JP4240043B2 - ディザマトリックスの生成 - Google Patents

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Description

この発明は、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する技術に関する。
コンピュータで作成した画像や、デジタルカメラで撮影した画像などの出力装置として、印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する印刷装置が広く使用されている。かかる印刷装置は、入力階調値に対して形成可能なドットの階調値が少ないためハーフトーン処理によって階調表現が行われる。ハーフトーン処理の1つとして、ディザマトリックスを用いた組織的ディザ法が広く用いられている。組織的ディザ法は、ディザマトリックスの内容如何で画質に大きな影響を与えるため、たとえば特許文献1に開示されるように人間の視覚を考慮した評価関数を用いてシミュレーテッドアニーリングや遺伝的アルゴリズムといった解析手法によってディザマトリックスの最適化が図られてきた。このようなディザマトリックスの最適化の手法として、ドットの形成されやすい閾値から順に格納要素を決定する方法も考えられる。
特開平7−177351号公報 特開平7−81190号公報 特開平10−329381号公報
しかし、ドットの形成されやすい閾値から順に格納要素を決定する方法では、未決定の格納要素毎にディザマトリックスの評価を行うことが求められるため、多大な計算量が要求され実現性に大きな問題を残していた。
この発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、ディザマトリックスの生成において、効率の高い計算処理技術を提供することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、入力画像データに応じて、印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するための複数の閾値の各々を各要素に格納するディザマトリックスを生成するための方法を提供する。この方法は、
前記複数の閾値の中から、格納されるべき要素が未決定の閾値であって、かつ、ドットの形成が最もオンとなりやすい閾値を着目閾値として決定する着目閾値決定工程と、
前記着目閾値を格納すべき要素の候補である複数の格納候補要素の各々に前記着目閾値が格納されたと仮定したときのドットの形成状態を想定して、それぞれ算出された所定の目標状態との相関を表すマトリックス評価値に基づいて、前記複数の格納候補要素の中から前記着目閾値の格納要素を決定する格納要素決定工程と、
前記複数の閾値の少なくとも一部について、前記着目閾値決定工程と前記格納要素決定工程の各工程を繰り返す繰り返し工程と、
を備え、
前記格納要素決定工程は、
前記格納要素の集合であって、前記ディザマトリックスの一部を構成する要素ブロックを抽出する要素ブロック抽出工程と、
前記抽出された要素ブロックを構成する複数の格納要素の中から前記格納候補要素を順次選択する格納候補要素選択工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明のディザマトリックスの生成方法では、要素ブロックを抽出するという第1の選択と、抽出された要素ブロックの中から格納候補要素を選択するという第2の選択という2段階の選択が行われるので、第1段階の選択で抽出されなかった要素ブロックに含まれる要素が選択の対象から自動的に外れることになる。一方、ディザマトリックスの最適化において、ドットの分散性を良くするためには、値が連続する閾値がディザマトリックスの全体に満遍なく分散していることが要請されるので、第1段階の選択で選択されなかった要素ブロックに最適な要素が含まれている可能性は極めて小さい。
このように、本発明は、複数段階の選択を行うことによって、最適な格納候補要素が含まれている可能性が極めて小さい要素を格納候補要素から排除することによって、格納候補要素選択処理や評価計算処理といった処理の回数を少なくして計算処理を効率化することができる。このような計算処理の効率化は、特にドット密度の低い閾値の領域、すなわち格納候補要素の数が多い閾値領域(たとえばドット密度が1%未満の階調領域)では顕著な効果を奏する。
なお、選択の段階は、2段階だけでなく3段階以上であっても良い。たとえば図11に示されるような分割状態において、第1の選択として4分割の要素ブロックから要素ブロックEB1を選択し、第2の選択として要素ブロックEB1に含まれる4個の要素ブロックのいずれかを選択し、第3の選択として要素ブロックEB1の中から選択された要素ブロックの中で格納候補要素を選択するようにしても良い。また、「要素ブロックを抽出する」方法としては、たとえばディザマトリックスを構成する複数の要素ブロックのいずれかを選択するといった方法(図11)や、変形例C−1や図16に示されるように要素ブロックをシフトさせる方法、あるいはランダムに選択する方法がある。
また、本発明のディザマトリックスは、たとえば特開2005−236768号公報や特開2005−269527号公報に開示されているようなドットの形成状態を特定するための中間データ(個数データ)を使用するような技術においては、ディザマトリックスを用いて生成された変換テーブル(あるいは対応関係テーブル)をも含む広い概念を有する。このような変換テーブルは、本発明の生成方法で生成されたディザマトリックスから直接生成されるだけでなく、調整や改良が行われる場合もあるが、このような場合も本発明の生成方法で生成されたディザマトリックスの使用に該当する。
上記ディザマトリックス生成方法において、前記印刷画像は、前記ドットの形成において物理的な相違が想定された複数の画素位置グループの各々に属する印刷画素に形成されたドットが、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって形成され、
前記格納要素決定工程は、
前記印刷画像のドットの形成状態である第1のドット形成状態に基づいて、前記第1のドット形成状態と前記所定の目標状態との相関を表す評価値である全体評価値を決定する全体評価値決定工程と、
前記複数の画素位置グループのうちの前記格納候補要素が属する画素位置グループに属する要素にのみ対応するドットの形成状態である第2のドット形成状態に基づいて、前記第2のドット形成状態と前記所定の目標状態との相関を表す評価値であるグループ評価値を決定するグループ評価値決定工程と、
前記全体評価値と前記グループ評価値とに応じて、前記マトリックス評価値を決定する総合評価値決定工程と、
を含むようにしても良い。
ただし、このような構成では、各入力階調値に対して画素位置グループ毎のドットの形成密度が均一となるようにすることが好ましい。
上記ディザマトリックス生成方法において、前記評価値決定工程は、前記所定の目標状態との相関が最も高いマトリックス評価値を有する格納候補要素が、前記格納候補要素が属する要素ブロックの外延に隣接する場合には、前記外延の外側に隣接する要素の少なくとも一部を前記格納候補要素に追加する工程を含むようにしても良い。
所定の目標状態との相関が最も高いマトリックス評価値を有する格納候補要素、すなわち最適要素が、格納候補要素が属する要素ブロックの外延に隣接する場合には、この外延の外側である他の要素ブロックに最適要素が存在する可能性が高いので、本構成は、このような場合においては、例外処理として外延の外側に隣接する要素の少なくとも一部を格納候補要素とすることによって効率的に最適性を高めることができる。
上記ディザマトリックス生成方法において、
前記マトリックス評価値は、フーリエ変換処理を含む計算処理によって算出される粒状性指数であり、
前記粒状性指数は、視覚の空間周波数特性に基づいて決定されたVTF関数と、前記フーリエ変換処理によって予め算出された定数との積に基づいて算出されるようにしても良いし、
あるいは、
前記マトリックス評価値は、ローパスフィルタ処理を含む計算処理によって算出されるRMS粒状度であるようにしても良い。
