JP5703579B2 - 印刷装置、印刷方法、印刷データ生成プログラム、ディザマスクの生成方法 - Google Patents

印刷装置、印刷方法、印刷データ生成プログラム、ディザマスクの生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、印刷ヘッドからインクを印刷媒体に吐出して印刷を行う印刷装置に関する。
シリアル方式のインクジェット式プリンターでは、複数のノズルを備えた印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向および副走査方向に相対移動させながら、当該ノズルからインクを吐出して、印刷媒体上にドットを形成して印刷を行う。かかるインクジェット式プリンターでは、印刷ヘッドのノズルから吐出されたインクの印刷媒体への着弾位置が目標位置からずれる位置ずれを起こすことがある。こうした位置ずれの要因としては、印刷ヘッドの動作精度の問題、紙送り精度の問題などが挙げられる。例えば、印刷ヘッドの往動と復動のインク吐出タイミングが厳密に一定していないと、印刷ヘッドの往動で形成されるドット群と、復動で形成されるドット群との相対的な位置関係が目標位置からずれることとなる。あるいは、ある程度以上のインクを印刷媒体に吐出すると、紙が伸縮して波打つこと(いわゆるコックリング)により、印刷ヘッドと印刷媒体との距離が、往動と復動とで異なることになり、その結果、ドットが目標位置からずれて形成される。
このような位置ずれが生じると、ドット配置の局所的な疎密の偏りを生じる。かかる疎密の偏りが大きくなれば、印刷画像の局所的な濃度ムラを招き、印刷画質が低下する。このような濃度ムラの現象は、印刷速度が高速化されるほど顕著となる。かかる問題は、シリアル方式のインクジェット式プリンターに限らず、印刷媒体の共通の印刷領域に複数の異なるタイミングでインクを吐出してドットを形成し、当該複数のタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する印刷装置に共通するものであった。例えば、複数の印刷ヘッドを印刷媒体の幅方向の全体に亘って千鳥形状に配列し、隣接する印刷ヘッド同士の一部をオーバーラップさせたラインプリンターでも、千鳥形状に配置された印刷ヘッドからのインクの吐出タイミングの違いから同様の問題が生じ得た。
特開2007−49443号公報
上述の問題の少なくとも一部を踏まえ、本発明が解決しようとする課題は、インクの吐出タイミングの違いに起因して生じる濃度ムラによって印刷画質が低下することを抑制することである。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]印刷ヘッドからインクを印刷媒体に吐出して印刷を行う印刷装置であって、
画像を構成する画像データを入力する入力部と、
前記入力した画像データに基づいて、ドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理部と、
前記生成したドットデータに基づいて、前記印刷媒体の共通の印刷領域に、前記印刷媒体に対する前記インクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミングで前記印刷ヘッドから前記インクを吐出してドットを形成し、該複数の異なるタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する印刷部と
を備え、
前記ハーフトーン処理部は、少なくとも所定の印刷階調範囲において、前記異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数を制御して、前記ドットデータを生成する
印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、印刷媒体の共通の印刷領域に、印刷媒体に対するインクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミングで印刷ヘッドからインクを吐出してドットを形成し、複数の異なるタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する際に、異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数を制御することができる。ペアドットは、異なるタイミングで形成されるドット間で位置ずれが生じた際に濃度ムラの要因となるが、かかる構成とすれば、低階調の印刷領域から高階調の印刷領域にかけて、ペアドットの数が急激に増加することを抑制することができる。その結果、位置ずれが生じたドットが濃度ムラとして視認されることを抑制することができる。
[適用例2]前記ペアドットの数は、該ペアドットを構成し、前記異なるタイミングで形成されるドットの並び順を区分して制御される適用例1記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、異なるタイミングで形成されるドットの並び順を区分して、ペアドットの数を制御する。ペアドットは、位置ずれが生じた際に、その並び順によって、印刷媒体上のドットの形成面積が大きくなるものと、小さくなるものとがあるが、かかる構成によれば、その両方の数を制御することができるので、印刷媒体におけるドットが形成される面積の変化を抑制することができる。その結果、濃度ムラの発生を抑制することができる。
[適用例3]前記ハーフトーン処理部は、前記少なくとも所定の印刷階調範囲において、前記ペアドットの数の制御と併せて、前記ペアドットが分散して配置されるように、該ペアドットの配置を制御して、前記ドットデータを生成する適用例1または適用例2記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、位置ずれが生じた際に濃度ムラの要因となるペアドットが分散して配置されるように制御するので、ペアドットが局所的に集中することがない。したがって、位置ずれが生じた場合でも、局所的に大きな濃度ムラが発生することを抑制することができる。
[適用例4]前記ペアドットの配置は、該ペアドットを構成し、前記異なるタイミングで形成されるドットの並び順を区分して制御される適用例3記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、異なるタイミングで形成されるドットの並び順を区分して、それぞれの並び順のペアドットが分散して配置されるように制御するので、位置ずれが生じた際に印刷媒体上のドットの形成面積が大きくなるペアドットのみ、あるいは、小さくなるペアドットのみが局所的に集中することがない。したがって、位置ずれが生じた場合でも、局所的に大きな濃度ムラが発生することを抑制することができる。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれか記載の印刷装置であって、前記印刷部は、前記印刷ヘッドを前記印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら印刷を行い、前記複数のタイミングは、前記印刷ヘッドが前記主走査方向のうちの一方の方向に相対移動する往動のタイミングと、該一方の方向とは反対の方向に相対移動する復動のタイミングである印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、往動と復動とでドットを形成する印刷装置にも好適に適用することができる。往動と復動との間でのドット形成のタイミングの違いは、位置ずれが生じやすいものであるが、上述した構成によって、濃度ムラとして視認されることを好適に抑制することができる。
本発明は、適用例6の印刷方法としても実現することができる。なお、適用例1ないし適用例5のいずれかの態様を付加することも可能である。
[適用例6]印刷媒体の共通の印刷領域に、前記印刷媒体に対するインクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミングで印刷ヘッドから前記インクを吐出してドットを形成し、該複数の異なるタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する印刷方法であって、画像を構成する画像データを入力し、前記生成したドットデータに基づいて、少なくとも所定の印刷階調範囲において、前記異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数を制御して、ドットの形成の有無を表すドットデータを生成し、前記生成したドットデータに基づいて、前記印刷画像を出力する印刷方法。
本発明は、適用例7のプログラムとしても実現することができる。なお、適用例1ないし適用例5のいずれかの態様を付加することも可能である。
[適用例7]印刷媒体の共通の印刷領域に、前記印刷媒体に対するインクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミングで印刷ヘッドから前記インクを吐出してドットを形成し、該複数の異なるタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する印刷装置で印刷を行う印刷データを生成する印刷データ生成プログラムであって、画像を構成する画像データを入力する入力機能と、前記生成したドットデータに基づいて、少なくとも所定の印刷階調範囲において、前記異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数を制御して、ドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理機能とをコンピューターに実現させる印刷データ生成プログラム。
