DRC OFF、1:DRC ON)、エンベロープ検出に使用するLPFの時定数(msec単位で指定)、コンプレッサのアタック時間(msec単位で指定)、コンプレッサのディケイ時間(msec単位で指定)、閾値dB(入力信号レベルが閾値より大きかった場合にコンプレッサがかかる)、傾き(リダクションレベル)×100等の項目について、それぞれ、初期値が、0(OFF)、1(1msec)、1(1msec)、1000(1000msec)、−1000(−10dB)、0(0.0)に設定されており、各々必要に応じてCPU404によって任意に設定可能となっている。
なお、上述の閾値(スレッショルドレベル)は、フレーズデータの入力信号レベル(入力レベル、入力音量)に対しコンプレッサ機能としての圧縮処理を施すか否かを判定するための値である。本実施形態の場合、閾値は−40dB以上に設定することが望ましく、T<−4000と設定した場合、T=−4000に設定されるようになっている。因みに、ここでは負の値を設定する場合、int型のHEX値で指定するようになっており、例えば、−1000に設定するためには、設定値のデータフィールドに、0xFFFFFC18を指定するようになっている。
一方、制御部1は、サウンドROM423からEMIFを介して取り込まれたシーケンスコードをシーケンサ・モジュール42に入力する。本実施形態の場合、制御部1は、8系統のシーケンサ・モジュール42を有し、サウンドROM423からEMIFを介して入力された複数のシーケンスコードを、それぞれのシーケンサ・モジュール42に割り当てるようになっている。
このシーケンスコードとは、シーケンサが再生を行うためのパラメータを含んだ情報であり、かかるシーケンサ・モジュール42は、当該シーケンスコードを基に、他のモジュール(例えば、チャネル・モジュール41、ミキサー・モジュール43、ボリューム調整部47a、47b等)における再生・停止・一時停止・一時停止解除・フェードアウト・音量調整などを実行するモジュールである。
ここで、再生とはシーケンスコードを再生することであり、停止とはシーケンスコードを停止することである。該停止により、シーケンサ・モジュール42は使用中のチャネル・モジュール41を停止させるようになっている。
また、一時停止とはシーケンスコードを一時停止することであり、該一時停止により、シーケンサ・モジュール42は使用中のチャネル・モジュール41に対して、以下の処理を実行するようになっている。
すなわち、シーケンサ・モジュール42は、当該一時停止によって、まず、フェードアウト停止中のチャネル・モジュール41を停止させる。次に、再生中、フェードイン中、フェードアウト一時停止中、フェードボリューム調整中のチャネル・モジュール41を一時停止させる。
また、一時停止解除とは一時停止されたシーケンスコードの再生を再開することであり、該一時停止を解除することにより、シーケンサ・モジュール42は使用中のチャネル・モジュール41に対して、以下の処理を実行するようになっている。
すなわち、シーケンサ・モジュール42は、当該一時停止解除によって、まず、シーケンサ・モジュール42を一時停止したときに再生中、フェードイン中、またはフェードボリューム調整中であったチャネル・モジュール41の一時停止を解除する(このとき、一時停止解除時にはフェードは追加されない)。次に、シーケンサ・モジュール42を一時停止したときに一時停止中、またはフェードアウト一時停止中であったチャネル・モジュール41は、そのまま解除することなく、一時停止のままにする。
また、フェードアウトとは、シーケンサ・モジュール42が使用中のチャネル・モジュール41のフェードアウトを停止させ、シーケンスコードを停止することである。さらに、音量調整とは、シーケンサ・モジュール42が試料中のチャネル・モジュール41における音量(ボリューム)を調整することである。
このように、本実施形態における音源IC418は、制御部1によって各種モジュールを制御することにより、上述のような各種処理部3における各種処理を行った後のフレーズデータ(音源データ)をPCM出力部4に入力する。そして、該PCM出力部4にてパルス符号変調(PCM:Pulse Code Modulation)処理を行った後のフレーズデータをMcASPを介して外部のスピーカ(高音スピーカ272、低音スピーカ277)へと出力するようになっている。
なお、本実施形態による音源IC418では、閾値(スレッショルドレベル)を状態に応じてCPU404(ホストCPU)が設定してもよい。また、閾値(スレッショルドレベル)は、サウンドROM423に記憶され、初期処理時に音源IC418内で設定されるものでもよい。さらに、コンプレッサ機能の作動時、音源IC418からCPU404に出力される再生音情報を受信しても演出画像表示装置157において、かかる再生音情報に基づき、コンプレッサ機能を作動させたフレーズデータ(音源データ)を識別可能な報知態様で報知することのない設定が可能でもよく、LPF45およびHPF46と、個別にコンプレッサ機能(DRCモジュール48a、48b)のON/OFFを設定できるようにしてもよい。
<図柄配列>
図9(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図9(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。遊技状態とは、抽選などにおいて選択する抽選データの種別を識別するための情報である。本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、内部当選遊技は、通常遊技に含まれる区分けであってもよい。
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を複数回数実行可能であればよく、例えば、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば、8回)の入賞があった場合に終了する。RB遊技は、予め定めた回数(少なくとも2回)の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。上述したBB遊技は、RB遊技を複数回数実行可能であるので、一回のRB遊技を行った場合には、BB遊技で得られるメダルの総数よりも少ないメダル数を獲得して終了することとなる。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。なお、BB遊技、RB遊技は両者とも遊技者にとって利益となる遊技状態であるため、総じて、ボーナス遊技、又は、特別遊技と称する場合がある。
<主制御部メイン処理>
次に、図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図10に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可および初期値の設定等を行う。ステップS103ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
