以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るスロットマシン(遊技台)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部両側には、後述する高音スピーカ272の音を外部に出力するための高音スピーカ用音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。また、スロットマシン100の下方に設けられた低音スピーカ用音孔180は、後述する低音スピーカ277の音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210およびリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置182(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置182の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置182の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード264を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード264が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)もそれぞれ設けるとともに、図柄表示窓113上部の高音スピーカ用音孔143に対応する位置には、それぞれ高音スピーカ272を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、図柄表示窓113下部の低音スピーカ用音孔180に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
<制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300には、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置182から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139は、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、ベットボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置182が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置182に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ340(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300による遊技制御に関連する音声(遊技音など)の出力制御を施す音声出力制御部であり、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、制御回路としてのCPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音声に関する音声信号(音声データ)に対して出音するための設定を行い、該設定した音声データをデジタル変換して増幅する音声信号調整部としてのサウンドICである音CPU418およびアンプ425と、該アンプ425によって増幅された音声データにおける周波数のうち、特定帯域の周波数を減衰させるフィルタ回路としてのフィルタ430と、を備える出音処理部416が設けられている。出音処理部416は、CPU404が、主制御部300の遊技制御に関連して制御する。
また、出音処理部416には、出力インタフェースを介して音声出力部としてのスピーカ272、277が設けられている。これらスピーカ272、277は、CPU404による制御に応じて出音処理部416が出力する音声データに基づく音声を出音する。なお、本実施形態の場合、スピーカ272、277は、高音質のステレオ仕様を適用するため、本体101において向かって左側に配置される高音用音声出力部としての高音スピーカL272および、右側に配置される高音用音声出力部としての高音スピーカR272と、低音用音声出力部としての低音スピーカ277とを有して構成されている。
アンプ425は、高音スピーカL272および高音スピーカR272に対応した高音用のアンプ425と、低音スピーカ277に対応した低音用のアンプ425とで構成されている。また同様に、フィルタ430は、高音スピーカL272、高音スピーカR272および低音スピーカ277と、にそれぞれ対応して設けられている。そして、高音用のアンプ425に対し、フィルタ430を介して高音スピーカL272および高音スピーカR272が接続されており、低音用のアンプ425に対し、フィルタ430を介して低音スピーカ277が接続されている。
音CPU418は、CPU404からの命令(制御)に応じて、高音用のアンプ425と低音用のアンプ425および、これら各アンプ425に対応して設けられる高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277から出力する音声(音声データ)に対して出音するための設定を行う。音CPU418には、遊技に関連して出音される遊技音の基となる音声データが記憶されたROM423(例えば、サウンドROM)が接続されていると共に、一時的に音声データを記憶するためのRAM424が接続されている。そして、音CPU418は、CPU404からの命令に応じて、ROM423から取得した音声データをアンプ425、425でPWM変換することによってパルス幅を変調させたPWM信号を生成することで増幅させ、対応するフィルタ430に送信する。
フィルタ430は、例えばLC回路を用いたローパスフィルタ(LPF:Low-pass filter)で構成され、アンプ425から送信された音声データ(つまり、増幅された音声データ)における周波数のうち、特定帯域の周波数を減衰(すなわち、特定の帯域における周波数をカット)させた後、当該特定帯域の周波数を減衰させた音声データに基づく音声を、対応する高音スピーカ272(高音スピーカL272、高音スピーカR272)および、低音スピーカ277から出力させる。
言い換えれば、フィルタ430は、低周波を良く通し、所定の帯域より高い帯域の周波数(特定帯域の周波数)を通さない(減衰させる)LPFであり、音声データに含まれる必要のない高周波成分を取り除くのに有用なフィルタである。 なお、フィルタ430において減衰させる特定帯域の周波数、すなわち遮断すべき周波数(以下、これを遮断周波数と称する)は、フィルタの設計者が任意に選ぶことができ、本実施形態の場合、30kHz以上の高周波数成分をカットするように設計されている。
また、フィルタ430は、対応するスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272および、低音スピーカ277)において、配線を接続するためのコネクタ(図示省略する)の接続不良や、配線の断線(短絡)、もしくはスピーカ自体の故障など、要は該スピーカに対して流れるべき電流が流れない非常事態(異常)が生じた場合であって、尚且つ、フィルタ430がカットすべき遮断周波数(特定帯域の周波数)を含む音声データが入力された場合、これらの条件が満たされることに起因して、所定以上の電流(過電流)が流れるようになっている。
これに対し、アンプ425は、例えばクラスDのアンプが用いられ、フィルタ430において上述したような過電流が流れたことを検知することに起因して、当該アンプ425に前記所定以上の電流が流れることを停止するためのリセット信号を、CPU404に対し出力する保護機能(以下、これを過電流保護機能と称する)を備えている。そして、アンプ425は、この過電流保護機能が働いた場合、CPU404に対してリセット信号を出力することで、アンプ425に対し過電流が流れるのを防止するようになっている。
すなわち、アンプ425は、接続されるフィルタ430において、上述した条件が満たされることに伴って過電流が流れたことを検知し、これに伴って過電流保護機能が働くことに基づいて、CPU404に対してリセット信号を出力する。これにより、CPU404は、アンプ425からリセット信号が入力されることで、フィルタ430に過電流が流れたことを検知することができる。