[適用例8]複数の格納要素の各々に閾値が格納されたディザマスクの生成方法であって、前記ディザマスクは、印刷媒体の共通の印刷領域に、前記印刷媒体に対するインクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミングで印刷ヘッドから前記インクを吐出してドットを形成し、該複数の異なるタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する印刷装置において、前記印刷画像の所定の階調値に対して、前記閾値が格納された格納要素の配置に基づいて、前記印刷媒体上に所定の形成パターンでドットを生じさせるハーフトーン処理に用いられ、前記ドットの形成パターンに現れる、前記異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数を指標として、前記閾値の少なくとも一部が格納される前記格納要素の配置を決定するディザマスクの生成方法。
かかるディザマスクの生成方法は、ディザマスクのドットの形成パターンに現れるペアドットの数を制御することができる。したがって、かかる方法によって生成したディザマスクを用いてハーフトーン処理を行えば、適用例1と同様の効果を奏する。
[適用例9]前記指標となるペアドットの数は、前記ペアドットを構成し、前記異なるタイミングで形成されるドットの並び順を区分した場合の、該区分ごとのペアドットの数である適用例8記載のディザマスクの生成方法。
かかるディザマスクの生成方法は、ディザマスクのドットの形成パターンに現れるペアドットの数を、異なるタイミングで形成されるドットの並び順を区分して、制御することができる。したがって、かかる方法によって生成したディザマスクを用いてハーフトーン処理を行えば、適用例2と同様の効果を奏する。
[適用例10]前記ペアドットの数と併せて、前記ドットの形成パターンに現れる、前記ペアドットの分散の程度を指標として、前記格納要素の配置を決定する適用例8または適用例9記載のディザマスクの生成方法。
かかるディザマスクの生成方法は、ディザマスクのドットの形成パターンに現れるペアドットの配置を分散させることができる。したがって、かかる方法によって生成したディザマスクを用いてハーフトーン処理を行えば、適用例3と同様の効果を奏する。
[適用例11]前記指標となるペアドットの分散の程度は、前記ペアドットを構成し、前記異なるタイミングで形成されるドットの並び順を区分した場合の、該区分ごとのペアドットの分散の程度を含む適用例10記載のディザマスクの生成方法。
かかるディザマスクの生成方法は、ディザマスクのドットの形成パターンに現れるペアドットの配置を、異なるタイミングで形成されるドットの並び順を区分して、それぞれの並び順のペアドットが分散するように制御することができる。したがって、かかる方法によって生成したディザマスクを用いてハーフトーン処理を行えば、適用例4と同様の効果を奏する。
本発明の第1実施例としてのプリンター20の概略構成図である。 プリンター20における印刷処理の流れを示すフローチャートである。 プリンター20における往動ドット及び復動ドットのドット配置を示す説明図である。 プリンター20のハーフトーン処理に用いるディザマスク62の生成方法の流れを示す工程図である。 ディザマスク62の生成方法における第1のディザマスク評価処理の流れを示す工程図である。 ディザマスク62の格納要素の一部に閾値が格納された状態等を示す説明図である。 ブルーノイズ特性及びグリーンノイズ特性の説明図である。 評価値E1の算定基礎とする感度特性VTFの一例を示す説明図である。 ディザマスク62の生成方法における第2のディザマスク評価処理の流れを示す工程図である。 ペアドットの検出方法を示す説明図である。 ペアドットの形成に際して位置ずれが生じた場合の、往動ドットと復動ドットの位置関係を示す説明図である。 ディザマスク62の生成方法における第3のディザマスク評価処理の流れを示す工程図である。 ペアドットの形成パターンの具体例を示す説明図である。 第2実施例としてのハーフトーン処理の流れを示す説明図である。 第2実施例としてのハーフトーン処理の流れを示す説明図である。 第2実施例の変形例としてのハーフトーン処理の流れを示す説明図である。 第2実施例の変形例としてのハーフトーン処理の流れを示す説明図である。
A.第1実施例:
本発明の第1実施例について説明する。
A−1.装置構成:
図1は、本発明の第1実施例としてのプリンター20の概略構成図である。プリンター20は、双方向印刷を行うシリアル式インクジェットプリンタであり、図示するように、プリンター20は、紙送りモータ74によって印刷媒体Pを搬送する機構と、キャリッジモータ70によってキャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ80に搭載された印刷ヘッド90を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータ74,キャリッジモータ70,印刷ヘッド90および操作パネル99との信号のやり取りを司る制御ユニット30とから構成されている。
キャリッジ80をプラテン75の軸方向に往復動させる機構は、プラテン75の軸と平行に架設され、キャリッジ80を摺動可能に保持する摺動軸73と、キャリッジモータ70との間に無端の駆動ベルト71を張設するプーリ72等から構成されている。
キャリッジ80には、カラーインクとして、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)、ブラックインク(K)、ライトシアンインク(Lc)、ライトマゼンタインク(Lm)をそれぞれ収容したカラーインク用のインクカートリッジ82〜87が搭載される。キャリッジ80の下部の印刷ヘッド90には、上述の各色のカラーインクに対応するノズル列が形成されている。キャリッジ80にこれらのインクカートリッジ82〜87を上方から装着すると、各カートリッジから印刷ヘッド90へのインクの供給が可能となる。
制御ユニット30は、CPU40や、ROM51、RAM52、EEPROM60がバスで相互に接続されて構成されている。制御ユニット30は、ROM51やEEPROM60に記憶されたプログラムをRAM52に展開し、実行することにより、プリンター20の動作全般を制御するほか、入力部41、ハーフトーン処理部42、印刷部43としても機能する。これらの機能部の詳細については後述する。
EEPROM60には、ディザマスク62が記憶されている。ディザマスク62は、組織的ディザ法による、ドット分散型のハーフトーン処理に用いるものであり、複数の閾値が、同数の格納要素にそれぞれ格納されて構成される。
制御ユニット30には、メモリカードスロット98が接続されており、メモリカードスロット98に挿入したメモリカードMCから画像データORGを読み込んで入力することができる。本実施例においては、メモリカードMCから入力する画像データORGは、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の3色の色成分からなるデータである。
以上のようなハードウェア構成を有するプリンター20は、キャリッジモータ70を駆動することによって、印刷ヘッド90を印刷媒体Pに対して主走査方向に往復動させ、また、紙送りモータ74を駆動することによって、印刷媒体Pを副走査方向に移動させる。制御ユニット30は、キャリッジ80が往復動する動き(主走査)や、印刷媒体の紙送りの動き(副走査)に合わせて、印刷データに基づいて適切なタイミングでノズルを駆動することにより、印刷媒体P上の適切な位置に適切な色のインクドットを形成する。こうすることによって、プリンター20は、印刷媒体P上にメモリカードMCから入力したカラー画像を印刷することが可能となっている。
A−2.印刷処理:
プリンター20における印刷処理について説明する。図2は、プリンター20における印刷処理の流れを示すフローチャートである。ここでの印刷処理は、ユーザーが操作パネル99等を用いて、メモリカードMCに記憶された所定の画像の印刷指示操作を行うことで開始される。印刷処理を開始すると、CPU40は、まず、入力部41の処理として、メモリカードスロット98を介してメモリカードMCから印刷対象であるRGB形式の画像データORGを読み込んで入力する(ステップS110)。
画像データORGを入力すると、CPU40は、EEPROM60に記憶されたルックアップテーブル(図示せず)を参照して、画像データORGについて、RGB形式をCMYKLcLm形式に色変換する(ステップS120)。
色変換処理を行うと、CPU40は、ハーフトーン処理部42の処理として、画像データを各色のドットのON/OFFデータ(以下、ドットデータともいう)に変換するハーフトーン処理を行う(ステップS130)。この処理は、本実施例においては、組織的ディザ法を用いて行う。すなわち、入力データと、ディザマスク62を構成する複数の閾値のうちの、入力データに対応する位置の格納要素に格納された閾値とを比較し、入力データが閾値よりも大きければ、ドットONと判断し、入力データが閾値未満であればドットOFFと判断するものである。この処理で用いるディザマスク62は、主走査方向および副走査方向に並ぶ各々の入力データに対して、主走査方向および副走査方向に繰り返し適用される。本実施例におけるハーフトーン処理は、生成するドットデータが所定の特性を有するように制御される。この制御の内容は、ディザマスク62の生成方法に起因しているので、ディザマスク62の生成方法を後述することによって明らかにする。なお、ハーフトーン処理は、ドットのON/OFFの2値化処理に限らず、大ドットおよび小ドットのON/OFFなど、多値化処理であってもよい。また、ステップS130に供する画像データは、解像度変換処理やスムージング処理などの画像処理が施されたものであってもよい。
ハーフトーン処理を行うと、CPU40は、プリンター20のノズル配置や紙送り量などに合わせて、1回の主走査単位で印画するドットパターンデータに並び替えるインターレース処理を行う(ステップS140)。インターレース処理を行うと、CPU40は、印刷部43の処理として、印刷ヘッド90、キャリッジモータ70、モータ74等を駆動させて、印刷を実行する(ステップS150)。