なお、本発明は、ディザマトリックス、ディザマトリックス生成装置、ディザマトリックスを用いた印刷装置や印刷方法、印刷物の生成方法といった種々の形態、あるいは、これらの方法または装置の機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の種々の形態で実現することができる。
また印刷装置や印刷方法、印刷物の生成方法におけるディザマトリックスの使用は、ディザマトリックスに設定されている閾値と画像データの階調値とを画素毎に比較することによって、画素毎にドット形成の有無を判断しているが、たとえば閾値と階調値の和を固定値と比較してドット形成の有無を判断するようにしても良い。さらに、閾値を直接使用することなく閾値に基づいて予め生成されたデータと、階調値とに応じてドット形成の有無を判断するようにしても良い。本発明のディザ法は、一般に、各画素の階調値と、ディザマトリックスの対応する画素位置に設定された閾値とに応じてドットの形成の有無を判断するものであれば良い。
以下では、本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って説明する。
A.本発明の実施例におけるディザマトリックスの最適化:
A−1.画像観測系(視覚系)に対する最適化:
A−2.画像出力系(印刷方法)に対する最適化:
B.本発明の実施例におけるディザマトリックスの生成方法:
B−1.画像観測系に対する最適化:
B−2.画像出力系に対する最適化:
C.変形例:
A.本発明の実施例におけるディザマトリックスの最適化:
図1は、ディザマトリックスの一部を概念的に例示した説明図である。図示したマトリックスには、横方向(主走査方向)に128要素、縦方向(副走査方向)に64要素、合計8192個の要素に、階調値1〜255の範囲から万遍なく選択された閾値が格納されている。なお、ディザマトリックスの大きさは、図1に例示したような大きさに限られるものではなく、縦と横の要素数が同じマトリックスも含めて種々の大きさとすることができる。
図2は、ディザマトリックスを使用したドット形成の有無の考え方を示す説明図である。図示の都合上、一部の要素についてのみ示されている。ドット形成の有無の決定では、図2に示す通り、画像データの階調値と、ディザマトリックス中で対応する位置に記憶されている閾値とが比較される。画像データの階調値の方がディザテーブルに格納された閾値よりも大きい場合にはドットが形成され、画像データの階調値の方が小さい場合にはドットが形成されない。図2中でハッチングを付した画素がドットの形成対象となる画素を意味している。このように、ディザマトリックスを用いれば、画像データの階調値とディザマトリックスに設定されている閾値とを比較するという単純な処理で、画素毎のドットの形成有無を判断することができるので、階調数変換処理を迅速に実施することが可能となる。さらに、画像データの階調値が決まると、各画素にドットが形成されるか否かは、もっぱらディザマトリックスに設定される閾値によって決まることからも明らかなように、組織的ディザ法では、ディザマトリックスに設定する閾値の格納位置によって、ドットの発生状況を積極的に制御することが可能である。
このように、組織的ディザ法は、ディザマトリックスに設定する閾値の格納位置によって、ドットの発生状況を積極的に制御することが可能なので、閾値の格納位置の設定を調整することによってドットの分散性その他の画質を制御することができるという特徴を有している。このことは、ディザマトリクスの最適化処理によってハーフトーン処理を多様な目標状態に対して最適化することが可能であることを意味している。
A−1.画像観測系(視覚系)に対する最適化:
図3は、ディザマトリクスの調整の簡単な例として、ブルーノイズ特性を有するブルーノイズディザマトリクスの各画素に設定されている閾値の空間周波数特性を概念的に例示した説明図である。ブルーノイズマトリックスの空間周波数特性は、1周期の長さが2画素以下の高い周波数領域に最も大きな周波数成分を有する特性となっている。このような空間周波数特性は、人間の視覚特性を考慮して設定されたものである。すなわち、ブルーノイズディザマトリクス、高周波領域において感度が低いという人間の視覚特性を考慮して、高周波領域に最も大きな周波数成分が発生するように閾値の格納位置が調整されたディザマトリックスである。
図4(a)は、人間が有する視覚の空間周波数に対する感度特性である視覚の空間周波数特性VTF(Visual Transfer Function)を概念的に示した説明図である。視覚の空間周波数特性VTFを利用すれば、人間の視覚感度を視覚の空間周波数特性VTFという伝達関数としてモデル化することによって、ハーフトーン処理後のドットの人間の視覚に訴える粒状感を定量化することが可能となる。このようにして定量化された値は、粒状性指数と呼ばれる。図4(b)は、視覚の空間周波数特性VTFを表す代表的な実験式を示している。図4(b)中の変数Lは観察距離を表しており、変数uは空間周波数を表している。図4(c)は、粒状性指数を定義する式である。図4(c)中の係数Kは、得られた値を人間の感覚と合わせるための係数である。
このような人間の視覚に訴える粒状感の定量化は、人間の視覚系に対するディザマトリクスのきめ細かな最適化を可能とするものである。具体的には、ディザマトリックスに各入力階調値を入力した際に想定されるドットパターンに対してフーリエ変換を行ってパワースペクトルFSを求めるとともに、視覚の空間周波数特性VTFと乗算した後に全入力階調値で積分(図4(c))することによって得ることができる粒状性指数をディザマトリクスの評価関数として利用することができる。この例では、ディザマトリクスの評価関数が小さくなるように閾値の格納位置を調整すれば最適化が図れることになる。
このようなタイプの評価値の例として、GS値(Grainess scale)という評価値も提案されている。(参考文献:ファインイメージングとハードコピー、コロナ社、日本写真学会、日本画像学会 合同出版委員会編 P534)。ただし、このような人間の視覚系のモデルは、完全なものではなく特許文献1(特開平7−177351号公報)でも指摘されているように、視距離その他の視界条件によって変動し得るものである。
しかしながら、このような非線形最適化問題では、最適化過程における試行錯誤の繰り返し計算は避けられず、たとえば合計8192個の要素に階調値1〜255の範囲の閾値を格納するディザマトリックスにおける閾値の格納位置の設定自由度を考慮すれば、膨大な数の繰り返し計算が要求されることが分かる。
このように、ディザマトリックス最適化は、設定する閾値の格納位置によって、ドットの発生状況を積極的に制御することが可能であるという特徴を有するが最適化計算の処理量が膨大であるが故に実現化は極めて困難であった。
A−2.画像出力系(印刷方法)に対する最適化:
図5は、本発明の実施例においてディザマトリックス最適化の対象となる印刷画像の生成方法の一例を示す説明図である。ディザマトリックスの最適化問題は、人間の視覚系に対する最適化のみならず、画像形成方法に対する最適化も有効であることが発明者によって新たに見いだされた。
この画像形成方法の例では、主走査と副走査を行いつつインクドットを印刷媒体上に形成することによって印刷画像が生成される。主走査とは、印刷媒体に対して印刷ヘッド10を主走査方向に相対的に移動させる動作を意味する。副走査とは、印刷媒体に対して印刷ヘッド10を副走査方向に相対的に移動させる動作を意味する。印刷ヘッド10は、印刷媒体上にインク滴を吐出してインクドットを形成するように構成されている。印刷ヘッド10は、画素ピッチkの2倍の間隔で図示しない10個のノズルを装備している。
印刷画像の生成は、主走査と副走査を行いつつ以下のように行われる。パス1の主走査では、ラスタ番号が1、3、5、7、9、11、13、15、17、19の10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が1、3、5、7の画素にインクドットが形成される。主走査ラインとは、主走査方向に連続する画素によって形成される線を意味する。各丸は、ドットの形成位置を示している。各丸の中の数字は、同時にインクドットが形成される複数の画素から構成される画素グループを示している。パス1では、第1の画素グループに属する印刷画素にドットが形成される。