そこで、本実施形態では、CPU404が、音CPU418に対し、遮断周波数(特定帯域の周波数)を含むチェック用音声データ(チェック音信号)を、予め定められた所定タイミングでフィルタ430へ出力するように制御する。これにより、CPU404は、アンプ425からリセット信号が入力されることによって、スピーカ(すなわち、高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277のいずれかまたは複数)において、上述したような非常事態(異常)が発生したことを検知し得るようになっている。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ等)が接続されている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、遊技に関連して演出画像を表示するように、表示手段である演出画像表示装置157の表示制御を施す表示制御部であると共に、演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、画像表示用のデータ等を記憶する。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路530を設けており、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略する)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532を設けており、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538を接続している。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)を設けており、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
第2副制御部500のCPU504は、上述した第1副制御部400にてチェック用音声データを用いて、スピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277のいずれかまたは複数)における異常が検知された場合、第1副制御部400のCPU404がリセット信号を入力されるタイミングで、該第1副制御部400から異常の検知を表す短絡異常信号(短絡異常コマンド)が入力される。これに応じてCPU504は、VDP534に対し、演出画像表示装置157にスピーカ異常の検知を報知するためのトラブル報知画像を表示するように命令(制御)する。このトラブル報知画像は、通常遊技等に対応した表示画像と一緒に演出画像表示装置157に表示されることが好ましいが、この限りではない。
<第1副制御部400の出音処理部416>
次に図4を用いて、上述の第1副制御部400における出音処理部416について説明する。なお、同図(a)はCPU404、出音処理部416およびスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)の説明に供する概略ブロック図であり、同図(b)はアンプ425における保護回路428を概略的に示すブロック図である。
出音処理部416は、基本回路402におけるCPU404に入出力端子を介して接続され、音声データに対して出音するための各種設定(音量や音質等の設定)を行う音CPU418と、該設定した音声データを増幅するアンプ425と、該アンプ425によって増幅された音声データにおける周波数のうち、特定帯域の周波数を減衰させるフィルタ430と、サウンドROMとしてのROM423と、RAM424と、を備えている。
音CPU418は、CPU404の命令(制御)に基づいて、各種設定における設定値やROM423に格納された音声データなどに従って音声の再生制御を行い、音声変調した音声データをアンプ425へ出力する。
アンプ425は、例えば、増幅方式がD級増幅に分類される、所謂クラスDのデジタルパワーアンプとして構成され、オーディオ信号源としての音CPU418から入力されるデジタルオーディオ信号としての音声データを、PWM変換回路426において、スイッチング駆動するためにパルス幅を変調させたPWM信号としての音声データを生成させ、スイッチング出力段427へ供給する。スイッチング出力段427は、「ON」/「OFF」の単純なスイッチング動作によって、パルス化された音声データにおけるパルス波の振幅を増幅し、フィルタ430に供給する。本実施形態では、スイッチング出力段427において、約30KHzのPWM信号(パルス信号)を生成させるようにしている。
なお、アンプ425は、各種操作キーや音量調整用のボリュームつまみ等で構成される操作部(図示省略する)を内蔵または別体に設け、この操作部の操作状況をCPU404が判断することにより、CPU404が音量調整などの各種制御を行うようにしてもよい。
フィルタ430は、共振回路の一種であるLC回路で構成され、入力される音声データに対し並列に設けられるコンデンサCと、入力される音声データに対し直列に設けられるコイルLとを有している。そして、フィルタ430は、スイッチングにより増幅された音声データに発生した高周波成分を除去する(すなわち、スイッチング周波数に相当する高周波成分の除去を行う)カットオフ処理機能を果たすことで、音声データからオーディオ信号成分だけを抽出し、該抽出されたオーディオ信号成分からなる音声データを、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277に供給する。これにより、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277は、入力された音声データに基づく音声を所定の音量で出力する。
なお、アンプ425のスイッチング出力段427は、後述する保護回路428が作動しているとき以外は、常時スイッチング動作を行うようにしてあり、例えば無音状態のときにおいても、一定の周波数のパルス信号が出力されるようにしてある。
ここで、アンプ425には、図4(b)にも示すように、保護回路428が内蔵されている。保護回路428は、CPU404の制御に基づいて電源回路(図示省略する)から入力される電流の異常(すなわち、フィルタ430に過電流が流れることに起因してスイッチング出力段427における電流が所定値以上となるなど)を検知する過電流保護回路428aと、アンプ425におけるジャンクション温度の異常(例えば、アンプ425のジャンクション温度が150度以上に上昇するなど)を検知する温度保護回路428bと、電源回路から入力される電圧が所定値(例えば、8.4V)以下となる異常を検知する低電圧保護回路428cと、電源回路から入力される電圧が所定値(例えば、27.5V)以上となる異常を検知する過電圧保護回路428dと、を有して構成されている。なお、ここでは図示省略するが、保護回路428として、PWM変換回路426から出力するPWM信号の異常や、スイッチング出力段427でスイッチングされた出力の異常(短絡)などを検知する保護回路を設けるようにしてもよい。
また、この場合、過電流保護回路428aは、スイッチング出力段427の電流値が所定の電流値(例えば、約6.5A)を超えると作動してスイッチング出力段427を停止させ、約300ms後に自動復帰する。また、温度保護回路428bは、アンプ425におけるジャンクション温度が約150度で作動してスイッチング出力段427を停止させ、ジャンクション温度が約135度まで下がると自動復帰する。さらに、低電圧保護回路428cは、電源回路から入力される電源電圧が8.4V以下で作動してスイッチング出力段427を停止させ、電源電圧が8.5Vまで上昇すると自動復帰する。さらに、過電圧保護回路428dは、電源回路から入力される電源電圧が27.5V作動してスイッチング出力段427を停止させ、電源電圧が27.2Vまで下がると自動復帰するようになっている。
保護回路428は、上述した各回路428a〜428dにおいて異常を検知した際には、PWM変換回路426、スイッチング出力段427の動作を停止させ、アンプ425からの出力、すなわち、各スピーカ272、272、277へのスピーカ駆動信号の出力を停止させると共に、CPU404に対してリセット信号を出力し、電源回路からの電源の供給を停止(リセット)させる構成としている。
とりわけ、本実施形態の場合、過電流保護回路428aは、各フィルタ430における少なくともいずれかのフィルタ430において、対応するスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)に対し、配線を接続するためのコネクタ(図示省略する)の接続不良や、配線の断線(短絡)、もしくはスピーカ自体の故障など、要は該スピーカに対して流れるべき電流が流れない非常事態(異常)が生じた第1の条件と、フィルタ430に対してカットオフ周波数(つまり、フィルタ430がカットすべき特定帯域の周波数である遮断周波数)を含む音声データが入力される第2の条件と、が満たされることに起因して、所定以上の電流(例えば、6.5A)である過電流が流れることを、スイッチング出力段427における電流値が約6.5Aとなることによって検知し得るようになっている(過電流保護機能)。