ステップS105では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS107では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS111では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS113では全リール110乃至112の回転を開始させる。ステップS115では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップS111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS117へ進む。ステップS117では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。ステップS119では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS121では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。また、この遊技状態制御処理では、ボーナス遊技(BB遊技またはRB遊技)の終了時に、ボーナスの終了を知らせるためのボーナス遊技終了コマンドを第1副制御部400に対して送信し、通常遊技の開始時に、通常遊技の開始を知らせるための通常遊技開始コマンドを第1副制御部400に対して送信する。
以上により1ゲームが終了する。以降ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部タイマ割込処理>
続いて、図11を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS207では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137乃至139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
ステップS209では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS211では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンドおよび払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS213では、外部信号設定処理を行う。この外部信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常およびメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ340、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
ステップS219では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、上述の主制御部メイン処理(図10参照)に復帰する。
一方、ステップS221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、上述の主制御部メイン処理(図10参照)に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
次に、図12および図13、図15を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図12(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部メイン処理のフローチャートである。図12(b)は、第1副制御部400におけるデバイス送信処理のフローチャートである。図12(c)は、第1副制御部400におけるサウンドデータ送信処理のフローチャートである。図13(a)は、第1副制御部400における音源IC418の初期設定処理のフローチャートである。図13(b)は、サウンドROM423に記憶するDRCスイッチ設定情報を示す概略図である。図15は、第1副制御部400におけるコンプレッサ処理のフローチャートである。
まず、図12(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301で初期化処理を実行する。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返す。そして、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。このコマンド処理では、第1副制御部400のCPU404が、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS311では、ステップS309の処理結果に基づいてデバイス送信処理を行う。詳細は後述するが、このデバイス送信処理では、各種デバイスに対してデータの送信処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中にデバイスとしての音源IC418に対して演出音を出力する旨の命令がある場合には、この命令に応じて演出音を生成するためのサウンドデータを音源IC418に出力する。
このとき、かかるサウンドデータの中に入力レベルが所定の閾値を超えるフレーズデータが存在する場合、当該フレーズデータに関するDRCステータスキュー(図6(a)参照)も音源IC418に出力する。なお、本実施形態では、通常の演出音を出音させる処理と、コンプレッサ機能が作動したことを報知する報知処理と、における「音源データ」を区別するため、あえて通常出音される演出音に関する音源データを「サウンドデータ」と称し、後者の報知処理にて使用する音源データを「フレーズデータ」と称することとする。
ステップS313では、ステップS311の処理結果に基づいて、コンプレッサ動作報知処理を行う。詳細は後述するが、このコンプレッサ動作報知処理では、例えば、ステップS311で送信したデータの中に、音源IC418におけるコンプレッサ機能の作動(すなわち、入力レベルが所定の閾値(スレッショルドレベル)を超えるフレーズデータが入力されることに起因してコンプレッサ機能が作動したこと)を表す命令(すなわち、前記フレーズデータのDRCステータスキュー(図6(a)参照))がある場合には、このコンプレッサ機能が作動したことを報知するための報知情報(報知指示コマンド)を、当該DRCステータスキューに基づいて作成する。詳細は後述するが、当該コンプレッサ機能が作動したことを報知する報知手法としては、例えば、コンプレッサ機能を作動させたフレーズデータのフレーズ番号に応じた回数または時間(例えば、フレーズ番号が10であれば、10回または10s)等によって、各種ランプ420における点灯の制御を行うようにしてもよい。また、後述するように、コンプレッサ機能を作動させたフレーズデータのステータス情報(フレーズ番号など)を報知する態様の報知画像を、演出画像表示装置157に表示させる表示制御などが考えられるが、本発明はこの限りではない。