パス1の主走査が完了すると、副走査方向に画素ピッチの3倍の移動量Lで副走査送りが行われる。一般には、印刷媒体を移動させることによって副走査送りは行われるが、本実施例では、説明を分かりやすくするために印刷ヘッド10が副走査方向に移動するものとしている。副走査送りが完了すると、パス2の主走査が行われる。
パス2の主走査では、ラスタ番号が6、8、10、12、14、16、18、20、22、24の10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が1、3、5、7の画素にインクドットが形成される。このようにして、パス2では、第2の画素グループに属する印刷画素にドットが形成される。なお、ラスタ番号が22、24の2本の主走査ラインは、図示が省略されている。パス2の主走査が完了すると、前述と同様の副走査送りが行われた後に、パス3の主走査が行われる。
パス3の主走査では、ラスタ番号が11、13、15、17、19の主走査ラインを含む10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が2、4、6、8の画素にインクドットが形成される。パス4の主走査では、ラスタ番号が16、18、20の3本の主走査ラインを含む10本の主走査ラインのうちで、画素位置番号が2、4、6、8の画素にインクドットが形成される。このようにして、ラスタ番号が15以降の副走査位置に隙間なくインクドットが形成可能であることが分かる。パス3とパス4では、それぞれ第3と第4の画素グループに属する印刷画素にドットが形成される。
このような印刷画像の生成を一定の領域に着目して観察すると、以下のように行われていることが分かる。たとえばラスタ番号が15〜19で画素位置番号が1〜8の領域を着目領域とすると、着目領域では以下のように印刷画像が形成されていることが分かる。
パス1では、着目領域において、ラスタ番号が1〜5で画素位置番号が1〜8の画素位置に形成されたインクドットと同一のドットパターンが形成されていることが分かる。このドットパターンは、第1の画素グループに属する画素に形成されるドットで形成されている。すなわち、パス1では、着目領域において、第1の画素グループに属する画素にドットが形成される。
パス2では、着目領域において、第3の画素グループに属する画素にドットが形成される。パス3では、着目領域において、第2の画素グループに属する画素にドットが形成される。パス4では、着目領域において、第4の画素グループに属する画素にドットが形成される。
このように、本実施例では、第1〜第4の複数の画素グループの各々に属する印刷画素が、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって形成されることが分かる。
図6は、本発明の実施例において複数の画素グループの各々に属する印刷画素が、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって印刷媒体上に印刷画像が生成される様子を示す説明図である。図6の例では、印刷画像は、所定の中間階調(単色)の印刷画像である。ドットパターンDP1、DP1aは、第1の画素グループに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。ドットパターンDP2、DP2aは、第1と第3の画素グループとに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。ドットパターンDP3、DP3aは、第1〜第3の画素グループに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。ドットパターンDP4、DP4aは、全画素グループに属する複数の画素に形成されたドットパターンを示している。
ドットパターンDP1、DP2、DP3、DP4は、従来技術のディザマトリックスを使用した場合におけるドットパターンである。ドットパターンDP1a、DP2a、DP3a、DP4aは、本願発明のディザマトリックスを使用した場合におけるドットパターンである。図6から分かるように、本願発明のディザマトリックスを使用した場合には、特にドットパターンの重畳が少ないドットパターンDP1a、DP2aにおいて、従来技術のディザマトリックスを使用した場合よりもドットの分散性が均一である。
従来技術のディザマトリックスには、画素グループという概念が無いため最終的に形成される印刷画像(図6の例ではドットパターンDP4)におけるドットの分散性にのみ着目して最適化が行われている。換言すれば、各画素グループに属する画素に形成されるドットの分散性は考慮されていないため、各画素グループに属する画素に形成されるドットの分散性は良くなくドット密度の疎密が生じている。
画像出力系に最適化されたディザマトリックスは、印刷画像におけるドットの分散性に加えて、各画素グループに属する画素に形成されるドットの分散性までも考慮されているため、各画素グループに属する画素に形成されるドットの分散性と印刷画像におけるドットの分散性の双方の分散性が良くなっている。
このディザマトリックスは、最終的に形成されるドットパターンだけでなく、ドットの形成過程におけるドットパターンにも着目して最適化が図られたものである。このような着眼点は従来には存在しなかったものである。従来は、ドットの形成過程におけるドットパターンの分散が悪くても、最終的に形成されるドットパターンの分散性が良ければ画質が良いというのが技術常識だったからである。
しかし、本願発明者は、敢えてドットの形成過程におけるドットパターンに着目して印刷画像の画質の解析を行った。この解析の結果、ドットの形成過程におけるドットパターンの疎密に起因して、画像のむらが発生することが分かったのである。この画像のむらは、インク凝集むらや光沢むら、ブロンズ現象といったインクの物理現象によって人間の目に顕著に知覚されることも本願発明者によって突き止められた。ブロンズ現象とは、インク滴の染料の凝集等によって、見る角度によって印刷表面がブロンズ色に呈色するなど、印刷用紙表面で反射される光の状態が変化する現象である。
たとえばインクの凝集やブロンズ現象は、1回のパスで印刷画像を形成する場合においても発生し得る。しかし、インクの凝集等が印刷画像の全面で均一に発生しても人間の目には知覚されにくい。均一に発生している故に、低周波成分を含む不均一な「むら」としてはインクの凝集等が発生しないからである。
しかしながら、同一の主走査でほぼ同時にインクドットが形成される画素グループに形成されるドットパターンにおいて、インクの凝集等で人間の目に認識されやすい低周波領域でむらが発生すると、顕著な画質劣化として顕在化することになる。このように、インクドットの形成によって印刷画像を形成する場合には、ほぼ同時にインクドットが形成される画素グループに形成されるドットパターンにも着目してディザマトリックスを最適化することが高画質化につながることを発明者によって初めて見いだされたのである。
加えて、従来技術のディザマトリックスでは、各画素グループの相互の位置関係が予め想定されたとおりになっていることを前提として最適化が図られているので、相互の位置関係がズレた場合には最適性が保証されず、顕著に画質が劣化する原因となっていた。しかし、本願発明のディザマトリックスによれば、各画素グループのドットパターンにおいてもドットの分散性が確保されているので、相互の位置関係のズレに対する高いロバスト性も確保できることが本願発明の発明者の実験によって初めて確認された。
さらに、この技術的思想は、印刷速度の高速化に伴って重要性が増していることも発明者によって突き止められた。印刷速度の高速化は、インクの吸収のための時間が十分に取られないうちに、次の画素グループのドットが形成されることにつながるからである。