そして、過電流保護回路428aは、フィルタ430に対し、上述した6.5Aの出力があった場合に、フィルタ430に対する出力を300ms間停止させ、この300ms間のみ出力レベルが「High」で構成されるリセット信号をCPU404へと出力するようになっている。
本実施形態の場合、アンプ425における上述した過電流保護機能を用いて、各スピーカ272、272、277において上述した異常が生じているか否かを検知するようにしている。すなわち、アンプ425は、CPU404による音CPU418の制御に基づいて、遮断周波数(特定帯域の周波数)を含むチェック音信号を、予め定められた所定タイミング(本実施形態の場合、ボーナス遊技が終了して、ボーナス音の出力が停止してから、通常遊技音が出力されるまでのボーナス終了音が出力されている期間)でフィルタ430へ出力する。これにより、フィルタ430においては、上述した第2の条件が成立することになる。
従って、この状況において、フィルタ430に過電流が流れ、アンプ425の過電流保護機能が働いた場合(言い換えれば、過電流保護機能としてリセット信号がCPU404に入力された場合)、フィルタ430に上述した第1の条件が満たされたことになるため、高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277の少なくともいずれかにおいて、配線を接続するためのコネクタの接続不良や、配線の断線(短絡)、もしくはスピーカ自体の故障などの異常が生じたことを検知し得るようになっている。
因みに、アンプ425と各スピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)とは、それぞれ対応して設けられているため、CPU404は、どのアンプ425からリセット信号が入力されたかによって、複数のスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)の中から、非常事態(異常)が発生したスピーカを特定することもできる。
なお、このとき使用される実際のチェック音信号としては、10kHzのパルス信号が用いられるが、フィルタ430における倍音発生機能(後述する)によって、基音である10kHzのパルス信号が、矩形波の特性により結果的に約3倍の30kHz程度となる倍音のパルス信号として出力される。そして、高音スピーカL272、高音スピーカR272および、低音スピーカ277は、入力される倍音のパルス信号としてのチェック音信号に基づくチェック音を出力(出音)するようになっている。
<第1副制御部400のフィルタ430>
次に図5を用いて、上述の第1副制御部400のフィルタ430における周波数のカットオフ処理機能について説明する。なお、同図はフィルタ430がカットする周波数の説明に供するグラフである。
本実施形態の場合、フィルタ430は、図5に示すように、コイルLとコンデンサCとの間で、ω=1/√LCの数式で表わされる共振周波数で電流が変化する。このとき、Lはインダクタンス(単位はヘンリー)、Cは静電容量(単位はファラド)、ωは角周波数(単位はラジアン/秒)である。そして、前記角周波数ωを示す数式をヘルツで表すと、共振周波数fは、f=ω/2π=1/2π√LCの数式で示される。
かかるフィルタ430は、入力した音声データにおける特定帯域の周波数の振幅を減衰させる振幅減衰処理機能を有すると共に、入力した音声データにおける特定帯域以外の周波数の振幅を増幅させる倍音発生機能を有して構成されている。かかる倍音発生機能は、入力した音声データにおける低域の周波数の振幅を減衰させ、この減衰させた音声データに基づいて倍音を発生させ、さらに倍音を発生させた音声データにおける低域の周波数の振幅を減衰させるようになっている。
また、フィルタ430は、アンプ425においてデジタル化された音声データをアナログ化した音声データに変換して、高域のアナログ音声を高音スピーカL272、および、高音スピーカR272に出力すると共に、低域のアナログ音声を低音スピーカ277に出力するためのD/A変換機能を備える。
本実施形態の場合、フィルタ430では、スイッチング出力段427において生成された約10KHzのパルス信号から、倍音発生機能によって約30KHzのパルス信号を生成し、当該30kHzのパルス信号のうち、30kHz以上の信号成分を除去(カットオフ)して、いわゆる可聴帯域(一般的には、約20Hz〜20kHz程度)のオーディオ信号成分が、各スピーカ272、272、277から出力されるようにしてある。
これにより、本実施形態の場合、高音スピーカL272、および、高音スピーカR272においては、約500Hz〜20kHzのオーディオ信号成分からなる音声が出力され、低音スピーカ277においては、約20Hz〜1kHzのオーディオ信号成分からなる音声が出力されるようになっている(図4(a)参照)。
従って、本実施形態においては、上述したチェック音信号においても同様に、スイッチング出力段427において生成された約10KHzのチェック用パルス信号から、倍音発生機能によって約30KHzのチェック用パルス信号を生成し、当該30kHzのチェック用パルス信号としてのチェック音信号が入力されることによって、上述した第2の条件が満たされた場合、過電流が流れる仕組みになっている。
<図柄配列>
図6(a)を用いて、上述の各リール110乃至112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110乃至112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110乃至112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図6(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。
「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。遊技状態とは、抽選などにおいて選択する抽選データの種別を識別するための情報である。本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、内部当選遊技は、通常遊技に含まれる区分けであってもよい。
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定、又は、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を複数回数実行可能であればよく、例えば、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば、8回)の入賞があった場合に終了する。RB遊技は、予め定めた回数(少なくとも2回)の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。上述したBB遊技は、RB遊技を複数回数実行可能であるので、一回のRB遊技を行った場合には、BB遊技で得られるメダルの総数よりも少ないメダル数を獲得して終了することとなる。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。なお、BB遊技、RB遊技は両者とも遊技者にとって利益となる遊技状態であるため、総じて、ボーナス遊技、又は、特別遊技と称する場合がある。
<主制御部メイン処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図7に示す主制御部メイン処理を実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可および初期値の設定等を行う。ステップS103ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
ステップS105では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS107では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS111では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS113では全リール110乃至112の回転を開始させる。ステップS115では、ストップボタン137乃至139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110乃至112の何れかをステップS111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110乃至112が停止するとステップS117へ進む。ステップS117では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。ステップS119では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS121では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。また、この遊技状態制御処理では、ボーナス遊技(BB遊技またはRB遊技)の終了時に、ボーナスの終了を知らせるためのボーナス遊技終了コマンドを第1副制御部400に対して送信し、通常遊技の開始時に、通常遊技の開始を知らせるための通常遊技開始コマンドを第1副制御部400に対して送信する。
