JP3814921B2 - グレースケール画像のハーフトーニング方法、およびグレースケール画像のハーフトーニング手段を有する装置 - Google Patents
グレースケール画像のハーフトーニング方法、およびグレースケール画像のハーフトーニング手段を有する装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3814921B2 JP3814921B2 JP06604797A JP6604797A JP3814921B2 JP 3814921 B2 JP3814921 B2 JP 3814921B2 JP 06604797 A JP06604797 A JP 06604797A JP 6604797 A JP6604797 A JP 6604797A JP 3814921 B2 JP3814921 B2 JP 3814921B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pixel
- dot pattern
- black
- inter
- increased
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Color, Gradation (AREA)
- Image Processing (AREA)
- Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
- Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、インクジェットプリンタなどの記録装置やディスプレイなどの表示装置に用いられるディジタル画像のハーフトーニングにかかわり、特にグレースケール画像のハーフトーニングにおいて、より速い処理速度で好適なハーフトーン画像を得るために用いられるハーフトーニング方法とそれを有する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタやワイヤドットプリンタのような多くのプリンタ装置はオンデマンド型の画像出力装置である。画像を出力するにあたって、プリンタ装置が2値の入力画像データにより駆動されて、出力媒体(例えばインクなど)を紙面に吐出するかどうかをコントロールすることにより画像の出力を実現する。これらのプリンタ装置を駆動するために、出力画像に対応する2値の駆動信号が必要である。
【0003】
これに対して、銀塩写真の技術に基づいて生成されるモノクロ画像及びカラー画像は連続階調を持っている。また、ディジタルカメラやスキャナーのような画像入力機器においては、取り込んだ画像はディジタル形式に変換され、その1画素が8ビット又はそれ以上のビット数で表現される。これは連続階調を持つディジタル画像(Quantized Continuous image)である。この連続階調を持つディジタル画像をCRTなどの画像表示装置上に表示することで連続階調を持つ画像が再現できる。この連続階調を持つディジタル画像の出力を行うにあたって、銀塩写真を出力材料に使用する場合、連続階調を持つ画像を得ることができる。このようなプリンタ装置を用いれば、ディジタル画像において最も高い画質が実現できる。しかしながら、こういうプリンタ装置はまだ相当に高価なものであり、その使用範囲が制限されている。
【0004】
オンデマンド型のプリンタ装置を用いてディジタル画像の出力を行う際には、多値画像データ(1画素に8ビット又はそれ以上のビット数を有する画像データ)から二値画像データ(1画素に1ビットを有する画像データ)に変換する、いわゆるハーフトーニングの必要がある。しかしながら、簡単に多値画像データを二値画像データに変換すると、画像の階調特性が潰されて、画像が持つ情報量の多くを失ってしまう。画像の階調をなるべく潰さないように多値画像データを二値画像データにうまく変換することが非常に重要となる。
【0005】
この多値画像データを二値画像データに変換するアルゴリズムには、多くの手法が提案されている。その中で、比較的高いハーフトーン画像の画質を得ることができる方法の一つは、誤差拡散法である。誤差拡散法は、多値画像データから二値画像データに変換する際に生じた誤差(すなわち、多値画像データと二値画像データとの差)を隣接する複数の画素へ重み係数を加えて「拡散」するものである。この操作によって、多値のオリジナル画像と二値化されたハーフトーン画像の間に生じた誤差を平均的に最小にすることができ、優れる画質を持つハーフトーン画像が生成される。しかしながら、誤差拡散法には、誤差を拡散するために、乗算を含むいくつかの計算をする必要がある。これは高速処理や大容量の画像処理が必要とする場合には、大きな欠点となる。さらに、誤差拡散法により生成されるハーフトーン画像には、独特の縞模様があり、良い画質を得るために、多くの改良が試行されている。
【0006】