このように、発明者は、ドットの形成過程や印刷装置の構成といった印刷過程に点に着目したディザマトリックスの最適化方法をも新規に創作した。しかしながら、このような最適化問題は、ディザマトリックスの評価計算の高速化や計算処理負担の飛躍的な軽減の必要性を生じさせた。ドットの形成過程や印刷装置の構成といった印刷過程は、多くのパラメータやバリエーションを有するため、最適化に要する計算量が膨大となるからである。本願発明は、以下に説明するように、このような膨大な計算量を顕著に軽減させることを可能とする。
B.本発明の各実施例における最適ディザマトリックスの生成方法:
本発明の実施例では、画像観測系に対する最適ディザマトリックスと画像形成装置に対する最適ディザマトリックスの生成方法が実現されている。ディザマトリックス最適化は、一部の入力階調値に対する最適化(たとえばドット密度の小さい領域のみ)に対しても行うことができる。特に、ドット密度が1%以下となる階調値に対応する閾値の格納要素の決定において、本発明は、顕著な効果を奏することが発明者の実験によって確認された。
B−1.画像観測系に対する最適化:
図7は、本発明の第1実施例におけるディザマトリックスの生成方法の処理ルーチンを示すフローチャートである。なお、この例では、説明を分かりやすくするために8行8列の小さなディザマトリックスを生成するものとしている。また、ディザマトリックスの最適性をあらわす評価として、粒状性指数(図4(c))を用いて最適化を行うものとしている。
ステップS200では、着目閾値決定処理が行われる。着目閾値決定処理とは、格納要素の決定対象となる閾値を決定する処理である。本実施例では、比較的に小さな値の閾値、すなわちドットの形成されやすい値の閾値から順に選択することによって閾値が決定される。このように、ドットが形成されやすい閾値から順に選択すれば、ドットの粒状性が目立つハイライト領域におけるドット配置をコントロールする閾値から順に格納される要素を固定していくことになるので、ドットの粒状性が目立つハイライト領域に対して大きな設計自由度を与えることができるからである。
ステップS300では、ディザマトリックス評価処理が行われる。ディザマトリックス評価処理とは、予め設定された評価関数(この例では、粒状性指数)に基づいてディザマトリックスの最適性を数値化する処理である。
図8は、本発明の第1実施例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。ステップS320では、決定済み閾値の対応ドットがオンとされる。決定済み閾値とは、格納要素が決定された閾値を意味する。本実施例では、前述のようにドットの形成されやすい値の閾値から順に選択されるので、着目閾値にドットが形成される際には、決定済み閾値が格納された要素に対応する画素には必ずドットが形成されることになる。逆に、着目閾値にドットが形成される最も小さな入力階調値においては、決定済み閾値が格納された要素以外の要素に対応する画素にはドットは形成されないことになる。
図9は、ディザマトリックスMにおいて、1〜8番目にドットが形成されやすい閾値が格納された要素に対応する8個の画素の各々にドットが形成された様子を示す説明図である。このドットパターンは、9番目のドットをどの画素に形成すべきかを決定するために使用される。すなわち、9番目にドットが形成されやすい着目閾値の格納要素の決定に使用される。格納要素の決定は、本実施例では、ドットが形成されたと仮定したときに想定されるドットの形成状態についての粒状性指数が最も小さくなる画素に対応する要素に着目閾値が格納されるように格納要素を決定する。
ステップS330では、要素ブロック選択処理が行われる。要素ブロック選択処理とは、ディザマトリックスMを構成する4個の要素ブロックEB1〜EB4のいずれか1つを選択する処理である。
図10は、4個の要素ブロックEB1〜EB4に分割されたディザマトリックスMを示す説明図である。要素ブロックEB1は、1列〜4列で1行〜4行の8個の格納要素の集合として構成され、また、要素ブロックEB2〜EB4は、それぞれ5列〜8列で1行〜4行の8個の格納要素の集合、1列〜4列で5行〜8行の8個の格納要素の集合、5列〜8列で5行〜8行の8個の格納要素の集合として構成されている。なお、要素ブロックは、必ずしも行要素の数と列要素の数が一致する正方行列である必要はなく、たとえば行要素の数が列要素の数の半分であっても良い。
図11は、要素ブロック選択処理における選択順序を示す説明図である。図11では、行および列は要素ブロックの行と列とを示している。たとえば要素ブロックEB1は、行1列の要素ブロックである。要素ブロック内の数値はベイヤー型の選択順序を示している。たとえば最初に1行1列の要素ブロックEB1が選択され、順に2行2列の要素ブロックEB4、2行1列の要素ブロックEB2、2行1列の要素ブロックEB3の順に選択され、1行1列の要素ブロックEB1の選択に戻る。このような選択順序で、繰り返して要素ブロックが選択される。
本実施例では、4個の要素ブロックEB1〜EB4に分割された例を示しているが、たとえば図11のディザマトリックスM'に示されるように、16分割するようにしても良い。ディザマトリックスM'の各要素ブロック内の数値は、ベイヤー型の選択順序を示しているが、これに限らず、たとえばローパスフィルタ処理後のドット密度が最も低い要素ブロックを選択するようにしても良い。
ステップS340(図8)では、格納候補要素選択処理が行われる。格納候補要素選択処理とは、選択された要素ブロックの中から閾値の格納要素の候補となる格納候補要素を選択する処理である。
図12は、要素ブロックの中から格納候補要素が選択される様子を示す説明図である。図12は、要素ブロックEB1に含まれる格納要素の集合を示している。この例では、*印が付された要素が格納候補要素として選択されている。格納候補要素の選択は、たとえば閾値の格納要素として決定済み(ステップS320)の2行2列の格納要素である決定済み要素と、4行1列の格納要素である決定済み要素とを除く、他の格納要素の全てを順に選択するようにしても良いし、あるいは決定済み要素に隣接する要素を除く格納要素のみから選択するようにしても良い。後者の選択方法では、1行〜4行で4列の4個の格納要素と、3行4列の格納要素のみが格納候補要素となる。
ステップS350(図8)では、選択された格納候補要素にドットがオンされたとの仮定がなされる。これにより、格納候補要素に9番目にドットが形成されやすい閾値が格納されたときのディザマトリックスMの評価を行うことが可能となる。
図13は、図9において8個の画素の各々にドットが形成された状態に加えて格納候補要素に対応する画素(1行1列)にドットが形成された状態を数値化したマトリックス、すなわちドット密度を定量的に表したドット密度マトリックスDdmを示す説明図である。数字0は、ドットが形成されていないことを意味し、数字1は、ドットが形成されていることを意味する。
ステップS360では、このドット密度マトリックス(図13)に基づいて粒状性指数が算出される。このような格納候補要素選択処理(ステップS340)から粒状性指数算出処理(ステップS360)への一連の処理は、全ての格納候補要素について行われる(ステップS370)。
格納候補要素毎に粒状性指数を算出し、ステップS380において、最も粒状性指数が小さな格納候補要素が最適要素として決定される(ステップS400、図7)。
このような処理は、最終閾値まで、閾値を変更しつつ繰り返される(ステップS500)。最終閾値は、最もドットが形成されにくい最大閾値としても良いし、あるいは予め定められた所定の閾値範囲の中の最大閾値としても良い。この点は、最初に評価対象となる閾値についても同様である。
このように、本実施例では、格納候補要素の選択において、要素ブロックを選択するという第1の選択と、選択された要素ブロックの中から格納候補要素を選択するという第2の選択という2段階の選択が行われるので、第1段階の選択で選択されなかった要素ブロックに含まれる要素が選択の対象から自動的に外れることになる。一方、ディザマトリックスの最適化において、ドットの分散性を良くするためには、値が連続する閾値がディザマトリックスの全体に満遍なく分散していることが要請されるので、第1段階の選択で選択されなかった要素ブロックに最適な要素が含まれている可能性は極めて小さい。