ステップS315では、ステップS309の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信するための設定を行う情報送信処理を行う。例えば、ステップS311で送信したサウンドデータの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
続いて、図12(b)を用いて、第1副制御部400のCPU404が実行するデバイス送信処理について説明する。このデバイス送信処理は、上述の第1副制御部400におけるCPU404が実行するメイン処理のステップS311に相当し、ここでは、当該ステップS311について詳細に説明する。
まず、図12(b)のステップS401では、サウンドデータ送信処理を行う。詳細は後述するが、このサウンドデータ送信処理では、例えば、図12(a)に示す第1副制御部400のメイン処理におけるステップS309で読み出した演出データに応じて出力するための演出音の情報をサウンドデータとして音源IC418に対して送信する。
ステップS403では、他の送信処理を行う。この他の送信処理では、サウンドデータ送信以外のデータ送信処理を行う(すなわち、音源IC418以外のデバイスに対するデータ送信処理を行う)。例えば、図12(a)に示す第1副制御部400のメイン処理におけるステップS309で読み出した演出データの中に、当該演出データに応じて各種ランプ420を駆動制御する駆動制御データがある場合には、この駆動制御データを駆動回路422に送信する送信処理を行い、その後、当該第1副制御部400のメイン処理に復帰する。
次に、図12(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404が実行するサウンドデータ送信処理について説明する。このサウンドデータ送信処理は、上述の第1副制御部400におけるCPU404が実行するデバイス送信処理のステップS401に相当し、ここでは、当該ステップS401について詳細に説明する。
まず、図12(c)のステップS501では、サウンド送信キューの状態が実行中であるか否かを判断する。すなわち、CPU404は、演出制御に応じて演出音を出音させる場合、音制御回路416のサウンドROM423に格納されるサウンドデータを音源IC418に対して送信するためのサウンド送信キューの状態が実行中であるか否かを判断する。このとき、サウンド送信キューの状態が実行中であると、ステップS503へ移行し、サウンド送信キューからサウンドコマンド数を取得する。
ステップS505では、ステップS503において、サウンド送信キューから取得したサウンドコマンド数に基づき、音制御回路416のサウンドRAM424における音源ICアドレスポートにサウンドデータに関するサウンドアドレス情報を送信すると共に、音制御回路416のサウンドRAM424における音源ICデータポートにサウンドデータに関するサウンドデータ情報を送信する。
ステップS507では、サウンド送信キューのサウンドコマンド数情報を初期化する。すなわち、このステップS507では、ステップS503において、サウンド送信キューから取得したサウンドコマンド数に基づき、ステップS505を処理したため、サウンド送信キューを初期化して更新する。
次いで、ステップS509に移行し、サウンド送信キュー状態を待機中に設定し、このサウンドデータ送信処理を終了させ、その後、図12(b)に示すデバイス送信処理に復帰する。一方、ステップS501において、サウンド送信キュー状態が実行中でない旨の否定結果を得た場合も、このサウンドデータ送信処理を終了させ、その後、図12(b)に示すデバイス送信処理に復帰する。
続いて、図13(a)、(b)および図14(a)を用いて、第1副制御部400における音源IC418の初期設定処理について説明する。図13(a)は、第1副制御部400における音源IC418の初期設定処理のフローチャートである。図13(b)は、サウンドROM423に記憶するDRCスイッチ初期設定情報を示す概略図である。図14(a)は、第1副制御部400における音源IC418の初期設定処理の説明に供する概念図である。なお、この初期設定処理は、上述の第1副制御部400におけるCPU404が実行するメイン処理のステップS301に相当し、ここでは、当該ステップS301について詳細に説明する。
まず、図13(a)のステップS1001では、音源IC418におけるコンプレッサ処理以外の初期化処理を行う。この他の初期化処理において、音源IC418は、図14(a)に示すように、電源が投入されることにより起動すると、音源IC418におけるコンプレッサ処理以外の例えば、音源IC418における上述したデコード処理、ミキシング処理等を行うための各種モジュールに関して初期設定の処理を行う。
ステップS1003では、スイッチ判定を行う。このスイッチ判定は、コンプレッサ機能を作動するか否か(つまり、DRCモジュール48a、48bを動作させるか否か)を設定するための設定スイッチ432(図3参照)に関し、設定された状態が「ON」であるか、または「OFF」であるかを判定する。ここでは、スイッチ回路434から得られるスイッチ設定信号によって、当該設定スイッチ432の設定が「ON」であるか「OFF」であるかを判定する。なお、このとき得られる判定結果によって、後述する下段のステップS1005における設定情報が異なってくる。
ステップS1005では、ステップS1003におけるスイッチ判定に基づいて設定情報を生成する。ここで生成する設定情報は、音源IC418のサウンドRAM424に格納(記憶)されるDRCコントロールキュー(図6(b)参照)を生成するための情報、すなわちコンプレッサ機能を作動させるための条件であり、上述のごとく、ステップS1003におけるスイッチ判定の判定結果に応じて(すなわち、設定スイッチ432の設定が「ON」であるか「OFF」であるかによって)内容が異なっている。
より詳細には、かかる設定情報は、図13(b)に示すように、スイッチ状態(設定スイッチ432の設定)が「ON」であれば、DRCオン、ローパスフィルタの時定数、コンプレッサのアタック時間、コンプレッサのディケイ時間、閾値(スレッショルドレベル)、傾き(リダクションレベル)、HPFカットオフ周波数、HPF遷移域幅、HPFフィルタ次数、LPF低域側カットオフ周波数、LPF低域側遷移域幅、LPF低域側フィルタ次数、LPF高域側カットオフ周波数、LPF高域側遷移域幅、LPF高域側フィルタ次数などのサウンドROM423に記憶される初期設定値で構成される。
一方、設定スイッチ432の設定が「OFF」であれば、DRCモジュール48a、48bは作動しないため、「ON」の場合とは異なって初期設定値は含む必要がなく、ORCオフのみで構成される。
ステップS1007では、音源IC418が初期化を終了したか否かを判断する。図14(a)に示すように、音源IC418において初期化処理が行われると第1副制御部400のCPU404へ初期化終了のコマンドが送信される。これにより、CPU404は音源IC418における初期化が終了したか否かを判断する。このステップS1007では、音源IC418における初期化が終了した旨の肯定結果が得られるまでこのルーチンを繰り返し、当該初期化が終了した肯定結果が得られると、ステップS1009へ移行する。