それに対して、計算量を減らし、高速的に多値の画像データを二値の画像データに変換する方法もいくつか存在する。その中で、最も多く用いられるのはディザ法(Dither method)と濃度パターン法(Dot Pattern Method)である。濃度パターン法は入力の連続階調画像の1画素をハーフトーン画像の複数の画素に対応させ、複数の二値の画素を用いて連続階調画像の1画素を表現しようとするものである。この方法は、デレビ画像のような比較的画素の容量が少ない画像の出力に多く用いられる。一方、高解像度プリンタのような高解像度の画像を扱う場合には、ディザ法が多く用いられる。ディザ法では、図7に示されるように、一つのディザマトリクス701を用いて、入力の連続階調画像データf(x,y)700とディザマトリクスのしきい値t(x,y)とを1画素対1画素で比較して、例えば、 f(x,y)≧ t(x,y)の場合二値の画像データは1、 f(x,y)<t(x,y)の場合二値の画像データは0になるように、多値の画像データを二値の画像データに変換し、ハーフトーン画像702を得る。ここで、入力連続階調画像の1画素がハーフトーン画像の1画素に対応する。
【0007】
ディザ法は、用いられるディザマトリクスによって、ランダムディザ法(Random Dither method )と組織的ディザ法(Ordered Dither method )に分けられる。ランダムディザ法では、用いられるディザマトリクスがしきい値が一様分布する乱数を用いて構成され、これにより、画像全体に粒状性ノイズが乗り、よい画質を得ることが困難であることからあまり用いられていない。
【0008】
組織的ディザ法では、用いられるディザマトリクスはしきい値が規則的に配置される。組織的ディザマトリクスは、数多くのタイプがあるが、ドット集中型とドット分散型の2種類に大別される。ドット集中型は、階調を表現するために、ディザマトリクスの中心を核として、順次に太っていくものである。分散型は、ドットの空間周波数がなるべく高周波数になるようにドットを配置する。Bayerディザマトリクスがその代表的である。ドット分散型は、ドットの空間周波数が高いので、ハーフトーン画像がきめ細かく見える。しかしながら、組織的ディザ法により生成されるハーフトーン画像には、規則的な縞模様が生じられ、特に、入力連続階調画像の中に規則的なパターンを含む場合、その縞模様が多く生じる。また、プリンタ装置で出力したこれらのハーフトーン画像を再び入力機器(ディジタルカメラやスキャナーなど)を用いて入力する場合に、得られたディジタル画像の中には、縞模様がよく現れる。これは、ハーフトーン画像の画質に大きな影響を与えている。
【0009】
組織的ディザ法のこれらの欠点を改善し、そしてノイズ性が少ないより好ましいハーフトーン画像の画質を得るために、ランダム分散型の組織的ディザ法が提案されている。このランダム分散型の組織的ディザ法には、縞模様を抑えるためにドットをランダム的に配置する一方、粒状性ノイズを減少するために、ドットパターンをなるべく均質にする。この方法についていくつかの先行技術が開発されている。
【0010】
これらの先行技術の一つが「ブルーノイズマスク」と呼ばれるものである。ホワイトノイズと比べて、ブルーノイズは、低周波数成分を持たず、高周波数成分からなるノイズである。ブルーノイズマスクで生成されるドットパターンは、非周期的で放射状に対称性のものであり、周波数特性においては、低周波数パワースペクトルが少なく、画像のパワースペクトルが高周波数領域に集中している。これは、前述の誤差拡散法により生成されるドットパターンの周波数空間においての分析によりもたらしたものである。図8にブルーノイズマスクを生成するアプローチを簡単に示す。ステップ800に初期ドットパターンに任意の位置にk個(例えば、k=1)の黒画素を増加する。
【0011】
ここで、黒画素は出力のハーフトーン画像、又はドットパターンにおけるドットに対応し、黒画素以外の画素を白画素という。
【0012】
続いてステップ801に、このドットパターンp(x,y)のフーリエ変換を行い、ドットパターンのフーリエスペクトルP(u,v)を得る。ステップ802に、ブルーノイズフィルタをP(u,v)に適用し、P'(u,v)を得る。次に、ステップ803にP'(u,v)の逆フーリエ変換を行い、連続階調を持つ画像p'(x,y)を得る。ステップ804に、この連続階調を持つ画像p'(x,y)とドットパターンp(x,y)との誤差を計算して、ステップ805に誤差アレイとドットパターンに基づいて一定の規則にしたがって白画素と黒画素を転換する。このような操作によって1個の黒画素を増加させ、それに対応するディザマトリクスのしきい値をも決定する。ブルーノイズマスクについては、米国特許第5,543,941号明細書に詳述されている。
【0013】