かかる印刷処理で形成されるドットの配置について説明する。上述の説明からも明らかなように、プリンター20は、印刷媒体の共通の印刷領域に、印刷媒体に対するインクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミング(すなわち、往動と復動)で印刷ヘッドからインクを吐出してドットを形成し、往動で形成されたドット(以下、往動ドットともいう)と、復動で形成されたドット(以下、復動ドットともいう)とが相互に組み合わされた印刷画像を出力する。かかる印刷画像は、本実施例においては、図3に示すように、往動ドットと復動ドットとが、主走査方向の画素位置単位で相互に入れ替わるドット配置を有している。かかるドット配置の印刷画像を出力するモードをカラム交互モードともいう。
このようなドット配置の態様は、印刷ヘッド90が有するノズル数、ノズルピッチ、インターレース処理の諸元などの設定次第で、種々の態様とすることができる。例えば、1つのラスター(主走査方向のドットの並び)が、往動ドットまたは復動ドットのいずれか一方のみで形成され、かつ、往動ドットと復動ドットとが、ラスター単位で相互に入れ替わる態様(ラスター交互モードともいう)とすることもできる。あるいは、往動ドットと復動ドットとが、主走査方向及び副走査方向において、1つのドットおきに相互に入れ替わる態様(タスキモードともいう)とすることもできる。
A−3.ディザマスク62の生成方法:
上述したディザマスク62の生成方法を以下に説明し、プリンター20のハーフトーン処理における制御の内容を明らかにする。ディザマスク62は、そのサイズ(閾値の数)に対応する格納要素を有している。格納要素とは、ディザマスク62を構成する閾値を格納する要素である。これらの格納要素の全てに1つずつ閾値を格納することで、ディザマスク62は生成される。以下に説明する生成方法は、メインフレーム等のCPUによって、ディザマスク62を生成する処理である。なお、以下に説明する工程の一部または全部をユーザーが手計算等によって行っても差し支えない。
ディザマスク62のサイズは、例えば、256画素×256画素、512画素×512画素などとされる場合が多いが、以下の説明においては、ディザマスク62のサイズは、説明を簡単にするために、縦方向サイズ、横方向サイズともに5画素、つまり合計25画素(=5×5)の画像データに適用するサイズとして説明する。なお、共通の印刷領域に形成されるドットには、ドットを何回目の主走査で生成するか、往動と復動のいずれで生成するかに着目した場合に、所定の繰り返しパターンが生じる。ディザマスク62のサイズは、この繰り返し単位の倍数とすることが望ましい。このようなサイズのディザマスク62を、画像データに対して、主走査方向および副走査方向に繰り返し適用すれば、ドットに現れる繰り返しパターンと、ディザマスク62を構成する各々の閾値との対応関係を一定に保つことができ、効率的に所望のハーフトーン処理を行えるからである。
ディザマスク62の生成方法の手順を示す工程図を図4に示す。ディザマスク62の生成においては、図示するように、まず、ディザマスク62のサイズに応じた閾値を用意する(ステップS210)。本実施例においては、ディザマスク62が25個の格納要素を有するので、これと同数の0〜24の閾値を用意するものとした。
閾値を用意すると、次に、着目閾値選択処理を行う(ステップS220)。着目閾値選択処理とは、用意した0〜24の閾値のうちの、未だ格納要素に格納されていない閾値のうちから1つの閾値を着目閾値として選択する処理である。本実施例においては、用意した閾値のうちの小さい閾値から順に、着目閾値を選択することとした。図6に示すように、ディザマスク62を構成する格納要素に、後述する工程によって値0〜3の閾値が既に格納要素に格納されている場合には、次にステップS220において選択される着目閾値は値4である。
着目閾値を選択すると、次に、第1のディザマスク評価処理を行う(ステップS300)。第1のディザマスク評価処理とは、用意した閾値が未だ格納されていない格納要素(以下、空白格納要素ともいう)の1つに対して着目閾値を格納したとした場合に、閾値が既に格納された格納要素(以下、決定格納要素ともいう)の配置が表すドットの形成パターンについての、ドットの分散の程度を示す評価値E1を、空白格納要素の各々について算出する処理である。この評価値E1の算出方法については後述するが、本実施例では、評価値E1は、その値が小さいほどドットの分散性が良好となり、印刷画像の粒状性の観点から優れているといえる。なお、ハーフトーン処理においては、ディザマスク62の閾値が入力階調値よりも小さくなる画素でドットがONとなるので、全ての画素の階調値が同一のベタ画像を入力する場合において、当該階調値を徐々に大きくしていけば、ディザマスク62における閾値の配置に応じたドットの形成パターンが現れることとなる。本実施例では、このようなドット発生特性に基づくドット形状をドット形成パターンと呼んでいる。
第1のディザマスク評価処理を行うと、次に、第2のディザマスク評価処理を行う(ステップS400)。第2のディザマスク評価処理とは、空白格納要素の1つに対して着目閾値を格納したとした場合に、決定格納要素の配置が表すドットの形成パターンについての、往動ドットと復動ドットとが主走査方向に隣接するドット(以下、相互に隣接する往動ドットと復動ドットとを併せてペアドットともいう)の数の適切さを示す評価値E2を、空白格納要素の各々について算出する処理である。ここで、隣接するドットとは、隣り合うドット形成位置の両方に形成されるドットである。ペアドットの数の適切さとは、位置ずれに伴う濃度ムラの発生によって印刷画質が低下することを抑制する観点からの適切さである。この評価値E2の算出方法や意味については後述するが、本実施例では、評価値E2は、その値が小さいほどペアドットの数が適切であるといえる。
第2のディザマスク評価処理を行うと、次に、第3のディザマスク評価処理を行う(ステップS500)。第3のディザマスク評価処理とは、空白格納要素の1つに対して着目閾値を格納したとした場合に、決定格納要素の配置が表すドットの形成パターンについての、ペアドットの配置の分散の程度を示す評価値E3を、空白格納要素の各々について算出する処理である。この評価値E3の算出方法や意味については後述するが、本実施例では、評価値E3は、その値が小さいほどペアドットの配置の分散性が良好となり、位置ずれに伴う濃度ムラの発生によって印刷画質が低下することを抑制する観点から優れているといえる。
第3のディザマスク評価処理を行うと、次に、格納要素決定処理を行う(ステップS230)。ここでの格納要素決定処理とは、第1〜第3のディザマスク評価処理で算出した評価値E1〜E3に基づいて、着目閾値を格納する空白格納要素を決定する処理である。具体的には、候補格納要素(空白格納要素)ごとに算出した評価値E1,E2,E3を用いて、次式(1)により、候補格納要素ごとに総合評価値CEを算出する。そして、その中で最も小さい値の総合評価値CEに対応する候補格納要素を、着目閾値を格納すべき候補格納要素として決定し、当該格納要素に着目閾値を格納する。次式(1)において、a,b,cは、重み付け係数である。これらの重み付け係数は、良好な印刷画質が得られるように、一定値として、実験的に定められる。
CE=a×E1+b×E2+c×E3・・・(1)
格納要素決定処理を行うと、ステップS210で用意した閾値を、ディザマスク62を構成する全ての格納要素に格納するまで、上記ステップS220〜S230の工程を繰り返す(ステップS240)。こうして、全ての格納要素に閾値を格納すると(ステップS240:YES)、ディザマスク62は完成となり、ディザマスク生成処理は終了となる。
A−3−1.第1のディザマスク評価処理:
上述したディザマスク生成処理における第1のディザマスク評価処理について、図5を用いて説明する。第1のディザマスク評価処理では、図5に示すように、まず、グループ化処理を行う(ステップS310)。グループ化処理とは、ディザマスク62を構成する複数の格納要素を、当該複数の格納要素に格納された閾値がハーフトーン処理で適用されるドット形成位置でのドットの形成を往動と復動のうちのいずれで行うかに着目して、複数のグループに区分する処理である。つまり、上述した往動ドットと復動ドットの配置の態様(本実施例では、カラム交互モード)に基づいて、格納要素のグループを設定する処理である。なお、設定するグループは、印刷媒体の共通の印刷領域に、印刷媒体に対するインクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミングで印刷ヘッドからインクを吐出してドットを形成する場合の、当該異なるタイミングに基づいて設定すればよい。複数の異なるタイミングとしては、往動と復動に代えて、あるいは、加えて、共通の印刷領域にN回(Nは3以上の整数)の主走査でドットを形成する場合の、主走査の順番(何回目の主走査であるか)としてもよい。
こうして、グループ化処理を行うと、決定格納要素のドットをONにする(ステップS320)。図6では、値0〜3の閾値が格納された決定格納要素のドットがONにされた様子をシングルハッチングで示している。決定格納要素のドットをONにすると、次に、候補格納要素選択処理を行う(ステップS330)。候補格納要素選択処理とは、着目閾値を格納すべき格納要素の候補である候補格納要素を選択する処理である。空白格納要素の各々には、着目閾値を格納することが可能であるから、ここでは、空白格納要素のうちの1つを、候補格納要素として選択する。候補格納要素選択処理を行うと、次に、候補格納要素のドットをONにする(ステップS340)。図6では、空白格納要素の1つを候補格納要素として選択し、当該候補格納要素のドットをONにした様子を、クロスハッチングで示している。
候補格納要素のドットをONにすると、次に、グループ選択処理を行う(ステップS350)。グループ選択処理とは、上記ステップS310で設定したp個(pは2以上の整数、ここではp=2)のグループG1〜Gpと、ディザマスク62を構成する全ての格納要素を含むグループであるグループGp+1とのうちから、1つのグループGq(qは1以上p+1以下の整数)を選択する処理である。