ステップS1009では、設定情報を出力する。すなわち、ここでは、ステップS1005において生成したDRC48a、48bを設定するための設定情報を、音源IC418の制御部1へ出力する。
ステップS1011では、音源IC418が設定を終了したか否かを判断する。すなわち、ステップS1009において出力した設定情報に基づいて、音源IC418が設定処理を終了させたか否かを判断する(図14(a)参照)。このステップS1011では、音源IC418における設定処理が終了した旨の肯定結果が得られるまでこのルーチンを繰り返し、当該設定処理が終了した肯定結果が得られると、この初期設定処理を終え、その後、図12(a)に示す第1副制御部400のメイン処理に復帰する。
次に、図15を用いて、第1副制御部400の音源IC418におけるコンプレッサ動作報知処理について説明する。このコンプレッサ動作報知処理は、上述の第1副制御部400におけるCPU404が実行するメイン処理のステップS313に相当し、ここでは、当該ステップS313について詳細に説明する。
まず、図15のステップS1101では、報知の設定があるか否かを判断する。すなわち、コンプレッサ機能が作動した(言い換えれば、フレーズデータの入力レベルが所定の閾値を超え、DRCモジュール48a、48bが機能した)場合に、当該コンプレッサ機能による圧縮処理が行われたことに関して報知する設定があるか否かを判断する。このとき、報知の設定がある旨の肯定結果を得ると、ステップS1103へ移行する。
ステップS1103では、音源IC418からデータを受信したか否かを判断する。すなわち、図14(b)にも示すように、コンプレッサ機能が動作することにより、音源IC418からコンプレッサ機能を作動させたフレーズデータに関する再生音情報(DRCステータスキュー)を受信したか否かを判断する。このとき、音源IC418からDRCステータスキューを受信した旨の肯定結果を得ると、ステップS1105へ移行する。
ステップS1105では、データ処理を行う。すなわち、このステップS1105では、ステップS1103にて受信を確認したDRCステータスキューにデータ処理(デコード処理)を施し、後段のステップS1107にて報知情報を生成するための準備を行う。
ステップS1107では、送信情報を生成する。すなわち、このステップS1107では、ステップS1105にて準備(デコード処理)したDRCステータスキューに基づいて、当該報知を行うためのステータス情報を含む報知情報(報知指示コマンド)を生成する。
ステップS1109では、音源IC418から受信したデータをクリアする。すなわち、このステップS1109では、ステップS1107において、DRCステータスキューに基づき、報知情報(報知指示コマンド)を生成したことに基づいて、音源IC418から受信したDRCステータスキューをクリアし、次のコンプレッサ動作報知処理に備え、このコンプレッサ動作報知処理を終了する。その後、図12(a)に示す第1副制御部400のメイン処理に復帰する。
一方、ステップS1101において報知の設定がない旨の否定結果を得た場合、このコンプレッサ動作報知処理を終了し、その後、図12(a)に示す第1副制御部400のメイン処理に復帰する。また、ステップS1103において、音源IC418からDRCステータスキューを受信していない(すなわち、コンプレッサ機能の作動が見受けられない)旨の否定結果を得た場合、このコンプレッサ動作報知処理を終了し、その後、図12(a)に示す第1副制御部400のメイン処理に復帰する。なお、図14(b)において、動画Aに重ねて報知画像が表示される例を示しているが、詳細は後述する。
<第2副制御部500の処理>
図16を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図16(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図16(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図16(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図16(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図16(a)のステップS601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS603では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS605の処理に移行する。ステップS605では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS607では、コマンド処理を行う。かかるコマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンド(例えば、上述のコンプレッサ機能作動報知コマンド)を受信したか否かを判別する。
ステップS609では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS607で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS611では、ステップS609の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS609で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップS613では、ステップS609の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS609で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS603へ戻る。
次に、図16(b)を用いて、第2副制御部500のCPU504が実行する第2副制御部コマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS701では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図16(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504が実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS801では、図16(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS603において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS603において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS803では、演出用乱数値の更新等の各種更新処理を行う。