以上により1ゲームが終了する。以降ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部タイマ割込処理>
続いて、図8を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS207では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137乃至139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
ステップS209では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS211では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110乃至112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137乃至139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110乃至112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンドおよび払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS213では、外部信号設定処理を行う。この外部信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS215では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常およびメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合には(図示省略)エラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ340、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
ステップS219では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、上述の主制御部メイン処理(図7参照)に復帰する。一方、ステップS221では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、上述の主制御部メイン処理(図7参照)に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
次に、図9および図10を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、図9(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部メイン処理のフローチャートである。図9(b)は、第1副制御部400のコマンド処理のフローチャートである。図10(a)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図10(b)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図9(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301で初期化処理を実行する。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返す。そして、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。このコマンド処理では、第1副制御部400のCPU404が、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS311では、ステップS309の処理結果に基づいて音制御処理を行う。詳細は後述するが、この音制御処理では、例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に音CPU418への命令がある場合には、この命令を音CPU418に出力する。ステップS313では、ステップS309の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS315では、ステップS309の処理結果に基づいて第2副制御部500に制御コマンドを送信するための設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
続いて、図9(b)を用いて、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部コマンド処理について説明する。このコマンド処理は、上述の第1副制御部400におけるCPU404が実行するメイン処理のステップS307に相当し、ここでは、当該ステップS307について詳細に説明する。
まず、図9(b)のステップS1001では、第1副制御部400のCPU404は、主制御部300から受信したコマンドがボーナス遊技の終了を示すもの(すなわち、ボーナス遊技終了コマンド)であるか否かを判断し、主制御部300から受信したコマンドがボーナス遊技の終了を示す場合、ステップS1002の処理に移行する。
ステップS1002では、リセット信号(短絡信号)の入力を監視することを開始する。すなわち、基本回路402のCPU404は、出音処理部416のアンプ425からリセット信号が入力されることにより、上述の各スピーカ272、272、277のいずれかまたは複数において異常が発生したことを検知する。このため、CPU404は、アンプ425から予め定められた所定のタイミング(本実施形態では、ボーナス遊技が終了して、主制御部300がボーナス遊技終了コマンドを送信してから、通常遊技開始コマンドを送信するまでのボーナス終了音が出力されている期間)で、フィルタ430に遮断周波数(特定帯域の周波数)を含むチェック音信号を出力することによって、リセット信号(短絡信号)が入力されるか否か監視を開始する。
一方、ステップS1001において、主制御部300から受信したコマンドがボーナス遊技の終了を示すものではない場合、ステップS1003の処理に移行する。
ステップS1003では、主制御部300から受信したコマンドが通常遊技の開始を示すもの(すなわち、通常遊技開始コマンド)であるか否かを判断し、主制御部300から受信したコマンドが通常遊技の開始を示す場合、ステップS1004の処理に移行する。ステップS1004では、上述したリセット信号(短絡信号)の入力の監視を終了する。
一方、ステップS1003において、主制御部300から受信したコマンドが通常遊技の開始を示すものではない場合、ステップS1005の処理に移行する。ステップS1005では、他の処理を行い、その後、図9(a)に示す第1副制御部400のメイン処理に復帰する。
次に、図10(a)を用いて、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部コマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。図10(a)に示すコマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図10(b)を用いて、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
このタイマ割込処理のステップS501では、図9(a)に示す上述の第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS502では、上述の第1副制御部コマンド処理(図9(b)参照)におけるステップS1002において開始した短絡信号(リセット信号)の監視を行っている最中か否かを判断する。このとき、短絡信号を監視中であれば、ステップS5021に移行し、短絡信号が出力されたか判定する。