グループGqを選択すると、次に、グループGqに属する格納要素に対応するドット形成パターンに基づいて、ドットの分散の程度を示す評価値E1q、つまり、ドットがどの程度満遍なく分散された状態で形成されるかを示す評価値を算出する(ステップS360)。ドットを満遍なく分散された状態で形成するためには、図7に示すブルーノイズ特性やグリーンノイズ特性を有するディザマスクを生成すればよいことが知られている。本実施例においては、このような特性のディザマスクを生成するために、ドットの分散性の程度を示す評価値として、粒状性指数を用いることとした。
粒状性指数は、公知の技術であるため(例えば、特開2007−15359号公報)、詳しい説明は省略するが、画像をフーリエ変換してパワースペクトルFSを求め、得られたパワースペクトルFSを、人間が有する視覚の空間周波数に対する感度特性VTF(Visual Transfer Function)に相当する重みを付けて、各空間周波数で積分して求められる指標である。図8に、VTFの一例を示す。こうしたVTFを与える実験式には、種々の式が提案されているが、次式(2)に代表的な実験式を示す。変数Lは観察距離を表しており、変数uは空間周波数を表している。粒状性指数は、かかるVTFに基づいて、次式(3)に示す計算式によって算出することができる。係数Kは、得られた値を人間の感覚と合わせるための係数である。なお、算出方法からも明らかなように、粒状性指数は、人間がドットを目立つと感じるか否かを示す指標であるとも言える。かかる粒状性指数は、その値が小さいほど印刷画質においてドットが視認されにくく、その点において優れているといえる。
Figure 0005703579
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評価値E1qを算出すると、全てのグループG1〜Gp+1(ここではG1〜G3)について評価値E1qを算出するまで、上記ステップS350,S360の工程を繰り返す(ステップS370)。こうして、全てのグループG1〜G3について評価値E1qを算出すると(ステップS370:YES)、算出した評価値E11〜E13に基づいて、次式(4)により、評価値E1を算出する(ステップS380)。式(4)においてd〜fは重み付け係数である。これらの重み付け係数は、良好な印刷画質が得られるように、一定値として、実験的に定められる。つまり、評価値E1とは、ディザマスク62の決定格納要素の全体が表すドット形成パターンと、往動に対応する決定格納要素が表すそれぞれのドット形成パターンと、復動に対応する決定格納要素が表すそれぞれのドット形成パターンとについて、ドットの分散の程度を所定の重み付けで総合評価した評価値である。
E1=d×E11+e×E12+f×E13・・・(4)
評価値E1を算出すると、全ての候補格納要素(空白格納要素)について評価値E1を算出するまで、上記ステップS330〜S380の工程を繰り返す(ステップS390)。こうして、全ての候補格納要素について評価値E1を算出すると(ステップS390:YES)、第1のディザマスク評価処理は終了となる。
かかる評価値E1を用いれば、往動ドット、復動ドット、往動ドットと復動ドットとを組み合わせた印刷画像全体のいずれに対しても、ドットが分散して配置されるドット形成パターンを有するディザマスク62を生成することができる。かかるディザマスク62を用いてハーフトーン処理を行えば、往動ドットと復動ドットとの間で位置ずれが生じても、往動ドット及び復動ドットの分散性は確保されたままであるから、画像全体のドットの分散性が確保され、印刷画質の粒状性の悪化を抑制することができる。
A−3−2.第2のディザマスク評価処理:
上述したディザマスク生成処理における第2のディザマスク評価処理について、図9を用いて説明する。第2のディザマスク評価処理では、図9に示すように、まず、決定格納要素のドットをONにし(ステップS410)、候補格納要素選択処理を行い(ステップS420)、候補格納要素のドットをONにする(ステップS430)。ステップS410〜S430の処理は、第1のディザマスク評価処理におけるステップS320〜S340(図5参照)の処理と同様であり、詳しい説明は省略する。
候補格納要素のドットをONにすると、次に、上記ステップS410,S430でドットをONにしたドット形成パターンに基づいて、評価値E21を算出する(ステップS440)。この評価値E21について説明する。ペアドットには、往動の方向に向かって、往動ドット、復動ドットの順序でドットが隣接するペアドット(以下、第1のペアドットともいう)と、復動ドット、往動ドットの順序でドットが隣接するペアドット(以下、第2のペアドットともいう)とに分類することができる。評価値E21は、第1のペアドットと第2のペアドットとを併せたペアドットの総数PDNtと、予め定めたペアドット総数PDNtの目標値との差分であり、次式(5)により算出する。
E21=|PDNt−目標値|・・・(5)
評価値E21は、その値が小さいほど、ペアドット総数PDNtが目標値に近いということであるから、優れているといえる。この目標値は、ハーフトーン処理の対象となる画像データの色階調値に応じて定められたものである。したがって、式(6)に代入する目標値は、空白格納要素に何番目に格納される閾値であるかによって異なる値となる。例えば、着目閾値が値4である場合、25個の閾値(値0〜24)のうちの5個の閾値(値0〜4)が格納要素に既に格納されたものとして、評価値E21が算出されるのであるから、このとき式(6)に代入する目標値は、階調値に応じて定められた目標値のうちの第5階調に対応する目標値である。なお、本実施例では、CPUは、色階調値と目標値とを対応付けたLUTを参照して、目標値を取得する。ただし、この目標値は、関数演算により求めてもよい。
この評価値E21を採用する意味について説明する。インクジェット式プリンターにおいては、印刷ヘッド90から吐出されたインクが印刷媒体上に着弾すると、当該インクが着弾位置の周辺領域にまで広がることになる。したがって、隣接して形成されたドット同士は、インクが印刷媒体の目標位置に正確に着弾した場合でも、このインクの広がりによってドットの一部が重畳することが生じ得る。ここで、往動ドットと復動ドットとの間で位置ずれが生じると、その位置ずれの方向によって、ドットの重畳部分の面積が変化する。具体的には、往動ドットと復動ドットとが近づく方向に僅かにずれると、重畳部分の面積は増加し、往動ドットと復動ドットとが離れる方向に僅かにずれると、重畳部分の面積は減少する。この重畳部分の変化は、印刷媒体上にドットが形成される面積の変化を意味するので、濃度ムラの要因となる。
ここで、上述した第1のディザマスク評価処理のみによって、ドット形成パターンを決定すると、ドットは分散して形成されるので、ドット配置の自由度が高い低階調の印刷領域、すなわち、形成されるドットの数が少ない印刷領域においては、ペアドットは、あまり発生しない。そして、印刷階調がある程度高いレベルにまで達すると、ドット配置の自由度が低下するので、ペアドットが急激に増加するようになる。このようにペアドットが急激に増加する前後の階調の領域においては、位置ずれが生じると、濃度ムラとして極めて視認されやすくなる。
一方、評価値E21を採用することにより、各階調において、ペアドットの数が予め定めた目標値に近づくように、ドット形成パターンを制御することができる。したがって、目標値を、低階調側から高階調側へ向かって、段階的にペアドットの数が増加するように設定しておけば、換言すれば、低階調領域においても、ある程度ペアドットが生じるように設定しておけば、上述したペアドットの数の急激な変化を抑制することができる。その結果、ペアドットの位置ずれが濃度ムラとして視認されることを抑制することができる。
評価値E21の算出に用いるペアドット総数PDNtの算出方法について説明する。図10(A)は、上記ステップS410,S430でドットをONとしたドット形成パターンを示している。図中では、このドット形成パターンを構成する往動ドットと復動ドットとのうちの往動ドットにハッチングを付して示している。このドット形成パターンのうちの復動ドットのみを左に1画素分ずらすと、ドット形成パターンは、図10(B)に示すように変化する。図10(B)では、往動ドットと復動ドットとが重畳したドットは、黒く塗りつぶして表示している。本実施例においては、カラム交互モードによりドットが形成される。つまり、副走査方向のドットの並びは、往動ドットまたは復動ドットのいずれか一方で形成され、かつ、主走査方向において、往動ドットと復動ドットとは交互に入れ替わる。したがって、図10(B)に示した重畳したドットは、往動の方向に向かって往動ドット、復動ドットの順に隣接する第1のペアドット(図10(C)参照)のうちの往動ドットの位置を表している。したがって、この重畳した数をカウントすれば、第1のペアドット数PDN1を算出することができる。
同様に、図10(A)に示したドット形成パターンのうちの復動ドットのみを右に1画素分ずらすと、ドット形成パターンは、図10(D)に示すように変化する。図10(D)では、往動ドットと復動ドットとが重畳したドットは、黒く塗りつぶして表示している。本実施例においては、カラム交互モードによりドットが形成されるから、図10(D)に示した重畳したドットは、往動の方向に向かって復動ドット、往動ドットの順に隣接する第2のペアドット(図10(D)参照)のうちの往動ドットの位置を表している。したがって、この重畳した数をカウントすれば、第2のペアドット数PDN2を算出することができる。ペアドット総数PDNtは、第1のペアドット数PDN1と第2のペアドット数PDN2とを加算すれば、算出することができる。
ここで説明を第2のディザマスク評価処理に戻す。評価値E21を算出すると、次に、評価値E22を算出する(ステップS450)。評価値E22は、第1のペアドットの数PDN1と、第2のペアドットの数PDN2とのバランスに関する評価値である。評価値E22は、本実施例においては、次式(6)によって算出する。
E22=|PDN1−PDN2|・・・(6)