このように、本実施例では、2段階の選択を行うことによって、最適な格納候補要素が含まれている可能性が極めて小さい要素を格納候補要素から排除することを可能としている。これにより、格納候補要素選択処理(ステップS340)から粒状性指数算出処理(ステップS360)への処理の回数を少なくして計算処理を効率化することができる。このような計算処理の効率化は、特にドット密度の低い閾値の領域、すなわち格納候補要素の数が多い閾値領域では顕著な効果を奏する。
ただし、最適要素(要素ブロック内で最も粒状性指数が小さな要素)が属する要素ブロックの外延に隣接する場合には、例外的に、この外延の外側である他の要素ブロックに、さらに粒状性指数が小さくなる要素が存在する可能性が高いので、このような場合においては、後述する変形例によってディザマトリックスの最適性を高めるようにしても良い。
なお、本実施例では、粒状性指数が特許請求の範囲における「所定の目標状態との相関を表す評価値であるマトリックス評価値」に相当する。一方、「所定の目標状態」とは、本実施例では、ドットの形成状態の粒状性指数が小さいことを意味する。
図14は、本発明の第1実施例の変形例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。この変形例は、ディザマトリックス評価処理の処理ルーチン(ステップS300)にステップS390が追加されている点と、要素ブロック選択処理(ステップS330)がステップS330aに変更されている点と、が第1実施例と異なる。
ステップS390では、要素ブロック内で決定された最適要素が非境界要素であるか否かが判断される。この判断に基づいて、非境界要素であるときには、最適要素が着目閾値の格納要素として決定され、一方、非境界要素でないときには、すなわち、最適要素が境界要素であるときには、処理が要素ブロック選択処理(ステップS330a)に戻される。非境界要素とは、選択された要素ブロックにおいて要素ブロックの外延に隣接しない要素を意味する。たとえば図12の例では、2行2列、2行3列、3行2列、および3行3列の4個の要素が該当する。
ステップS330aでは、他の要素ブロックが新たに選択される。他の要素ブロックとは、評価の対象となっていた要素ブロックに当該境界を経て隣接する要素ブロックである。具体的には、以下のような新たな選択が行われる。
図15は、要素ブロック変更処理(その1)、すなわち要素ブロックが新たに選択される様子の一例を示す説明図である。要素ブロック変更処理(その1)では、一例として最適要素が要素ブロックEB1に含まれた3行4列の格納要素である場合において、4列と5列の間の境界を経て隣接する要素ブロックEB2が新たに選択される例を示している。本変形例では、この境界が特許請求の範囲における「要素ブロックの外延」に相当する。
なお、ディザマトリックスが上下に連続して使用されることを想定する場合には、要素ブロックEB1における最適要素が1行3列の格納要素である場合においては、要素ブロックEB3が新たに選択されることになる。
図16は、要素ブロック変更処理(その2)、すなわち要素ブロックがシフトされる様子の一例を示す説明図である。要素ブロック変更処理(その2)では、一例として最適要素が要素ブロックEB1に含まれた4行4列の格納要素である場合において、要素ブロックEBSへのシフトが行われる例を示している。要素ブロックEBSは、要素ブロックEB1に対して2行2列だけシフトさせた要素ブロックである。
このように、新たな要素ブロックEBSを設定したのは、4行4列の格納要素に隣接する要素ブロックが3個の要素ブロックEB2〜EB3と多い点と、最適要素が4行4列の格納要素の近傍に存在する確率が高い点を考慮したものである。ただし、要素ブロックEBSにおいて、最適要素が要素ブロックEBSの境界要素であった場合には、再度のシフトや未処理の要素ブロックEB2〜EB3のいずれかの選択が行われることになる。また、シフト量も2画素に限られず、1画素でも3画素以上でも良い。
なお、ディザマトリックスが上下左右に連続して使用されることを想定する場合には、要素ブロックEB1における最適要素が1行1列の格納要素である場合においては、反対側にシフトされることになる。
B−2.画像出力系に対する最適化:
図17は、本発明の第2実施例におけるディザマトリックスの生成方法の処理ルーチンを示すフローチャートである。このディザマトリックスの生成方法は、印刷画像の形成過程においてほぼ同時に形成されるドットの分散性を考慮して最適化を図ることができるように構成されている。このため、ステップS100が追加されているとともに、ステップS300がステップS300bに変更されている。
ステップS100では、グループ化処理が行われる。グループ化処理とは、本実施例では、印刷画像の形成過程においてほぼ同時にドットが形成される複数の画素グループに対応する要素毎にディザマトリックスを分割する処理である。
図18は、本発明の第2実施例におけるグループ化処理が行われたディザマトリックスMを示す説明図である。このグループ化処理では、図5における4つの画素グループに分割されるものとしている。ディザマトリックスMの各要素に記載された数字は、各要素が属する画素グループを示している。たとえば1行1列の要素は、第1の画素グループ(図5)に属し、1行2列の要素は、第2の画素グループに属する。
図19は、本発明の第2実施例における4個の分割マトリックスM0〜M3を示す説明図である。分割マトリックスM0は、ディザマトリックスMの要素のうち第1の画素グループに属する画素に対応する複数の要素と、空欄となっている複数の要素である空欄要素とから構成されている。空欄要素は、入力階調値に拘わらず常にドットが形成されない要素である。分割マトリックスM1〜M3は、それぞれディザマトリックスMの要素のうち第2〜第4の画素グループに属する画素に対応する複数の要素と、空欄要素とから構成されている。
ステップS300bでは、第1実施例と同様に粒状性指数に基づいてディザマトリックス評価処理が行われる。ただし、本実施例では、ディザマトリックスMだけを考慮するのではなく、4個の分割マトリックスM0〜M3をも考慮して評価が行われる。
図20は、本発明の第2実施例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチン(ステップS300b)を示すフローチャートである。ただし、本実施例では、4個の分割マトリックスM0〜M3をも考慮して評価が行われるため、ステップS310とステップS375とが追加されるとともに、ステップS340とステップS380とが、それぞれステップS340aとステップS380aとに修正されている。
ステップS310では、評定マトリックスが選択される。評定マトリックスとは、本実施例では、4個の分割マトリックスM0〜M3の中で、着目閾値の格納要素の決定の際に評価の対象となる1個のマトリックスである。本実施例では、評定マトリックスとディザマトリックスMとに着目して評価が行われる。ただし、5個のマトリックス全部に着目して評価を行うように構成しても良い。
評定マトリックスは、本実施例では、着目閾値とともに順に選択される。具体的には、本実施例では、1番目の着目閾値では分割マトリックスM0が選択され、2番目の着目閾値では分割マトリックスM1が選択され、といった方法で分割評定マトリックスが順に選択される。着目閾値は、評定マトリックスに属する要素のいずれかに格納されることになる。この例では、9番目の閾値の格納要素が決定されるので、要素ブロックEB1と分割マトリックスM0とが選択されたものとする。
ステップS340aでは、格納候補要素選択処理が行われる。格納候補要素選択処理は、要素ブロックEB1と分割マトリックスM0とに該当する4個の格納要素EB1t1〜EB1t4(図21)の中から格納候補要素が選択される。分割マトリックスM0の各要素の中から選択されるのは、分割マトリックスM0が評定マトリックスだからである。