次に、図16(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS613の画像制御処理について説明する。図16(d)は、画像制御処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS901では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP536は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS903では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS905に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS905では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS901でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS907では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS909では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS911に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS911では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<報知画像>
ここで、図17を用いて、上述した演出画像表示装置157に表示される報知画像(すなわち、DRCステータスキューに基づいて生成された報知を行うためのステータス情報を含む報知情報(報知指示コマンド)に基づき生成される、コンプレッサ機能を作動させたフレーズデータを報知する態様の報知画像)について説明する。なお、図17(a)は、第2副制御部500における報知画像の生成に関する説明に供する概略図である。図17(b)は、演出画像表示装置157に表示される報知画像について示す概略図である。
図17(a)に示すように、第2副制御部500のROM506には、予めフレーズデータのステータス情報に関するフレーズ番号表示画像と、フレーズステータス表示画像とが用意されている。従って、VDP534(図3参照)は、報知指示コマンドによるCPU504(図3参照)からの指示に基づいて、ROM506に記憶されたフレーズ番号表示画像(例えば、フレーズX)と、フレーズステータス表示画像(例えば、H(帯域が高域である))とを読み出し、VRAM536のワークエリアを使用してステータス情報に応じた報知画像を生成する。このとき、報知画像の表示領域は予めアトリビュートレジスタに格納されており、VDP534はアトリビュートレジスタの命令に基づき、アトリビュートに従ったパラメータ設定にて報知画像の描画を行う。例えば、報知画像の約10s(167f)は、フレームバッファFB1およびFB2に描画される。そして、VDP534は、図17(b)に示すように、生成した報知画像を演出画像表示装置157に表示させる。
<コンプレッサ機能の作動検知および報知>
次に、図18および図19を用いて、コンプレッサ機能の作動検知および報知について説明する。図18(a)は、コンプレッサ機能が作動していない場合について示す概要図である。図18(b)は、コンプレッサ機能が作動した場合について示す概要図である。図19は、複数のチャネルを用いて再生音の出力を行っている場合におけるコンプレッサ機能の作動報知について示す概要図である。
図18(a)に示すように、ループ再生の設定がないフレーズXとフレーズYとからなる再生音(演出音、遊技音)を約10sずつの設定で出力している際、コンプレッサ機能が作動していない場合、これらフレーズXとフレーズYとに応じた表示画像(演出画像、遊技画像)として、動画Aが20s(1f〜333f)表示される。この間に、例えばフレーズXの入力レベルが閾値を超えると、図18(b)に示すように、コンプレッサ機能が作動する(同図中「DRC動作」で示す)ことに起因して、第1副制御部400から第2副制御部500に対し、フレーズXのステータス情報(フレーズ番号:X、帯域:高域(H))を含む報知指示コマンドが送信される。
第2副制御部500では、この報知指示コマンドの受信により、当該報知指示コマンドに含まれるステータス情報に基づいて報知画像を生成し、動画Aに対し、当該コンプレッサ機能を作動させたフレーズXのステータス情報(フレーズ番号:X、帯域:高域(H))を報知する報知態様の報知画像を付加して表示する。この場合、報知画像は、例えば、20s(1f〜333f)表示される動画Aのうちの100fから267fまでの約10s間、動画Aに付加して表示される。
また、図19に示すように、ループ再生の設定がないフレーズX1およびX2、フレーズY、フレーズZからなる再生音をそれぞれ約20s、2s、2sの設定で異なるチャネルから出力すると共に、当該再生音のフレーズX1に応じた表示画像(演出画像、遊技画像)として、動画Aが20s(1f〜333f)、フレーズX2に応じた表示画像(演出画像、遊技画像)として、動画Bが20s(1f〜333f)表示されている際、フレーズZの入力レベルが閾値を超えると、コンプレッサ機能が作動する(同図中「DRC動作」で示す)ことに起因して、第1副制御部400から第2副制御部500に対し、フレーズZのステータス情報(フレーズ番号:Z、帯域:高域(H))を含む報知指示コマンドが送信される。
第2副制御部500では、この報知指示コマンドの受信により、当該報知指示コマンドに含まれるステータス情報(フレーズ番号:Z、帯域:高域(H))に基づいて報知画像を生成し、動画AおよびBに対し、当該コンプレッサ機能を作動させたフレーズZのステータス情報(フレーズ番号:Z、帯域:高域(H))を報知する報知態様の報知画像を付加して表示する。
この場合、コンプレッサ機能の作動タイミングが、フレーズX1再生中における後半の時期であるため、報知画像は、例えば、20s(1f〜333f)表示される動画Aのうちの210fから333fまでと、動画B(1f〜333f)のうちの1fから44fまでのトータル約10s間、動画Aから動画Bに跨って表示Aとして付加して表示される。
このように、多チャネル出力している場合、各チャネルにおいて出力処理するフレーズデータに関してコンプレッサ動作監視処理を行うため、コンプレッサ機能を作動させたフレーズデータに関するステータス情報(再生音情報)を正確に把握して報知することができる。これにより、同図において示されるように、報知指示コマンドの出力タイミングがフレーズX1、フレーズY、フレーズZの重なるタイミングであっても、コンプレッサ機能を作動させたフレーズデータを特定して報知することができる。
しかも、全てのフレーズ番号を出力することなく、コンプレッサ機能を作動させたフレーズデータを特定して報知できるので、報知指示コマンドのデータ量を軽減することができる。