式(6)からも明らかなように、評価値E22は、第1のペアドット数PDN1と、第2のペアドット数PDN2の差分である。評価値E22は、その値が小さいほど優れているといえる。すなわち、本実施例では、評価値E22は、第1のペアドット数PDN1と第2のペアドット数PDN2とを極力同数にするための評価値である。
この評価値E22を採用する理由について説明する。インクの印刷媒体への着弾時にインクの広がりが生じた場合、第1のペアドットでは、位置ずれが生じていない場合、図11(A)に示すように、往動ドット及び復動ドットの一部が重畳して形成される。ここで、第1のペアドットのうちの復動ドットが往動ドットに対して相対的に往動方向にずれる位置ずれを生じると、往動ドットに対して復動ドットは離れることになるので、図11(B)に示すように、ドットの重畳部分の面積が減少することとなる。一方、第2のペアドットでは、位置ずれが生じていない場合、図11(C)に示すように、第1のペアドットと同様に、往動ドット及び復動ドットの一部が重畳して形成される。ここで、上述した第1のペアドット同じ方向に位置ずれが生じると、すなわち、第2のペアドットのうちの復動ドットが往動ドットに対して相対的に往動方向にずれる位置ずれを生じると、往動ドットに対して復動ドットは近づくことになるので、図11(D)に示すように、ドットの重畳部分の面積が増加することとなる。図示は省略するが、反対の向き(復動方向)に位置ずれが生じた場合には、第1のペアドットの重畳部分の面積は増加するのに対して、第2のペアドットの重畳部分は減少することになる。このように、第1のペアドット及び第2のペアドットは、主走査方向に位置ずれが生じると、重畳部分の面積が一方は増加し、他方が減少する関係になる。
したがって、評価値E22を採用して、第1のペアドットと第2のペアドットとが、ほぼ等しくなるように制御すれば、位置ずれが生じた場合の、印刷媒体におけるドットが形成される面積の変化を抑制することができる。すなわち、位置ずれが生じても、ドットが形成される面積が、1つのディザマスクを適用する印刷領域全体として大きく変わらないので、濃度ムラの発生を抑制することができる。
評価値E22を算出すると、次に、算出した評価値E21,E22に基づいて、次式(7)により、評価値E2を算出する。式(7)においてg,hは重み付け係数である。この評価値E2は、上述の説明からも明らかなように、第1のペアドットと第2のペアドットとを区分して、その数を制御するものである。
E2=g×E21+h×E22・・・(7)
評価値E2を算出すると、全ての候補格納要素(空白格納要素)について評価値E2を算出するまで、上記ステップS420〜S460の工程を繰り返す(ステップS470)。こうして、全ての候補格納要素について評価値E2を算出すると(ステップS470:YES)、第2のディザマスク評価処理は終了となる。
A−3−3.第3のディザマスク評価処理:
上述したディザマスク生成処理における第3のディザマスク評価処理について、図12を用いて説明する。第3のディザマスク評価処理では、図12に示すように、まず、決定格納要素のドットをONにし(ステップS510)、候補格納要素選択処理を行い(ステップS520)、候補格納要素のドットをONにする(ステップS530)。ステップS510〜S530の処理は、第1のディザマスク評価処理におけるステップS320〜S340(図5参照)の処理と同様であり、詳しい説明は省略する。
候補格納要素のドットをONにすると、次に、ペアドットグループ抽出処理を行う(ステップS540)。この処理は、上記ステップS510,S530でドットをONにしたドット形成パターンのうちから、ペアドットのみで構成されるドット形成パターンを抽出する処理である。本実施例では、第1のペアドットのみで構成されるドット形成パターン(ペアドットグループPG1)、第2のペアドットのみで構成されるドット形成パターン(ペアドットグループPG2)、第1のペアドットと第2のペアドットで構成される全体のドット形成パターン(ペアドットグループPG3)のいずれかであるペアドットグループPGr(rは1以上3以下の整数)を抽出するものとした。図13に具体例を示す。図13(A)は、上記ステップS510,S530でドットをONにしたドット形成パターンを示している。図13(B)は、図13(A)に示したドット形成パターンから、第1のペアドットのみを抽出したペアドットグループPG1を示している。図13(C)は、図13(A)に示したドット形成パターンから、第2のペアドットのみを抽出したペアドットグループPG2を示している。図13(D)は、図13(A)に示したドット形成パターンから、第1のペアドット及び第2のペアドットのみを抽出したペアドットグループPG3を示している。ペアドットグループPGrは、上述したペアドット総数PDNtの算出方法と同様にして抽出することができる。
ペアドットグループPGrを抽出すると、次に、抽出したペアドットグループPGrに基づいて、ドットの分散の程度を示す評価値E3rを算出する(ステップS550)。この評価値E3rの算出方法は、第1のディザマスク評価処理における評価値E1qの算出方法(上記ステップS360参照)と同様である。評価値E3rを算出すると、全てのグループPG1〜PG3について評価値E3rを算出するまで、上記ステップS540,S550の工程を繰り返す(ステップS560)。こうして、全てのグループPG1〜PG3について評価値E3rを算出すると(ステップS560:YES)、算出した評価値E31〜E33に基づいて、次式(8)により、評価値E3を算出する(ステップS570)。式(8)においてi〜kは重み付け係数である。これらの重み付け係数は、良好な印刷画質が得られるように、一定値として、実験的に定められる。つまり、評価値E3とは、ペアドットが表すドット形成パターンと、第2のペアドットが表すドット形成パターンと、第1のペアドット及び第2のペアドットが表すドット形成パターンとについて、ドットの分散の程度を所定の重み付けで総合評価した評価値である。
E3=i×E31+j×E32+k×E33・・・(8)
評価値E3を算出すると、全ての候補格納要素(空白格納要素)について評価値E3を算出するまで、上記ステップS520〜S570の工程を繰り返す(ステップS580)。こうして、全ての候補格納要素について評価値E3を算出すると(ステップS580:YES)、第3のディザマスク評価処理は終了となる。
かかる評価値E3を用いれば、位置ずれが生じた際に濃度ムラの要因となるペアドットが分散して配置されるドット形成パターンを有するディザマスク62を生成することができる。このドット形成パターンは、ペアドットが局所的に集中することがないので、往動ドットと復動ドットとの間で位置ずれが生じた場合でも、局所的に大きな濃度ムラが発生することを抑制することができる。しかも、このドット形成パターンは、第1のペアドット、第2のペアドットのみを抽出しても、それぞれのペアドットが分散して配置されるので、位置ずれが生じた際に印刷媒体上のドットの形成面積が大きくなるペアドットのみ、あるいは、小さくなるペアドットのみが局所的に集中することがない。したがって、位置ずれが生じた場合でも、局所的に大きな濃度ムラが発生することを抑制することができる。
A−4.効果:
かかる構成のプリンター20は、往動ドット、復動ドット、往動ドットと復動ドットとを組み合わせた印刷画像全体のいずれに対しても、ドットが分散して配置されるドット形成パターンを有するディザマスク62を用いてハーフトーン処理を行うので、往動ドットと復動ドットとの間で位置ずれが生じても、画像全体のドットの分散性が確保され、印刷画質の粒状性の悪化を抑制することができる。しかも、プリンター20は、ペアドット総数PDNtが低階調においても所定の程度発生するドット形成パターンを有するディザマスク62を用いてハーフトーン処理を行うので、低階調の印刷領域から高階調の印刷領域にかけて、ペアドットの数が急激に増加することを抑制することができる。その結果、位置ずれが生じたドットが濃度ムラとして視認されることを抑制することができる。しかも、プリンター20は、第1のペアドット数PDN1と第2のペアドット数PDN2とがほぼ同数となるドット形成パターンを有するディザマスク62を用いてハーフトーン処理を行うので、往動ドットと復動ドットとの間で位置ずれが生じても、印刷媒体におけるドットが形成される面積の変化を抑制することができる。その結果、濃度ムラの発生を抑制することができる。
また、プリンター20は、位置ずれが生じた際に濃度ムラの要因となるペアドットが分散して配置されるドット形成パターンを有するディザマスク62を用いてハーフトーン処理を行うので、ペアドットが局所的に集中することがない。したがって、位置ずれが生じた場合でも、局所的に大きな濃度ムラが発生することを抑制することができる。しかも、プリンター20は、第1のペアドットと第2のペアドットとに区分して、それぞれのペアドットが分散して配置されるドット形成パターンを有するディザマスク62を用いてハーフトーン処理を行うので、位置ずれが生じた際に印刷媒体上のドットの形成面積が大きくなるペアドットのみ、あるいは、小さくなるペアドットのみが局所的に集中することがない。したがって、位置ずれが生じた場合でも、局所的に大きな濃度ムラが発生することを抑制することができる。
B.第2実施例:
本発明の第2実施例について説明する。第2実施例としてのプリンター20の概略構成は、第1実施例と基本的に同様である。第2実施例が第1実施例と異なる点は、ハーフトーン処理を誤差拡散法によって行う点である。以下、第1実施例と異なる点についてのみ説明し、第1実施例と共通する点については、説明を省略する。第2実施例としてのハーフトーン処理の流れを図14及び図15に示す。図示するように、第2実施例としてのハーフトーン処理が開始されると、CPU40は、まず、ステップS120で色変換処理が行われた画像データについて、注目画素を1つ選択し、注目画素位置の座標データn(x,y)と、注目画素データDnと、ペアドットデータPDnとを取得する(ステップS610)。注目画素とは、ドットのON/OFFを決定する画素である。本実施例では、この注目画素は、画像データの左上端の画素から右に向かって順次選択され、一つのラスター(主走査方向)の画素が全て選択されると、副走査方向に1画素分下がったラスターの画素が、同様に順次選択される。ペアドットデータPDnとは、ハーフトーン処理の対象となる画像データの色階調値に応じた、ペアドットの発生率を所定の階調で予め設定した目標値である。この目標値は、色階調値とペアドットの発生率とを対応付けたテーブルとしてEEPROM60に記憶されている。CPU40は、このテーブルを参照して、注目画素データDnに対応するペアドットの目標発生率を示す階調値を取得する。