図22は、ディザマトリックスMの各要素に対応する画素に形成されるドットの形成状態を数値化したドット密度マトリックスDdmaと、分割マトリックスM0の各要素に対応する画素に形成されるドットのみのドットの形成状態を数値化したドット密度マトリックスDdmgと、を示している。ドット密度マトリックスDdmaは、閾値の格納要素として決定済みの8個の要素に対応する8個の画素の各々にドットが形成された状態に加えて格納候補要素にドットが形成された状態を数値化したマトリックスである。一方、ドット密度マトリックスDdmgは、閾値の格納要素として決定済みの8個の要素のうち分割マトリックスM0の各要素に対応する2個の画素の各々にドットが形成された状態に加えて格納候補要素にドットが形成された状態を数値化したマトリックスである。
なお、本実施例では、ドット密度マトリックスDdmaが特許請求の範囲における「第1のドット形成状態」に相当し、ドット密度マトリックスDdmgが特許請求の範囲における「第2のドット形成状態」に相当する。
このようにして生成されたドット密度マトリックスに基づいて、分割マトリックスM0に対応する第1の画素グループ(図5)のドットパターンの粒状性指数であるグループ粒状性指数と、全画素グループのドットパターンの粒状性指数である全体粒状性指数と、が格納候補要素毎(図21)に算出される(ステップS370、ステップS375)。
ステップS380aでは、総合評価値決定処理が行われる。総合評価値決定処理は、全体粒状性指数と、グループ粒状性指数と、に所定の重み付けを行って加算することによって決定される。本実施例では、一例として全体粒状性指数とグループ粒状性指数の重み付けをそれぞれ「4」と「1」としている。
ステップS400(図17)では、第1実施例と同様に格納要素決定処理が行われる。格納要素決定処理は、着目閾値(この例では9番目にドットが形成されやすい閾値)の格納要素を決定する処理である。格納要素は、本実施例では総合評価値が最も小さな要素の中から決定される。
このような処理を、第1実施例と同様に予め設定された所定の閾値の範囲で行うことによって、所定の閾値の範囲でディザマトリックスの生成処理が完了する(ステップS500)。なお、第1実施例と同様に全閾値の範囲に本発明を適用しても良い。
このように、第2実施例では、4個の分割マトリックスM0〜M3をも考慮して評価が行われるので、画像出力方法に最適化されたディザマトリックスを少ない計算量で実現することができる。特に、このような画像形成方法への最適化は、画像形成方法が多種多様な方法で行われることを考慮すると、少ない計算量における実装可能性は極めて重要である。なお、本実施例では、総合評価値が特許請求の範囲における「所定の目標状態との相関を表す評価値であるマトリックス評価値」に相当する。なお、このような構成では、各入力階調値に対して画素位置グループ毎のドットの形成密度が均一となるようにすることが好ましい。
ただし、第2実施例も、最適要素が属する要素ブロックの外延に隣接する場合には、第1実施例と同様に後述する変形例によってディザマトリックスの最適性を高めるようにしても良い。
図23は、第2実施例の変形例において要素ブロックが新たに選択される様子の一例を示す説明図である。第2実施例の変形例では、要素ブロックの新たに選択において、同一グループの格納要素にのみ着目される点で第1実施例の変形例と相違する。第1実施例の変形例では、要素ブロックEB1の1行3列の格納要素は、ディザマトリックスが上下左右に連続して使用されることを想定する場合には、2つの要素ブロックEB2、EB3との間の境界に隣接するものとみなされる。この結果、1行3列の格納要素が要素ブロックEB1における最適要素となった場合には、1行5列と7行3列の2個の格納要素が格納候補要素に加えられることになる。なお、本実施例では、「1行3列の格納要素」は、特許請求の範囲における「要素ブロックの外延に隣接する」要素に相当する。
図24は、第2実施例の変形例において要素ブロックが新たに選択される様子の他の例を示す説明図である。図24から分かるように、第2実施例の変形例においても、要素ブロックEBSへのシフトを行うようにしても良い。
C.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、本発明は、以下のような変形例についてのディザマトリックスの最適化が可能である。
C−1.上述の実施例では、ベイヤー方式で要素ブロックを選択し、粒状性指数に基づいて最適要素を決定しているが、値が連続する閾値がディザマトリックスの全体に満遍なく分散していれば良いので、たとえば以下のような方法で要素ブロックの選択と最適要素の決定を行うようにしても良い。
(1)ランダム方式で要素ブロックを選択し、ローパスフィルタ処理されたドット密度であるポテンシャル累積値が小さい要素を最適要素とする。
(2)乱数的に決定された数の要素だけ要素ブロックをシフトさせ、粒状性指数に基づいて最適要素を決定する。
このように、値が連続する閾値がディザマトリックスの一部に集中しないように要素ブロックを選択するとともに、ドットの分散性が良くなるように選択された要素ブロックの中から最適要素を決定するような種々の方法で構成しても良い。
C−2.上述の実施例では、ディザマトリックスの評価尺度として粒状性指数が使用されているが、たとえば後述するようなRMS粒状度を使用するようにしても良い。この評価尺度は、ドット密度値に対して、ローパスフィルタ(図25)を用いてローパスフィルタ処理を行うとともに、ローパスフィルタ処理がなされた密度値に対して、図26に示される計算式を用いて標準偏差を算出することによって決定することができる。
C−3.上述の実施例では、粒状性指数やRMS粒状度を、所定の目標状態との相関を表す評価値としているが、ブルーノイズ特性やグリーンノイズ特性を所定の目標状態として、ディザマトリックスの特性を、これらの特性に近づけるように最適化を図るように更生しても良い。
C−4.上述の実施例では、1個の閾値の格納要素毎に評価処理が行われているが、たとえば複数個の閾値の格納要素を同時に決定するような場合にも本発明は、適用することができる。具体的には、たとえば上述の実施例において6番目までの閾値の格納要素が決定されていて、7番目と8番目の閾値の格納要素を決定するような場合にも7番目の閾値の格納要素にドットが追加された場合の評価値と、7番目と8番目の閾値の格納要素にそれぞれドットが追加された場合の評価値とに基づいて格納要素を決定するようにしても良いし、あるいは7番目の閾値の格納要素のみを決定するようにしても良い。
C−5.本発明は、最適化過程における評価計算の処理回数を少なくすることができるので、最適化方法を問わず適用することができる。たとえばシミュレーテッドアニーリングや遺伝的アルゴリズムといった最適化手法に広く適用することができる。
C−6.このようにして生成されたディザマトリックスを使用する印刷装置や印刷方法としても実現される。たとえば以下のような構成が実現可能である。
図27は、本発明の変形例としての印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピュータ90と、印刷部としてのカラープリンタ20と、を備えている。なお、カラープリンタ20とコンピュータ90の組み合わせを、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、カラープリンタ20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。アプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示する。
プリンタドライバ96の内部には、入力画像の解像度を印刷解像度に変換する解像度変換モジュール97と、RGBをCMYKに色変換する色変換モジュール98と、上述の実施例で生成されたディザマトリックスを使用して入力階調値をドットの形成で表現可能な出力階調数へ減色する減色モジュール99と、減色データを用いてカラープリンタ20に送信するための印刷データを生成する印刷データ生成モジュール100と、色変換モジュール98が色変換の基準とする色変換テーブルLUTと、減色処理のために各サイズのドットの記録率を決定するための記録率テーブルDTと、が備えられている。プリンタドライバ96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