ランダム分散型の組織的ディザマトリクスを生成する別の先行技術として、「空白と密集の方法」と呼ばれるものがある。この技術においては、初期パターンから出発して最大の「密集」から画素を取り出して、それらを最大の「空白」に挿入することによって、ドットパターンを均質化にし、このドットパターンからディザマトリクスのしきい値を割り当てる。ここで、空白及び密集は、処理されている各画素に接する隣接の画素を調べるフィルタにより位置検出される。フィルタは2次元のガウスフィルタなどが用いられる。この空白と密集の方法については、"The Void-and-Cluster Method for Dither Array Generation", Robert Ulichney, IS&T/SPIE Symposium on Electronic Imaging Science and Technology, San Jose, California, (February 3, 1993)などの参考文献に詳しく述べている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前述のブルーノイズマスクを用いて生成されるハーフトーン画像は誤差拡散法に近い優れる画質を得ることができる一方、ブルーノイズマスクを生成するためのアルゴリズムが複雑であり、生成時間が比較的長くなる。周波数空間と画像空間との間の変換(フーリエ変換、逆フーリエ変換)やフィルタ処理、誤差の判断などの複雑な処理によりドットパターンを均質化にし、これらのドットパターンからディザマトリクス(ブルーノイズマスク)を生成するからである。
【0015】
また、空白と密集の方法により生成されるディザマトリクスを用いることにより、一般的にノイズ性がない高画質なハーフトーン画像が生成されるが、その階調にはまだ多少のひずみがあり、さらに改良の余地がある。また、空白及び密集を発見するために、2次元のガウスフィルタを使用して処理を行うなど、比較的複雑なアルゴリズムになってしまい、ディザマトリクスの生成時間も長くなる。
【0016】
この発明の目的はランダム分散型組織的ディザマトリクスを用いたグレースケール画像のハーフトーニングを行うにあたって、使用されるディザマトリクスを生成するためのより簡潔で、そしてハーフトーン画像の高画質を確保できるアルゴリズムを開発し、処理速度の向上、アルゴリズムの簡潔化及びハーフトーン画像の高画質の確保を図ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ドットパターンにおいて黒画素を増やすべき増加位置を決定し、前記ドットパターンの前記増加位置に対応するディザマトリクスのしきい値を決定し、前記ドットパターンにおいて前記増加位置の白画素を黒画素に転換し、黒画素が増加したドットパターンを次の黒画素の増加位置を決定するためのドットパターンとして使用し、生成したディザマトリクスを用いて入力画像のハーフトーニングを行うハーフトーニング方法において、黒画素と白画素との画素間距離と、前記画素間距離の平均値と、の差の2乗に前記画素間距離の逆数に基づく重み係数を乗じた総和によって算出される画素間距離の分散に基づいて、前記増加位置が決定されることを特徴とする。さらには、ディザマトリクスを用いて入力画像のハーフトーニングを行う印刷装置において、前記ディザマトリクスは、ドットパターンにおいて黒画素を増やすべき増加位置を決定し、前記ドットパターンの前記増加位置に対応するディザマトリクスのしきい値を決定し、前記ドットパターンにおいて前記増加位置の白画素を黒画素に転換し、黒画素が増加したドットパターンを次の黒画素の増加位置を決定するためのドットパターンとして使用することによって生成され、黒画素と白画素との画素間距離と、前記画素間距離の平均値と、の差の2乗に前記画素間距離の逆数に基づく重み係数を乗じた総和によって算出される画素間距離の分散に基づいて、前記増加位置が決定されることを特徴とする。
【0018】
また、大幅にディザマトリクスの生成時間を減少するために、前回の計算結果を保存して、次回の計算に用いるように漸化式を使用して分散が計算できる。
【0019】
【発明の他の態様】
本発明の他の態様としては、かかるグレースケール画像のハーフトーニング方法をコンピュータ上で実現するために必要なプログラムをコンピュータにより読み取り可能に記録した記録媒体の態様がある。こうした記録媒体としては、フレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク等が考えられる。これらの記録媒体はコンピュータ上の読み取り装置に装着され、電気的、磁気的あるいは光学的な手段等によってコンピュータ上のメモリにロードされるか、あるいは直接媒体上のプログラムを実行することによって、コンピュータ上で上述したハーフトーニングの機能を実現する。
【0020】