注目画素位置の座標データn(x,y)、注目画素データDn、ペアドットデータPDnを取得すると、CPU40は、拡散誤差を加算して、ドットのON/OFFの判断に用いる各種データを算出する(ステップS620)。具体的には、まず、注目画素データDnに、注目画素データの拡散誤差である拡散誤差Edを加算して、加算画素データDnXを算出する。また、ペアドットデータPDnに、ペアドットデータの拡散誤差である拡散誤差PEdを加算して、加算ペアドットデータPDnXを算出する。また、ペアドットバランスデータPBDnXとして、拡散誤差PBEdを取得する。拡散誤差Ed,PEd,PBEdについては、後述するS740において算出されるものであり、その内容は後述する。ペアドットバランスデータPBDnXは、第1のペアドットと第2のペアドットとの数のバランスを制御するためのデータである。
各種データを算出すると、CPU40は、後述する処理によって、左隣の画素(1つ前にドットのON/OFFが判断された画素)でドットがONと判断されたか否かを判断する(ステップS630)。その結果、左隣の画素のドットがONでなければ(ステップS630:NO)、CPU40は、加算画素データDnXと閾値THとを比較する(ステップS650)。その結果、CPU40は、加算画素データDnXが閾値THよりも大きければ(ステップS650:YES)、注目画素のドットをONに決定し(ステップS660)、加算画素データDnXが閾値TH以下であれば(ステップS650:NO)、注目画素のドットをOFFに決定する(ステップS670)。ドットがONのとき、2値化結果DnRは値255となり、ドットがOFFのとき、2値化結果DnRは値0となる。かかる手法は、従来の誤差拡散法の手法である。なお、ステップS660,S670において、ペアドット2値化結果PDnR、ペアドットバランス2値化結果PBDnRは、いずれも値0である。このペアドット2値化結果PDnR、ペアドットバランス2値化結果PBDnRについては後述する。
一方、左隣の画素のドットがONであれば(ステップS630:YES)、CPU40は、注目画素が往動でドットを形成する画素か、それとも、復動でドットを形成する画素かを判断する(ステップS640)。その結果、往動でドットを形成する画素であれば(ステップS640:往動)、CPU40は、次式(9)を満たすか否かを判断する(ステップS680)。式(9)において、k1,k2は調整係数であり、実験的に求められる。このk1,k2は、本実施例では、一定値としたが、画像データの階調値に応じて可変としてもよい。
DnX>TH−PDnX・k1+PBDnX・k2・・・(9)
判断の結果、式(9)を満たせば(ステップS680:YES)、CPU40は、注目画素のドットをONに決定する(ステップS690)。このとき、2値化結果DnRは値255となる。また、ペアドット2値化結果PDnRは値255となる。このペアドット2値化結果PDnRは、ペアドットの発生の結果を示すものであり、ペアドットが発生した場合には値255となり、ペアドットが発生しなかった場合には値0となる。ここでは、注目画素の左隣の画素がドットONとなり、注目画素もドットONとなったのであるから、ペアドットが発生することを意味し、値255となる。ペアドットバランス2値化結果PBDnRは、第2のペアドットが発生した場合と、第1のペアドットが発生した場合とで、正負が反対の値をとる。また、この正負は、式(9)の「PBDnX・k2」に係る正負と反対になる。本実施例では、第2のペアドットが発生した場合には値−255をとり、第1のペアドットが発生した場合には値255をとる。このように設定する意味については後述する。本実施例では、カラム交互モードでドットが形成され、かつ、注目画素の左隣にドットが形成され、上記ステップS690で注目画素に往動ドットが形成されるのであるから、第2のペアドット(往動の方向に復動ドット、往動ドットの順に並ぶペアドット)が発生することとなる。したがって、ステップS690では、ペアドットバランス2値化結果PBDnRは値−255となる。
一方、式(9)を満たさなければ(ステップS680:NO)、CPU40は、注目画素のドットをOFFに決定する(ステップS700)。このとき、2値化結果DnR、ペアドット2値化結果PDnR、ペアドットバランス2値化結果PBDnRは、いずれも値0となる。
一方、復動でドットを形成する画素であれば(ステップS640:復動)、CPU40は、次式(10)を満たすか否かを判断する(ステップS710)。式(10)において、k1,k2は式(9)と共通する調整係数である。式(10)は、式(9)と類似しているが、式(9)では、「PBDnX・k2」を加算しているのに対して、式(10)では、「PBDnX・k2」を減算している点が異なっている。なお、式(9)と式(10)とで、正負が逆であってもよい。
DnX>TH−PDnX・k1−PBDnX・k2・・・(10)
判断の結果、式(10)を満たせば(ステップS710:YES)、CPU40は、注目画素のドットをONに決定する(ステップS720)。このとき、2値化結果DnRは値255となる。また、上記ステップS690と同様に、ペアドット2値化結果PDnRは値255となる。また、ステップS720では、ステップS690とは逆に、第1のペアドットが発生するので、ペアドットバランス2値化結果PBDnRは、値255となる。
一方、式(10)を満たさなければ(ステップS710:NO)、CPU40は、注目画素のドットをOFFに決定する(ステップS730)。このとき、2値化結果DnR、ペアドット2値化結果PDnR、ペアドットバランス2値化結果PBDnRは、いずれも値0となる。
こうして、ドットのON/OFFを決定すると、CPU40は、2値化誤差E,PE,PBEを算出すると共に、2値化誤差E,PE,PBEに基づいて、拡散誤差Ed,PEd,PBEdを算出する(ステップS740)。2値化誤差Eとは、加算画素データDnXと、ドットのON/OFF結果との差分、すなわち、2値化結果DnRとの差分(DnX−DnR)である。2値化誤差PEとは、加算ペアドットデータPDnXと、ペアドットのON/OFF結果との差分、すなわち、ペアドット2値化結果PDnRとの差分(PDnX−PDnR)である。2値化誤差PBEとは、ペアドットバランスデータPBDnXと、第1または第2のペアドットのON/OFF結果との差分、すなわち、ペアドットバランス2値化結果PBDnRとの差分(PBDnX−PBDnR)である。拡散誤差Edとは、上記ステップS620において注目画素データDnに加算する誤差であり、本実施例では、注目画素の右(座標値(x+1,y))、左下(座標値(x−1,y+1))、下(座標値(x,y+1))、右下(座標値(x+1,y+1))の4画素に対して、2値化誤差Eの1/4ずつを配分するものとした。なお、誤差を配分する画素の位置、数、誤差の配分率は、適宜設定することができる。拡散誤差PEdとは、上記ステップS620においてペアドットデータPDnに加算する誤差であり、本実施例では、拡散誤差Edと同様にして、2値化誤差PEの1/4ずつを配分するものとした。拡散誤差PBEdとは、上記ステップS620においてペアドットバランスデータPBDnXとして取得する誤差であり、本実施例では、拡散誤差Edと同様にして、2値化誤差PBEの1/4ずつを配分するものとした。
拡散誤差Ed,PEd,PBEdを算出すると、CPU40は、全ての画素を注目画素として上記ステップS610〜S740の処理を繰り返す(ステップS750)。こうして、ステップS130のハーフトーン処理は終了する。
以上の説明からも明らかなように、本実施例のハーフトーン処理では、通常の注目画素データDnに基づく誤差拡散の構成に加えて、ペアドットの発生目標値としてのペアドットデータPDnに応じて、ドットのON/OFFの判断に用いる閾値THが式(9),(10)によって実質的に小さくなるように、すなわち、ペアドットが発生しやすくなるように制御している。したがって、ペアドット総数PDNtの数が目標値に近くなるように制御することができる。
しかも、ペアドットの発生の結果は、拡散誤差PEdとして拡散されるので、従来の誤差拡散法において、ドットが分散配置されるのと同様に、ペアドットを分散して配置するように制御することができる。
しかも、第1のペアドットと第2のペアドットの発生の結果に応じて、ドットのON/OFFの判断に用いる閾値THを式(9),(10)によって実質的に増減させて、同種類のペアドット(第1、第2のいずれかのペアドット)同士が連続してONとならないように制御している。具体的には、上記ステップS690において、第2のペアドットがONになると、2値化誤差PBE(PBDnX−PBDnR)が正の値となるため、拡散誤差PBEdが拡散された画素においては、上記ステップS680では、式(9)によって、閾値THが実質的に大きくなって、第2のペアドットが発生しにくくなる。一方、上記ステップS710では、式(10)によって、閾値THが実質的に小さくなって、第1のペアドットが発生しやすくなる。同様に、上記ステップS720において、第1のペアドットがONになると、2値化誤差PBE(PBDnX−PBDnR)が負の値となるため、拡散誤差PBEdが拡散された画素においては、上記ステップS680では、式(9)によって、閾値THが実質的に小さくなって、第2のペアドットが発生しやすくなる。一方、上記ステップS710では、式(10)によって、閾値THが実質的に大きくなって、第1のペアドットが発生しにくくなる。したがって、第1のペアドット数PDN1と第2のペアドット数PDN2とがほぼ同数になるように制御することができる。