図28は、カラープリンタ20の概略構成図である。カラープリンタ20は、紙送りモータ22によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査駆動部と、キャリッジモータ24によってキャリッジ30を紙送りローラ25の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査駆動部と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60(「印刷ヘッド集合体」とも呼ぶ)を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモータ22,キャリッジモータ24,印刷ヘッド10を備える印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクタ56を介してコンピュータ90に接続されている。
以上説明したハードウェア構成を有するカラープリンタ20は、紙送りモータ22により印刷用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモータ24により往復動させ、同時に印刷ヘッド10のピエゾ素子を駆動して、各色インク滴の吐出を行い、大中小のインクドットを形成して印刷用紙P上に視覚系やカラープリンタ20に最適化された画像を形成することができる。
ディザマトリックスの一部を概念的に例示した説明図。 ディザマトリックスを使用したドット形成の有無の考え方を示す説明図。 ブルーノイズ特性を有するブルーノイズディザマトリクスの各画素に設定されている閾値の空間周波数特性を概念的に例示した説明図。 人間が有する視覚の空間周波数に対する感度特性である視覚の空間周波数特性VTF(Visual Transfer Function)を概念的に示した説明図。 本発明の実施例においてディザマトリックス最適化の対象となる印刷画像の生成方法の一例を示す説明図。 本発明の実施例において複数の画素グループの各々に属する印刷画素が、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって印刷媒体上に印刷画像が生成される様子を示す説明図。 本発明の第1実施例におけるディザマトリックスの生成方法の処理ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第1実施例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 ディザマトリックスMにおいて、1〜8番目にドットが形成されやすい閾値が格納された要素に対応する8個の画素の各々にドットが形成された様子を示す説明図。 本発明の第1実施例において4個の要素ブロックEB1〜EB4に分割されたディザマトリックスMを示す説明図。 本発明の第1実施例における要素ブロック選択処理における選択順序を示す説明図。 本発明の第1実施例において要素ブロックの中から格納候補要素が選択される様子を示す説明図。 ドット密度を定量的に表したドット密度マトリックスを示す説明図。 本発明の第1実施例の変形例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第1実施例の変形例における要素ブロック変更処理(その1)すなわち要素ブロックが新たに選択される様子の一例を示す説明図。 本発明の第1実施例の変形例における要素ブロック変更処理(その2)すなわち要素ブロックがシフトされる様子の一例を示す説明図。 本発明の第2実施例におけるディザマトリックスの生成方法の処理ルーチンを示すフローチャート。 本発明の第2実施例におけるグループ化処理が行われたディザマトリックスMを示す説明図。 本発明の第2実施例における4個の分割マトリックスM0〜M3を示す説明図。 本発明の第2実施例におけるディザマトリックス評価処理の処理ルーチン(ステップS300b)を示すフローチャート。 本発明の第2実施例における格納候補要素選択処理の様子を示す説明図。 全画素に形成されるドットの形成状態を数値化したドット密度マトリックスDdmaと、分割マトリックスM0の各要素に対応する画素に形成されるドットのみのドットの形成状態を数値化したドット密度マトリックスDdmgとを示す説明図。 第2実施例の変形例において要素ブロックが新たに選択される様子の一例を示す説明図。 第2実施例の変形例において要素ブロックが新たに選択される様子の他の例を示す説明図。 変形例で使用されるRMS粒状度の算出に使用されるローパスフィルタ示す説明図。 変形例で使用されるRMS粒状度を定義する式を表す説明図。 本発明の変形例としての印刷システムの構成を示すブロック図。 カラープリンタ20の概略構成図。
符号の説明
10...印刷ヘッド
20...カラープリンタ
22...モータ
24...キャリッジモータ
25...ローラ
30...キャリッジ
32...操作パネル
40...制御回路
56...コネクタ
60...印刷ヘッドユニット
90...コンピュータ
91...ビデオドライバ
95...アプリケーションプログラム
96...プリンタドライバ
97...解像度変換モジュール
98...色変換モジュール
99...減色モジュール
100...印刷データ生成モジュール
M...ディザマトリックス
M0...分割マトリックス
M1...分割マトリックス
M2...ディザマトリックス
M3...分割マトリックス
M1...分割マトリックス
EB1〜EB4...要素ブロック
DP1、DP1a...ドットパターン
DP2、DP2a...ドットパターン
DP3、DP3a...ドットパターン
DP4、DP4a...ドットパターン

Claims (9)

  1. 入力画像データに応じて、印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するための複数の閾値の各々を各要素に格納するディザマトリックスを生成するための方法であって、
    前記複数の閾値の中から、格納されるべき要素が未決定の閾値であって、かつ、ドットの形成が最もオンとなりやすい閾値を着目閾値として決定する着目閾値決定工程と、
    前記着目閾値を格納すべき要素の候補である複数の格納候補要素の各々に前記着目閾値が格納されたと仮定したときのドットの形成状態を想定して、それぞれ算出された所定の目標状態との相関を表すマトリックス評価値に基づいて、前記複数の格納候補要素の中から前記着目閾値の格納要素を決定する格納要素決定工程と、
    前記複数の閾値の少なくとも一部について、前記着目閾値決定工程と前記格納要素決定工程の各工程を繰り返す繰り返し工程と、
    を備え、
    前記格納要素決定工程は、
    前記格納要素の集合であって、前記ディザマトリックスの一部を構成する要素ブロックを抽出する要素ブロック抽出工程と、
    前記抽出された要素ブロックを構成する複数の格納要素の中から前記格納候補要素を順次選択する格納候補要素選択工程と、
    を含み、
    前記印刷画像は、前記ドットの形成において物理的な相違が想定された複数の画素位置グループの各々に属する印刷画素に形成されたドットが、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって形成され、
    前記格納要素決定工程は、
    前記印刷画像のドットの形成状態である第1のドット形成状態に基づいて、前記第1のドット形成状態と前記所定の目標状態との相関を表す評価値である全体評価値を決定する全体評価値決定工程と、
    前記複数の画素位置グループのうちの前記格納候補要素が属する画素位置グループに属する要素にのみ対応するドットの形成状態である第2のドット形成状態に基づいて、前記第2のドット形成状態と前記所定の目標状態との相関を表す評価値であるグループ評価値を決定するグループ評価値決定工程と、
    前記全体評価値と前記グループ評価値とに応じて、前記マトリックス評価値を決定する総合評価値決定工程と、
    を含む、ディザマトリックス生成方法。
  2. 請求項1記載のディザマトリックス生成方法であって、