また、コンピュータ上にロードされ、上記ハーフトーニングの機能を実現するプログラムを通信回線を介して供給する供給装置としての構成でもよい。プログラムはすべてがコンピュータのメモリ、外部記憶手段等にロードされてもよいが、一部のみをロードして、通信回線上の供給装置から他のプログラムを呼び出しつつ実行する形態でもよい。コンピュータと供給装置(サーバ)との機能の負荷分散は実現する機能により最適化すればよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は画素間距離の分散を用いてドットパターンの均質を保つことを示す。ここで、ディザマトリクスのサイズ(ドットパターンのサイズと同じ)は256×256とする。簡単のために、初期ドットパターンに位置(40,40)、(214,40)、(40,214)、(214,214)にあるa,b,c,d4個の黒画素がすでに存在し、これらの位置に対応するディザマトリクスのしきい値が別々に1,2,3,4とする。最も均質なドットパターンを得るために、初期ドットパターンに5番目の黒画素を増加する位置は(127,127)の白画素eのところにあるはずである(これに対応してディザマトリクスの位置(127,127)にあるしきい値が5になる)。ここで、白画素eはa,b,c,d4個の黒画素との距離が等しく、距離の分散が0であることから、周りの複数個の黒画素との距離の分散が最も小さい白画素の位置は次の黒画素が増加すべき位置であることがわかる。この性質を利用して、ランダム分散型組織的ディザマトリクスを生成することができる。
【0022】
図2は本発明の一実施例にかかわるコンピュータのハードウェアの環境を示すものである。これは代表的なコンピュータシステムの構成例である。コンピュータ200は中央ユニット(CPU)201によって制御され、ほかの多くのユニットはいずれもシステムバス207を介して接続されている。例えば、情報を一時的に保存するためのランダムアクセスメモリ(RAM)202、コンピュータの基本情報を保存するリードアクセスメモリ(ROM)203、ディスクユニット210、表示装置208、プリンタ装置209、キーボード211などをシステムバスに接続する。
【0023】
本実施例において、ディザマトリクスの生成が図2に示されたコンピュータシステム上でなされる。なお、生成されたディザマトリクスをこのシステムに応用してグレースケール画像のハーフトーニングを行い、得られたハーフトーン画像を表示装置に表示したり、プリンタ装置を用いてハーフトーン画像を出力する。
【0024】
ランダム分散型組織的ディザマトリクスを生成するにあたって、図3に示す装置が用いられる。この装置は、ドットパターンを保存するメモリ300、画素間距離の分散の計算部302、最小分散の判別部303、黒画素の増加位置とそれに対応するディザマトリクスのしきい値の記録部304及びBayerマトリクスを用いた黒画素の増加すべき小領域の決定部301からなる。
【0025】
ここで、 Bayerマトリクスを用いた黒画素の増加すべき小領域の決定部301を設けるのは、前述のように連続増加した複数の黒画素をなるべく大きな間隔で配置し、ドットパターンの均質を最大限にするためである。ここで、ドットパターンを複数の小領域に分けて、Bayerマトリクスのしきい値で示される順番にしたがって黒画素が増加すべき小領域を決定し、決定された小領域内に1個の黒画素を増加させる。本実施例において、ドットパターンを4×4個の小領域に分けて、4×4のBayerマトリクスのしきい値で示される順番を用いて黒画素の増加すべき小領域の順序を決定する。図4はこの小領域の分け方を示すものである。図中の数字が黒画素の増加すべき小領域を示す。例えば、k番目の黒画素が0で示した小領域内401に増加とすれば、k+1番目の黒画素が1で示した小領域内402に増加する。これに対応して、ディザマトリクスのこれらの位置にあるしきい値がkとk+1である。この順番にしたがって繰り返して黒画素を増加していく。このように、連続増加した16個の黒画素は平均的に最も大きい間隔で配置する。
【0026】
このように、Bayerマトリクスのしきい値で示される順番によって黒画素の増加すべき小領域を決定し、決定された小領域内に1個の黒画素を増加するために、画素間距離の分散の計算部302、この小領域内に最も分散が小さい白画素位置を判断する判断部303、黒画素の増加位置とこの位置に対応するディザマトリクスのしきい値を記録するための記録部304を用いて行われる。1個の黒画素が増加したドットパターンをまた初期ドットパターンとして次の黒画素の増加位置を決定するために使用する。
【0027】
本実施例において、画素間距離の分散を計算するには、以下に述べられる手法を用いて行う。図5の中に、ドットパターン500の中のある白画素p(x0,y0)四501とその周りにある黒画素p(xi,yi)502との距離diを
【0028】
【数1】
【0029】
で計算する。白画素p(x0,y0)501とそれを中心としたある範囲R0(503)内に存在するすべての黒画素p(xi,yi)との距離の分散σ(x0,y0)を
【0030】
【数2】
【0031】