しかも、同種類のペアドット同士が連続してONとならないように制御される上に、拡散誤差PEdを用いて、ペアドットを分散して配置するように制御するのであるから、第1のペアドット、第2のペアドットのいずれの一方に注目しても、ペアドットが分散して配置されるように制御することができる。
かかる構成のプリンター20は、第1実施例と同様に、ペアドットの数及び配置を制御することができるので、第1実施例と同様の効果を奏する。
第2実施例としてのハーフトーン処理の変形例を図16及び図17に示す。以下では、上述した第2実施例としてのハーフトーン処理と異なる点について主に説明し、共通する点については詳しい説明を省略する。なお、図16及び図17においては、図14及び図15と共通する処理については、図14及び図15と同一の符号を付している。第2実施例の変形例としてのハーフトーン処理が開始されると、CPU40は、注目画素を1つ選択し、注目画素位置の座標データn(x,y)と、注目画素データDnと、ペアドットデータPDnとを取得すると共に、第1のペアドットデータP1Dn,第2のペアドットデータP2Dnを算出する(ステップS810)。注目画素データDn、ペアドットデータPDnについては、上記ステップS610で上述したとおりである。第1のペアドットデータP1Dn,第2のペアドットデータP2Dnは、第1のペアドット及び第2のペアドットのそれぞれについて、ハーフトーン処理の対象となる画像データの色階調値に応じた、ペアドットの発生率を所定の階調で予め設定した目標値である。本実施例では、次式(11),(12)によって算出するものとした。すなわち、第1のペアドットデータP1Dn,第2のペアドットデータP2Dnは、ペアドットデータPDnの半数である。これは、第1のペアドットと第2のペアドットとが同数発生するように目標値を設定することを意味する。なお、式(11),(12)において、係数(1/2)を和が値1となる別の値とすれば、第1のペアドットと第2のペアドットとの割合の目標値を自由に設定することも可能である。また、ペアドットデータPDnと同様に、第1のペアドットデータP1Dn,第2のペアドットデータP2Dnの両方をテーブル化しておいてもよい。
P1Dn=1/2×PDn・・・(11)
P2Dn=1/2×PDn・・・(12)
注目画素位置の座標データn(x,y)、注目画素データDn、ペアドットデータPDnを取得し、第1のペアドットデータP1Dn,第2のペアドットデータP2Dnを算出すると、CPU40は、加算画素データDnX、加算ペアドットデータPDnXを算出すると共に(上記ステップS620参照)、加算第1ペアドットデータP1DnX、加算第2ペアドットデータP2DnXを算出する(ステップS820)。加算第1ペアドットデータP1DnXは、第1のペアドットデータP1Dnに、拡散誤差P1Edを加算することにより算出する。加算第2ペアドットデータP2DnXは、第2のペアドットデータP2Dnに、拡散誤差P2Edを加算することにより算出する。この拡散誤差P1Ed,P2Edについては後述する。
加算画素データDnX、加算ペアドットデータPDnX、加算第1ペアドットデータP1DnX、加算第2ペアドットデータP2DnXを算出すると、CPU40は、左隣の画素でドットがONと判断されたか否かを判断する(ステップS630)。その結果、左隣の画素のドットがONでなければ(ステップS630:NO)、CPU40は、加算画素データDnXと閾値THとを比較して、ドットのON/OFFを決定する(ステップS650,S860,870)。このとき、ドットのON/OFFにかかわらず、第1のペアドット2値化結果P1DnR、第2のペアドット2値化結果P2DnRは、いずれも値0である。
一方、左隣の画素のドットがONでなければ(ステップS630:NO)、CPU40は、注目画素が往動でドットを形成する画素か、それとも、復動でドットを形成する画素かを判断する(ステップS640)。その結果、往動でドットを形成する画素であれば(ステップS640:往動)、CPU40は、次式(13)を満たすか否かを判断する(ステップS880)。式(13)において、k3,k4は調整係数であり、実験的に求められる。
DnX>TH−PDnX・k3−P1DnX・k4・・・(13)
判断の結果、式(13)を満たせば(ステップS880:YES)、CPU40は、注目画素のドットをONに決定する(ステップS890)。このとき、第1のペアドットの発生の結果を示す第1のペアドット2値化結果P1DnRは値0となり、第2のペアドットの発生の結果を示す第2のペアドット2値化結果P2DnRは値255となる。一方、式(13)を満たさなければ(ステップS880:NO)、CPU40は、注目画素のドットをOFFに決定する(ステップS900)。このとき、第1のペアドット2値化結果P1DnR、第2のペアドット2値化結果P2DnRは、いずれも値0となる。
一方、復動でドットを形成する画素であれば(ステップS640:復動)、CPU40は、次式(14)を満たすか否かを判断する(ステップS910)。式(14)において、k3,k4は式(13)と共通する調整係数である。
DnX>TH−PDnX・k3−P2DnX・k4・・・(14)
判断の結果、式(14)を満たせば(ステップS910:YES)、CPU40は、注目画素のドットをONに決定する(ステップS920)。このとき、第1のペアドット2値化結果P1DnRは値255となり、第2のペアドット2値化結果P2DnRは値0となる。一方、式(14)を満たさなければ(ステップS910:NO)、CPU40は、注目画素のドットをOFFに決定する(ステップS930)。このとき、第1のペアドット2値化結果P1DnR、第2のペアドット2値化結果P2DnRは、いずれも値0となる。
こうして、ドットのON/OFFを決定すると、CPU40は、2値化誤差E,PE,P1E,P2Eを算出すると共に、2値化誤差E,PE,P1E,P2Eに基づいて、拡散誤差Ed,PEd,P1Ed,P2Edを算出する(ステップS940)。2値化誤差E,PE、拡散誤差Ed,PEdの算出については、上述の通りである。2値化誤差P1Eとは、加算第1ペアドットデータP1DnXと、第1のペアドットのON/OFF結果との差分、すなわち、第1のペアドット2値化結果P1DnRとの差分(P1DnX−P1DnR)である。2値化誤差P2Eとは、加算第2ペアドットデータP2DnXと、第2のペアドットのON/OFF結果との差分、すなわち、第2のペアドット2値化結果P2nRとの差分(P2DnX−P2DnR)である。拡散誤差P1Ed,P2Edは、拡散誤差Ed,PEdと同様に、拡散誤差P1E,P2Eに基づいて、周囲の画素に拡散する誤差である。
拡散誤差Ed,PEd,P1Ed,P2Edを算出すると、CPU40は、全ての画素を注目画素として上記ステップS810〜S940の処理を繰り返す(ステップS750)。こうして、ステップS130のハーフトーン処理は終了する。
以上の説明からも明らかなように、本変形例のハーフトーン処理では、第1のペアドットと第2のペアドットとを区分して、ペアドットの発生結果を周辺に拡散させることで、第1のペアドット数PDN1と第2のペアドット数PDN2とを個別に制御している。この制御の原理は、ペアドットデータPDnを用いて、ペアドット総数PDNtを制御するのと同様である。このような構成としても、上述した第2実施例のハーフトーン処理(図14,図15)と同様の効果を奏する。
C.変形例:
上述の実施形態の変形例について説明する。
C−1.変形例1:
上述の実施形態においては、第1のペアドット数PDN1と第2のペアドット数PDN2とが、ほぼ同数になるように制御する構成について示したが、第1のペアドット数PDN1と第2のペアドット数PDN2とは、必ずしも、同数に制御しなくてもよい。例えば、プリンター20の特性として、所定の距離の位置ずれが生じやすい場合には、当該所定距離の位置ずれが生じた場合の、第1のペアドット及び第2のペアドットにおけるドットの重畳部分の面積が変化する程度に応じて、所定の割合、例えば、PDN1:PDN2=6:4となるように制御してもよい。この場合、例えば、第1実施例であれば、評価値E22は、所望の第1のペアドット数PDN1及び第2のペアドット数PDN2の比率と、空白格納要素に着目閾値を格納した場合の第1のペアドット数PDN1及び第2のペアドット数PDN2の比率との差としてもよい。あるいは、第2実施例であれば、式(11),(12)に代えて、所望の比率で、第1のペアドットデータP1Dn及び第2のペアドットデータP2Dnを算出すればよい。
C−2.変形例2:
上述の実施形態においては、全ての印刷階調の範囲において、ペアドットの数や配置を制御する構成について示したが、一部の印刷階調の範囲において、ペアドットの数や配置を制御する構成としてもよい。
C−3.変形例3:
上述の実施形態においては、往動の方向において、往動ドット、復動ドットの順に隣接する第1のペアドットと、復動ドット、往動ドットの順に隣接する第2のペアドットとについて、その数や配置を制御する構成について示したが、ペアドットの制御は、必ずしも、往動ドットと復動ドットの並びに着目したものに限らない。例えば、共通の印刷領域が、4回の主走査で形成するドットが相互に組み合わされることにより形成される場合には、この4回の主走査で形成する第1〜第4のドットの並びに着目して、ペアドットの制御を行ってもよい。この場合、第1〜第4のドットの並びは16通りとなるので、16通りのペアドットについて、上述した制御を行ってもよい。
C−4.変形例4:
上述の実施形態においては、主走査方向に隣接するペアドットの数や配置について制御する構成としたが、かかる構成に限るものではなく、ドットを形成する異なるタイミングに起因して、当該異なるタイミングで形成されたドット間の相対的な位置関係が目標位置からずれる位置ずれが生じる場合の、当該位置ずれの方向の少なくとも1つについて、隣接するペアドットを制御すればよい。例えば、紙送り精度に起因して、副走査方向に位置ずれが生じ得る場合には、副走査方向に隣接するペアドットを制御してもよい。もちろん、主走査方向に隣接するペアドット及び副走査方向に隣接するペアドットの両方を制御する構成としてもよい。