    前記格納要素決定工程は、前記所定の目標状態との相関が最も高いマトリックス評価値を有する格納候補要素が、前記格納候補要素が属する要素ブロックの外延に隣接する場合には、前記外延の外側に隣接する要素の少なくとも一部を前記格納候補要素に追加する工程を含む、ディザマトリックス生成方法。
  3. 請求項1または2に記載のディザマトリックス生成方法であって、
    前記マトリックス評価値は、フーリエ変換処理を含む計算処理によって算出される粒状性指数であり、
    前記粒状性指数は、視覚の空間周波数特性に基づいて決定されたVTF関数と、前記フーリエ変換処理によって予め算出された定数との積に基づいて算出される、ディザマトリックス生成方法。
  4. 請求項1または2に記載のディザマトリックス生成方法であって、
    前記マトリックス評価値は、ローパスフィルタ処理を含む計算処理によって算出されるRMS粒状度である、ディザマトリックス生成方法。
  5. 印刷媒体上に印刷を行う印刷装置であって、
    元画像を構成する各画素の階調値を表す画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するとともに、前記決定されたドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成部と、
    前記ドットデータに応じて、前記各印刷画素にドットを形成して印刷画像を生成する印刷画像生成部と、
    を備え、
    前記ハーフトーン処理は、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法で生成されたディザマトリックスを使用して前記各印刷画素へのドットの形成状態を決定するように構成されていることを特徴とする、印刷装置。
  6. 印刷媒体上に印刷を行う印刷方法であって、
    元画像を構成する各画素の階調値を表す画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するとともに、前記決定されたドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成工程と、
    前記ドットデータに応じて、前記各印刷画素にドットを形成して印刷画像を生成する印刷画像生成工程と、
    を備え、
    前記ハーフトーン処理は、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法で生成されたディザマトリックスを使用して前記各印刷画素へのドットの形成状態を決定するように構成されていることを特徴とする、印刷方法。
  7. 印刷媒体上に印刷画像を形成する印刷物の生成方法であって、
    元画像を構成する各画素の階調値を表す画像データに対してハーフトーン処理を行うことによって、前記印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するとともに、前記決定されたドットの形成状態を表すドットデータを生成するドットデータ生成工程と、
    前記ドットデータに応じて、前記各印刷画素にドットを形成して印刷画像を生成する印刷画像生成工程と、
    を備え、
    前記ハーフトーン処理は、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法で生成されたディザマトリックスを使用して前記各印刷画素へのドットの形成状態を決定するように構成されていることを特徴とする、印刷物の生成方法。
  8. 入力画像データに応じて、印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するための複数の閾値の各々を各要素に格納するディザマトリックスを生成するための装置であって、
    前記複数の閾値の中から、格納されるべき要素が未決定の閾値であって、かつ、ドットの形成が最もオンとなりやすい閾値を着目閾値として決定する着目閾値決定部と、
    前記着目閾値を格納すべき要素の候補である複数の候補要素に想定されるドットの形成状態に基づいて算出された所定の目標状態との相関を表すマトリックス評価値に基づいて、前記複数の候補要素の中から前記着目閾値の格納要素を決定する格納要素決定部と、
    を備え、
    前記格納要素決定部は、
    前記格納要素の集合であって、前記ディザマトリックスの一部を構成する要素ブロックを抽出する要素ブロック抽出部と、
    前記抽出された要素ブロックを構成する複数の格納要素の中から前記候補要素を順次選択する候補要素選択部と、
    を含み、
    前記印刷画像は、前記ドットの形成において物理的な相違が想定された複数の画素位置グループの各々に属する印刷画素に形成されたドットが、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって形成され、
    前記格納要素決定部は、
    前記印刷画像のドットの形成状態である第1のドット形成状態に基づいて、前記第1のドット形成状態と前記所定の目標状態との相関を表す評価値である全体評価値を決定する全体評価値決定部と、
    前記複数の画素位置グループのうちの前記格納候補要素が属する画素位置グループに属する要素にのみ対応するドットの形成状態である第2のドット形成状態に基づいて、前記第2のドット形成状態と前記所定の目標状態との相関を表す評価値であるグループ評価値を決定するグループ評価値決定部と、
    前記全体評価値と前記グループ評価値とに応じて、前記マトリックス評価値を決定する総合評価値決定部と、を含む、ディザマトリックス生成装置。
  9. 入力画像データに応じて、印刷媒体上に形成されるべき印刷画像の各印刷画素へのドットの形成状態を決定するための複数の閾値の各々を各要素に格納するディザマトリックスをコンピュータに生成させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記複数の閾値の中から、格納されるべき要素が未決定の閾値であって、かつ、ドットの形成が最もオンとなりやすい閾値を着目閾値として決定する着目閾値決定機能と、
    前記着目閾値を格納すべき要素の候補である複数の格納候補要素の各々に前記着目閾値が格納されたと仮定したときのドットの形成状態を想定して、それぞれ算出された所定の目標状態との相関を表すマトリックス評価値に基づいて、前記複数の格納候補要素の中から前記着目閾値の格納要素を決定する格納要素決定機能と、
    前記複数の閾値の少なくとも一部について、前記着目閾値決定機能および前記格納要素決定機能による各処理を繰り返す繰り返し機能と、
    を前記コンピュータに実現させるプログラムを備え、
    前記格納要素決定機能は、
    前記格納要素の集合であって、前記ディザマトリックスの一部を構成する要素ブロックを抽出する要素ブロック抽出機能と、
    前記抽出された要素ブロックを構成する複数の格納要素の中から前記格納候補要素を順次選択する格納候補要素選択機能と、
    を含み、
    前記印刷画像は、前記ドットの形成において物理的な相違が想定された複数の画素位置グループの各々に属する印刷画素に形成されたドットが、共通の印刷領域で相互に組み合わせられることによって形成され、
    前記格納要素決定機能は、
    前記印刷画像のドットの形成状態である第1のドット形成状態に基づいて、前記第1のドット形成状態と前記所定の目標状態との相関を表す評価値である全体評価値を決定する全体評価値決定機能と、
    前記複数の画素位置グループのうちの前記格納候補要素が属する画素位置グループに属する要素にのみ対応するドットの形成状態である第2のドット形成状態に基づいて、前記第2のドット形成状態と前記所定の目標状態との相関を表す評価値であるグループ評価値を決定するグループ評価値決定機能と、
    前記全体評価値と前記グループ評価値とに応じて、前記マトリックス評価値を決定する総合評価値決定機能と、を含む、コンピュータプログラム。
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