で計算する。以下、説明上の便利のために、σ(x0,y0)を白画素p(x0,y0)にある距離の分散ということにする。ここで、 averageは白画素p(x0,y0)501と範囲R0(503)内に存在するすべての黒画素との距離の平均値である。範囲R0(503)のサイズと形状が変化できる。範囲R0(503)はドットパターンの範囲を超えた場合、ドットパターン500の周りに8個の同じドットパターンが連続的につながっていることと想定して計算を行う。例えば、ドットパターン500のサイズは256×256、範囲R0(503)のサイズは201×201、白画素p(x0,y0)501の位置は(10,10)とする。この場合、範囲R0(503)の半分以上がドットパターン500の外部にある。ドットパターン500の縁部分のドットの均質を保つために、ドットパターン500外部にある範囲R0(503)の部分を考慮する必要がある。実際の計算には、この部分に対応するドットパターンの画素を使って計算を行う。
【0032】
黒画素を増加する際に、局所的なドットの均質を図る必要がある。白画素p(x0,y0)501に近いほど、黒画素の影響が大きくなるため、本実施例では、白黒画素間の距離の逆数に比例する重み係数を加えた式3を用いて分散を計算する。
【0033】
【数3】
【0034】
また、黒画素が増加する後、ドットパターン全体にわたって白画素にある距離の分散をあらためて計算する必要がある。これは、膨大な計算量になる。そこで、本実施例では、以下に述べられる漸化式の使用を含むアプローチに基づいてディザマトリクスを生成する。
【0035】
図6はディザマトリクスを生成するためのフローチャート図である。まず、ステップ601において16個黒画素を有するほぼ均質な初期ドットパターンを生成し、これらの位置に対応するディザマトリクスしきい値を決定する。本実施例では、この初期ドットパターンの生成を手作業で行う。
【0036】
次に、ステップ602にすべての白画素にある距離の分散を式3を用いてあらかじめ計算し、メモリに保存する。ステップ604に、Bayerマトリクスのしきい値で示される順番にしたがって黒画素が増加すべき小領域を決定する。ステップ605に、決定された小領域内に距離の分散値が一番小さい白画素を判断する(ここで、図5の中のp(xm,ym)504を距離の分散が一番小さい白画素とする)。ステップ606に位置(xm,ym)に対応するディザマトリクスのしきい値を記録して、白画素p(xm,ym)504を黒画素に転換する。このような操作によってドットパターンの中に1個の黒画素が増加する。
【0037】
1個の黒画素が増加した後、ステップ608には、ドットパターンの中に、白画素が存在するかどうかを調べる。もし白画素が存在すれば、ステップ603に戻って引き続き次の黒画素の増加すべき位置を決めていく。ステップ603に戻る前に、1個の黒画素が増加することによってドットパターンの中にすべての白画素にある距離の分散に影響を与えることから、次の黒画素の増加すべき位置を正確に決めるために、ステップ607にこれらの分散をあらためて計算する必要がある。本実施例では、計算量の減少のため、その影響がp(xm,ym)を中心としたサイズが201×201の範囲Rm505内に限定され、範囲Rm505内の白画素にある距離の分散をあらためて計算する。
【0038】
範囲Rm505内の白画素にある距離の分散の計算において、漸化式を用いて行う。これは、計算量を大幅に削減するために必要がある。ここで、図5の中に白画素p(x0,y0)501にある距離の分散の計算を例とする。漸化式を式4に示す。
【0039】
【数4】
【0040】
ここで、σnは白画素p(x0,y0)501を中心とした範囲R0(503)内にn個の黒画素が存在するときの白画素p(x0,y0)501にある距離の分散値、σn+1は白画素p(xm,ym)が黒画素に転換したため範囲R0(503)内に黒画素の数がn+1なるときの白画素p(x0,y0)501にある距離の分散値、dsumは範囲R503内にn個の黒画素が存在するときの白画素p(x0,y0)501とそのn個の黒画素との距離の総和、idsumは白画素p(x0,y0)501とそのn個の黒画素との距離の逆数の総和、dn+1 は白画素p(x0,y0)501と画素p(xm,ym)504との距離である。このσn、dsum、idsumはすでにメモリに保存しているから、σn+1を計算するために、まず dn+1 を計算して、次に式(4)を用いて行う。これは少ない計算量で済む。
【0041】
ドットパターンの中に、白画素が存在しないまで続けてステップ603からステップ608までの処理を行い、ディザマトリクスのすべての位置にもしきい値を割り当てた後一つのディザマトリクスが生成される。
【0042】