従って、全てのフレーズ番号を出力する際に生じ得る、送信速度の低下や、送信負荷の増大などによる処理の煩雑化を未然に回避することができ、当該処理をより一段と簡易化することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る音制御回路416は、音源データ(フレーズデータ)に基づく再生音の出力制御を行う音制御装置であって、前記音源データの入力レベルが所定の閾値(スレッショルドレベル)を超えた場合、前記音源データに基づく再生音が予め規定される音量を超えて出力されることを抑制するための制限処理(圧縮処理)を施す圧縮機能(例えば、DRCモジュール48a、48b)と、前記圧縮機能が作動した場合、当該圧縮機能の作動情報(例えば、DRCステータスキュー)を出力する情報出力機能と、を有する音源集積回路(例えば、音源IC418)を備え、前記音源集積回路は、1つにパッケージされる、ことを特徴とする音制御回路である。
本実施形態に係る音制御回路416によれば、圧縮機能により、再生音が想定外の大音量で出力されることにより、遊技者に不快感を与えてしまったり、スピーカに過度な負荷を与えることにより、スピーカを破損させてしまったりするような事態を未然に防止することができる。また、圧縮機能の作動により、音源データに対し制限処理が施されることに起因して、該音源データに基づく再生音の音質を変化させる(言い換えれば、出力する音を変質させる)場合があるが、圧縮機能が作動した際の音源データに関する再生音情報を把握することにより、該音源データに基づく再生音の音質が変化されたタイミング(つまり、出力する音が変質された時期)を把握することができる。このため、出力する音を変質させる処理が行われた時期を容易に把握することができる音制御装置を実現することができる。
また、本実施形態に係る音制御回路416は、音源データ(フレーズデータ)に基づく再生音の出力制御を行う音制御装置であって、前記音源データの入力レベルが所定の閾値(スレッショルドレベル)を超えた場合、当該閾値を超えた音源データに対し、該音源データに基づく再生音が予め規定される音量を超えて出力されることを抑制するための制限処理(圧縮処理)を施すコンプレッサ機能(例えば、DRCモジュール48a、48b)と、前記コンプレッサ機能が作動した場合、当該コンプレッサ機能を作動させた音源データに関する再生音情報(例えば、DRCステータスキュー)を出力する情報出力機能と、を有する音源集積回路(例えば、音源IC418)を備え、前記音源集積回路は、1つにパッケージされることを特徴とする。
本実施形態に係る音制御回路416によれば、音源集積回路の情報出力機能によって、前記コンプレッサ機能を作動させた音源データに関する再生音情報を得ることができる。すなわち、コンプレッサ機能の作動により、音源データに対し制限処理が施されることに起因して、該音源データに基づく再生音の音質を変化させる(言い換えれば、出力する音を変質させる)場合がある。従って、コンプレッサ機能が作動した際の音源データに関する再生音情報を把握することにより、該音源データに基づく再生音の音質が変化されたタイミング(つまり、出力する音が変質された時期)を把握することができる。かくして、出力する音を変質させる処理が行われた時期を容易に把握することができる音制御装置を実現することができる。
さらに、この場合、音源集積回路は1つにパッケージされるため、音制御回路内における装置の搭載スペースを格段と低減することができ、より一段と省スペース化を図ることができる利点も有している。
また、前記所定の閾値(スレッショルドレベル)は、外部の制御手段(例えば、CPU404)によって任意に設定可能としてもよい。
このような構成とすれば、コンプレッサ機能が作動を開始する音源データの入力レベルを任意に設定することができるため、所望する入力レベルの音源データに対し、コンプレッサ機能による制限処理を施すことができる利点がある。
また、前記情報出力機能は、前記再生音情報として、前記音源データのフレーズ番号に関する情報を識別可能な音源識別信号(例えば、DRCステータスキュー)を出力するようにしてもよい。
このような構成とすれば、コンプレッサ機能により、音源データに基づき出力する音(再生音)が変質された時期を把握することができるばかりか、該コンプレッサ機能が作動した音源データのフレーズ番号まで把握(特定)することができる。
また、音制御装置(例えば、音制御回路416)は、遊技の進行に関する遊技制御を施す遊技制御手段(例えば、主制御部300)を有する遊技台(例えば、スロットマシン100)に設けられ、前記遊技制御手段における遊技制御に応じて、前記コンプレッサ機能を作動させるか否かを設定するためのコンプレッサ設定情報(例えば、DRCコントロール情報)が記憶された記憶手段(例えば、サウンドRAM424)を備えるようにしてもよい。
このような構成とすれば、遊技制御手段の遊技制御に応じて、コンプレッサ機能を作動させるか否かを設定することができるため、コンプレッサ機能による制限処理によって音質を変化させたくない再生音を用いるか否か、容易に使い分けることができる。
また、前記記憶手段には、前記情報出力機能を作動させるか否かを設定するための情報出力設定情報が記憶されてもよい。
このような構成とすれば、コンプレッサ機能が作動した場合の再生音と、該コンプレッサ機能が作動しない場合の再生音とを、それぞれ試聴することができる。
<第2実施形態>
図20を用いて、本発明の第2実施形態に係る音制御回路416を適用したスロットマシン100について説明する。図20は、第1副制御部400におけるコンプレッサ機能の作動に関する設定状態を示す概略図である。なお、本第2実施形態のスロットマシン100は、一部を除き、ほぼ上述した第1実施形態のスロットマシン100と同様の構成を有するため、ここでは、異なる部分を除き、便宜上、詳細な説明を割愛する。
すなわち、第2実施形態によるスロットマシン100の第1副制御部400において、ホストCPUであるCPU404は、音源IC418のDRCモジュール48a、48b(図4(b)参照)における作動の「ON」と「OFF」とを必要に応じて設定することができるようになっている。
このため、図20に示すように、例えば、主制御部300の遊技制御によるボーナス遊技の遊技状態Bの間、コンプレッサ機能の作動により、出力する再生音(ボーナス遊技音)の音質を変化させたくない場合、第1副制御部400のCPU404は、通常遊技の遊技状態Aからボーナス遊技の遊技状態Bへと切り換わる所謂、ボーナス開始時に主制御部300から送信されるボーナス開始コマンドに応じて、音源IC418のコンプレッサ機能、すなわちDRCモジュール48a、48bの制御を司る制御部1(図4(a)参照)に対し、コンプレッサ機能の作動を制限するように指示するDRCOFFコマンドを送信する。これにより、DRCモジュール48a、48bは、入力レベルが所定の閾値を超えるフレーズデータが入力されても、コンプレッサ機能を作動させることがない。
この後、第1副制御部400のCPU404は、ボーナス遊技の遊技状態Bから通常遊技の遊技状態Aへと切り換わる所謂、ボーナス終了時に主制御部300から送信されるボーナス終了コマンドに応じて、音源IC418の制御部1(図4(a)参照)に対し、コンプレッサ機能の作動を許可するように指示するDRCONコマンドを送信する。これにより、DRCモジュール48a、48bは、入力レベルが所定の閾値を超えるフレーズデータが入力された場合、コンプレッサ機能を作動させる。