ステップS5022では、短絡信号が出力されたか否かを判断し、短絡信号の出力が認められた場合、ステップS5023に移行して、スピーカ272、272、277のいずれかまたは複数において前記異常が生じた(例えば、短絡が認められた等)旨の内容の短絡有りコマンドの送信準備を行う短絡有りコマンド設定を行う。一方、ステップS5022にて、短絡信号の出力が認められなかった場合、ステップS503に移行する。
他方、ステップS502において、短絡信号を監視している状態でなければ、ステップS503へ移行する。ステップS503では、上述の第1副制御部メイン処理(図9(a)参照)におけるステップS315で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信(例えば、上述の短絡有りコマンドの送信)や、演出用乱数値の更新等の各種更新処理等を行う。
<過電流保護処理>
ここで、図11を用いて、第1副制御部メイン処理(図9(a)参照)における音制御処理(ステップS311)内において、第1副制御部400におけるCPU404の制御に基づいてアンプ425が実行する過電流保護回路428a(図4参照)の過電流保護処理について説明する。なお、図11は第1副制御部400のアンプ425が実行する過電流保護処理のフローチャートであり、メイン処理としての前記音制御処理(ステップS311)における詳細に関しては、当業者であれば当然知り得る周知技術であるため、便宜上ここでは割愛する。
まず、ステップS1101では、アンプ425が、タイマがセット中であるか否かを判断する。これは、過電流保護回路428aの過電流保護機能が働くことによって、アンプ425からの出力を所定時間(本実施形態では、約300ms間)停止するリセット状態においてタイマがセットされるため、該タイマがセットされているか否かを判断することによって、過電流保護機能が働いているか否かを判断することを目的としている。このステップS1101において、タイマがセット中である場合、ステップS1102に移行する。
ステップS1102では、タイマにセットされた時間が所定時間経過したか否かを判断し、所定時間、すなわち300ms経過した場合、ステップS1103に移行する。ステップS1103では、過電流保護回路428aの動作を解除し、過電流保護機能によって、出力を停止させられたアンプ425の動作を復帰し、ステップS1108に移行する。また、ステップS1102において、タイマにセットされた時間が所定時間経過していない場合、アンプ425の動作を復帰することなく、ステップS1108に移行する。
一方、ステップS1101において、タイマがセット中ではない場合、ステップS1104に移行する。ステップS1104では、アンプ425のスイッチング出力段427から出力される電流値が所定値(本実施形態の場合、約6.5A)を超えているか否か、すなわち、後段のフィルタ430に所定値以上の電流(過電流)が流れているか否かを判断する。このステップS1104において、スイッチング出力段427からの電流の出力値が6.5Aを超えていた(つまり、フィルタ430に過電流が流れていた)場合、ステップS1105に移行して、スイッチング出力段427の動作を停止させ、該スイッチング出力段427から電流が出力されることを停止させる。
ステップS1106では、フィルタ430に過電流が流れたことに起因して、出力レベルが「High」で構成されるリセット信号(短絡信号)をCPU404に対して出力する。ステップS1107では、リセット信号の出力に基づいて、タイマをセットする。このとき、タイマは、予め設定される所定時間(約300ms間)でセットされ(すなわち、ステップS1106で出力されるリセット信号は、300ms間、出力レベルが「High」であり、その後、通常の「Low」レベルとなって停止される)、ステップS1108へ移行する。
ステップS1108では、アンプ425の保護回路428における過電流保護回路428a以外の温度保護回路428bにおいて実行される温度保護処理や、低電圧保護回路428cにおいて実行される低電圧保護処理、または過電圧保護回路428dにおいて実行される過電圧保護処理等の他の保護処理を行い、その後、図9(a)に示す第1副制御部400のメイン処理に復帰する。
<第2副制御部500の処理>
図12を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、図12(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。図12(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図12(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。図12(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、図12(a)のステップS601では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS601で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS603では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS605の処理に移行する。ステップS605では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS607では、コマンド処理を行う。かかるコマンド処理では第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンド(例えば、上述の短絡有りコマンド)を受信したか否かを判別する。
ステップS609では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS607で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。この処理には、例えば、演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行うことが含まれる。
ステップS611では、ステップS609の処理結果に基づいてシャッタ制御処理を行う。例えば、ステップS609で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップS613では、ステップS609の処理結果に基づいて画像制御処理を行う。例えば、ステップS609で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS603へ戻る。
次に、図12(b)を用いて、第2副制御部500のCPU504が実行する第2副制御部コマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS701では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、図12(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504が実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS801では、図12(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS603において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS603において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS803では、演出用乱数値の更新等の各種更新処理を行う。
次に、図12(d)を用いて、第2副制御部500のメイン処理におけるステップS613の画像制御処理について説明する。図12(d)は、画像制御処理の手順を示すフローチャートである。
ステップS901では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP536は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS903では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS905に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。ステップS905では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS901でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS907では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS909では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS911に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。ステップS911では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<チェック音の出音タイミング>