このように、画素間距離の分散という明瞭な概念に基づきランダム分散型の組織的ディザマトリクスを生成する簡潔なアルゴリズムができて、そして、ドットパターンにおけるドットの均質を良く保ち、ハーフトーン画像の高画質の確保と処理速度の向上ができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、ディザマトリクスを用いたグレースケール画像及びカラー画像のハーフトーニングにおいて、ドットパターンにおけるドットの均質を最大限に確保し、ハーフトーン画像の高画質が得られる同時に、より簡潔な手法と短時間でハーフトーニングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明においてディザマトリクス作成の一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例に用いられる代表的なコンピュータシステムのハードウェア構成図である。
【図3】本発明の一実施例に用いられるディザマトリクスの生成装置を示す構成図である。
【図4】本発明においてディザマトリクス作成の一実施例を示す説明図である。
【図5】本発明において距離の分散の計算方法を示す図である。
【図6】本発明においてディザマトリクス作成のフローチャートである。
【図7】従来のディザ法によるグレースケール画像のハーフトーニングを示す図である。
【図8】従来のブルーノイズマスクを生成するための簡単なアプローチ図である。
【符号の説明】
200.コンピュータ
201.CPU
202.RAM
203.ROM
208.表示装置
209.プリンタ
210.ディスク装置
211. キーボード
300.メモリ
301.黒画素の増加すべき小領域の決定部
302.画素間距離の分散の計算部
303.最小分散の判別部
304.ディザマトリクスのしきい値の記録部
Claims (14)
- ドットパターンにおいて黒画素を増やすべき増加位置を決定し、
前記ドットパターンの前記増加位置に対応するディザマトリクスのしきい値を決定し、
前記ドットパターンにおいて前記増加位置の白画素を黒画素に転換し、黒画素が増加したドットパターンを次の黒画素の増加位置を決定するためのドットパターンとして使用し、
生成したディザマトリクスを用いて入力画像のハーフトーニングを行うハーフトーニング方法において、
黒画素と白画素との画素間距離と、前記画素間距離の平均値と、の差の2乗に前記画素間距離の逆数に基づく重み係数を乗じた総和によって算出される画素間距離の分散に基づいて、前記増加位置が決定される
ことを特徴とするハーフトーニング方法。 - 前記入力画像がグレースケール画像であることを特徴とする請求項1記載のハーフトーニング方法。
- 前記入力画像がカラー画像であることを特徴とする請求項1記載のハーフトーニング方法。
- 前記画素間距離の分散を、注目する白画素とそれを中心とした一定の形状とサイズの範囲内のすべての黒画素との間に計算することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記画素間距離の分散を、漸化式により計算することを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記ドットパターンを複数個の小領域に分けて、一定の順番に従って黒画素の増加すべき小領域を決定し、決定された小領域内に1個の黒画素を増加させることにより生成されたディザマトリクスを用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハーフトーニング方法。
- 前記黒画素の増加すべき小領域の決定において、Bayerマトリクスのしきい値で示される順番にしたがって決定することを特徴とする請求項6記載の方法。
- ディザマトリクスを用いて入力画像のハーフトーニングを行う印刷装置において、
前記ディザマトリクスは、
ドットパターンにおいて黒画素を増やすべき増加位置を決定し、
前記ドットパターンの前記増加位置に対応するディザマトリクスのしきい値を決定し、
前記ドットパターンにおいて前記増加位置の白画素を黒画素に転換し、黒画素が増加したドットパターンを次の黒画素の増加位置を決定するためのドットパターンとして使用する
ことによって生成され、
黒画素と白画素との画素間距離と、前記画素間距離の平均値と、の差の2乗に前記画素間距離の逆数に基づく重み係数を乗じた総和によって算出される画素間距離の分散に基づいて、前記増加位置が決定される
ことを特徴とする印刷装置。 - 前記入力画像がグレースケール画像であることを特徴とする請求項8記載の印刷装置。
- 前記入力画像がカラー画像であることを特徴とする請求項8記載の印刷装置。
- 前記画素間距離の分散を、注目する白画素とそれを中心とした一定の形状とサイズの範囲内のすべての黒画素との間に計算することを特徴とする請求項8記載の装置。
- 前記画素間距離の分散を、漸化式により計算することを特徴とする請求項8記載の装置。
- 前記ドットパターンを複数個の小領域に分けて、一定の順番に従って黒画素の増加すべき小領域を決定し、決定された小領域内に1個の黒画素を増加させることにより生成されたディザマトリクスを用いることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の装置。