このようにして、第2実施形態のスロットマシン100では、第1副制御部400のCPU404によって、コンプレッサ機能の作動を「ON」、または、「OFF」に必要に応じて任意に設定し、音源IC418のDRCモジュール48a、48bにおけるDRC動作の「ON」と「OFF」とを切り替えることができる。これにより、コンプレッサ機能による制限処理によって音質を変化させたくない再生音(遊技音)を用いるか否か、容易に使い分けることができ、使い勝手を向上させることができる。すなわち、ボーナス遊技期間においては音質の変化を無くす等のように、遊技に応じた遊技音の使い分けを可能とする。
<第3実施形態>
図21を用いて、本発明の第3実施形態に係る音制御回路416を適用したスロットマシン100について説明する。図21(a)は、第1副制御部400における出力中の遊技音に関する再生音情報の取得について示す概要図である。図21(b)は、コンプレッサ機能の作動時における報知について示す概略図である。なお、本第3実施形態のスロットマシン100は、一部を除き、ほぼ上述した第1実施形態のスロットマシン100と同様の構成を有するため、ここでは、異なる部分を除き、便宜上、詳細な説明を割愛する。
すなわち、第3実施形態によるスロットマシン100の第1副制御部400では、図21(a)に示すように、CPU404が音源IC418から出力済みのフレーズデータにおけるフレーズ番号を受信する構成とした。これにより、第1副制御部400のCPU404は、出力中のフレーズデータにおけるフレーズ番号を把握することができるため、コンプレッサ機能の作動が生じた場合に、当該コンプレッサ機能を作動させたフレーズデータのフレーズ番号を特定して把握することができる。さらには、図21(b)に示すように、当該把握しているフレーズ番号を第2副制御部500へと送信して、演出画像表示装置157に報知画像として表示させることも可能となる。本第3実施形態の場合、音源IC418がコンプレッサ機能を作動させたフレーズデータのフレーズ番号を記憶する必要が省けるので、音源IC418における処理効率を格段と向上させることが可能となる利点も有している。
<第4実施形態>
図22を用いて、本発明の第4実施形態に係る音制御回路416を適用したスロットマシン100について説明する。図22(a)は、第1副制御部400のサウンドRAM424が記憶するDRCステータス情報の構成を示す概略図である。図22(b)は、コンプレッサ機能の作動時における報知について示す概略図である。なお、本第4実施形態のスロットマシン100は、一部を除き、ほぼ上述した第1実施形態のスロットマシン100と同様の構成を有するため、ここでは、異なる部分を除き、便宜上、詳細な説明を割愛する。
すなわち、第3実施形態によるスロットマシン100の第1副制御部400では、図22(a)に示すように、第1副制御部400のサウンドRAM424が記憶するDRCステータス情報(DRCステータスキュー)が、コンプレッサ機能の作動した時刻(DRC発生時刻)を含んで構成されるようになっている。
このため、第2副制御部500の表示制御によって演出画像表示装置157に表示される報知画像においても、図22(b)に示すように、コンプレッサ機能の作動した時刻(DRC発生時刻)を含んで構成することができる。従って、コンプレッサ機能の作動した時刻(DRC発生時刻)を含んで構成される報知画像の表示により、コンプレッサ機能の作動をリアルタイムに確認する必要をなくすことができ、コンプレッサ機能の作動した後の任意(例えば、遊技店の閉店後など)の所望する時間に確認することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明を実施するための形態について上述した第1〜第4実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした各実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。
例えば、本発明の音制御装置は、上述した遊技台としてのスロットマシン100に限らず、ビデオ(メダル)ゲーム機のような遊戯機でも使用することができる。以下、図23および図24を用いて、本発明の他の実施形態について説明する。図23(a)は、本発明の他の実施形態に係るビデオ(メダル)ゲーム機700の斜視図である。図23(b)は、ビデオゲーム機700の正面図である。図24は、ビデオゲーム機700の制御部750のブロック図である。
図23(a)に示すように、ビデオゲーム機700は、筐体701と、筐体701の正面(遊戯者側)上方にメダル貯留部窓702が設けられ、筐体701の上部に設けられたメダル貯留部711に貯留されているメダル量を確認できるようになっている。また、表示装置702の下側には、遊戯領域710(詳細は後述)が設けられている。
この遊戯領域710の全面に透明なガラス板703が設けられ、遊戯者と遊戯領域710を隔離している。遊戯領域710の下方にはメダル投入口704が2カ所設けられ、遊戯者は、このメダル投入口704から所定のメダルを投入して遊戯を行う。なお、このメダル投入口704は、押出し装置としても機能し、メダル投入口704を左右に動かすことにより、落下して溜まり部705に溜まったメダルをメダル排出口(図示省略)から押し出すことができる。
遊戯領域710の下方には、遊戯者が遊戯の操作を行う操作盤720が設けられ、操作盤720には、遊戯者が所定の演出を選択する際に用いる演出選択ボタン722や、遊戯状態を表示する表示装置724が設けられている。この表示装置724は、メダルの投入を検知した後、所定の抽選を行い、その抽選結果に基づいてビンゴ表示などを行う。なお、操作盤720の側面にはメモリカード差し込み口726が設けられ、遊戯者はメモリカード792を差し込んで、データのロードやセーブを行う。
また、操作盤720の下方にはメダル取り出し口706が設けられ、遊戯で獲得したメダルは、このメダル取り出し口706に案内されて遊戯者に払い出される。なお、筐体701の上方にランプ701aが設けられ、遊戯の演出に応じてランプの点灯制御が行われる。
次に、図23(b)を用いて、遊戯領域710について詳細に説明する。図23(b)に示されるように、遊戯領域710の中央近傍には演出表示装置712が設けられている。
この演出表示装置712は、メダル入賞口714,特別入賞口715への入賞結果を表示する為の液晶表示装置712aと、液晶表示装置712aの表出側に設けられ、液晶表示装置712の左右に移動する可動物(シャッタ)712bを備えて構成されている。可動物712は、液晶表示装置712aの左右で可動し、メダルの入賞結果に応じた演出を行う。
遊戯領域710の下方にはメダル入賞口714が設けられ、メダル貯留部711から落下したメダルがこのメダル入賞口714に入賞した場合、制御部750(詳細は後述)で所定の抽選処理が行われる。また抽選処理により当選した場合、抽選結果に応じた枚数のメダルがメダル貯留部711から落下するように構成されている。なお、メダル入賞口714の配設位置や数量は、本実施形態のように遊戯領域710の下側中央近傍とその左右の合計3個に限定されるものではない。
また、特別入賞口715は、演出表示装置712の下側に2個、左右に各1個の合計4個設けられている。特別入賞口715に入賞した場合の抽選処理による当選確率は、メダル入賞口714に入賞した場合の抽選処理による当選確率よりも低い確率に設定され、この特別入賞口715の抽選処理に当選した場合は、より多くのメダルがメダル貯留部711から落下されるようになっている。
演出表示装置712の上部には、メダル案内板716が設けられ、メダル貯留部711から落下するメダルを落下下方に案内する。また、遊戯領域710には、複数の釘717が設けられ、メダル貯留部711から落下したメダルの流路を変えることができる。なお、ビデオゲーム機700の内部にはスピーカ730が設けられ、ゲームの進行に応じて音声を出力することができる。
次に、図24を用いて、ビデオゲーム機700のシステム構成について説明する。図24に示すように、制御部750は、CPU752、ROM754、RAM756などがデータバスやアドレスバス(以下、データバスおよびアドレスバスを合わせてバス751と言う)により接続され、ビデオゲーム機700の各装置とデータの送受信を行う。
CPU752は、ビデオゲーム機700の全体的な制御を行う演算処理装置である。メイン電源が投入されると、CPU752は、ROM754に記憶されている主制御プログラムを実行してゲームを開始する準備を行う。
具体的には、CPU752は、ROM754に記憶されている初期設定データを読込み、RAM756や情報記憶媒体I/F760などの各装置の初期設定処理を行う。また、CPU752は、ROM754やRAM756に記憶されているゲームに関するデータ(例えば、第1実施形態で説明した音源データとしてのサウンドデータやフレーズデータ、各種パラメータ等)を読込み、そのデータを基に画像処理部764や音声処理部780などの各種装置に所定の処理(例えば、画像生成処理や音声生成処理)を行わせることで、表示装置724にゲームの画像を表示したり、スピーカ730から音声を出力したりする。
なお、CPU752は、情報記憶媒体I/F760を介してCD/DVDディスク790に記憶されているアプリケーションプログラムを読み込んでプリグラムの実行をする。
ROM754は、各種装置の初期設定データやゲームを行うために必要な基準画像データ、基準音源データ、基準ランプデータ、シャッタ712bの駆動を行う基準演出データなどの各種装置の基準データなどを記憶する記憶領域である。
RAM756は、各種パラメータを記憶する各種パラメータ記憶部と、生成出力音記憶部を備えている。なお、各種パラメータ記憶部および生成出力音記憶部については、その構造および機能が、第1実施形態と同じであるので、ここでは、図示および詳細な説明は省略する。
HDD758は、読み書き可能で、ビデオゲーム機700の電源を切断しても記憶内容が消去されないハードディスクドライブである。このHDD758には、ゲームの進行に必要な各種データやゲームの進行記録データを一時的に記憶しておく記憶領域が設けられている。なお、HDD758は、主制御プログラムやアプリケーションプログラムなどを記憶するようにしても好ましい。また、HDD758に記憶されたゲームの進行記録データは、遊戯者の操作によりメモリカード792に書き込まれることが可能になっている。
情報記憶媒体I/F760は、CD/DVD790と接続され、CD/DVD790と制御部750との間でデータの送受信を行う際に使用されるインターフェース装置である。つまり、CPU752は、この情報記憶媒体I/F760を介して、CD/DVD790に記憶されているアプリケーションプログラムなどを読み込むことができる。
セーブ情報記憶媒体I/F762は、CPU752が、ビデオゲーム機700の外部に装置されているメモリカード792(例えば、USBメモリなどに代表されるフラッシュメモリ)に記憶されているゲームの進行記録データなどを読み込んだり、ゲームの進行記録データをメモリカード792に記憶する際にメモリカード792と制御部750との間でデータの送受信を行ったりする際に使用されるインターフェース装置である。
なお、メモリカード792は、ビデオゲーム機700の電源を切断しても記憶データが消去しないものであればUSBメモリに限定されるものではなく、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))メモリカード、SD(エスディー)メモリカード、MS(メモリースティック(登録商標))カード、MS(スマートメディア)カード、その他の記憶媒体でも好ましい。
画像処理部764は、ROM754に記憶されている基準画像データに基づいてRAM756に記憶されている画像パラメータにより加工された生成出力画像データを表示装置724に表示する処理を行う。
音声処理部780は、ROM754に記憶されている基準音源データ(例えば、第1実施形態で説明した基準音源データ)に基づいてRAM756に記憶されている音声パラメータにより加工された生成出力音データをスピーカ730から出力する処理を行う。なお、音声処理部780については、第1実施形態で説明した音制御回路416の構造および機能と同じであるので、図示および詳細な説明は省略する。
ランプ処理部766は、ゲームの進行状況に応じて、ROM754に記憶されている基準ランプデータおよびRAM766に記憶されているランプパラメータから生成された生成出力ランプデータに基づいてランプ730の点灯制御を行う。
駆動処理部768は、ROM754に記憶されている基準演出データにおよび演出パラメータから生成された生成出力演出データに基づいて演出装置(シャッタ712a)を駆動する。
また、CPU752は、メダル入賞口714や特別入賞口715のメダル通路の途中に設けられているメダル検知センサ(図示省略する)などの各種センサ770からの信号を受付けてゲームの制御を行う。つまり、CPU752は、メダル入賞口714にメダルが入賞したことを契機に、表示装置724に抽選の表示や抽選結果の表示を行う。
また、ビデオゲーム機700は、通信I/F772を介して、インターネットなどのネットワーク回線に接続されている。従って、遊戯者は、ネットワークに接続している外部のビデオゲーム機と通信を行い、外部のビデオゲーム機を操作している遊戯者と共同でゲームを行ったり、ネットワークに接続されているデータベースから最新のゲームデータを入手したりすることができる。
なお、上述したネットワークは、インターネットやLAN(ローカルエリアネットワーク)など、相互にデータの送受信が行える通信手段であればどのようなものでも構わない。
従って、本発明は、ゲームの操作を行う操作装置(例えば、演出選択ボタン722)の操作に応じた、ゲームを制御するゲーム制御装置(例えば、制御部750)の制御結果に基づいて表示装置(例えば、表示装置724)にゲームを表示する表示制御手段(例えば、画像処理部764)によって、ゲーム制御に応じた音声を出力する音制御回路(例えば、音声処理部780)を備えたビデオゲーム機に適用することもできる。