C−5.変形例5:
上述の第1実施例において、評価値E1〜E3の算出に用いる係数a〜kは一定値として示したが、これらのうちの少なくとも一部は、画像データの色階調値に応じて、変化させる構成としてもよい。こうすれば、階調値に応じて、より最適なディザマスク62を生成することができる。
C−6.変形例6:
上述の第1実施例においては、ドットの分散の程度を示す評価値E1qとして、粒状性指数を用いたが、評価値E1qは、ドット配置の分散の程度を評価できるものであればよい。例えば、評価値E1qは、RMS粒状度を用いてもよい。RMS粒状度は公知の技術であるため(例えば、特開2007−174272号公報)、詳しい説明は省略するが、ドット密度値に対して、ローパスフィルターを用いてローパスフィルター処理を行うとともに、ローパスフィルター処理がなされた密度値の標準偏差を算出するものである。あるいは、ローパスフィルター処理後のドット密度を評価値E1qとしてもよい。これは、いわゆるポテンシャル法に用いられる評価値である。
C−7.変形例7:
上述した実施形態においては、双方向印刷を行うシリアル方式のインクジェット式プリンターについて示したが、本発明は、印刷媒体の共通の印刷領域に複数の異なるタイミングで印刷ヘッドからインクを吐出してドットを形成し、当該複数のタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する印刷装置に広く適用することができる。例えば、複数の印刷ヘッドを印刷媒体の幅方向の全体に亘って千鳥形状に配列し、隣接する印刷ヘッド同士の一部をオーバーラップさせたラインプリンターにも適用することができる。あるいは、ラインプリンターにおいて、印刷媒体の幅方向の全体に亘って設けられた1つの印刷ヘッドが備えるノズル列が、千鳥形状に配列されている場合にも適用することができる。
C−8.変形例8:
上述した実施形態においては、プリンター20において、図2に示した印刷処理の全てを実行する構成としたが、プリンターとコンピューター(端末としてのコンピューター、プリントサーバーとしてのコンピューターなど)とが接続された印刷システム(広義の印刷装置)において印刷処理を行う場合には、印刷処理やハーフトーン処理の全部または一部が、コンピューターとプリンターとのうちのいずれで行われてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態における本発明の構成要素のうち、独立クレームに記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略、または、組み合わせが可能である。また、本発明はこうした実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、本発明は、印刷装置としてのほか、印刷方法、印刷データ生成プログラム、当該プログラムを記録した記憶媒体、ディザマスクの生成方法等としても実現することができる。
20…プリンター
30…制御ユニット
40…CPU
41…入力部
42…ハーフトーン処理部
43…印刷部
51…ROM
52…RAM
60…EEPROM
62…ディザマスク
70…キャリッジモータ
71…駆動ベルト
72…プーリ
73…摺動軸
74…紙送りモータ
75…プラテン
80…キャリッジ
82〜87…インクカートリッジ
90…印刷ヘッド
98…メモリカードスロット
99…操作パネル
P…印刷媒体
MC…メモリカード

Claims (9)

  1. 印刷ヘッドからインクを印刷媒体に吐出して印刷を行う印刷装置であって、
    画像を構成する画像データを入力する入力部と、
    前記入力した画像データに基づいて、ドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理部と、
    前記生成したドットデータに基づいて、前記印刷媒体の共通の印刷領域に、前記印刷媒体に対する前記インクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミングで前記印刷ヘッドから前記インクを吐出してドットを形成し、該複数の異なるタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する印刷部と
    を備え、
    前記ハーフトーン処理部は、第1の印刷階調の場合、前記異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数が、前記第1の印刷階調よりも高い第2の印刷階調の場合に比べて少なくなるように前記ドットデータを生成する
    印刷装置。
  2. 前記ハーフトーン処理部は、前記少なくとも所定の印刷階調範囲において、前記ペアドットの数の制御と併せて、前記ペアドットが分散して配置されるように、該ペアドットの配置を制御して、前記ドットデータを生成する請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記ペアドットは、前記印刷ヘッドの往動の方向に向かって、往動ドット、復動ドットの順序でドットが隣接する第1のペアドットと、復動ドット、往動ドットの順序でドットが隣接する第2のペアドットとに少なくとも分類され、
    前記ハーフトーン処理部は、前記第1及び第2のペアドットのそれぞれについて、前記ペアドットの配置を制御する請求項記載の印刷装置。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか記載の印刷装置であって、
    前記印刷部は、前記印刷ヘッドを前記印刷媒体に対して主走査方向及び副走査方向に相対移動させながら印刷を行い、
    前記複数のタイミングは、前記印刷ヘッドが前記主走査方向のうちの一方の方向に相対移動する往動のタイミングと、該一方の方向とは反対の方向に相対移動する復動のタイミングである
    印刷装置。
  5. 印刷媒体の共通の印刷領域に、前記印刷媒体に対するインクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミングで印刷ヘッドから前記インクを吐出してドットを形成し、該複数の異なるタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する印刷方法であって、
    画像を構成する画像データを入力し、
    前記入力した画像データに基づいて、少なくとも所定の印刷階調範囲において、前記異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数を制御して、ドットの形成の有無を表すドットデータを生成し、
    前記生成したドットデータに基づいて、前記印刷画像を出力し、
    前記ドットデータの形成において、第1の印刷階調の場合、前記異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数が、前記第1の印刷階調よりも高い第2の印刷階調の場合に比べて少なくなるように前記ドットデータを生成する
    印刷方法。
  6. 印刷媒体の共通の印刷領域に、前記印刷媒体に対するインクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミングで印刷ヘッドから前記インクを吐出してドットを形成し、該複数の異なるタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する印刷装置で印刷を行う印刷データを生成する装置に、
    画像を構成する画像データを入力する入力機能と、
    前記入力した画像データに基づいて、少なくとも所定の印刷階調範囲において、前記異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数を制御して、ドットの形成の有無を表すドットデータを生成するハーフトーン処理機能と
    を実現させるための印刷データ生成プログラムであって、
    前記ハーフトーン処理機能は、第1の印刷階調の場合、前記異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数が、前記第1の印刷階調よりも高い第2の印刷階調の場合に比べて少なくなるように前記ドットデータを生成する
    印刷データ生成プログラム。
  7. 複数の格納要素の各々に閾値が格納されたディザマスクの生成方法であって、
    前記ディザマスクは、印刷媒体の共通の印刷領域に、前記印刷媒体に対するインクの吐出位置を変えつつ、複数の異なるタイミングで印刷ヘッドから前記インクを吐出してドットを形成し、該複数の異なるタイミングで形成されたドットが相互に組み合わせられることによって形成された印刷画像を出力する印刷装置において、前記印刷画像の所定の階調値に対して、前記閾値が格納された格納要素の配置に基づいて、前記印刷媒体上に所定の形成パターンでドットを生じさせるハーフトーン処理に用いられ、
    第1の印刷階調の場合、前記ドットの形成パターンに現れる、前記異なるタイミングで形成されるドットが所定の方向に隣接するペアドットの数が、前記第1の印刷階調よりも高い第2の印刷階調の場合に比べて少なくなるように、前記閾値の少なくとも一部が格納される前記格納要素の配置を決定する
    ディザマスクの生成方法。
  8. 前記ペアドットの数と併せて、前記ドットの形成パターンに現れる、前記ペアドットの分散の程度を指標として、前記格納要素の配置を決定する請求項記載のディザマスクの生成方法。
  9. 前記ペアドットは、前記印刷ヘッドの往動の方向に向かって、往動ドット、復動ドットの順序でドットが隣接する第1のペアドットと、復動ドット、往動ドットの順序でドットが隣接する第2のペアドットとに少なくとも分類され、
    前記指標となるペアドットの分散の程度は、前記分類ごとのペアドットの分散の程度を含む請求項記載のディザマスクの生成方法。
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