- 前記黒画素の増加すべき小領域の決定において、Bayerマトリクスのしきい値で示される順番にしたがって決定することを特徴とする請求項13記載の装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06604797A JP3814921B2 (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | グレースケール画像のハーフトーニング方法、およびグレースケール画像のハーフトーニング手段を有する装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06604797A JP3814921B2 (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | グレースケール画像のハーフトーニング方法、およびグレースケール画像のハーフトーニング手段を有する装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10262151A JPH10262151A (ja) | 1998-09-29 |
JP3814921B2 true JP3814921B2 (ja) | 2006-08-30 |
Family
ID=13304581
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06604797A Expired - Fee Related JP3814921B2 (ja) | 1997-03-19 | 1997-03-19 | グレースケール画像のハーフトーニング方法、およびグレースケール画像のハーフトーニング手段を有する装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3814921B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4392082B2 (ja) | 1999-08-06 | 2009-12-24 | ヒューレット・パッカード・カンパニー | 彫版風ハーフトーン画像生成方法・装置 |
JP2004336163A (ja) * | 2003-04-30 | 2004-11-25 | Minolta Co Ltd | 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム |
JP2005224983A (ja) * | 2004-02-10 | 2005-08-25 | Seiko Epson Corp | 所定領域内に形成されるドット個数の情報に基づいて画像を出力する画像出力システム |
WO2005076592A1 (ja) * | 2004-02-10 | 2005-08-18 | Seiko Epson Corporation | 所定領域内に形成されるドット個数の情報に基づいて画像を出力する画像出力システム |
JP4765635B2 (ja) * | 2005-09-15 | 2011-09-07 | セイコーエプソン株式会社 | 高画質ハーフトーン処理 |
JP4240043B2 (ja) | 2006-03-17 | 2009-03-18 | セイコーエプソン株式会社 | ディザマトリックスの生成 |
US11025869B2 (en) * | 2019-08-08 | 2021-06-01 | SK Hynix Inc. | Image sensor, image sensor processor, and image processing system including the same |
-
1997
- 1997-03-19 JP JP06604797A patent/JP3814921B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10262151A (ja) | 1998-09-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0409915B1 (en) | Circuit halftoning with minimum visual modulation patterns | |
US7440139B2 (en) | Systems and methods for controlling a tone reproduction curve using error diffusion | |
US5602943A (en) | Digital halftoning space filling curves | |
JP3381755B2 (ja) | 画像の粒状性を減らすための改良された適応性のあるフィルタリングおよび閾値設定の方法及び装置 | |