ここで、図13を用いて、上述したスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)から出音される、チェック音信号に基づくチェック音の出音タイミングについて説明する。なお、図13は、本発明の特徴の一つであるチェック音の出音タイミングを、主制御部300、第1副制御部400および、第2副制御部500のそれぞれを並列とする概略的な時系列で見て示すタイムチャートである。
図13に示すように、主制御部300では、遊技制御においてボーナス遊技が終了することにより、第1副制御部400および該第1副制御部400を介して第2副制御部500に、ボーナス遊技の終了を示すボーナス終了コマンドを送信する。そして、この後、主制御部300は、遊技制御において通常遊技が開始すると、該通常遊技の開始を示す通常遊技開始コマンドを第1副制御部400へ送信する。
これに対し、第1副制御部400では、主制御部300の遊技制御に応じてボーナス音をスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)から出音させる音声の出力制御を行うと共に、該遊技制御に応じて各種ランプ420をボーナスランプの点灯状態で点灯させる表示制御を行う。そして、第1副制御部400は、主制御部300からボーナス終了コマンドが入力されることによって、スピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)からのボーナス音の出音を停止させると共に、各種ランプ420におけるボーナスランプの点灯を停止させる一方、該主制御部300から入力されるボーナス終了コマンドを第2副制御部500に対して送信する。
この後、第1副制御部400は、主制御部300から通常遊技の開始を示す通常遊技開始コマンドが入力されるまでの間、前記ボーナスが終了したことを報知するためのボーナス終了音をスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)から出音すると共に、各種ランプ420においてボーナス終了ランプを点灯させる。そして、第1副制御部400は、主制御部300から通常遊技開始コマンドが入力されると、主制御部300の遊技制御に伴った通常遊技音を必要に応じてスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)から出音させると共に、該遊技制御に伴った通用遊技ランプを各種ランプ420において必要に応じて点灯させる一方、該主制御部300から入力される通常遊技開始コマンドを第2副制御部500に対して送信する。
このとき、第1副制御部400は、ボーナス音の停止から通常遊技音の出音までの間のボーナス終了音を出音している期間において、チェック音信号に基づくチェック音を出音させ、スピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)における異常の検出を行う。このように、チェック音の出音をボーナス終了音の出音タイミングと合わせ、該チェック音をボーナス終了音に紛れて出音するようにすることで、遊技者に対し、チェック音のみが出音されることによって与えかねない不快感を未然に回避することができる利点がある。
一方、このスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)における異常の検出において、CPU404がアンプ425からリセット信号を入力されることによって、当該異常が検知された場合、第1副制御部400は、第2副制御部500に対し、当該異常の検知を報知するための短絡有りコマンド(短絡異常信号)を送信する。
これに対し、第2副制御部500では、主制御部300の遊技制御に応じてボーナスを演出するボーナス画像を演出画像表示装置157に表示させる演出画像の表示制御を行うと共に、該遊技制御に応じてシャッタ163をボーナスシャッタ動作で作動させる。そして、第2副制御部500は、主制御部300から第1副制御部400を介してボーナス終了コマンドが入力されることによって、演出画像表示装置157におけるボーナス画像の表示を停止させると共に、シャッタ163におけるボーナスシャッタ動作を停止させる。
この後、第2副制御部500は、主制御部300から第1副制御部400を介して、通常遊技の開始を示す通常遊技開始コマンドが入力されるまでの間、前記ボーナスが終了したことを報知するためのボーナス終了画像を演出画像表示装置157に表示させると共に、シャッタ163においてボーナス終了シャッタ動作を作動させる。そして、第2副制御部500は、主制御部300から第1副制御部400を介して、通常遊技開始コマンドが入力されると、主制御部300の遊技制御に伴った通常遊技画像を演出画像表示装置157に表示させると共に、該遊技制御に伴って、シャッタ163を必要に応じて通用遊技シャッタ動作にて作動させる。
また、第2副制御部500は、第1副制御部400にてチェック音が出音されることに伴って、スピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277のいずれかまたは複数)において異常が検知された場合、第1副制御部400におけるリセット信号のCPU404に対する入力タイミングで、該第1副制御部400から異常の検知を表す短絡有りコマンドが入力され、これに応じて演出画像表示装置157に前記異常の検知を報知するための異常報知画像(トラブル報知画像)を表示させる。このトラブル報知画像は、この後、前記スピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277のいずれかまたは複数)の異常(トラブル)が解消されるまで、通常遊技画像と一緒に演出画像表示装置157に表示される。
<演出画像表示装置157における異常報知>
次に、図14を用いて、検知されたスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277のいずれかまたは複数)の異常報知(トラブル報知)について説明する。なお、図14(a)は検知されたスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277のいずれかまたは複数)のトラブル報知のタイミングを示すタイムチャートである。図14(b)は当該トラブル報知の説明に供する第1副制御部400および第2副制御部500を概略的に示すブロック図である。図14(c)は演出画像表示装置157におけるトラブル報知例を概略的に示す平面図である。
図14(a)に示すように、第1副制御部400では、上述したように、ボーナス音の停止から通常遊技音の出音までの間のボーナス終了音を出音している期間において、チェック音信号に基づくチェック音を出音させ、スピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)における異常の検出(すなわち、当該異常を示す短絡等に起因したリセット信号(短絡信号)を検出するための短絡信号監視)を行う。
このとき、図14(b)にも示すように、CPU404にアンプ425からリセット信号が入力される、すなわち短絡信号が検出されることによって、CPU404がスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)における異常(例えば、配線の短絡)を検知し、スピーカ異常が検知されたと判定すると、第2副制御部500へ当該検知された異常を報知するように、異常検知情報(短絡異常信号)を送信するための設定を行い、短絡有りコマンド(短絡異常信号)を送信する。なお、本実施形態の場合、リセット信号の入力によって、CPU404は、約300ms間アンプ425の動作を停止させるようになっている。
一方、第2副制御部500は、短絡有りコマンドを受信すると、CPU504が、VDP534に対し、演出画像表示装置157にスピーカ異常の検知を報知するためのトラブル報知画像を表示するように命令(制御)する。VDP534は、CPU504からの制御に基づいて、ROM506に記憶された画像データの中から、当該検知された異常に対応するトラブル報知画像(例えば「スピーカ異常発生」を表すトラブル報知画像(異常報知画像))のデータを読み出し、VRAM536のワークエリアを使用してトラブル報知画像を、本来表示すべき遊技画像毎に生成し、演出画像表示装置157にトラブル報知画像を表示するための設定を行う。これにより、演出画像表示装置157は、図14(c)に示すような前記検知されたスピーカ異常を報知するためのトラブル報知画像を、通常の遊技画像等と一緒に表示させる。なお、トラブル報知画像としては、これに限らず、例えば、第1副制御部400にて特定された異常箇所(異常が発生したスピーカ)を報知するような画像(言い換えれば、異常が生じたスピーカを特定する報知画像)等によって構成するようにしてもよい。
<音声データ>
ここで、図15を用いて、第1副制御部400にて出力制御される音声データ(サウンドデータ)に関して説明する。なお、図15(a)は第1副制御部400のROM423に格納されるサウンドデータを示すデータリストである。図15(b)はボーナス終了音およびチェック音の説明に供する概略図である。図15(c)は図15(b)における倍音の説明に供するグラフである。
図15(a)に示すように、第1副制御部400のサウンドROMであるROM423には、遊技制御に応じたサウンドデータが、それぞれデータID(Identification:識別子)と対応させて格納されている。従って、音CPU418は、CPU404の制御に基づいて、遊技制御に対応するサウンドデータや、チェック音データ等をROM423から取得するようになっている。
このとき、出音処理部416がCPU404の制御に基づいて出音させるチェック音としては、図15(b)に示すように、例えば、5s間で1音を構成するボーナス終了音のうちの、最後の1s間に、チェック音用の領域として、チェック用の周波数(すなわち特定帯域の周波数)を含む形で構成され、当該ボーナス終了音に混在して出音されるようになっている。
このボーナス終了音は、図15(c)に示すように、上述した出音処理部416のフィルタ430によるカットオフ処理によって、約30KHzのパルス信号からなるサウンドデータのうち、30kHz以上の信号成分を除去(カットオフ)され、いわゆる可聴帯域(一般的な約20Hz〜20kHz程度)のオーディオ信号成分で構成されて、各スピーカ272、272、277から出力される。これに対しチェック音は、上述したように特定帯域の周波数を含むため、フィルタ430にてカットオフされるべき、約30kHz以上の信号成分を含んで構成される。本実施形態の場合、フィルタ430では、スイッチング出力段427において生成された約10KHzのパルス信号から、倍音発生機能によって意図的に、約30KHzのチェック用パルス信号を生成し、当該30kHzのチェック用パルス信号としてのチェック音信号に基づくチェック音(可聴帯域を超えるため、遊技者等には聞こえない)が出音されるようになっている。このため、チェック音の出音(音声出力)の際に遊技者等に与える違和感を軽減することができる場合がある。
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン100は、遊技に関する抽選を行い、前記抽選の抽選結果に応じた遊技制御を施す制御部(例えば、主制御部300)と、前記遊技制御に関連する音声の出力制御を施す音声出力制御部(例えば、第1副制御部400)と、を備えた遊技台であって、前記音声出力制御部(例えば、第1副制御部400)は、前記音声に関する音声信号に対して出音するための設定を行い、該設定した音声信号を増幅する音声信号調整部(例えば、音CPU418およびアンプ425)と、前記音声信号調整部(例えば、アンプ425)が増幅した音声信号における周波数のうち、特定帯域の周波数を減衰させるフィルタ回路(例えば、フィルタ430)と、を備える出音処理部416と、前記制御部(例えば、主制御部300)の遊技制御に関連して前記出音処理部416を制御する制御回路(例えば、CPU404)と、を有し、前記音声出力制御部(例えば、第1副制御部400)に対し前記フィルタ回路(例えば、フィルタ430)を介して接続され、前記制御回路(例えば、CPU404)による制御に応じて前記出音処理部416が出力する音声信号に基づく音声を出音する音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)を設けると共に、前記出音処理部416は、前記音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)に異常(例えば、配線を接続するためのコネクタの接続不良や、配線の断線(短絡)、もしくはスピーカ自体の故障などの出音異常)が生じている状態で、且つ、前記音声信号調整部(例えば、アンプ425)が前記フィルタ回路(例えば、フィルタ430)に対し、前記特定帯域の周波数を含む音声信号を出力することに起因して、当該フィルタ回路(例えば、フィルタ430)に所定以上の電流が流れたことを前記音声信号調整部(例えば、アンプ425)が検知すると、当該音声信号調整部(例えば、アンプ425)が前記所定以上の電流(例えば、過電流)が流れることを停止するためのリセット信号を、前記制御回路(例えば、CPU404)に対し出力する保護機能(例えば、過電流保護機能)を備え、前記制御回路(例えば、CPU404)は、前記音声信号調整部(例えば、アンプ425)に対し、前記特定帯域の周波数を含むチェック用音声信号(例えば、チェック音信号)を、予め定められた所定タイミングで前記フィルタ回路(例えば、フィルタ430)へ出力するように制御すると共に、前記音声信号調整部(例えば、アンプ425)から前記リセット信号が入力されることによって、前記音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)の異常を検知することを特徴とする、遊技台である。
本実施形態に係るスロットマシン100によれば、音声出力制御部(例えば、第1副制御部400)に既設される音声信号調整部(例えば、アンプ425)の保護機能(例えば、過電流保護機能)を用いて、音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)における異常を検知することができる。
すなわち、音声信号調整部(例えば、アンプ425)は、制御回路(例えば、CPU404)による音声信号調整部(例えば、音CPU418)の制御に基づいて、フィルタ回路(例えば、フィルタ430)における遮断周波数(特定帯域の周波数)を含むチェック用音声信号(例えば、チェック音信号)を、予め定められた所定タイミングでフィルタ回路(例えば、フィルタ430)へ出力する(つまり、フィルタ回路(例えば、フィルタ430)には、保護機能(例えば、過電流保護機能)が働くための条件のうちの一つ(例えば、上述した第2の条件)が成立することになる)。
このとき、フィルタ回路(例えば、フィルタ430)に所定以上の電流(例えば、過電流)が流れ、音声信号調整部(例えば、アンプ425)の保護機能(例えば、過電流保護機能)が働いた場合、言い換えれば、音声信号調整部(例えば、アンプ425)の保護機能(例えば、過電流保護機能)が働くための条件の一つ(例えば、上述した第2の条件)が成立する状況において、リセット信号が制御回路(例えば、CPU404)に入力された場合、前記保護機能(例えば、過電流保護機能)が働くための他の条件(例えば、上述した第1の条件)が満たされたことになる。
従って、本実施形態のスロットマシン100によれば、当該他の条件(例えば、上述した第1の条件)が満たされることにより、音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277の少なくともいずれか)において、異常(例えば、配線を接続するためのコネクタの接続不良や、配線の断線(短絡)、もしくはスピーカ自体の故障などの出音異常)が生じていることを検知することができる。
かくして、既存の搭載される装置構成を活用し、装置数を増やすことなく、出音異常を早期に検知して報知することができる遊技台(例えば、スロットマシン100)を実現することができる。
また、前記音声出力制御部(例えば、第1副制御部400)は、前記遊技の進行に応じた遊技音(例えば、ボーナス終了音)の出力制御を施すと共に、前記チェック用音声信号(例えば、チェック音信号)に基づくチェック音を、前記遊技音(例えば、ボーナス終了音)に混合させて前記音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)から出音させてもよい。
このような構成とすれば、チェック音の出音を前記遊技音(例えば、ボーナス終了音)に紛れて出音することにより、前記音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)における異常の検知の実行が遊技者に知られることを防止することができ、遊技者に対し、チェック音のみが出音されることによって、与えかねない不快感を未然に回避することができる利点がある。
また、前記音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)が、少なくとも高音用音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272)と低音用音声出力部(例えば、低音スピーカ277)とを含んで複数設けられ、前記音声出力制御部(例えば、第1副制御部400)は、前記制御回路(例えば、CPU404)が前記音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)の異常を検知した場合、前記異常を検知された音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)に対応する音声信号調整部(例えば、アンプ425)から、前記制御回路(例えば、CPU404)に対して出力された前記リセット信号を入力することに基づいて、前記複数の音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)の中から当該異常を検知した音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)を特定してもよい。
このような構成とすれば、前記複数の音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)が、それぞれ音声信号調整部(例えば、アンプ425)に対応して設けられる構成であり、制御回路(例えば、CPU404)は、どの音声信号調整部(例えば、アンプ425)からリセット信号が入力されたか特定することに基づいて、前記複数の音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)の中から前記異常を検知した音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)を特定できるため、当該特定した音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)における異常(例えば、配線を接続するためのコネクタの接続不良や、配線の断線(短絡)、もしくはスピーカ自体の故障などの出音異常)に対し、早急に対応(例えば、修理)することができる。
また、前記複数の音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)は、それぞれ出音する前記チェック音の出音タイミングを統一して、前記チェック音を出音してもよい。
このような構成とすれば、チェック音を出音して前記音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)における異常を検知する作業において、前記複数設けられる音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)毎に、それぞれ個々に異常の検知を行った場合に生じ得る煩雑さを未然に回避して、前記異常を検知する作業を一段と簡素化することができる。
また、前記遊技制御に関連して演出画像(例えば、通常遊技画像)の表示制御を施す表示制御部(例えば、第2副制御部500)と、前記表示制御部(例えば、第2副制御部500)の制御に基づき、前記演出画像(例えば、通常遊技画像)を表示する表示手段(例えば、演出画像表示装置157)と、を備え、前記表示手段(例えば、演出画像表示装置157)は、前記制御回路(例えば、CPU404)が前記音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)の異常を検知した場合、当該異常の検知に関して報知する報知画像(例えば、トラブル報知画像)を表示してもよい。
このような構成とすれば、前記制御回路(例えば、CPU404)が検知した前記音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)における異常の報知を、前記報知画像(例えば、トラブル報知画像)の表示によって、容易に認識させることができる。
また、前記報知画像(例えば、トラブル報知画像)は、前記異常を検知された音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)を前記複数の音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)の中から特定した報知内容で表示してもよい。
このような構成とすれば、前記報知画像(例えば、トラブル報知画像)が、前記異常を検知された音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)を特定した報知内容で表示されることによって、前記複数設けられる音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)の中から、前記異常を検知された音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)を容易に認識させることができると共に、当該特定した音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)における異常(例えば、配線を接続するためのコネクタの接続不良や、配線の断線(短絡)、もしくはスピーカ自体の故障などの出音異常)に対して早急に対応(例えば、修理)することができる。
また、前記表示手段(例えば、演出画像表示装置157)は、前記報知画像(例えば、トラブル報知画像)を前記演出画像(例えば、通常遊技画像)と一緒に表示してもよい。
このような構成とすれば、遊技中においても前記音声出力部(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)における異常の検知を容易かつ迅速に認識させることができる。
また、前記表示手段(例えば、演出画像表示装置157)は、前記制御回路(例えば、CPU404)に前記音声信号調整部(例えば、アンプ425)から前記リセット信号が入力されない場合、前記報知画像(例えば、トラブル報知画像)の表示を行わなくてもよい。
このような構成とすれば、前記報知画像(例えば、トラブル報知画像)の表示を、前記リセット信号が前記制御回路(例えば、CPU404)に入力された場合にのみ行うようにすることができ、前記遊技制御に関連する演出画像(例えば、通常遊技画像)を表示している際に前記報知画像(例えば、トラブル報知画像)が表示されることによって生じ得る妨げを必要最低限に抑えることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明を実施するための形態について上述した実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
以下、図16を用いて、本発明に係る他の実施形態について説明する。なお、図16(a)は第1副制御部400における音声の出力制御に関する説明に供する概略図である。図16(b)は出音処理部416内の音CPU418とアンプ425における音声の出音処理に関する説明に供する概略ブロック図である。図16(c)はチェック音の出音タイミングに関する説明に供するタイミングチャートである。
本発明は上述した実施形態に限ることなく、例えば、図16(a)に示すように、第1副制御部400の基本回路402において、ROM406に音CPU418を制御するための制御コマンド(音CPUコマンド)をコマンドNo.と対応付けて格納し、当該音CPUコマンドによって、音CPU418を出音制御するようにしてもよい。このとき、この音CPUコマンドは、各スピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272または、低音スピーカ277)毎に順次チェック音を出音させる制御コマンドで構成されることが好ましい。これにより、音CPU418は、図16(b)および(c)にも示すように、音CPUコマンドに基づいて、ROM423にデータIDと対応付けて格納するサウンドデータの中から、対応する音声内容を有するサウンドデータ(すなわち、チェック音データ)を取得し、対応するスピーカ(例えば、高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277の順番)毎に順次チェック音を出音(例えば、1s間隔で出音)させ、複数のスピーカ(高音スピーカL272、高音スピーカR272、低音スピーカ277)の中から、どのスピーカで異常が発生しているか検知するようにしてもよい。この場合、チェック音を出音(出力)している際に、短絡信号が検知されれば、該短絡信号が検知されたときにチェック音を出音していたスピーカ(例えば、低音スピーカ277)が異常箇所であることが特定されて検知される利点がある。