US6563957B1 (en) | Tone dependent error diffusion | |
US5343309A (en) | Image processing system and method employing adaptive filtering to provide improved reconstruction of continuous tone images from halftone images including those without a screen structure | |
JP4740987B2 (ja) | ハーフトーン化方法 | |
US6101285A (en) | Filter for producing continuous tone images from halftone digital images data | |
JP4100782B2 (ja) | 誤差拡散値の処理方法 | |
EP0544511A2 (en) | Halftoning with enhanced dynamic range and edge enhanced error diffusion | |
EP1798951B1 (en) | Method, apparatus and computer program for halftoning digital images | |
EP0659012A2 (en) | Method for quantization of gray level pixel data with extended distribution set | |
EP0560285A1 (en) | Method and apparatus for generating simultaneously derived correlated digital halftone patterns | |
JP2003046777A (ja) | マスク作成方法、画像処理装置、ソフトウェアプログラム、並びにマスクデータ | |
JPH09130608A (ja) | 確率ディザリングを最小密度分散と共に使用するハーフトーン化方法 | |
Lee et al. | Inkjet printer model-based halftoning | |
JP3973734B2 (ja) | 電子イメージ処理システム及び処理方法 | |
JP4149269B2 (ja) | 中間ドットを用いた誤差拡散方法及びシステム | |
US6025930A (en) | Multicell clustered mask with blue noise adjustments | |
JP3814921B2 (ja) | グレースケール画像のハーフトーニング方法、およびグレースケール画像のハーフトーニング手段を有する装置 | |
JPH0622123A (ja) | ディジタル画像用ハーフトーンマスク及びその作成方法 | |
JP4335394B2 (ja) | 高アドレス可能二値画像を回転させる方法及び装置 | |
JP5124268B2 (ja) | 好ましいパターンの間での補間によってディザ・マスクを生成する方法および装置 | |
JPH0998290A (ja) | 画像記録装置及び画像記録方法 | |
JP2003110849A (ja) | デジタル画像の多階調処理方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050405 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060207 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060407 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20060407 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060516 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060529 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100616 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110616 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110616 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120616 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |